JPH0625538A - 高制電性樹脂組成物 - Google Patents

高制電性樹脂組成物

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JPH0625538A
JPH0625538A JP4182598A JP18259892A JPH0625538A JP H0625538 A JPH0625538 A JP H0625538A JP 4182598 A JP4182598 A JP 4182598A JP 18259892 A JP18259892 A JP 18259892A JP H0625538 A JPH0625538 A JP H0625538A
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Japan
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resin composition
resin
oxide
polyalkylene oxide
weight
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JP4182598A
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Inventor
Masato Fujikake
正人 藤掛
Takushi Yamamoto
琢司 山本
Hiroshi Kobayashi
浩 小林
Shinji Nii
慎二 仁井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベース樹脂の性能を損わず長期に使用しても
制電性の劣化が小さい樹脂組成物。 【構成】 熱可塑性樹脂と、架橋型ポリアルキレンオキ
シドと、一般式が(R−SO3 n M(ただし、n=1
〜2、Rは、アルキル基またはアルキルフェニル基、M
は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属)で示される
有機スルホン酸金属塩、またはMXn (ただし、n=1
〜2、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、X
は、ハロゲン原子、SCN、ClO4 、BF4 、P
6 、B[φ] 4 (ただし、φはフェニル基)、CF3
SO3 、またはCF3 CO2 )で示されるイオン解離性
金属塩とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制電性の熱可塑性樹脂
に関する。ここに制電性とは、表面電気抵抗が小さく、
樹脂製品表面に静電気が発生しにくい性質を有すること
をいう。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は、成形加工の容易さ、成
形品の優れた特性ならびに経済的な利点を有するので、
各種の用途に広く使用されている。熱可塑性樹脂は、一
般に電気絶縁性がよく、電気絶縁体として電気部品にも
多く使用されているが、このことが一方では、成形品が
帯電しやすいこと、埃が付着し汚れやすいなどの問題を
引起こし、従来から制電性を有するグレードの開発が行
われていた。たとえば、ポリエチレンオキシドまたは有
機スルホン酸金属塩をそれぞれ単独でブレンドした熱可
塑性樹脂などである。この他、熱可塑性樹脂に対して、
最近、特開平2−233743号公報に、ポリエチレン
オキシドおよびアルキルフェニル化合物のスルホン酸金
属塩を添加した制電性のポリスチレン系樹脂組成物が、
また、特開平3−227357号公報には、ポリエチレ
ンオキシドとこれに固溶する金属塩を添加したゴム強化
スチレン系樹脂が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近、エレク
トロニクス製品が高度化、高密度化して帯電による故障
がふえ、またOA機器などの汚れが嫌われるようになっ
て、これらの製品の制電性に対する要求が益々厳しくな
り、従来の制電性熱可塑性樹脂ではその要求に十分に対
応できなくなってきた。また、加工中や使用中に洗浄な
どを行うと初期の制電性が大きく劣化することも問題で
あった。本発明は、ベースとなる熱可塑性樹脂のもつ優
れた力学的特性や加工性を損うことなく、長期間に亘っ
て制電性を維持することのできる樹脂組成物を研究し、
完成したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、100重量部
の熱可塑性樹脂と、2ないし40重量部の架橋型ポリア
ルキレンオキシドと、0.3ないし10重量部の一般式
が (R−SO3 n M (1) ただし、n=1〜2、 Rは、アルキル基またはアルキルフェニル基 Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属 で示される有機スルホン酸金属塩、または、 MXn (2) ただし、n=1〜2、 Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属 Xは、ハロゲン原子、SCN、ClO4 、BF4 、PF
6 、B[φ]4 (ただし、φはフェニル基)、CF3
3 、またはCF3 CO2 で示されるイオン解離性金属塩と、からなることを特徴
とする高制電性樹脂組成物を提供する。
【0005】さらに、前記の熱可塑性樹脂が、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリル
酸エステル系樹脂およびポリスチレン系樹脂である、こ
とを特徴とする前記の高制電性樹脂組成物を提供する。
また、前記の架橋型ポリアルキレンオキシドが、重量平
均分子量1,000ないし10,000,000の、ポ
リエチレンオキシドまたはエチレンオキシド−プロピレ
ンオキシド共重合体を、イソシアナート化合物と反応さ
せて得られる架橋型ポリアルキレンオキシドである、こ
とを特徴とするこれらの高制電性樹脂組成物を提供す
る。これらの高制電性樹脂組成物において、一般式
(1)で示される有機スルホン酸金属塩のRは、炭素数
が1〜30のアルキル基またはアルキルフェニル基であ
ることが好ましい。
【0006】
【作用】すなわち、本発明者は、前記目的を達成するた
めの研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂に、ポリアルキレ
ンオキシドを架橋して得られる架橋型ポリアルキレンオ
キシドを配合し、さらに、第3成分として特定の金属塩
を添加して、制電性のすぐれた本発明の高制電性樹脂組
成物を見出した。以下、本発明の高制電性樹脂組成物に
ついて、詳しく説明する。
【0007】まず、配合する成分について説明する。本
発明の高制電性樹脂組成物に配合する熱可塑性樹脂は、
現在、一般的に使用されている熱可塑性樹脂を使用する
こととができる。たとえば、ポリエチレン、ポリプロピ
レンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アク
リロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹
脂)などのスチレン系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、
ポリメタクリル酸エチルなどのポリメタクリル酸エステ
ル系樹脂;酢酸ビニル樹脂;ポリビニルアルコール;塩
化ビニル樹脂;含フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などがあげられる。
【0008】つぎに、架橋型ポリアルキレンオキシドと
しては、重量平均分子量が1000ないし10,00
0,000の範囲のポリアルキレンオキシド、好ましく
は1,000ないし6,000,000のポリアルキレ
ンオキシドを適当な方法、たとえば架橋剤を使用した
り、放射線を照射して製造したものを使用する。原料の
ポリアルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピ
レンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキ
シド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリンなどのア
ルキレンオキシドの1種または2種以上を重合して得ら
れる。なかでも、エチレンオキシド重合物、またはエチ
レンオキシドとエチレンオキシド以外のアルキレンオキ
シド、とりわけプロピレンオキシドとの共重合物が好ま
しく用いられる。ポリエチレンオキシド重合物またはエ
チレンオキシドとエチレンオキシド以外のアルキレンオ
キシドとの共重合物は、エチレンオキシドなどの原料を
適当な触媒の存在下に開環重合して得られる。その製造
法にはとくに制限がなく、公知の方法を利用できる。市
販のポリエチレンオキシドなどを使用してもよい。
【0009】これらの原料から架橋型ポリアルキレンオ
キシドを製造する方法にもとくに制限はなく、公知の製
造方法を利用すればよいが、そのなかでも、ポリアルキ
レンオキシドをポリイソシアナート化合物と反応させて
得られるポリアルキレンオキシドとイソシアナートとの
反応生成物が好適である。ここに用いるポリイソシアナ
ート化合物は、同一分子内にイソシアナート基を少くと
も2個有する有機化合物であって、たとえば、1,4−
フェニルジイソシアナート、ヘキサンジイソシアナー
ト、デカンジイソシアナート、チオジエチルジイソシア
ナート、2,4−トリレンジイソシアナートまたはその
3量体、ポリメチレンポリフェニルジイソシアナート、
ポリオールたとえばトリメチロールプロパンなどにその
活性水素の数に対応するモル数のジイソシアナート化合
物を反応させて得られるウレタントリイソシアナート化
合物などがあげられる。これらのポリイソシアナート化
合物は、単独または2種以上を混合して用いてもよい。
【0010】これらのポリアルキレンオキシドとイソシ
アナートとの反応生成物の製造方法は、たとえば特公昭
50−36280号公報に具体的に記載されている方法
などがあげられる。ポリイソシアナート化合物の添加量
は、反応成分の種類などの条件によって異なるが、通常
は、ポリアルキレンオキシドに対して、0.01〜20
重量%、好ましくは、0.1〜10重量%である。ポリ
アルキレンオキシドとポリイソシアナート化合物とを反
応させる方法としては、適当な溶媒を用い溶液状で反応
させるのが一般的であるが、両者を粉末または固形状に
均一混合し、50〜150℃に加熱して反応させること
もできる。この反応系にトリエチルアミン、トリエタノ
ールアミン、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズア
セテート、トリエチレンジアミンなどを少量添加して反
応を促進することができる。
【0011】さらに、第3成分として添加する一般式
(1):(R−SO3 n Mで示される有機スルホン酸
金属塩および一般式(2):MXn で示されるイオン解
離性金属塩について説明する。一般式が(1)で示され
る有機スルホン酸金属塩としては、炭素数が1〜30の
直鎖または分枝のあるアルキル基をもつスルホン酸金属
塩が好ましく、たとえば、メチル、オクチル、ドデシ
ル、ステアリル、ベヘニルなどのアルキルスルホン酸金
属塩、およびドデシルベンゼンなどのアルキルフェニル
スルホン酸金属塩などがあげられる。塩を構成する金属
としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどのアル
カリ金属、およびマグネシウム、カルシウムなどのアル
カリ土類金属の中から任意に選択することができる。
【0012】一般式が(2)で示されるイオン解離性金
属塩としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどの
アルカリ金属、およびマグネシウム、カルシウムなどの
アルカリ土類金属とフッ素(F- )、塩素(Cl- )、
臭素(Br- )、ヨウ素(I - )、チオシアン酸(SC
- )、過塩素酸(ClO4 - )などのイオンを遊離す
る金属塩の中から任意に選択することができる。この
他、テトラフルオロホウ酸(BF4 - )、ヘキサフルオ
ロリン酸(PF6 - )、テトラフェニルホウ酸(B
[φ]4 - )(ただしφはフェニル基を示す)、トリフ
ルオロメタンスルホン酸(CF3 SO3 - )またはトリ
フルオロ酢酸(CF3 CO2 - )などのイオンを遊離す
る金属塩の中から選択してもよい。上記の一般式が
(1)または(2)で示される金属塩は、単独でも、2
種以上を混合して添加してもよい。
【0013】上記のほか、本発明の制電性樹脂組成物に
は、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、相溶化剤、顔料、補強剤などを添加することができ
る。
【0014】引続いて、これらの成分の配合率について
説明する。熱可塑性樹脂と架橋型ポリアルキレンオキシ
ドとの配合比は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、架
橋型ポリアルキレンオキシド2ないし40重量部を加え
る。架橋型ポリアルキレンオキシドの配合量が、2重量
部未満であると十分な制電性または安定した制電効果が
得られにくい。また、40重量部を越えると、成形品の
表面の品位が低下し、ベースとなる熱可塑性樹脂のすぐ
れた力学的特性を維持できなくなるので好ましくない。
【0015】前記の一般式が(1)または(2)で示さ
れる金属塩は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.
3ないし10重量部を配合する。配合量が、0.3重量
部未満であると十分な制電効果が得られず、10重量部
を越えると、成形品の表面の品位が低下し、ときには成
形品が着色することがあるので好ましくない。これらの
他に添加する成分があれば、添加する目的に応じて適量
を配合することができる。
【0016】さらに、本発明の高制電性樹脂組成物の製
造方法について説明する。所定の配合比率の熱可塑性樹
脂、架橋型ポリアルキレンオキシドおよび一般式が
(1)または(2)で示される金属塩を、たとえば単軸
押出機、2軸押出機、ニーダ、2軸混練機などを用い、
70〜250℃の温度範囲で混練すればよい。使用する
混練機、混練方法、配合成分の添加時期などについて、
特別の制限はない。
【0017】
【実施例】さらに、本発明の高制電性樹脂組成物を、実
施例および比較例をあげて具体的に説明する。実施例お
よび比較例において使用した配合成分、および得られた
高制電性樹脂組成物の物性の測定法は、以下に説明する
ものを採用した。なお、[]内は、実施例を示す表中で
使用した略号である。
【0018】A. 高制電性樹脂組成物の配合成分 (1)熱可塑性樹脂 a)ABS樹脂:[ABS]:ABS樹脂(トヨラック
(登録商標)100(東レ(株)製) b)ポリ塩化ビニル樹脂:[PVC]:ポリ塩化ビニル
樹脂(アロンパウダー(登録商標)V−500W−16
(東亜合成(株)製) (2)架橋型ポリアルキレンオキシドおよび未架橋ポリ
アルキレンオキシド a)架橋型ポリエチレンオキシド:[A]:アクアコー
クNU−30(住友精化(株)製) b)未架橋ポリエチレンオキシド:[B]: PEO−1:(住友精化(株)製) (3)一般式が(1)または(2)で示される金属塩: a)一般式が(1)で示される有機スルホン酸金属塩: メタンスルホン酸ナトリウム:[W] オクチルスルホン酸ナトリウム:[X] ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:[Y] ステアリルスルホン酸ナトリウム:[Z] b)一般式が(2)で示されるイオン解離性金属塩 NaI:[U] NaSCN:[V] なお、表中に示す配合量の単位は、熱可塑性樹脂100
重量部に対するそれぞれの成分の重量部である。
【0019】B. 樹脂組成物の物性の測定法 (1)制電性(表中に示す数字の単位:Ω) 樹脂組成物を熱プレスで厚さ1mmに成形し、10cm
×10cmの試験片を2個製作した。この内の1個を、
23℃、50%RHの雰囲気の中で24時間保持し、洗
浄前の試験片とした。残ったもう1個の試験片を、純水
に5分間浸漬した後、表面を洗びんよりの純水で洗浄
し、23℃、50%RHの雰囲気の中で24時間保持し
たものを洗浄後の試験片とした。この両試験片の表面固
有抵抗を測定し、制電性および制電性の経時安定性とし
て評価した。表面固有抵抗は、極超絶縁計(東亜電波工
業(株)製:SM−8210)を用い、測定電圧100
V、印加時間1分で測定した。 (2)硬度(表中に示す数字の単位:ショアーD) JIS K7215に準じ、デュロメータ(上島製作所
製:ショアー硬度計D型)を用いて測定した。 (3)引張強さ(表中に示す数字の単位:kg/c
2 ) JIS K7113に準じ、引張試験機((株)島津製
作所製:オートグラフAG−500A)を使用し、引張
速度50mm/分で測定した。
【0020】実施例1〜7および比較例1〜3 ABS樹脂100重量部に対して、表1に示した配合量
の架橋型ポリアルキレンオキシドまたは未架橋ポリアル
キレンオキシドと、一般式が(1)で示される有機スル
ホン酸金属塩と、0.3重量部の酸化防止剤(チバガイ
ギー社製:イルガノックス1010)とをヘンシェルミ
キサー(三井三池化工機(株)製:FM20B)を用
い、粉体状態でブレンドした。このブレンド物を電気加
熱式2本ロールの混練機(安田精機(株)製:TM型)
を用い、20分間、温度140〜160℃で混練し、本
発明の高制電性樹脂組成物および比較対象の樹脂組成物
を製造した。これらの樹脂組成物を熱プレスにより前記
の所定の形状に成形して各種の物性を測定した。その結
果を表1に示した。比較例に較べて、本発明の高制電性
樹脂組成物が制電性にすぐれ、力学的特性も劣らないこ
とが判った。
【0021】実施例8〜9 一般式が(1)で示される有機スルホン酸金属塩に代え
て、一般式が(2)で示されるイオン解離性金属塩を配
合し、混練を15分間、温度170〜180℃で実施し
た他は、実施例1と同様にして本発明の高制電性樹脂組
成物を製造した。これらの高制電性樹脂組成物を熱プレ
スにより前記の所定の形状に成形して各種の物性を測定
した。その結果を表1に示した。
【0022】実施例10〜11および比較例4 ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、表1に示し
た配合量の架橋型ポリアルキレンオキシドまたは未架橋
ポリアルキレンオキシドと、一般式が(1)で示される
有機スルホン酸金属塩と、0.3重量部の酸化防止剤
(チバガイギー社製:イルガノックス1010)とをヘ
ンシェルミキサーを用い、粉体状態でブレンドした。こ
のブレンド物を電気加熱式2本ロールの混練機(安田精
機(株)製:TM型)を用い、20分間、温度140〜
160℃で混練し、本発明の高制電性樹脂組成物および
比較対象の樹脂組成物を製造した。これらの樹脂組成物
を熱プレスにより前記の所定の形状に成形して各種の物
性を測定した。その結果を表1に示した。比較例に較べ
て、本発明の高制電性樹脂組成物が制電性にすぐれ、力
学的特性も劣らないことが判った。
【0023】 [表1−a] 実施例 1 2 3 4 5 熱可塑性樹脂 ABS ABS ABS ABS ABS ポリアルキレ A A A A A ンオキシド 配合量 2 10 30 10 10 金属塩 X X X Z Z 配合量 2 2 2 0.5 8 表面抵抗 洗浄前 4.9×1010 4.0×1010 1.1×1010 3.4×1010 7.8×1010 洗浄後 1.6×1011 4.0×1010 4.9×1010 7.9×1011 2.6×1010 硬度 78 77 74 75 74 引張強さ 465 410 380 400 370 成形品表面 良好 良好 良好 良好 良好 [表1−b] 実施例 6 7 8 9 10 ベース樹脂 ABS ABS ABS ABS PVC ポリアルキレ A A A A A ンオキシド 配合量 10 10 10 10 10 金属塩 Y W U V X 配合量 2 2 2 2 2 表面抵抗 洗浄前 6.4×1010 8.0×1010 1.1×1010 6.3×1010 1.5×1010 洗浄後 9.0×1010 9.8×1011 1.6×1010 3.5×1010 2.0×1010 硬度 73 77 75 74 46 引張強さ 385 420 435 440 145 成形品表面 良好 良好 良好 良好 良好 [表1−c] 実施例 11 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 ベース樹脂 PVC ABS ABS ABS PVC ポリアルキレ A A A B B ンオキシド 配合量 10 10 50 10 10 金属塩 Y Z X X Y 配合量 5 0.2 2 2 5 表面抵抗 洗浄前 1.0×1010 1.4×1012 4.0×1010 8.7×1011 2.0×1011 洗浄後 1.2×1010 7.4×1014 1.2×1010 1.2×1012 2.5×1012 硬度 45 77 71 73 45 引張強さ 150 430 280 395 140 成形品表面 良好 良好 べたつき 良好 良好
【0024】
【発明の効果】本発明の高制電性樹脂組成物は、従来の
制電性樹脂組成物の欠点であった、制電性が洗浄によっ
て大きく劣化するようなことはなく、長期間安定してい
る。これは、熱可塑性樹脂をベースとし、制電性を付与
するために、架橋型ポリアルキレンオキシドと前記の有
機スルホン酸金属塩もしくはイオン解離性金属塩とを配
合しているので、両配合成分が制電性の相乗効果を発揮
してすぐれた制電性樹脂組成物が得れると共に、架橋型
ポリアルキレンオキシドは、たとえばポリアルキレンオ
キシドに較べて結晶化度が低く、熱可塑性樹脂に対する
相溶性が大きいので、長期間に亘って安定した制電性を
維持しているものと考えられる。このことによって、本
発明の高制電性樹脂組成物に、ベース樹脂と同等のすぐ
れた力学的特性や成形加工性のよさを維持する効果をも
たらしている。したがって、エレクトロニクス部品やO
A機器に、容易に、安心して使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仁井 慎二 兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精 化株式会社第2研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】100重量部の熱可塑性樹脂と、 2ないし40重量部の架橋型ポリアルキレンオキシド
    と、 0.3ないし10重量部の一般式が (R−SO3 n M (1) ただし、n=1〜2、 Rは、アルキル基またはアルキルフェニル基 Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属 で示される有機スルホン酸金属塩、または、 MXn (2) ただし、n=1〜2、 Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属 Xは、ハロゲン原子、SCN、ClO4 、BF4 、PF
    6 、B[φ]4 (ただし、φはフェニル基)、CF3
    3 、またはCF3 CO2 で示されるイオン解離性金属塩と、からなることを特徴
    とする高制電性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記の熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系
    樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリル酸エステ
    ル系樹脂およびポリスチレン系樹脂からなる群から選ば
    れた1種または2種以上である、請求項1に記載の高制
    電性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記の架橋型ポリアルキレンオキシドが、
    重量平均分子量1,000ないし10,000,000
    の、ポリエチレンオキシドまたはエチレンオキシド−プ
    ロピレンオキシド共重合体を、イソシアナート化合物と
    反応させて得られる架橋型ポリアルキレンオキシドであ
    る、請求項1または請求項2に記載の高制電性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の有機スルホン酸金属塩
    が、一般式 (R−SO3 n M (1) ただし、n=1〜2、 Rは、炭素数が1〜30のアルキル基またはアルキルフ
    ェニル基 Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属 で示される化合物である、ことを特徴とする請求項1、
    2または3に記載の高制電性樹脂組成物。
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