JPH0624943Y2 - 自動販売機の水平コンベア式商品搬送棚 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動販売機の水平コンベア式商品搬送棚、特に
その棚板の取付け構造に関する。

〔従来の技術〕

商品を横一列に並べて搭載し、販売指令により商品を水
平移動して棚の終端より商品取出口へ向けて１個宛の商
品を搬出するようにした自動販売機の水平コンベア式商
品搬送棚として、所定間隔を置いてスプロケット間に平
行に一対のエンドレスチェーンを張架し、かつ各チェー
ンのチェーンブロック毎に内方に向けてピンを突設する
とともに、前記一対のチェーンの間にまたがり、かつ各
セグメント毎にチェーン側のピンに係合してチェーンの
周域に沿い多数枚の棚板セグメントを架設配列した構造
のものが従来より公知である。（実開昭６０−１１６５
８５号） 次に上記した水平コンベア式商品搬送棚の概要を第２図
に示す。図において１は前後に並ぶ棚側板、２は棚側板
１の間でその左右両端部に軸支して設けたスプロケッ
ト、３，４は側板１の内方に沿って前記した左右のスプ
ロケット２の間に平行して張架された前後一対のエンド
レスチェーン、５はエンドレスチェーン３と４との間に
またがり、チェーンの周域に架設配列された多数枚の棚
板セグメント５１からなる棚板、６は前記チェーン機構
の駆動モータ、７は前記棚板５の上面に横一列に並べて
搭載された商品である。また前記の棚板セグメント５１
の板面にはその長手方向に沿い、商品搬出動作に伴う商
品７のスリップを防止するためにリブ状突起５２が形成
されている。

かかる構成で販売指令により駆動モータ６が始動すると
スプロケット２を介して前後一対のチェーン３，４から
成るチェーン機構とともに棚板５が図示の矢印の方向に
駆動され、これにより棚板５上に搭載された商品７は棚
板５とともに水平移動し、その最前列に並ぶ商品が棚板
５の先端から図示されていない商品取出口へ向けて落下
搬出される。

一方、かかる構成で前記した棚板５を構成する各棚板セ
グメント５１は、各種サイズの商品を安定よく棚板５に
搭載支持できるように、サイズの異なる商品に対応して
棚板セグメント相互間のピッチを組立状態のまま調整で
きるようにチェーン３，４に対して多少の範囲で商品の
配列方向に可動できるようにルーズに架設支持されてい
る。このための手段として第３図，第４図に示すごと
く、エンドレスチェーン３，４を構成している各チェー
ンブロック３１，４１毎にその内方に向けて向かい合わ
せにピン３２，４２を突設するとともに、一方では棚板
セグメント５１の両端裏面側に設けた連結片５３の板面
に前記のピン３２，４２の配列ピッチに対応してピン３
２，４２の直径の数倍の長さの２条のピン係合溝５４を
形成し、組立状態でこのピン係合溝５４にチェーン側の
ピン３２，４２を係合させて各棚板セグメント５１をチ
ェーン３と４との間にまたがって架設するようにしてい
る。なお第４図に示すようにスプロケット２は棚側板１
の間に軸支された軸２１の軸上に嵌め込んだ上で止めピ
ン２２により軸上に固定されている。

かかる棚板セグメントの取付け構造により、各棚板セグ
メント５１はチェーン３，４に突設したピン３２，４２
に対して組立状態のままピン係合溝５４の範囲内で矢印
Ｑ方向に取付け位置をずらすことが可能となり、これに
より棚板５に搭載された各種サイズの商品７を安定よく
支持させるようにその商品のサイズに合わせて棚板セグ
メント５１の配列ピッチを可動的に調整できることにな
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかして上記した棚板セグメントの取付け構造では次記
のような問題点が残る。すなわち棚を組立る際には、第
３図に示すように棚板セグメント５１に対してエンドレ
スチェーン３のピン３２を矢印Ａで示すように側方から
ピン係合溝５４へ挿入する必要がある。しかもこの場合
の組立操作として、チェーン周域に並ぶ多数枚の各棚板
セグメント５１に対し、同時にチェーン側の各ピン３２
を挿入する必要があり、このために場合によっては各棚
板セグメント５１を所定の位置に保持するための特別な
専用治具が必要となる。またコンベア式搬送棚の組立後
に例えば１個の棚板セグメント５１を交換する必要が生
じた場合でも、搬送棚の組立状態のままではピンとピン
係合溝との係合を外して棚板セグメント５１を単独に抜
き取ることができず、スプロケット２とともに少なくと
も片側のチェーンを側方に移動する分解操作が必要とな
る。しかもこの分解操作により交換を必要としない棚板
セグメントも同時に脱落してしまうおそれがある等、そ
の組立性，サービス性に難点がある。

この考案は上記の点にかんがみなされたものであり、前
記した従来の棚板取付け構造の難点を解消し、当該コン
ベア式搬送棚の組立時、あるいは組立後に行う一部の棚
板セグメント交換時にチェーン機構等を分解することな
しに棚板セグメントの取付け，交換が容易に行えるよう
に構成した自動販売機の水平コンベア式商品搬送棚，特
にその棚板の取付け構造を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この考案は所定間隔を置い
てスプロケット間に平行張架された一対のエンドレスチ
ェーンからなるモータ駆動式チェーン機構に対し、その
各チェーンブロックより内方に向けてピンを突設すると
ともに、前記一対のチェーンの間にまたがり個々に前記
ピンへ係合させてチェーンの周域に棚板のセグメントを
架設配列してなる水平コンベア式商品搬送棚において、
前記チェーン側の２本のピンに対向して各棚板セグメン
トの両端裏面側に設けた連結片にチェーン側のピンが挿
入される該ピンの直径よりも長さが十分長い横長のピン
係合溝を２条形成するとともに、該２条のピン係合溝毎
にそれぞれピン係合溝の略中心位置においてピン係合溝
と直角の向きで連結片の下縁との間に前記チェーン側の
ピンの直径よりも僅かに小さい幅の切欠溝を形成し、該
切欠溝を通し前記連結片の下縁側より前記ピン係合溝へ
チェーン側のピンを挿入して各棚板セグメントをチェー
ン機構へ着脱可能に係合架設するものである。

〔作用〕

搬送棚の組立の際には先にチェーン機構を所定位置に組
み立てた状態で棚板セグメントを１枚ずつチェーンにま
たがってチェーン側のピンにはめ込み係合させることが
でき、また組立後の状態で棚板セグメントを部分的に交
換する場合にも、チェーン機構を分解することなく棚板
セグメントを１枚ずつ単独に簡単に取り外して新品をは
め込み装着できる等、棚板セグメントを単独でチェーン
機構に着脱操作できるようになる。

〔実施例〕

第１図はこの考案の実施例を示すものであり、第３図に
対応する同一部材には同じ符号が付してある。すなわち
この考案においては、チェーン３，４より突設したピン
３２に対向して棚板セグメント５１の左右両端側に設け
た連結片５３に形成された横長のピン係合溝５４に対
し、連結片５３の一部を切欠してピン係合溝５４を連結
片５３の下縁側に解放させるように切欠溝５５が形成さ
れている。

前記横長のピン係合溝５４がピン３２の直径よりも十分
大きい数倍の長さに形成されているのに対し、前記切欠
溝５５はピン３２の直径よりも僅かに小さい寸法の幅で
かつピン係合溝５４の略中心から直角の向きに形成され
ている。

かかる構造により、搬送棚を組み立てる際には、まず第
２図において棚側板１にスプロケット２およびチェーン
３，４を所定位置に組み込んだ状態で、棚板セグメント
５１の連結片５３をその下縁側に解放する切欠溝５５を
チェーン側のピン３２へ当がって第１図に示す矢印の方
向に押し込むことにより、切欠溝５５がその弾性により
僅かに押し拡げられピン３２が簡単にピン係合溝５４内
に嵌り込むようになる。また棚板セグメント５１の反対
側に設けた連結片に付いても同様な操作でチェーン側の
ピンに嵌合される。したがって棚板の組立時には棚板セ
グメント５１を１枚ずつ順に第２図に示したチェーン３
と４との間にまたがって装着でき、これにより特別な治
具の必要なしに棚板を容易に組み立てることができる。
また搬送棚組立後の状態で１個の棚板セグメントを交換
する場合にも、チェーン機構を分解することなく前記し
た切欠溝５５に沿って棚板セグメント５１とチェーン機
構側のピン結合を簡単に外して新しい棚板セグメントと
の交換が可能である。

〔考案の効果〕

以上述べたようにこの考案によれば、所定間隔を置いて
スプロケット間に平行張架された一対のエンドレスチェ
ーンからなるモータ駆動式チェーン機構に対し、その各
チェーンブロックより内方に向けてピンを突設するとと
もに、前記一対のチェーンの間にまたがり個々に前記ピ
ンへ係合させてチェーンの周域に棚板のセグメントを架
設配列してなる自動販売機の水平コンベア式商品搬送棚
において、前記チェーン側の２本のピンに対向して各棚
板セグメントの両端裏面側に設けた連結片にチェーン側
のピンが挿入される該ピンの直径よりも長さが十分長い
横長のピン係合溝を２条形成するとともに、該２条のピ
ン係合溝毎にそれぞれピン係合溝の略中心位置において
ピン係合溝と直角の向きで連結片の下縁との間に前記チ
ェーン側のピンの直径よりも僅かに小さい幅の切欠溝を
形成し、該切欠溝を通し前記連結片の下縁側より前記ピ
ン係合溝へチェーン側のピンを挿入して各棚板セグメン
トをチェーンへ着脱可能に係合架設したことにより、チ
ェーン機構が組立状態のまま棚板セグメントを個々にチ
ェーン側のピンへ挿入して係合架設すること，あるいは
組立状態からチェーン機構を分解することなく１枚の棚
板セグメントを取り外すことが可能である等、その組立
性，サービス性の改善を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例による要部構造の分解斜視
図、第２図は商品搬送棚の概要を示す外形斜視図、第３
図は第１図に対応した従来における棚板セグメントの取
付け構造の分解斜視図、第４図はその断面図である。各
図において、 ２…スプロケット、３，４…エンドレスチェーン、３
１，４１…チェーンブロック、３２，４２…ピン、５…
棚板、５１…棚板セグメント、５３…連結片、５４…ピ
ン係合溝、５５…切欠溝、６…駆動モータ、７…商品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】商品を横一列に並べて搭載し、販売指令に
   より商品を水平移動させてその終端より商品取出口へ向
   けて搬出させる自動販売機の水平コンベア式商品搬送棚
   であり、所定間隔を置いてスプロケット間に平行張架さ
   れた一対のエンドレスチェーンからなるモータ駆動式の
   チェーン機構に対し、その各チェーンブロックより内方
   に向けてピンを突設するとともに、前記一対のチェーン
   の間にまたがり個々に前記ピンへ係合させてチェーンの
   周域に棚板のセグメントを架設配列してなるものにおい
   て、前記チェーン側の２本のピンに対向して各棚板セグ
   メントの両端裏面側に設けた連結片にチェーン側のピン
   が挿入される該ピンの直径よりも長さが十分長い横長の
   ピン係合溝を２条形成するとともに、該２条のピン係合
   溝毎にそれぞれピン係合溝の略中心位置においてピン係
   合溝と直角の向きで連結片の下縁との間に前記チェーン
   側のピンの直径よりも僅かに小さい幅の切欠溝を形成
   し、該切欠溝を通し前記連結片の下縁側より前記ピン係
   合溝へチェーン側のピンを挿入して各棚板セグメントを
   チェーンへ着脱可能に係合架設したことを特徴とする自
   動販売機の水平コンベア式商品搬送棚。