JPH06243708A - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JPH06243708A
JPH06243708A JP5155293A JP5155293A JPH06243708A JP H06243708 A JPH06243708 A JP H06243708A JP 5155293 A JP5155293 A JP 5155293A JP 5155293 A JP5155293 A JP 5155293A JP H06243708 A JPH06243708 A JP H06243708A
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JP
Japan
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light
guide plate
light guide
volume hologram
optical member
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Withdrawn
Application number
JP5155293A
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English (en)
Inventor
Kazuo Arai
和夫 荒井
Masayuki Hori
雅之 堀
Satoru Hirose
悟 広瀬
Masao Sakata
雅男 坂田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Planar Illumination Modules (AREA)
  • Lighting Device Outwards From Vehicle And Optical Signal (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホログラム使用の表示装置において、光取り
込み量を増大する。 【構成】 導光板10の面11に透過型体積ホログラム
20が設けられ、光源からのα、βからなる光束Lを出
射角θrで導光板内に出射する。導光板は点Rから下端
へ向けて傾斜するクサビ面13を有する。光束αは面1
1と対向する平行面12で反射角θrで反射され、導光
板内を上部方向へ進行する。光束βは、クサビ面13で
反射して体積ホログラム20に再入射するが、クサビ面
の傾斜角θkで偏角され、入射角[θr−2・θk]と
なるのでホログラムの回折条件とずれ再回折されず、導
光板内を反射を繰り返して進行する。光束Lとしてα、
βの双方が導光板に取り込まれ受光量が増大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光の回折現象を有する
光学部材を用いて光源からの光を導光板に入射し光源か
ら離間した部位から出射するようにした表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】このような光学部材を用いて光源からの
光を導光板に入射し、導光板内を反射させて光源から離
間した部位で出射する表示装置としては、例えば米国特
許第4711512号などに開示されたものがある。上
記の光学部材としては、例えば屈折率分布型の体積ホロ
グラムが用いられ、図14はこの屈折率分布型体積ホロ
グラムの回折ならびに逆方向入射光の回折の原理を示
す。体積ホログラム100中には、屈折率に関しての周
期構造が形成されており、図中の黒線部が屈折率の高い
部分、その間が屈折率の低い部分である。この体積ホロ
グラムに光線入射すると、屈折率周期構造の各セグメン
ト界面sにおいて反射され出射する。
【0003】入射される光線u、v、wの波長をλ、そ
の入射角をθ、出射される光線をu’、v’、w’とす
る。ここで、各光線の光路長差が波長の整数倍となると
き、すなわち上記屈折率周期構造の周期間隔をtとし
て、下式(1)が成立するときには、光線u’、v’、
w’は、同位相となって互いに強め合い回折光として観
察される。 2・t・cosθ=a・λ −−− (1) ここで、aは整数である。
【0004】そして、このような光学部材を用いた表示
装置の例として、図15は自動車のハイマウントストッ
プランプを示す。自動車のリアパーセルシェルフ71に
おいて、リアウインドウ70の近傍に一端がトランク7
8側に位置し他端が車室77に突出して導光板80が配
置される。 導光板80のトランク78側端部の一面に
は、入射用の透過型体積ホログラム82が取り付けら
れ、光源85からの光束を受光する。導光板80の車室
77側端部で上記透過型体積ホログラム82が取り付け
られた面と対向する面には、外部出力用の透過型体積ホ
ログラム83が取り付けられている。この透過型体積ホ
ログラム83は自動車の後方に向けられている。
【0005】光源85からは自動車の図示しないブレー
キ装置の作動と連動して、赤色の平行光束γが出射され
る。この光束γは、入射用の透過型体積ホログラム82
に入射角θinで入射する。透過型体積ホログラム82
は光束γを回折し、導光板80内を反射角θrで進行さ
せる。導光板80内を反射しながら進行した光束は、出
力用の透過型体積ホログラム83に反射角と同じ入射角
θrで入射する。透過型体積ホログラム83はこの入射
光束を回折して、導光板外部へ出射角θoutで出射す
る。これにより、出力された光束が後続車両のドライバ
ーの眼に到達し、ブレーキが操作されたことが報知され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の表示装置にあっては、入射用の透過型体積ホ
ログラムの縦の幅が、その回折角と導光板の厚さdによ
って制約される。すなわち、図14で説明した屈折率分
布型体積ホログラムの回折原理から、図16の(a)に
示すように、ある透過型体積ホログラムに波長λxの光
線pが入射角θ1で入射し、回折条件が成立して出射角
θ2で回折されるときには、図の(b)〜(d)のよう
にその逆方向からの入射に対しても同じ波長λxの光線
p1〜p3について回折条件が成立し、回折されること
になる。この逆方向入射光の回折は、屈折率分布型の体
積ホログラムに限らずその他の回折現象を有する光学部
材、例えば振幅型回折格子、位相型回折格子、透過率分
布体積ホログラムなどが共通して持つ特性である。
【0007】ここで、図17の(a)に示すように、導
光板80の厚さdに比較して充分に大きな導光板の面沿
い方向の高さHを有する透過型体積ホログラムKHが導
光板表面上に設けられている場合を考える。この透過型
体積ホログラムKHは、波長λxの光束pxが入射角θ
inで入射したときに光束を回折し、導光板内に反射角
θrで進行させるものとする。なお、外部の空気と透過
型体積ホログラムKHの界面、および導光板80と透過
型体積ホログラムKHの界面での各々の屈折率差によっ
て生じる光線の屈折は生じないものとする。
【0008】ここで、図17の(a)に示すように、透
過型体積ホログラムの高さHは導光板の厚さdに比較し
て充分に大きいので、図中下側部分で入った光束で導光
板の透過型体積ホログラムKHが設けられた面80aと
対向する面80bで反射された光束γLは、導光板80
側から再び透過型体積ホログラムKHに入射する。
【0009】同図の(b)は、光線γLが透過型体積ホ
ログラムに再入射する部分を拡大して示している。 光
線γLが導光板80側から透過型体積ホログラムKHに
再入射するときには、回折条件が成立しないため、回折
されずに透過型体積ホログラムKH内を進行する。そし
て光線γLは透過型体積ホログラムの表面KHaで反射
し、透過型体積ホログラムのセグメント界面sに再々入
射することになる。このときには、最初の透過型体積ホ
ログラムへの入射とは逆方向からの界面sへの入射とな
って、透過型体積ホログラムKHにより回折され最終的
に光線γLは導光板外に出射されてしまう。
【0010】このように、光束が透過型体積ホログラム
など回折現象を有する光学部材で回折されて導光板内を
進行し、再び回折現象を有する光学部材に入射すると、
逆方向からの入射に基づく回折によって導光板外に出射
されてしまう。そのため導光板内を反射しながら進行す
ることの出来る光束は、入射のときにのみ回折され、再
回折を免れた光束だけとなる。
【0011】したがって、回折現象を有する光学部材で
回折されて導光板内に進行した光束が再度回折現象を有
する光学部材に逆方向入射しないようにするためには、
図18に示されるように、光束の導光板面沿い方向の最
大の高さhは、 h=2・d・tanθr −−−(2) に制限されることがわかる。
【0012】反射角θrには上限が存在し、回折現象を
有する光学部材制作上の制約があるため、約70°程度
である。 一方、導光板の厚さdには本質的な上限はな
いが、用途により制約があり、例えば、上述した自動車
のハイマウントストップランプに用いるときには、デザ
イン上の要請から5mm程度とされる。この結果、上の
式(2)に現実的なd、θrの値を代入して計算する
と、以下のようになる。 d=5mm、θr=70°−−−のとき、h=21.4
mm
【0013】この光束の高さhの値は、実用性のある光
源を求めようとするとき非常に小さい値である。つま
り、導光板に光を取り込む面積が小さいために、単位面
積当たりの光量の多いワット数の大きなランプを光源と
して用いなければならず、消費電力が大きく、発熱も大
きいという問題がある。
【0014】安価で光束量の大きい光源として、ハロゲ
ンバルブを用いた光源が知られているが、その開口径は
最低でも50mm程度が必要とされるため、約40%の
光束量しか導光板内に取り込むことができない。開口径
の小さい光源として、レーザやLEDが知られている
が、前者はコストが高く、また後者は同じくコストが高
いうえ、従来の使用態様では光束量の絶対値が小さいと
いう欠点がある。
【0015】また、フィラメントバルブを用いた光源の
場合には、フィラメントの電極取り出し部を除く全立体
角方向の光束を有効利用する目的で、反射鏡やレンズを
組み合わせて偏向し、平行光束を出力することが行なわ
れる。図19は放物面反射鏡を用いたもので、バルブの
フィラメントFが放物面反射鏡91の焦点上に位置さ
れ、これによりバルブフィラメントFから放物面反射鏡
に向かった光線は平行光束Pとなって、色フィルタ92
を通過したうえ光源から出射される。
【0016】しかし、放物面反射鏡91に向かうことな
く直接色フィルタ92方向に向かうフィラメントFから
の直射分があり、これはフィラメント位置を点光源位置
とする光束P’として出射されることになる。ところが
入射用透過型体積ホログラムは特定の入射角をもった光
束のみを導光板内に取り込むため、上記のように光源か
ら2種の光束P、P’が出力される場合であってもその
一方しか取り込むことができず、光源が出射する全光束
に対する利用効率が低いという問題がある。
【0017】したがって本発明は、上記従来の問題点に
鑑み、回折現象を有する光学部材を用いて導光板への光
の取り込みを行なうようにした表示装置において、その
光取り込み面積を大きくでき、消費電力の小さい光源で
安価に実現できるようにした表示装置を提供することを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】このため請求項1に記載
の本発明は、少なくとも第1および第2に分類される複
数の光束を出力する光源と、互いに対向する第1および
第2の面を有する導光板と、該導光板の一の部位におけ
る前記第1の面に設けられ、光源からの前記複数の光束
を回折して導光板内に出射する第1の光学部材と、導光
板の他の部位に設けられ、導光板内を伝達された光束を
回折して該導光板外へ出射する第2の光学部材と、導光
板内に出射された光束のうち前記第2の光束を偏角する
偏角手段とからなり、前記の第1の光学部材は、その回
折角が前記出射された光束のうち第2の面で反射した第
1の光束が第1の光学部材に再入射しないよう設定さ
れ、前記の偏角手段は、回折された第2の光束が第1の
光学部材に再入射するとき再回折されない入射角を持つ
ように偏角するように構成されているものとした。
【0019】請求項3に記載の発明は、少なくとも第1
および第2に分類される複数の光束を出力する光源と、
互いに対向する第1および第2の面を有する導光板と、
該導光板の一の部位における前記第1の面に設けられ、
光源からの前記複数の光束を回折して導光板内に出射す
る第1の光学部材と、導光板の他の部位に設けられ、導
光板内を伝達された光束を回折して該導光板外へ出射す
る第2の光学部材とを備え、前記の第1の光学部材は、
前記複数の光束をそれぞれ異なる回折角で出射するもの
として、その第1の光束に対する回折角は第2の面で反
射した第1の光束が当該第1の光学部材に再入射しない
よう設定され、第2の光束に対する回折角は第2の面で
反射され当該第1の光学部材に再入射するとき再回折さ
れない入射角を持つように構成されているものとした。
【0020】さらに、請求項5に記載の発明は、少なく
とも第1および第2に分類される複数の光束を出力する
光源と、互いに対向する第1および第2の面を有する導
光板と、該導光板の一の部位における前記第1の面に設
けられ、光源からの前記第1の光束を回折して導光板内
に出射する第1の光学部材と、前記一の部位における前
記第2の面に設けられ、光源からの第2の光束を回折し
て導光板内に出射する第3の光学部材と、導光板の他の
部位に設けられ、導光板内を伝達された光束を回折して
該導光板外へ出射する第2の光学部材とからなり、第1
および第3の光学部材の回折角は該第1および第3の光
学部材により回折された第1および第2の光束がそれぞ
れ第3および第1の光学部材に入射しない値に設定され
て、回折された第1および第2の光束が再回折されない
ように構成されているものとした。
【0021】
【作用】請求項1に記載の発明においては、第1の光学
部材により光源からの複数の光束が回折されて導光板内
に出射される。第1の光学部材の回折角は第1の光束が
第2の面で反射したあと第1の光学部材に再入射しない
よう設定されているからそのまま、導光板内を進行す
る。また、偏角手段が設けられ、回折された第2の光束
が第1の光学部材に再入射するとき再回折されない入射
角を持つように偏角されるから、第2の光束も、再回折
されて導光板外へ出射されることなく、導光板内を進行
する。これにより、より多くの光束が導光板内に取り込
められる。導光板内を進行した第1および第2の光束
は、第2の光学部材により回折されて導光板外へ出射さ
れる。
【0022】請求項3の発明では、偏角手段のかわり
に、第1の光学部材を複数の光束をそれぞれ異なる回折
角で出射するものとしてあるから、第2の光束が第2の
面で反射され当該第1の光学部材の第1の光束を回折す
る部位に再入射しても入射角が異なり再回折されない。
これにより、第1および第2の双方の光束が導光板内を
進行する。
【0023】請求項5のものでは、第1および第2の光
束に対応させてそれぞれ第1および第3の光学部材を設
け、各光学部材の回折角を回折された光束がそれぞれ他
方の光学部材に入射しない値に設定してあるから、第1
および第2の光束はそれぞれ再回折されることなく、両
者とも導光板内を進行する。
【0024】
【実施例】以下、この発明を図面に基づいて説明する。
図1、図2は車両用の灯具に適用した本発明の第1の実
施例の分解斜視図と車両上のレイアウト図である。導光
板10がその下部を発砲ウレタンなど軟性材料の緩衝材
4を介して覆う金属または樹脂性の遮光カバー3と光源
ユニット2に挟まれてネジ6で結合されている。光源ユ
ニット2は、内部光源からの光を図示しない色フィルタ
により特定波長にフィルタリングした光束を出力する。
【0025】導光板10の下部には第1の光学部材とし
て入射用の透過型体積ホログラム20が設けられ、また
導光板10の片面が偏角手段としてのクサビ面13に形
成されている。 上部には互いに対向する面に第2の光
学部材として外部出力用の反射型体積ホログラム15お
よび透過型体積ホログラム16とが設けられている。ま
た、導光板20の周縁端面には遮光層5が設けられる。
【0026】車両のリアウインドウ70とリアシート7
4間に、リアパーセルシェルフ71が、車体パネル73
に化粧板72を被せて形成されている。リアパーセルシ
ェルフ71上には、上記一体化された導光板10と光源
ユニット2とのアセンブリが、外部出力用の透過型体積
ホログラム16を上方かつ車両外部後方に向けて、光源
カバー75を介してファスナー76により化粧板72を
貫通して車体パネル73に固定される。
【0027】図3は導光板10の詳細断面を示す。 導
光板10の下部において、片側の面11に透過型体積ホ
ログラム20が設けられている。そして、導光板10は
この透過型体積ホログラム20が設けられた面11に対
して、図中点Rより上側部分に厚さdの平行面12を有
し、点Rから下端へ向けて傾斜角θkで厚さが増大する
方向に傾斜するクサビ面13を有している。
【0028】図示省略した光源からは、色フィルタによ
り波長λxとされた光束Lが出力され、光束Lは透過型
体積ホログラム20に入射角θinで入射されるように
なっている。透過型体積ホログラム20は入射角θin
で入射する波長λxの光束を回折して、出射角θrで出
射する。なお、空気と透過型体積ホログラム20の界
面、ならびに導光板10と透過型体積ホログラム20の
界面での各々の屈折率差によって生じる光線の屈折は生
じないものとする。
【0029】透過型体積ホログラム20の線上、点Rを
通る回折光を出射する点をBとする。透過型体積ホログ
ラム20の上端Aは、点Rから透過型体積ホログラム2
0が設けられた面11におろした垂線の足をR’とし
て、A〜R’間の長さh1(AR’)がR’〜B間の長
さh1(R’B)と同等に設定されている。すなわち、 h1(AR’)=h1(R’B)=d・tanθr とされる。また、透過型体積ホログラム20の下端をC
とするとき、B〜C間の長さh2は、
【数1】 となる。
【0030】入射光束Lを透過型体積ホログラム20の
A〜B部分に入射する光束αと、B〜C部分に入射する
光束βとに分ける。光束αは、透過型体積ホログラム2
0により出射角θrで導光板10内に取り込まれ、導光
板10の透過型体積ホログラム20が設けられた面と対
向する平行面12に向かう。この平行面12で出射角と
同じ反射角θrで反射されたあとは、透過型体積ホログ
ラム20の上端Aより外側に到達し、透過型体積ホログ
ラム20に再入射することがないので、そのまま反射角
θrでの反射を繰り返して導光板10内を上部方向へ進
行する。
【0031】透過型体積ホログラム20のB〜C部分に
入った光束βは、出射角θrで導光板10内に出射さ
れ、導光板のクサビ面13の傾斜角θkで偏角され、入
射角[θr−2・θk]をもって透過型体積ホログラム
20に再入射する。図4は、光束β中の光線mが透過型
体積ホログラム20に再入射する部分を拡大して示す。
光線mが導光板10側から透過型体積ホログラム20
に再入射するときには、回折条件が成立しないため、回
折されずに透過型体積ホログラム20中を進行して該透
過型体積ホログラムの他方の表面21に至る。
【0032】光線mはここで反射し、透過型体積ホログ
ラム20のセグメント界面sに再々入射するが、このと
きの入射角θr1(=θr−2・θk)はホログラムの
回折条件が成立する入射角θrとは2・θk分だけずれ
ているため、光線mは回折されない。この結果、光線m
は導光板10内を反射角θr1(=θr−2・θk)で
進行する。なお光束βの一部は平行面12で反射した
後、再度透過型体積ホログラム20に入射するが、この
ときも入射角がθr1であるため回折されず、そのまま
導光板10内の反射を繰り返して進行する。
【0033】上記の回折条件が成立しないために必要な
2・θkの値は、屈折率分布型の透過型体積ホログラム
の場合では、該ホログラムの膜厚およびホログラム中の
最大屈折率差、入射角θin、出射角θoutすなわち
θrにより相違するが、多くは2・θkとして5°程度
あれば充分である。
【0034】導光板10の上部には、第2の光学部材と
して、片側の面11に反射型体積ホログラム15、およ
び平行面12に透過型体積ホログラム16の2つのホロ
グラムが設けられている。これらのホログラムは導光板
10を下部から進行してくる光束に対応させて回折条件
を設定してある。すなわち、透過型体積ホログラム16
は入射角θrで入射する波長λxの光を回折して所定の
出射角θsで出射する。反射型体積ホログラム15は入
射角θr1で入射する波長λxの光を反射回折して出射
角θsで出射する。
【0035】これにより、導光板10内を両面間で反射
を繰り返しながら進行してきた光束は、その光束αが上
記透過型体積ホログラム16に入射し、光束βが反射型
体積ホログラム15に入射する。光束α、βはそれぞれ
透過型体積ホログラム16および反射型体積ホログラム
15の回折条件に合致するから、これらのホログラムに
より同方向に出射される。この際、反射型体積ホログラ
ム15から出射される光束βは透過型体積ホログラム1
6の回折条件には合わないため回折されることなく透過
型体積ホログラム16を通過して外部へ出力されること
になる。
【0036】以上のように、光源から出射され透過型体
積ホログラム20のA〜B、B〜Cの2部分に入る光束
α、βの双方ともが導光板10内に取り込まれ進行する
こととなる。 従来例におけるホログラムの高さに相当
するh1に加え、h2に対応する面積の光束を受光する
ことができ、ほぼ倍増した受光量が得られる。このた
め、導光板の上部出射用の体積ホログラムを経て出力さ
れる表示の明るさが向上し、光源の小型化が可能にな
り、したがってまた、光源の低消費電力化ならびに光源
の低発熱化などの効果が得られる。
【0037】図5は、導光板のクサビ面の傾斜方向を変
えた第2の実施例を示す。導光板10’の下部において
その片側の面11に第1の光学部材としての透過型体積
ホログラム20’が設けられている。そして、導光板1
0’は厚さdでこの面11と対向する平行面12と、点
Rから下端へ向けて傾斜角θk2で厚さが低減する方向
に傾斜するクサビ面13’とを有している。
【0038】前実施例と同じく透過型体積ホログラム2
0’の線上、点Rを通る回折光を出射する点をBとし、
点Rから透過型体積ホログラムが設けられた面11にお
ろした垂線の足をR’として、透過型体積ホログラム2
0’の上端Aは、A〜R’間の長さh1(AR’)が
R’〜B間の長さh1(R’B)と同等となる点に設定
されている。すなわち、 h1(AR’)=h1(R’B)=d・tanθr とされる。また、点Bと透過型体積ホログラム20’の
下端C2間の長さh2’は、
【数2】 に設定されている。その他の構成は、前実施例と同じで
ある。
【0039】ここで入射光束L’を透過型体積ホログラ
ム20’のA〜B部分に入射する光束αと、B〜C2部
分に入射する光束β2とに分ける。光束αは、導光板1
0’の透過型体積ホログラム20’が設けられた面11
と対向する平行面12で出射角と同じ反射角θrで反射
されたあとは、透過型体積ホログラム20’の上端Aよ
り外側に到達し、透過型体積ホログラム20’に再入射
することがないので、そのまま反射角θrでの反射を繰
り返して導光板10’内を上部方向へ進行する。
【0040】透過型体積ホログラム20’のB〜C2部
分に入った光束β2は、出射角θrで導光板10’内に
出射されるが、導光板のクサビ面13’の傾斜角θk2
で偏角され、入射角θr2(=θr+2・θk2)をも
って透過型体積ホログラム20’に再入射する。光束β
2中の光線m2は、この2・θk2のずれのため前実施
例におけると同様回折条件が成立せず、導光板10’側
から透過型体積ホログラム20’に再入射するとき、ま
た同透過型体積ホログラムの他方の表面で反射し透過型
体積ホログラムのセグメント界面に再々入射するとき
に、回折されない。
【0041】この結果、光線m2は導光板10’内を反
射角θr2(=θr+2・θk2)で進行する。なお光
束β2の一部は平行面12で反射した後、再度透過型体
積ホログラム20’に入射するが、このときも入射角が
θr2であるため回折されず、そのまま導光板10’内
の反射を繰り返して進行する。
【0042】この実施例では、2・θkを5°とし、d
=5(mm)とするとき、θr2=70°で、再度透過
型体積ホログラム20’の上下幅は、 H=h1+h2’=27.5+21.4=48.9(m
m) となる。これにより、光源から出射され透過型体積ホロ
グラム20’の2部分に入る光束α、β2の双方ともが
導光板10’内に入射され進行することとなる。したが
って、従来例におけるホログラムの高さに相当するh1
に加え、h2’に対応する面積の光束を受光することが
でき、第1の実施例と同じく、大幅に増大した受光量が
得られる。
【0043】図6は発明の第3の実施例を示す。 この
実施例においては、光源からの光束の一部を偏光する手
段として、クサビ面のかわりに反射型体積ホログラムが
用いられている。すなわち、導光板30の入射用透過型
体積ホログラム20が設けられている面31とこの面と
対向する面32とは厚さdだけ離れた平行面となってい
る。そして、面32上に反射型体積ホログラム40が設
けられる。透過型体積ホログラム20は入射角θinで
入射する波長λxの光束を、出射角θrで回折して出射
する。反射型体積ホログラム40は入射角θrで入射す
る波長λxの光を出射角θr1(=θr−θk)で反射
回折する特性を有している。
【0044】反射型体積ホログラム40の下端Eは、透
過型体積ホログラム20の下端点Cに入射する光束の最
下端の光線の当該透過型体積ホログラム20による回折
光mLを受ける高さに設定されている。上端Dは上記光
線mLが反射型体積ホログラム40により出射角θr1
で反射回折されたあと導光板の透過型体積ホログラム2
0が設けられた面31で再反射された光が対向する面3
2に入射する高さに設定されている。この上端Dの位置
は第1の実施例における点Rに対応している。その他の
構成は、上述の第1の実施例と同じである。
【0045】ここで、前述と同様、入射光束Lを透過型
体積ホログラム20のA〜B部分に入射する光束αと、
B〜C部分に入射する光束βとに分ける。光束αは、導
光板30の透過型体積ホログラム20が設けられた面と
対向する面32で出射角と同じ反射角θrで反射された
あとは、透過型体積ホログラム20の上端Aより外側に
到達し、透過型体積ホログラム20に再入射することが
ないので、そのまま反射角θrでの反射を繰り返して導
光板30内を上部方向へ進行する。
【0046】透過型体積ホログラム20のB〜C部分に
入った光束βは、出射角θrで導光板30内に出射され
るが、対向面の反射型体積ホログラム40によって偏角
され、入射角θr1(=θr−θk)をもって透過型体
積ホログラム20に再入射する。光束β中の光線m3
は、このθkのずれのため前実施例におけると同様回折
条件が成立せず、導光板30側から透過型体積ホログラ
ム20に再入射するとき、また透過型体積ホログラム2
0の他方の表面で反射し同透過型体積ホログラムのセグ
メント界面に再々入射するときに、回折されない。
【0047】この結果、光線m3は導光板30内を反射
角θr1で進行する。したがって、光源から出射され透
過型体積ホログラム20のA〜B、B〜Cの2部分に入
る光束α、βの双方ともが導光板30内に取り込まれ進
行することとなり、従来例に比べほぼ倍増した受光量が
得られ、第1の実施例と同じ効果が得られる。
【0048】図7は、本発明の第4の実施例を示し、2
つの入射用光学部材を隣接して並べたものである。上部
に図示省略した出射用透過型ホログラムが設けられた導
光板30は反射する両面31、32が互いに平行で厚さ
dとされ、下部においてその片側の面31上に第1およ
び第3の光学部材としての透過型体積ホログラム23お
よび24が取り付けられている。
【0049】透過型体積ホログラム23および24は上
下方向に連続して配置され、それぞれ導光板面沿いの長
さ、すなわち高さ寸法h3、h4を有する。透過型体積
ホログラム23は、入射角θinで入射する波長λxの
光束を回折して、出射角θrで出射する。透過型体積ホ
ログラム24は、入射角θinで入射する波長λxの光
束を回折して、出射角θr4で出射する。
【0050】透過型体積ホログラム23、24の高さh
3、h4は、それぞれその透過型体積ホログラムで回折
されたあと対向する面32で反射された光束が同一透過
型体積ホログラムに入射しないよう、 h3=2・d・tanθr h4=2・d・tanθr4 に設定されている。図示しない色フィルタを備える光源
から波長λxの平行光束L4が出力され、光束L4は透
過型体積ホログラム23、24に入射角θinで入射さ
れるようになっている。その他の構成は第1の実施例と
同様である。
【0051】上記光束のうち、透過型体積ホログラム2
3に入射する光束α4は、同透過型体積ホログラムによ
り出射角θrで導光板30内に出射され、透過型体積ホ
ログラム23に再入射することがないから、その出射角
と同じ反射角θrで導光板30内を進行する。透過型体
積ホログラム24に入射した光束β4は、同透過型体積
ホログラムにより出射角θr4で導光板30内に出射さ
れ、導光板の対向面32で1回反射されて入射角θr4
で隣接の透過型体積ホログラム23に入射する。
【0052】光束β4は、図8に拡大して示されるよう
に、その光線m4が導光板30側から透過型体積ホログ
ラム23に入射するときには、回折条件が成立しないた
め、回折されずに透過型体積ホログラム23内に進行す
る。そして、透過型体積ホログラム23の表面23aで
反射して透過型体積ホログラム23のセグメント界面2
3sに向かう。このときの入射角θr4は、透過型体積
ホログラム23の回折条件が成立する入射角θrとは異
なるため、光線m4は透過型体積ホログラム23で回折
されない。したがって、光線m4は導光板30内を反射
角θr4で進行することになる。
【0053】以上により、隣接する2つの透過型体積ホ
ログラム23、24に入射する光束が双方とも導光板3
0内に取り込まれ、導光板上部の出射用体積ホログラム
へ向けて進行する。ここで、θrとθr4の差は5°程
度あれば充分であるから、d=5(mm)、θr=70
°、θr4=65°として計算すると、両透過型体積ホ
ログラムの上下幅合計として、 H=h3+h4=27.5+21.4=48.9(m
m) が得られる。これにより、前述の各実施例と同様の効果
が得られる。
【0054】次に、図9には第5の実施例が示される。
この実施例では、入射用の第1の光学部材として、図
10で示すような回折による出射角度が変化する特性を
持つ透過型体積ホログラムが用いられる。上部に図示省
略した出射用透過型ホログラムが設けられた導光板30
は反射する両面31、32が互いに平行で厚さdとさ
れ、下部においてその片側の面31上に入射用透過型体
積ホログラム25が設けられている。図示しない色フィ
ルタを備える光源からは波長λxの平行光束L5が出力
され、光束L5は透過型体積ホログラム25に入射角θ
inで入射されるようになっている。
【0055】図10は、この透過型体積ホログラム25
の光線入射位置に対する出射角の関係を示す。すなわ
ち、波長λxの光束が入射角θinで入射するとき、透
過型体積ホログラムの上端A5に入射する光線mUは回
折されて出射角θrで出射され、下端C5に入射する光
線mL5は出射角θr5で出射される。透過型体積ホロ
グラム25の上端A5から下端C5の間に入射する光線
の、回折による出射角はθrからθr5まで緩やかに変
化している。なお、このような特性を持つ透過型体積ホ
ログラム25は、透過型体積ホログラムを露光製作する
際に用いる再生光として、発散光を使用するなどの製作
手法が公知であり、容易に製作できる。その他の構成は
第1の実施例と同様である。
【0056】図9に戻って、光源から出射される光束L
5が入射角θinで透過型体積ホログラム25に入射す
ると、その上端A5に入射した光線mU5は透過型体積
ホログラム25により出射角θrで導光板30内に出射
される。この光線mU5は透過型体積ホログラム25に
再入射することはないから、そのまま出射角と同一の反
射角θrで導光板30内を進行する。
【0057】透過型体積ホログラム25の下端C5に入
射した光線mL5は、出射角θr5で導光板30内に出
射され、導光板の対向する面32で1回反射したのち、
出射角と同じ入射角θr5をもって透過型体積ホログラ
ム25に再入射する。この再入射位置をXとして、この
位置Xにおいて回折条件が成立する入射角θrxと光線
mL5の入射角θr5とは一致しないので、光線mL5
は透過型体積ホログラム25によって回折されない。こ
れにより、光線mL5は導光板30内を反射角θr5で
進行する。
【0058】ここで回折条件が成立しないために必要な
θr5とθrxとの差は、前述の各実施例と同様、5°
程度以上あればよい。したがってこの実施例によって
も、光源から出射される上下にわたって幅広い光束が導
光板内に取り込まれ、導光板上部の出射用体積ホログラ
ムへ向けて進行するから、これにより、前述の各実施例
と同様の効果が得られる。
【0059】図11は、とくに光源にフィラメントバル
ブが用いられているものに適用した第6の実施例を示
す。上部に図示省略した第2の光学部材としての出射用
透過型ホログラムが設けられた導光板30は反射する両
面31、32が互いに平行とされ、下部においてその片
側の面31上に第1の光学部材としての入射用の透過型
体積ホログラム26が設けられている。そしてこれと対
向する面32には第3の光学部材として入射用の反射型
体積ホログラム46が設けられている。
【0060】透過型体積ホログラム26の外側にはこれ
と対向してフィラメントバルブ52を有する光源51が
配置され、光源51は放物線反射鏡53と色フィルタ5
4を備えて波長λxの平行光束α6を透過型体積ホログ
ラム26に向けて垂直に出射する。
【0061】透過型体積ホログラム26は、フィラメン
ト52a位置を点光源位置とする波長λxの光を回折し
て、出射角θrで出射するように設定されている。反射
型体積ホログラム46は、入射角0°で入射する波長λ
xの光を出射角θrで反射回折する。体積ホログラム2
6、46のそれぞれ導光板面沿いの長さは、すなわち上
下幅は、体積ホログラム26、46の最下端C6、E6
で回折出射された光線nL6、mL6が対向する体積ホ
ログラム46、26の上端D6、A6より上に到達する
ように設定され、また、光源51からの平行光束α6の
上下幅もこれら体積ホログラムと同一に設定されてい
る。
【0062】以上の構成により、フィラメントバルブ5
2からの直射分、すなわちフィラメント位置を点光源位
置とする光束β6の光線n6は、透過型体積ホログラム
26によりその上下全幅にわたり出射角θrで導光板3
0内に入射される。一方、光源からの平行光束α6は、
フィラメントバルブ52に対応する中心位置近傍を除い
て、透過型体積ホログラム26の回折条件が成立する入
射角とは異なる入射角となっているから、透過型体積ホ
ログラム26では回折されずそのまま反射型の体積ホロ
グラム46に向けて直進する。直進して体積ホログラム
46に入射した平行光束α6の光線m6はここで出射角
θrで反射回折される。
【0063】体積ホログラム26または46で1回回折
された上記光線n6およびm6は、それぞれ対向する体
積ホログラム46、26に入射することなく上方へ向か
うから、これらは導光板30の両面31、32間を反射
角θrで反射を繰り返しながら進行して行く。
【0064】以上のように、この実施例によれば、光源
から出射される平行光束とフィラメント位置を点光源位
置とする光束との2種の光束が導光板内に取り込まれ、
導光板上部の出射用体積ホログラムへ向けて進行する。
これにより、大幅に増大した受光量が得られる。そして
とくに上記2種の光束は、互いに重合して同一の上下幅
をもったエリアから導光板内に取り込まれるから、光源
および該光源と導光板との結合部分がより一層小型に出
来る利点を有する。
【0065】図12には、第7の実施例が示される。こ
れは、光源に2個のLEDを用いたものである。導光板
30の下部において、片側の面31上に第1の光学部材
として入射用の透過型体積ホログラム27が設けられ、
これと対向する面32には第2の光学部材として入射用
の反射型体積ホログラム47が設けられている。体積ホ
ログラム27、47に向けてそれぞれ波長λyの光束α
7、β7を出力する第1および第2のLED61、62
が上下に配置されている。
【0066】透過型体積ホログラム27は、第1のLE
D61の位置を点光源位置とする波長λyの光を回折し
て出射角θrで出射する。反射型体積ホログラム47
は、第2のLED62の位置を点光源位置とする波長λ
yの光を出射角θrで反射回折する。なお、上記の波長
λyは用いられるLEDによって決定される。体積ホロ
グラム27、47の導光板面沿いの長さは、それぞれの
体積ホログラムの最下端C7、E7で回折出射された光
線mL7、nL7が対向する体積ホログラム47、27
の上端D7、A7より上に到達するように設定されてい
る。その他の構成は第6の実施例と同様である。
【0067】以上の構成により、第1のLED61から
の光束α7の光線m7は、透過型体積ホログラム27に
よりその上下全幅にわたり出射角θrで導光板30内に
入射される。一方、第2のLED62からの光束β7
は、その光線n7の透過型体積ホログラム27に対する
入射角が第1のLED61と光源位置が異なるため透過
型体積ホログラム27の回折条件が成立する入射角とは
相違しているので、透過型体積ホログラム27では回折
されず、そのまま反射型の体積ホログラム47に向けて
直進する。直進して体積ホログラム47に入射した光束
β7の光線n7は、ここで出射角θrで反射回折され
る。
【0068】体積ホログラム27または47で1回回折
された上記光線m7およびn7は、それぞれ対向する体
積ホログラム47、27に入射することなく上方へ向か
うから、これらは導光板30の両面31、32間を反射
角θrで反射を繰り返しながら進行して行く。
【0069】この実施例によれば、2つの光源から出射
される光束が双方とも干渉なく導光板内に取り込まれ、
導光板上部の出射用体積ホログラムへ向けて進行する。
これにより、大幅に増大した受光量をもって表示が行な
われ、前実施例と同様の効果が得られる。さらにこの実
施例では、光源にLEDを用いているから、これを2個
並べてもコンパクトにできかつ電力消費と発熱が小さい
という効果がある。
【0070】図13は、発明の第8の実施例を示す。
この実施例は前述第6の実施例の変形例であり、光源の
色フィルタとして2つの波長の光束を透過させるものを
用い、あわせて、導光板の両面に設けられる第1および
第3の光学部材をそれぞれ上記2つの波長に対応させた
2枚組みのホログラムとしたものである。すなわちここ
では、第1の光学部材として透過型の体積ホログラム2
8と29が重ねて設けられ、これらはそれぞれフィラメ
ントバルブ52のフィラメント位置を点光源位置とする
波長λz1、λz2の光束を回折して出射角θrで出射
する。
【0071】また、第3の光学部材として反射型の体積
ホログラム48と49が重ねて設けられ、これらはそれ
ぞれ入射角0°で入射する波長λz1、λz2の光束を
出射角θrで反射回折する。とくに図示しないが、導光
板30の上部に設けられる出射用の第2の光学部材も、
入射用と同じく上記2種の波長λz1、λz2の光束に
対応するホログラムが組み合わされる。その他の構成は
第6の実施例と同じである。
【0072】各体積ホログラム28、29および48
は、波長を含めた回折条件が成立しない光束に対しては
これを回折せずそのまま通過させるから、各波長の平行
光束およびフィラメントバルブからの直射分光束はそれ
ぞれに対応させた入射用体積ホログラムに到達して入射
される。そして、一の体積ホログラムで回折された光束
は他の体積ホログラムで阻害されることなく直進して、
第6の実施例におけると同様に、反射角θrで導光板3
0内を反射を繰り返して進行し、上部の出射用体積ホロ
グラムにより導光板外部へ出射される。本実施例では、
以上のように波長を含め4種の光束が導光板内に取り込
まれるから、より一層明かるい表示が得られる。
【0073】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、導光板の第1
の面に設けた光の回折現象を有する第1の光学部材によ
り光源からの光を導光板に入射し光源から離間した部位
から出射するようにした表示装置において、光源が少な
くとも第1および第2に分類される複数の光束を出力す
るものとし、第1の光学部材の回折角は回折した第1の
光束が対向する第2の面で反射したあと第1の光学部材
に再入射しないよう設定する一方、回折された第2の光
束を偏角手段により偏角して第1の光学部材に再入射す
るとき再回折されないようにしたから、第1および第2
の光束双方がそのまま、導光板内を進行する。これによ
り、従来例において導光板に取り込まれる光束に相当す
る第1の光束に加え、第2の光束分だけさらに多くの光
束が導光板内に取り込められる。
【0074】このため、ワット数の大きなランプを光源
として用いなくとも、小型の光源で十分の光量が取り込
めて明かるい表示が確保され、あわせて光源の低消費電
力化ならびに光源の低発熱化などの効果が得られる。と
くに図3の実施例では、偏角手段として導光板に傾斜面
のクサビ面を形成するだけで光源からの入射面積を広げ
ることができるという利点がある。
【0075】また、上記偏角手段のかわりに、第1の光
学部材を複数の光束をそれぞれ異なる回折角で出射する
ものとしたものでは、第2の光束が第2の面で反射され
当該第1の光学部材の第1の光束を回折する部位に再入
射しても入射角が異なり再回折されないので、これによ
っても第1および第2の双方の光束が導光板内を進行す
ることとなり、上記と同様の効果が得られる。そしてこ
の場合にとくに、導光板へのクサビ面などの形成が不要
なので、単純形状の導光板で足りるという利点がある。
【0076】さらに、第1および第2の光束に対応させ
てそれぞれ導光板の第1の面、第2の面に第1および第
3の光学部材を設け、各光学部材の回折角を回折された
光束がそれぞれ他方の光学部材に入射しない値に設定す
るようにしたものでも、第1および第2の光束がそれぞ
れ再回折されることなく、両者とも導光板内を進行する
ので、同様に光源の小型化、低消費電力化ならびに光源
の低発熱化などの効果が得られる。そして、第1および
第3の光学部材を導光板の第1、第2の面に分けて設け
てあるから、光源方向に対して重ねて配置することがで
き、受光面積を小さく抑さえながら多量の光量が取り込
めるという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の分解斜視図である。
【図2】実施例の車両上のレイアウトを示す図である。
【図3】実施例における導光板の詳細を示す断面図であ
る。
【図4】導光板内の光線の体積ホログラム再入射部分を
示す拡大図である。
【図5】発明の第2の実施例を示す図である。
【図6】第3の実施例を示す図である。
【図7】第4の実施例を示す図である。
【図8】導光板内の光線の体積ホログラム再入射部分を
示す拡大図である。
【図9】第5の実施例を示す図である。
【図10】体積ホログラムの光線入射位置に対する出射
角の関係を示す特性図である。
【図11】第6の実施例を示す図である。
【図12】第75の実施例を示す図である。
【図13】第8の実施例を示す図である。
【図14】体積ホログラムの回折原理を示す説明図であ
る。
【図15】表示装置の自動車のハイマウントストップラ
ンプへの適用例を示す図である。
【図16】体積ホログラムの逆方向入射に対する回折状
況を示す説明図である。
【図17】体積ホログラムにおける入射面積の制約を示
す説明図である。
【図18】制約された光束の最大高さを示す図である。
【図19】フィラメントバルブを用いた光源を示す図で
ある。
【符号の説明】
2 光源ユニット 3 遮光カバー 4 緩衝材 5 遮光層 6 ネジ 10、10’ 導光板 11 面 12 平行面 13、13’ クサビ面 15 反射型体積ホログラム 16 透過型体積ホログラム 20、20’ 透過型体積ホログラム 23、24、25、26、27,28,29 透
過型体積ホログラム 23s セグメント界面 30 導光板 31、32 面 40、46、47、48、49 反射型体積ホログ
ラム 51 光源 52 フィラメントバルブ 52a フィラメント 53 放物線反射鏡 54 色フィルタ 61、62 LED 70 リアウインドウ 71 リアパーセルシェルフ 72 化粧板 73 車体パネル 74 リアシート 75 光源カバー 76 ファスナー 77 車室 78 トランク 80 導光板 82、83 透過型体積ホログラム 85 光源 91 放物面反射鏡 92 色フィルタ F フィラメント L 光束 θin 入射角 θout 出射角 θr 出射角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂田 雅男 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも第1および第2に分類される
    複数の光束を出力する光源と、互いに対向する第1およ
    び第2の面を有する導光板と、該導光板の一の部位にお
    ける前記第1の面に設けられ、光源からの前記複数の光
    束を回折して前記導光板内に出射する第1の光学部材
    と、前記導光板の他の部位に設けられ、導光板内を伝達
    された光束を回折して該導光板外へ出射する第2の光学
    部材と、前記導光板内に出射された光束のうち前記第2
    の光束を偏角する偏角手段とからなり、前記第1の光学
    部材は、その回折角が前記出射された光束のうち第2の
    面で反射した前記第1の光束が当該第1の光学部材に再
    入射しないよう設定され、前記偏角手段は、前記回折さ
    れた第2の光束が前記第1の光学部材に再入射するとき
    再回折されない入射角を持つように偏角するように構成
    されたことを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】 前記偏角手段が、前記導光板の第2の面
    のうち前記導光板内に出射された第2の光束が入射する
    部位を前記第1の面に対して傾斜させた面からなること
    を特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも第1および第2に分類される
    複数の光束を出力する光源と、互いに対向する第1およ
    び第2の面を有する導光板と、該導光板の一の部位にお
    ける前記第1の面に設けられ、光源からの前記複数の光
    束を回折して前記導光板内に出射する第1の光学部材
    と、前記導光板の他の部位に設けられ、導光板内を伝達
    された光束を回折して該導光板外へ出射する第2の光学
    部材とを備え、前記第1の光学部材は、前記複数の光束
    をそれぞれ異なる回折角で出射するものとして、第1の
    光束に対する回折角は前記第2の面で反射した該第1の
    光束が当該第1の光学部材に再入射しないよう設定さ
    れ、第2の光束に対する回折角は前記第2の面で反射さ
    れ当該第1の光学部材に再入射するとき再回折されない
    入射角を持つように構成されたことを特徴とする表示装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1の光学部材は、前記複数の光束
    に対応して相異なる回折角を有し、前記第1の面にそっ
    て隣接して設けられた複数のホログラムからなることを
    特徴とする請求項3記載の表示装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも第1および第2に分類される
    複数の光束を出力する光源と、互いに対向する第1およ
    び第2の面を有する導光板と、該導光板の一の部位にお
    ける前記第1の面に設けられ、光源からの前記第1の光
    束を回折して前記導光板内に出射する第1の光学部材
    と、前記一の部位における前記第2の面に設けられ、光
    源からの前記第2の光束を回折して前記導光板内に出射
    する第3の光学部材と、前記導光板の他の部位に設けら
    れ、導光板内を伝達された光束を回折して該導光板外へ
    出射する第2の光学部材とからなり、前記第1および第
    3の光学部材の回折角は該第1および第3の光学部材に
    より回折された前記第1および第2の光束がそれぞれ第
    3および第1の光学部材に入射しない値に設定されて、
    回折された前記第1および第2の光束が再回折されない
    ように構成されたことを特徴とする表示装置。
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