JPH0625304A - ガラクトサミン重合体硫酸化物及び該物質を 含有する抗ウイルス剤 - Google Patents

ガラクトサミン重合体硫酸化物及び該物質を 含有する抗ウイルス剤

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JPH0625304A
JPH0625304A JP20013892A JP20013892A JPH0625304A JP H0625304 A JPH0625304 A JP H0625304A JP 20013892 A JP20013892 A JP 20013892A JP 20013892 A JP20013892 A JP 20013892A JP H0625304 A JPH0625304 A JP H0625304A
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galactosamine
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polygalactosamine
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sulfate
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JP20013892A
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Toshiyuki Uryu
生 敏 之 瓜
Takashi Yoshida
田 孝 吉
Shinichi Sanekuni
國 慎 一 実
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Higeta Shoyu Co Ltd
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Higeta Shoyu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 化1で示されるガラクトサミン重合体硫酸化
物。 【化1】 【効果】 この物質は、新規物質であって、すぐれた抗
ウイルス作用を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規ガラクトサミン重
合体硫酸化物及びその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び問題点】α−1,4ポリガラクトサミ
ン(ガラクトサミン重合体)は、和歌山県の土壌から新
たに分離された糸状菌ペエシロマイセスsp.I−1
(Paecilomyces sp. I−1)(FE
RM BP−1180)が菌体外に多量に生産する塩基
性多糖であって、その本体はガラクトサミンがα−1,
4結合しているホモ多糖であり(特公昭56−1263
9,特公平1−41160)、その平均分子量は300
000である。そして、このα−1,4ポリガラクトサ
ミンには抗菌活性(月刊フードケミカル4月号,27
(1989))や免疫賦活作用(J.Pharmaco
bio−Dyn,11,58−65(1989))を有
することが明らかにされている。
【0003】また、類似の多糖であるキチン・キトサン
においてはその生理活性の向上や新たな生理活性を付与
する目的で化学修飾による試みが数多くなされており、
例えばキチンのカルボキシメチル化による金属イオンの
吸着力の向上や、硫酸化カルボキシメチル化することに
よる癌転移抑制効果等の成果も数多く報告されている
(キチン、キトサンの応用、技報堂(1990))。さ
らに、化学修飾によるガラクトサミン重合体のトリメチ
ル誘導体は抗菌活性を有することが報告され(第6回キ
チン・キトサン・シンポジウム講演要旨集、65(19
92))、ガラクトサミン重合体の様々な化学修飾によ
る各種分野への利用が期待されている。
【0004】近年、ウイルスによる疾患例えば、エイズ
ウイルスによる疾患が報告され、抗ウイルス剤の開発が
盛んに行われている。現在、アジドチミジン(AZT)
等が有力なウイルス抑制剤として使用されているが、強
い副作用を有すること、またウイルスの一部にアジドチ
ミジンに対する耐性を持ったものも現れていることもあ
り、副作用が少なくかつ非耐性の薬剤の開発が望まれて
いる。
【0005】最近になりデキストラン硫酸、天然硫酸多
糖体などの硫酸化多糖が抗エイズウイルス作用のあるこ
とが報告されており(Antimicrob,Agen
ts,Chemother,31,1524−1528
(1987))、注目されている。
【0006】本発明は、ガラクトサミン重合体を化学的
に修飾し、硫酸化誘導体とすることによる、抗ウイルス
活性を有する新規ガラクトサミン重合体硫酸化物及び該
物質を有効成分とする抗ウイルス剤に関するものであ
る。ガラクトサミン重合体硫酸化誘導体は従来知られて
いない新規化合物であり、該物質を有効成分とする抗ウ
イルス剤も従来知られておらず新規である。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、ガラク
トサミン重合体に生理活性、特に抗ウイルス活性を付与
することを目的として鋭意検討した結果、アミノ基また
は水酸基に硫酸基を導入することにより抗ウイルス活性
が付与されることを見出し、本発明を完成した。
【0008】本発明に用いるガラクトサミン重合体は、
α−1,4ポリガラクトサミンを用いてもよいし、α−
1,4ポリガラクトサミンを酸または酸素で加水分解し
た後、限外濾過膜を用いて分画したもの(部分分解ポリ
ガラクトサミン)、又は加水分解物をイオン交換クロマ
トグラフィーで分離後分取することによって得られるガ
ラクトサミノオリゴ糖もしくはそれらの塩酸塩(特開平
2−19392)を用いてもよい。
【0009】α−1,4ポリガラクトサミンは、Pae
cilomyces I−1株を液体培地に接種し、好
気的に培養することにより培地中に生成蓄積せしめるこ
とによって得ることができる。Paecilomyce
s I−1株の培養に用いる培地は、該菌株が生育して
目的とするα−1,4ポリガラクトサミンを生産しうる
ものであれば如何なるものでもよい。
【0010】炭素源としては例えばブドウ糖、麦芽糖、
ショ糖、澱粉、廃糖蜜等を使用することができるが好ま
しくはブドウ糖またはショ糖を用いるのが良い。窒素源
としてはオートミール、イーストエクストラクト、ペプ
トン、グルテンミール、綿実粉、大豆ミール、コーンス
ティープリカー、乾燥イースト、小麦胚芽、落花生粉、
チキン骨肉ミール等を使用するのが好ましいが、アンモ
ニウム塩(例えば、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム等)、尿素、アミノ酸等の無機
及び有機の窒素化合物も有利に利用することができる。
これらの炭素源及び窒素源は併用するのが有利である
が、純粋なものを必ずしも使用する必要はない。純粋で
ないものには、成長因子や微量要素が含まれているから
である。
【0011】必要ある場合には例えば、次のような無機
塩類を培地に添加してもよい:炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、マグネシ
ウム塩、銅塩、コバルト塩等。
【0012】特に培地が強く発泡するのであれば、必要
ある時に、液体パラフィン、動物油、植物油、鉱物油、
シリコン等を添加してもよい。
【0013】培養温度は、菌が生育しα−1,4ポリガ
ラクトサミンが生産される温度であればいかなる温度で
もよいが、通常5〜40℃である。培養時間は、培養条
件によって異なるが通常4〜5日程度であり、α−1,
4ポリガラクトサミンが最高に達する時間を見計らって
適当な時間に終了すればよい。
【0014】α−1,4ポリガラクトサミンを大量に工
業生産するには、他の発酵生産物の場合と同様に、通気
攪拌培養するのが好ましい。少量生産の場合は、フラス
コを用いる振とう培養が好適である。また、培養を大き
なタンクで行う場合、生産工程において菌の生育遅延を
防止するため、はじめに比較的少量の培地に生産菌を接
種培養した後、次に培養物を大きな生産タンクに移して
そこで生産培養するのが好ましい。この場合、前培養に
使用する培地及び生産培養に使用する培地の組成は、両
者ともに同一であってもよいし必要あれば両者をかえて
もよい。培養は通気攪拌条件で行うのが好ましく、例え
ばプロペラやその他機械による攪拌、ファーメンターの
回転または振とう、ポンプ処理、空気の吹き込み等既知
の方法が適宜使用される。通気用の空気は滅菌しておく
のがよい。
【0015】培養終了後培養液に硫安、塩化ナトリウム
などの塩を添加し、必要によってはアルカリを加えるこ
とによりpHを7〜9もしくはそれ以上として、沈澱を
析出させ、析出物を分離し、水洗後希酸水溶液に溶解さ
せ、同様の操作を繰り返し高度に精製されたα−1,4
ポリガラクトサミンを得ることができる(特公平1−4
1160)。
【0016】部分分解ポリガラクトサミンの調製及び分
画法を説明すると、塩酸加水分解は、例えば、2〜10
Nの塩酸とポリガラクトサミンとを、60〜100℃で
6〜24時間反応させればよい。一方ポリガラクトサミ
ン分解酵素による加水分解は、ポリガラクトサミン溶液
にポリガラクトサミン分解酵素を添加して35〜40℃
で反応させればよい。ポリガラクトサミン分解酵素とし
ては、例えばシュードモナスsp.H881(特公平3
−8757,FERM P−8955)由来の酵素を用
いることができる。
【0017】このように酸もしくは酵素によって加水分
解されたポリガラクトサミンは限外濾過膜等によって分
画し、各種の分画分子量単位に分けることができる。例
えば、加水分解された部分分解物を分画分子量1000
00、30000、10000、3000等の限外濾過
膜にて限外濾過を行い分画することでそれぞれ分画分子
量、100000以上、30000〜100000、1
0000〜30000、3000〜10000、300
0以下とに分画することができる。これらを凍結乾燥
し、各々の分子量の部分分解ポリガラクトサミンを得る
ことができる。
【0018】またガラクトサミノオリゴ糖は前記部分分
解ポリガラクトサミンを得るのと同様に酸又は分解酵素
による加水分解によって加水分解したのち、陽イオン交
換クロマトによりそれぞれのオリゴ糖を得ることができ
る(特開平2−19392)。また、市販のもの(フナ
コシ社製)を使用することもできる。
【0019】このようにして得られた各分画分子量の部
分分解ポリガラクトサミンもしくは、α−1,4ポリガ
ラクトサミン又はガラクトサミノオリゴ糖を硫酸化する
には、常法にしたがえばよく、例えば三酸化硫黄ピリジ
ン錯体、クロロ硫酸、またピペリジン硫酸による方法な
どがあり、例えば、ガラクトサミン重合体を水やジメチ
ルスルホキシド(DMSO)などに溶解させたのちpH
が7〜14のアルカリ領域において50〜100℃でそ
れぞれの硫酸化試薬と反応させればよい。反応後、水や
アセトンで洗浄し凍結乾燥することにより粉末のガラク
トサミン重合体硫酸化物を得ることができる。また、反
応時のpH、温度、硫酸化試薬などの条件を種々設定す
ることにより硫酸基の導入率を変化させることができる
ので、その目的に応じて反応条件を設定すればよい。
【0020】このようにして得られたガラクトサミン重
合体硫酸化物は、下記化2の構造を有する新規物質であ
る。
【0021】
【化2】
【0022】このようにして得られた種々のガラクトサ
ミン重合体硫酸化物は、すぐれた抗ウイルス活性を示
す。本物質の抗ウイルス活性は、後記するように、例え
ば、エイズウイルスに感染させたMT−4細胞にガラク
トサミン重合体硫酸化物を作用させ3〜6日培養後の細
胞数をはかることによって抗エイズウイルス活性を測定
することが出来る(Macromolecules,
,3717−3722(1990))。
【0023】本発明のガラクトサミン重合体硫酸化物を
医薬として投与する場合、そのまま又は医薬的に許容さ
れる無毒性かつ不活性の担体中に、例えば0.1〜9
9.5%好ましくは0.5〜90%含有する医薬組成物
として、人を含む動物に投与される。担体としては、固
形、半固形、又は液状の希釈剤、充填剤、及びその他の
処方用の助剤一種以上が用いられる。医薬組成物は、投
与単位形態で投与することが望ましく、経口投与、組織
内投与、局所投与(経皮投与など)、又は直腸的に投与
する事ができる。これらの投与方法に適した剤型で投与
されるのはもちろんである。
【0024】抗ウイルス剤としての用量は、年齢、体重
等の患者の状態、投与経路、病気の性質と程度等を考慮
した上で調整することが望ましいが、通常は、成人に対
して本発明の有効成分量として、一日当り、10〜20
00mg範囲が一般的である。場合によっては、これ以
下で足りるし、また逆に、これ以上の用量を必要とする
事もある。多量に投与するときは、一日数回に分割して
投与することが望ましい。
【0025】経口投与は、固形又は液状の用量単位、例
えば末剤、散剤、錠剤、糖衣剤、カプセル剤、ドロップ
剤、舌下錠その他の剤型によって行う事ができる。末剤
は、活性物質を適当な細かさにすることにより製造され
る。散剤は、活性物質を適当な細かさとなし、ついで同
様に細かくした医薬用担体、たとえば澱粉、マンニトー
ルの如き可食性炭水化物その他と混合することにより製
造される。必要に応じ風味剤、保存剤、分散剤、着色
剤、香料その他のものを混じてもよい。カプセル剤は、
まず粉末状となった末剤や散剤あるいは顆粒化したもの
を、たとえばゼラチンカプセルのようなカプセル外皮の
中へ充填することにより製造される。滑沢剤や流動化
剤、たとえばコロイド状のシリカ、タルク、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固形のポリ
エチレングリコールの如きものを粉末状態のものに混合
し、しかるのちに充填操作を行う事もできる。崩壊剤や
可溶化剤、たとえばカルボキシメチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロース、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウ
ムを添加すれば、カプセル剤が摂取された時の医薬の有
効性を改善する事ができる。
【0026】また、本品の微粉末を植物油、ポリエチレ
ングリコール、グリセリン、界面活性剤中に懸濁分散
し、これをゼラチンシートで包んで軟カプセル剤とする
こともできる。錠剤は粉末混合物をつくり、顆粒化もし
くはスラグ化し、ついで崩壊剤又は滑沢剤を加えたのち
打錠することにより製造される。
【0027】粉末混合物は、適当に粉末化された物質を
上述の希釈剤やベースと混合し、必要に応じ、結合剤
(たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ア
ルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドンなど)、溶解遅延化剤(たとえばパラフ
ィンなど)、再吸収剤(たとえば四級塩)または吸着剤
(たとえばベントナイト、カオリン、リン酸ジカルシウ
ムなど)を併用してもよい。粉末混合物は、まずシロッ
プ、でんぷん糊、アラビアゴム、セルロース溶液または
高分子物質溶液などの結合剤で湿らせ、ついで篩を強制
通過させて夥粒とすることができる。このように粉末を
顆粒化するかわりに、まず打錠機にかけたのち、得られ
る不完全な形態のスラグを破砕して顆粒にすることも可
能である。
【0028】このようにして作られる顆粒は、滑沢剤と
してステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、ミネラル
オイルその他を添加することにより、互いに付着するこ
とを防ぐことができる。このように滑沢化された混合物
を、次いで打錠する。また、薬物は、上述のように顆粒
化やスラグ化の工程を経ることなく、流動性の不活性担
体と結合したのちに直接打錠しても良い。シェラックの
密閉被膜から成る透明又は半透明の保護被膜、糖や高分
子材料の被覆、及びワックスより成る磨上被膜の如きも
用いうる。
【0029】他の経口投与剤型、たとえば溶液、シロッ
プ、エリキシルなどもまたその一定量が含有するように
用量単位形態にする事ができる。シロップは、化合物を
適当な香味化水溶液に溶解して製造され、またエリキシ
ルは非毒性のアルコール性担体を用いることにより製造
される。懸濁剤は化合物を非毒性担体中に分散させるこ
とにより処方される。可溶化剤や乳化剤(たとえばエト
キシ化されたイソステアリルアルコール類、ポリオキシ
エチレンソルビトールエステル類)、保存剤、風味賦与
剤(たとえばペパーミント油、サッカリン)その他もま
た必要に応じ添加できる。
【0030】必要とあれば、経口投与のための用量単位
処方はマイクロカプセル化してもよい。また該処方は被
覆をしたり、高分子・ワックス等中にうめ込んだりする
ことにより作用時間の延長や持続放出をもたらす事もで
きる。
【0031】非経口的投与は、皮下・筋肉内又は静脈内
注射用としたところの液状用量単位形態、たとえば溶液
や懸濁剤の形態を用いることによって行いうる。これら
のものは、化合物の一定量を、注射の目的に適合する非
毒性の液状担体、たとえば水性や油性の媒体に懸濁し又
は溶解し、次いで該懸濁液又は溶液を滅菌する事により
製造される。あるいは化合物の一定量をバイアルにと
り、然るのち該バイアルとその内容物を滅菌し密閉して
も良い。投与直前に溶解又は混合するために、粉末又は
凍結乾燥した有効成分に添えて、予備的なバイアルや担
体を準備しても良い。注射液を等張にするために非毒性
の塩や塩溶液を添加しても良い。さらに安定剤、保存
剤、乳化剤の如きものを併用する事もできる。
【0032】直腸投与は、化合物を低融点の固体、たと
えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級エステル
類(たとえばパルミチン酸ミリスチルエステル)及びそ
れらの混合物を混じた座剤を用いることによって行いう
る。
【0033】また、非経口投与のための製剤としては、
上記した注射剤、坐剤のほか、点滴剤、輸液、軟骨、ロ
ーション、トニック、スプレー、懸濁剤、油剤、乳剤等
が挙げられるがこれらも常法にしたがって製剤化すれば
よい。
【0034】次に本発明の製造例及び実施例を示す。
【0035】〔製造例1.α−1,4ポリガラクトサミ
ンの製造〕グルコース600g、ポリペプトン60g、
CaCl2・2H2O 125gを水道水17リットルに
溶解し、濃NaOH溶液でpH7.0に調整した後、3
0リットル容ジャーファーメンターに移した。
【0036】この培地溶液に蒸気を注入することによ
り、加圧、加熱滅菌(121℃、20分間)を行った。
冷却後の培地(最終液量20リットル)に、500ml
三角フラスコに150ml同組成の培地で26℃、4日
間振とう培養したPaecilomyces I−1
(FERM BP−1180)を、容量比で約10%無
菌的に接種した。接種後、27℃、通気量0.5VV
M、攪拌数200RPMの条件で5日間培養した。
【0037】培養終了後、培養物を濾布濾過することに
より培養濾液17リットルを得た。この培養濾液を50
℃から60℃に加熱しながら分画分子量100000の
限外濾過膜(グレースジャパン社製 HIP100)を
通過させることにより、低分子画分を除き液量が約3リ
ットルになる迄濃縮した。更に、約14000×Gで遠
心分離することにより菌体残渣、熱変性蛋白質を除去し
た。
【0038】遠心分離後に、上澄液画分3リットルに食
塩約750g(約25%濃度)を加え攪拌し、溶解後、
濃NaOHでpHを7.0〜8.5に調整した。一夜放
置して塩析物を十分析出させた後、サラン製の布(塩化
ビニリデンと塩化ビニールの共重合体)上に塩析物を回
収した。更にこの塩析物の上から大量の微アルカリ性の
水(pH7.0以上)を撤布することにより、余分の食
塩及び培養液に同時に混在している中性糖、その他夾雑
物を洗い流した。
【0039】次に、水洗後の塩析物に0.1M塩酸溶液
を容量比で約3倍量加え溶解した。この溶解物に濃Na
OH溶液を加え、ポリガラクトサミンの等電点であるp
H8.5に合わせた。一夜放置し十分析出物を析出させ
た後、上記と同様サラン製の布上に析出物を回収し、大
量の水道水で洗った。この水洗物をもう1度0.1M塩
酸に溶解後、等電点沈澱を行い、水洗を繰り返すことに
より精製した。
【0040】この精製した析出物を121℃、15分間
滅菌後、凍結乾燥することにより、α−1,4ポリガラ
クトサミンの精製粉末を得た。
【0041】〔実施例1.ガラクトサミン重合体の硫酸
化〕
【0042】 三酸化硫黄ピリジン錯体による硫酸化 製造例1で得たα−1,4ポリガラクトサミン0.6g
を水40mlに分散させ、1.2規定NaOH溶液を加
えpHを9に調整後、氷冷下で1時間攪拌した。攪拌
後、無水エタノール150mlを加え、室温で1時間攪
拌し、生成した沈澱を遠心分離にて集めた。得られた沈
澱を脱イオン水50mlに分散させ室温で30分間攪拌
後、遠心分離して沈澱を集め、無水エタノールで3回、
エーテルで1回洗浄した。洗浄後、得られた沈澱をピリ
ジン30ml中に入れ、1.5時間攪拌し、三酸化硫黄
ピリジン錯体2.1gを加え100℃で1時間攪拌し
た。これに氷冷下で2.5規定NaOH溶液を過剰に加
えpHを14に調整し30分攪拌後、500mlアセト
ンに懸濁させる。攪拌後、静置し上澄みを除き、沈澱画
分をアセトンで洗浄したのち、脱イオン水100mlに
溶解させセルロースチューブにて2日間透析を行った。
透析後凍結乾燥を行い、0.27gのガラクトサミン重
合体硫酸化物PGS−1を得た。元素分析値より各元素
のモル比はC:H:N:S=6.5:17:1.0:
2.0となり、ガラクトサミン残基1個あたり平均2個
の硫酸基が導入されたガラクトサミン重合体硫酸化物が
得られた。
【0043】 クロロ硫酸による硫酸化 製造例1で得たα−1,4ポリガラクトサミン0.21
gを水20mlに分散させ、NaOH溶液を加えpHを
12.5に調整後氷冷下で3時間攪拌した。攪拌後沈澱
を遠心分離にて集め、エタノールで3回、エーテルで2
回洗浄した。得られた沈澱を氷冷下において、ピリジン
20mlにクロロ硫酸2.6mlを滴下した懸濁溶液に
加え、90℃で3.5時間攪拌した。放冷したのち、氷
冷下2.5規定NaOH溶液20mlを加え30分間攪
拌し、さらに脱イオン水50ml、アセトン400ml
を加えた。攪拌後、静置し、上澄みを除き、沈澱をアセ
トンで3回洗浄後、脱イオン水160mlに溶解させセ
ルロースチューブにて2日間透析を行った。透析後凍結
乾燥を行い、得られた凍結乾燥物を脱イオン水10ml
に溶解させ、氷冷下にて1.2規定NaOH溶液を加え
pHを13に調整し1時間攪拌した。攪拌後セルロース
チューブにて1日透析し凍結乾燥を行い、0.18gの
ガラクトサミン重合体硫酸化物PGS−2を得た。元素
分析値より各元素のモル比はC:H:N:S=5.7:
12:1.0:1.3となり、ガラクトサミン残基1個
あたり平均1.3個の硫酸基が導入されたガラクトサミ
ン重合体硫酸化物が得られた。
【0044】 ピペリジン硫酸による硫酸化 製造例1で得たα−1,4ポリガラクトサミン0.5g
をジメチルスルホキシド40mlに分散させ、室温で3
時間20分、50℃で45分攪拌後、ピペリジン硫酸
1.7gを加え84℃で1時間攪拌反応させた。
【0045】次に氷冷下において飽和NaHCO3 溶液
を加え、pHを8.0に調整し、アセトン500mlを
加えた。生成した沈澱を遠心分離にて集め、アセトンで
3回洗浄したのち、得られた沈澱を脱イオン水100m
lに溶解させ、セルロースチューブにて1日透析した。
透析後凍結乾燥し、0.35gのガラクトサミン重合体
硫酸化物PGS−3を得た。元素分析値より各元素のモ
ル比はC:H:N:S=6.6:16:1.0:1.3
となり、ガラクトサミン残基1個あたり平均1.3個の
硫酸基が導入されたガラクトサミン重合体硫酸化物が得
られた。
【0046】〔実施例2.ガラクトサミン重合体硫酸化
物の抗エイズウイルス活性の測定〕実施例1で得た各種
ガラクトサミン重合体硫酸化物の抗エイズウイルス活性
を測定した。
【0047】0.2%のHTLV−IIIB産出細胞から
のウイルスをHTLV−I陽性のMT−4細胞に感染さ
せ、37℃、1時間の吸着を行った後、細胞数3×10
5Cells/mlとなるように調整し、実施例1で得
た各々のガラクトサミン重合体硫酸化物を種々濃度加え
た系で培養を行った。空試験としてHTLV−IIIBを
感染させていないMT−4細胞についても、同様の操作
を行った。(Macromolecules,23,3
717−3722(1990))。
【0048】培養後の生存細胞数を測定し、CC50及び
EC50を決定した。結果は、下記の表1に示した。CC
50は細胞障害濃度であり、ガラクトサミン重合体硫酸化
物がMT−4細胞に対して50%の障害を与える濃度で
あり、EC50はガラクトサミン重合体硫酸化物がHTL
V−IIIB感染による細胞障害を50%保護する濃度で
ある。またSIは、CC50/EC50の値であり、この値
が大きいほど薬効が高いことを示している。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明に係る物質は、新規物質であり、
すぐれた抗ウイルス作用を有する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12P 19/26 7432−4B (C12P 19/26 C12R 1:01)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1に示される化学式を有するガラ
    クトサミン重合体硫酸化物。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のガラクトサミン重合体
    硫酸化物を有効成分とする抗ウイルス剤。
JP20013892A 1992-07-06 1992-07-06 ガラクトサミン重合体硫酸化物及び該物質を 含有する抗ウイルス剤 Pending JPH0625304A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105358582A (zh) * 2013-07-02 2016-02-24 中国科学院上海药物研究所 一种硫酸酯化聚古洛糖酸多糖或其可药用盐及其制备方法和用途

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105358582A (zh) * 2013-07-02 2016-02-24 中国科学院上海药物研究所 一种硫酸酯化聚古洛糖酸多糖或其可药用盐及其制备方法和用途
US10058566B2 (en) 2013-07-02 2018-08-28 Shanghai Institute Of Materia Medica Chinese Academy Of Sciences Sulfated polygulonic acid polysaccharide or pharmaceutical salt thereof, preparation method therefor and use thereof

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