JPH0625343B2 - フォトクロミック材料 - Google Patents

フォトクロミック材料

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JPH0625343B2
JPH0625343B2 JP1032950A JP3295089A JPH0625343B2 JP H0625343 B2 JPH0625343 B2 JP H0625343B2 JP 1032950 A JP1032950 A JP 1032950A JP 3295089 A JP3295089 A JP 3295089A JP H0625343 B2 JPH0625343 B2 JP H0625343B2
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敬 玉置
国宏 市村
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、光の作用により二価金属イオン供給物質と可
逆的にキレートを形成するフォトクロミック材料に関す
るものである。さらに詳しくいえば、本発明は、正フォ
トクロミズムを示すスピロオキサジン類と二価金属イオ
ン供給物質から、光の作用によって可逆的に形成される
着色キレートを利用し、発色と消色の繰り返し耐久性が
よく、しかも消色体及び発色体の両方が安定に持続しう
るフォトクロミック材料に関するものである。
従来の技術 フォトクロミズムを利用した材料は、光量調節材料、化
学光量計、装飾材料、光記録材料などとして有用であ
る。例えば、フォトクロミック光記録方式は、高速、高
密度、及び多重記録などの特性が期待されることから、
種々のフォトクロミック化合物について、光情報記録材
料としての応用が試みられている。また、サングラスや
ゴーグルなどの光量調節材料としての実用化研究が盛ん
になされている。しかしながら、従来の技術には解決す
べき課題が数多くある。なかでも発色と消色の各状態の
熱力学的安定性と発色と消色の繰り返し耐久性の問題
は、材料そのものにかかわる最も重要な問題である。
フォトクロミック化合物としては、フルギド類、スピロ
ピラン類、スピロオキザジン類、アゾベンゼン類、チオ
インジゴ類、あるいはジアリルエテン類などが知られて
おり〔例えばウイリーインターサイエンス社発行、ジ
ー、エイチ、ブラウン編、「フォトクロミズム」1971年
参照〕、これらの化合物を用いたフォトクロミック材料
の提案が数多くある。これらのうち、フルギド類〔エイ
チ、ジー、ヘラー、「IEEEプロシーヂング」第130巻、2
09ページ、1983年〕、ジアリルエテン類〔入江正浩他、
「J.Org.Chem.」第53巻き、803ページ、1988年〕あるい
は光酸素化芳香族多環化合物〔アール、シュミット他、
「J.Am.Chem.Soc.」第102巻、2791ページ、1980年〕
は、消色又は発色あるいはその両状態の熱力学的安定性
に比較的優れた化合物である。また、スピロピラン類は
光応答性の感度が良好であることから多くの研究開発が
なされている。最近、ベンゾチアゾリン環を持つ化合物
の製造(特開昭58-37078号公報)やLB膜中でのJ会合
体形成の利用〔安藤英司、「日経ニューマテリアル」19
86年6月30日号〕、あるいは両親媒性物質の二分子膜や
シクロデキストリンの利用などによる発色体の熱安定性
の向上が図られている〔例えばシーエムシー社発行、市
村國宏監修、「新・光機能性高分子の応用」1988年参
照〕。また、例えば1′,3′,3′−トリメチル-6-ニト
ロ-8-メトキシスピロ[2H-1-ベンゾピラン-2,2′−イン
ドリン]は銅(II)アセチルアセトナトとテトラヒドロフ
ラン中、微量の塩酸存在下でキレートを形成することが
知られており、これに基づいて発色体の安定化の可能性
が示唆されている〔大野 信、「日本化学会誌」633ペ
ージ、1977年〕。しかしながら、スピロピラン類は繰り
返し耐久性に劣り、光劣化しやすいことが欠点として挙
げられる。
他方、スピロオキサジン類は、発色と消色の繰り返し耐
久性では他のフォトクロミック化合物よりも格段に優れ
ている。しかしながら、発色体の熱力的安定性は小さい
ため暗中では持続せず、消色体への戻りが非常に速く、
室温では数秒以内で完了してしまう。この特性は、サン
グラスなどの光量調節材料としての目的には合致するた
め、実用化研究が活発に展開されているものの、その他
の用途、例えば光記録材料や装飾材料などの目的にはむ
しろマイナスの要因となるために、これらの研究開発は
ほとんどない。もし、この化合物のフォトクロミック特
性をそこなうことなく熱消色速度を十分遅くする方法が
確立すれば、スピロオキサジン類は、光量調節材料とし
ての用途以外にも利用しうるフォトクロミック材料とし
て有望である。
発明が解決しようとする課題 本発明は、光に対する耐久性が高く、しかも発色体が比
較的長期にわたって安定に持続しうる、スピロオキサジ
ン類を用いたフォトクロミック材料を提供することを目
的としてなされたものである。
課題を解決するための手段 本発明者らはスピロオキサジン系フォトクロミック化合
物の発色体を安定化させるべく鋭意研究を重ねた結果、
該フォトクロミック化合物が、光照射による発色状態
で、媒体に存在する第三物質である金属イオン供給物質
と安定な着色キレートを形成すれば、発色状態の熱安定
性は格段に増すこと、また、このキレートが発色状態で
のみ生成し、消色状態では形成不可能であれば、化合物
のフォトクロミズムはそこなわれることがないこと、及
びこれらの目的を達成するには特定のスピロオキサジン
類と二価金属イオン供給物質を熱可塑性樹脂中に共存さ
せればよいことを見出し、この知見に基づいて本発明を
なすに至った。
すなわち、本発明は、オキサジニル酸素に隣接してアル
コキシル基又はヒドロキシル基の置換基を持つスピロオ
キサジン類と、二価金属イオン供給物質を熱可塑性樹脂
中に分散して成るフォトクロミック材料を提供するもの
である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるスピロオキサジン類としては、一般式
(I) (式中のRは、アルコシキル基又はヒドロキシル基であ
る) で表わされる化合物を挙げることができる。また、この
式(I)の化合物の5位の炭素に低級アルコキシル基、低
級アルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、置換基を有す
るアミノ基などの置換基を有するもの、式(I)の1位の
窒素の置換基を長鎖アルキル基、アリル基、ベンジル基
などの他の置換基に代えたもの、式(I)のナフタリン環
をキノリン環に代えたものなども用いることができる。
これらの化合物はいずれも公知であって、公知方法によ
り製造することができる。
該スピロオキサジン類は淡黄色あるいは黄緑色の固体と
して得られ、アセトン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
酢酸エチル、アルコール類、ジメチルスルホキシドなど
の一般有機溶剤に溶ける。本発明においては、該スピロ
オキサジン類と二価金属イオン供給物質を熱可塑性樹脂
中に分散状態で存在させるが、これを膜状に成形し、こ
れに紫外光を当てると、該スピロオキサジン類は、無色
の閉環型から着色した開環型に変換し、この開環型は室
温、暗所で直ちに無色の閉環型に戻る。
前記熱可塑性樹脂としては、例えばポリメチルメタクリ
ル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリビニル酢酸、ポ
リビニル酢酸エステル、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹
脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、これらの
共重合体などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単
独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
本発明における二価金属イオン供給物質としては、例え
ば、ニッケル(II)、銅(II)、コバルト(II)、カドニウム
(II)などの硝酸塩、塩化物、過塩素酸化物、テトラフェ
ニルホウ素化物などが挙げられる。しかし、これらの金
属(II)イオン化合物は上記有機溶剤には難溶であるため
に、より好ましくは、これら金属(II)イオン化合物に1
種ないし2種の配位子をキレート結合させた金属(II)錯
イオン化合物を用いる。この場合の配位子としては、ア
セチルアセトン、ベンゾイルアセトンなどのジケトン化
合物、あるいはN,N′−テトラメチルエチレンジアミン
やN,N′−テトラエチルエチレンジアミンなどのジアミ
ン化合物が挙げられる。これらの配位子は単独でもしく
は2種の混合物として、既知の方法〔例えば、福田 豊
他、「Bull.Chem.Sco.Jpn.」第49巻、1017ページ、1976
年〕により容易に金属(II)イオン化合物にキレート結合
し、金属(II)錯イオン化合物を生成する。得られる金属
(II)錯イオン化合物は上記有機溶剤に可溶である。該ス
ピロオキサジン類とのフォトクロミックキレート反応の
効率は、ジケトン化合物とジアミン化合物の混合物を用
いて得られる金属(II)錯イオン化合物の場合に最も効果
的で、ジアミン化合物単独を用いて得られる金属(II)錯
イオン化合物の場合にはやや劣り、ジケトン化合物単独
を用いて得られる金属(II)錯イオン化合物の場合にはほ
とんど起こらない。これら金属(II)錯イオン化合物は、
単独もしくは2種以上の混合物を用い、その添加量は該
フォトクロミック化合物に対してモル比で1:0.1〜1
0、より好ましくは1:0.5〜2の範囲で選ばれる。
スピロオキサジン類と金属(II)錯イオン化合物を熱可塑
性樹脂中に分散すると、淡青色の透明な樹脂膜が得られ
る。暗所では、色調の変化は全く認められない。熱可塑
性樹脂中に分散したスピロオキサジン類を紫外光で照射
すると、次の平衡式 に示すように、hνの方向の光解裂反応が起きてスピロ
オキサジン類は開環型となり、ケト型となったオキサジ
ンの酸素とこれに隣接する置換基Rが、共存する第三物
質である金属(II)錯イオン化合物に速やかに配位してキ
レートを形成し、濃青色に着色する。この着色キレート
の吸収スペクトルは、スピロオキサジン類の開環型の吸
収スペクトルよりも、深色的かつ濃色的である(添付図
面参照)。
さらに特徴的なことは、キレートの熱力学的安定性が、
開環型よりもけた違いに良いために、着色キレートの形
成により、暗所での消色速度がスピロオキサジン類単独
の場合と比較して非常に遅くなることである。熱可塑性
樹脂中での着色キレートの消色速度は二成分の速度の和
で表わされる。速い消色成分にはキレートを形成しない
スピロオキサジン類の割合が多く、遅い消色成分はキレ
ートによるものである。それぞれの消色速度は、スピロ
オキサジン類単独の場合の1/2〜1/3及び1/10〜
1/100である。また、着色体の吸収極大での吸光度が
半減する時間で比較すると、スピロオキサジン類単独の
場合の10倍以上となる。
着色キレートは、熱的にも可視光照射によっても消色状
態に戻る。しかし、完全には無色に戻らず、ごく淡い青
色が残る。これは一部着色キレートが解離しないままで
いるためであるが、長期間暗所で保存しても、色変化は
全くなく、消色状態で着色キレートの増加は認められな
い。すなわち、キレート生成はごく一部を除いて完全に
フォトクロミック反応によるものであり、スピロオキサ
ジン類の正フォトクロミズムの性質は、金属(II)錯イオ
ン化合物が存在しても失われない。このことは、スピロ
オキサジン類と類似な化合物である1′,3′,3′−トリ
メチル-6-ニトロ-8-メトキシスピロ[2H-1-ベンゾピラ
ン-2,2′−インドリン]の場合とは異なる。このニトロ
スピロピラン誘導体も金属(II)錯イオン化合物と錯体を
形成するが、大部分は暗所の消色状態で熱的に生成する
ために、この化合物のフォトクロミズム特性が失われて
しまうことになる。
本発明のフォトクロミックキレート形成は、本発明のス
ピロオキサジン類以外の他のスピロオキサジン類、例え
ば1,3,3-トリメチルスピロ[インドリン-2,3′−[3H]
ナフト[2,1-b][1,4]オキサジン]のように、ナフト
オキサジンの酸素原子に隣接した第二の配位基を持たな
い誘導体では全く起こらない。
スピロオキサジン類は熱可塑性樹脂中で元来繰り返し耐
久性の非常に良いフォトクロミック化合物であるが、こ
の優れた特性は、熱可塑性樹脂中で金属(II)錯イオン化
合物が共存してもいささかもそこなわれることはない。
発明の効果 本発明のフォトクロミック材料は、光に対する耐久性が
高く、しかも発色が比較的長期にわたって安定に持続し
うるので、情報の書き込み及び消去を繰り返し行った
り、記録の一時的もしくは長期保存のための光記録材
料、装飾材料、表示やディスプレー材料、あるいは光学
フィルターや玩具などの用途に利用することができる。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 5′−メトキシ1,3,3-トリメチルスピロ[インドリン-
2,3-[3H]ナフト[2,1-b][1.4]オキサジン](以
下、5′-MeOSNと略記)は1,3,3-トリメチル-2-メチレ
ンインドリンと3-メトキシ-1-ニトロソ-2-ナフトールか
ら、メタノール中での脱水縮合反応により黄色結晶とし
て得た(融点、188〜190℃)。3-メトキシ-1-ニトロソ-
2-ナフトールは2,3-ジヒドロキシナフタリンをジメチル
硫酸で部分的にメトキシ化して得た白色結晶の3-メトキ
シ-2-ナフトール(融点、108〜109℃)を、亜硝酸ナト
リウムでニトロソ化して〔例えば、シー.エス.マーベ
ル及びピー.ケイ.ポーター、「Organic Syntheses」C
ollective vol.1、411ページを参照〕、赤色結晶とし
て得た。
金属(II)錯イオン化合物として、Ni(ClO4)2のアセチル
アセトン(以下、acacと略記)及びN,N′−テトラメチ
ルエチレンジアミン(以下、tmedと略記)の混合錯イオ
ン化合物を製造し用いた。製造方法は、文献に従い〔例
えば、福田 豊他、「Bull.Chem.Soc.Jpn.」第49巻、10
17ページ、1976年を参照〕、[Ni(acac)(tmed)]ClO4
赤色結晶粉末を得た。この錯イオン化合物は、空気中の
湿気で直ちに緑色に変化するので、乾燥デシケータ中で
保存した。
ポリビニル酢酸の20%トルエン溶液に、5′−MeOSN
(5×10-3Mと、[Ni(acac)(tmed)]ClO4(1×10
-2M)を加え、ガラス基板上にキャストし、樹脂膜を作
成した。得られた樹脂膜のフォトクロミック特性は、着
色体の吸収極大の波長が610nmで、吸収極大の吸光度
が、紫外光照射直後で、近紫外領域での吸収極大の約2
倍の1.0に達した(添付図面参照)。暗中での消色は、
溶液中よりけた違いに遅く、22℃で吸光度が半減するの
に約10分を要した。消色時間は温度に強く依存し、15℃
では吸光度が半減する時間は1時間以上にも及んだ。な
お、暗中での僅かな着色(吸収極大の吸光度で0.05以
下)は、樹脂膜でも認められたが、数ケ月に及ぶ放置で
も色調に変化は認められなかった。
紫外光の連続照射による耐光性では、500Wの超高圧水
銀灯を用いて、コーニング色ガラスフィルタ(7-51)で
主として365nmの輝線を取り出し、上記の樹脂膜に照射
した。溶液中では、青色体の可視領域の吸収極大の吸光
度が、光劣化により最初の半分にまで減少するのに、約
3時間半を要した。他方、樹脂膜では、10時間の照射に
よっても数%の減少がみられただけで、優れた耐光性を
示した。
実施例2 実施例1における5′-MeOSNの代わりに、フォトクロミ
ック化合物として5′ヒドロキシ-1,3,3-トリメチルス
ピロ[インドリン-2,3-[3H]ナフト[2,1-b][1,4]
オキサジン](以下、5′-OHSNと略記)を用いて、ポ
リビニル酢酸の樹脂膜を製造した。樹脂膜の着色キレー
トの吸収は600nmで最大を示し、その吸光度は紫外光照
射直後で、近紫外領域での吸収極大(340nm)の吸光度
の2〜3倍の値を示した。22℃で吸光度が半減するのに
約5分を要した。消色時間は温度に強く依存し、15℃で
は吸光度が半減する時間は約30分であった。5′-OHS
Nの耐光性は5′-MeOSNよりも劣った。
比較例1 5′-MeOSNのみを分散したポリビニル酢酸の樹脂膜の着
色体の吸収極大の波長は585nmで、紫外光照射直後の吸
収極大の吸光度は、近紫外領域での吸収極大の約1.5倍
の0.8に達した(添付図面参照)。暗中22℃での消色
は、吸光度の半減に約10秒要した。この値は、金属(I
I)錯イオン化合物を添加した場合(実施例1)の1/60
でしかない。
紫外光の連続照射による耐光性を、実施例1と同様に試
験したところ、約9時間であった。この結果を、実施例
1と比較すれば、金属(II)錯イオン化合物が、耐光性を
さらに向上させていることは明らかである。なお、金属
(II)錯イオン化合物が存在しない場合のこれらの値は、
1,3,3-トリメチルスピロ[インドリン-2,3′-[3H]ナ
フト[2,1-b][1,4]オキサジン]とほぼ同程度であっ
た。さらに、比較のため、1′,3′,3′−トリメチル-6
-ニトロ−スピロ[2H-1-ベンゾピラン-2,2′−インドリ
ン]について耐光性を調べた結果、5分で光劣化による
同様な効果が認められた。
比較例2 1′,3′,3′−トリメチル-6-ニトロ-8-メトキシスピロ
[2H-1-ベンゾピラン-2,2′−インドリン](以下、8-M
eONSPと略記)を用いて、実施例1と同様な条件でフォ
トクロミズムを調べた。
8-MeONSPと[Ni(acac)(tmed)]ClO4をポリビニル酢酸に
分散しキャストすると、赤色に強く着色した樹脂膜が得
られる。この着色は、可視光照射によっても消色しな
い。また、この樹脂膜のフォトクロミズムによって生成
する着色体はこの化合物のメロシアニン型と一致し、着
色キレートの生成は認められなかった。このように、樹
脂膜中では非常に安定な錯体が熱的に形成されるため
に、可逆的なフォトクロミックキレート反応が起こらな
い。
【図面の簡単な説明】
実施例1及び比較例1における着色体の吸収スペクト
ル。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オキサジニル酸素に隣接してアルコキシル
    基又はヒドロキシル基の置換基を持つスピロオキサジン
    類と、二価金属イオン供給物質を熱可塑性樹脂中に分散
    して成るフォトクロミック材料。
  2. 【請求項2】二価金属イオン供給物質が二価金属の錯イ
    オン化合物である請求項1記載のフォトクロミック材
    料。
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