JPH0624127U - 床パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建物の既築、新築を問わず、またフリーアク
セスフロアの既設、増設の如何に拘らず、その一部又は
全部に所望のレイアウトで簡単に施工でき、かつ熱効率
の高い床暖房機能を併有可能な床パネルを提供すること
を目的とする。 【構成】 床面に敷設してフリーアクセスフロアを構成
する床パネル１のプレート２の表面に、ヒータ６を埋め
込んで敷設するヒータ敷設溝（敷設路）５を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、床面に敷設してフリーアクセスフロアを構成する床暖房の可能な床 パネルに関するものである。

【０００２】

【従来技術とその課題】

現在、建物に利用されている床暖房には、図６に示すように、床面に打設した モルタルＭ中に配管Ｐを埋め込み、この配管Ｐ中に図示矢印の如く温水Ｗを流通 させる温水暖房が一般的である。

【０００３】 しかしながら、既存の温水床暖房では、施工が面倒で工費が嵩むことや、配管 をモルタル中に埋め込むため熱効率が悪いこと、さらに施工後における配管レイ アウトの変更が難しく既設の建物には対応できないことなどの難点、制約が見ら れる上に、温水床暖房が施された床面に床パネルを敷設して二重床に形成するい わゆるフリーアクセスフロアを採用した場合には、熱効率の悪化が著しくなり、 床暖房と建物のインテリジェント化に伴って指向される床面のフリーアクセス化 の要求とが相入れないものとなる。

【０００４】 本考案は、このような事情に鑑みて、建物の既築、新築を問わず、またフリー アクセスフロアの既設、増設の如何に拘らず、その一部又は全部に所望のレイア ウトで簡単に施工でき、かつ熱効率の高い床暖房機能を併有可能な床パネルを提 供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の目的を達成するための手段として、床面に敷設してフリーア クセスフロアを構成する床パネルのプレート表面もしくは表面近傍のプレート肉 厚内部に、ヒータを埋め込んで敷設するヒータ敷設路もしくはヒータ敷設面を設 けている。

【０００６】

【作用】

この床パネルでは、プレート表面側に設けられたヒータ敷設路もしくはヒータ 敷設面に線状或いは面状ヒータを埋め込んで敷設することにより、床面の一部又 は全部に簡単に床暖房を施工することができる。しかも、プレート表面側に敷設 されるヒータの発熱がその上に敷かれる上敷きを通して直接的に室内に伝わるた め熱効率も良好となる。

【０００７】

【実施例】

本考案の実施例を図面を参照して説明すると、図１と図２は本考案に係る床パ ネルを一部に組み込んで構成された床暖房機能を有するフリーアクセスフロアの 概要を示している。

【０００８】 床パネル１は、実施例の場合、図３に示すように平面正方形をなす外枠リブ２ Ａに格子リブ２Ｂ、２Ｃを等間隔で縦横に渡し、かつその表面側に補強リブ（図 示省略）を斜めに渡して構成される中空メッシュ構造のプレート（パネル本体） ２と、格子リブ２Ｂ、２Ｃにより囲まれる等寸の開口部３に任意の部位を選んで パネル裏面側から抜き差し自在に差し込まれる複数本の別体脚４とからなってい る。そして、プレート２の表面には、断面円弧形（その他、Ｕ形、Ｖ形等であっ てもよい）をなす複数条のヒータ敷設溝（敷設路）５が、各々外枠２Ａと格子リ ブ２Ｂ、２Ｃとに連続して縦横に設けられている。

【０００９】 この床パネル１を用いて床暖房を施工するときには、これを既設もしくは床面 に増設されるフリーアクセスフロアの所望部位に組み込んでから、プレート表面 に設けられているヒータ敷設溝５に任意の形状に曲折された線状ヒータ（電熱線 ）６をヒータ敷設溝５の筋道に沿って埋め込み（図３参照）、その上にタイルカ ーペットＣを敷くことにより、当該床パネル１を組み込んだ部分に簡単に床暖房 を実施することができるものとなる。なお、ヒータ６に接続されるコード７は、 例えば図２に示すように、タイルカーペットＣの接合部から上方に引き出し、コ ード７の途中に設けられる温度コントローラ８をヒータ敷設部の近傍でカーペッ ト上に上置きしてから、コードプラグ９を手近の専用床パネル１ａに設けられて いるアップコンセント１０に差し込むなどして電源と接続されることになる（コ ード７の電源接続はその他種々に変更できる）。

【００１０】 従って、この床パネル１を使用すれば、フリーアクセスフロアの所望部位を選 んできわめて簡単に床暖房を実施することができ、しかもプレート表面のヒータ 敷設溝５に埋め込まれた線状ヒータ６の発熱がその上に敷かれるカーペットＣを 通して直接的に室内に伝わるため熱効率も非常に高い。

【００１１】 そして、この床パネル１を用いた床暖房の特徴として、建物の既築、新築を問 わず、またフリーアクセスフロアの既設、増設の如何に拘らず適用でき、例えば 既設のフリーアクセスフロアに適用する場合には、必要な部分のみを本床パネル で置換すれば足り、ヒータの着脱やヒータ付きパネルユニットの取替、移動も至 って簡単に行える。

【００１２】 また、この床パネル１を利用した場合の利点として、室内の座席レイアウト等 に応じて自由に部分床暖房が行えることが挙げられ、図１及び図２に示す実施例 は、机の下のような限定された部分に床暖房を実施する場合の形態を図示してい る。もっとも、室内の床面全域に適用することも勿論自由である。その他、実施 例に示すように、プレート２を格子体のメッシュ構造とし、これに別体脚４を任 意の部分に差し込める構造のパネル構造を採用すれば、ヒータ敷設溝５を切欠す ることに伴うプレート強度の局部的な不足を、図１（Ｂ）に示す如く、補助脚４ Ａを当該部分に差し込んで追加することによって簡単に解決できるし、また、既 設のフリーアクセスフロアに適用する場合でのパネル高さの相違を別体脚４の高 さを変更することで簡単に調整できるなどの利便が得られるものとなる。

【００１３】 図４と図５は本考案に係る床パネルの他の実施例を示している。図４は、床パ ネルのプレート表面に敷設するヒータに、前記の線状ヒータ６に代えて、電熱線 もしくは発熱抵抗体がその内部に埋め込まれた可撓シートよりなる面状ヒータ６ Ａを使用する場合を示している。７Ａは面状ヒータ６Ａに接続される電源接続コ ードを示す。この場合、面状ヒータ６Ａはプレート２（外枠２Ａ及び格子リブ２ Ｂ、２Ｃ）の表面に設けられたフラットなヒータ敷設面５Ａの上に重ね合せるよ うにして敷設される。

【００１４】 また、図５はプレート２が中空のメッシュ構造ではなく、少なくとも表面側が ある肉厚を有する中実の板状部材で形成される床パネル１Ａへの適用例を示し、 この場合には、プレート表面に前記溝５を設けるのに代えて、プレート表面近傍 のプレート肉厚内部に、線状ヒータ６を敷設するためのヒータ敷設路として横穴 ５Ｂを穿設し、この貫通穴５Ｂに線状ヒータ６を挿通させている。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように、本考案の床パネルには予めプレート表面側にヒータを敷設する ためのヒータ敷設路乃至敷設面が設けられ、その上にヒータを埋め込んで敷設で きるようになっているため、建物の既築、新築を問わず、フリーアクセスフロア の既設、増設の如何に拘らず、床面の一部又は全部に簡単に床暖房を施工するこ とができ、しかもプレート表面側に敷設されるヒータの発熱がその上に敷かれる 上敷きを通して直接的に室内に伝わるため熱効率の高い床暖房が実現されるもの となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の床パネルを用いたフリーアクセスフロ
ア一部の概要を示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は（Ａ）
のＸ−Ｘ線矢視断面図である。

【図２】実施例の床パネルを用いた部分暖房フリーアク
セスフロアの概要を示す側断面図である。

【図３】実施例の床パネルをヒータと分離した状態で示
す斜視図である。

【図４】他の実施例を示す床パネルとヒータとの分離斜
視図である。

【図５】他の実施例を示す床パネルの側断面図である。

【図６】従来の床暖房施工例を示す断面図である。

【符号の説明】

１、１Ａ 床パネル ２ プレート ２Ａ 外枠リブ ２Ｂ、２Ｃ 格子リブ ３ 開口部 ４、４Ａ 別体脚 ５ ヒータ敷設溝 ５Ａ ヒータ敷設面 ５Ｂ ヒータ敷設穴 ６ 線状ヒータ（電熱線） ６Ａ 面状ヒータ ７、７Ａコード ８ 温度コントローラ ９ コードプラグ １０ アップコンセント Ｃ タイルカーペット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プレート表面もしくは表面近傍のプレー
   ト肉厚内部に、ヒータを埋め込んで敷設するヒータ敷設
   路もしくはヒータ敷設面を設けたことを特徴とする床パ
   ネル。