JPH06253897A - 油脂中のショ糖脂肪酸エステルの分析法 - Google Patents

油脂中のショ糖脂肪酸エステルの分析法

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JPH06253897A
JPH06253897A JP3990893A JP3990893A JPH06253897A JP H06253897 A JPH06253897 A JP H06253897A JP 3990893 A JP3990893 A JP 3990893A JP 3990893 A JP3990893 A JP 3990893A JP H06253897 A JPH06253897 A JP H06253897A
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fatty acid
fat
sucrose fatty
oil
acid ester
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JP3990893A
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Naoya Otomo
直也 大友
Makiko Imamura
眞紀子 今村
Hiroshi Higuchi
博史 樋口
Akio Nishimura
彰夫 西村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ショ糖脂肪酸エステルを含有する油脂サンプ
ルを水の存在下酵素処理し、更にアルカリ処理して生成
した脂肪酸アルカリ塩を水相として除去し、残留した有
機相中のショ糖脂肪酸エステルをカラムクロマトグラフ
ィーにより定量する。 【効果】 油脂含有サンプル中の微量のショ糖脂肪酸エ
ステルを効果的に、定量性、再現性良く分析することが
できる。特に平均置換度の大きい、低HLBのショ糖脂
肪酸エステルの分析に有効であり、食品、化粧品、医農
薬品中のショ糖脂肪酸エステルの分析法として広汎に応
用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油脂中のショ糖脂肪酸
エステルの分析法に関する。更に詳しくは、食品、化粧
品、医農薬等に油脂と共に含まれるショ糖脂肪酸エステ
ルを精度よく分析する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、日本国内で使用が認められている
食品用乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチンの5品目である。
これらの乳化剤は、単に水/油系の乳化に用いられるば
かりでなく、消泡剤、発泡剤、可溶化剤、固結防止剤、
結晶生長抑制剤、変敗防止剤、保水性向上剤、洗浄剤等
多種多様の機能を以て、食品製造に用いられている。
【0003】特に、ショ糖脂肪酸エステルは、原料であ
るショ糖が8個の水酸基を持つため、エステルの置換度
を制御することによって非常に広いHLBの製品を得る
ことができ、食品用としては勿論、化粧品、医農薬等の
非食品の分野においても広汎に用いられている有用な乳
化剤である。たとえば、モノエステルを多く含む高HL
Bのショ糖脂肪酸エステルは、O/W型乳化全般に用い
られ、また、エステル化度が4以上の低HLBのエステ
ルは、W/O型乳化の他、油脂の結晶制御にも用いられ
る。低HLBのショ糖脂肪酸エステルの添加量は、食品
中の油脂分に対して0.1〜3%程度であるのが普通で
あるが、他用途においては更に広範囲である。
【0004】ここで云うエステル化度とは、ショ糖の8
個の水酸基の内、幾つの水酸基がエステル化されたかを
表す数値である。油脂サンプル中に含まれるショ糖脂肪
酸エステルの分析は、従来、四塩化炭素、テトラヒドロ
フラン、クロロホルム、エーテルなどの有機溶剤によっ
て乳化剤を抽出後、GPC法、液体クロマトグラフィ
ー、比色法などの分析手法により行っていた。
【0005】たとえば、テトラヒドロフランを用いて油
脂分と共に食品から抽出した後にシリカゲルカラムで油
脂と分離した乳化剤を、トリメチルシリル誘導体として
ガスクロマトグラフィーで分析する方法(四方田ら、食
衛誌.27(1),37(1986))、乳化剤を2次
元シリカゲル薄層クロマトグラフィーにより分離し、モ
ノ、ジ、トリエステル画分を80%エタノールで溶出さ
せ、アントロン試薬による発色並びに吸光度測定で定量
する方法(岡本ら、油化学.38(2),57(198
9))などの方法が提案されている。しかし低HLBの
ショ糖脂肪酸エステルは、油脂と同様に極性が低く溶媒
に対する分配挙動、クロマト上での挙動が、油脂に似て
いる。そのため油脂を多量に含む食品中の低HLBのシ
ョ糖脂肪酸エステルの定量分析は困難であった。
【0006】また、分子の大きさの相違を利用して分離
を行うゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)では、シ
ョ糖脂肪酸エステルと油脂との分子量の差が小さいため
分析精度に限界があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、油脂サンプ
ル中に含まれるショ糖脂肪酸エステルの分析法における
問題点を解決するためになされたものであり、簡便、か
つ、再現性の高い定量方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、ショ糖
脂肪酸エステルを含有する油脂サンプルを水の存在下油
脂分解能を有する加水分解酵素で処理し、更にアルカリ
処理して生成した脂肪酸アルカリ塩を水相として除去
し、残留した有機相中のショ糖脂肪酸エステルをカラム
クロマトグラフィーにより定量することを特徴とする油
脂中のショ糖脂肪酸エステルの分析法に存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
分析の対象となるショ糖脂肪酸エステルを含有する油脂
サンプルとしては、食品、飼料、化粧品、医薬、農薬等
油脂と共にショ糖脂肪酸エステルが用いられる分野の製
品に対していずれも適用可能である。油脂に配合された
ショ糖脂肪酸エステルを分析する場合などは、該油脂が
そのまま分析の対象となる。油脂中に第3成分として蛋
白質、糖類、塩類、酸塩基類等が共存する場合は、当該
第3成分を予め除去してから本発明に適用することが好
ましい。
【0010】たとえば、マーガリン、ファットスプレッ
ド、バター等の油脂が骨格を成す食品にあっては、有機
溶媒/水等の液液抽出を行うことにより、有機相として
油脂サンプルを得ることができる。また、チョコレー
ト、クッキー等の固形食品の場合、粉砕後、有機溶媒を
用い、ソックスレー抽出を行うことにより油脂サンプル
を得ることができる。これら油脂サンプルは、そのまま
本発明の分析対象とすることもできるが、酵素反応を良
好に進めるためには有機相から有機溶媒を除去すること
が好ましい。また、マッサージオイル、各種クリーム、
軟膏など油脂が基剤として用いられている化粧品や医薬
品にあっても同様の操作により油脂サンプルを得ること
ができる。
【0011】上記有機溶媒としては、n−ブタノール、
イソブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール
類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、ト
ルエン、ヘキサン、オクタン等の炭化水素類、クロロホ
ルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素を用いること
ができる。
【0012】本発明に適用され分析の目的物となるショ
糖脂肪酸エステルは、リパーゼ等によって加水分解を受
けにくいものである。リパーゼは油脂を加水分解する酵
素として周知であるが、本発明者らの知見によれば油脂
とショ糖脂肪酸エステルが共存する系では油脂は選択的
に加水分解されるがショ糖脂肪酸エステルは比較的分解
しにくく、特に高置換度ショ糖脂肪酸エステルは非常に
分解しにくいので本発明の分析目的物として好適であ
る。具体的には平均置換度として3以上、特に4〜8の
ものが好ましく、HLB値で表現すると0〜3、特に0
〜2のショ糖脂肪酸エステルが好ましい。ショ糖脂肪酸
エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数6〜24の
飽和又は不飽和脂肪酸があげられ、いずれも適用可能で
ある。
【0013】本発明においては上記の如き油脂サンプル
を水の存在下油脂分解能を有する加水分解酵素で処理す
る。水は酵素による加水分解反応を進めるうえで不可欠
であり、油脂サンプル1重量部に対して通常1〜200
重量部、好ましくは10〜30重量部用いられる。本発
明で用いられる油脂分解能を有する加水分解酵素として
は、トリグリセライドの分解活性が強く、ショ糖脂肪酸
エステルの分解活性が低いものであれば、いずれも用い
ることができる。たとえば、シュウドモナス属由来アシ
ルグリセロールリパーゼ、カンヂダ属由来アシルグリセ
ロールリパーゼ、ムコール属由来アシルグリセロールリ
パーゼ、アスペルギルス属由来アシルグリセロールリパ
ーゼ等が用いられる。また、バチルス属菌由来のサブチ
ライシン等のセリン系プロテアーゼも使用することが可
能である。特に、カンヂダ属由来のリパーゼは、分解速
度に優れ好適である。
【0014】酵素反応は油脂サンプルと水との混合物に
所定の酵素を加えて攪拌下に行われる。酵素の種類によ
り最適pHは異なるが、通常6.5〜9の範囲から選択
される。たとえば、カンヂダ属由来の酵素の場合、pH
7で45℃付近、シュウドモナス属由来の酵素の場合は
pH9で60℃付近で反応するのが好ましい。反応時間
は1乃至10時間である。pHを所定値に維持するため
にリン酸緩衝液、マッキルベン緩衝液、トリス塩酸緩衝
液のような緩衝液を使用することが好ましい。
【0015】酵素の使用量は、試料1gに対して、通
常、1000〜1000万ユニットの酵素を用いる。1
000ユニット未満では、酵素反応が遅く、試験の簡便
性が失われる。また、1000万ユニットを越える酵素
量を用いると、定量性が低下する。1ユニットとは1分
間に1マイクロモルの脂肪酸を遊離させる酵素量を云
う。
【0016】酵素反応に際して油脂サンプル/水系に、
タウロコール酸塩、レシチンなどの分散安定剤を加える
ことができる。かかる分散安定剤は油脂サンプル/水系
の分散混合状態を良好にし、酵素反応を促進し、反応時
間を短縮する効果がある。また同様に油脂サンプル/水
系にアラビヤゴム、カルボキシメチルセルロール、ポリ
ビニルアルコール、エチルセルロース、デキストリン、
ゼラチン、カラギーナン、グアガム、ローカストビーン
ガム、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウムなど
の増粘安定剤を加えることもできる。混合攪拌がよくな
り上記分散安定剤と同様、反応時間を短縮できる効果が
ある。
【0017】上記の分散安定剤や増粘安定剤は酵素反応
の時間を短縮するうえに効果はあるが、添加量が多すぎ
ると分析精度に悪い影響があるので、分散安定剤は水相
に対して1重量%以下、増粘安定剤は10重量%以下の
範囲で使用することが好ましい。酵素処理により油脂サ
ンプル中の油脂が大部分加水分解されて、遊離脂肪酸と
グリセリンを生成する他、少量のモノグリセリド、ジグ
リセリドが生成する。油脂の一部は未反応として残存す
る。一方、ショ糖脂肪酸エステルはほとんど変化を受け
ることなくそのまま残存する。
【0018】アルカリ処理は、酵素処理後の混合物にア
ルカリを添加し、遊離脂肪酸をその塩とする工程であ
る。通常は0.01〜1規定の苛性アルカリ水溶液が添
加される。添加量は生成した遊離脂肪酸に対して大過剰
量となるように添加後の混合物のpHを13以上とす
る。かくして水相中に脂肪酸アルカリ塩とグリセリンが
水相に移行する。
【0019】アルカリ処理に際してアルカリの添加と共
に有機溶媒と塩類を加えることが好ましい。有機溶媒は
残存しているショ糖脂肪酸エステル並びに少量のモノグ
リセリド、ジグリセリド、未反応油脂を溶解してショ糖
脂肪酸エステルの損失を防ぐと共に水相との分離を容易
にする。有機溶媒としては、油脂サンプルの調製に用い
られる前記アルコール類、エーテル類、炭化水素類、ハ
ロゲン化炭化水素類等の他に、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチルなどエステル類、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどケト
ン類を用いることができる。
【0020】また、塩類は水相に移行するショ糖脂肪酸
エステルを減少させ、また分液性を良好にする作用があ
る。塩類としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、
塩化カリウム、硫酸カリウム、塩化アンモニウム、硫酸
アンモニウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳
酸ナトリウムなどを用いることができる。アルカリ処理
後水相を分離することにより脂肪酸アルカリ塩とグリセ
リンを主とする水溶性成分を除去することができ、残留
した有機相中にショ糖脂肪酸エステルが選択的に濃縮さ
れる。この有機相から溶媒を除去することにより最終的
な分析用サンプルが得られる。次いで公知の方法に従っ
てショ糖脂肪酸エステルをカラムクロマトグラフィーに
よって定量する。たとえばテトラヒドロフランを溶離液
として用いたゲル濾過クロマトグラフィーなどが好適で
ある。この場合用いる分離剤の排除限界分子量は2,0
00〜60,000程度が望ましい。排除限界分子量が
2,000以下または60,000以上になるといずれ
も定量には不適当な分離しか得られない。好適なゲル濾
過クロマトグラフィー用のカラムとしては、東ソー
(株)のG2000HXL G2500HXLなどが挙
げられる。これらのカラムは単独で用いてもよいし、数
種類のカラムをつなげて用いることもできる。
【0021】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明するが本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例1 対油1.5%のショ糖脂肪酸エステルER−190(三
菱化成社製:脂肪酸はエルカ酸、平均置換度5.9、H
LB=1)を添加した、油脂分30%のファットスプレ
ッドを調製した。このファットスプレッドからクロロホ
ルム/1%食塩水の液液抽出により得た油脂分1gを、
pH7のマッキルベン緩衝液20mlに加え、さらに、
カンヂダ ルゴーサ由来のリパーゼ(天野製薬(株)リ
パーゼAY)10,000ユニットを添加し、スターラ
ーバーで攪拌しながら、45℃で2時間反応させた。得
られた反応液全量に対して、100mlの酢酸エチル、
および、4%の食塩を含むN/10の水酸化ナトリウム
溶液100mlを加え、振とう、分液することにより、
酢酸エチル相を得た。この酢酸エチル相に再度100m
lの4%食塩を含むN/10水酸化ナトリウムを加え、
遊離脂肪酸を含む水相を除去した。
【0022】この酢酸エチル相を減圧乾固後、テトラヒ
ドロフランを溶出液としたゲル濾過クロマトグラフィー
を下記条件で行った。予め作成しておいたER−190
の検量線から、含有量を計算し回収率を求めた。以上の
分析操作を6回繰り返した結果、平均回収率は101
%、変動係数は3%と非常に再現性の良い結果となっ
た。 装置:LC−6A(島津製作所) カラム:TSK−gel G−2500HXL(東ソー) カラム温度:40℃ 溶離液:テトラヒドロフラン 0.5ml/min 検出器:示差屈折計
【0023】実施例2 対油1.5%のショ糖脂肪酸エステルL−195(三菱
化成社製:脂肪酸はラウリン酸、平均置換度5.5、H
LB=1)を添加した、油脂分33%のチョコレートを
調製した。このチョコレートを粉砕後、クロロホルムを
用いたソックスレー抽出を行い油脂分を抽出した。この
油脂分1gを、アラビヤゴム3%を含むpH7のマッキ
ルベン緩衝液30mlに加え、さらに、カンヂダ ルゴ
ーサ由来のリパーゼ(天野製薬(株)リパーゼAY)1
0,000ユニットを添加し、スターラーバーで攪拌し
ながら、45℃で3時間反応させ、得られた反応液を実
施例1と同様の方法で、抽出、分析を行った。予め作成
しておいたL−195の検量線から、含有量を計算し回
収率を求めた。6回の分析の結果、平均回収率は92
%、変動係数は2%と非常に再現性の良い結果となっ
た。
【0024】実施例3 実施例1と同様の操作で抽出した油脂分1gを、タウロ
コール酸ナトリウム0.2%、アラビヤゴム3%を含む
pH7のマッキルベン緩衝液20mlに加え、さらに、
ムコール属由来のリパーゼ(天野製薬(株)リパーゼM
−AP10)10,000ユニットを添加し、スターラ
ーバーで攪拌しながら、45℃で18時間反応させ、得
られた反応液を実施例1と同様の方法で、抽出、分析を
行った。6回の分析の結果、平均回収率は86%、変動
係数は3%であった。
【0025】実施例4 対油1.5%のショ糖脂肪酸エステルS−270(三菱
化成社製:脂肪酸はステアリン酸/パルミチン酸=7/
3、平均置換度=4.2、HLB=2)を添加した油脂
分33%のチョコレートを用いた以外は、実施例2と同
様の方法で油脂分の抽出、酵素処理、酵素処理後の抽出
を行った。分析は予め作成しておいたS−270の検量
線を用い、実施例1と同様に行い、含有量を計算し、回
収率を求めた。6回の分析の結果、平均回収率は90
%、変動係数は2%と非常に再現性の良い結果となっ
た。
【0026】実施例5 対油1.5%のショ糖脂肪酸エステルER−190(三
菱化成社製:脂肪酸はエルカ酸、平均置換度=5.9、
HLB=1)を添加した、油脂分30%のファットスプ
レッドを調製した。このファットスプレッドからクロロ
ホルム/1%食塩水の液液抽出により得た油脂分1g
を、アラビヤゴム3%、タウロコール酸ナトリウム0.
2%を添加したpH7のマッキルベン緩衝液20mlに
加え、さらに、カンヂダ ルゴーサ由来のリパーゼ(天
野製薬(株)リパーゼAY)10,000ユニットを添
加し、スターラーバーで攪拌しながら、40℃で1時間
反応させ、得られた反応液を実施例1と同様の方法で、
抽出、分析を行った。予め作成しておいたER−190
の検量線から、含有量を計算し回収率を求めた。6回の
分析の結果、平均回収率は95%、変動係数は3%と非
常に再現性の良い結果となった。
【0027】実施例6 対油2%のショ糖脂肪酸エステルS−370(三菱化成
社製:脂肪酸はステアリン酸/パルミチン酸=7/3、
平均置換度=3.0、HLB=3)を添加した油脂分7
0%のコールドクリームを調製した。このコールドクリ
ームからイソブチルアルコール/1%食塩水の液液抽出
により得た油脂分1gに対し、実施例1と同様の方法で
酵素処理、酵素処理後の抽出を行った。分析は予め作成
しておいたS−370の検量線を用い、実施例1と同様
に行い、含有量を計算し、回収率を求めた。6回の分析
の結果、平均回収率は85%、変動係数は4%と再現性
の良い結果となった。
【0028】実施例7 対油1.5%のショ糖脂肪酸エステルS−770(三菱
化成社製:脂肪酸はステアリン酸/パルミチン酸=7/
3、平均置換度=2.0、HLB=7)を添加した、油
脂分33%のチョコレートを調製した。このチョコレー
トを実施例2と同様の方法で処理し、回収率を求めた。
S−770は酵素分解を受けており、6回の分析の結
果、平均回収率は57%、変動係数は7%であった。
【0029】参考例 対油1.5%のショ糖脂肪酸エステルL−1695(三
菱化成社製:脂肪酸はラウリン酸、平均置換度1.3、
HLB=16)を添加した、油脂分33%のチョコレー
トを調製した。このチョコレートを実施例2と同様の方
法で処理し、回収率を求めた。6回の分析の結果、平均
回収率は30%、変動係数は11%であった。
【0030】本参考例は、L−1695はリパーゼ処理
により油脂と共にかなり分解したことを示している。即
ち、平均置換度の小さいショ糖脂肪酸エステルは本発明
の分析法では精度が悪いことを意味している。
【0031】
【発明の効果】本発明の分析方法を用いることにより、
従来は分析が困難であった油脂含有サンプル中の微量の
ショ糖脂肪酸エステルを効率的に、定量性、再現性良く
分析することが可能になった。特に平均置換度の大き
い、低HLBのショ糖脂肪酸エステルの分析に有効であ
り、食品、化粧品、医農薬品中のショ糖脂肪酸エステル
の分析法として広汎に応用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 彰夫 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ショ糖脂肪酸エステルを含有する油脂サ
    ンプルを水の存在下、油脂分解能を有する加水分解酵素
    で処理し、更にアルカリ処理して生成した脂肪酸アルカ
    リ塩を水相として除去し、残留した有機相中のショ糖脂
    肪酸エステルをカラムクロマトグラフィーにより定量す
    ることを特徴とする油脂中のショ糖脂肪酸エステルの分
    析法。
  2. 【請求項2】 加水分解酵素で処理した後、有機溶媒お
    よびアルカリ水溶液を混合することを特徴とする請求項
    1の分析法。
  3. 【請求項3】 有機溶媒の存在下加水分解酵素で処理し
    た後、アルカリ水溶液を混合することを特徴とする請求
    項1の分析法。
  4. 【請求項4】 ショ糖脂肪酸エステルの平均エステル化
    度が3〜8であることを特徴とする請求項1の分析法。
  5. 【請求項5】 油脂分解能を有する加水分解酵素がカン
    ヂダ属由来のリパーゼであることを特徴とする請求項1
    の分析法。
  6. 【請求項6】 油脂サンプルが食品、飼料、化粧品、医
    薬、農薬等を有機溶媒で抽出した有機相の濃縮物である
    ことを特徴とする請求項1の分析法。
  7. 【請求項7】 分散安定剤の存在下、加水分解酵素で処
    理することを特徴とする請求項1の分析法。
  8. 【請求項8】 増粘安定剤の存在下、加水分解酵素で処
    理することを特徴とする請求項1の分析法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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