JPH06241049A - 副室式エンジン - Google Patents
副室式エンジンInfo
- Publication number
- JPH06241049A JPH06241049A JP5046175A JP4617593A JPH06241049A JP H06241049 A JPH06241049 A JP H06241049A JP 5046175 A JP5046175 A JP 5046175A JP 4617593 A JP4617593 A JP 4617593A JP H06241049 A JPH06241049 A JP H06241049A
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- JP
- Japan
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- combustion chamber
- sub
- chamber
- communication port
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- Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、副燃焼室と主燃焼室との連絡口を
主燃焼室のスワール流と逆方向に形成し、主燃焼室への
噴流をシリンダ内のスワール流に乗せて新気との混合を
良好にする副室式エンジンを提供する。 【構成】 この副室式エンジンは、連絡口9を副燃焼室
中心の周方向に隔置して複数形成し、シリンダ軸に対し
て主燃焼室1側に形成されるスワール流の方向と逆方向
に周方向斜めに形成し、副燃焼室2からの噴出流を主燃
焼室1内のスワール流に順流になるようにし、主燃焼室
1内のスワール流を活用して噴出ガスと新気との混合を
促進し、且つ連絡口9の絞り損失を低減させる。主燃焼
室1への噴き出し距離を短くして主燃焼室での燃焼スピ
ードを速くし、NOX 、スモークの発生を低減する。
主燃焼室のスワール流と逆方向に形成し、主燃焼室への
噴流をシリンダ内のスワール流に乗せて新気との混合を
良好にする副室式エンジンを提供する。 【構成】 この副室式エンジンは、連絡口9を副燃焼室
中心の周方向に隔置して複数形成し、シリンダ軸に対し
て主燃焼室1側に形成されるスワール流の方向と逆方向
に周方向斜めに形成し、副燃焼室2からの噴出流を主燃
焼室1内のスワール流に順流になるようにし、主燃焼室
1内のスワール流を活用して噴出ガスと新気との混合を
促進し、且つ連絡口9の絞り損失を低減させる。主燃焼
室1への噴き出し距離を短くして主燃焼室での燃焼スピ
ードを速くし、NOX 、スモークの発生を低減する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主燃焼室、該主燃焼
室に連絡口で連通した副燃焼室及び副燃焼室に燃料を噴
射する燃料噴射ノズルを有する副室式エンジンに関す
る。
室に連絡口で連通した副燃焼室及び副燃焼室に燃料を噴
射する燃料噴射ノズルを有する副室式エンジンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンの燃焼改善を目的として
渦流室を持つ渦流室式エンジンが開発されている。この
ような渦流室式エンジンは、シリンダヘッドに形成した
渦流室、該渦流室とシリンダ側に形成した主室とを連通
する連絡口及び渦流室内に配置した燃料噴射ノズルを有
しており、連絡口を通じて渦流室に流入する渦流によっ
て渦流室内に噴射された燃料とで混合気を形成させてい
る。
渦流室を持つ渦流室式エンジンが開発されている。この
ような渦流室式エンジンは、シリンダヘッドに形成した
渦流室、該渦流室とシリンダ側に形成した主室とを連通
する連絡口及び渦流室内に配置した燃料噴射ノズルを有
しており、連絡口を通じて渦流室に流入する渦流によっ
て渦流室内に噴射された燃料とで混合気を形成させてい
る。
【0003】また、実開昭52−13204号公報には
副燃焼室の構造が開示されたものがある。該副燃焼室の
構造は、副燃焼室の口金の主噴孔にピストン頂部に取り
付け突棒が上死点付近で挿入されるものであり、前記突
棒が最上位にあるときの突棒頂面よりも上方位置にある
主噴孔を含む副燃焼室から口金を貫通して主燃焼室に開
口する複数の副噴孔を設けたものである。
副燃焼室の構造が開示されたものがある。該副燃焼室の
構造は、副燃焼室の口金の主噴孔にピストン頂部に取り
付け突棒が上死点付近で挿入されるものであり、前記突
棒が最上位にあるときの突棒頂面よりも上方位置にある
主噴孔を含む副燃焼室から口金を貫通して主燃焼室に開
口する複数の副噴孔を設けたものである。
【0004】また、従来ディーゼルエンジンの一例とし
て、実開昭54−53104号公報に開示されたものが
ある。該ディーゼルエンジンは、シリンダヘッドからシ
リンダ内に突設され、同シリンダ内を2室に仕切るとと
もに、ピストン頂部に形成されたキャビティ内に嵌脱自
在な囲壁、上記2室のうち上記囲壁内に形成された一方
の室に臨ませた燃料噴射ノズル、上記2室を連通すると
ともに機関の圧縮行程中に上記一方の室内にスワールを
発生させるよう上記囲壁に穿設された連通孔を有するも
のである。
て、実開昭54−53104号公報に開示されたものが
ある。該ディーゼルエンジンは、シリンダヘッドからシ
リンダ内に突設され、同シリンダ内を2室に仕切るとと
もに、ピストン頂部に形成されたキャビティ内に嵌脱自
在な囲壁、上記2室のうち上記囲壁内に形成された一方
の室に臨ませた燃料噴射ノズル、上記2室を連通すると
ともに機関の圧縮行程中に上記一方の室内にスワールを
発生させるよう上記囲壁に穿設された連通孔を有するも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、直噴式ディ
ーゼルエンジンは、副室式ディーゼルエンジンに比べて
熱効率に優れているため、多くのトラック、バス等の自
動車に使用されているが、NOX の生成量が多くなると
いう欠点を有している。一方、副室式ディーゼルエンジ
ンは、直噴式ディーゼルエンジンに比べて熱効率は劣る
が、NOX の生成量が少なくなるという長所を有してい
る。副室式エンジンが直噴式エンジンに比較して、熱効
率が劣るという最大の要因は、次のようなことに起因す
ると考えられる。即ち、(1)副室で一次燃焼した後、
火炎が主室と副室とを連通する連絡口を通って噴出して
二次燃焼をし、そのため、燃焼時間が長くなること、
(2)主室と副室とを連通する連絡口のしぼり損失が発
生すること、(3)副室内での空気流動が大きいため、
放熱損失が大きいこと等である。
ーゼルエンジンは、副室式ディーゼルエンジンに比べて
熱効率に優れているため、多くのトラック、バス等の自
動車に使用されているが、NOX の生成量が多くなると
いう欠点を有している。一方、副室式ディーゼルエンジ
ンは、直噴式ディーゼルエンジンに比べて熱効率は劣る
が、NOX の生成量が少なくなるという長所を有してい
る。副室式エンジンが直噴式エンジンに比較して、熱効
率が劣るという最大の要因は、次のようなことに起因す
ると考えられる。即ち、(1)副室で一次燃焼した後、
火炎が主室と副室とを連通する連絡口を通って噴出して
二次燃焼をし、そのため、燃焼時間が長くなること、
(2)主室と副室とを連通する連絡口のしぼり損失が発
生すること、(3)副室内での空気流動が大きいため、
放熱損失が大きいこと等である。
【0006】一般に、副室式エンジンでは、スワールチ
ャンバタイプのもので、副室容積比を52〜58%、副
室連絡孔面積比を1.2〜1.6%程度で、単噴孔ノズ
ルで燃焼の最適化を図っている。副室式燃焼室の燃料噴
霧と空気との混合は、圧縮行程で圧縮された空気が絞り
となる副室連絡口を通ることにより、空気の流速が増
し、これが混合気生成エネルギーとなり、燃料噴霧との
混合を促進していると考えられている。また、膨張行程
では副室での燃焼と副室連絡口の絞り効果により、燃焼
ガスの副室から主室への噴出エネルギーとなり、主室で
の燃焼を促進していると考えられている。このような副
室式エンジンでは、燃焼に重要な混合気生成エネルギ
ー、及び噴出エネルギーを副室連絡口の絞りにより形成
されているため、連絡口の通路面積を大きくすることが
できず、そのためポンプ損失が大きく、また、混合気生
成を激しい空気流動により得ているために、副室内の熱
伝導率が大きく、冷却水損失が大きくなっている。
ャンバタイプのもので、副室容積比を52〜58%、副
室連絡孔面積比を1.2〜1.6%程度で、単噴孔ノズ
ルで燃焼の最適化を図っている。副室式燃焼室の燃料噴
霧と空気との混合は、圧縮行程で圧縮された空気が絞り
となる副室連絡口を通ることにより、空気の流速が増
し、これが混合気生成エネルギーとなり、燃料噴霧との
混合を促進していると考えられている。また、膨張行程
では副室での燃焼と副室連絡口の絞り効果により、燃焼
ガスの副室から主室への噴出エネルギーとなり、主室で
の燃焼を促進していると考えられている。このような副
室式エンジンでは、燃焼に重要な混合気生成エネルギ
ー、及び噴出エネルギーを副室連絡口の絞りにより形成
されているため、連絡口の通路面積を大きくすることが
できず、そのためポンプ損失が大きく、また、混合気生
成を激しい空気流動により得ているために、副室内の熱
伝導率が大きく、冷却水損失が大きくなっている。
【0007】また、主室と副室を連通する連絡口を副室
壁面の接線方向に角度を持たせて設けることにより、副
室内の空気流動が活発化し、更に着火後、主室への火炎
の噴出エネルギーの減衰がなく、短時間に主室最外周に
火炎が到達するため、空気利用率が向上し、有害ガスの
少ないクリーンな燃焼が可能で出力も向上する。また、
傾斜した副連絡孔を有する副室の場合には、主室内の吸
気流入スワールの影響を考慮しない条件では、流入時と
着火後の噴出時の通過する空気の速度が同じであり、噴
出エネルギーを高めるために連絡口の口径を絞った場
合、同時に副室内で発生する空気流動即ちスワールも強
くなる。
壁面の接線方向に角度を持たせて設けることにより、副
室内の空気流動が活発化し、更に着火後、主室への火炎
の噴出エネルギーの減衰がなく、短時間に主室最外周に
火炎が到達するため、空気利用率が向上し、有害ガスの
少ないクリーンな燃焼が可能で出力も向上する。また、
傾斜した副連絡孔を有する副室の場合には、主室内の吸
気流入スワールの影響を考慮しない条件では、流入時と
着火後の噴出時の通過する空気の速度が同じであり、噴
出エネルギーを高めるために連絡口の口径を絞った場
合、同時に副室内で発生する空気流動即ちスワールも強
くなる。
【0008】ところが、副室に流入するときの空気流動
が強すぎる場合には、次のような悪影響が発生する。即
ち、まず、副室内で生じるスワール流はオーバースワー
ルの状態となり、NOX の排出量が増加することにな
る。また、副室内の空気流動の速度が増加することによ
り、副室壁面の熱伝導率が上昇し、壁面からの放熱が増
加することにより、出力が低下する。更に、副室内の空
気流動の速度が増加することにより、副室壁面の温度が
上昇するため、圧縮温度が上昇し、着火遅れ時間が短縮
され、燃焼が悪化する。上記のことより、副室から主室
へ噴出する火炎のペネトレーションの増加と、副室内の
燃焼の悪化は、背反する関係になり、副連絡孔の径は両
者がバランスする寸法となり、最適な値はとれない。
が強すぎる場合には、次のような悪影響が発生する。即
ち、まず、副室内で生じるスワール流はオーバースワー
ルの状態となり、NOX の排出量が増加することにな
る。また、副室内の空気流動の速度が増加することによ
り、副室壁面の熱伝導率が上昇し、壁面からの放熱が増
加することにより、出力が低下する。更に、副室内の空
気流動の速度が増加することにより、副室壁面の温度が
上昇するため、圧縮温度が上昇し、着火遅れ時間が短縮
され、燃焼が悪化する。上記のことより、副室から主室
へ噴出する火炎のペネトレーションの増加と、副室内の
燃焼の悪化は、背反する関係になり、副連絡孔の径は両
者がバランスする寸法となり、最適な値はとれない。
【0009】また、エンジンを副室式燃焼室に構成した
場合に、副室式燃焼室の燃焼スピードを直接噴射式燃焼
室の燃焼スピードと同程度まで速くするには、副室と主
室とを連通する連絡口の通路断面積を拡大することが必
要である。ところが、連絡口の通路断面積を大きくする
と、副室から主室へ流出する噴出スピードが低下し、主
室での燃焼が十分に行われない。
場合に、副室式燃焼室の燃焼スピードを直接噴射式燃焼
室の燃焼スピードと同程度まで速くするには、副室と主
室とを連通する連絡口の通路断面積を拡大することが必
要である。ところが、連絡口の通路断面積を大きくする
と、副室から主室へ流出する噴出スピードが低下し、主
室での燃焼が十分に行われない。
【0010】また、渦流室式エンジンでは、副室と主室
とを連通する連絡口が小さいので、該連絡口による絞り
損失が発生し、エンジン出力を低減する原因になる。ま
た、一般に、主室と副室とを連通する連絡口は、シリン
ダ中心部或いは外周部の1つの部位のいずれかに設けら
れているので、噴流の到達しなければならない距離が長
くなり、主室での空気との混合が不十分になり、HC、
スモークの発生原因になる。更に、連絡口は絞られて傾
斜状態に形成されているので、吸気ポートを通じて流入
した吸入空気はシリンダ内でスワール流を形成している
が、該スワール流が連絡口を通じて副室に流入する時
に、副室内にそのスワール流のエネルギーを十分に活か
すことができないという問題を有している。
とを連通する連絡口が小さいので、該連絡口による絞り
損失が発生し、エンジン出力を低減する原因になる。ま
た、一般に、主室と副室とを連通する連絡口は、シリン
ダ中心部或いは外周部の1つの部位のいずれかに設けら
れているので、噴流の到達しなければならない距離が長
くなり、主室での空気との混合が不十分になり、HC、
スモークの発生原因になる。更に、連絡口は絞られて傾
斜状態に形成されているので、吸気ポートを通じて流入
した吸入空気はシリンダ内でスワール流を形成している
が、該スワール流が連絡口を通じて副室に流入する時
に、副室内にそのスワール流のエネルギーを十分に活か
すことができないという問題を有している。
【0011】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、副燃焼室をシリンダヘッド又はピ
ストンヘッドに構成し、主燃焼室をシリンダ側に形成
し、主燃焼室と副燃焼室とを連通する連絡口を周方向に
複数設け、副燃焼室内でのスワール流を抑制して適正化
し、副燃焼室から外部への熱放散を防止し、連絡口の絞
り損失を低減し、燃料リッチで燃焼させてNOX の発生
を抑制し、また、副燃焼室をシリンダ中央に配置し且つ
副燃焼室から連絡口を通じて主燃焼室へ噴出する噴流の
シリンダ周辺までの到達距離を短くし、また、副燃焼室
から主燃焼室への噴流を副燃焼室内に形成されているス
ワール流と順流方向に噴き出させ、主燃焼室に存在する
スワール流を利用して主燃焼室の新気との混合を促進
し、燃焼期間を短縮して性能を向上させ、スモーク、H
C、NOX 等の発生を抑制する副室式エンジンを提供す
ることである。
解決することであり、副燃焼室をシリンダヘッド又はピ
ストンヘッドに構成し、主燃焼室をシリンダ側に形成
し、主燃焼室と副燃焼室とを連通する連絡口を周方向に
複数設け、副燃焼室内でのスワール流を抑制して適正化
し、副燃焼室から外部への熱放散を防止し、連絡口の絞
り損失を低減し、燃料リッチで燃焼させてNOX の発生
を抑制し、また、副燃焼室をシリンダ中央に配置し且つ
副燃焼室から連絡口を通じて主燃焼室へ噴出する噴流の
シリンダ周辺までの到達距離を短くし、また、副燃焼室
から主燃焼室への噴流を副燃焼室内に形成されているス
ワール流と順流方向に噴き出させ、主燃焼室に存在する
スワール流を利用して主燃焼室の新気との混合を促進
し、燃焼期間を短縮して性能を向上させ、スモーク、H
C、NOX 等の発生を抑制する副室式エンジンを提供す
ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、次のように構成されている。即ち、この
発明は、シリンダヘッドに形成される副燃焼室、シリン
ダ側に形成される主燃焼室、該主燃焼室と前記副燃焼室
とを連通する連絡口及び前記副燃焼室内に燃料を噴射す
る燃料噴射ノズルを有する副室式エンジンにおいて、前
記燃料噴射ノズルは前記副燃焼室の中央に配置され且つ
前記副燃焼室の周壁へ向かって燃料を噴射する多噴孔に
形成され、前記連絡口は前記副燃焼室中心から偏心した
周方向に隔置して複数形成され且つシリンダ軸に対して
前記副燃焼室への流入方向が前記主燃焼室のスワール流
と逆方向に周方向斜めに形成され且つ前記副燃焼室から
前記主燃焼室への噴き出し方向が前記主燃焼室のスワー
ル流に順流方向に形成されていることを特徴とする副室
式エンジンに関する。
達成するため、次のように構成されている。即ち、この
発明は、シリンダヘッドに形成される副燃焼室、シリン
ダ側に形成される主燃焼室、該主燃焼室と前記副燃焼室
とを連通する連絡口及び前記副燃焼室内に燃料を噴射す
る燃料噴射ノズルを有する副室式エンジンにおいて、前
記燃料噴射ノズルは前記副燃焼室の中央に配置され且つ
前記副燃焼室の周壁へ向かって燃料を噴射する多噴孔に
形成され、前記連絡口は前記副燃焼室中心から偏心した
周方向に隔置して複数形成され且つシリンダ軸に対して
前記副燃焼室への流入方向が前記主燃焼室のスワール流
と逆方向に周方向斜めに形成され且つ前記副燃焼室から
前記主燃焼室への噴き出し方向が前記主燃焼室のスワー
ル流に順流方向に形成されていることを特徴とする副室
式エンジンに関する。
【0013】また、この副室式エンジンにおいて、前記
副燃焼室の中央部には、前記主燃焼室と前記副燃焼室と
を連通する中央連絡口が設けられている。しかも、前記
シリンダ内を往復運動するピストンのピストン頂面に
は、ピストン上死点近傍で前記中央連絡口に突入できる
突出部が形成されている。
副燃焼室の中央部には、前記主燃焼室と前記副燃焼室と
を連通する中央連絡口が設けられている。しかも、前記
シリンダ内を往復運動するピストンのピストン頂面に
は、ピストン上死点近傍で前記中央連絡口に突入できる
突出部が形成されている。
【0014】又は、この発明は、ピストンヘッドに形成
される副燃焼室、シリンダ側に形成される主燃焼室、該
主燃焼室と前記副燃焼室とを連通する前記ピストンヘッ
ドに形成した連絡口及び前記副燃焼室内に燃料を噴射す
る燃料噴射ノズルを有する副室式エンジンにおいて、前
記燃料噴射ノズルはシリンダヘッドに配置され且つピス
トン上死点近傍で前記ピストンヘッドに形成した中央連
絡口に突入でき、前記連絡口は前記副燃焼室中心から偏
心した周方向に隔置して複数形成され且つシリンダ軸に
対して前記副燃焼室への流入方向が前記主燃焼室のスワ
ール流と逆方向に周方向斜めに形成され且つ前記副燃焼
室から前記主燃焼室への噴き出し方向が前記主燃焼室の
スワール流に順流方向に形成されていることを特徴とす
る副室式エンジンに関する。また、この副室式エンジン
では、前記ピストンヘッドには前記副燃焼室を構成する
キャビティを形成され、前記キャビティの上部には前記
連絡口と前記中央連絡口を備えたセラミックス等から成
る耐熱材から作製したヘッドプレートが取り付けられて
いる。
される副燃焼室、シリンダ側に形成される主燃焼室、該
主燃焼室と前記副燃焼室とを連通する前記ピストンヘッ
ドに形成した連絡口及び前記副燃焼室内に燃料を噴射す
る燃料噴射ノズルを有する副室式エンジンにおいて、前
記燃料噴射ノズルはシリンダヘッドに配置され且つピス
トン上死点近傍で前記ピストンヘッドに形成した中央連
絡口に突入でき、前記連絡口は前記副燃焼室中心から偏
心した周方向に隔置して複数形成され且つシリンダ軸に
対して前記副燃焼室への流入方向が前記主燃焼室のスワ
ール流と逆方向に周方向斜めに形成され且つ前記副燃焼
室から前記主燃焼室への噴き出し方向が前記主燃焼室の
スワール流に順流方向に形成されていることを特徴とす
る副室式エンジンに関する。また、この副室式エンジン
では、前記ピストンヘッドには前記副燃焼室を構成する
キャビティを形成され、前記キャビティの上部には前記
連絡口と前記中央連絡口を備えたセラミックス等から成
る耐熱材から作製したヘッドプレートが取り付けられて
いる。
【0015】
【作用】この発明による副室式エンジンは、上記のよう
に構成され、次のように作用する。即ち、この副室式エ
ンジンは、シリンダヘッド又はピストンヘッドの副燃焼
室とシリンダ側の主燃焼室とを連通する連絡口は、前記
副燃焼室中心の周方向に隔置して複数形成され、且つシ
リンダ軸に対して前記主燃焼室側に形成されるスワール
流の方向と逆方向に周方向斜めに形成したので、前記副
燃焼室内でのスワール流は前記主燃焼室内のスワール流
と逆方向に発生し、副燃焼室からの噴出流は順流方向に
なり、しかも、前記連絡口とシリンダ壁面との距離が短
く、前記連絡口からの噴流の到達距離が短く、燃焼スピ
ードが早く、効率が向上する。また、副燃焼室からの噴
流の到達距離が短くて済むため、前記連絡口を複数形成
してその通路面積を大きく形成でき、しぼり損失を低減
でき効率を向上できる。更に、複数の連絡口を設けるこ
とによって、1つの連絡口から噴出する火炎、未燃混合
気等の燃焼ガスが受け持つ主燃焼室の範囲は狭くなり、
新気との混合が促進され、燃焼スピードが短くなる。
に構成され、次のように作用する。即ち、この副室式エ
ンジンは、シリンダヘッド又はピストンヘッドの副燃焼
室とシリンダ側の主燃焼室とを連通する連絡口は、前記
副燃焼室中心の周方向に隔置して複数形成され、且つシ
リンダ軸に対して前記主燃焼室側に形成されるスワール
流の方向と逆方向に周方向斜めに形成したので、前記副
燃焼室内でのスワール流は前記主燃焼室内のスワール流
と逆方向に発生し、副燃焼室からの噴出流は順流方向に
なり、しかも、前記連絡口とシリンダ壁面との距離が短
く、前記連絡口からの噴流の到達距離が短く、燃焼スピ
ードが早く、効率が向上する。また、副燃焼室からの噴
流の到達距離が短くて済むため、前記連絡口を複数形成
してその通路面積を大きく形成でき、しぼり損失を低減
でき効率を向上できる。更に、複数の連絡口を設けるこ
とによって、1つの連絡口から噴出する火炎、未燃混合
気等の燃焼ガスが受け持つ主燃焼室の範囲は狭くなり、
新気との混合が促進され、燃焼スピードが短くなる。
【0016】即ち、副燃焼室から連絡口を通じて吹き出
す噴流が主燃焼室即ちシリンダ内に存在するスワール流
と順流であるため、主燃焼室に形成されているスワール
流のエネルギーを活かすことができ、主燃焼室内での燃
焼火炎及び未燃混合気と新気との混合が促進され良好に
なる。即ち、吸気ポートからシリンダ内即ち主燃焼室に
流入して形成されるスワール流はピストン上昇によって
最初は副室部材中央の挿入孔から吸入空気は副燃焼室に
流入するが、ピストンの突出部が挿入孔に突入してシリ
ンダ内の吸入空気が圧縮されると、その圧縮空気はUタ
ーンして連絡口から最後の押し込みでベクトル流として
副燃焼室内に流入して副燃焼室内に逆方向のスワール流
を形成すると共に、連絡口のスワール流減衰手段でスワ
ール流は減衰される。そこで、燃料噴射ノズルの多噴孔
からアルコール燃料、軽油等の液体燃料が副燃焼室内に
噴射され、副燃焼室内で燃料リッチで燃焼し、NOX の
発生を抑制する。
す噴流が主燃焼室即ちシリンダ内に存在するスワール流
と順流であるため、主燃焼室に形成されているスワール
流のエネルギーを活かすことができ、主燃焼室内での燃
焼火炎及び未燃混合気と新気との混合が促進され良好に
なる。即ち、吸気ポートからシリンダ内即ち主燃焼室に
流入して形成されるスワール流はピストン上昇によって
最初は副室部材中央の挿入孔から吸入空気は副燃焼室に
流入するが、ピストンの突出部が挿入孔に突入してシリ
ンダ内の吸入空気が圧縮されると、その圧縮空気はUタ
ーンして連絡口から最後の押し込みでベクトル流として
副燃焼室内に流入して副燃焼室内に逆方向のスワール流
を形成すると共に、連絡口のスワール流減衰手段でスワ
ール流は減衰される。そこで、燃料噴射ノズルの多噴孔
からアルコール燃料、軽油等の液体燃料が副燃焼室内に
噴射され、副燃焼室内で燃料リッチで燃焼し、NOX の
発生を抑制する。
【0017】次いで、副燃焼室内で燃焼火炎は膨張して
連絡口を通じて主燃焼室へ噴出し、連絡口はシリンダ内
のスワール流に順流方向であるので、燃焼火炎と未燃混
合気とはシリンダ内の3割程度残っているスワール流を
有効に利用してそのスワール流に乗って吹き出され、燃
焼火炎と未燃混合気は主燃焼室内に存在する新気と混合
を促進して燃焼スピードをアップする。従って、主燃焼
室でのHC、スモーク等の発生を抑制して燃焼を完結す
る。
連絡口を通じて主燃焼室へ噴出し、連絡口はシリンダ内
のスワール流に順流方向であるので、燃焼火炎と未燃混
合気とはシリンダ内の3割程度残っているスワール流を
有効に利用してそのスワール流に乗って吹き出され、燃
焼火炎と未燃混合気は主燃焼室内に存在する新気と混合
を促進して燃焼スピードをアップする。従って、主燃焼
室でのHC、スモーク等の発生を抑制して燃焼を完結す
る。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による副室
式エンジンの実施例を説明する。図1はこの発明による
副室式エンジンの一実施例を示す断面図、及び図2は図
1の副室式エンジンのシリンダヘッドの下面図である。
式エンジンの実施例を説明する。図1はこの発明による
副室式エンジンの一実施例を示す断面図、及び図2は図
1の副室式エンジンのシリンダヘッドの下面図である。
【0019】この副室式エンジンは、アルミニウム、ア
ルミニウム合金、鋳鉄等の金属材料から成るシリンダブ
ロック6、該シリンダブロック6にガスケット32を介
在して固定されたアルミニウム合金等の金属材料から成
るシリンダヘッド5を有している。シリンダブロック6
にはエンジンの気筒数に対応する孔部が形成され、孔部
にはシリンダ3を形成するシリンダライナ19が嵌合さ
れている。また、シリンダヘッド5には、各シリンダ3
に対応して吸気ポート13と排気ポート17が形成さ
れ、吸気ポート13のバルブシートには吸気弁16が配
置され、排気ポート17のバルブシートには排気弁26
が配置されている。シリンダライナ19に形成されるシ
リンダ3には、ピストン8が往復運動するように組み込
まれている。主燃焼室1は、シリンダヘッド下面14と
ピストン頂面37との間のシリンダ3側に形成されてい
る。また、副燃焼室2はシリンダヘッド5側に形成され
ている。燃料噴射ノズル10はシリンダヘッド5に設け
られて副燃焼室2内に燃料噴射するように構成されてい
る。
ルミニウム合金、鋳鉄等の金属材料から成るシリンダブ
ロック6、該シリンダブロック6にガスケット32を介
在して固定されたアルミニウム合金等の金属材料から成
るシリンダヘッド5を有している。シリンダブロック6
にはエンジンの気筒数に対応する孔部が形成され、孔部
にはシリンダ3を形成するシリンダライナ19が嵌合さ
れている。また、シリンダヘッド5には、各シリンダ3
に対応して吸気ポート13と排気ポート17が形成さ
れ、吸気ポート13のバルブシートには吸気弁16が配
置され、排気ポート17のバルブシートには排気弁26
が配置されている。シリンダライナ19に形成されるシ
リンダ3には、ピストン8が往復運動するように組み込
まれている。主燃焼室1は、シリンダヘッド下面14と
ピストン頂面37との間のシリンダ3側に形成されてい
る。また、副燃焼室2はシリンダヘッド5側に形成され
ている。燃料噴射ノズル10はシリンダヘッド5に設け
られて副燃焼室2内に燃料噴射するように構成されてい
る。
【0020】この副室式エンジンは、アルコール燃料、
軽油等の液体燃料を燃料噴射ノズル10から副燃焼室2
内に噴射して燃焼させるディーゼルエンジンであり、特
に、シリンダヘッド5側に副燃焼室2及び複数(図2で
は、4個)の連絡口9を設け、連絡口9の形状を傾斜方
向に形成している。シリンダヘッド5に形成した副燃焼
室2の容積比については、圧縮端における全体燃焼室容
積に対する副燃焼室2の容積比は、例えば、約40〜6
5%に設定されている。また、シリンダヘッド5に形成
された穴部21には副室部材4が配置され、その副室部
材4に副燃焼室2及び連絡口9が形成されている。連絡
口9は、副燃焼室2の中心から偏心した周方向に隔置し
て主燃焼室1側の開口7から副燃焼室2側の開口12へ
傾斜して副室部材4に形成されている。副室部材4の上
部には多噴孔11を備えた燃料噴射ノズル10が貫通固
定されている。燃料噴射ノズル10は、ピストン8の圧
縮行程上死点近傍で多噴孔11から副燃焼室2内に燃料
を噴射できるものである。副室部材4は、耐熱性に富ん
だ窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス、或いはセ
ラミックウィスカーと金属との複合材料、或いはNi−
Cr系の耐熱金属によって製作され、図示していない
が、副燃焼室2は遮熱構造に構成することができる。
軽油等の液体燃料を燃料噴射ノズル10から副燃焼室2
内に噴射して燃焼させるディーゼルエンジンであり、特
に、シリンダヘッド5側に副燃焼室2及び複数(図2で
は、4個)の連絡口9を設け、連絡口9の形状を傾斜方
向に形成している。シリンダヘッド5に形成した副燃焼
室2の容積比については、圧縮端における全体燃焼室容
積に対する副燃焼室2の容積比は、例えば、約40〜6
5%に設定されている。また、シリンダヘッド5に形成
された穴部21には副室部材4が配置され、その副室部
材4に副燃焼室2及び連絡口9が形成されている。連絡
口9は、副燃焼室2の中心から偏心した周方向に隔置し
て主燃焼室1側の開口7から副燃焼室2側の開口12へ
傾斜して副室部材4に形成されている。副室部材4の上
部には多噴孔11を備えた燃料噴射ノズル10が貫通固
定されている。燃料噴射ノズル10は、ピストン8の圧
縮行程上死点近傍で多噴孔11から副燃焼室2内に燃料
を噴射できるものである。副室部材4は、耐熱性に富ん
だ窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス、或いはセ
ラミックウィスカーと金属との複合材料、或いはNi−
Cr系の耐熱金属によって製作され、図示していない
が、副燃焼室2は遮熱構造に構成することができる。
【0021】更に、この副室式エンジンにおいて、主燃
焼室1と副燃焼室2とを連通するため、副室部材4に副
燃焼室2の中心から離れた周囲即ち副燃焼室2の壁面近
傍に周方向に互いに隔置して複数個の連絡口9が形成さ
れている。これらの連絡口9は、シリンダ軸に対して主
燃焼室1側に形成されるスワール流S(図2)の方向と
逆方向に周方向斜めに形成され、副燃焼室2から主燃焼
室1への噴き出し方向が主燃焼室1内のスワール流Sに
順流になる方向に形成されている。即ち、吸入空気が主
燃焼室1の開口7から連絡口9を通って副燃焼室2(開
口12)へ流入することによって、吸気ポート13から
主燃焼室1に流入して形成されるスワール流Sの方向に
対して逆方向のスワール流CSが副燃焼室2内に形成さ
れ、次いで、噴射燃料が燃焼して燃焼ガスが副燃焼室2
から主燃焼室1への噴き出される方向は主燃焼室1内即
ちシリンダ3に形成されているスワール流Sに順流にな
る方向となる。
焼室1と副燃焼室2とを連通するため、副室部材4に副
燃焼室2の中心から離れた周囲即ち副燃焼室2の壁面近
傍に周方向に互いに隔置して複数個の連絡口9が形成さ
れている。これらの連絡口9は、シリンダ軸に対して主
燃焼室1側に形成されるスワール流S(図2)の方向と
逆方向に周方向斜めに形成され、副燃焼室2から主燃焼
室1への噴き出し方向が主燃焼室1内のスワール流Sに
順流になる方向に形成されている。即ち、吸入空気が主
燃焼室1の開口7から連絡口9を通って副燃焼室2(開
口12)へ流入することによって、吸気ポート13から
主燃焼室1に流入して形成されるスワール流Sの方向に
対して逆方向のスワール流CSが副燃焼室2内に形成さ
れ、次いで、噴射燃料が燃焼して燃焼ガスが副燃焼室2
から主燃焼室1への噴き出される方向は主燃焼室1内即
ちシリンダ3に形成されているスワール流Sに順流にな
る方向となる。
【0022】この副室式エンジンは、燃焼室の一部を副
燃焼室2に構成することによって、副燃焼室2で初期燃
焼即ち一次燃焼を高当量比即ち燃料リッチで行わせ、N
OXの発生を低減することができ、しかも主燃焼室1か
ら副燃焼室2へ流入するスワール流は減衰させられるの
で、副燃焼室2からシリンダヘッド5への熱放散を低減
でき、連絡口9を複数設けて連絡口通路面積を大きくし
て絞り損失を低減し、熱効率を向上できる。また、副燃
焼室2から主燃焼室1への噴出エネルギーは連絡口9が
主燃焼室1の壁面までの距離が短く、周辺まで短期に噴
出し、噴流のペネトレーションが良好になり、主燃焼室
1の新気と噴流との混合が促進して二次燃焼即ち再燃焼
を行わせることができる。しかも、連絡口9の通路面積
をトータルとして大きくでき且つ主燃焼室1に存在する
新気と副燃焼室2からの噴流との混合を促進するため、
連絡口9を副室部材4の中央から隔置した周方向に形成
してシリンダ3の壁面への到達距離を短くして連絡口9
から噴出される噴流によって主燃焼室1に存在する空気
と良好に且つ短期間に混合を行わせることができ、H
C、スモーク、NOX 等の発生を低減する。
燃焼室2に構成することによって、副燃焼室2で初期燃
焼即ち一次燃焼を高当量比即ち燃料リッチで行わせ、N
OXの発生を低減することができ、しかも主燃焼室1か
ら副燃焼室2へ流入するスワール流は減衰させられるの
で、副燃焼室2からシリンダヘッド5への熱放散を低減
でき、連絡口9を複数設けて連絡口通路面積を大きくし
て絞り損失を低減し、熱効率を向上できる。また、副燃
焼室2から主燃焼室1への噴出エネルギーは連絡口9が
主燃焼室1の壁面までの距離が短く、周辺まで短期に噴
出し、噴流のペネトレーションが良好になり、主燃焼室
1の新気と噴流との混合が促進して二次燃焼即ち再燃焼
を行わせることができる。しかも、連絡口9の通路面積
をトータルとして大きくでき且つ主燃焼室1に存在する
新気と副燃焼室2からの噴流との混合を促進するため、
連絡口9を副室部材4の中央から隔置した周方向に形成
してシリンダ3の壁面への到達距離を短くして連絡口9
から噴出される噴流によって主燃焼室1に存在する空気
と良好に且つ短期間に混合を行わせることができ、H
C、スモーク、NOX 等の発生を低減する。
【0023】この実施例では、副燃焼室2の上面の中心
軸上に多噴孔11を備えた燃料噴射ノズル10が設置さ
れているので、圧縮行程中に主燃焼室1から副燃焼室2
に流入する空気は、連絡口9の傾斜角度の効果により主
燃焼室1の吸気スワール流Sとは逆方向のスワール流C
Sを生じ、副燃焼室2内での混合気生成を促進する。燃
料噴射ノズル10からの燃料噴射によって着火し、爆発
行程に移行し、副燃焼室2から主燃焼室1へと火炎は噴
出するが、連絡口9の持つ傾斜角度の効果によって主燃
焼室1の半径方向に近いベクトルを持ち、主燃焼室1内
に残留している吸気スワール流Sと同一方向に噴出し、
主燃焼室1内の外周付近まで短期に火炎を到達させる。
主燃焼室1へ一気に噴出し、主燃焼室1内の新気との混
合を促進する。
軸上に多噴孔11を備えた燃料噴射ノズル10が設置さ
れているので、圧縮行程中に主燃焼室1から副燃焼室2
に流入する空気は、連絡口9の傾斜角度の効果により主
燃焼室1の吸気スワール流Sとは逆方向のスワール流C
Sを生じ、副燃焼室2内での混合気生成を促進する。燃
料噴射ノズル10からの燃料噴射によって着火し、爆発
行程に移行し、副燃焼室2から主燃焼室1へと火炎は噴
出するが、連絡口9の持つ傾斜角度の効果によって主燃
焼室1の半径方向に近いベクトルを持ち、主燃焼室1内
に残留している吸気スワール流Sと同一方向に噴出し、
主燃焼室1内の外周付近まで短期に火炎を到達させる。
主燃焼室1へ一気に噴出し、主燃焼室1内の新気との混
合を促進する。
【0024】この実施例の副室式エンジンでは、連絡口
9から斜めに副燃焼室2に流入する空気によって副燃焼
室2内に減衰させたスワール流CSを発生させ、燃料噴
射ノズル10からの噴霧により、該燃料を副燃焼室2内
で短期間に混合気を生成させて燃焼スピードをアップさ
せる。この時、副燃焼室2内に形成されるスワール比は
燃料噴射ノズル10の多噴孔11の噴孔数等によって決
定されるが、副燃焼室2内のスワール流が強すぎると、
噴霧間での干渉が発生する現象が起こるが、この実施例
の副室式エンジンでは連絡口9が上記の構成を有するこ
とにより、上記現象は避けられる。また、連絡口9を形
成した副室部材4は、セラミックス、耐熱合金等の耐熱
性に優れる材料で作製されているので、連絡口9自体の
開口7,12をシャープな形状に形成でき、エンジン性
能を向上させることができる。また、主燃焼室1の燃焼
を考えた場合、主燃焼室1は副燃焼室2からの火炎と混
合気の噴出流により混合燃焼を行なうが、この混合エネ
ルギーは連絡口面積が小さい程大きい。即ち、主燃焼室
1の燃焼スピードを上げるには連絡口面積は小さい程良
い。主燃焼室1と副燃焼室2とを連通する連絡口面積の
最適値は、それぞれ異なることになる。
9から斜めに副燃焼室2に流入する空気によって副燃焼
室2内に減衰させたスワール流CSを発生させ、燃料噴
射ノズル10からの噴霧により、該燃料を副燃焼室2内
で短期間に混合気を生成させて燃焼スピードをアップさ
せる。この時、副燃焼室2内に形成されるスワール比は
燃料噴射ノズル10の多噴孔11の噴孔数等によって決
定されるが、副燃焼室2内のスワール流が強すぎると、
噴霧間での干渉が発生する現象が起こるが、この実施例
の副室式エンジンでは連絡口9が上記の構成を有するこ
とにより、上記現象は避けられる。また、連絡口9を形
成した副室部材4は、セラミックス、耐熱合金等の耐熱
性に優れる材料で作製されているので、連絡口9自体の
開口7,12をシャープな形状に形成でき、エンジン性
能を向上させることができる。また、主燃焼室1の燃焼
を考えた場合、主燃焼室1は副燃焼室2からの火炎と混
合気の噴出流により混合燃焼を行なうが、この混合エネ
ルギーは連絡口面積が小さい程大きい。即ち、主燃焼室
1の燃焼スピードを上げるには連絡口面積は小さい程良
い。主燃焼室1と副燃焼室2とを連通する連絡口面積の
最適値は、それぞれ異なることになる。
【0025】次に、図3及び図4を参照して、この発明
による副室式エンジンの別の実施例を説明する。図3は
この発明による副室式エンジンの別の実施例を示す断面
図、及び図4は図3の副室式エンジンのシリンダヘッド
の下面図である。この実施例は、中央連絡口を備え且つ
ピストンヘッドに突出部を備えていること以外は、上記
実施例と同一の構成を有しているものであるので、同一
の部品には同一の符号を付し、重複する説明を省略す
る。
による副室式エンジンの別の実施例を説明する。図3は
この発明による副室式エンジンの別の実施例を示す断面
図、及び図4は図3の副室式エンジンのシリンダヘッド
の下面図である。この実施例は、中央連絡口を備え且つ
ピストンヘッドに突出部を備えていること以外は、上記
実施例と同一の構成を有しているものであるので、同一
の部品には同一の符号を付し、重複する説明を省略す
る。
【0026】この実施例による副室式エンジンは、副燃
焼室2の中央部には、主燃焼室1と副燃焼室2とを連通
する中央連絡口15が設けられている。シリンダ3内を
往復運動するピストン8のピストン頂面37には、ピス
トン上死点近傍で中央連絡口15に突入できる突出部1
8が形成されている。従って、ピストン上死点TDC近
傍でピストン8の突部18が中央連絡口15を塞ぐ状態
になる。ピストンの圧縮行程で、吸入空気は主燃焼室1
から連絡口9と中央連絡口15とを通じて副燃焼室2に
流入するが、副燃焼室2内へ流入する初期空気は連絡口
9の傾斜通路と中央連絡口15のシリンダ軸方向の通路
との合成ベクトルとなるので、副燃焼室2内に形成され
るスワール流は過度に強くなることはなく、副燃焼室2
での燃焼時に副燃焼室2内の空気流動による放熱損失は
抑制される。また、連絡口9及び中央連絡口15を形成
した副室部材4は、セラミックス、耐熱合金等の耐熱性
に優れる材料で作製されているので、連絡口9及び中央
連絡口15自体の開口7,12をシャープな形状に形成
でき、エンジン性能を向上させることができる。
焼室2の中央部には、主燃焼室1と副燃焼室2とを連通
する中央連絡口15が設けられている。シリンダ3内を
往復運動するピストン8のピストン頂面37には、ピス
トン上死点近傍で中央連絡口15に突入できる突出部1
8が形成されている。従って、ピストン上死点TDC近
傍でピストン8の突部18が中央連絡口15を塞ぐ状態
になる。ピストンの圧縮行程で、吸入空気は主燃焼室1
から連絡口9と中央連絡口15とを通じて副燃焼室2に
流入するが、副燃焼室2内へ流入する初期空気は連絡口
9の傾斜通路と中央連絡口15のシリンダ軸方向の通路
との合成ベクトルとなるので、副燃焼室2内に形成され
るスワール流は過度に強くなることはなく、副燃焼室2
での燃焼時に副燃焼室2内の空気流動による放熱損失は
抑制される。また、連絡口9及び中央連絡口15を形成
した副室部材4は、セラミックス、耐熱合金等の耐熱性
に優れる材料で作製されているので、連絡口9及び中央
連絡口15自体の開口7,12をシャープな形状に形成
でき、エンジン性能を向上させることができる。
【0027】また、中央連絡口15が突部18によって
圧縮行程端近傍から膨張行程開始近傍の間、所定時間だ
け閉鎖されることによって、副燃焼室2の燃焼ガスが中
央連絡口15から噴き出されるのが阻止され、それによ
って燃焼ガスは周方向に設けた連絡口9から噴き出され
ることになるので、火炎、未燃ガス等の燃焼ガスの噴出
エネルギーが減衰することなく、燃焼ガスの噴出スピー
ドが速くなり、主燃焼室1即ちシリンダ3の壁面側へ到
達すると共に、主燃焼室1内での新気との混合が促進さ
れる。次いで、ピストン8の下降に従ってピストン8の
突部18が中央連絡口15から離れ、副燃焼室2は中央
連絡口15を通じて主燃焼室1に開放され、副燃焼室2
内の噴流は中央連絡口15を通じて主燃焼室1へ吹き出
され、絞り損失を低減することができる。そこで、中央
連絡口15を通じて主燃焼室1に噴出した燃焼火炎と未
燃混合気は、主燃焼室1の中央に存在する新気と短期に
混合し、燃焼期間を短縮して二次燃焼即ち再燃焼してH
C、スモーク等の発生を低減することができる。
圧縮行程端近傍から膨張行程開始近傍の間、所定時間だ
け閉鎖されることによって、副燃焼室2の燃焼ガスが中
央連絡口15から噴き出されるのが阻止され、それによ
って燃焼ガスは周方向に設けた連絡口9から噴き出され
ることになるので、火炎、未燃ガス等の燃焼ガスの噴出
エネルギーが減衰することなく、燃焼ガスの噴出スピー
ドが速くなり、主燃焼室1即ちシリンダ3の壁面側へ到
達すると共に、主燃焼室1内での新気との混合が促進さ
れる。次いで、ピストン8の下降に従ってピストン8の
突部18が中央連絡口15から離れ、副燃焼室2は中央
連絡口15を通じて主燃焼室1に開放され、副燃焼室2
内の噴流は中央連絡口15を通じて主燃焼室1へ吹き出
され、絞り損失を低減することができる。そこで、中央
連絡口15を通じて主燃焼室1に噴出した燃焼火炎と未
燃混合気は、主燃焼室1の中央に存在する新気と短期に
混合し、燃焼期間を短縮して二次燃焼即ち再燃焼してH
C、スモーク等の発生を低減することができる。
【0028】次に、図5、図6及び図7又は図8を参照
して、この発明による副室式エンジンの更に別の実施例
を説明する。図5はこの発明による副室式エンジンの更
に別の実施例を示す断面図、図6は図5の副室式エンジ
ンのシリンダヘッドの下面図、図7は図5の副室式エン
ジンのピストンヘッドの一例を示す説明図及び図8は図
5の副室式エンジンのピストンヘッドの別の例を示す説
明図である。この実施例は、ピストンヘッドに副燃焼室
を形成した以外は、上記第1実施例と同一の構成を有し
ているものであるので、同一の部品には同一の符号を付
し、重複する説明を省略する。
して、この発明による副室式エンジンの更に別の実施例
を説明する。図5はこの発明による副室式エンジンの更
に別の実施例を示す断面図、図6は図5の副室式エンジ
ンのシリンダヘッドの下面図、図7は図5の副室式エン
ジンのピストンヘッドの一例を示す説明図及び図8は図
5の副室式エンジンのピストンヘッドの別の例を示す説
明図である。この実施例は、ピストンヘッドに副燃焼室
を形成した以外は、上記第1実施例と同一の構成を有し
ているものであるので、同一の部品には同一の符号を付
し、重複する説明を省略する。
【0029】この実施例は、シリンダ3内を往復運動す
るピストン8のピストンヘッド38に形成される副燃焼
室2、シリンダ3側に形成される主燃焼室1、主燃焼室
1と副燃焼室2とを連通するピストンヘッド38に形成
した連絡口9及び副燃焼室2内に燃料を噴射する燃料噴
射ノズル10を有する副室式エンジンに関するものであ
る。即ち、ピストンヘッド38には、副燃焼室2を構成
するキャビティ24が形成され、キャビティ24の上部
の大径の段付きキャビティ25には連絡口9と中央連絡
口35を備えたヘッドプレート20が配置されて取り付
けられている。ヘッドプレート20は、セラミックス、
耐熱金属等から成る耐熱材から作製されている。この副
室式エンジンにおいて、燃料噴射ノズル10はシリンダ
ヘッド5に配置され且つピストン上死点近傍でピストン
ヘッド38に形成した中央連絡口35に突入でき、その
多噴孔11から副燃焼室2内に燃料を噴射するように構
成されている。また、連絡口9は、副燃焼室2中心から
偏心した周方向に隔置して複数個形成され、シリンダ軸
に対して副燃焼室2への流入方向が主燃焼室1のスワー
ル流Sと逆方向に周方向斜めに傾斜して形成され、副燃
焼室2内にはスワール流Sとは逆方向のスワール流CS
が形成されるが、副燃焼室2から主燃焼室1への噴き出
し方向が主燃焼室1のスワール流Sに順流方向になるよ
うに形成されている。
るピストン8のピストンヘッド38に形成される副燃焼
室2、シリンダ3側に形成される主燃焼室1、主燃焼室
1と副燃焼室2とを連通するピストンヘッド38に形成
した連絡口9及び副燃焼室2内に燃料を噴射する燃料噴
射ノズル10を有する副室式エンジンに関するものであ
る。即ち、ピストンヘッド38には、副燃焼室2を構成
するキャビティ24が形成され、キャビティ24の上部
の大径の段付きキャビティ25には連絡口9と中央連絡
口35を備えたヘッドプレート20が配置されて取り付
けられている。ヘッドプレート20は、セラミックス、
耐熱金属等から成る耐熱材から作製されている。この副
室式エンジンにおいて、燃料噴射ノズル10はシリンダ
ヘッド5に配置され且つピストン上死点近傍でピストン
ヘッド38に形成した中央連絡口35に突入でき、その
多噴孔11から副燃焼室2内に燃料を噴射するように構
成されている。また、連絡口9は、副燃焼室2中心から
偏心した周方向に隔置して複数個形成され、シリンダ軸
に対して副燃焼室2への流入方向が主燃焼室1のスワー
ル流Sと逆方向に周方向斜めに傾斜して形成され、副燃
焼室2内にはスワール流Sとは逆方向のスワール流CS
が形成されるが、副燃焼室2から主燃焼室1への噴き出
し方向が主燃焼室1のスワール流Sに順流方向になるよ
うに形成されている。
【0030】ピストンヘッド38に形成したキャビティ
24にヘッドプレート20を取り付けるには、例えば、
ピストンヘッド38に対してヘッドプレート20を熱膨
張係数の傾斜機能材料23を用いて塑性流動即ちメタル
フローによって結合することができる。即ち、傾斜機能
材料23は、図7又は図8に示すように、例えば、3つ
の熱膨張係数の異なる部材28,29,30で構成され
ている。例えば、ピストンヘッド38がアルミニウム材
料で作製され且つヘッドプレート20が窒化ケイ素Si
3 N4 で作製されている場合には、アルミニウム材料の
熱膨張係数は20×10- 6 /℃であり、Si3 N4 の
熱膨張係数は3.2×10- 6 /℃であるので、傾斜機
能材料23としては、部材28の熱膨張係数が15×1
0- 6 /℃であり、部材29の熱膨張係数が10×10
- 6 /℃であり、更に部材30の熱膨張係数が5×10
- 6 /℃ になるような熱膨張傾斜機能を有する材料の
ものを使用する。
24にヘッドプレート20を取り付けるには、例えば、
ピストンヘッド38に対してヘッドプレート20を熱膨
張係数の傾斜機能材料23を用いて塑性流動即ちメタル
フローによって結合することができる。即ち、傾斜機能
材料23は、図7又は図8に示すように、例えば、3つ
の熱膨張係数の異なる部材28,29,30で構成され
ている。例えば、ピストンヘッド38がアルミニウム材
料で作製され且つヘッドプレート20が窒化ケイ素Si
3 N4 で作製されている場合には、アルミニウム材料の
熱膨張係数は20×10- 6 /℃であり、Si3 N4 の
熱膨張係数は3.2×10- 6 /℃であるので、傾斜機
能材料23としては、部材28の熱膨張係数が15×1
0- 6 /℃であり、部材29の熱膨張係数が10×10
- 6 /℃であり、更に部材30の熱膨張係数が5×10
- 6 /℃ になるような熱膨張傾斜機能を有する材料の
ものを使用する。
【0031】ピストンヘッド38にヘッドプレート20
を取り付ける場合には、例えば、図7に示すように、高
周波加熱コイル27によって傾斜機能材料23を加熱し
て、該傾斜機能材料23をヘッドプレート20に形成し
た切り欠き31に塑性流動させて、図5に示すように傾
斜機能材料23を変形してピストンヘッド38にヘッド
プレート20を固定することができる。又は、図8に示
すように、高周波加熱コイル27によってピストンヘッ
ド38に設けた突起34を加熱して、該突起34を傾斜
機能材料23に形成したテーパ面39に塑性流動させ
て、図5に示すようにピストンヘッド38の突起34を
変形してピストンヘッド38にヘッドプレート20を固
定することができる。
を取り付ける場合には、例えば、図7に示すように、高
周波加熱コイル27によって傾斜機能材料23を加熱し
て、該傾斜機能材料23をヘッドプレート20に形成し
た切り欠き31に塑性流動させて、図5に示すように傾
斜機能材料23を変形してピストンヘッド38にヘッド
プレート20を固定することができる。又は、図8に示
すように、高周波加熱コイル27によってピストンヘッ
ド38に設けた突起34を加熱して、該突起34を傾斜
機能材料23に形成したテーパ面39に塑性流動させ
て、図5に示すようにピストンヘッド38の突起34を
変形してピストンヘッド38にヘッドプレート20を固
定することができる。
【0032】この実施例では、副燃焼室2はピストンヘ
ッド38側に形成されているので、シリンダヘッド5に
は大きな吸気ポート13及び排気ポート17を形成する
ことができるので、上記各実施例の場合と異なり、シリ
ンダヘッド5に吸気ポート13と排気ポート26とは1
つずつでよく、シリンダヘッド5の構造をシンプルに構
成できる。更に、この実施例では、連絡口9自体は上記
各連絡口と同様であるので、同様の作用を発揮でき、ま
た、ヘッドプレート20には燃料噴射ノズル10が突入
する中央連絡口35が形成されているので、図3の中央
連絡口15と同様の作用を発揮できる。また、連絡口9
及び中央連絡口35を形成したヘッドプレート20は、
耐熱性に優れる材料で作製されているので、連絡口9及
び中央連絡口35自体の開口7,12をシャープな形状
に形成でき、エンジン性能を向上させることができる。
ッド38側に形成されているので、シリンダヘッド5に
は大きな吸気ポート13及び排気ポート17を形成する
ことができるので、上記各実施例の場合と異なり、シリ
ンダヘッド5に吸気ポート13と排気ポート26とは1
つずつでよく、シリンダヘッド5の構造をシンプルに構
成できる。更に、この実施例では、連絡口9自体は上記
各連絡口と同様であるので、同様の作用を発揮でき、ま
た、ヘッドプレート20には燃料噴射ノズル10が突入
する中央連絡口35が形成されているので、図3の中央
連絡口15と同様の作用を発揮できる。また、連絡口9
及び中央連絡口35を形成したヘッドプレート20は、
耐熱性に優れる材料で作製されているので、連絡口9及
び中央連絡口35自体の開口7,12をシャープな形状
に形成でき、エンジン性能を向上させることができる。
【0033】
【発明の効果】この発明による副室式エンジンは、上記
のように構成されており、次のような効果を有する。こ
の副室式エンジンは、主燃焼室と副燃焼室とを連通する
連絡口は、前記副燃焼室中心から偏心した周方向に隔置
して複数形成され、シリンダ軸に対して前記副燃焼室へ
の流入方向が前記主燃焼室のスワール流と逆方向に周方
向斜めに形成され、前記副燃焼室から前記主燃焼室への
噴き出し方向が前記主燃焼室のスワール流に順流方向に
形成されているので、前記副燃焼室内ではスワール流が
オーバスワール状態になるのを防止され、前記副燃焼室
からシリンダヘッドへの熱放散を防止でき、燃料噴射ノ
ズルから噴射される噴霧間の干渉が生じることがなく、
燃料リッチで燃焼させてNOX の発生を抑制できる。ま
た、前記連絡口を通って前記副燃焼室から前記主燃焼室
へ噴出エネルギーで噴き出させ、前記副燃焼室から前記
主燃焼室への噴き出し方向が前記主燃焼室内のスワール
流に順流になる方向に形成されているので、前記連絡口
から噴き出した火炎、燃焼ガスはシリンダ壁面まで短期
に到達でき、前記主燃焼室での新気との混合を促進で
き、燃焼を短期に完結し、スモーク、HC、NOX 等の
発生を低減でき、熱効率を向上できる。
のように構成されており、次のような効果を有する。こ
の副室式エンジンは、主燃焼室と副燃焼室とを連通する
連絡口は、前記副燃焼室中心から偏心した周方向に隔置
して複数形成され、シリンダ軸に対して前記副燃焼室へ
の流入方向が前記主燃焼室のスワール流と逆方向に周方
向斜めに形成され、前記副燃焼室から前記主燃焼室への
噴き出し方向が前記主燃焼室のスワール流に順流方向に
形成されているので、前記副燃焼室内ではスワール流が
オーバスワール状態になるのを防止され、前記副燃焼室
からシリンダヘッドへの熱放散を防止でき、燃料噴射ノ
ズルから噴射される噴霧間の干渉が生じることがなく、
燃料リッチで燃焼させてNOX の発生を抑制できる。ま
た、前記連絡口を通って前記副燃焼室から前記主燃焼室
へ噴出エネルギーで噴き出させ、前記副燃焼室から前記
主燃焼室への噴き出し方向が前記主燃焼室内のスワール
流に順流になる方向に形成されているので、前記連絡口
から噴き出した火炎、燃焼ガスはシリンダ壁面まで短期
に到達でき、前記主燃焼室での新気との混合を促進で
き、燃焼を短期に完結し、スモーク、HC、NOX 等の
発生を低減でき、熱効率を向上できる。
【0034】この副室式エンジンは、副室式燃焼室であ
るので、前記副燃焼室で燃料リッチで燃焼させてNOX
の発生を低減でき、しかも前記副燃焼室からシリンダヘ
ッドを通じて外部への熱放散を防止でき、熱効率を向上
させることができる。即ち、副燃焼室式エンジンの冷却
損失が高いのは、副燃焼室を設けることにより、表面積
が増大し、副燃焼室内の空気流動が大きく、熱伝達率が
高く、放熱量が大になるからである。そこで、副燃焼室
を遮熱構造に構成した場合には、放熱を防止することが
でき、熱効率を大幅に向上させることができる。
るので、前記副燃焼室で燃料リッチで燃焼させてNOX
の発生を低減でき、しかも前記副燃焼室からシリンダヘ
ッドを通じて外部への熱放散を防止でき、熱効率を向上
させることができる。即ち、副燃焼室式エンジンの冷却
損失が高いのは、副燃焼室を設けることにより、表面積
が増大し、副燃焼室内の空気流動が大きく、熱伝達率が
高く、放熱量が大になるからである。そこで、副燃焼室
を遮熱構造に構成した場合には、放熱を防止することが
でき、熱効率を大幅に向上させることができる。
【0035】また、副燃焼室がシリンダヘッドの中央に
位置し、前記連絡口からの噴流の到達距離が短く、燃焼
時間が短くなって性能が向上する。また、前記副燃焼室
からの噴流の到達距離が短くて済むため、前記連絡口の
通路面積を大きく形成でき、しぼり損失を低減でき効率
を向上できる。また、前記主燃焼室と前記副燃焼室との
通路面積を前記副燃焼室の外周囲に形成した多数の前記
連絡口の合計で全体として大きく形成でき、しぼり損失
を低減できる。また、前記連絡口の傾斜方向を外向きに
傾斜させると、ピストン周辺への前記副燃焼室からの噴
流の到達距離が更に短くなり、ピストン周辺の新気との
混合を促進する。
位置し、前記連絡口からの噴流の到達距離が短く、燃焼
時間が短くなって性能が向上する。また、前記副燃焼室
からの噴流の到達距離が短くて済むため、前記連絡口の
通路面積を大きく形成でき、しぼり損失を低減でき効率
を向上できる。また、前記主燃焼室と前記副燃焼室との
通路面積を前記副燃焼室の外周囲に形成した多数の前記
連絡口の合計で全体として大きく形成でき、しぼり損失
を低減できる。また、前記連絡口の傾斜方向を外向きに
傾斜させると、ピストン周辺への前記副燃焼室からの噴
流の到達距離が更に短くなり、ピストン周辺の新気との
混合を促進する。
【0036】また、前記連絡口の傾斜方向は、吸気ポー
トから前記主燃焼室に流入して形成されるスワール流の
方向に対して逆方向であり、前記副燃焼室から前記主燃
焼室への噴き出し方向が前記主燃焼室内のスワール流に
順流になる方向であるので、前記主燃焼室に形成されて
いるスワール流のエネルギーを活かすことができ、前記
主燃焼室内での燃焼火炎及び未燃混合気と新気との混合
が促進され良好になる。
トから前記主燃焼室に流入して形成されるスワール流の
方向に対して逆方向であり、前記副燃焼室から前記主燃
焼室への噴き出し方向が前記主燃焼室内のスワール流に
順流になる方向であるので、前記主燃焼室に形成されて
いるスワール流のエネルギーを活かすことができ、前記
主燃焼室内での燃焼火炎及び未燃混合気と新気との混合
が促進され良好になる。
【0037】従って、この副室式エンジンは、前記副燃
焼室での燃焼状態を燃料リッチで燃焼させ且つ直接噴射
式燃焼室と同等の燃焼スピードを確保でき、NOX の発
生を抑制できる。また、前記副燃焼室をシリンダの中央
部に形成して前記副燃焼室の外周から噴出する火炎と混
合気とは、前記シリンダの全周即ち前記主燃焼室に存在
する新気に対して距離が短くなるので、前記主燃焼室で
の混合が促進され、燃焼スピードを速くして燃焼期間を
短縮でき、NOX 、HC、スモークの発生を抑制できる
燃焼を行わせることができる。
焼室での燃焼状態を燃料リッチで燃焼させ且つ直接噴射
式燃焼室と同等の燃焼スピードを確保でき、NOX の発
生を抑制できる。また、前記副燃焼室をシリンダの中央
部に形成して前記副燃焼室の外周から噴出する火炎と混
合気とは、前記シリンダの全周即ち前記主燃焼室に存在
する新気に対して距離が短くなるので、前記主燃焼室で
の混合が促進され、燃焼スピードを速くして燃焼期間を
短縮でき、NOX 、HC、スモークの発生を抑制できる
燃焼を行わせることができる。
【図1】この発明による副室式エンジンの一実施例を示
す断面図である。
す断面図である。
【図2】図1の副室式エンジンのシリンダヘッドの下面
図である。
図である。
【図3】この発明による副室式エンジンの別の実施例を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図4】図3の副室式エンジンのシリンダヘッドの下面
図である。
図である。
【図5】この発明による副室式エンジンの更に別の実施
例を示す断面図である。
例を示す断面図である。
【図6】図5の副室式エンジンのシリンダヘッドの下面
図である。
図である。
【図7】図5の副室式エンジンのピストンヘッドの一例
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図8】図5の副室式エンジンのピストンヘッドの別の
例を示す説明図である。
例を示す説明図である。
1 主燃焼室 2 副燃焼室 3 シリンダ 4 副室部材 5 シリンダヘッド 6 シリンダブロック 7 主燃焼室側開口 8 ピストン 9 連絡口 10 燃料噴射ノズル 11 多噴孔 12 副燃焼室側開口 13 吸気ポート 14 シリンダヘッド下面 15,35 中央連絡口 18 突出部 20 ヘッドプレート 21 穴部 23 傾斜機能材料 24,25 キャビティ 37 ピストン頂面 38 ピストンヘッド
Claims (5)
- 【請求項1】 シリンダヘッドに形成される副燃焼室、
シリンダ側に形成される主燃焼室、該主燃焼室と前記副
燃焼室とを連通する連絡口及び前記副燃焼室内に燃料を
噴射する燃料噴射ノズルを有する副室式エンジンにおい
て、前記燃料噴射ノズルは前記副燃焼室の中央に配置さ
れ且つ前記副燃焼室の周壁へ向かって燃料を噴射する多
噴孔に形成され、前記連絡口は前記副燃焼室中心から偏
心した周方向に隔置して複数形成され且つシリンダ軸に
対して前記副燃焼室への流入方向が前記主燃焼室のスワ
ール流と逆方向に周方向斜めに形成され且つ前記副燃焼
室から前記主燃焼室への噴き出し方向が前記主燃焼室の
スワール流に順流方向に形成されていることを特徴とす
る副室式エンジン。 - 【請求項2】 前記副燃焼室の中央部には、前記主燃焼
室と前記副燃焼室とを連通する中央連絡口が設けられて
いることを特徴とする請求項1に記載の副室式エンジ
ン。 - 【請求項3】 前記シリンダ内を往復運動するピストン
のピストン頂面には、ピストン上死点近傍で前記中央連
絡口に突入できる突出部が形成されていることを特徴と
する請求項2に記載の副室式エンジン。 - 【請求項4】 ピストンヘッドに形成される副燃焼室、
シリンダ側に形成される主燃焼室、該主燃焼室と前記副
燃焼室とを連通する前記ピストンヘッドに形成した連絡
口及び前記副燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射ノズル
を有する副室式エンジンにおいて、前記燃料噴射ノズル
はシリンダヘッドに配置され且つピストン上死点近傍で
前記ピストンヘッドに形成した中央連絡口に突入でき、
前記連絡口は前記副燃焼室中心から偏心した周方向に隔
置して複数形成され且つシリンダ軸に対して前記副燃焼
室への流入方向が前記主燃焼室のスワール流と逆方向に
周方向斜めに形成され且つ前記副燃焼室から前記主燃焼
室への噴き出し方向が前記主燃焼室のスワール流に順流
方向に形成されていることを特徴とする副室式エンジ
ン。 - 【請求項5】 前記ピストンヘッドには前記副燃焼室を
構成するキャビティが形成され、前記キャビティの上部
には前記連絡口と前記中央連絡口を備えたセラミックス
等から成る耐熱材から作製したヘッドプレートが取り付
けられていることを特徴とする請求項4に記載の副室式
エンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04617593A JP3324178B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 副室式エンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04617593A JP3324178B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 副室式エンジン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06241049A true JPH06241049A (ja) | 1994-08-30 |
JP3324178B2 JP3324178B2 (ja) | 2002-09-17 |
Family
ID=12739696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04617593A Expired - Fee Related JP3324178B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 副室式エンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3324178B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5645028A (en) * | 1995-11-21 | 1997-07-08 | Isuzu Motors Limited | Piston structure with a combustion chamber |
-
1993
- 1993-02-12 JP JP04617593A patent/JP3324178B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5645028A (en) * | 1995-11-21 | 1997-07-08 | Isuzu Motors Limited | Piston structure with a combustion chamber |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3324178B2 (ja) | 2002-09-17 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |