JPH0624771B2 - 接着剤のキュア方法 - Google Patents

接着剤のキュア方法

Info

Publication number
JPH0624771B2
JPH0624771B2 JP18662190A JP18662190A JPH0624771B2 JP H0624771 B2 JPH0624771 B2 JP H0624771B2 JP 18662190 A JP18662190 A JP 18662190A JP 18662190 A JP18662190 A JP 18662190A JP H0624771 B2 JPH0624771 B2 JP H0624771B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
curing
temperature
adhesive
laminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP18662190A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04126223A (ja
Inventor
秀夫 倉島
春美 佐藤
一久 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP18662190A priority Critical patent/JPH0624771B2/ja
Priority to EP19910302237 priority patent/EP0471430A3/en
Publication of JPH04126223A publication Critical patent/JPH04126223A/ja
Publication of JPH0624771B2 publication Critical patent/JPH0624771B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Control Of Resistance Heating (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,レトルトパウチ等の原反として用いられる,
金属箔層とプラスチックフィルム層よりなる積層体の接
着剤を,コイル状においてキュアする方法に関する。
(従来の技術) レトルトパウチの原反となる積層体,例えばRP−F
(登録商標,東洋製罐(株))は,飽和ポリエステル−
金属箔(通常はアルミニウム箔)−ポリオレフィンフィ
ルムの3層構造,もしくは飽和ポリエステル−ナイロン
−金属箔−ポリオレフィンフィルムの4層構造になって
おり,各層はイソシアネート系接着剤で接着されてい
る。
このタイプの積層体の積層は,所謂ドライラミネーショ
ン法によって行われ,約20〜30℃でコイル状に巻取られ
た積層体は,接着剤の耐熱接着性を向上させるため,従
来約50℃の大型の(例えば内容積約1600m3の)恒温室内
に4〜7日間収容されていた(例えば特開昭52−81
391号公報)。ドライラミネーション装置の乾燥オー
ブン(第2図の11参照)で高温になった積層体を高温
のまま巻取ると,コイルにしわが発生するので,通常積
層体は約25〜30℃に冷却された状態でコイルに巻取られ
る。
恒温室内に収容された後,熱伝導によりコイル温度は上
昇するのであるが,コイルが比較的大きい(例えば外径
約60〜100cm,内径約20cm,幅約100cm)場合は,最遅温
度上昇部位(通常はコイルの幅方向および厚さ方向ほぼ
中央の位置)がキュア温度である50℃に達するのに約2
日を要する。イソシアネート系接着剤の50℃における最
小必要キュア時間は約3日であるので,この場合恒温室
内での収容日数は5日となる。
このような長期間の恒温室内への収納は,生産性を低下
し,また積層体の生産量が多く,キュアされるべきコイ
ルが多数の場合は,前述のような大きな恒温室を必要と
するという問題を生ずる。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,各層間がイソシアネート系接着剤のような反
応硬化タイプ接着剤により接着された,金属箔層および
プラスチックフィルム層よりなる積層体コイルの,接着
剤のキュア温度に達するための時間,および/またはキ
ュア時間,および/またはキュア後の冷却時間を短縮し
て,全体としてのキュアに要する時間を短縮し,生産性
が向上し,かつキュア用の恒温室を不必要,もしくは小
型化することが可能な,積層体コイルの接着剤のキュア
方法を提供することを目的とする。
本明細書において反応硬化タイプ接着剤とは,化学反応
により硬化(すなわちキュア)するタイプの接着剤をい
い,エポキシ系,イソシアネート系,ウレタン系等の接
着剤およびこれらの混合系接着剤等が例示される。硬化
(キュア)速度は加熱により促進される。
(課題を解決するための手段) 本発明の目的は,少なくとも積層体コイルがほぼキュア
温度に達するまで,コイルの外端および内端間において
金属箔層に通電して,金属箔層を抵抗加熱することによ
って達せられる。
なお本明細書において,コイルの外端とはコイルの外端
近傍部を含めて称し,コイルの内端とはコイルの内端近
傍部を含めて称する。
少なくともキュア期間,すなわち少なくとも積層体コイ
ルをキュア温度に保つ期間,コイルの外周面近傍部,側
面近傍部および/または内周面近傍部を外部加熱するこ
とが好ましい。
キュア終了後は,コイルを強制冷却することが好まし
い。
この場合の強制冷却は,コイルを巻戻しながら,巻戻し
部分を冷却ロールに接触させて行うことが好ましい。
通電電流が直流電流であることが好ましい。通電電流が
交流電流の場合は,コイルの厚み方向ほぼ中央部の両側
を流れる電流の位相が180度ずれるようにして通電する
ことが好ましい。
抵抗加熱の制御は,コイルの外端および内端間の電気抵
抗に基づいて行うことが好ましい。
内周面近傍部の外部加熱は,積層体コイルの巻き取りコ
アとして,金属パイプ,もしくは金属シートまたは金属
網で被覆されたパイプを用い,上記金属パイプ,もしく
は金属シートまたは金属網で電気誘導加熱して行うこと
が好ましい。
(作用) 少なくともコイルがほぼキュア温度に達するまで,コイ
ルの外端および内端間において金属箔層に通電して金属
箔層を抵抗加熱する,すなわち内部加熱すると,キュア
温度,例えば50℃に,約30〜90分で達することができ
る。従ってキュア温度に達するまでの時間が大幅に短縮
されて,全体としてのキュアに要する時間が短縮され
る。従ってキュア温度に達したコイルを恒温室に入れて
キュアする場合は,恒温室を小型化することができる。
コイルの外周面近傍部,内周面近傍部および側面近傍部
は放熱のため,抵抗加熱による恒温時に温度上昇が遅
く,またキュア期間は温度が下がって,キュア不足にな
り易い。しかし少なくともキュア期間,コイルの外周面
近傍部,側面近傍部および/または内周面近傍部を外部
加熱することによって,コイル全体を実質的に均一な温
度でキュアすることが可能となる。外部加熱の手段とし
て,恒温室の他に,後述の可撓性面状発熱体等を用いる
ことができる。従って恒温室を用いることなくキュアを
行うことも可能である。
このように恒温室を用いない場合は,キュア温度を例え
ば80℃もしくは100℃にすることも可能であり(人が80
℃もしくは100℃に保持された恒温室内に入った運搬等
の作業することは事実上不可能である),この場合は正
味のキュア温度を大幅に減少することができる。すなわ
ち50℃の場合の最小必要キュア時間が3日の場合,80℃
の場合はこの時間が1日でよい。
接着剤のキュア終了後,コイルを強制冷却することによ
って,全体としてのキュア時間をさらに短縮することが
できる。この場合強制冷却を,コイルを巻戻しながら,
巻戻し部分を冷却ロールに接触させて行うと,冷却時間
は巻戻し時間と等しくなるので,冷却時間が大幅に短縮
される。
直流電流を通電する場合は,無効電力の供給が必要でな
く,電力効率が改善される。
交流電流を,コイルの厚み方向ほぼ中央部の両側を流れ
る電流の位相が180度ずれるようにして通電すると,中
央部の外側と内側を流れる電流にもとづく磁束の方向が
互いに反対になるので,各磁束が打ち消しあって,力率
が改善され,電力効率が向上する。
コイルの外端および内端間の電気抵抗は,コイルの金属
箔層の温度の関数である。従って上記電気抵抗に基づい
て,熱センサを用いることなく抵抗加熱の制御を行うこ
とができる。
コイルの内周面近傍部を電気誘導加熱によって外部加熱
することにより,内周面近傍部を効率よく,均一にかつ
容易にキュア温度に加熱,保持することができる。
(実施例) 第1図において,1は積層体コイルであり,コイル1を
形成する積層体は,アルミニウム箔の各面にそれぞれポ
リエチレンテレフタレートフィルムおよびポリプロピレ
ンフィルムを,イソシアネート系接着剤を介してドライ
ラミネート法により接着してなる3層構造のものであ
る。コイル1は後述の具体例2に示すように,4層構造
のものであってもよい。巻取り直後のコイル温度は約25
〜30℃である。2は積層体の巻き取りコアであって,通
常は紙製,すなわち紙管(紙の厚さは約20mm)である。
3および4はそれぞれコイル1の外端側および内端側に
挟み込まれた通電用タブであって,好ましくは片面に感
圧接着剤層を有する良導電製金属箔,例えば厚さ約10〜
200μmのアルミニウム箔よりなっている。
このタブ3,4の挟み込みは,好ましくは第2図に示す
ようにして行われる。第2図はドライラミネーション装
置の要部を示したものであって,5はポリエチレンテレ
フタレートのウエブ,6は第1の乾燥オーブン,7はア
ルミニウム箔のウエブ,8は第1のラミネートロール,
9は第1の冷却ロール,10は接着剤塗布装置,11は
第2の乾燥オーブン,12はポリプロピレンのウエブ,
13は第2のラミネートロール,14は第2の冷却ロー
ルである。
第1の乾燥オーブン6を出たポリエチレンテレフタレー
トウエブ5の上面には,端縁部の幅約10mmを残して,塗
布乾燥されたイソシアネート系接着剤の膜が形成されて
いる。ウエブ5とアルミニウム箔ウエブ7はラミネート
ロール8によってラミネートされた後,接着剤塗布装置
10によってアルミニウム箔ウエブ7側の面に,端縁部
の幅約5mmを残して,接着剤を塗布され,接着剤は第2
の乾燥オーブン11によって乾燥される。
次にアルミニウム箔ウエブ7の面に,第2のラミネート
ロールによってポリプロピレンウエブ12がラミネート
されて積層体ウエブ15が形成され,積層体ウエブ15
は巻き取りコア2に巻き取られてコイル1となる。
巻き取り始めと,巻き終りに(図では途中になっている
が),第1のラミネートロール8の上流側において,そ
れぞれタブ3および4の感圧性接着剤層側の面をウエブ
5の端縁部に押しつけてタブ3,4をウエブ5に,ウエ
ブ5の側縁から約10〜50mmほど出っ張るようにして接着
させることにより,タブ3,4をコイル1に挟み込むこ
とができる。第2図にさらに示すように,ウエブ5の代
わりに,ポリプロピレンウエブ12に上記と同様にし
て,タブ3および4を接着さてもよい。この場合,タブ
3,4はアルミニウム箔ウエブ7の端縁部約5mm幅に導
電可能に接触することになるが,電流供給には問題な
い。
第1図に戻って,16は制御装置付直流電源,17は整
流器,例えばサイリスタ,18は交流電源である。直流
電源16に接続する導電線19および20の両先端には
それぞれクリップ(図示されない)が着設されており,
このクリップでタブ3および4を挟むことにより,直流
電源16,導線19,コイル1内のアルミニウム箔7お
よび導線20を通る閉回路が形成される。
コイル1の寸法,積層体の各層の厚さ等の諸因子の変化
に応じて,予め実験によって定められた電圧で直流電流
を通電用タブ3,4を介して,コイル1内のアルミニウ
ム箔層に通電してアルミニウム箔層を抵抗加熱すること
により,コイル1内部の温度を約30〜90分でほぼキュア
温度,例えば約50℃まで昇温することができる。
この場合,コイル1の外周面近傍部および内周面近傍
部,ならびに側面近傍部の昇温は放熱のため遅れる。し
かし上記のようにして,ほぼキュア温度に達するまで抵
抗加熱した後,コイル1を恒温室(例えば50℃に保温さ
れた)に入れる場合は,前記昇温の遅れた部分は,恒温
室内の空気による熱伝達を受け易い部分であり,しかも
コイル内部からの熱伝導により比較的に急速にキュア温
度に達する。従って全体としてのキュアに要する時間は
大幅に(ほぼ2日ほど)短縮される。
なお昇温期間,恒温室内で抵抗加熱を行ってもよく,ま
たキュア期間,恒温室内で抵抗加熱の併用を行ってもよ
い。
抵抗加熱により内部温度がキュア温度に達したコイル1
を,恒温室に収容することなく,電源16の電圧を下げ
て保温用の比較的小さな電力で抵抗加熱を続けて接着剤
のキュアを行なってもよい。この場合は,コイル外周面
近傍部および内周面近傍部ならびに側面近傍部の昇温の
遅れを防ぐため,またキュア期間中放熱によるこれら部
分の冷却を防ぐため,恒温室を用いない外部加熱(以下
直接外部加熱とよぶ)を行なって,昇熱期間および/ま
たはキュア期間中,コイル1の外周面近傍部および内周
面近傍部ならびに側面近傍部をほぼキュア温度に保持す
ることが好ましい。
キュア期間中,直接外部加熱のみを行なって,抵抗加熱
を行わなくてもよい。この場合も昇熱期間に直接外部加
熱を併用することが好ましい。
外周面近傍部および側面近傍部の直接外部加熱法として
は,例えば抵抗発熱体が埋め込まれて内面温度がほぼキ
ュア温度,もしくはそれより若干高い温度(例えば約20
℃高い)に保持された可撓性面状発熱体(図示されな
い)でコイル1全体を蔽う手段が好ましく用いられる。
あるいはコイル1をボックス(第3図の30参照)に入
れ,ボックス内に温風を送るか,またはボックスに発熱
体を埋め込む等して,ボックス内の空間温度を上記温度
に保つ方法等が採用される。
内周面近傍部の直接外部加熱法としては、紙管製巻き取
りコア2に抵抗発熱体を埋め込んで,その外周面温度を
ほぼキュア温度に保持する方法,あるいは紙管製コア2
の外周面を金属シートまたは金属網(好ましくは0.1〜
0.2mmφの不銹鋼ワイヤよりなる約♯100メッシュの網)
で被覆するか,あるいは金属パイプ製のコアを2を用
い,コア2内に設けられた高周波誘導加熱コイルによ
り,あるいはコイル1に交流電流を流して,上記金属シ
ート,または網もしくは金属パイプ誘導加熱して,これ
ら金属シートなどをほぼキュア温度に加熱,保持する手
段等が好ましく用いられる。
これらの場合,コイル1の外周面近傍部,内部および内
周面近傍部,ならびに側面近傍部に熱センサを挿入し
て,各部の温度がキュア温度に保持されるように,可撓
性面状発熱体の電流,電源16からの通電電流および巻
き取りコア2の抵抗発熱体または高周波誘導加熱コイル
の電流等を制御することが望ましい。外周面近傍部およ
び側面近傍部の温度は設定キュア温度より若干高くても
よいし,低くてもよい。
直接外部加熱を行う場合,コイル1の外周面近傍部のみ
に熱センサを設け,以上のような電流制御を実験的に行
って得られたデータに基づいてコイル全体の温度が設定
キュア温度に保持されるように,コイル1の外周面,側
面および内周面の加熱条件,さらに抵抗加熱条件を制御
することが実用上好ましい。
次に直接外部加熱を行う場合の,より好ましい抵抗加熱
の制御方法の例について述べる。
第3図において,30は発熱体(図示されない)が内蔵
された保温ボックスであって,電源31(例えば商用周
波数交流電源)によって加熱される。33は比較器であ
って,コイル1の外周面温度Toを測定する温度センサ
32の出力信号43,および後記の金属箔層の平均温度
Tに基づく信号37が入力する。比較器33はTo<T
の間,信号44を電源31に内蔵されたPID式制御装
置(図示されない)に出力して,電源31をONにす
る。上記制御装置は,コイル1の外周面近傍部および側
面近傍部の温度が実質的に温度Tに等しくなるように電
源31の出力電流を制御するように構成されている。
34は演算器であって,電源16より通電用タブ3,4
を通ってコイル1の金属箔層を流れる電流の,電流値信
号35および電圧値信号36が入力する。演算器34は
次の演算を行い,金属の比抵抗は温度の関数であるとい
う原理に基づいて,抵抗加熱による金属箔層の平均温度
(T;℃)を算出する。
R=V/I …(1) ここにRはタブ3と4間の金属箔層の電気抵抗 Vはタブ3と4間の電圧(ボルト) Iは金属箔層を流れる電流(アンペア) ρ=R×t×w/ …(2) ここにρは金属箔の比抵抗(Ω・m) tは金属箔層の厚さ(m) wは金属箔層の幅(m) は金属箔層のタブ3,4間の長さ(m) T=f(ρ) …(3) ここにfはρとTの関係を示す関数である。
演算器34より,電圧値に換算された温度Tの信号37
が比較器38の第1の端子に入力する。一方電圧値に換
算された設定キュア温度Tcの信号39が比較器38の
第2の端子に入力する。比較器38は温度TとTcを比
較し、T<Tcの間,信号39を電源16に内蔵された
PID式制御装置に出力する。このようにしてコイル1
の内部(例えば第1図のb点,c点に対応する位置,具
体例1参照)に熱電対を挿入(挿入することは実際的で
ない)しなくても,コイル内部の温度を設定キュア温度
に制御することができる。
なおコイル1の熱容量および設定昇温時間ならびにキュ
ア温度Tcから必要電力(kw)を計算し,この電力に
基づいて,アルミニウム箔層の全長および幅,厚さから
それぞれ,供給する電圧および電流を決定し,T=Tc
になったら電源16を切ってもよい。この場合はPID
制御を必要としない。
40は,巻き取りコア2に設けられた金属網などの発熱
体(図示されない)を加熱するための電源(高周波発信
器等の)である。42は比較器であって,コイル1の内
周面温度Tiを測定する温度センサ41の出力信号4
5,および前記の金属箔層の平均温度Tに基づく信号3
7が入力する。比較器42は,TiがTより小さい(Ti
<T)間,信号46を電源40に内蔵されたPID式制
御装置(図示されない)に出力して,電源40をONに
する。上記制御装置は,コイル1の内周面近傍部の温度
が実質的に温度Tに等しくなるように,電源40の出力
電流を制御するように構成されている。
このようにコイル1の外周面近傍部,側面近傍部,内周
面近傍部および内部を制御しながら,加熱および保温を
行うことによって,後記の具体例2に記載されるよう
に,コイル1全体を実質的に均一にキュア温度まで昇温
させ,かつキュア温度に保持することができる。
温度上昇により長さが延びるタイプの積層体(例えば後
記の具体例1に示す3層構造積層体)の場合,キュア終
了後,これらの電流を一斉に切って,面状発熱体または
保温ボックスを外すと,コイル1の外周面から冷却が始
まり,そのため全体が室温に冷却した後には,コイル1
が強く巻き締まって軸方向のしわが発生しやすい。
これを防止するためには,キュア期間中コイルの内周面
近傍部の温度を設定キュア温度より僅かに低く保ち,か
つコイル1の内周面側から外周面側に向かって徐々に冷
却させることが好ましい。そのためには先ず巻き取りコ
ア2の抵抗発熱体または高周波誘導加熱コイル等の電流
を切り,暫くして後電源16を切り,最後に保温ボック
スの発熱体の電流を切るか,保温ボックスを外すことが
望ましい。
温度上昇により長さが縮むタイプの積層体(例えば後記
の具体例2に示す4層構造積層体)の場合には,上記の
しわの問題は起こり難いので,上記のような作業上の配
慮は必要としない。なお上記4層構造積層体の場合,温
度上昇により長さが縮むのは,積層体形成のさい延伸さ
れたナイロンの加熱収縮が大きいためである。
コイル1をコイル状のまま自然冷却することは長時間を
要するため,コイルの外周面,側面に冷風を吹き付け,
またコア2内を通って冷風を通過させるか,あるいは第
4図に示すように,コイルを巻き戻しながら冷却ロール
に接触させるなどして,コイルを強制冷却することが望
ましい。
第4図において,51,52は冷却ロールであって,い
づれも外筒51a,52a(例えば表面クロムメッキさ
れた銅パイプよりなる),および冷却水53(例えば10
℃の)が貫流する内孔51b,52bを備えている。積
層体ウエブ15は,冷却ロール51,52にS字状に巻
き付けられて,冷却ロール51,52との接触面積をで
きるたけ大きくするようにして巻き戻される。
このようにして例えば100℃でキュアされたコア1(第
4図では図示されない)から,積層体ウエブ15は矢印
方向に高速で巻き戻される間に,冷却ロール51,52
によって急速に例えば30℃に冷却された後,再び巻き取
り装置(図示されない)によってコイルに巻き取られ
る。なお冷却ロールの数は1個または3個以上であって
もよい。
コイルの内周面加熱を高周波誘導加熱によって行なう場
合,コイルに高周波電圧が誘導されて危険なので,抵抗
加熱されている時のみ高周波誘導加熱をおこなうことが
好ましい。このようにするとコイルの内端と外端が高周
波的に短絡されて誘導電圧が小さくなるからである。
コイル1に交流電流を通電する場合,コイルの外端から
内端まで直接通電する(すなわち第1図の態様で)と,
インダクタンスに基づく無効電力の供給に伴い電力損失
が増加し,電源電圧の上昇に伴う危険が生ずる。従って
交流を通電する場合は,第5図に示すように,通電用タ
ブ3,4の他に,コイルの厚み方向の中央位置に通電用
タブ21を挿入し,交流電源22(制御装置付きの)と
各タブ3,4および21を接続することが好ましい。
このようにすることにより,タブ3と21間のアルミニ
ウム箔の部分を流れる電流と,タブ4と21間のアルミ
ニウム箔の部分を流れる電流の位相が180度ずれるた
め,各箔の部分を流れる電流に基づく磁束が互いに打ち
消し合うので,無効電力が減少する。
次に具体例について述べる。
具体例1 厚さ7μmのアルミニウム箔の片面に厚さ12μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム,他面に厚さ70μmの
ポリプロピレンフィルムを,イソシアネート系接着剤に
よって接着した積層体よりなるコイル1をドライラミネ
ート法によって作製した。コイル1の幅は64cm,外径は
60cm,内径は20cm,積層体の全長は3000mであった。
コイルに巻き取るさい第1図に示すように,コイルの最
外端および最内端の各々から長さ約40mの位置に,それ
ぞれ通電用タブ3および4を挿入し,またいづれも先端
がコイル幅方向中央に位置するように,巻き取りコア2
の表面(第1図のa′点に対応するaの位置),コイル
の積層体内端から1000mの位置(第1図のb′点に対応
するbの位置,a′点とb′点間の半径方向距離は9.5c
m)および上記内端から2500mの位置(第1図のc′点に
対応するcの位置,a′点とc′点間の半径方向距離は
19cm)に熱電対を挿入した。
巻き取りコア2の両端を支持具(図示されない)で支持
してコイル1を懸下した状態で,第1図の電源16の制
御装置のスイッチをONして,200Vで11Aの直流電流
をタブ3と4の間に通電して,コイル1の抵抗加熱を行
い,90分間通電後電流を切った。その間の各部の,すな
わち位置a,b,cおよびdの温度変化を,それぞれ第
6図のa,b,cおよびd曲線に示す。なおコイル幅方
向中央の表面部(第1図のd点)の温度は輻射温度計に
よって測定した。第6図に示すように,コイル1の厚さ
方向および幅方向のほぼ中央の,最遅温度上昇部が約70
分で50℃に達することが分かる。
そこで同様のコイル1(熱電対の挿入を行わない)を前
記と同一条件で70分間抵抗加熱した後,直ちに50℃の恒
温室に3日間収容して接着剤のキュアを行った。キュア
終了後コイル1を恒温室より取出し自然放冷した。冷却
後のコイルの外端,中央部および内端に当る積層体部分
よりサンプルを切り出して,剥離接着強度(剥離速度30
0mm/分)を試験したが,いづれも正常値であった。
具体例2 厚さ7μmのアルミニウム箔の片面に,外側より厚さ12
μmのポリエチレンテレフタレートフィルムおよび厚さ
15μmのナイロンフィルム,他面に厚さ50μmのポリプ
ロピレンフィルムを,イソシアネート系接着剤によって
接着した4層構造の積層体よりなるコイル1をドライラ
ミネート法によって作製した。コイル1の幅は104cm,
外径は60cm,内径は20cm,積層体の全長は3500mであっ
た。
コイルに巻き取るさい第1図に示す方法に準じて,コイ
ルの最外端および最内端の各々から長さ約10mの位置
に,それぞれ通電用タブ3および4を挿入した。第3図
に示すように,先端がコイル幅方向中央に位置するよう
に,巻き取りコア2の外面上に磁気シールドされた熱電
対41を挿入し,またコイル外周面上に熱電対32を固
定した。
紙管製コア2の内部に誘導加熱コイルを挿入し,コア外
面を0.1mmΦの不銹鋼線よりなる♯100メッシュの金属網
で巻いた。保温ボックス30として抵抗発熱体が内蔵さ
れ,エア撹拌機付きで,後記の支持具が内設され,かつ
上蓋が蝶着されたものを用いた。電源16として直流電
源,電源31として50Hz,200Vの交流電源を用いた。電
源40として30KHz,2Kwの高周波発振器を用い,上記加
熱コイルに接続した。
巻き取りコア2の両端を支持具(図示されない)で支持
して,コイル1を懸下した状態で,第3図に示すように
保温ボックス30に装入した。
なおコイル内の温度分布を測定するため,巻き取りのさ
い,先端がコイル幅方向中央に位置するように,かつそ
れぞれコイル最内端から1000m,2000m,および3000mの長
さの所に位置するように熱電対を挿入した。
キュア温度Tcを100℃,キュア時間を15hrに設定して,
第3図に示す制御方式でコイル1のキュアを行った。第
7図に示すように,コイル全体にわたって実質的に均一
に昇温,キュアされることが判明した。第7図におい
て、線1,2,3および4はそれぞれ,コア表面,コイ
ル最内端から1000m,2000m,および3000mの位置における
温度を示す。
なお昇温時に電源16,31および40から供給された
電力はそれぞれ,10.2kw(一定),2.0kw(初期値;徐
々に低下する),および1.6kw(初期値;徐々に低下す
る)であった。キュア期間中の電源16の供給電力は0
であり,電源31および40よりの供給電力は300〜500
wであった。
キュア終了後ボックス30の上蓋を開け,コイル1を取
り出して,第4図に示すように,100m/分の速度でコイ
ル1を巻戻しながら,冷却ロール51,52(直径100c
m,冷却水温度10℃)でコイル1を強制冷却した。ロー
ル52を出た直後のウエブ温度は30℃であった。
冷却後のコイルの外端,中央部および内端に当るウエブ
部分の,幅方向両端および中央よりサンプルを切り出し
て,剥離接着強度(剥離速度300mm/分)を試験した
が,いづれも正常値であった。冷却後のコイルにしわは
認められなかった。
本発明は以上の実施例によって制約されるものでなく,
例えばプラスチックフィルムおよび金属箔層は適宜のも
のであってよい。すなわち金属箔層は電解鉄箔なたは鋼
箔であってもよい。またコイルの積層体を構成するプラ
スチックフィルムおよび金属箔は何層でもよい。
さらにコイル内面近傍部の直接外部加熱法として,コア
2の内部に熱風または温風を流通させて,コアの温度を
ほぼキュア温度に保持してもよい。
(発明の効果) 請求項1記載の発明は,積層体コイルの反応硬化タイプ
接着剤の全体としてキュアに要する時間が大幅に減少す
るので,生産性が向上し,またキュア用の恒温室を,不
必要もしくは小型化することができるという効果を奏す
る。
請求項2記載の発明は,請求項1記載の発明の効果に加
えて,積層体コイル全体を実質的に均一にキュアできる
という効果を奏する。
請求項3記載の発明は,キュア後の冷却時間を短縮で
き,従って全体としてのキュアに要する時間を短縮でき
るという効果を奏する。
請求項4記載の発明は、キュア後の冷却時間を大幅に短
縮でき,従って全体としてのキュアに要する時間を大幅
に短縮できるという効果を奏する。
請求項5記載の発明は,交流電流を通電する場合に比べ
て電力効率が高いという効果を奏する。
請求項6記載の発明は,力率および電力効率が改善され
るという効果を奏する。
請求項7記載の発明は,コイル内部に熱電対を挿入しな
くても,コイル内部の温度に基づいて抵抗加熱の制御を
行うことができるという効果を奏する。
請求項8記載の発明は,コイル内周面近傍部を効率よ
く,均一にかつ容易にキュア温度に加熱保持できるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明において積層体コイルに直流電流を通電
する場合の配線の例を示す説明用斜視図,第2図は積層
体コイルに通電用タブを挿入する方法の例を示すため
の,ドライラミネーション装置の例の要部正面図,第3
図は積層体コイルのキュアを行うための加熱制御装置の
例の説明用回路図,第4図はキュア後の積層体コイルを
強制冷却するための装置の例の要部縦断面図,第5図は
積層体コイルに交流電流を通電する場合の配線の例を示
す正面図,第6図は積層体コイルに通電したさいの時間
−温度関係の第1の例を示す線図,第7図は積層体コイ
ルに通電したさいの時間−温度関係の第2の例を示す線
図である。 1……積層体コイル,3,4,21……通電用タブ,1
6……直流電源,22……交流電源,51,52……冷
却ロール。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各層間が反応硬化タイプ接着剤により接着
    された,金属箔層およびプラスチックフィルム層よりな
    る積層体コイルの,該接着剤をキュアする方法におい
    て,少なくとも該コイルがほぼキュア温度に達するま
    で,該コイルの外端および内端間において該金属箔層に
    通電して,該金属箔層を抵抗加熱することを特徴とする
    積層体コイルの接着剤のキュア方法。
  2. 【請求項2】少なくともキュア期間,積層体コイルの外
    周面近傍部,側面近傍部および/または内周面近傍部を
    外部加熱する,請求項1記載の積層体コイルの接着剤の
    キュア方法。
  3. 【請求項3】キュア終了後,積層体コイルを強制冷却す
    る請求項1または2記載の積層体コイルの接着剤のキュ
    ア方法。
  4. 【請求項4】強制冷却を,積層体コイルを巻戻しなが
    ら,巻戻し部分を冷却ロールに接触させて行う請求項3
    記載の積層体コイルの接着剤のキュア方法。
  5. 【請求項5】通電電流が直流電流である請求項1または
    2記載の積層体コイルの接着剤のキュア方法。
  6. 【請求項6】通電電流が交流電流であり,積層体コイル
    の厚み方向ほぼ中央部の両側を流れる電流の位相が180
    度ずれている請求項1または2記載の積層体コイルの接
    着剤のキュア方法。
  7. 【請求項7】積層体コイルの外端および内端間の電気抵
    抗に基いて,上記抵抗加熱の制御を行う請求項1または
    2記載の積層体コイルの接着剤のキュア方法。
  8. 【請求項8】積層体コイルの巻き取りコアとして,金属
    パイプ,もしくは金属シートまたは金属網で被覆された
    パイプを用い,該金属パイプ,もしくは金属シートまた
    は金属網を電気誘導加熱して内周面近傍部を外部加熱す
    る請求項1または2記載の積層体コイルの接着剤のキュ
    ア方法。
JP18662190A 1989-12-22 1990-07-13 接着剤のキュア方法 Expired - Lifetime JPH0624771B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18662190A JPH0624771B2 (ja) 1989-12-22 1990-07-13 接着剤のキュア方法
EP19910302237 EP0471430A3 (en) 1990-07-13 1991-03-15 Method of curing an adhesive in a laminate coil

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-333223 1989-12-22
JP33322389 1989-12-22
JP18662190A JPH0624771B2 (ja) 1989-12-22 1990-07-13 接着剤のキュア方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04126223A JPH04126223A (ja) 1992-04-27
JPH0624771B2 true JPH0624771B2 (ja) 1994-04-06

Family

ID=26503880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18662190A Expired - Lifetime JPH0624771B2 (ja) 1989-12-22 1990-07-13 接着剤のキュア方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0624771B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006305967A (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Showa Denko Packaging Co Ltd 電子部品ケース用包材の製造方法及び製造装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3234967B2 (ja) * 1995-03-31 2001-12-04 株式会社エンプラス 面光源装置
JP5447878B2 (ja) * 2011-06-16 2014-03-19 大日本印刷株式会社 ラミネート装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006305967A (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Showa Denko Packaging Co Ltd 電子部品ケース用包材の製造方法及び製造装置
WO2006118251A1 (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Showa Denko Packaging Co. 電子部品ケース用包材の製造方法及び製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04126223A (ja) 1992-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9174398B2 (en) Smart heating blanket
CA2784352C (en) Magnetic heating blanket
JP2000030850A (ja) 熱ローラー装置
KR101123229B1 (ko) 변압기 권선 제조 방법과 변압기 권선 내의 절연 물질 상에 접착제를 경화시키는 방법
JP2019522878A (ja) 熱を感知する誘導加熱装置
JPH0624771B2 (ja) 接着剤のキュア方法
JP2001043964A5 (ja) 加熱装置及び画像形成装置
US20220117306A1 (en) Dual-heating tobacco heater and heating method, and heated tobacco product
JP2005100699A (ja) 電磁誘導加熱装置、定着装置及び電磁誘導加熱装置の制御方法
EP0471430A2 (en) Method of curing an adhesive in a laminate coil
KR101860998B1 (ko) 유도 가열 가능한 접착 필름 및 이를 이용한 접착 장치
CA2096725C (en) Dual surface heaters
US3294947A (en) Apparatus for thermal development of photographic materials
JPH0980951A (ja) 誘導加熱定着装置
JP5332483B2 (ja) 電気湯沸かし器
WO2008072804A1 (en) Heating coil in induction heating cooking apparatus
JPS60254071A (ja) 定着装置
JP2001078884A (ja) 炊飯器
JPH01182044A (ja) 制振鋼板製造装置
JP2000023880A (ja) 暖房便座
JPH06121899A (ja) 誘導加熱アイロン
EP2645180B1 (en) Electromagnetic induction heating type fixing device and image forming apparatus equipped therewith
JPH1016435A (ja) 電磁誘導加熱型製本装置
RU2021111370A (ru) Нагревательный узел и способ индукционного нагрева субстрата, образующего аэрозоль
JPH0416674A (ja) コンクリート養生用保温シートおよび保温方法