JPH06240999A - 道路トンネル換気制御装置 - Google Patents

道路トンネル換気制御装置

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JPH06240999A
JPH06240999A JP3187793A JP3187793A JPH06240999A JP H06240999 A JPH06240999 A JP H06240999A JP 3187793 A JP3187793 A JP 3187793A JP 3187793 A JP3187793 A JP 3187793A JP H06240999 A JPH06240999 A JP H06240999A
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JP
Japan
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value
time
notch
road tunnel
neutral network
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JP3187793A
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Toshihiro Koyama
山 敏 博 小
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より的確なノッチ設定を行うことによりトン
ネル内換気状態を良好な状態に安定に維持することがで
きるトンネル換気制御装置を提供する。 【構成】 道路トンネル換気制御装置は、道路トンネル
内の交通量を計測して得た過去の時系列データに基づき
道路トンネル内の大気汚染状況を予測する交通量予測機
能手段(5)と、この交通量予測機能手段(5)による
予測結果に基づき、道路トンネル内に配設された換気機
の運転組み合わせであるノッチ計画値を決定する換気機
運用計画機能手段(6)と、道路トンネル内の大気の汚
染濃度に関する時系列データおよび道路トンネル内の交
通量に関する時系列データを入力信号として、道路トン
ネル内汚染状態を許容範囲に維持するとともに使用電力
量を少なくするように、前記ノッチ計画値を補正するニ
ュートラルネットワーク機能手段(810)とを備える
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路トンネル換気制御
装置に係り、特にニュートラルネットワークを用いて換
気設備の運用を制御する道路トンネル換気制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】道路トンネルには、(イ) 換気風が車
道を縦方向に流れる縦流式トンネル、(ロ) トンネル
ダクトにより送気または排気され、車道を縦流して坑口
より排気または吸気される半横流式トンネル、(ハ)
送気と排気の両方のトンネルダクトを有し、換気風は車
道を横断方向に流れる横流式、など各種タイプのトンネ
ルが存在する。
【0003】そして、これらのトンネルはその規模、需
要交通量に応じて、送風機、排風機、電気集塵機、ジェ
ットファンといった換気設備を有する。これらの換気設
備を運用するに当たっては、しばしばノッチという概念
を使用することがある。
【0004】図4は、図5に示すような半横流式トンネ
ルを対象としたときのノッチの概念を示す表である。こ
のトンネルは図5に示すように、送風機を2カ所(QB
1とQB2)、排風機を1カ所(QE1)に持ち、換気
風は原則として図5の左から右に向かって流れている。
そして、 ・換気方向上流側の送風機における電動機台数:3台 ・換気方向下流側の送風機における電動機台数:3台 ・換気方向下流側の排風機における電動機台数:3台 となっている。これらの電動機の運転台数は交通量に応
じて増減されることになるが、これをノッチの形で整理
したものが図4である。図4に示される以外にも種々の
運転組合せが考えられるが、ここでは代表的な組合せの
みを抽出し、ノッチレベルが上がるに従い、各送風機、
排風機の電動機運転台数が増加する形となっている。
【0005】従来、これらのノッチに関しては、各時間
帯の交通量予測値に基づき、換気機運用計画(図1にお
ける符号6参照)と称する機能によりトンネル内汚染状
況を予測しながら最適なノッチレベルを決定していた。
また、換気フィードバック制御と称する機能により必要
に応じてトンネル内センサの出力をフィードバック信号
としてノッチレベルの修正を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記換
気機運用計画では、あくまでも交通量予測値(図1にお
ける符号5参照)に基づいているため、交通量予測誤差
およびトンネル内汚染状況の予測する際の数式モデル上
の誤差などの影響により必ずしも最適なノッチレベルの
設定を行っているとは言い難い。
【0007】また、換気フィードバック制御によるノッ
チレベルの修正もその効果が現れ始めるまでの制御応答
時間の問題があり、機能的に充分とは言えない。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の
有する問題を解消し、より的確なノッチ設定を行うこと
によりトンネル内換気状態を良好な状態に安定に維持す
ることができるトンネル換気制御装置を提供することに
ある。
【0009】特に、従来の換気機運用計画の誤差を補償
するため、交通量の実績値および予測値の時系列データ
と各種センサ出力の時系列データとをニュートラルネッ
トワークへ入力することにより、換気機運用計画におい
て決定されたノッチレベルに対する補正値を出力できる
ようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による道路トンネル換気制御装置は、道路ト
ンネル内の交通量を計測して得た過去の時系列データに
基づき道路トンネル内の大気汚染状況を予測する交通量
予測機能手段と、この交通量予測機能手段による予測結
果に基づき、道路トンネル内に配設された換気機の運転
組み合わせであるノッチ計画値を決定する換気機運用計
画機能手段と、道路トンネル内の大気の汚染濃度に関す
る時系列データおよび道路トンネル内の交通量に関する
時系列データを入力信号として、道路トンネル内汚染状
態を許容範囲に維持するとともに使用電力量を少なくす
るように、前記ノッチ計画値を補正するニュートラルネ
ットワーク機能手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
【作用】交通量予測機能および換気機運用計画機能は従
来から有る機能であり、各時間帯の交通量を交通量予測
機能において予測し、その予測結果を受けて換気機運用
計画機能ではトンネル内汚染状態を許容範囲に維持で
き、且つ使用電力量の最も少ないノッチレベルを選択す
る。一方、ニュートラルネットワークでは、 ・VI計、CO計、風向風速計といったトンネル内セン
サ出力の過去の時系列データ ・交通量を計測するトラフィックカウンタ出力の過去の
時系列データ ・交通量計測値の時系列データ ・換気機運用計画機能により決定されたノッチ計画値 を入力信号として、ノッチ計画値に対する補正値を演算
する。ニュートラルネットワークが適正な補正値を演算
するためには、ニュートラルネットワーク内の各素子間
相互の結合の強さを示す重み係数を適正な値に予め学習
しておく必要がある。この学習を行うのがニュートラル
ネットワーク学習機能である。この学習機能ではニュー
トラルネットワーク学習用教師信号作成機能で随時作成
される教師信号(ニュートラルネットワークの望ましい
出力に相当する信号)と実際のニュートラルネットワー
クの出力とを比較しながらニュートラルネットワーク内
の重み係数を学習していく。
【0012】
【実施例】以下、本発明による道路トンネル換気制御装
置の一実施例について図面を参照して説明する。
【0013】図1は本発明の一実施例を示す機能構成ブ
ロック図である。2点鎖線から下の部分は従来の方式の
構成を示す。2点鎖線から上の部分が本発明において新
しく付け加えられた部分を示す。
【0014】本実施例による道路トンネル換気制御装置
は、トンネル内の透視度の指標となるVI値(VI=Vi
sibility)を計測するVI計1と、CO濃度を計測する
CO計2と、トンネル内風速を計測するWS計3と、通
過交通量を計測するトラフィックカウンタ4と、交通量
予測機能5と、換気機運用計画6と、ニュートラルネッ
トワーク入力用の時系列データを蓄積するための保存メ
モリ7と、ニュートラルネットワーク8と、ニュートラ
ルネットワーク学習用の時系列データを蓄積するための
保存メモリ9と、ニュートラルネットワーク学習用の教
師信号作成機能10と、ニュートラルネットワーク学習
機能11と、ニュートラルネットワークの出力の上下限
チェックを行うリミットチェック機能12とを備えてい
る。
【0015】次に本実施例の作用について以下に詳細に
説明する。交通量予測機能5ではトラフィックカウンタ
4による交通量計測値a4に統計的処理を加えることに
より、現時刻t〔min 〕よりT〔min 〕先までの平均的
な交通量予測値dを演算する。ここで、交通量は上り線
・下り線別、大型車・中型車別に取り扱われる。
【0016】換気機運用計画6では交通量予測値dを受
けて、現時刻t〔min 〕よりT〔min 〕先までの平均的
なトンネル内汚染状況を予測する。この予測は図4の各
ノッチレベルに対して行われる。そして、トンネル内汚
染濃度制約を満足し、且つ使用電力の最も小さい(ノッ
チレベルの最も低い)ノッチが換気機運用計画6の出力
であるノッチ計画値fとなる。
【0017】本実施例においては、次に、上記ノッチ計
画値fに対する補正値yを演算し、ノッチ計画値fに加
算することにより最終的なノッチ指令値zを演算しよう
とするものである。以下、その手順を順を追って説明す
る。
【0018】今、現時刻をt〔min 〕とする。保存メモ
リ9では、時刻tにおいてニュートラルネットワーク学
習用のデータを蓄積する。具体的には、 ・VIレベル実績値a1 ・COレベル実績値a2 ・風速実績値a3 ・ノッチ実績値e ・ノッチ計画値f ・ニュートラルネットワーク出力Z を逐次記憶しておき、時刻tの時点では、教師信号作成
機能10向けに、下記の各情報: ・時刻t−T−δ〜t−δにおけるノッチ実績値の平均
値p…図2(a)のチャートの破線で囲まれた部分の平
均値 ・時刻t−T−δにおけるノッチ計画値q…図2(b)
のチャートの黒点で示された点に相当する値 ・時刻t−T−tにおけるVIレベル実績値の平均値r
…図2(c)のチャートの外側の破線で囲まれた部分の
平均値 ・時刻t−T−tにおけるCOレベル実績値の平均値s
…図2(d)のチャートの外側の破線で囲まれた部分の
平均値 を出力し、ニュートラルネットワーク学習機能11向け
には、 ・時刻t−T−δにおけるニュートラルネットワーク出
力u を出力する。
【0019】ここで、上記Tおよびδの意味について説
明しておく。ノッチ計画値は換気機運用計画機能6にお
いて演算されるが、その更新周期を、本実施例では図2
に示されるようにT〔min 〕としている。図2では、時
刻t−T−δおよび時刻t−δがノッチ計画値の更新タ
イミングに相当する。時刻t−T−δにおいて変更され
たノッチの影響が実際のトンネル内汚染状況に現れ始め
るまでにはある時間を要し、この時間を本実施例ではδ
で表している。ここでδを効果待ち時間と称する。
【0020】ノッチ計画値qは、時刻t−T−δ〜t−
δの間、一定であるが、実際のノッチ実績値は換気フィ
ードバック制御などの影響により時刻t−T−δ〜t−
δの間でも変化する。したがって、 ・時刻t−T−δ〜t−δにおけるノッチ実績値p を求める際に、この影響を見るためには、上記効果待ち
時間δを考慮し、 ・時刻t−T〜tにおけるVIレベル実績値の平均値r ・時刻t−T〜tにおけるCOレベル実績値の平均値s を見ればよいことがわかる。
【0021】上記各信号p,q,r,sを受けて教師信
号作成機能10ではVI・COレベルを評価しながら次
のようにして学習用の教師信号を作成する。
【0022】教師信号作成上の基本思想は以下の通りで
ある。 (1) 時刻t−T〜tにおける換気状態が許容範囲に
入っていれば、“時刻t−T−δ〜t−δにおけるノッ
チ実績値の平均値から時刻t−T−δにおけるノッチ計
画値を引いた値”を教師信号とする。 (2) 時刻t−T〜tにおける換気状態が許容範囲よ
り悪化していれば、“時刻t−T−δ〜t−δにおける
ノッチ実績値の平均値から時刻t−T−δにおけるノッ
チ計画値を引いた値+1”を教師信号とする。 (3) 時刻t−T〜tにおける換気状態が許容範囲に
比べ過剰換気気味であれば、“時刻t−T−δ〜t−δ
におけるノッチ実績値の平均値から時刻t−T−δにお
けるノッチ計画値を引いた値−1”を教師信号とする。
【0023】ただし、この場合の教師信号は、時刻t−
T−δにおけるニュートラルネットワーク出力uの望ま
しい値を示している。本実施例では、ニュートラルネッ
トワーク出力はノッチ計画値に対する補正値として演算
されるように構成されているため、ノッチ実績値とノッ
チ計画値の差分をそのまま教師信号とするのか、あるい
は±1ノッチの範囲で修正したものを教師信号とするの
かを上記(1)〜(3)のルールで選択しようとするも
のである。
【0024】上記(1)〜(3)に沿った具体的な演算
処理を以下に示す。 (CASE 1) (VI過剰換気チェックレベル)>(時刻t−T〜tに
おけるVIレベル実績値の平均値r)>(VIレベル許
容下限値) 且つ、 (CO過剰換気チェックレベル)<(時刻t−T〜tに
おけるCOレベル実績値の平均値s)<(COレベル許
容上限値) の場合、 (教師信号v) =(時刻t−T−δ〜t−δにおけるノッチ実績値の平均値p) −(時刻t−T〜δにおけるノッチ平均値q) …(1) とする。 (CASE 2) (時刻t−T〜tにおけるVIレベル実績値の平均値
r)≦(VIレベル許容下限値) または、 (時刻t−T〜tにおけるCOレベル実績値の平均値
s)≧(COレベル許容上限値) の場合、 (教師信号v) =(時刻t−T−δ〜t−δにおけるノッチ実績値の平均値p) −(時刻t−T〜δにおけるノッチ計画値q)+1ノッチ …(2) とする。 (CASE 3) (時刻t−T〜tにおけるVIレベル実績値の平均値
r)≧(VI過剰換気チェックレベル) 且つ、 (時刻t−T〜tにおけるCOレベル実績値の平均値
s)≦(CO過剰換気チェックレベル) の場合、 (教師信号v) =(時刻t−T−δ〜t−δにおけるノッチ実績値の平均値p) −(時刻t−T〜δにおけるノッチ計画値q)−1ノッチ …(3) とする。 (CASE 4)上記ケース以外の場合、CASE1と
同様の教師信号とする。
【0025】このようにして教師信号vが決まると、ニ
ュートラルネットワーク学習機能11ではニュートラル
ネットワーク内の重み係数の学習を行う。
【0026】ニュートラルネットワーク学習機能11の
説明を行う前にニュートラルネットワーク8の構成およ
び演算処理内容について説明する。
【0027】図3は学習の対象となるニュートラルネッ
トワーク8の構成図を示している。本発明で採用するニ
ュートラルネットワークは、入力層、中間層、出力層の
3層構造となっている。入力層はX1 〜X20の計20個
の素子からなっており、 ・X1 〜X4 は時刻t−α〜時刻t間のVIレベル実績
値の時系列データVI1〜VI4 ・X5 〜X8 は時刻t−α〜時刻t間のCIレベル実績
値の時系列データCO1〜CO4 ・X9 〜X12は時刻t−α〜時刻t間の風速実績値の時
系列データWS1〜WS4 ・X13〜X16は時刻t−α〜時刻t間の交通量計測値の
時系列データTA1〜TA4 ・X17〜X19は時刻t−α〜時刻t間の交通量計測値の
時系列データTP1〜TP4 ・X20は時刻tにおけるノッチ計画値f となっている。
【0028】ただし、VI計、CO計、WS計(風向風
速計)が複数台設置されている場合には、さらに入力層
の素子数を増加させてやればよい。また、交通量を上り
線・下り線別、大型車・小型車別に扱う場合にも同様に
入力層の素子数を増加させてやればよい。また、時系列
データの点数を減少させることにより入力層の素子数を
抑えても構わない。
【0029】中間層の素子数は特に限定されないため、
ここではn個とする。出力層の素子数は1個とする。
【0030】ニュートラルネットワークの出力Zはノッ
チ計画値に対する補正値を示している。入力層と中間層
の間、中間層と出力層の間は各々重み係数で結合されて
おり、この重み係数をニュートラルネットワーク学習機
能11で学習することになる。ここで、ニュートラルネ
ットワーク出力の演算処理内容を図1、図2および図3
にしたがって説明する。
【0031】まず、図1のニュートラルネットワーク8
の演算用に保存メモリ7では、 ・VIレベル実績値a1 ・COレベル実績値a2 ・風速実績値a3 ・交通量計測値a4 ・交通量予測値d を一定周期で取り込んでおく。そして、ニュートラルネ
ットワーク8において演算が行われる際に ・時刻t−α〜tにおけるVIレベル実績値の時系列パ
ターンA1…図2(c)のチャートの内側の破線で囲ま
れた部分の平均値 ・時刻t−α〜tにおけるCOレベル実績値の時系列パ
ターンA2…図2(d)のチャートの内側の破線で囲ま
れた部分の平均値 ・時刻t−α〜tにおける風速実績値の時系列パターン
A3…図2(e)のチャートの破線で囲まれた部分の平
均値 ・時刻t−α〜tにおける交通量計測値の時系列パター
ンD…図2(f)のチャートの破線で囲まれた部分の平
均値 ・時刻t〜t+βにおける交通量予測値の時系列パター
ンA4…図2(g)のチャートの破線で囲まれた部分の
平均値 をニュートラルネットワーク8へ送る。
【0032】これを受けて、ニュートラルネットワーク
8では、まず図3の中間層の出力Yj を次式で演算す
る。 Yj =Fj (Uyj) (j=1,2,…,n) …(4) ここで、 Yj :図3の中間層の第j素子の出力 Wji:図3の入力層の第i素子と中間層の第j素子との
間の重み係数 Xi :図3の入力層の第i素子の出力(入力層は入力と
出力とが同じ) F :各素子の入出力特性を表す関数 である。
【0033】次に、出力層の出力Zを次式により演算す
る。 Z=F(UZ ) …(6) ここで、 Z :出力層の出力 Wj :中間層第j素子と出力層素子との間の重み係数 である。
【0034】また、関数Fとしては、例えば次式に示す
シグモイド関数を採用する。 F(U)=1/(1+e-u) …(8) 上記(4)〜(8)式の演算が図1のニュートラルネッ
トワーク8内の処理である。
【0035】上記出力層の出力Zは随時図1の保存メモ
リ9に記憶され、記憶された時点からT+δ後に保存メ
モリ9からニュートラルネットワーク学習機能11に信
号uとして送られる。従って信号uは、現在時刻をtと
すると時刻t−T−δにおけるニュートラルネットワー
ク出力を示すことになる。
【0036】では、ここでニュートラルネットワーク学
習機能11において行われる学習演算処理の内容を説明
する。この学習には以下に説明するバックプロパゲーシ
ョンと呼ばれる手法を使用している。
【0037】まず、前述の教師信号作成機能10にて演
算された教師信号vと信号uとの誤差関数を(9)式で
定義する。 E=(1/2)・(u−v)2 …(9) バックプロパゲーションとは、この誤差関数が最小値に
近づくように重み係数を修正していく手法であり、重み
係数の修正量△Wj 、△Wjiは次式で演算される。
【0038】
【数1】 上式において、εは1回に行う修正の大きさを決めるパ
ラメータである。(10)式および(11)式の偏微分
項を展開して整理すると、重み係数の修正量は次のよう
に表される。
【0039】
【数2】 また、学習の際の収束の安定化および収束速度の向上を
図るために、(12)式、(13)式の代わりに次式を
採用する方法も有効である。 △Wj (m) =−ε・λ・Yj +α・△Wj (m-1) …(16) △Wji(m) =−ε・μj ・Xi +α・△Wji(m-1) …(17) (0<α<1) ここでαは学習を安定させるためのパラメータであり、
mは学習の回数を表す。なお、ニュートラルネットワー
クおよびバックプロパゲーションの詳細については、下
記の文献などに記載されている。 中野 編著:「ニューロコンピュータの基礎」、コロナ
社(1980) 以上述べた手順に従って、ニュートラルネットワーク学
習機能11によりニュートラルネットワーク8内の重み
係数Wji、Wj が学習されていく。
【0040】学習された重み係数を用いて、ニュートラ
ルネットワーク8において前述の(4)〜(8)式に従
いニュートラルネットワーク出力Zが演算され、リミッ
トチェック機能12により±1の範囲に抑えられた後、
リミットチェック後のニュートラルネットワーク出力y
として、換気運用計画6の出力であるノッチ計測値fに
加算されて、最終的なノッチ設定値Nとなる。なお、リ
ミットチェックは別に±1に限定する必要はない。
【0041】本実施例の構成によれば、VI計、CO
計、風向風速計、トラフィックカウンタといった各種セ
ンサの出力の時系列パターンおよび交通量予測値の時系
列パターンなどの時系列データをもとにニュートラルネ
ットワークの手法を用いて、ノッチ計画値の補正値を出
力し、且つこれと並行してニュートラルネットワーク内
の重み係数を実際のトンネル換気に適合するように逐次
学習しているため、交通量予測誤差および数式モデル誤
差の影響により生ずる換気運用計画のずれを適正に補正
し、安定した換気状態を適正な使用電力で維持すること
が可能となる。
【0042】なお、上述の実施例においては、VI計、
CO計、風向風速計、トラフィックカウンタといった各
種センサの出力の時系列パターンおよび交通量予測値の
時系列パターンをニュートラルネットワークの入力情報
として用いていたが、ニュートラルネットワーク内の素
子数を節約するためにこれら情報の一部のみを用いてニ
ュートラルネットワークを構成しても構わない。
【0043】また、本発明の適用対象となるトンネルは
図5のような半横流式トンネルに限らず縦流式トンネ
ル、横流式トンネルにおいても、図4に相当するような
ノッチ一覧表を定めさえすれば汎用的に適用可能であ
る。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成によれ
ば、トンネル内各種センサの出力および交通量予測値な
どの時系列パターンあるいは変動パターンといった情報
をニュートラルネットワークを用いて認識し、認識され
たパターンを基に換気機運用計画の出力を補正し、且つ
ニュートラルネットワークの構成自体も実際の換気制御
結果を参照しながら逐次学習されて行くように構成され
ているため、交通量予測誤差および数式モデル誤差の影
響により生ずる換気運用計画の誤差を適正に補正し、フ
ィードバック制御に有りがちな応答遅れの問題をも解決
し、適正な使用電力で安定した換気状態を維持する効果
を有する。また、本発明は従来方式に付加する形の構成
となっているため、既存システムとの親和性にも優れて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の機能構成を示すブロック
図。
【図2】本発明の一実施例に必要とされる各種信号を説
明する図。
【図3】本発明の一実施例で用いるニュートラルネット
ワークの構成例を示す図。
【図4】道路トンネル換気制御におけるノッチの概念を
示す表の一例を示す図。
【図5】半横流式チャネルの一例を示す図。
【符号の説明】
1 VI計 2 CO計 3 WS計(風向風速計) 4 トラフィックカウンタ 5 交通量予測機能 6 換気機運用計画機能 7,9 保存メモリ 8 ニュートラルネットワーク 10 教師信号作成機能 11 ニュートラルネットワーク学習機能 12 リミットチェック機能 a1 VIレベル実績値 a2 COレベル実績値 a3 風速実績値 a4 交通量計測値 d 交通量予測値 D 時刻t−α〜tにおける交通量計測値の時系列パタ
ーン A1 時刻t−α〜tにおけるVIレベル実績値の時系
列パターン A2 時刻t−α〜tにおけるCOレベル実績値の時系
列パターン A3 時刻t−α〜tにおける風速実績値の時系列パタ
ーン A4 時刻t〜t+βにおける交通量予測値の時系列パ
ターン e 時刻tにおけるノッチ実績値 f 時刻tにおけるノッチ計画値 Z 時刻tにおけるニュートラルネットワーク出力(ノ
ッチ計画値に対する補正値) H VI過剰換気チェックレベル(定数) K CO過剰換気チェックレベル(定数) h VIレベル許容下限値(定数) k COレベル許容上限値(定数) p 時刻t−T−δ〜t−δにおけるノッチ実績値平均
値 q 時刻t−T−δにおけるノッチ計画値 r 時刻t−T〜tにおけるVIレベル実績値平均値 s 時刻t−T〜tにおけるCOレベル実績値平均値 u 時刻t−T−δにおけるニュートラルネットワーク
出力 v 『時刻t−T−δにおけるニュートラルネットワー
ク出力』に対応する教師信号 wb 時刻tにおけるニュートラルネットワーク内の各
種重み係数(時刻tにおける学習前の値) wa 時刻tにおけるニュートラルネットワーク内の各
種重み係数(時刻tにおける学習後の値) y リミットチェック後のニュートラルネットワーク出
力 N 最終的なノッチ設定値 t 現時刻 δ 効果待ち時間 α ニュートラルネットワーク入力向け実績値時系列パ
ターンの時間帯幅 β ニュートラルネットワーク入力向け予測値時系列パ
ターンの時間帯幅 T 換気機運用計画演算周期

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】道路トンネル内の交通量を計測して得た過
    去の時系列データに基づき道路トンネル内の大気汚染状
    況を予測する交通量予測機能手段と、 この交通量予測機能手段による予測結果に基づき、道路
    トンネル内に配設された換気機の運転組み合わせである
    ノッチ計画値を決定する換気機運用計画機能手段と、 道路トンネル内の大気の汚染濃度に関する時系列データ
    および道路トンネル内の交通量に関する時系列データを
    入力信号として、道路トンネル内汚染状態を許容範囲に
    維持するとともに使用電力量を少なくするように、前記
    ノッチ計画値を補正するニュートラルネットワーク機能
    手段とを備えることを特徴とする道路トンネル換気制御
    装置。
  2. 【請求項2】前記ニュートラルネットワーク機能手段
    は、ノッチ計画値を変更した後の道路トンネル内の大気
    の汚染濃度と汚染濃度許容範囲とを比較して生成される
    信号を教師信号として、前記ノッチ計画値を補正するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の道路トンネル換気制御
    装置。
JP3187793A 1993-02-22 1993-02-22 道路トンネル換気制御装置 Withdrawn JPH06240999A (ja)

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JP3187793A JPH06240999A (ja) 1993-02-22 1993-02-22 道路トンネル換気制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5332668A (en) * 1991-10-11 1994-07-26 Meito Sangyo Co., Ltd. Protease with low thermostability derived from Mucor pusillus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5332668A (en) * 1991-10-11 1994-07-26 Meito Sangyo Co., Ltd. Protease with low thermostability derived from Mucor pusillus

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