JPH06245573A - 直流モータ制御回路および直流モータ制御ic - Google Patents

直流モータ制御回路および直流モータ制御ic

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JPH06245573A
JPH06245573A JP5050057A JP5005793A JPH06245573A JP H06245573 A JPH06245573 A JP H06245573A JP 5050057 A JP5050057 A JP 5050057A JP 5005793 A JP5005793 A JP 5005793A JP H06245573 A JPH06245573 A JP H06245573A
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JP
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motor
circuit
voltage
rotation speed
control circuit
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JP5050057A
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Inventor
Tomoaki Yama
倫章 山
Masanori Fujisawa
雅憲 藤沢
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Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】オーディオ信号を損なうことなく、電力使用効
率が良く、装置の小形化にも貢献できる構成の直流モー
タ制御回路を実現する。 【構成】オーディオ信号の記録媒体の駆動用直流モータ
1を制御対象とする抵抗ブリッジ方式電子ガバナ型の直
流モータ制御回路において、周波数が可聴周波数を超え
る所定の一定周波数であり前記抵抗ブリッジ方式の抵抗
ブリッジ回路(R1,R2,R3,Rm)によって検出
された直流モータ1の回転状態に応じてタイミング信号
Tのパルス幅が変調されるPWM方式の制御回路(15
0,160,180)を備え、この制御回路によって直
流モータ1への電力(Eb)がスイッチングされること
により直流モータ1の回転速度が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、直流モータ制御回路
および直流モータ制御ICに関し、詳しくは、ポータブ
ルカセットステレオ等のオーディオ装置に採用され、磁
気テープ等のオーディオ信号の記録媒体を駆動するため
の直流モータを制御対象としてこれの回転速度を制御す
る直流モータ制御回路および直流モータ制御ICに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の直流モータ制御回路の例を図2に
示す。(a)は基本的なブロック図であり、(b)は具
体的なブロック図である。これは、抵抗ブリッジ方式電
子ガバナ型の制御回路を採用し、その大部分が直流モー
タ制御IC10としてIC化されている。このような直
流モータ制御回路では、ブリッジの抵抗R1,R2の接
続点電圧にモータ回転速度の設定用電圧Ecを加えた電
圧と、ブリッジの抵抗R3,Rm(モータ1の内部抵
抗)の接続点電圧とが、誤差増幅回路15によって比較
増幅され、これらの電圧が一致するようにブリッジ回路
の入力電圧である電圧Ebが制御される。
【0003】具体的には、一定値の電源電圧Eaから降
圧制御用トランジスタQ1による電圧降下によって電圧
Ebが生成されるが、この電圧降下量が誤差増幅回路1
5から出力される誤差電圧ΔEに対応して定められ、誤
差電圧ΔEの値が“0”になるように電圧Ebが制御さ
れる。これにより、モータ1の逆起電圧EmがEc(R
1+R2)/R1になるように維持される。そして、こ
の逆起電圧Emがモータ1の回転速度にほぼ等しいこと
から、モータ1の回転速度はモータ回転速度の設定用電
圧Ecによって設定される。そして、図示は割愛した
が、テープ駆動ローラ等を介して磁気テープ等が駆動さ
れて走行し、これに対して、オーディオ信号が記録・再
生される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の直流
モータ制御回路では、電圧降下量を制御することにより
電源電圧Eaからブリッジ回路の入力電圧Ebが生成さ
れ、この入力電圧Ebを介してモータ1の回転速度が制
御される。この降下電圧に対応する電力は、モータ1で
機械エネルギーに変換されることなく、降圧制御用トラ
ンジスタQ1で熱に変換されて放散される。このため、
電力損失が大きくて効率が良くないという問題がある。
特に、バッテリーで動作する携帯用の装置にとっては、
電力損失が大きいと、短時間しか動作できないので、重
大な問題となる。また、この熱を放散させるために、降
圧制御用トランジスタQ1に放熱性に優れたいわゆる放
熱タイプのパッケージが必要とされるが、これは通常の
ものより大形であるため、携帯用装置の小形化の要請に
反する。これも重大な問題である。
【0005】また、従来の直流モータ制御回路では、ブ
リッジの抵抗R1,R2の接続点電圧を基準としてモー
タ回転速度の設定用電圧Ecが与えられる。このモータ
回転速度の設定用電圧Ecの発生回路は、モータ1の回
転速度を可変操作したり又はモータ特性のばらつき等を
吸収して所定の一定速度に調整するために用いられるこ
とから、その全てをIC化して内蔵する訳にはいかず、
少なくとも調整回路部分はICに外付けされる。このた
め、直流モータ制御回路をIC10としてIC化した場
合、接地用端子11とモータ用端子14の他に、モータ
回転速度の設定用電圧Ecの発生回路の外部接続のため
の2つの専用端子12,13が必要である。
【0006】このようにICの端子が多いと、ICのパ
ッケージ等も大きくなることから、装置の小形化にとっ
て望ましくない。この発明の目的は、このような従来技
術の問題点を解決するものであって、オーディオ信号を
損なうことなく、電力使用効率が良く、装置の小形化に
も貢献できる構成の直流モータ制御回路および直流モー
タ制御ICを実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るこの発明の直流モータ制御回路の構成は、オーディオ
信号の記録媒体の駆動用直流モータを制御対象とする抵
抗ブリッジ方式電子ガバナ型の直流モータ制御回路にお
いて、周波数が可聴周波数を超える所定の一定周波数で
あり前記抵抗ブリッジ方式の抵抗ブリッジ回路によって
検出された前記直流モータの回転状態に応じてパルス幅
が変調されるPWM方式の制御回路を備え、この制御回
路によって前記直流モータへの電力がスイッチングされ
ることで前記直流モータの回転速度が制御されるもので
ある。
【0008】具体的には、オーディオ信号の記録媒体の
駆動用直流モータを制御対象とする抵抗ブリッジ方式電
子ガバナ型の直流モータ制御回路において、前記直流モ
ータがブリッジ抵抗の1つとして接続された抵抗ブリッ
ジ回路と、この抵抗ブリッジ回路により検出された前記
直流モータ側の第1の検出電圧と前記直流モータの反対
側の第2の検出電圧との差が採られこの差が増幅されて
誤差信号が生成される誤差増幅回路と、可聴周波数を超
える所定の一定周波数の三角波又は鋸歯状波と前記誤差
信号との大小が比較されこの比較結果として周波数が前
記所定の周波数に等しくされパルス幅が前記誤差信号の
値に応じて変調されたパルス波形のタイミング信号が発
生するタイミング信号発生回路と、電源から供給された
電力を前記抵抗ブリッジ回路に伝える電力ラインと、前
記電力ラインに挿入接続され前記タイミング信号を制御
信号として受けこの信号のパルス波形に応じて前記電源
ラインをスイッチングするスイッチング回路と、前記ス
イッチング回路の後方で前記電力ラインに直列に挿入接
続された平滑用コイルを有し前記スイッチング回路によ
ってスイッチングされた電力が前記平滑用コイルによっ
て平滑化される平滑回路と、を備え、前記第1の検出電
圧と前記第2の検出電圧とがほぼ一致するように前記直
流モータへの電力が制御されることにより、前記直流モ
ータの回転速度が制御されるものである。
【0009】また、先の目的を達成するこの発明の直流
モータ制御ICの構成は、上述の直流モータ制御回路の
主要部を内蔵し、前記直流モータが接地等の基準電圧を
基準として外部に接続される直流モータ制御ICであっ
て、可変抵抗等の調整回路の一部分又はその全部が外部
接続されて調整可能とされ前記直流モータの回転速度を
設定するための設定用電圧が前記接地等の基準電圧を基
準として発生する設定用電圧発生回路を備え、前記抵抗
ブリッジ回路を構成する抵抗のうちでブリッジ構成上前
記第2の検出電圧の検出点と前記直流モータとの間に位
置する抵抗が内蔵され、この抵抗がブリッジ構成上前記
直流モータ側に当たるその一端に前記設定用電圧発生回
路からの前記設定用電圧を受けることにより前記設定用
電圧発生回路の外部接続用の専用端子が接地端子を除い
て1つとされ、前記設定用電圧に応じて前記直流モータ
の回転速度が制御されるものである。
【0010】
【作用】このような構成のこの発明の直流モータ制御回
路にあっては、直流モータへの電力がスイッチング制御
される。これにより、直流モータへの電力制御時に発生
する損失は、常時発生するのではなく、スイッチング時
に過渡的に発生するだけである。したがって、本質的に
損失を常時発生する従来のものに較べて、この発明の回
路では、損失が遥かに少なく、効率がよい。また、損失
が少ないことから、放熱のための手立てが簡易なもので
よく、スイッチング回路のスイッチングトランジスタの
パッケージとしても従来に比較して小形のものが使用で
きる。よって、装置の小形化にも貢献することができ
る。
【0011】なお、スイッチングのタイミングに対応し
て直流モータへの電力が変動しその回転も変動すること
となる。平滑回路の挿入やモータの慣性等によって抑制
されその回転変動はかなり小さなものであるが、この変
動に対応してオーディオ信号が歪むことから一般的には
不都合である。しかし、この発明では、スイッチングが
可聴周波数を超える速いタイミングで行われる。これに
より、例えこの回転変動に起因する歪み成分がオーディ
オ信号に含まれてしまったとしても、この成分は最終的
には聞き取られることがない。よって、実用上オーディ
オ信号を損なうことがなく、オーディオ装置としての性
能を維持できる。
【0012】また、一層の小形化を図るべく上記の直流
モータ制御回路がIC化されるが、この回路では、電力
をスイッチングする方式を採用することに起因して平滑
回路が要る。この平滑回路はコイル等の個別素子を含む
ことから、全てをICに内蔵することができず少なくと
もその一部は外付けせざるを得ない。このため、効率が
良くなっても、もう1つの利点であるスイッチングトラ
ンジスタの小形化の効果がIC化の不十分なことによっ
て減殺されてしまうことにもなりかねない。これでは、
IC化を図っても、十分な小形化は果たせない。
【0013】しかし、この発明の直流モータ制御ICに
あっては、従来は2つ必要とされた設定用電圧発生回路
の外部接続用の専用端子が、1つだけで済む。これによ
り、平滑回路に起因して小形化が十分でないという不都
合が、設定用電圧発生回路の専用端子の減少に伴うIC
の小形化によって補償される。よって、IC化を図った
場合にも、スイッチングトランジスタの小形化の効果を
維持することができる。したがって、上記の直流モータ
制御回路をIC化したこの発明の直流モータ制御IC
は、効率がよく、しかも装置の小形化にも貢献すること
ができる。
【0014】なお、設定用電圧発生回路の外部接続用の
専用端子の数について詳述する。直流モータ制御ICで
は、モータ特性のばらつきや使用環境等に応じてモータ
の回転速度の設定値を調整する必要があることから、モ
ータ回転速度の設定用電圧を発生する設定用電圧発生回
路は、少なくとも調整回路部分が直流モータと同じく外
部接続されるのが一般である。
【0015】そして、この点に関しては本発明も同様で
あるが、この発明の直流モータ制御ICにあっては、モ
ータ回転速度を設定するための設定用電圧が、接地等の
基準電圧を基準として発生される。この基準電圧は直流
モータの駆動のための基準電圧としても用いられている
ことから、この基準電圧に対してICでは一般に接地端
子が既に割り当てられている。そこで、モータ回転速度
の設定用電圧の基準である基準電圧に対して改めて専用
端子を割り当てる必要がなくなり、設定用電圧発生回路
の外部接続用の専用端子が1つ少なくて済む。
【0016】
【実施例】図1に、この発明の直流モータ制御回路の実
施例を示す。これは、抵抗ブリッジ方式電子ガバナ型の
制御方式を採用し、その大部分が直流モータ制御IC1
00としてIC化されている(破線部分参照)。ここ
で、1は内部抵抗Rmを持つ制御対象としての直流モー
タ、R1,R2,R3は直流モータ1の内部抵抗Rmと
ともに検出用抵抗ブリッジを構成する抵抗、11,1
3,14は外部接続用のIC端子、15はアンプ15a
を主体とする誤差増幅回路、150は三角波発生用の発
振回路(OSC)とコンパレータ151等からなるタイ
ミング信号発生回路、160はスイッチングトランジス
タQ2を主体とするスイッチング回路、170は直流モ
ータ1の回転速度を設定するための設定用電圧Ecを発
生する設定用電圧発生回路、180はコイルL2を有す
る平滑用の平滑回路である。以下、各回路の具体的な構
成を説明する。
【0017】設定用電圧発生回路170は、基準電圧と
しての接地GNDに接地端子11を介して接続され、こ
れを基準とする一定の電圧Vrefを抵抗分圧して電圧
Ec’を発生し、ボルテージフォロア構成のバッファー
170aで電流駆動能力を高めて、モータ1の回転速度
の設定用電圧Ecを生成し、抵抗R2(内蔵の抵抗)に
出力する。ここで、電圧Ec’生成用に直列接続された
抵抗の一方には可変抵抗VRが用いられ、可変抵抗VR
は外部で一端が端子13に接続され他端が接地GNDに
接続される。これにより、モータ回転速度の設定用電圧
Ecが調整可能にされる。しかも、設定用電圧発生回路
170のために割り当てられた端子は、接地GND用端
子11以外には、端子13だけの1つである。なお、設
定用電圧発生回路170の全体を外部に設けた場合で
も、端子13を介してモータ回転速度の設定用電圧Ec
を受ければよく、やはり専用端子は1つで済む。
【0018】検出用抵抗ブリッジは、モータ1への駆動
電流を制御するための制御電圧Ebを受ける電力入力点
に対し抵抗R1の一端が接続され、抵抗R1の他端には
抵抗R2の一端が接続され、抵抗R2の他端が上述のモ
ータ回転速度設定用電圧Ecを受けることで設定用電圧
発生回路170を介して間接的に抵抗R2が接地GND
に接続される。さらに、これらに並列の状態で、制御電
圧Ebを受ける電力入力点に対し抵抗R3の一端が接続
され、抵抗R3の他端にはモータ1の一方の電力入力端
が端子14を介して接続され、モータ1の他方の電力入
力端が外部で接地GNDに接続される。そして、各抵抗
の値は、設計上、R1:R2=R3:Rmの関係を満た
す値とされる。これにより、モータ1に発生する逆起電
圧Emを検知するためのブリッジが構成される。なお、
この逆起電圧Emがほぼモータ1の回転速度に対応する
ことから、このブリッジによってモータ1の回転状態が
検出されることになる。
【0019】誤差増幅回路15は、上記ブリッジにおけ
る抵抗R3とモータ1との接続点の電圧E3m(第1の
検出電圧)と、抵抗R1と抵抗R2との接続点の電圧E
12(第2の検出電圧)とを検出対象とし、その差を増
幅して誤差信号ΔEを生成し、これをタイミング信号発
生回路150に出力する。そこで、電圧E12を制御目
標回転速度に対応する電圧とすると、誤差信号ΔEは、
制御目標回転速度からのモータ1の回転速度の変動分を
表すことになる。なお、誤差増幅回路15のアンプ15
a等は、通常、接地GNDを基準電圧として動作する。
そこで、接地GNDに接続される端子11は、これらの
回路に対しても使用される。すなわち、端子11は設定
用電圧発生回路170の専用端子ではない。
【0020】タイミング信号発生回路150は、周波数
が可聴周波数を超える所定の一定周波数であってパルス
幅が誤差信号ΔEの値に応じて変調されたパルス波形の
タイミング信号Tを発生する回路である。タイミング信
号発生回路150内の発振回路152は、100KHz
〜500KHz程度の何れかの周波数で発振し、三角波
を発生する。この三角波がコンパレータ151での比較
対象の一方とされることで、コンパレータ151の出力
であるタイミング信号Tが三角波と同じ周波数で変化す
る。人間の可聴周波数は一般に20KHzが上限とされ
ているので、このタイミング信号Tの周波数は十分に可
聴周波数を超えている。
【0021】タイミング信号発生回路150のコンパレ
ータ151での比較対象の他方は誤差増幅回路15から
の誤差信号ΔEである。これが発振回路152からの三
角波と比較される。そして、何れの値が大きいかに対応
して二値の何れかの値を採るタイミング信号Tが生成さ
れる。これにより、誤差信号ΔEの値によって誤差信号
ΔEと三角波とが一致したときにタイミング信号Tの値
が反転することで、タイミング信号Tのパルス幅が変わ
る。すなわち、誤差信号ΔEと三角波との大小の比較結
果として、タイミング信号Tのパルス幅が誤差信号ΔE
の値に応じて変調される。なお、発振回路152が三角
波ではなく鋸歯状波を発生するものであっても、同様で
ある。
【0022】電力ライン(190a+190b+190
c)は、電源から供給された電力が上記の抵抗ブリッジ
回路(R3等)を介して直流モータ1に伝えられるライ
ンであるが、その途中にはスイッチング回路160のス
イッチングトランジスタQ2と平滑回路180のコイル
L2とがこの順に直列に挿入接続されている。スイッチ
ング回路160は、タイミング信号Tのパルス波形に応
じて電源ライン(190a+190b)をスイッチング
する。具体的には、コレクタとエミッタとを電源ライン
(190a+190b)に挿入接続されたスイッチング
トランジスタQ2が、ベースにタイミング信号Tを受け
る。そして、タイミング信号Tに応じてスイッチングト
ランジスタQ2が高速でオンオフする。そこで、このト
ランジスタで発生する電力損失は、スイッチング時に過
渡的に発生するだけなので、常時発生する従来のものよ
りも、遥かに少なくで済む。
【0023】平滑回路180は、スイッチングされた電
力を平滑する。具体的には、コイルL2が電源ライン
(190b+190c)に直列に挿入接続され、このコ
イルL2のインダクタンスによってトランジスタQ2が
オンしたときの突入電流が緩和される。なお、スイッチ
ング周波数が100KHz〜500KHzと高いので、
コイルL2はインダクタンスが100μH程度の小さな
もので済む。また、コイルL2の入力側にはフライホイ
ールダイオードD1が接続され、トランジスタQ2がオ
フのときの慣性電流がダイオードD1を介して流れる。
これにより、平滑回路180の出力側の電源ライン(1
90c)に流れる電流が平滑化される。なお、必要な平
滑の程度によってはコイルL2の出力側にコンデンサを
接続して、平滑能力を高めてもよい。
【0024】このような構成の直流モータ制御IC10
0を有する直流モータ制御回路の動作を説明する。先
ず、設定用電圧発生回路170の外付け可変抵抗VRが
操作されてモータ回転速度の設定用電圧Ecが設定され
る。これにより、直流モータ1の特性のばらつき等に起
因する変動分が調整されて、設定用電圧Ecはモータ1
の制御目標回転速度に対応する電圧値となる。
【0025】そして、ブリッジ回路のおける電圧E12
と電圧E3mとが検出されこれらに基づいて誤差信号Δ
Eが生成されるが、設定用電圧Ecがモータ1の制御目
標回転速度に対応していることを受けて、電圧E12も
モータ1の制御目標回転速度に対応づけられる。なお、
ブリッジ回路では既述の如く電圧E3mにモータ1の回
転状態が反映されている。そこで、誤差信号ΔEは、設
定用電圧Ecで定められる制御目標回転速度からのモー
タ1の回転速度のずれを表すことになる。
【0026】さらに、この誤差信号ΔEに応じてパルス
幅変調されたタイミング信号Tが生成され、これのタイ
ミングに応じて電源ラインがスイッチングされ、スイッ
チング回路160と平滑回路180を介して電圧Eaの
供給電力が制御電圧Ebまで降圧される。かかるPWM
方式のスイッチング制御により、少なくとも可聴周波数
の時間単位で見ればブリッジにおける電圧E12と電圧
E3mとが常時一致するように、電源電圧Ebが制御さ
れる。さらに、ブリッジにはR1:R2=R3:Rmの
関係がある。そこで、モータ1の逆起電圧Emが、常
時、モータ回転速度の設定用電圧Ecに等しい値に維持
される。すなわち、モータ1の回転速度はモータ回転速
度設定用電圧Ecに対応した制御目標回転速度に制御さ
れる。
【0027】したがって、オーディオ信号を損なうこと
なく、PWM方式のスイッチング制御によって電力損失
を低減することができる。さらに、設定用電圧発生回路
の外部接続用の専用端子を1つに減らしても、直流モー
タ1の回転速度を設定用電圧Ecに応じて制御すること
ができる。また、電位の安定度のよい接地GNDを基準
としてモータ回転速度設定用電圧Ecを発生するという
構成を採用したことにより、確実な調整が容易に行え
る、ノイズによる変動が少なくてモータ回転速度が安定
する等の効果も得られる。その結果、図示は割愛した
が、テープ駆動ローラ等を介して磁気テープ等が駆動さ
れて走行し、これに対してオーディオ信号が正常に記録
・再生される。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、この
発明にあっては、オーディオ信号の記録媒体の駆動用直
流モータを制御対象とする抵抗ブリッジ方式電子ガバナ
型の直流モータ制御回路において、周波数が可聴周波数
を超える所定の一定周波数であり前記抵抗ブリッジ方式
の抵抗ブリッジ回路によって検出された前記直流モータ
の回転状態に応じてパルス幅が変調されるPWM方式の
制御回路を備え、この制御回路によって前記直流モータ
への電力がスイッチングされることにより前記直流モー
タの回転速度が制御される。これにより、オーディオ信
号を損なうことなく、電力使用効率が良く、装置の小形
化にも貢献できる構成の直流モータ制御回路を実現する
ことができる。
【0029】また、かかる直流モータ制御回路をIC化
した直流モータ制御ICの発明では、直流モータ制御回
路の主要部を内蔵し、前記直流モータの回転速度を設定
するための設定用電圧発生回路を備え、前記抵抗ブリッ
ジ回路を構成する抵抗のうちでブリッジ構成上前記直流
モータの反対側の電圧検出点と前記直流モータとの間に
位置する抵抗が内蔵され、この抵抗がブリッジ構成上前
記直流モータ側に当たるその一端に前記設定用電圧発生
回路からの前記設定用電圧を受けることにより前記設定
用電圧発生回路の外部接続用の専用端子が接地端子を除
いて1つとされ、前記設定用電圧に応じて前記直流モー
タの回転速度が制御される。
【0030】これにより、設定用電圧発生回路の外部接
続用の端子として従来は2つ必要とされた専用端子を1
つに減らしても、直流モータの回転速度を設定用電圧に
応じて制御することができる。したがって、端子数が少
なくて済む構成の直流モータ制御ICを実現することが
できる。その結果、直流モータ制御ICを小さくて安価
なICにでき、これを用いる装置の小形化やコスト低減
に貢献することができる。また、調整の容易化、モータ
回転速度の安定性向上という効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の直流モータ制御ICを有す
る直流モータ制御回路の一実施例である。
【図2】図2は、従来の直流モータ制御ICの例であ
る。(a)は、その基本的なブロック図である。(b)
は、その具体的なブロック図である。
【符号の説明】
1 直流モータ 10 直流モータ制御IC 11,13,14 ICの端子 15 誤差増幅回路 16 電圧制御回路 17 設定用電圧発生回路 100 直流モータ制御IC 150 タイミング信号発生回路 151 コンパレータ 152 発振回路(OSC) 160 スイッチング回路 170 設定用電圧発生回路 180 平滑回路 R1,R2,R3 ブリッジ用抵抗

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーディオ信号の記録媒体の駆動用直流モ
    ータを制御対象とする抵抗ブリッジ方式電子ガバナ型の
    直流モータ制御回路において、周波数が可聴周波数を超
    える所定の一定周波数であり前記抵抗ブリッジ方式の抵
    抗ブリッジ回路によって検出された前記直流モータの回
    転状態に応じてパルス幅が変調されるPWM方式の制御
    回路を備え、この制御回路によって前記直流モータへの
    電力がスイッチングされることで前記直流モータの回転
    速度が制御されることを特徴とする直流モータ制御回
    路。
  2. 【請求項2】オーディオ信号の記録媒体の駆動用直流モ
    ータを制御対象とする抵抗ブリッジ方式電子ガバナ型の
    直流モータ制御回路において、前記直流モータがブリッ
    ジ抵抗の1つとして接続された抵抗ブリッジ回路と、こ
    の抵抗ブリッジ回路により検出された前記直流モータ側
    の第1の検出電圧と前記直流モータの反対側の第2の検
    出電圧との差が採られこの差が増幅されて誤差信号が生
    成される誤差増幅回路と、可聴周波数を超える所定の一
    定周波数の三角波又は鋸歯状波と前記誤差信号との値の
    大小が比較されこの比較結果として周波数が前記所定の
    周波数に等しくされパルス幅が前記誤差信号の値に応じ
    て変調されたパルス波形のタイミング信号が発生するタ
    イミング信号発生回路と、電源から供給された電力を前
    記抵抗ブリッジ回路に伝える電力ラインと、前記電力ラ
    インに挿入接続され前記タイミング信号を制御信号とし
    て受けこの信号のパルス波形に応じて前記電源ラインを
    スイッチングするスイッチング回路と、前記スイッチン
    グ回路の後方で前記電力ラインに直列に挿入接続された
    平滑用コイルを有し前記スイッチング回路によってスイ
    ッチングされた電力が前記平滑用コイルによって平滑化
    される平滑回路と、を備え、前記第1の検出電圧と前記
    第2の検出電圧とがほぼ一致するように前記直流モータ
    への電力が制御されることにより、前記直流モータの回
    転速度が制御されることを特徴とする直流モータ制御回
    路。
  3. 【請求項3】請求項2記載の直流モータ制御回路の主要
    部を内蔵し、前記直流モータが接地等の基準電圧を基準
    として外部に接続される直流モータ制御ICであって、 可変抵抗等の調整回路の一部分又はその全部が外部接続
    されて調整可能とされ前記直流モータの回転速度を設定
    するための設定用電圧が前記接地等の基準電圧を基準と
    して発生する設定用電圧発生回路を備え、前記抵抗ブリ
    ッジ回路を構成する抵抗のうちでブリッジ構成上前記第
    2の検出電圧の検出点と前記直流モータとの間に位置す
    る抵抗が内蔵され、この抵抗がブリッジ構成上前記直流
    モータ側に当たるその一端に前記設定用電圧発生回路か
    らの前記設定用電圧を受けることにより前記設定用電圧
    発生回路の外部接続用の専用端子が接地端子を除いて1
    つとされ、前記設定用電圧に応じて前記直流モータの回
    転速度が制御されることを特徴とする直流モータ制御I
    C。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5696871A (en) * 1995-03-06 1997-12-09 Rohm Co., Ltd. DC motor control circuit
US7759889B2 (en) 2007-03-06 2010-07-20 Rohm Co., Ltd. Motor drive device and electric apparatus using the same
JP2014177892A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Yabegawa Denki Kogyo Kk 流体移送装置

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