JPH06246877A - ゴム積層体 - Google Patents

ゴム積層体

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JPH06246877A
JPH06246877A JP3991793A JP3991793A JPH06246877A JP H06246877 A JPH06246877 A JP H06246877A JP 3991793 A JP3991793 A JP 3991793A JP 3991793 A JP3991793 A JP 3991793A JP H06246877 A JPH06246877 A JP H06246877A
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JP
Japan
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rubber
olefin copolymer
copolymer rubber
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ethylene
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JP3991793A
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English (en)
Inventor
Muneyuki Matsumoto
宗之 松本
Tetsuo Tojo
哲夫 東條
Yoshiharu Kikuchi
義治 菊地
Akiyoshi Uchiumi
明美 内海
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】特定の塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
ゴムであって、該共重合ゴムが硫黄またはポリサルファ
イド化合物ないしチオウレア化合物のうちから選ばれた
少なくとも一種を含有する共重ゴム(A)よりなる層と
エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(B)よりなる層
とから構成されるゴム積層体およびその加硫物。 【効果】本発明のゴム積層体は、界面接着力に優れ、耐
熱老化性、耐寒性耐候性、耐油性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴムとエチレン・α−オレフィ
ン共重合ゴムの積層体及びその製造方法に関し、詳しく
は、二種のゴム間の界面接着力に優れ、耐熱老化性、耐
寒性、耐候性、耐油性に優れたゴム積層体及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用ゴム部品、工業用ゴム部
品等向けに、耐熱老化性、耐候性、耐油性、耐寒性に同
時に優れたゴム材料の開発が検討されてきたが、未だ十
分なものは得られていない。塩素化エチレン・α−オレ
フィン共重合ゴムについては、耐熱老化性、耐候性、耐
油性に優れたゴムであるが、耐寒性に劣るという欠点が
あり、他方、エチレン・α−オレフィン共重合ゴムは耐
熱老化性、耐寒性に優れるものの耐候性、耐油性に劣る
と言う欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
老化性、耐候性、耐油性、耐寒性に同時に優れたゴム材
料をゴム積層体として提供することにある。
【0004】
【発明の概要】本発明に係わるゴム積層体は塩素含量が
20〜40重量%であり、ム−ニ−粘度[ML1+4(1
21℃)]が10〜190である塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム(A)よりなる層と、エチレン・
α−オレフィン共重合ゴム(B)よりなる層とから構成
され、該塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
(A)が硫黄またはポリサルファイド化合物ないしチオ
ウレア化合物のうちから選ばれた少なくとも一種を含有
してなるゴム積層体である。
【0005】 [発明の詳細な説明]以下、本発明に係わるゴム積層体
を具体的に説明する。 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(A) 本発明で用いられる塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムは、塩素含量が20〜40重量%であり、ム−
ニ−粘度[ML1+4(121℃)]が10〜190であ
る。
【0006】塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重
合体のα−オレフィンは、炭素数で3ないし10のもの
が好ましい。とりわけ、プロピレン、1−ブテン、4−
メチル−ペンテン−1、ヘキセンが好ましい。これらの
うち1−ブテンが最も好ましい。エチレンとα−オレフ
ィンの割合が、モル基準でエチレン/α−オレフィン=
75/25ないし95/5であることが好ましい。
【0007】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムは上記により得られたエチレン・α−オレフィン共重
合体を塩素化することにより得られる。
【0008】上記共重合体の塩素化は、例えば共重合体
を粉砕して細粒化し、この細粒を水性懸濁状態にして、
約60〜90℃の温度で分子状塩素と接触させる方法、
四塩化炭素、クロロホルム、テトラクロルエチレンのよ
うな塩素に対して安定な溶媒中に共重合体を溶解し、均
一な溶液状態として分子状塩素と接触させる方法、ある
いはN−クロルアセトアミド、N−クロルサクシイミ
ド、1,3−ジクロル−5,5−ジメチルヒダントイン
のような塩素化合物をロ−ルやバンバリ−などで共重合
体中に均一に練り込み、塩素を遊離する温度に加熱する
方法などによって行なわれ、特に、四塩化炭素、クロロ
ホルムなどのハロゲン系溶媒中で、ラジカル開始剤の存
在化に塩素を吹き込む方法が好ましい。
【0009】塩素化反応後は、次のようにして処理され
る。水性懸濁状態での塩素化の場合、塩素化エチレン・
α−オレフィン共重合ゴムは、水洗を行なうことにより
分子状塩素、副生する塩化水素を除き、乾燥させる。溶
液状態での塩素化の場合には、反応溶液を過剰のメタノ
−ルなどの塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
の貧溶媒中に投入し、沈澱物を濾過し、この溶媒で洗浄
し乾燥させる。
【0010】本発明で使用する塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴムは、塩素含量として20〜40重量
%、好ましくは25〜35重量%であり、この範囲にな
るように塩素化が行なわれる。またム−ニ−粘度[ML
1+4(121℃)]は、物性、作業性の見地から10〜
190、好ましくは20〜150、さらに好ましくは3
0〜120のものが使用される。本発明の塩素化エチレ
ン・α−オレフィン共重合ゴム(A)は上記塩素化エチ
レン・α−オレフィン共重合ゴムに硫黄またはポリサル
ファイド化合物ないしチオウレア化合物のうちから選ば
れた少なくとも一種を配合したものである。
【0011】 硫黄、ポリサルファイド化合物、チオウレア化合物 本発明に用いられる硫黄としては、粉末硫黄、コロイド
硫黄および不溶性硫黄が例示できる。ポリサルファイド
化合物としては、通常、ゴムの加硫助剤として用いられ
るジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド、テト
ラメチルチウラムジサルファイド、テトラエチルチウラ
ムジサルファイド、ジベンゾチアジルジサルファイドな
どが例示できる。チオウレア化合物としては、N,N’
−ジエチルチオウレア、N,N’−ジフェニルチオウレ
ア、N,N’−ジラウリルチオウレアなどが例示できる
【0012】これらの、硫黄、ポリサルファイド化合物
あるいはチオウレア化合物の、塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴムへの含有量(以下、配合量と称する
事もある)は通常、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴム100重量部に対し0.01〜10重量部、好
ましくは0.1〜8重量部、更に好ましくは0.2〜5
重量部の割合である。配合方法は特に限定されないが、
配合ゴム製造に一般に用いられているオ−プンロ−ル、
バンバリ−ミキサ−等の混練装置により配合ゴム製造時
に混入してもよい。配合された硫黄、ポリサルファイド
化合物あるいはチオウレア化合物はゴム積層体の層間加
硫接着に寄与すると共に加硫剤ないし加硫促進剤として
作用する。配合量があまりに多いと本発明のゴム積層体
の耐熱老化性、耐候性を損う。
【0013】 エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(B) 本発明に使用されるエチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムは、エチレンとα−オレフィンの共重合体であって、
α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1
−ヘキセンなどが例示できる。好ましくはプロピレンで
ある。エチレン含量は50〜95モル%、好ましくは6
0〜92モル%であり、ム−ニ−粘度[ML1+4(12
1℃)]は10〜190、好ましくは20〜180、さ
らに好ましくは30〜150のものが使用される。
【0014】さらに、このエチレン・α−オレフィン共
重合ゴムには、一種以上のポリエン成分が含有されてい
るのが好ましい。ポリエン成分としては、1,4−ヘキ
サジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンのような
鎖状非共役ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエンのような環状非共役ジエンな
どを例示できる。好ましいポリエンは5−エチリデン−
2−ノルボルネンである。
【0015】これらの、非共役ジエンは、ヨウ素価表示
で、3〜30、好ましくは5〜20になるように共重合
される。
【0016】上述した、エチレン・α−オレフィン共重
合ゴムは、例えば合成ゴム加工技術全書「エチレン・プ
ロピレンゴム」(大成社)に記載されているように、そ
れ自体公知の方法で製造される。
【0017】ゴム積層体の製造 1)配合ゴムの製造 本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
(A)およびエチレン・α−オレフィン共重合ゴム
(B)は、ゴム製造に一般に用いられる処方に従い、意
図する加硫ゴムの用途、それに基づく性能に応じてそれ
自体公知の配合剤、例えば、加硫剤、加硫助剤、ゴム用
補強材、顔料、充填材、軟化剤、金属活性化剤、スコ−
チ防止剤、塩酸吸収剤、老化防止剤、加工助剤、発泡剤
などを配合し使用される。配合ゴムの製造方法は特に限
定されないが、例えば塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴムあるいはエチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムと補強材、充填材、軟化剤などの添加剤をバンバリ−
ミキサ−、ニ−ダ−の如き非解放型混練装置を用いて約
80℃〜170℃の温度で約3〜10分間混練した後、
加硫剤、加硫助剤をオ−プンロ−ルの如きロ−ル類を用
いて追加混合し、ロ−ル温度約40℃〜80℃で約3〜
30分間混練して分出し、リボン状またはシ−ト状のゴ
ム配合物を製造する。
【0018】多様なゴムの加工工程に対応するため、加
硫速度の調節は実用上極めて重要である。このため一般
に加硫助剤が添加される。上記配合ゴムについては、公
知の加硫助剤を必要に応じて添加するのが望ましい。加
硫剤及び加硫助剤(以下、加硫系と称する)としては、
公知の加硫系が使用される。通常、硫黄加硫系、金属酸
化物加硫系、樹脂加硫系、キノイド加硫系、トリアジン
加硫系、有機過酸化物加硫系等を例示できる。塩素化エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴムについては加硫ゴム
の性能、作業性の点からトリアジン加硫系が好ましく、
エチレン・α−オレフィン共重合ゴムには硫黄加硫系が
好ましい。本発明に用いられるトリアジン加硫系でのト
リアジン化合物としては、以下のトリアジンチオールが
使用される。
【0019】
【化1】 (式中、R1は−NR23、−OR2または−SR2を表
わし、ここでR2、R3は、それぞれ水素原子、未置換も
しくは置換アルキル基、または未置換もしくは置換アリ
−ル基を表わすものとする。)
【0020】このような一般式で表わされるトリアジン
チオ−ルとして具体的には、トリアジン−2,4,6−
トリチオ−ル、2−ジブチルアミノトリアジン−4,6
−ジチオ−ル、2−フェニルアミノトリアジン−4,6
−ジチオ−ル、2−ヘキシルアミノトリアジン−4,6
−ジチオ−ル、2−ジエチルアミノトリアジン−4,6
−ジチオ−ル、2−ブトキシトリアジン−4,6−ジチ
オ−ルなどを挙げることができる。好ましいトリアジン
チオ−ルは2−ブチルアミノトリアジン−4,6−ジチ
オールである。
【0021】これらのトリアジン化合物の塩素化エチレ
ン・α−オレフィン共重合ゴムへの配合量は、通常、塩
素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部
に対し、1×10-3〜2.5×10-2モル重量部、好ま
しくは1.5×10-3〜2.0×10-2モル重量部、さ
らに好ましくは3×10-3〜1.3×10-2モル重量部
である。加硫剤の配合量が上記範囲よりも小さい場合に
は、好適なゴム弾性を有する加硫物が得られず、また上
記範囲よりも多量に配合すると伸びが低下し、実用に供
し難くなる傾向がある。加硫剤としてトリアジン化合物
を使用するときは加硫助剤が添加される。加硫助剤は加
硫速度を加工成形上実用的なものとするために添加され
る。加硫助剤としては、酸解離定数(pKa)が7以上
の有機塩基、あるいは有機塩基を発生しうる化合物が使
用される。
【0022】これらの加硫助剤としては1,8−ジアザ
ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、ラウリルアミ
ン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルモ
ルフォリン、ジシクロヘキシルアミン、ジブチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸
ピペリジン塩、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾ
リルスルフェンアミド、安息香酸・ピペリジン塩、安息
香酸・ジシクロヘキシルアミン塩、ジフェニルグアニジ
ン、ジオルトトリルグアニジン、ジペンタメチレンチウ
ラムテトラスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、ヨウ化テトラメチルスルフォニウム、塩化テトラ
メチルアンモニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、
臭化テトラブチルアンモニウム、ジステアリルジメチル
アンンモニウムクロライドなどのオニウム塩が例示でき
る。
【0023】加硫助剤は、塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴム100重量部に対して5×10-4〜2×
10-2モル重量部、好ましくは1×10-3〜1×10-2
モル重量部を1種あるいは2種以上混合して用いられ
る。
【0024】本発明に用いられる硫黄加硫系での硫黄の
配合量はエチレン・α−オレフィン共重合ゴム100重
量部に対し通常0.1〜5.0重量部、好ましくは0.
5〜2.0重量部の割合である。
【0025】加硫助剤としては、ジフェニルグアニジ
ン、ジオルソトリルグアニジンなどのグアニジン系、n
−ブチルアルデヒド−アニリン縮合品のようなアルデヒ
ド−アミン系、ヘイサメチレンテトラミンのようなアル
デヒドアンモニア系、2−メルカウトベンゾチアゾ−
ル、ジベンゾチアジルジスルフィドのようなチアゾ−ル
系ベンゾチアジル−2−ジエチルスルフェンアミド、N
−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミ
ドのようなスルフェンアミド系、エチレンチオ尿素のよ
うなチオ尿素系、テトラメチルチウラムモノスルフィ
ド、テトラメチルチウラムジスルフィドのようなチウラ
ム系、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムのような
ジチオカルバメ−ト系などが適宜用いられる。
【0026】これらの加硫促進剤は、エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴム100重量部あたり通常0.1〜1
0重量部、好ましくは0.5〜5.0重量部の割合で用
いられる。
【0027】これらの加硫剤の配合量が上記範囲よりも
小さい場合には、好適なゴム弾性を有する加硫物が得ら
れず、また上記範囲よりも多量に配合すると伸びが低下
し、実用に供し難くなる傾向がある。
【0028】ゴム用補強材としては、例えばSRF、G
PF、FEF、MAF、ISAF、SAF、FT、MT
などの各種カ−ボンブラック、微粉珪酸酸などが適宜用
いられ
【0029】充填材としては、例えば軽質炭酸カルシウ
ム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレ−などが用いら
れる。
【0030】これらの補強材及び充填材の配合量は、所
望の製品により適宜選択されるが、いずれもゴム100
重量部に対して、通常200重量部以下、好ましくは1
50重量部以下である。
【0031】また軟化剤としては、、例えばプロセスオ
イル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アス
ファルト、ワセリンなどの石油系物質、コ−ルタ−ル、
コ−ルタ−ルピッチなどのコ−ルタ−ル類、ヒマシ油、
ナタネ油、大豆油、ヤシ油などの脂肪油、ト−ル油、蜜
ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類、リシノ
−ル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バ
リウム、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸、または
その金属塩、ナフテン酸またはその金属石鹸、パイン
油、ロジンまたはその誘導体、テルペン樹脂、石油樹
脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレ
ン、ジオクチルフタレ−ト、ジオクチルアジペ−ト、ジ
オクチルセバケ−トなどのエステル系可塑剤、カ−ボネ
−ト系可塑剤、その他マイクロクリスタリンワックス、
サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポ
リブタジエン、液状チオコ−ルなどを挙げることができ
る。
【0032】これらの軟化剤の配合量は、所望の製品に
より適宜選択されるが、いずれもゴム100重量部に対
して、通常100重量部以下、好ましくは70重量部以
下である。
【0033】金属活性化剤としては、酸化マグネシウ
ム、亜鉛華、高級脂肪酸亜鉛、鉛丹、リサ−ジ、酸化カ
ルシウム、ハイドロタルサイトなどを使用しうる。
【0034】これらの金属活性化剤は、ゴム100重量
部に対して、通常3〜15重量部、好ましくは5〜10
重量部の範囲で用いられる。
【0035】スコ−チ防止剤としては、公知のスコ−チ
防止剤を用いることができ、無水マレイン酸、チオイミ
ド系化合物、スルフェンアミド系化合物、スルフォンア
ミド系化合物などを例示できる。上記成分は、ゴム10
0重量部に対して、通常0.2〜5重量部、好ましくは
0.3〜3重量部の範囲で用いられる。
【0036】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムについては、塩酸吸収剤が必要に応じ添加される。塩
酸吸収剤としては一般に周期律表第2A族金属の酸化物
および有機酸塩が用いられ、例えばステアリン酸マグネ
シウム、マグネシア、ステアリン酸カルシウム、マナセ
アイト、ハイドロタルサイト、エポキシ化大豆油、エポ
キシ系塩酸吸収剤などが例示できる。これらの塩酸吸収
剤は、ゴム100重量部に対して、通常1〜10重量部
の割合で配合される。
【0037】また本発明の配合ゴムは、老化防止剤を配
合し、耐熱老化性を向上できることも通常のゴムにおけ
る場合と同様である。この場合に使用される老化防止剤
としては公知のものが使用できるが、例えばフェニルブ
チルアミン、N,N’ジ−2−ナフチル−p−フェニレ
ンジアミンなどの芳香族第二アミン系安定剤、ジブチル
ヒドロキシトルエン、テトラキス[メチレン(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメ−
ト]メタンなどのフェノ−ル系安定剤、ビス[2−メチ
ル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)
−5−t−ブチルフェニル]スルフィドなどのチオエ−
テル系安定剤、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルな
どのジチオカルバミン酸塩系安定剤などが単独あるいは
2種以上の併用で配合される。このような老化防止剤の
使用量は、ゴム100重量部に対して、通常0.1〜5
重量部、好ましくは0.5〜3重量部の割合である。
【0038】加工助剤としては、通常のゴムの加工に使
用されるものが使用でき、リシノ−ル酸、ステアリン
酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、上記
酸のエステル類など、高級脂肪酸、その塩およびそのエ
ステル類などを例示できる。これらの加工助剤は通常の
場合には、ゴム100重量部に対して、約10重量部ま
で、好ましくは約1〜5重量部用いられる。
【0039】発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機
発泡剤;N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテ
レフタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレン
テトラミンなどのニトロ化合物;アゾジカルボンアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシル
ニトリル、アゾジアミノベンゼン、アゾジカルボン酸バ
リウムなどのアゾ化合物;ベンゼンスルフォニトリルヒ
ドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p’
−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、ジ
フェニルスルホン−3,3’−ジスルフォニルヒドラジ
ドなどのスルフォニルヒドラジド化合物;カルシウムア
ジド、4,4’−ジフェニルジスルフォニルアジド、p
−トルエンスルフォニルアジドなどのアジド化合物が挙
げられ、特にニトロ化合物、アゾ化合物およびアジド化
合物が好んで使用される。
【0040】これらの発泡剤は、塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム(A)あるいはエチレン・α−オ
レフィン共重合ゴム(B)のどちらか一方に、あるいは
両方に配合しても良い。配合量はゴム(A)ないし
(B)100重量部に対して、通常0.3〜30重量
部、好ましくは0.5〜20重量部である。これにより
一般に見掛比重約 0.03〜0.9程度の発泡体を形
成させることができる。
【0041】発泡剤とともに使用することのできる発泡
助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸な
どの有機酸あるいは尿素またはその誘導体などが挙げら
れ発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化な
どの働きを示す。
【0042】2)ゴム積層体の製造 本発明に係わるゴム積層体は、上記の塩素化エチレン・
α−オレフィン共重合ゴム(A)よりなる層とエチレン
・α−オレフィン共重合ゴム(B)よりなる層とで構成
され、両層を積層させる事により得る事ができる。本発
明の塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(A)
よりなる層とエチレン・α−オレフィン共重合ゴム
(B)よりなる層との積層方法は特に限定されないが例
えば、以下のようにして製造される。塩素化エチレン・
α−オレフィン共重合ゴム(A)およびエチレン・α−
オレフィン共重合ゴム(B)を押出成形機、カレンダ−
成形機などを用いて予め別々にシ−ト状、チュ−ブ状等
に成形した後、(A)よりなる層および(B)よりなる
層の予備成形体をカレンダ−ロ−ル成形機、圧縮成形機
などを用いて積層する方法、予め(A)または(B)の
どちらか一方をシ−ト状、チュ−ブ状等に予備成形し、
もう一方を押出成形機、カレンダ−成形機で成形しつつ
積層する方法、多層押出成形機あるいは多層カレンダ−
成形機を用いて(A)よりなる層と(B)よりなる層を
同時に積層成形する方法、などによりゴム積層体とす
る。続いて、あるいはその後、熱空気加熱槽、ガラスビ
−ズ流動床、マイクロ波加熱槽、塩浴加熱槽、あるいは
水蒸気釜で加硫する事により、所望の加硫ゴム積層体を
得ることができる。
【0043】本発明のゴム積層体の加硫後の優れた層間
界面接着力は、一方の塩素化チレン・α−オレフィン共
重合ゴム(A)が硫黄またはポリサルファイド化合物な
いしチオウレア化合物のうちから選ばれた少なくとも一
種を含有することで達成される。その作用は明かではな
いが、上記(A)よりなる層と(B)よりなる層の層間
で共有結合が生成するためではないかと思われる。
【0044】本発明においては、塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム(A)よりなる層の厚さは0.0
1〜3mm、またエチレン・α−オレフィン共重合ゴム
(B)よりなる層の厚さは1〜10mmであることが望
ましい。
【0045】
【発明の効果】本発明に係わるゴム積層体は、加硫ゴム
積層体として塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ム(A)よりなる層とエチレン・α−オレフィン共重合
ゴムよりなる(B)層の層間接着性に優れるため、耐熱
老化性、耐寒性、耐候性、耐油性に優れている。したが
って、本発明のゴム積層体は、自動車用ゴム部品、工業
用ゴム製品、土木・建材用品、ゴム引き布、発泡ゴム製
品などの用途で用いる事ができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。物性
試験の方法は以下の方法に従った。 試験方法 (1)耐熱老化性 JIS K1601に従い、120℃×70時間の老化
促進試験後の引張強さ、伸びを測定した。 (2)耐寒性 ASTM D1053に従い、ゲ−マンねじり試験を行
い、T5を求めた。 (3)耐油性 ワックス除去の条件を想定し、灯油の5%水性懸濁液を
85℃、10kg/cm 2の圧力で、20cm離れ、角
度40゜に固定した二層シ−トの薄層側に10秒間噴射
し、膨潤状態を下記の基準により◎−○−△−×の4ラ
ンクで目視判定した。 ◎:全く変化無し、○:少し膨潤 △:明らかに膨潤、×:著しく膨潤 (4)耐候性 キセノンウエザ−メ−タによる促進テストを二層シ−ト
の薄層側に行い、温度75℃、照射エネルギ−0.35
w/m2、120分サイクル(内18分降雨)の条件で
1000時間行い、外観を下記の基準により◎−○−△
−×の4のランクで目視判定した。 ◎:全く変化無し、○:色相少し変化・亀裂なし △:色相大きく変化・亀裂発生少ない、×:色相著しく
変化・大きい亀裂発生 (5)層間接着力 JISK6301に従い、たんざく状剥離試験を温度2
5℃および70℃雰囲気下で行い、1インチあたりの接
着力を求めた。 実施例1 表1に示す配合剤を4.3Lバンバリ−ミキサ−(神戸
製鋼社製)で5分間混練しダンプアウトした。ついで、
ダンプアウトした混練物を14インチオ−プンロ−ル
(日本ロ−ル社製)に巻き付けた。このときロ−ル表面
温度は、前ロ−ル60℃、後ロ−ル70℃であった。こ
のオ−プンロ−ル上で表2に示す配合剤を添加し2分間
混練したのち、厚さ3mmでシ−ト出しし、配合ゴムシ
−ト(以下C−1と称する)を製造した。
【0047】
【表1】 ───────────────────────────── 配合剤 重量部 ───────────────────────────── 塩素化エチレン・1−ブテン共重合ゴム1) 100.0 ステアリン酸 3.0 マグネシア2) 5.0 タルク3) 120.0 ナフテン系プロセスオイル4) 35.0 チタンホワイト5) 2.0 ───────────────────────────── 1)エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ML1+4(121℃) 50 塩素含量 27wt% 2)商品名:キョウワマグ150 [協和化学] 3)商品名:ミストロンベ−パ−タルク[日本タルク] 4)商品名:サンセン4240 [日本サンオイル] 5)商品名:チタンホワイトR820[堺化学]
【0048】
【表2】 ───────────────────────────── 配合剤 重量部 ───────────────────────────── ジブチルアミノトリアジンジチオ−ル 2.0 安息香酸・ピペリジン塩 3.0 安息香酸・ジシクロヘキシルアミン塩 3.0 硫黄 0.5 ─────────────────────────────
【0049】次に、上記C−1と同様の手順で、表3に
示す配合剤を4.3Lバンバリ−ミキサ−で混練しダン
プアウトした。ついでダンプアウトした混練物を14イ
ンチオ−プンロ−ルに巻き付け、このオ−プンロ−ルで
表4に示す配合剤を添加し混練したのち、厚さ3mmで
シ−ト出しし、配合ゴムシ−ト(以下、E−1と称す
る)を製造した。
【0050】
【表3】 ───────────────────────────── 配合剤 重量部 ───────────────────────────── エチレンプロピレンゴム1) 100.0 ステアリン酸 2.0 亜鉛華2) 5.0 FEFカ−ボン3) 120.0 ナフテン系プロセスオイル4) 60.0 ───────────────────────────── 1)エチレン/プロピレン(モル比):72/28 ML1+4(121℃):70 ジエン成分:5−エチリデン2−ノルボルネン ヨウ素価 :12 2)商品名:亜鉛華1号 [堺化学] 3)商品名:シ−ストSO[東海カ−ボン] 4)商品名:サンセン4240[日本サンオイル]
【0051】
【表4】 ───────────────────────────── 加硫助剤CBS1) 0.5 〃 MBT2) 0.8 〃 TMTD3) 0.8 〃 DPTT4) 0.5 〃 TeEDC5) 0.5 硫黄 1.0 ───────────────────────────── 1)商品名:ノクセラ−CZ[大内新興] 2)商品名: 〃 M[大内新興] 3)商品名: 〃 TT[大内新興] 4)商品名: 〃 TRA[大内新興] 5)商品名: 〃 TL[大内新興]
【0052】これらの配合ゴムC−1およびE−1を、
二層用のダイスにとりつけられた二台の押出機にそれぞ
れ供給し、二層の積層シ−トを押出成形した。押出機
は、中田造機製であり、L/Dは12、押出温度は70
℃、引取速度は3m/分であった。これを、200℃に
設定された熱空気加熱槽で連続的に10分間加硫した。
加硫された二層の積層シ−トは、厚さ2mmで、C−1
からなる層が0.2mm、E−1からなる層が1.8m
mであった。得られた厚さ2mmの加硫ゴム積層シ−トを
用い、前記測定方法に従い耐熱老化試験、耐寒性、耐油
性、耐候性を調べた。これらの測定結果を表8に示す。
【0053】比較例1 実施例1において、表2に示す配合剤の代わりに表5に
示す配合剤を用いた以外は実施例1と同様に行い、配合
ゴムシ−ト(以下、C−2と称する)を製造した。次に
実施例1においてC−1の代わりにC−2を用いた以外
は実施例1と同様に行った。これらの測定結果を表8に
示す。
【0054】
【表5】 ───────────────────────────── 配合剤 重量部 ───────────────────────────── ジブチルアミノトリアジンジチオ−ル 2.0 安息香酸・ピペリジン塩 3.0 安息香酸・ジシクロヘキシルアミン塩 3.0 ─────────────────────────────
【0055】実施例2 実施例1において、表2に示す配合剤の代わりに表6に
示す配合剤を用いた以外は実施例1と同様に行い、配合
ゴムシ−ト(以下、C−3と称する)を製造した。次に
実施例1においてC−1の代わりにC−3を用いた以外
は実施例1と同様に行った。これらの測定結果を表8に
示す。
【0056】
【表6】 ───────────────────────────── 配合剤 重量部 ───────────────────────────── ジブチルアミノトリアジンジチオ−ル 2.0 安息香酸・ピペリジン塩 3.0 安息香酸・ジシクロヘキシルアミン塩 3.0 ジエチルチオウレア1) 2.0 ───────────────────────────── 1)商品名:ノクセラ−EUR[大内新興]
【0057】実施例3 実施例1において、表2に示す配合剤の代わりに表7に
示す配合剤を用いた以外は実施例1と同様に行い、配合
ゴムシ−ト(以下、C−4と称する)を製造した。次に
実施例1においてC−1の代わりにC−4を用いた以外
は実施例1と同様に行った。これらの測定結果を表8に
示す。
【0058】
【表7】 ───────────────────────────── 配合剤 重量部 ───────────────────────────── ジブチルアミノトリアジンジチオ−ル 2.0 安息香酸・ピペリジン塩 3.0 安息香酸・ジシクロヘキシルアミン塩 3.0 ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド1) 1.0 ───────────────────────────── 1)商品名:ノクセラ−TRA[大内新興]
【表8】 ──────────────────────────────────── 実施例1 比較例1 実施例2 実施例3 ──────────────────────────────────── 層間接着力(kg/in) 25℃雰囲気下 7.1 1.1 6.2 6.1 耐熱老化性 引張強さ(kg/cm2) 158 150 152 160 伸び (%) 220 210 220 230 耐寒性 T5 (℃) −42 −41 −42 −43 耐油性 外観 ◎ ◎ ◎ ◎ 耐候性 外観 ◎ ◎ ◎ ◎ ────────────────────────────────────
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【発明の概要】本発明が係わるゴム積層体は塩素含量が
20〜40重量%であり、ムーニー粘度[ML1+4(1
21℃)]が10〜190である塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム(A)よりなる層とエチレン・α
−オレフィン共重合ゴム(B)よりなる層とから構成さ
れ、該塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
(A)が硫黄、ポリサルファイド化合物およびチオウレ
ア化合物のうちから選ばれた少なくとも一種を含有して
なるごむ積層体である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明で使用する塩素エチレン・α−オレ
フィン共重合ゴムは、塩素含量として20〜40重量
%、好ましくは25〜35重量%であり、この範囲にな
るように塩素化が行なわれる。またムーニー粘度[ML
1+4(121℃)]は、物性、作業性の見地から10〜
190、好ましくは20〜150、さらに好ましくは3
0〜120のものが使用される。本発明の塩素化エチレ
ン・α−オレフィン共重合ゴム(A)は上記塩素化エチ
レン・α−オレフィン共重合ゴム硫黄、ポリサルファイ
ド化合物およびチオウレア化合物のうちから選ばれた少
なくとも一種を配合したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/28 (72)発明者 内海 明美 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩素含量が20〜40重量%であり、ム−
    ニ−粘度[ML1+4(121℃)]が10〜190であ
    る塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(A)よ
    りなる層と、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
    (B)よりなる層とから構成され、該塩素化エチレン・
    α−オレフィン共重合ゴム(A)が硫黄またはポリサル
    ファイド化合物およびチオウレア化合物のうちから選ば
    れた少なくとも一種を含有してなるゴム積層体
  2. 【請求項2】前記塩素化エチレン・α−オレフィン共重
    合ゴム(A)が硫黄またはポリサルファイド化合物ない
    しチオウレア化合物のうちから選ばれた少なくとも一種
    を、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム(A)
    100重量部当たり0.01〜10重量部含有してなる
    請求項1に記載のゴム積層体。
  3. 【請求項3】前記ゴム積層体を加硫してなる請求項1ま
    たは2記載の加硫ゴム積層体
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