JPH0625314Y2 - 射出成形機における金型の着脱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、可塑材料の成形に使用する金型の着脱装置に
関する。

「従来の技術」 従来金型を可動側ダイプレートあるいは固定側プレート
に金型を装着するさいは金型の取り付け孔とダイプレー
トのねじ孔を合わせ、しかるのち装着ボルトを挿入して
ねじ込み固定する。

また、金型とダイプレートの取り付け孔の位置が合わな
いときには金型の外側に配置されたダイプレートの取り
付けねじ孔を利用して締め板とスペーサブロック並びに
取り付けボルトを使って金型がダイプレートに装着され
ている。

「考案が解決しようとする課題」 ところが、ボルト締め方式は金型装着に時間と手間を要
すると共に作業性がよくない。

これらを改善すべく油圧または空圧などを用いて段取り
方法が開発されているが、コスト的にみて高価なものが
多く製品のコスト高要因の１つにもなっている。

そこで、金型の装着また取り外しをより簡単にすると共
に装着時間を短縮するにはどのような構成にするかゞ本
考案の技術的課題である。

「課題を解決するための手段」 上記技術的課題を解決するには次の如き構成すなわち、
ダイプレートの下面に着脱プレート用長尺溝部および装
着ボルトの頭部用凹みが形成され、該着脱プレート用長
尺溝部に着脱プレートが滑動自在に嵌挿されると共に前
記ダイプレートの一方端面より軸方向にストッパー挿入
孔が形成され、他方の端面にはガイドピン挿入孔が形成
され、前記着脱プレート用長尺溝に嵌挿される着脱プレ
ートには装着ボルトの頭部とくび部に対応する貫通孔が
形成されており、そして前記ダイプレートと金型間に装
着ボルト用のバカ穴が形成された押さえ板が取付けら
れ、さらに、前記ダイプレートの一方の端面に形成され
た挿入孔に挿入されるストッパーが可動プレート側に設
けられ、他方の端面に形成されたガイドピン挿入孔に挿
入されるスプリング付きガイドピンは保持プレート側に
設けられていることを特徴とする射出成形機における金
型の着脱装置を提供することにある。

「作用」 スプリングに抗して着脱プレートを手前に移動せしむる
とストッパーがダイプレートより離脱され、しかるのち
枢支ピンを支点にしてハンドル、前記ストッパーおよび
可動プレートを回転せしむると、該ストッパーの先端を
前記ダイプレートの端面に当接せしむることができる。

これにより、前記ダイプレートの装着孔と前記着脱プレ
ートの径の大きい方の貫通孔とが一致する。

しかるのち、金型に予め装着されたボルトの頭部が前記
着脱プレートの径の大きい方の貫通孔に挿入されると共
に前記ハンドルを逆転せしめストッパーを前記ストッパ
ー挿入孔に挿入係合せしむるや否や瞬時にして前記着脱
プレートは後退し、径の小さい貫通孔にボルトのくび部
が嵌合し、かつ頭部の下面により支持される。

次に、ダイプレートより金型を取り外すさいは取り付け
同様行う。

「実施例」 10は略長方形の着脱プレートで、該プレート10の長手方
向に複数ダルマ形状の貫通孔101が形成され、該ダルマ
形状の貫通孔101は径の異なる貫通孔102,103からなると
共に両貫通孔102,103はくび部104を介して連通してい
る。

11は前記着脱プレート10の長手方向手前端面に枢支ボル
ト111を介して回転自在に取り付けられた可動プレート
で、該可動プレート11の外面にはハンドル112が取り付
けられると共に該可動プレート11の内面側端部にストッ
パー113が設けられている。

12は前記着脱プレート10のハンドル112とは反対側端面
にボルト121を介して取り付けられた保持プレートで、
該保持プレート12の内面側端部に滑動自在のガイドピン
122が設けられ、該ガイドピン122の内面側にコイルスプ
リング123が嵌挿されている。

13はダイプレート14に装着される金型で、該金型13の所
定箇所に複数の装着ボルト131が取り付けられている。

該装着ボルト131は前記着脱プレート10の径の異なる貫
通孔102,103に対応する頭部132とくび部133からなる。

141はダイプレート14の下面に形成された着脱プレート
用長尺溝部で、該長尺溝部は前記着脱プレート10の厚み
と巾に略一致し、滑動自在に嵌挿され、該着脱プレート
10が金型13を装着したさいに金型13を定位置に保持すべ
く、前記ストッパー挿入孔142がダイプレート14の端面1
45より軸方向に前記ハンドル112側に形成され、該スト
ッパー挿入孔142とは反対側端面に前記ガイドピンに挿
入孔143が形成され、そして、前記着脱プレート10には
前記装着ボルト131の頭部132とくび部133に対応する貫
通孔102と103が形成されている。

15はダイプレート14の下面に取り付ける押さえ板で、該
押さえ板15の所定箇所には適宜手段を介して前記装着ボ
ルト131を通過せしむるバカ穴151が形成されている。

「考案の効果」 本考案装置は以上の如き構成されているので、例えば竪
型成形機の上下金型がそれぞれ固定盤と可動盤にダイプ
レートを介して着脱自在に取付けられている。

金型を交換するさいは油圧シリンダー等の作動により下
金型とダイプレート並びに可動盤が共に上昇し、第１図
に示すように両金型を合致せしむると装着ボルトに負荷
が殆どなくなる。

そこで、着脱プレート10のハンドル112を手前に引くこ
とによってダイプレート14からストッパー113を引き抜
くと共に枢支ボルト111を介し回転せしめ、該ストッパ
ー113をダイプレート14の端面に係止せしめ、これによ
り着脱プレート10の貫通孔103と押さえ板15のバカ穴151
とを一致させる。

次に金型13の装着ボルト131,131…を前記押さえ板15の
バカ穴151と着脱プレート10の貫通孔103に挿入し、しか
るのち、前記ハンドル112を反転せしめて元の位置に戻
すと、着脱プレート10はコイルスプリング123の弾発力
によって瞬時に元の位置に戻ると同時に装着ボルト131,
131…のくび部133に着脱プレート10の貫通孔102と密着
嵌合し、同時に装着ボルトの頭部の下面が着脱プレート
10に保持される。

要するに、特別な装置、動力を必要とせず、着脱プレー
トの前進によりダイプレートから簡単に金型を取り外す
ことができる。

また、着脱プレートの前進若しくは後退により金型をダ
イプレートに簡単に装着することができるので、金型取
り付け取り外し時間の短縮を計ることができ、きわめて
実用的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の着脱プレートと押さえ板により金
型をダイプレートに装着した状態を示す正面図、第２図
は本考案装置の着脱プレートと金型から押さえ板を取外
した状態を示す分解斜視図、第３図は押さえ板を取外し
たダイプレートに本考案装置の着脱プレートを組込んだ
状態を示す一部断面平面図である。 符号の説明 10：着脱プレート、101：ダルマ形状の貫通孔 102,103：貫通孔、104,133：くび部 11：可動プレート、113：ストッパー 12：保持プレート、122：ガイドピン 123：コイルスプリング 13：金型、14：ダイプレート 131：装着ボルト、132：頭部 141：着脱プレート用長尺溝部 142：ストッパー挿入孔 144：凹み、145：端面 15：押さえ板、151：バカ穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ダイプレート(14)の下面に着脱プレート用
   長尺溝部(141)および装着ボルト(131)の頭部用凹み(14
   4)が形成され、該着脱プレート用長尺溝部(141)に着脱
   プレート(10)が滑動自在に嵌挿されると共に前記ダイプ
   レート(14)の一方端面(145)より軸方向にストッパー挿
   入孔(142)が形成され、他方の端面にはガイドピン挿入
   孔(143)が形成され、前記着脱プレート用長尺溝(141)に
   嵌挿される着脱プレート(10)には装着ボルト(131)の頭
   部(132)とくび部(133)に対応する貫通孔(102,103)が形
   成されており、そして前記ダイプレート(14)と金型(13)
   間に装着ボルト(131)用のバカ穴(151)が形成された押さ
   え板(15)が取付けられ、さらに、前記ダイプレート(14)
   の一方の端面(145)に形成された挿入孔(142)に挿入され
   るストッパー(113)が可動プレート(11)側に設けられ、
   他方の端面に形成されたガイドピン挿入孔(143)に挿入
   されるスプリング付きガイドピン(122)は保持プレート
   (12)側に設けられていることを特徴とする射出成形機に
   おける金型の着脱装置。