JPH06256519A - (メタ)アクリル基含有オルガノポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル基含有オルガノポリシロキサンの製造方法

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JPH06256519A
JPH06256519A JP5069308A JP6930893A JPH06256519A JP H06256519 A JPH06256519 A JP H06256519A JP 5069308 A JP5069308 A JP 5069308A JP 6930893 A JP6930893 A JP 6930893A JP H06256519 A JPH06256519 A JP H06256519A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 (メタ)アクリル基と加水分解性基とを有す
るシラン(1)を加水分解した後、この加水分解物をジ
オルガノシクロシロキサン及び鎖状のオルガノシロキサ
ンオリゴマーと共に酸触媒を用いて重合するか(1)の
シランをジオルガノシクロシロキサンの共存下に加水分
解した後、この加水分解物を鎖状のオルガノシロキサン
オリゴマーと共に酸触媒を用いて重合するか(メタ)ア
クリル基を有するオルガノシクロシロキサンをジオルガ
ノシクロシロキサン及び鎖状のオルガノシロキサンオリ
ゴマーと共に酸触媒を用いて重合する。 【効果】 従来多段階の反応が必要であったがワンポッ
トで製造することかでき、また原料の配合比を変更する
だけで、所望の重合度、(メタ)アクリル基含有量のも
のを簡単に得ることかできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル基又はメタク
リル基(以下、(メタ)アクリル基と総称する)を含有
するオルガノポリシロキサンの工業的有利な製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
(メタ)アクリル基含有オルガノポリシロキサンの製造
方法としては、例えばOH基を持つ(メタ)アクリレー
ト化合物とSiX基(Xはハロゲン原子)を持つオルガ
ノポリシロキサンとを塩基の存在下、脱HX反応させる
ことにより、(メタ)アクリル基をオルガノポリシロキ
サンに導入する方法が知られている(特公昭58−53
656号公報参照)。
【0003】しかし、この方法により製造された(メ
タ)アクリル基含有オルガノポリシロキサンでは、シロ
キサン鎖と(メタ)アクリル基とがSi−O−C結合で
つながれているため、水分、酸性不純物、塩基性不純物
等の影響でこの結合が加水分解することがあり、このオ
ルガノポリシロキサンの安定性には問題があった。
【0004】一方、ポリシロキサン鎖と(メタ)アクリ
ル基とがSi−O−C結合ではなくSi−C結合でつな
がれたものの製造方法としては、エポキシ基含有オルガ
ノポリシロキサンのエポキシ基と(メタ)アクリル基と
を開環付加反応させ、(メタ)アクリル基を導入する方
法が知られている(特開昭63−135426号公報、
特開平2−45533号公報参照)。
【0005】この方法では、エポキシ基含有オルガノポ
リシロキサンを得るために、まずオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンを合成しておき、これとアルケニル基
を持つエポキシ化合物とを白金触媒存在下ヒドロシリル
化反応させることが予め必要で、反応が多段階になると
いう不利があった。
【0006】更に、別の製造方法として、アルケニル基
を持つ(メタ)アクリル化合物とオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンとを白金触媒存在下でヒドロシリル化
反応させる方法が知られている(特開昭48−4800
0号公報、特開平2−163166号公報参照)。
【0007】この方法では、予めオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンを合成しておくことが必要で、更に、
アルケニル基を持つ(メタ)アクリル化合物のアルケニ
ル基と(メタ)アクリル基のヒドロシリル化反応の選択
性が問題となる場合がある。つまり、アルケニル基のみ
が選択的にヒドロシリル化反応する場合は問題ないが、
アルケニル基と(メタ)アクリル基の両方がオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンのSiH基と反応した場
合、反応混合物がゲル化してしまうことがある。
【0008】また、アルケニル基と(メタ)アクリル基
の組み合わせによっては、アルケニル基よりも(メタ)
アクリル基の反応性の方が優位であることがあり、この
場合、所望の(メタ)アクリル基含有オルガノポリシロ
キサンが得られないことがある。
【0009】このようにSi−C結合でポリシロキサン
鎖と(メタ)アクリル基とがつながれた(メタ)アクリ
ル基含有オルガノポリシロキサンの製造方法は公知であ
るが、前述したように、従来の方法はいずれも多段階の
反応が必要であり、また、反応中ゲル化したり、副反応
が伴ったりして、所望の重合度、(メタ)アクリル基含
有量のものを簡便に得ることができず、この点の解決が
望まれていた。
【0010】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
一つの反応容器内においてワンポットで簡便に(メタ)
アクリル基含有オルガノポリシロキサンを製造すること
ができ、また所望の重合度のものをゲル化などを伴うこ
となく容易に製造することができる(メタ)アクリル基
含有オルガノポリシロキサンの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(メタ)ア
クリル基と加水分解性基とを有するシランを原料として
用い、これを加水分解した後、この加水分解物をジオル
ガノシクロシロキサン及び鎖状のオルガノシロキサンオ
リゴマーと共に重合するか、又は上記シランをジオルガ
ノシクロシロキサンと共に加水分解した後、その加水分
解物を鎖状のオルガノシロキサンオリゴマーと共に重合
すること、或いは(メタ)アクリル基を有するオルガノ
シクロシロキサンを原料として用い、これをジオルガノ
シクロシロキサン及び鎖状のオルガノシロキサンオリゴ
マーと共に重合することにより、(メタ)アクリル基含
有オルガノポリシロキサンをワンポットで簡単に製造す
ることができると共に、原料の配合比を変更するだけで
所望の重合度、(メタ)アクリル基含有量を容易に調整
し得ることを見い出し、本発明をなすに至ったものであ
る。
【0012】従って、本発明は、アクリル基又はメタク
リル基と加水分解性基とを有するシランを加水分解した
後、この加水分解物をジオルガノシクロシロキサン及び
鎖状のオルガノシロキサンオリゴマーと共に酸触媒を用
いて重合することを特徴とする(メタ)アクリル基含有
オルガノポリシロキサンの製造方法、アクリル基又はメ
タクリル基と加水分解性基とを有するシランをジオルガ
ノシクロシロキサンの共存下に加水分解した後、この加
水分解物を鎖状のオルガノシロキサンオリゴマーと共に
酸触媒を用いて重合することを特徴とする(メタ)アク
リル基含有オルガノポリシロキサンの製造方法、及び、
アクリル基又はメタクリル基を有するオルガノシクロシ
ロキサンをジオルガノシクロシロキサン及び鎖状のオル
ガノシロキサンオリゴマーと共に酸触媒を用いて重合す
ることを特徴とする(メタ)アクリル基含有オルガノポ
リシロキサンの製造方法を提供する。
【0013】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の第1及び第2発明においては、出発原料として(メ
タ)アクリル基と加水分解性基とを有するシラン、ジオ
ルガノシクロシロキサン及び鎖状のオルガノシロキサン
オリゴマーを使用する。
【0014】ここで、該シランとしては下記式(1)で
示されるものを使用することが好ましい。 ASiR1(OR22 …(1) 但し、Aは(メタ)アクリル基を有する1価の炭化水素
基、特にCH2=CR3COO(CH2a−(R3は水素
原子又はメチル基、aは1〜6の整数)であるものが好
適である。また、R1は炭素数1〜10のアルキル基又
はアリール基とされるが、入手の容易さからメチル基、
エチル基、フェニル基とすることが望ましい。R2は炭
素数1〜6のアルキル基とされるが、入手の容易さ、反
応性の高さから、メチル基、エチル基又はプロピル基で
あることが望ましい。この場合、官能基Aの具体例とし
ては、下記のものが挙げられる。
【0015】
【化1】
【0016】上記シランとしては、特にCH2=CHC
OO(CH23SiCH3(OCH32で示されるもの
を好適に使用することができる。
【0017】一方、オルガノシクロシロキサンとして
は、下記式(2)で示されるものが好適に用いられる。 (R1 2SiO)b …(2) 但し、R1は上記と同様の意味を示し、bは3以上の整
数であり、具体的には(Me2SiO)3,(Me2Si
O)4,(Me2SiO)5,(Me PhSiO)4,(P
2SiO)4などが挙げられ、これらの1種又は2種以
上を使用し得る。なお、上記式において、Meはメチル
基、Phはフェニル基を示す。
【0018】また、オルガノシロキサンオリゴマーとし
ては、鎖状構造を有するもの(直鎖状又は分岐鎖を有す
る非環状構造のもの)が使用されるが、特に下記式
(3)で示されるオルガノシロキサンオリゴマーを用い
ることが推奨される。なお、このオルガノシロキサンオ
リゴマーは、目的物のポリシロキサン鎖の末端部分や分
岐部分となるものである。 (Ac1 3-cSiO1/2d+2(R1 2SiO)e(R1 SiO3/2d …(3) 但し、A及びR1は上記と同様の意味を示し、cは0〜
3の整数、d,eは0以上の整数、好ましくはdは0〜
20、eは0〜30である。
【0019】このようなオルガノシロキサンオリゴマー
としては下記のものを例示することができ、これらの1
種又は2種以上を使用することができる。
【0020】
【化2】
【0021】なお、上記オルガノシロキサンオリゴマー
としては、特に(メタ)アクリル基を有するものが、目
的のオルガノポリシロキサンを硬化させた場合の硬化性
に優れる。
【0022】本発明の第1発明においては、まず上記式
(1)のシランを加水分解するが、この加水分解におい
ては、酸触媒を使用することができ、酸触媒としては、
メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフロ
ロメタンスルホン酸、硫酸、塩酸等が用いられるが、特
にメタンスルホン酸が好適である。なお、本発明では反
応の第1段階終了後、反応系を減圧にする場合があるの
で、揮発性の酸を用いることは余り好ましくない。
【0023】その使用量は式(1)のシラン100部
(重量部、以下同じ)に対し0.01〜10部とするこ
とができる。
【0024】また、加水分解に際し、水又は上記酸触媒
の水溶液が使用されるが、水の使用量は式(1)のシラ
ンを完全に加水分解するのに十分の量であり、式(1)
のシラン100部に対し通常0.1〜200部とするこ
とができる。なお、必要により重合禁止剤を添加して加
水分解反応を行うことができる。
【0025】加水分解反応は通常室温で行えばよいが、
発熱が激しい場合は−10〜10℃程度に冷却すればよ
く、また加水分解反応が室温で進行しにくい時は、50
〜100℃に加熱すればよい。反応時間は特に限定され
ない。
【0026】加水分解反応終了後、反応系中に生成した
アルコール(R2OH)及び過剰の水を除去することが
好ましい。除去の方法は反応混合物を加熱し、そのまま
留去するか、または必要に応じて減圧にして留去しても
よいし、減圧下に加熱して留去してもよい。加熱温度、
減圧度は制限はないが、30〜120℃、10〜200
Torrとすれば十分である。
【0027】次に、上記加水分解によって得られた反応
混合物に式(2)のオルガノシクロシロキサン及び式
(3)の鎖状のオルガノシロキサンオリゴマーを添加
し、酸触媒を用いて重合することにより、目的の(メ
タ)アクリル基含有オルガノポリシロキサンを得るもの
である。
【0028】この場合、式(1)のシランと式(2)の
オルガノシクロシロキサンとは重量比として0.1/9
9.9〜99.9/0.1の割合、より好ましくは0.
5/99.5〜50/50の割合で使用し得、また式
(3)の鎖状のオルガノシロキサンオリゴマーは、式
(1),(2)のシラン及びシロキサンの合計量100
部に対して0.1〜50部を使用することが好ましい。
【0029】上記重合反応は50〜150℃に加熱して
行うことができるが、この重合反応の際、必要により上
述した酸触媒を更に追加することかできる。この場合、
追加量は式(1)のシランと式(2)のシクロシロキサ
ンの合計100部に対し通常10部以下である。なお、
重合反応の反応時間は特に制限されない。
【0030】重合反応終了後、この反応混合物に塩基性
化合物を添加して、反応に使われた酸触媒を中和する。
この塩基性化合物としては、NaHCO3,Na2
3,K2CO3,(C253N,(C493N,N
3,ピリジンなどを用いることができるが、生成塩の
濾過性、安全性からNaHCO3,Na2CO3が望まし
い。これら塩基性化合物の使用量は中和量であり、例え
ば式(2)のシクロシロキサン100部に対し0.1〜
300部とすることができる。この場合、中和温度、時
間は特に制限はない。
【0031】この反応混合物から中和塩を濾過したのち
に揮発成分を加熱減圧下において留去するか、又は反応
混合物から揮発成分を加熱、減圧下において留去したの
ちに中和塩を濾過することにより、生成物である(メ
タ)アクリル基含有オルガノポリシロキサンが得られ
る。
【0032】上記製造方法において、式(2)のオルガ
ノシクロシロキサンは重合時に添加するかわりに、シラ
ンの加水分解の前に予め仕込んでおき、シランと共に加
水分解に供するようにしてもよい(第2発明)。この場
合アルコール及び過剰の水を留去する過程で、加熱温
度、減圧度によっては、反応混合物中のオルガノシクロ
シロキサン成分が共沸して留去される場合もあるが、留
分中のオルガノシクロシロキサン成分と水/アルコール
成分とは分離するので、留分からオルガノシクロシロキ
サン成分を回収するのは容易であり、これは反応容器に
戻すことができる。なお、その他の操作等は上記第1発
明と同様である。
【0033】一方、本発明の第3発明は、(メタ)アク
リル基を有するオルガノシクロシロキサンと式(2)の
ジオルガノシクロシロキサンと式(3)のオルガノシロ
キサンオリゴマーを酸触媒を用いて重合するものであ
る。
【0034】ここで、(メタ)アクリル基含有オルガノ
シクロシロキサンとしては、好ましくは下記式(4)で
示されるものを使用することができる。 (AR1SiO)f …(4) 但し、A及びR1は上記と同様の意味を示し、fは3以
上の整数、より好ましくは3〜8の整数である。
【0035】なお、上記式(4)の(メタ)アクリル基
含有オルガノシクロシロキサンは単一重合度のものを使
用してもよく、重合度3〜8のものの混合物でもよい。
【0036】なおまた、式(4)の(メタ)アクリル基
含有オルガノシクロシロキサンと式(2)のシクロシロ
キサンとは、重量比として0.1/99.9〜99.9
/0.1の割合、より好ましくは0.5/99.5〜5
0/50の割合で使用できる。
【0037】この第3発明の重合反応は、上述した第1
発明の重合反応と同様に、原料である(メタ)アクリル
基含有オルガノシクロシロキサン、ジオルガノシクロシ
ロキサン、オルガノシロキサンオリゴマーを所望の比で
反応容器に仕込み、また必要に応じて重合禁止剤を添加
し、更に酸触媒を添加し、この反応混合物を50〜15
0℃に加熱することにより重合反応を行うことができ
る。
【0038】なお、本発明の製造方法で行われる反応
は、有機溶媒を用いて行ってもよい。使用できる有機溶
媒としては、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水
素類、ヘキサン、イソオクタン、工業用ガソリンのよう
な脂肪族炭化水素類、イソプロパノール、n−ブタノー
ルのようなアルコール類、メチルイソブチルケトンのよ
うなケトン類等が挙げられる。また、反応の雰囲気とし
ては、空気中、不活性気体中のいずれもでもよい。
【0039】本発明によって得られる(メタ)アクリル
基含有オルガノポリシロキサンは、例えば下記式(5)
で示すことができる。 (Ac1 3-cSiO1/2d+2(AR1 SiO m(R1 2SiO)n(R1 SiO3/2 d …(3) 但し、A,R1,c,dは上記と同様の意味を示し、m
は1以上、nは3以上の整数で、特に制限はないが、得
られた(メタ)アクリル基含有オルガノポリシロキサン
を紙やプラスチックフィルムなどの基材に塗工する際の
塗工性の点でm+n=4〜3000が望ましい。
【0040】このような本発明により製造することので
きる(メタ)アクリル基含有オルガノポリシロキサンと
しては、具体的に下記のものを例示することかできる。
【0041】
【化3】
【0042】本発明の製造方法によって得られた(メ
タ)アクリル基含有オルガノポリシロキサンは、それ単
独で又はこれとは重合度又は(メタ)アクリロキシ基含
有率の異なる同種のオルガノポリシロキサンと混合して
放射線硬化性オルガノポリシロキサン組成物とすること
ができる。この場合、該組成物にはその特徴を損なわな
い範囲で種々の添加剤を添加してもよく、例えばアセト
フェノン、ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノ
ン、4,4−ジメトキシベンゾフェノン、4−メチルア
セトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
トリアルキルシリルエーテルなどの光反応開始剤、ジエ
チルアミン、2−ジエチルアミンエタノール、ピペリジ
ンのような酸素硬化阻害抑制剤、へキサジオールアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレートのよ
うな反応性希釈剤、有機溶剤、レベリング剤、充填剤、
帯電防止剤、消泡剤、顔料、オルガノポリシロキサン等
を配合することができる。
【0043】このような(メタ)アクリル基含有オルガ
ノポリシロキサンを用いた放射線硬化性オルガノポリシ
ロキサン組成物は粘着テープの背面処理剤や金属、プラ
スチックの保護コーティング剤、塗料用ベースとしての
使用に適している。
【0044】この使用に当たっては、これを紙、各種プ
ラスチックフィルム、アルミニウム等の金属箔にバーコ
ーター、グラビヤコーター、リバースコーターなどを用
いて、またはスプレーすることによって0.05〜20
0μm程度の膜厚となるように塗布した後、これに放射
線を照射して硬化させればよい。この放射線としては、
電子線、α線、β線、γ線又は水銀アーク、低圧水銀ラ
ンプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプから発生する紫
外線などが例示されるが、上記した塗膜を硬化させるた
めの線量は電子線であれば2〜5Mrad程度でよく、
紫外線の時には、例えば、2kwの高圧水銀灯(80w
/cm)を使用した時に8cmの距離から0.01〜1
0秒照射すればよい。なお、紫外線照射の場合は、上記
光重合開始剤を用いることが好ましい。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、従来多段階の反応が必
要であった(メタ)アクリル基含有オルガノポリシロキ
サンをワンポットで製造することができ、また原料の配
合比を変更するだけで、所望の重合度、(メタ)アクリ
ル基含有量のものを簡単に得ることができる。
【0046】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。なお、例中の部は重量部であり、粘度、屈折率は2
5℃での測定値を示したものである。また、例中におけ
る硬化性、剥離力、残留接着率の値は下記の試験法によ
る測定値を示したものである。
【0047】〔硬化性〕オルガノポリシロキサンをポリ
エチレンラミネート紙に塗布した後、電子線を照射して
硬化させた時には完全に硬化した皮膜が形成されるのに
要した電子線照射量(Mrad)、紫外線照射による時
には2kwの高圧水銀灯(80w/cm)を2本使用し
て8cmの距離から紫外線を照射して完全に硬化した皮
膜が形成されるのに要した照射時間(秒)で示した。但
し、この硬化の判定は塗工面を指で擦っても塗工面が脱
落せず、かつ曇らない時点とした。
【0048】〔剥離性〕オルガノポリシロキサンをポリ
エチレンラミネート紙上に塗布し、放射線を照射して硬
化させた後、その硬化皮膜面にアクリル樹脂溶剤型粘着
剤〔オリバインBPS−8170(東洋インキ(株)製
商品名)〕を塗布し、100℃で3分間加熱処理した
後、この処理面に坪量64g/m2の貼り合わせ紙を貼
り合わせ、25℃で20時間エイジングさせ、エイジン
グ後の試料を5cm幅に切断し、引っ張り試験器を用い
て180°の角度で剥離速度300mm/分で貼り合わ
せ、紙を引っ張って剥離するのに要する力(g/5c
m)を測定し、この値を初期剥離力とした。また、上記
の貼り合わせ条件を70℃において70g/cm2の荷
重で3日間圧着した後に測定したものを経時剥離力とし
た。
【0049】〔残留接着率〕剥離性試験の場合と同様に
してポリエチレンラミネート紙の上にオルガノポリシロ
キサンの硬化皮膜を形成させ、その表面にポリエステル
テープ〔ルミラー31P(日東電工(株)製商品名)〕
を貼り合わせ、20g/cm2の荷重をのせて70℃で
20時間加熱処理してからテープを剥してステンレス板
に貼り付けた。次に、この処理テープをステンレス板か
ら180°の角度で剥離速度300mm/分で剥し、剥
離するのに要した力(g/2.5cm)を測定すると共
に、未処理の標準テープをステンレス板から剥離するの
に要した力(g/2.5cm)を測定し、この未処理の
標準テープを剥離するのに要した力に対する百分率を残
留接着率とした。
【0050】〔実施例1〕撹拌装置、温度計、滴下ロー
ト、還流冷却器を取り付けた4つ口フラスコに、下記式
(6)で示される加水分解性シラン(29.4部)、下
記式(7)で示されるオクタメチルシクロテトラシロキ
サン(100部)、メタンスルホン酸(0.13部)、
重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン(0.0
7部)を仕込んだ。ここに水(3.7部)を室温で滴下
し、そのまま3時間撹拌を続けた。この後、フラスコを
35〜40℃に加温し、80Torrの減圧下で反応混
合物中のメタノール及び水を留去した。凝集器に2層に
分離した液体がたまったが、これは上層がメタノール、
下層がオクタメチルシクロテトラシロキサンであり、下
層をフラスコ内に戻した。
【0051】
【化4】
【0052】次に、下記式(8)で示されるオルガノシ
ロキサンオリゴマー(2.2部)、メタンスルホン酸
(1.3部)を加え、85〜90℃に加熱し、8時間重
合を行った。反応終了後、炭酸水素ナトリウム(1.7
部)を加え、120〜130℃で3時間加熱した。次い
で、2Torrの減圧下、120〜130℃で揮発分を
留去した後、濾過して、試料1(93部)を得た。
【0053】
【化5】
【0054】試料1のIRスペクトル、29SiNMR、
1HNMRスペクトルの解析結果より、これは下記平均
組成式(9)で示されるアクリル基含有オルガノポリシ
ロキサンであることを確認した。このものの粘度は46
0cp、屈折率1.417であった。
【0055】
【化6】
【0056】〔実施例2〕撹拌装置、温度計、還流冷却
器を取り付けた4つ口フラスコに、下記式(10)のア
クリル基含有オルガノシクロシロキサン(23.2
部)、上記式(7)のオクタメチルシクロテトラシロキ
サン(100部)、上記式(8)のオルガノシロキサン
オリゴマー(2.2部)、重合禁止剤としてジブチルヒ
ドロキシトルエン(0.07部)を仕込んだ。この混合
物にメタンスルホン酸(1.3部)を添加した後、95
〜100℃で重合を行った。反応終了後、炭酸水素ナト
リウム(1.7部)を加え、120〜130℃で3時間
加熱した。120〜130℃、2Torrで揮発分を留
去した後、濾過して試料2(94部)を得た。
【0057】
【化7】
【0058】試料2のIRスペクトル、29SiNMR、
1HNMRスペクトルの解析結果より、これは下記平均
組成式(11)で示されるアクリル基含有オルガノポリ
シロキサンであることを確認した。このものの粘度は4
60cp、屈折率1.417であった。
【0059】
【化8】
【0060】〔実施例3〕実施例1と同様の式(6)の
加水分解性シラン(29.4部)、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン(100部)、下記式(12)のオル
ガノシロキサンオリゴマー(2.4部)を用いた他は実
施例1と同様にして試料3(112部)を得た。
【0061】
【化9】
【0062】試料3のIRスペクトル、29SiNMR、
1HNMRスペクトルの解析結果より、これは下記平均
組成式(13)で示されるアクリル基含有オルガノポリ
シロキサンであることを確認した。このものの粘度は3
70cp、屈折率1.416であった。
【0063】
【化10】
【0064】次に、実施例1〜3で得られた試料1〜3
をオフセット転写機を用いてポリエチレンラミネート紙
に塗布量が約1.0g/m2となるように塗布した後、
電子線照射装置を用いて電子線を照射して硬化させ、こ
のときの硬化性、剥離性を調べたところ、表1に示した
通りの結果が得られた。
【0065】
【表1】
【0066】また、実施例1〜3で得られた試料1〜3
に光反応開始剤としてのベンゾイルイソブチルエーテル
を5重量%添加し、これをポリエチレンラミネート紙に
オフセット印刷機を用いて塗布量が約1.0g/m2
なるように塗布した後、これに空気中において高圧水銀
灯(80w/cm)を2本使用し、8cmの距離から紫
外線を照射して硬化させ、この時の硬化性及びこの硬化
皮膜の剥離特性を調べたところ、下記表2に示した通り
の結果が得られた。
【0067】
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 大庭 敏夫 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル基又はメタクリル基と加水分解
    性基とを有するシランを加水分解した後、この加水分解
    物をジオルガノシクロシロキサン及び鎖状のオルガノシ
    ロキサンオリゴマーと共に酸触媒を用いて重合すること
    を特徴とする(メタ)アクリル基含有オルガノポリシロ
    キサンの製造方法。
  2. 【請求項2】 アクリル基又はメタクリル基と加水分解
    性基とを有するシランをジオルガノシクロシロキサンの
    共存下に加水分解した後、この加水分解物を鎖状のオル
    ガノシロキサンオリゴマーと共に酸触媒を用いて重合す
    ることを特徴とする(メタ)アクリル基含有オルガノポ
    リシロキサンの製造方法。
  3. 【請求項3】 アクリル基又はメタクリル基を有するオ
    ルガノシクロシロキサンをジオルガノシクロシロキサン
    及び鎖状のオルガノシロキサンオリゴマーと共に酸触媒
    を用いて重合することを特徴とする(メタ)アクリル基
    含有オルガノポリシロキサンの製造方法。
  4. 【請求項4】 鎖状のオルガノシロキサンオリゴマーが
    末端にアクリル基又はメタクリル基を有するものである
    請求項1,2又は3記載の製造方法。
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