JPH06251304A - 磁気記録装置 - Google Patents
磁気記録装置Info
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- JPH06251304A JPH06251304A JP4096193A JP4096193A JPH06251304A JP H06251304 A JPH06251304 A JP H06251304A JP 4096193 A JP4096193 A JP 4096193A JP 4096193 A JP4096193 A JP 4096193A JP H06251304 A JPH06251304 A JP H06251304A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】MRヘッド再生波形に上下非対称があっても動
作マージンが低下しない磁気記録装置を実現すること。 【構成】媒体雑音と装置雑音の比が0.7以上となるよ
う、媒体磁気特性、MR再生感度およびMRヘッド等化
雑音抵抗値、再生増幅器等価雑音抵抗値を組み合わせ
る。 【効果】本発明によれば,MR膜高さが変動して再生波
形に上下非対称が発生してもノイズジッタ量が波形の上
下でほぼ等量となり、エラーバケットカーブは対称にな
り、位相マージンの低下が抑えられる。
作マージンが低下しない磁気記録装置を実現すること。 【構成】媒体雑音と装置雑音の比が0.7以上となるよ
う、媒体磁気特性、MR再生感度およびMRヘッド等化
雑音抵抗値、再生増幅器等価雑音抵抗値を組み合わせ
る。 【効果】本発明によれば,MR膜高さが変動して再生波
形に上下非対称が発生してもノイズジッタ量が波形の上
下でほぼ等量となり、エラーバケットカーブは対称にな
り、位相マージンの低下が抑えられる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はMR再生ヘッドを用いる
磁気記録装置に係り、特に再生波形の非対称による問題
を克服するのに好適な磁気記録装置に関する。
磁気記録装置に係り、特に再生波形の非対称による問題
を克服するのに好適な磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】MR(magnetoresistive)効果を用いた
MR再生ヘッドは1)高感度であること、2)周速依存
性がないこと、3)ヘッド雑音が低い、等から従来の誘
導型再生ヘッドに比べ高S/Nであり高密度磁気記録に
必須である。そのヘッドにMR素子として用いられるM
R再生膜は原理的に非線形動作特性を持つので、通常は
線形性の良い所が動作点になるよう、MR膜の磁化を媒
体面に対しほぼ45°傾くように磁気バイアスを加えて
用いる。この際、動作点がずれると図2に示す通り、再
生波形に上下振幅非対称が生ずる。通常は上下対称とな
るよう、1)電流バイアス方式の場合はバイアス電流
を、2)シャントバイアス、ソフトバイアス、シャント
/ソフト複合バイアス方式の場合はセンス電流を最適化
する。図10は磁気ディスク装置用のシャント/ソフト
複合バイアス方式MR再生ヘッドの孤立再生波上下振幅
のセンス電流依存性である。上下非対称性を図2中に示
すように定義すると、センス電流14mAで上下非対称
性=0となる。センス電流の最適値は1)MR高さ、
2)MR膜と、ソフト膜、バイアス膜などの他の膜との
分流比、3)MR膜および他の膜の磁気特性により変動
するが、大量生産する場合、最も影響するのがMR膜高
さのバラツキである。通常の製造プロセスでは機械加工
でMR膜高さを追い込むので加工の歩留まりをある程度
確保しようとすると1〜2μmのMR膜高さの変動を許
容せざるを得ない。磁気ディスク装置の場合、1)MR
ヘッドの再生感度を確保する必要性からMR膜高さの設
計中心を2〜3μmにすること、2)幅広記録/幅狹再
生からMR再生ヘッドのトラック幅は3〜4μmとなる
こと、3)大径ウェーハー化によるロット内ばらつきの
増大、等からMR膜高さの変動により最適センス電流値
は大幅にずれてしまう。通常、磁気記録装置では1)制
御の煩雑さ、2)製造コストの上昇、3)回路実装上の
困難さ、等の問題からMRヘッド個々に対応してセンス
電流を個別に調整はしない。製造コストに余裕がある場
合はMRヘッド製造ロットにあわせて装置のセンス電流
をロット中心値に設定し直すことはあるが、この場合で
もロット内のセンス電流のばらつきには対応できないの
でMRヘッドごとに再生波形の上下非対称性がばらつ
く。
MR再生ヘッドは1)高感度であること、2)周速依存
性がないこと、3)ヘッド雑音が低い、等から従来の誘
導型再生ヘッドに比べ高S/Nであり高密度磁気記録に
必須である。そのヘッドにMR素子として用いられるM
R再生膜は原理的に非線形動作特性を持つので、通常は
線形性の良い所が動作点になるよう、MR膜の磁化を媒
体面に対しほぼ45°傾くように磁気バイアスを加えて
用いる。この際、動作点がずれると図2に示す通り、再
生波形に上下振幅非対称が生ずる。通常は上下対称とな
るよう、1)電流バイアス方式の場合はバイアス電流
を、2)シャントバイアス、ソフトバイアス、シャント
/ソフト複合バイアス方式の場合はセンス電流を最適化
する。図10は磁気ディスク装置用のシャント/ソフト
複合バイアス方式MR再生ヘッドの孤立再生波上下振幅
のセンス電流依存性である。上下非対称性を図2中に示
すように定義すると、センス電流14mAで上下非対称
性=0となる。センス電流の最適値は1)MR高さ、
2)MR膜と、ソフト膜、バイアス膜などの他の膜との
分流比、3)MR膜および他の膜の磁気特性により変動
するが、大量生産する場合、最も影響するのがMR膜高
さのバラツキである。通常の製造プロセスでは機械加工
でMR膜高さを追い込むので加工の歩留まりをある程度
確保しようとすると1〜2μmのMR膜高さの変動を許
容せざるを得ない。磁気ディスク装置の場合、1)MR
ヘッドの再生感度を確保する必要性からMR膜高さの設
計中心を2〜3μmにすること、2)幅広記録/幅狹再
生からMR再生ヘッドのトラック幅は3〜4μmとなる
こと、3)大径ウェーハー化によるロット内ばらつきの
増大、等からMR膜高さの変動により最適センス電流値
は大幅にずれてしまう。通常、磁気記録装置では1)制
御の煩雑さ、2)製造コストの上昇、3)回路実装上の
困難さ、等の問題からMRヘッド個々に対応してセンス
電流を個別に調整はしない。製造コストに余裕がある場
合はMRヘッド製造ロットにあわせて装置のセンス電流
をロット中心値に設定し直すことはあるが、この場合で
もロット内のセンス電流のばらつきには対応できないの
でMRヘッドごとに再生波形の上下非対称性がばらつ
く。
【0003】現在の主流である位相弁別方式ではピーク
位置が所定の弁別窓に入っているか否かで情報の”
1”、”0”を判断する。一般にピーク位置を変動させ
る要因は1)記録過程でのピークシフト、2)再生過程
でのノイズジッタ、であり、両者の和が大きくなると弁
別窓からはずれてしまいデータ誤りを生ずる。この時、
どの程度弁別窓に余裕があるかを現わす尺度が位相マー
ジンである。上下非対称が生じると、上側ピークと下側
ピークで振幅が異なるからS/Nに差が生じ、図2に示
す場合は下側ピークのノイズジッタ量が大きくなる。こ
の場合、下側ピークに対応する弁別窓の位相マージン
は、上下振幅対称の場合に比べS/Nが下がった分小さ
くなる。一般に、装置の位相マージンは小さい方で決定
されるから、結局、センス電流が最適化されないため振
幅に上下非対称が生ずると、装置の位相マージン減少が
発生する。図11は図10と同じR/W条件で、センス
電流を変えて上側ピークと下側ピークのノイズジッタ量
を測定した結果である。記録信号は、通常ノイズジッタ
量が最も大きくなる孤立波とこのR/W条件では正弦波
とみなせる10MHzの信号を用いている。10MHz
の場合、センス電流依存性が見えなくなるのは、高密度
になる程媒体からの磁界強度が低下し、MR膜が孤立波
の場合より線形な動作領域で動作するためである。MR
ヘッド製造ロット内の最適センス電流値がばらついて、
装置で設定した値より小さい方向に振れると図11に示
す通り、ノイズジッタ量が急激に増加してしまい、これ
により位相マージンが低下する。装置には複数のMRヘ
ッドを実装して用いるから、位相マージンの小さいMR
ヘッドがあると装置のマージンはそのMRヘッドで規定
されてしまい問題である。
位置が所定の弁別窓に入っているか否かで情報の”
1”、”0”を判断する。一般にピーク位置を変動させ
る要因は1)記録過程でのピークシフト、2)再生過程
でのノイズジッタ、であり、両者の和が大きくなると弁
別窓からはずれてしまいデータ誤りを生ずる。この時、
どの程度弁別窓に余裕があるかを現わす尺度が位相マー
ジンである。上下非対称が生じると、上側ピークと下側
ピークで振幅が異なるからS/Nに差が生じ、図2に示
す場合は下側ピークのノイズジッタ量が大きくなる。こ
の場合、下側ピークに対応する弁別窓の位相マージン
は、上下振幅対称の場合に比べS/Nが下がった分小さ
くなる。一般に、装置の位相マージンは小さい方で決定
されるから、結局、センス電流が最適化されないため振
幅に上下非対称が生ずると、装置の位相マージン減少が
発生する。図11は図10と同じR/W条件で、センス
電流を変えて上側ピークと下側ピークのノイズジッタ量
を測定した結果である。記録信号は、通常ノイズジッタ
量が最も大きくなる孤立波とこのR/W条件では正弦波
とみなせる10MHzの信号を用いている。10MHz
の場合、センス電流依存性が見えなくなるのは、高密度
になる程媒体からの磁界強度が低下し、MR膜が孤立波
の場合より線形な動作領域で動作するためである。MR
ヘッド製造ロット内の最適センス電流値がばらついて、
装置で設定した値より小さい方向に振れると図11に示
す通り、ノイズジッタ量が急激に増加してしまい、これ
により位相マージンが低下する。装置には複数のMRヘ
ッドを実装して用いるから、位相マージンの小さいMR
ヘッドがあると装置のマージンはそのMRヘッドで規定
されてしまい問題である。
【0004】一方、振幅弁別方式を用いる磁気記録装置
では振幅ピーク値をクロックパルスでA/D変換して振
幅情報として取り込む。通常、クロックパルスは再生波
形のピーク位置を基にして作製するので再生波形に上下
振幅非対称があるとクロックパルスのノイズジッタ量に
差が生じる。ノイズジッタ量が大きい方に対応するクロ
ックパルスでA/D変換すると本来あるべき位置よりも
ずれた所で取り込むことになり、振幅ピーク値より小さ
な値を振幅情報として取り込むから、結局、装置の振幅
マージンを低下させ問題である。位相弁別方式の場合と
同様に、振幅マージンの小さいMRヘッドがあると装置
のマージンはそのMRヘッドで規定されてしまい同様に
問題である。
では振幅ピーク値をクロックパルスでA/D変換して振
幅情報として取り込む。通常、クロックパルスは再生波
形のピーク位置を基にして作製するので再生波形に上下
振幅非対称があるとクロックパルスのノイズジッタ量に
差が生じる。ノイズジッタ量が大きい方に対応するクロ
ックパルスでA/D変換すると本来あるべき位置よりも
ずれた所で取り込むことになり、振幅ピーク値より小さ
な値を振幅情報として取り込むから、結局、装置の振幅
マージンを低下させ問題である。位相弁別方式の場合と
同様に、振幅マージンの小さいMRヘッドがあると装置
のマージンはそのMRヘッドで規定されてしまい同様に
問題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、位相弁
別方式でも、あるいは振幅弁別方式の場合でも、MRヘ
ッド再生波形に上下非対称があると動作マージンが低下
し、また動作マージンの小さいMRヘッドがあると装置
マージンはそのMRヘッドで規定されてしまうような問
題があった。本発明の目的はMRヘッド再生波形に上下
非対称があっても動作マージンが低下しない磁気記録装
置を実現することにある。
別方式でも、あるいは振幅弁別方式の場合でも、MRヘ
ッド再生波形に上下非対称があると動作マージンが低下
し、また動作マージンの小さいMRヘッドがあると装置
マージンはそのMRヘッドで規定されてしまうような問
題があった。本発明の目的はMRヘッド再生波形に上下
非対称があっても動作マージンが低下しない磁気記録装
置を実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明では、装置雑音(装置雑音とは、装置に媒
体、ヘッド、回路系を組み込んで、記録再生を行なった
時の総合雑音を表わす。)がほぼ媒体雑音で決まるよ
う、すなわち媒体雑音と装置雑音の比率を0.7以上に
なるようにヘッド、媒体、再生回路系の磁気特性、電気
特性を設定する。これにより、再生波形に上下非対称が
生じても上側ピーク位置と下側ピーク位置のS/Nが等
しくなる(ここにSは再生出力)。これにより、ノイズ
ジッタ量を波形ピークの上下で等量にできる。
め、本発明では、装置雑音(装置雑音とは、装置に媒
体、ヘッド、回路系を組み込んで、記録再生を行なった
時の総合雑音を表わす。)がほぼ媒体雑音で決まるよ
う、すなわち媒体雑音と装置雑音の比率を0.7以上に
なるようにヘッド、媒体、再生回路系の磁気特性、電気
特性を設定する。これにより、再生波形に上下非対称が
生じても上側ピーク位置と下側ピーク位置のS/Nが等
しくなる(ここにSは再生出力)。これにより、ノイズ
ジッタ量を波形ピークの上下で等量にできる。
【0007】
【作用】媒体特性、ヘッド特性、ヘッド再生回路電気特
性を図12の条件を満たすように組み合わせると、媒体
雑音が装置雑音の0.7以上にすることが可能になり、
再生波形に上下非対称性が生じても図3(a)、(b)
からわかるように、ノイズジッタ量は上側ピークと下側
ピークで等量とすることが可能になり、その結果、最適
センス電流値がばらついたMRヘッドを装置に実装して
もMRヘッド間の動作マージンは同一となり装置の動作
マージンの低下は起こらないようになる。
性を図12の条件を満たすように組み合わせると、媒体
雑音が装置雑音の0.7以上にすることが可能になり、
再生波形に上下非対称性が生じても図3(a)、(b)
からわかるように、ノイズジッタ量は上側ピークと下側
ピークで等量とすることが可能になり、その結果、最適
センス電流値がばらついたMRヘッドを装置に実装して
もMRヘッド間の動作マージンは同一となり装置の動作
マージンの低下は起こらないようになる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は本
発明の実施例を示すブロック図で、計測部100を備え
ることが特徴である。すなわち、図1は、本発明を実施
した5.25”磁気ディスク装置1と制御装置2と、さ
らに磁気ディスク装置1に接続して媒体S/Nと装置S
/Nを算出する計測部100を備えた接続ブロック図で
ある。制御装置2は5.25”磁気ディスク装置1の制
御の他に、動作マージンの計測も行う。磁気ディスク装
置1は位相弁別方式でサーボトラック位置決め方式、ア
クチュータ6はリニア方式である。磁気ディスク3はC
o系スパッタ媒体で磁気特性が1)残留磁化と磁性膜厚
の積=200ガウスミクロンメータ、2)周方向保磁力
=1500エルステッドで回転数は3600rpm、サ
ーボヘッド4は薄膜誘導型である。データヘッド5は薄
膜誘導型記録ヘッドとMR型再生ヘッドを複合化した複
合型ヘッドを用いた。データの記録周波数は10MHz
である。MR再生ヘッドはMR膜にFeNi材、磁区制
御膜にはCoPt硬磁性膜、バイアス膜はNb材、バイ
アス強化膜にはCo系軟磁性膜を用いた。記録ヘッドの
磁極材はCo系軟磁性膜を用い、コイル巻数は15回で
ある。記録を行う場合は制御装置2の指令により所定の
位置にデータヘッドを位置決めし、記録電流源14、記
録アンプ15を起動して、記録情報を記録電流に変換し
た後、電流混合回路13、記録再生切替回路7経由で複
合型ヘッド5の薄膜誘導型記録ヘッドに記録電流を流
し、磁気ディスク3に情報を記録する。再生の場合は制
御装置2の指令により、記録再生切替回路7を再生に選
択し複合型ヘッド5のMR再生ヘッドで再生した信号を
MR再生アンプ8、イコライザ9に送り、微分回路10
で再生波形のピーク位置を零クロスに変換した後、パル
サー11でパルス化する。更に、ショルダー効果による
擬似パルス発生をショルダー除去回路16で除いた後、
弁別回路12でデータ復調を行ない最終的にリードパル
スを得て、これを制御装置2に送る。上記計測部100
は、ディスク装置の再生出力に接続し、装置S/N測定
回路20と、媒体S/N測定回路21と、両測定回路出
力により、MRヘッドおよび再生増幅器のそれぞれの等
化雑音抵抗値を算出する等化雑音抵抗算出回路23、M
R再生感度を測定するMR再生感度測定回路24、およ
び装置S/Nと媒体S/Nの比を算出する算出回路22
を図示のように接続して構成する。なお、本発明の構成
に必要な媒体磁気特性の測定については、電気的測定回
路に含めることは困難で、図示してない例えば振動試料
型磁気測定器などを用いて予め測定しておき、それと上
記の電気的諸特性のデータと組み合わせて媒体雑音を本
発明による所要の範囲に設定することになる。また、リ
ードパルスのノイズジッタ量を計測するためにノイズジ
ッタ計測回路17を設け、弁別回路12から取り出した
リードパルス複製信号を市販のタイムインターバルアナ
ライザ18で測定するように構成した。図2はヘッド出
力波形とリードパルスの対応で、波形の上ピーク点(A
点)と下ピーク点(B点)のノイズジッタ量を分離して
測定した。通常,磁気ディスク3上の情報は”1”、”
0”の組合せパターンで記録され、一般にノイズジッタ
量が最も大きくなる場所はパターン中の低密度部であ
る。図4は低密度一定周波数(2.5MHz)で記録再
生した時の波形の上側のピーク点のノイズジッタ量、図
5は波形の下側のピーク点のノイズジッタ量のセンス電
流Is依存性である。MR高さは2.0μmから3.2
μmまで変化させたサンプルを用いた。センス電流Is
の最適値はそれぞれ12、14、16mAで、Is=1
6mAに設定した時の上下非対称性はそれぞれ、15、
8、0%であった。装置雑音に占める媒体雑音の割合は
いずれも72%である。このように媒体雑音が支配的で
あると再生波形に上下非対称があっても、波形の上のピ
ーク点のノイズジッタ量と波形の下のピーク点のノイズ
ジッタ量をほぼ等量にできる。図6はIs=16mA一
定とし、記録パターンをランダムパターンとした時の位
相マージン測定結果である。縦軸がビットエラーレート
BERで横軸は弁別窓を強制的に位相推移させた量であ
る。測定点を結んだカーブがエラーバケットカーブで、
エラーバケットカーブの幅があるBERにおける位相マ
ージンを表わす。上側ピークと下側ピークでノイズジッ
タに差があると、エラーバケットカーブが非対称になり
位相マージンが減少するが、本発明の場合は媒体雑音が
支配的でノイズジッタ量が波形の上下で等量のため、エ
ラーバケットカーブは対称となり位相マージンの低下も
ほとんどない。これに対し本発明を実施しない場合の、
低密度一定周波数(2.5MHz)での波形の上側ピー
ク点のノイズジッタ量のセンス電流Is依存性を図7、
下側ピーク点のノイズジッタ量のセンス電流Is依存性
を図8に示す。MR膜高さは2.1μmから3.0μm
まで変化させたサンプルで、MR膜厚とバイアス強化膜
厚を変えて再生感度とバイアス特性を変えてある。セン
ス電流Isの最適値はそれぞれ8、10、12mAで、
Is=10mAに設定した時の上下非対称性はそれぞ
れ、−7、0、12%であった。装置雑音に占める媒体
雑音の割合はそれぞれ51、51、45%である。図9
はIs=10mA一定とし、記録パターンをランダムパ
ターンとした時のエラーバケットカーブである。再生感
度が低いので全体に位相マージンが狭いが、特に目立つ
のはMR高さが3.0μmの時、バケットカーブの対称
性が悪く極端に位相マージンが小さいことである。これ
は装置雑音に占めるヘッドアンプ雑音の影響が大きいた
め波形の上下非対称によりノイズジッタ量が波形の上下
で異なることが原因である。複合ヘッドを大量生産する
とMR膜高さは1〜2μm程度ばらつくので、これによ
る最適センス電流のばらつきから、装置に組み込んで使
う場合には動作マージンが不足する場合が起き、問題と
なる。
発明の実施例を示すブロック図で、計測部100を備え
ることが特徴である。すなわち、図1は、本発明を実施
した5.25”磁気ディスク装置1と制御装置2と、さ
らに磁気ディスク装置1に接続して媒体S/Nと装置S
/Nを算出する計測部100を備えた接続ブロック図で
ある。制御装置2は5.25”磁気ディスク装置1の制
御の他に、動作マージンの計測も行う。磁気ディスク装
置1は位相弁別方式でサーボトラック位置決め方式、ア
クチュータ6はリニア方式である。磁気ディスク3はC
o系スパッタ媒体で磁気特性が1)残留磁化と磁性膜厚
の積=200ガウスミクロンメータ、2)周方向保磁力
=1500エルステッドで回転数は3600rpm、サ
ーボヘッド4は薄膜誘導型である。データヘッド5は薄
膜誘導型記録ヘッドとMR型再生ヘッドを複合化した複
合型ヘッドを用いた。データの記録周波数は10MHz
である。MR再生ヘッドはMR膜にFeNi材、磁区制
御膜にはCoPt硬磁性膜、バイアス膜はNb材、バイ
アス強化膜にはCo系軟磁性膜を用いた。記録ヘッドの
磁極材はCo系軟磁性膜を用い、コイル巻数は15回で
ある。記録を行う場合は制御装置2の指令により所定の
位置にデータヘッドを位置決めし、記録電流源14、記
録アンプ15を起動して、記録情報を記録電流に変換し
た後、電流混合回路13、記録再生切替回路7経由で複
合型ヘッド5の薄膜誘導型記録ヘッドに記録電流を流
し、磁気ディスク3に情報を記録する。再生の場合は制
御装置2の指令により、記録再生切替回路7を再生に選
択し複合型ヘッド5のMR再生ヘッドで再生した信号を
MR再生アンプ8、イコライザ9に送り、微分回路10
で再生波形のピーク位置を零クロスに変換した後、パル
サー11でパルス化する。更に、ショルダー効果による
擬似パルス発生をショルダー除去回路16で除いた後、
弁別回路12でデータ復調を行ない最終的にリードパル
スを得て、これを制御装置2に送る。上記計測部100
は、ディスク装置の再生出力に接続し、装置S/N測定
回路20と、媒体S/N測定回路21と、両測定回路出
力により、MRヘッドおよび再生増幅器のそれぞれの等
化雑音抵抗値を算出する等化雑音抵抗算出回路23、M
R再生感度を測定するMR再生感度測定回路24、およ
び装置S/Nと媒体S/Nの比を算出する算出回路22
を図示のように接続して構成する。なお、本発明の構成
に必要な媒体磁気特性の測定については、電気的測定回
路に含めることは困難で、図示してない例えば振動試料
型磁気測定器などを用いて予め測定しておき、それと上
記の電気的諸特性のデータと組み合わせて媒体雑音を本
発明による所要の範囲に設定することになる。また、リ
ードパルスのノイズジッタ量を計測するためにノイズジ
ッタ計測回路17を設け、弁別回路12から取り出した
リードパルス複製信号を市販のタイムインターバルアナ
ライザ18で測定するように構成した。図2はヘッド出
力波形とリードパルスの対応で、波形の上ピーク点(A
点)と下ピーク点(B点)のノイズジッタ量を分離して
測定した。通常,磁気ディスク3上の情報は”1”、”
0”の組合せパターンで記録され、一般にノイズジッタ
量が最も大きくなる場所はパターン中の低密度部であ
る。図4は低密度一定周波数(2.5MHz)で記録再
生した時の波形の上側のピーク点のノイズジッタ量、図
5は波形の下側のピーク点のノイズジッタ量のセンス電
流Is依存性である。MR高さは2.0μmから3.2
μmまで変化させたサンプルを用いた。センス電流Is
の最適値はそれぞれ12、14、16mAで、Is=1
6mAに設定した時の上下非対称性はそれぞれ、15、
8、0%であった。装置雑音に占める媒体雑音の割合は
いずれも72%である。このように媒体雑音が支配的で
あると再生波形に上下非対称があっても、波形の上のピ
ーク点のノイズジッタ量と波形の下のピーク点のノイズ
ジッタ量をほぼ等量にできる。図6はIs=16mA一
定とし、記録パターンをランダムパターンとした時の位
相マージン測定結果である。縦軸がビットエラーレート
BERで横軸は弁別窓を強制的に位相推移させた量であ
る。測定点を結んだカーブがエラーバケットカーブで、
エラーバケットカーブの幅があるBERにおける位相マ
ージンを表わす。上側ピークと下側ピークでノイズジッ
タに差があると、エラーバケットカーブが非対称になり
位相マージンが減少するが、本発明の場合は媒体雑音が
支配的でノイズジッタ量が波形の上下で等量のため、エ
ラーバケットカーブは対称となり位相マージンの低下も
ほとんどない。これに対し本発明を実施しない場合の、
低密度一定周波数(2.5MHz)での波形の上側ピー
ク点のノイズジッタ量のセンス電流Is依存性を図7、
下側ピーク点のノイズジッタ量のセンス電流Is依存性
を図8に示す。MR膜高さは2.1μmから3.0μm
まで変化させたサンプルで、MR膜厚とバイアス強化膜
厚を変えて再生感度とバイアス特性を変えてある。セン
ス電流Isの最適値はそれぞれ8、10、12mAで、
Is=10mAに設定した時の上下非対称性はそれぞ
れ、−7、0、12%であった。装置雑音に占める媒体
雑音の割合はそれぞれ51、51、45%である。図9
はIs=10mA一定とし、記録パターンをランダムパ
ターンとした時のエラーバケットカーブである。再生感
度が低いので全体に位相マージンが狭いが、特に目立つ
のはMR高さが3.0μmの時、バケットカーブの対称
性が悪く極端に位相マージンが小さいことである。これ
は装置雑音に占めるヘッドアンプ雑音の影響が大きいた
め波形の上下非対称によりノイズジッタ量が波形の上下
で異なることが原因である。複合ヘッドを大量生産する
とMR膜高さは1〜2μm程度ばらつくので、これによ
る最適センス電流のばらつきから、装置に組み込んで使
う場合には動作マージンが不足する場合が起き、問題と
なる。
【0009】図3は本発明の効果を示す図で、図3
(a)はエラーバケットの対称性の定義を示し、図3
(b)は媒体雑音が装置雑音に占める割合と図3(a)
で定義したエラーバケットの対称性の関係を示す図であ
る。本発明の実施領域は横軸で0.7以上に相当する。
この条件を満たす媒体特性、ヘッド特性、ヘッド再生回
路電気特性を図12に示す。このように本実施例によれ
ば、媒体雑音と装置雑音の比が0.7以上であればMR
膜高さが変動して再生波形に上下非対称が発生してもノ
イズジッタ量が波形の上下でほぼ等量となり、エラーバ
ケットカーブは対称になり、位相マージンの低下が抑え
られる。
(a)はエラーバケットの対称性の定義を示し、図3
(b)は媒体雑音が装置雑音に占める割合と図3(a)
で定義したエラーバケットの対称性の関係を示す図であ
る。本発明の実施領域は横軸で0.7以上に相当する。
この条件を満たす媒体特性、ヘッド特性、ヘッド再生回
路電気特性を図12に示す。このように本実施例によれ
ば、媒体雑音と装置雑音の比が0.7以上であればMR
膜高さが変動して再生波形に上下非対称が発生してもノ
イズジッタ量が波形の上下でほぼ等量となり、エラーバ
ケットカーブは対称になり、位相マージンの低下が抑え
られる。
【0010】なお、以上の実施例では、MR再生ヘッド
を用いた例を示したが、本発明はMR再生ヘッドに限定
されるものではない。上記のように磁気記録媒体とヘッ
ドと再生装置を有する磁気記録装置において、再生波形
に非対称が発生するような場合に有効である。
を用いた例を示したが、本発明はMR再生ヘッドに限定
されるものではない。上記のように磁気記録媒体とヘッ
ドと再生装置を有する磁気記録装置において、再生波形
に非対称が発生するような場合に有効である。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、MR膜高さが変動して
再生波形に上下非対称が発生してもノイズジッタ量が波
形の上下でほぼ等量となり、エラーバケットカーブは対
称になり、位相マージンの低下が抑えられる。
再生波形に上下非対称が発生してもノイズジッタ量が波
形の上下でほぼ等量となり、エラーバケットカーブは対
称になり、位相マージンの低下が抑えられる。
【図1】本発明の実施例のブロック図。
【図2】ヘッド出力波形の非対称性とジッタおよび位相
マージンとの関係を示す図。
マージンとの関係を示す図。
【図3】本発明の効果を表す図。
【図4】本発明の実施例におけるノイズジッタ量のセン
ス電流依存性を示す図。
ス電流依存性を示す図。
【図5】本発明の実施例におけるノイズジッタ量のセン
ス電流依存性を示す図。
ス電流依存性を示す図。
【図6】本発明の実施例におけるエラーバケットの測定
結果を表す図。
結果を表す図。
【図7】本発明を実施しない場合のノイズジッタ量のセ
ンス電流依存性を示す図。
ンス電流依存性を示す図。
【図8】本発明を実施しない場合のノイズジッタ量のセ
ンス電流依存性を示す図。
ンス電流依存性を示す図。
【図9】本発明を実施しない場合のエラーバケットの測
定結果を表す図。
定結果を表す図。
【図10】MR再生ヘッドにおける信号振幅のセンス電
流依存性を表す図。
流依存性を表す図。
【図11】MR再生ヘッドにおける信号振幅の上下ピー
ク点のノイズジッタ量のセンス電流依存性を表す図。
ク点のノイズジッタ量のセンス電流依存性を表す図。
【図12】本発明を実施するための条件を表す図表。
1…5.25”磁気ディスク装置 2…制
御装置 3…磁気ディスク 4…サ
ーボヘッド 5…複合型ヘッド 6…ア
クチュエータ 7…記録再生切換回路 8…M
R再生アンプ 9…イコライザ 10…微
分回路 11…パルサ 12…弁
別回路 13…電流混合回路 14…記
録電流源 15…記録アンプ 16…シ
ョルダ除去回路 17…ノイズジッタ計測回路 18…タイムインター
バルアナライザ 20…装置S/N測定回路 21…媒
体S/N測定回路 22…S/N比率算出回路 23…等
価雑音抵抗値測定回路 24…MR再生感度測定回路 100…媒体S/Nと装置S/Nを算出する計測部
御装置 3…磁気ディスク 4…サ
ーボヘッド 5…複合型ヘッド 6…ア
クチュエータ 7…記録再生切換回路 8…M
R再生アンプ 9…イコライザ 10…微
分回路 11…パルサ 12…弁
別回路 13…電流混合回路 14…記
録電流源 15…記録アンプ 16…シ
ョルダ除去回路 17…ノイズジッタ計測回路 18…タイムインター
バルアナライザ 20…装置S/N測定回路 21…媒
体S/N測定回路 22…S/N比率算出回路 23…等
価雑音抵抗値測定回路 24…MR再生感度測定回路 100…媒体S/Nと装置S/Nを算出する計測部
Claims (2)
- 【請求項1】誘導型記録ヘッドとMR再生ヘッドと磁気
記録媒体を組合せて情報の再生を行なう磁気記録装置に
おいて、媒体雑音と装置雑音の比率が0.7以上となる
ように媒体磁気特性、MR再生感度およびMRヘッド等
価雑音抵抗値、再生増幅器等価雑音抵抗値を組み合わせ
たことを特徴とする磁気記録装置。 - 【請求項2】誘導型記録ヘッドとMR再生ヘッドを複合
化した複合型ヘッドと磁気記録媒体を組合せて情報の記
録再生を行なう磁気記録装置において、媒体雑音と装置
雑音の比率が0.7以上となるように媒体磁気特性、M
R再生感度およびMRヘッド等価雑音抵抗値、再生増幅
器等価雑音抵抗値を組み合わせたことを特徴とする磁気
記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4096193A JPH06251304A (ja) | 1993-03-02 | 1993-03-02 | 磁気記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4096193A JPH06251304A (ja) | 1993-03-02 | 1993-03-02 | 磁気記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06251304A true JPH06251304A (ja) | 1994-09-09 |
Family
ID=12595085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4096193A Pending JPH06251304A (ja) | 1993-03-02 | 1993-03-02 | 磁気記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06251304A (ja) |
-
1993
- 1993-03-02 JP JP4096193A patent/JPH06251304A/ja active Pending
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