JPH0625224Y2 - 棒状化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【産業上の利用分野】 本考案は、袴筒と中具とからなる外筒にキャップが着脱
自在に嵌合されてなる口紅容器の如き棒状化粧料容器の
外筒部分の改良に関する。

【従来の技術】

従来この種の棒状化粧料容器の外筒は、袴筒と中具が共
に樹脂からなるタイプと、両者が共に金属からなるタイ
プであった。

【考案が解決しようとする問題点】

前者は低コストで製造できるメリットがある反面、容器
径が大となるデメリットがある。ところで最近、容器全
体としての外観の良さや使用のし易さ等から細身の棒状
化粧料を細身の容器に収容する傾向が強くなってきてい
る。このようなところから、袴筒と中具が共に金属から
なるタイプが主流をなしているのが現状である。 しかしながら、かかる構成の外筒であるとコスト高とな
るばかりでなく、容器を落下した場合そのショックが直
接化粧料まで伝達され、化粧料が棒状で長いことから、
化粧料が折損し易いという欠点があった。 そこで、本願考案者は上記欠点を解消すべく、経済性及
びデザイン付与の自由度が高いことから、樹脂にて袴筒
を構成し、一方筒径の狭小化及び落下時の化粧料の折損
防止等の観点から金属にて中具を構成することに想到し
た。しかしながら、樹脂製の筒体からなる袴筒に金属製
の筒体からなる中具を嵌合する場合、従来一般に行なわ
れる強制嵌合とすると、経時により、樹脂からなる袴筒
にストレスによるクラックが生じ、容器として使用不能
となることがわかった。 本願考案者は、種々実験を繰り返した結果、かかる欠点
を解消するに至った。即ち、本考案は、経時によるクラ
ックが生ぜず、かつ筒径の狭小化及び落下時の化粧料の
折損防止並びにデザイン付与の高自由性、経済性等を満
足する棒状化粧料容器を供することを目的とする。

【問題点を解決するための手段】

上記目的達成のため、本考案は、袴筒と中具とからなる
外筒にキャップが着脱自在に嵌合されてなる棒状化粧料
容器において、袴筒が樹脂製の筒体からなり、該袴筒に
金属製の筒体からなる中具が嵌合され、上記中具の外径
が上記袴筒の内径以下とされ、かつ上記中具の適宜箇所
に１又２以上の舌片が設けられ、該舌片は上方が拡開さ
れ、上記袴筒に設けられた凹部に係止されたことを特徴
とする棒状化粧料容器を供する。 この棒状化粧料容器は、上記舌片が外方に向かって付勢
された板ばねである点及び上記舌片に代え、突部が設け
られた点をも特徴とする。

【実施例】

次に、本考案にかかる棒状化粧料容器を図面に示す実施
例に基ずいて説明する。 １は袴筒で、適宜の樹脂、例えばアクリロニトリル−ス
チレン樹脂（ＡＳ樹脂）からなり、筒体に形成される。
該袴筒１には、内壁の適宜部位図示例では上部に、凹部
２が設けられる。３は中具で、適宜の金属、例えば黄銅
からなり、筒体に形成される。該中具３は、外径が上記
袴筒１の内径と同一か又はそれより若干小に形成され
る。中具３の上記凹部２に対応する部位に、１又は２以
上（図示例は２箇所）の舌片４が設けられる。該舌片４
は上方が拡開され、袴筒１に設けられた上記凹部２に係
止される。舌片４は外方に向かって付勢された板ばねで
あることが望ましい。上記袴筒１及び中具３にて外筒６
が構成される。上記キャップ５はＡＳ樹脂からなる。 第２図及び第３図は他の実施例を示す。第２図は、舌片
４及び凹部２が夫々中具３及び袴筒１の下部に設けられ
た場合を示す。この場合は、袴筒１と中具３との間に若
干の逃げ間隙Ｇを設ける。第３図は、舌片４に代え、突
部４ａが設けられた場合である。 図中、７はＡＳ樹脂等適宜樹脂からなる筒状の身筒、８
は化粧料を収納する中皿、９は上記中具３と身筒７との
間に挿入された適宜樹脂からなる螺旋筒、１０はアルミ
ニウム等適宜金属からなる中蓋である。

【作用】

本考案にかかる棒状化粧料容器においては、袴筒１と中
具３とは、凹部２に舌片４又は突部４ａが係止されるこ
とにより嵌合しており、強制嵌合ではないから、袴筒１
に経時的ストレスがかからない。したがって、袴筒１に
はクラックが生じない。中具３は、舌片４又は突部４ａ
が凹部２に係止しているから、袴筒１に対し相対的に回
動が防止される。 舌片４を凹部２に嵌合するには、中具３を袴筒１に挿入
するだけで簡単に行なわれる。このため、組立が複雑化
しない。 キャップ５を閉じた場合、容器内に収納されている化粧
料は、容器を落下したとしても、衝撃が第１次的に容器
外側の樹脂部分、即ち外筒６及びキャップ５にて吸収さ
れ、かつ両者の接合部分が中具３により強化されている
ため、衝撃に弱い棒状の化粧料の折損が防止される。 容器の外観は樹脂からなる外筒６及びキャップ５にて構
成されるため、形状、模様もしくは色彩又はこれらの組
合せを自由に選択することが可能であり、デザイン付与
の自由度が高くなる。 さらに、強度的に弱点となる外筒６とキャップ５との接
合部分が金属製の中具３にて強化されているから、その
分筒径を細身とすることができる。

【考案の効果】

このように、本考案にかかる棒状化粧料容器によれば、
袴筒と中具とからなる外筒にキャップが着脱自在に嵌合
されてなる棒状化粧料容器において、袴筒が樹脂製の筒
体からなり、該袴筒に金属製の筒体からなる中具が嵌合
され、上記中具の外径が上記袴筒の内径以下とされ、か
つ上記中具の適宜箇所に１又２以上の舌片が設けられ、
該舌片は上方が拡開され、上記袴筒に設けられた凹部に
係止されており、袴筒と中具とが強制嵌合されていない
から、経時によるクラックが生じない効果がある。併せ
て、本考案にかかる棒状化粧料容器によれば、容器落下
時の化粧料の折損防止、デザイン付与の高自由性、筒径
の狭小化、経済性といった従来両立が困難であったこと
を同時に達成できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる棒状化粧料容器の実施例を示す
縦断面図、第２図は他の実施例を示す要部概略縦断面
図、第３図はさらには他の実施例を示す要部概略縦断面
図である。 １……袴筒、２……凹部、３……中具、４……舌片、４
ａ……突部、５……キャップ、６……外筒、７……身
筒、８……中皿、９……螺旋筒、１０……中蓋。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】袴筒と中具とからなる外筒にキャップが着
   脱自在に嵌合されてなる棒状化粧料容器において、袴筒
   が樹脂製の筒体からなり、該袴筒に金属製の筒体からな
   る中具が嵌合され、上記中具の外径が上記袴筒の内径以
   下とされ、かつ上記中具の適宜箇所に１又２以上の舌片
   が設けられ、該舌片は上方が拡開され、上記袴筒に設け
   られた凹部に係止されたことを特徴とする棒状化粧料容
   器。
2. 【請求項２】上記舌片が外方に向かって付勢された板ば
   ねである請求項１記載の棒状化粧料容器。
3. 【請求項３】上記舌片に代え、突部が設けられた請求項
   １又は２記載の棒状化粧料容器。