JPH06240511A - シクロオレフィン共重合体を原料とする繊維 - Google Patents

シクロオレフィン共重合体を原料とする繊維

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JPH06240511A
JPH06240511A JP6016542A JP1654294A JPH06240511A JP H06240511 A JPH06240511 A JP H06240511A JP 6016542 A JP6016542 A JP 6016542A JP 1654294 A JP1654294 A JP 1654294A JP H06240511 A JPH06240511 A JP H06240511A
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    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/02Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • D01F6/04Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds from polyolefins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F232/00Copolymers of cyclic compounds containing no unsaturated aliphatic radicals in a side chain, and having one or more carbon-to-carbon double bonds in a carbocyclic ring system
    • C08F232/08Copolymers of cyclic compounds containing no unsaturated aliphatic radicals in a side chain, and having one or more carbon-to-carbon double bonds in a carbocyclic ring system having condensed rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F6/00Post-polymerisation treatments
    • C08F6/02Neutralisation of the polymerisation mass, e.g. killing the catalyst also removal of catalyst residues

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐溶剤性に関してはポリエチレン繊維とポリ
プロピレン繊維に匹敵し、同時にこれらのポリオレフィ
ン繊維よりも熱に対する形状安定性が優れ、溶融紡糸す
ることの出来るポリオレフィン繊維の製造方法を提供す
る。 【構成】 対称構造の多環式オレフィン、非環式オレフ
ィン及び若しも希望するならば単環式のオレフィンを、
アルミノキサンと式: 【化1】 のメタロセン化合物から成る触媒系の存在で重合するこ
とによって調製できる少なくとも一つの、部分的に結晶
性のシクロオレフィン共重合体から成る繊維が提供され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は多環式のオレフィンの部分的に
結晶性の共重合体から造られる繊維に関する。
【0002】ポリエチレンとポリプロピレンをベースと
したポリオレフィン繊維は公知である。これらのポリオ
レフィン繊維の他ならぬ有利的性質は高い耐溶剤性であ
る。それらは総ての極性の溶剤(例えば、ケトン、アル
コール、有機酸、エステル化合物、アミド化合物など)
と水性の媒体(例えば、水溶液の酸、アルカリ等)に対し
て本質的に安定であり、そして室温では同じく飽和した
炭化水素のような非極性の溶剤(例えば、油類、石油の
フラクション(留分)等)に対しても抵抗性がある。この
性質と高い耐薬品性の組み合わせは、ポリオレフィン繊
維を編織布のセクターとその他の産業で広い用途での使
用を可能にして来た。高分子量のPE(ポリエチレン)か
ら造られた高度に延伸した繊維は、それらが有する室温
に於ける非常に高い引っ張り強さで知られている。PE
とPP(ポリプロピレン)の繊維は、同じく織布と不織布
の製造にも用いられる。
【0003】例えば、高温を発生するような滅菌法また
は他のプロセス(例えば、熱水と熱ガスの濾過用の不織
布)と関連して、熱に対する形状の安定性は、これらの
用途で屡(しばしば)重要な役割を果たしている。残念な
がら、PE繊維の機械的性質は室温より一寸上がっただ
けで低下し始める。有意的な劣化は約70〜80℃以上
で観察される。
【0004】シクロオレフィンを高い比率で含むシクロ
オレフィンの共重合体と、同じくシクロオレフィンのホ
モポリマー(単独重合体)は、それらが持つ高いガラス転
移温度の故に、熱に対して非常に高い形状安定性と、従
って良好な機械的性質を持つ。更に、水、アルコール、
アセトン及びジメチルホルムアミド等の極性の溶剤と、
同じく水溶液の酸とアルカリに対して際立った抵抗性を
持っている。しかしながら不利な面として、それらは脂
肪族と芳香族の炭化水素に容易に溶解するか、又はこれ
らの溶剤によって大きく膨潤する。
【0005】耐溶剤性に関してはポリエチレンとポリプ
ロピレンの繊維に匹敵し、同時にこれら既知のポリオレ
フィン繊維よりも高い熱的形状安定性を持ち、そしてメ
ルト(溶融体)から紡糸することが出来るポリオレフィン
の繊維を提供するのが発明の目的である。
【0006】この目的は残留触媒量が100ppm以下(ポ
リマーの全重量を基準として)であるような部分的に結
晶性のシクロオレフィン共重合体から造られる繊維によ
って達成されることが見出だされた。
【0007】部分的に結晶性のシクロオレフィン共重合
体の調製が、EP−A−0 503422号に記述され
ている。試験の結果は、このようにして調製されたポリ
マーが100ppm以上の残留触媒量(即ち、メタロセンと
助触媒の残留量)を含むことを示した。溶融体を介して
加工(約300℃)する間に、これらの生成物は熱に対し
て不安定であることが分かる。このことはポリマーが褐
色に変化することによって示される。プレスした薄いプ
レート(厚さ200μm)は、はっきりとしたゲル粒子(フ
ィッシュアイ)を示したが、これは多分、触媒残留物が
引き金になって起きた局部的に偏った架橋に因るもので
あろう。EPーA 503 422号に従って製造された
繊維の紡糸試験は、ゲル粒子が繊維の破壊を招いた為に
不満足な結果を与えた。そのようなシクロオレフィンポ
リマーは、その残留触媒量が100ppm以下である時に
限ってのみ繊維の製造に適している。
【0008】シクロオレフィンは、メタロセン触媒の存
在で環を保存した侭でバルク重合(塊状重合)又は溶剤重
合する(EP 407870号、DE 84036264
号)。用いられる溶剤は主に炭化水素である。
【0009】従って本発明は、全モノマー量を基準とし
て30〜99.9重量%の式I、II、III、IV、V又はVIの
少なくとも一つの対称構造の多環式オレフィン:
【化8】 但し上記の式に於いて、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7
及びR8は同一か又は異なり、夫れぞれに水素原子、C6
〜C16のアリール又はC1〜C8のアリールのラジカルで
ある;全モノマー量を基準として0〜50重量%の式VI
Iの単環式のオレフィン:
【化9】 但し、式の n は2〜10の数である;全モノマー量を
基準として70〜0.1重量%の式VIIIの少なくとも一
つの非環式オレフィン:
【化10】 但し上の式で、R9,R10,R11及びR12は同一か又は異
なり、夫れぞれに水素原子又はC1〜C8のアルキルラジ
カル又はC6〜C16のアリールラジカルである;以上の
三つのオレフィンを−78℃から150℃の温度と0.
01〜64バールの圧力で、線状タイプの場合には、式
IXのアルミノキサン
【化11】 及び/又は環式タイプの場合には、式Xのアルミノキサ
ン、
【化12】 但し、式IXとXの中で、R13は同一か又は異なり、夫れ
ぞれにC1〜C6のアルキル基又はフェニル基又はベンジ
ル基であり、n は0〜50の整数である;及び式XIのメ
タロセン、
【化13】 但し上記の式で、M1は、チタン、ジルコニウム、ハフ
ニウム、バナジウム、ニオブ又はタンタルであり、R14
とR15は、同一か又は異なり、夫れぞれに水素原子、ハ
ロゲン原子、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のアル
コキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリー
ルオキシ基、C2〜C10のアルケニル基、C7 〜C40
アリールアルキル基、C7〜C40のアルキルアリール基
又は C8〜C40のアリールアルケニル基であり、m=1
又は2、R16とR17は、同一か又は異なり、夫れぞれに
中心原子M1とサンドイッチ構造を形成することが出来
る単環式又は多環式の炭化水素ラジカルであり、この場
合にR16,R17及びM1によって形成される分子の部分は
1対 称である;R18は、
【化14】 =BR19=AlR19, −Ge−, −Sn−, −O−, −S
−, =SO, =SO2,=NR19, =CO, =PR19
は=P(O)R19であり、但し前記の式で、R19,R20
びR21は同一か又は異なり、夫れぞれに 水素原子、ハ
ロゲン原子、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のフル
オロアルキル基、C6〜C10のフルオロアリール基、C6
〜C10のアリール基、C1〜C10のアルコキシ基、C2
10のアルケニル基、C7 〜C40のアリールアルキル
基、C8〜C40のアリールアルケニル基又 はC7〜C40
のアルキルアリール基、又はR19とR20又はR19とR21
は各場合にそれらが結合する原子と環を形成する;M2
は、珪素、ゲルマニウム又は錫である;を含む触媒の存
在下で重合させることによって調製できる少なくとも一
つのシクロオレフィン共重合体を含み、該共重合体の残
留触媒量が100ppm以下であることを特徴とする上記
のシクロオレフィン共重合体から成る繊維を提供する。
【0010】アルキルは、この場合に直鎖の又は枝分か
れしたアルキルである。
【0011】式VIIの単環式のオレフィンは、発明の目
的からは同じく置換された(例えば、アリール又はアル
キルのラジカルによって)ものでも良い。
【0012】重合は、好ましくは液体のシクロオレフィ
ンモノマー、シクロオレフィンモノマーの混合物又はそ
れ等の高濃度溶液の中で行なわれる。
【0013】重合反応では、式I, II, III, IV, V又はV
Iの少なくとも一つの対称構造の多環式オレフィン、好
ましくは式IまたはIIIの対称的な多環式のオレフィン、
但し、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7及びR8は同一か又
は異なり、夫れぞれに水素原子又はC1〜C8のアルキル
ラジカルである多環式のオレフィンが重合される。
【0014】若しも望むならば、n が2〜10の式VII
の単環式オレフィンも使用される。別のコモノマーは、
9,R10,R11及びR12が同一か又は異なり、夫れぞれ
に水素原子又はC1〜C8のアルキルラジカルである式VI
Iの単環式オレフィンである。アルキルラジカルはエチ
レン又はプロピレンが好ましい。
【0015】特に、多環式のオレィンの、好ましくは式
IとIIIの多環式のオレフィンの、中でも式VIIIの非環式
のオレインの共重合体が調製される。特に好ましいシク
ロオレフィンはノルボルネンとテトラシクロドデセンで
あり、これらはC1〜C6のアルキル基で置換されても良
い。それらは、好ましくはエチレンと共重合されるが、
エチレン/ノルボルネンの共重合体が特に重要である。
【0016】本発明のシクロオレフィン共重合体は、好
ましくは非環式のオレフィンに対するシクロオレフィン
の比を最適化する時に得られる。
【0017】若しも、或る与えられたシクロオレフィン
濃度に於ける非環式オレフィンの選ばれた濃度が高すぎ
るならば、共重合体のシクロオレフィン含量は50モル
%以下に落ちる。融点はより低い温度にシフトするか又
は完全に消滅する。
【0018】若しも、或る与えられたシクロオレフィン
濃度に於ける非環式のシクロオレフィンの濃度が低すぎ
るならば、特に触媒の活性度と得られる共重合体の分子
量に低下が見られる。
【0019】ここに記述する方法に従って調製されるシ
クロオレフィンの共重合体は、式I,II, III, IV, Vまた
はVIの対称的な多環式オレフィンを、全モノマー重量を
基準として約41〜59モル%、好ましくは45〜55
モル%、特に好ましくは48〜52モル%含む。シクロ
オレフィン共重合体に含まれる式VIIIの非環式オレフィ
ンの割合は、全モノマー重量を基準として59〜41モ
ル%、好ましくは55〜45モル%、特に好ましくは5
2〜48モル%である。
【0020】最も好ましいのは、式I, II, III, IV, V
又はVIの対称的な多環式オレフィンと式VIIIの非環式オ
レフィンを1:1のモル比で含むシクロオレフィン共重
合体である。
【0021】シクロオレフィン共重合体に含まれる式VI
Iの単環式オレフィンの割合は5モル%以下である。
【0022】多環式のオレフィン、単環式のオレフィン
及び非環式のオレフィンから成る共重合体は、各タイプ
のオレフィンの二つ又は二つ以上の混合物を含むものと
考えられる。これは茲に記述する本発明の方法に従え
ば、三元共重合体と多元共重合体ばかりで無く多環式の
二元共重合体も調製できることを意味する。式VIIのシ
クロオレフィンと式VIIIの非環式オレフィンとの共重合
体も同じくまた有利に調製することが出来る。式VIIの
シクロオレフィンの中では、シクロペンテン(置換され
たものでも良い)が最も好ましい。
【0023】発明のシクロオレフィン共重合体のガラス
転移温度は、好ましくは、100〜250℃、特に好ま
しくは110〜220℃、最も好ましくは120〜15
0℃である。
【0024】融点は、好ましくは200〜600℃の範
囲、特に好ましくは230〜400℃、最も好ましくは
260〜300℃の範囲にある。
【0025】茲に記述する重合方法に使用される触媒
は、アルミノキサンと式XIの少なくとも一つのメタロセ
ン(遷移金属化合物)から成る。
【0026】
【化15】 式XIの中でM1は、チタン、ジルコニウム、ハフニウ
ム、バナジウム、ニオブ及びタンタルから構成されるグ
ループから選ばれる一つの金属、好ましくはジルコニウ
ムとハフニウムであり、特にジルコニウムの使用が最も
好ましい。
【0027】R14とR15は同一か又は異なり、夫れぞれ
に水素原子、C1〜C10の、好ましくは、C1〜C3のア
ルキル基、C1〜C10の、好ましくはC1〜C3のアルコ
キシ基、C6〜C10の、好ましくはC6〜C8のアリール
基、C6〜C10の、好ましくはC6〜C8のアリールオキ
シ基、C2〜C10の、好ましくはC2〜C4のアルケニル
基、C7〜C40の、好ましくはC7〜C10のアリールアル
キル基、C7〜C40の、好ましくは、C7〜C12のアルキ
ルアリール基、C8〜C40の、好ましくはC8〜C12のア
リールアルケニル基又はハロゲン原子、好ましくは塩素
であり、m は1又は2である。
【0028】好ましくは、R16はフルオレニル、インデ
ニル、シクロペンタジエニルであり、R17はシクロペン
タジエニルとインデニルであり、これらのラジカルは置
換されたものでも良い。
【0029】中心原子M1と置換基R16〜R17によって
形成されるメタロセンの部分はC1対称を有する。
【0030】R18はラジカルR16とR17が結合するリン
ク(結合体)の一員又は多員のブリッジであり、好ましく
は、
【化16】 =BR19=AIR19, −Ge−, −Sn−, −O−, −S
−, =SO, =SO2,=NR19, =CO, =PR19又は
=P(O)R19であり、但し、式中で、R19,R2 0及びR
21は同一か又は異なり、夫れぞれに水素原子、ハロゲン
原子、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のフルオロア
ルキル基、C6〜C10のアリール基、C1〜C10のアルコ
キシ基、C2〜C10のアルケニル基、C7〜C40のアリー
ルアルキル基、C8〜C40のアリールアルケニル基又は
7〜C40のアルキルアリール基であり、又はR19とR
20又はR19とR21はそれ等が結合する原子と一緒に環を
形成する。
【0031】好ましくはR19はラジカル: または、
【化17】 である。
【0032】ラジカルR19−M2−R20のうち、ジメチ
ルシリルが特に重要である。
【0033】M2は珪素、ゲルマニウム又は錫、好まし
くは、珪素又はゲルマニウム、特に好ましくは、珪素で
ある。
【0034】ブリッジ(橋渡し)されたメタロセンは下記
の反応体系図に従って調製することが出来る:
【化18】 上の反応体系図は、R19=R20および/またはR14=R
15の場合にも当てはまる(Journal of Organometallic
Chem. 第288巻(1985年) 63〜67頁、及び
EP−A 320 762号を参照のこと)。
【0035】中心原子M1と置換基R16−R17によって
形成される分子の部分が総てC1対称である(即ち、分子
の此の部分はそれ以上に高度の対称要素を持たず、36
0°回転するだけで重ね合わせ一致させることが出来
る)式XIの発明のメタロセンの中で特に好ましいのは:イ
ソプロピレン(9−フルオレニル)(1−(3−エチル)シ
クロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロリド、イソ
プロピレン(9−フルオレニル)(1−(3−イソプロピ
ル)シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロリド、
イソプロピレン(9−フルオレニル)(1−(3−メチル)
シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロリド、ジ
フェニルメチレン(9−フルオレニル)(1−(3−メチ
ル)シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロリド、
メチルフェニルメチレン(9−フルオレニル)(1−(3−
メチル)シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロリ
ド、ジメチルシリル(9−フルオレニル)(1−(3−イソ
プロピル)シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロ
リド、ジメチルシリル(9−フルオレニル)(1−(3−メ
チル)シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロリ
ド、ジフェニルシリル(9−フルオレニル)(1−(3−メ
チル)シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロリ
ド、ジフェニルメチレン(9−フルオレニル)(1−(3−
第三ブチル)シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジク
ロリド、イソプロペニル(2,3,4,5−テトラメチルシ
クロペンタジエニル)(1−(3−メチル)シクロペンタジ
エニル)ジルコニウム・ジクロリド、及びイソプロピレ
ン(9−フルオレニル)(1−(3−第三ブチル)シクロペ
ンタジエニル)ジクロリド及び相当するハフニウム・ジ
クロリドである。
【0036】特に好ましいのは、イソプロピレン(9−
フルオレニル)(1−(3−メチル)シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム・ジクロリドである。
【0037】C1対称の説明は次を参照のこと(K. Mis
low 著、“立体化学入門“、化学出版社、第1版、19
67年、23頁以降)。
【0038】一般的には、配位子R14とR15に異なる立
体効果を与えることの出来る配位子系(R16−R18−R
17)に優先度が与えられる。配位子R14とR15の性質は
ここでは重要ではない。
【0039】助触媒は、(好ましくは)式IXおよび/また
は式Xのアルミノキサンである。これらの式で、ラジカ
ルR13は同一若しくは異なっても良く、夫れぞれにC1
〜C6のアルキル基、好ましくは、メチル、エチル又は
イソブチル、ブチル又はネオペンチル、又はフェニル又
はベンジルである。特に好ましいのはメチルである。n
は0〜50の整数、好ましくは5〜40である。
【0040】アルミノキサンは既知の方法の色々なやり
方で調製することが出来る。例えば、そのような方法の
一つは、アルミニウム−炭化水素化合物および/または
ヒドリド−アルミニウム−炭化水素化合物を、不活性の
溶剤(例えば、トルエン)の中で水(気体、固体、液体又
は例えば、結晶水のような結合水)と反応させるもので
ある。異なるアルキル基R13を持つアルミノキサンを調
製する為には、二つの異なるトリアルキルアルミニウム
(AlR3+AlT3')を希望する組成に従って水と反応さ
せる(次を参照のこと。S. Pasynkiewicz, Polyhedr
on(多面体の意)、第9巻(1990年)、429頁とEP
−A 302 424号)。
【0041】アルミノキサンの正確な構造は未知であ
る。
【0042】総てのアルミノキサン溶液に、調製方法と
は独立にフリーの形の又は付加物として存在する未反応
のアルミニウム出発化合物の含有量は色々である。
【0043】重合反応に使用する前に式IXおよび/また
はXのアルミノキサンを用いてメタロセンを予備活性化
することが出来る。それによって重合の活性度が有意的
に増加する。
【0044】遷移金属化合物の予備活性化は溶液中で行
なわれる。メタロセンは、この場合好ましくは不活性の
炭化水素の中のアルミノキサン溶液に溶解される。適当
な不活性の炭化水素は脂肪族または芳香族の炭化水素で
ある。トルエンの使用が好ましい。
【0045】溶液中のアルミノキサンの濃度は、全容液
重量を基準として約1モル%から最高で飽和限界迄、好
ましくは5〜30モル%である。メタロセンは同じ濃度
で使用することも出来るが、しかし好ましくは、アルミ
ノキサン1モル当たり10-4〜1モルの量で用いられ
る。予備活性化時間は5分から60時間の範囲、好まし
くは5分から60分である。予備活性化は−78℃から
100℃の温度で、好ましくは0〜70℃の温度で行な
われる。
【0046】メタロセンは同じく予備重合することも又
は支持体にサポートさせることも出来る。予備重合の場
合は、重合に用いられるオレフィン(単数または複数の)
を使用するのが好ましい。
【0047】適当な支持体は、例えばシリカゲル、酸化
アルミニウム、固体のアルミノキサン又は他の無機の支
持体である。その他に適当な支持体物質は微粉砕したオ
レフィン粉末である。
【0048】発明方法の更に他の可能性のある具体例
は、アルミノキサンの代わりに又はアルミノキサンに追
加して、式RxNH4-xBR4'またはR3PHB4'の塩−
類似の化合物を助触媒として使用することから成る。こ
の場合、x=1,2,3、R=アルキル又はアリールで同
一でも異なっても良く、そしてR′=アリール(弗素化
されたものでも一部弗素化されたものでも良い)であ
る。この場合、触媒はメタロセンと上に指定した化合物
の反応生成物から成る(EP−A 277 004号を参
照のこと)。
【0049】若しも溶剤を反応混合物に添加するなら、
それは例えば、脂肪族または脂環式の炭化水素、石油又
は水素添加したディーゼル油の留分又はトルエン等の慣
用の不活性の溶剤である。
【0050】メタロセン化合物は、遷移金属を基準とし
て、10-3〜10-8、好ましくは、10-4〜10-7モル
の遷移金属/反応器の容積dm3の濃度で使用される。アル
ミノキサンは、アルミニウム含量を基準として、10-4
〜10-1、好ましくは10-4〜2×10-2モル/反応器
の容積dm3の濃度で用いられる。しかし、もっと高い濃
度も原則的には可能である。
【0051】シクロオレフィン共重合体の平均分子量
は、水素の計量導入量、モノマー濃度の変化または重合
温度の変化などの既知の方法で制御することが出来る。
【0052】共重合体の多分散率Mw/Mnは非常に狭く
て1.9と3.5の間の値である。このことが、本発明の
ポリマーを繊維の製造に特に適したものとするポリマー
性質の側面を齎らす。
【0053】X線測定に示されるように、発明の方法に
従って調製されたシクロオレフィン共重合体は部分的に
結晶性である。シクロオレフィン共重合体の結晶化度は
1〜80%、好ましくは10〜50%、特に好ましくは
15〜40%である。
【0054】発明のポリマーは、同じくまたポリマーア
ロイの調製に用いることが出来る。ポリマーアロイはメ
ルト(溶融体)又は溶液の中で調製することが出来る。各
場合とも、アロイによって構成要素の性質を特定の用途
に都合の良いように限定する。発明のポリマーをアロイ
に用いる場合に、下に列挙するポリマーが使用できる:
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン
共重合体、ポリブチレン、ポリ(4−メチル−1−ペン
テン)、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、天然ゴ
ム、ポリ(メチルメタクリレート)、更にそれ以外のポリ
メタクリレート、ポリアクリレート、アクリレート/メ
タクリレート共重合体、ポリスチレン、スチレン/アク
リロニトリル共重合体、ビスフェノール−A、ポリカー
ボネート、それ以外のポリカーボネート、芳香族ポリエ
ステルカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、非晶質ポリアリーレート、
ナイロン−6、ナイロン−66、更にその他のポリアミ
ド、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリオキシメ
チレン、ポリオキシエチレン、ポリウレタン、ポリスル
ホン、ポリエーテルスルホン、ポリ弗化ビニリデン。
【0055】紡糸できる形でシクロオレフィン共重合体
を得る為に、反応混合物の特定の後処理(又は仕上げ、w
orkup)が重合段階の後に行なわれるが、この後処理は残
留触媒量を減らす役目をする。
【0056】残留触媒量又は残留触媒濃度は、重合反応
の途中および終点で形成された化合物の濃度、反応媒体
の後処理で形成された化合物の濃度など、シクロオレフ
ィンポリマーの中に残っている化合物の全濃度と考えら
れる。これらの残留物は、本質的にメタロセン化合物と
アルミニウム化合物の中心原子の化合物である。従っ
て、残留触媒量は慣例的にアルミニウムのppmとメタロ
セン金属のppmとして与えられる。アルミニウムは中心
原子よりも可なり過剰に(即ち、少なくとも50倍)用い
られるから、残留触媒量をアルミニウムのppmとして表
示するのが便利である。
【0057】残留触媒量は、基本的には製造されるポリ
マーの単位量当たり、重合の中で用いられたメタロセン
の量とアルミニウムアルキルの量に依存する。このこと
は、モノマーと希釈剤の双方の純度、同じくモノマー濃
度、ポリマー濃度および触媒活性度が残留触媒濃度を決
定する上で臨界的に重要であることを意味する。
【0058】重合のプロセスと反応媒体の触媒含量に依
存して、反応媒体の後処理(仕上げ)には色々なやり方が
ある。ここでは後処理のタイプが最終生成物中の残留触
媒濃度を決定する。
【0059】方法 1: a) 反応の停止 重合の中でメタロセンとアルミニウムアルキルに関して
特に緊密な活性度を達成することが出来る、即ち、具体
的には非常に少ない量(500ppm以下)のアルミニウム
アルキルを用いて触媒作用を実施することが出来る時に
のみ、プロセスは方法1に従って実行することが出来
る。
【0060】重合の停止は、重合反応器の下流にある容
器の中で攪拌しながら反応混合物に重合停止剤を添加す
ることによって行なわれる。停止剤は、メタロセン及び
/又はアルミニウムアルキルと反応し、それによってか
かる化合物を非反応性の型に転化する化学的化合物であ
る。この方法では、メタロセン及び/又はアルミニウム
アルキルと反応して水性の又はアルコール性の又はケト
ン性の溶液に溶解する化合物を与え、結果として沈澱プ
ロセスの間にシクロオレフィン共重合体から分離される
ような停止剤を選択することが最も重要である。特に好
ましいのは、停止剤としてイソプロパノール、メタノー
ル、エタノール又は第三ブタノールを使用することであ
る。
【0061】若しも停止剤がメタロセン及びアルミニウ
ムアルキルと揮発性の化合物を形成するならば、残留触
媒量の減少は、フラッシュ方法、薄膜蒸発(フィルムエ
バポレーターによる)又はガス抜き押出機のような高温
の後処理の間に溶剤の除去と一緒に行なうのが好まし
い。
【0062】b) 沈澱 停止した反応の媒体は沈澱槽に供給される。好ましい沈
澱剤はアルコール、ケトン、エステル及びこれらを含む
混合物である。沈澱剤として、メタノール、エタノー
ル、アセトン、酢酸エチル又はこれらの化合物を50容
量%以上含む混合物を使用するのが特に好ましい。その
後、沈澱したポリマーは少なくとも一回、例えば水性溶
液、アルコール性溶液またはケトン溶液を用いて洗浄す
る。EP503422号の中の記述とは対照的に、HC
l又は他の塩素−含有化合物を含む溶液をこの洗浄段階
に絶対に用いてはいけない。押出と紡糸の試験は、加工
温度でHCl−含有溶液を用いて洗浄したシクロオレフ
ィンポリマーは特に変色(又は退色)し、ピンホールを形
成し易く又は局部的な変化を起こし易いことを示した。
このような効果が此等の製品の加工と性質にとってマイ
ナス(否定的)になることは言うまでも無い。これらの増
加した変化の原因は、高温で炭化水素に変化を生ずるこ
とが知られている種々の塩化アルミニウムの生成にある
と想定される。その後、洗浄した製品は出来るだけ酸素
を排除して、好ましくは窒素雰囲気下に高められた温度
で乾燥される。好ましくは乾燥は、ポリマーの相当する
ガラス転移温度(Tg)よりも40℃低い温度と300℃
の間の温度で、特に好ましくはTgよりも10℃低い温
度と200℃の間の温度で行なわれる。
【0063】c) 濃度 重合を停止した反応媒体は、しかし、同じくまた反応媒
体を濃縮する為のプロセスに直接又は更に中間段階を経
てに供給することが出来る。濃縮は慣用の一段の又は二
段階の濃縮工程の中でフラッシュ装置又は薄膜蒸発器又
は双方の組み合わせの助けを借りて行なわれる。両者の
併用の場合は、第二の、即ち、最後の装置の項目は薄膜
蒸発器である。この方法によって後処理され、仕上げら
れた生成物はポリマーメルトとして得られ、これは慣用
の方法によって直に顆粒化することが出来る。
【0064】濃縮の前の中間段階は、例えば、水性のス
クラビング媒体を用いるスクラビング工程とすることが
出来る。スクラビング溶液と二相の混合物を形成する反
応媒体は、スクラビング溶液と一緒に攪拌され、続いて
傾瀉(デカント、上澄みを静かに注ぎ出すこと)される。
反応媒体のスクラビングの間は少しのポリマーも水性相
に移らないように水性溶液の親水性を設定することが大
事である。好ましいスクラビング媒体はアルカリ又は塩
素を含まない酸の水溶液か、又は寧ろアルコール−含有
溶液である。NaOH、炭酸ナトリウム、酢酸及び硫酸
の水溶液が特に優先する。
【0065】方法 2:この方法は方法1よりも寧ろ優先
する。その訳は、反応媒体の中でもっと高い触媒濃度、
特に約500ppm以上のアルミニウムアルキル濃度でも
使えるからである。方法2は、フィルター媒体(濾材)を
通して少なくとも一回は溶解した型の(即ち、溶液とし
て)流れの中で部分的に結晶性のシクロオレフィンポリ
マーを造ることから成る。このようにして、反応媒体中
の触媒濃度とは無関係に、最終のポリマー生成物中の残
留触媒がアルミニウムとして100ppm以下にすること
が出来る。
【0066】濾過段階のような仕上げは重合の型式に依
存して異なる方法で行なうことが出来る。
【0067】方法 2.1.(粒子形成の無い重合) 若しも重合中に反応媒体がポリマーがその中に容易に溶
ける溶剤、好ましくはデカリン、水素添加したディーゼ
ル油の沸点120〜160℃の留分又はシクロヘキサン
で溶剤:シクロオレフィンの比4:1から1:10で希釈
されるならば、及び/又は使用する重合温度が比較的高
く、好ましくは50〜150℃であるならば、粒子の形
をした部分的に結晶性のポリマーの沈澱を大きく回避す
ることができる。ポリマー濃度が5%以上では、ゲル化
する可能性があり、若しもゲル化が起こるならば、例え
ば、重合時間を減少するか又は更に重合温度を増加する
ことが必要である。
【0068】a) 重合反応の停止 反応媒体から沈澱した(仮に沈澱したとしても)ポリマー
を簡単に機械的分離できるような不均質粒子の形でポリ
マーが沈澱すること無しに重合が進行するならば、反応
媒体は少なくとも130℃に加熱される。選ばれる温度
は、ポリマーが確実に完全溶解するに足る温度である。
完全溶解に有利となるように追加の溶剤を添加すること
も出来る。好ましい溶剤は、水素化したディーゼル油の
留分、デカリン、トルエン、シクロヘキサン、クロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン、ナフタ
レンである。デカリンとシクロヘキサンが特に好まし
い。このプロセスで好ましい反応停止剤は、使用された
メタロセン及び/又はアルミニウムアルキルと反応し、
それによって不溶性の化合物を与えるような化合物であ
る。特に好ましいのは、水、有機のモノカルボン酸、ジ
カルボン酸、ポリカルボン酸、ジオール又はポリオール
である。
【0069】その後、反応媒体に不溶の、粉末になり易
い有機又は無機の物質は反応混合物中に懸濁している。
反応混合物は溶剤で希釈しても良く、ポリマーはその中
に完全に溶解している。懸濁液は少なくとも10分間緊
密に混合する。濾過助剤として用いられる物質と、同じ
くまた好ましくはそれらの粒子の表面にOH基を運ぶ極
性の物質も好ましい。特に好ましいのは種々の型の珪藻
土、パーライト、種々の型のセルロースとセルロース誘
導体である。これらの不溶性の物質もまた重合の停止と
懸濁が同時に行なわれるように、反応停止剤と一緒に反
応媒体に添加することが出来る。
【0070】b) 濾過 次いで懸濁液は好ましくは一定温度で濾過層を介して濾
過される。濾過層は、フィルタークロス及び/又は不織
布のフィルター布帛および/または濾過助剤の層を含む
種々の一層または多層のフィルターから成る。これらは
少なくともその一層が反応媒体中に懸濁する粒子の平均
サイズよりも小さな細孔を有する。懸濁物質の平均粒子
サイズよりも1/2から1/20、特に1/3から1/10
も小さい平均サイズを持つ細孔が好ましい。
【0071】このようにして得られたポリマー溶液は、
更に方法1による沈澱又は濃縮のいずれか一つ、又はそ
の両方によって後仕上げされる。
【0072】方法 2.2.(粒子の生成を伴なう重合) 若しも重合中に、ポリマーに対する溶解性の乏しい溶
剤、好ましくは、溶剤とシクロオレフィン比が4:1か
ら0:1になるように、例えば、ヘキサン、ペンタン、n
−ブタン、イソブタン又はプロパンを用いて希釈するな
らば及び/又は重合温度がー70℃と150℃の間、好
ましくは10℃と90℃の間にあるならば、粒子の形を
した部分的に結晶性のポリマーが沈澱することは殆ど間
違いない。それによって反応媒体は液体から懸濁液に変
化する。
【0073】この重合方法は、重合中にポリマー粒子の
沈澱が起こらない点で、プロセス法よりも優先すべきで
ある。このようにして、潜在的にゲル化または沈澱形成
する可能性に基づく反応の制限が回避される。
【0074】若しも不良溶剤を添加しなくてさえ粒子形
成が起こる位にシクロオレフィンがシクロオレフィンポ
リマーの不良溶剤であれば、純粋のシクロオレフィン中
での重合を選ぶべきである。
【0075】若しも不均質な粒子の形でポリマー沈澱物
が形成されるように重合が進行するならば、反応媒体か
ら沈澱したポリマーを単純な機械的方法によって分離す
ることが可能である。そのようなプロセス段階は自ずか
ら、溶解した形で存在するかも知れないメタロセンとア
ルミニウムアルキルの相当な量を仕上げるべき製品から
取り除き、それによって総てのその後の精製段階を容易
にするか又は簡単化する可能性がある。残りの反応媒体
から沈澱したポリマー粒子をその様にして分離すること
は慣用の濾過方法によって行なうか又は慣用の遠心分離
法の助けを借りて行なうことが出来る。ポリマーを含ま
ない反応媒体は重合段階に再循環することが出来る。そ
のようなリサイクリングによっても確実に触媒が損なわ
れないようにする為に、濾過機から又は遠心分離機から
ポリマーを取り出すのは不活性の条件下に行なわねばな
らない。この分離の利点は、なかんずく、その後の溶解
プロセスで残留モノマーを最早それ以上の高温に加熱す
る必要が無いことである。高温に加熱すれば副反応、分
解、フィッシュアイの形成を起こす可能性があり、それ
らの総ては全体としてのモノマー収率と、同じくまた最
終のポリマー製品の均一性と純度に悪影響を与える。
【0076】除去されたポリマーは、次ぎに高められた
温度で溶剤中に溶解される。溶液温度は130〜200
℃が好ましい。選ばれる温度はポリマーが完全に溶解し
ていることを保証するに足る温度である。好ましい溶剤
は、水素化したディーゼル油の留分、デカリン、トルエ
ン、シクロヘキサン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、クロロナフタレン、ナフタレンである。特に好まし
いものはデカリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、シクロヘキサンである。この溶液は、方法2.1.の
項目に記述した手順を用いて反応停止剤及び不溶性物質
と混合し、熱濾過し、続いて方法1の項目に記述した沈
澱又は濃縮などの手段によって更に後仕上げされる。
【0077】ここに記述した触媒系(メタロセンとアル
ミニウムアルキル)の他に、本発明の後仕上げ方法は、
シクロオレフィンの重合に用いることの出来る他の触媒
系(例えば、ツィーグラー(Ziegler)触媒)にも同じく適
用することが出来る。
【0078】本発明に従って後仕上げされたシクロオレ
フィンの共重合体は、特に繊維の製造に適している。繊
維は慣用の工業的方法を用いてメルトから紡糸すること
が出来る。紡糸溶液と、同じくポリマーメルトは更にも
う一段の濾過によってに粒子とゲル粒子を除去される。
【0079】若しもシクロオレフィン共重合体の融点が
300℃以上であれば、加工性を改善する為に高沸点の
炭化水素を用いてポリマーをペーストにすることが出来
る。溶融紡糸法では、ポリマーは単軸スクリュー又は双
軸スクリューの押出機の中、又はピストン押出機の中で
溶融される。ピストン押出機の中での溶融はバレルの加
熱によって行なわれる。更に別の可能性のある方法は、
ポリマーを加熱したグリッドに押し付けて、その上でポ
リマーを溶融する方法である。次ぎに、ポリマーメルト
は一つ又は一つ以上の紡糸口金を持つスピニングヘッド
を通して流れる。繊維又はフィラメントは、好ましくは
ボビンに高い引き取り(take−off)速度で巻き取られ
る。
【0080】溶融紡糸した繊維は、好ましくは加熱され
ている間に更に引っ張られる(延伸される)。この場合、
繊維は一つ又は一つ以上の加熱ゾーンに通される。加熱
ゾーン毎に設定した延伸の条件を変えることが出来る。
好ましくは、高い延伸比が用いられ、それによって繊維
の結晶化度は更に増加する。
【0081】繊維又はフィラメントは、一般に高い機械
的強さと高い弾性率が得られるように引っ張られる。延
伸比は通常1.1から50、好ましくは1.5から30、
特に好ましくは2から10である。
【0082】延伸は一段階、又は二段階又はそれ以上の
段階の中で行なうことが出来る。更には、繊維又はフィ
ラメントは、結晶化度を増加する為に同じ又はそれより
も高い温度で熱処理に掛けられる。熱貫流はホットプレ
ート(表面が湾曲しても良い)又は円筒状の装置によって
行なうことが出来る。
【0083】延伸温度はガラス転移温度と融点の間にあ
るのが有利である。発明のシクロオレフィン共重合体の
場合は、第一の延伸は100℃と500℃の間の温度
で、好ましくは120℃と300℃の間の温度で行なわ
れる。
【0084】小さな引っ張り応力を負荷しながら延伸温
度と同じ温度又はそれより高い温度で行なわれるその後
の熱後処理は繊維の硬化に役立つ。より高い温度での収
縮の傾向はそれに因って減少される。
【0085】紡糸速度は最高5000m/分又はそれ以上
に達する。このようにして高度に延伸した紡糸したての
(as−spun)ヤーンが得られ、これらは少量の追加的な延
伸を必要とするだけである。繊維の延伸は、一般に破断
点に於ける希望する伸び率に従って行なわれ、例えば、
2〜50%、好ましくは10〜40%、特に好ましくは
15〜30%である。
【0086】延伸された繊維は70〜1000MPa、
好ましくは、200〜800MPa、特に好ましくは、
300〜500MPaの引っ張り強さを有する。
【0087】繊維の線密度(linear density)は0.01
〜100g/km、好ましくは、0.05〜20g/km、特に
好ましくは、0.2〜10g/kmの範囲に在る。弾性率は
2〜20GPa、好ましくは、5〜10GPa、特に望ま
しくは、6〜8GPaの範囲に在る。
【0088】発明の繊維は、例えば、編織布セクターで
産業用繊維として、織布の形で、そして不織布の形で産
業界で用いることが出来る。フィラメント、マルチフィ
ラメント、ロープ、ケーブルが製造される。優れた加水
分解抵抗と耐紫外線性は強調するに値する。同様に、高
められた温度での良好な強度も注目すべきである。
【0089】以下に記述する実施例の中で与えられるガ
ラス転移温度TgはDSC(示差走査型熱量計)により2
0℃/分の加熱速度で決定された。粘度数(viscosity nu
mber)はDIN(ドイツ工業規格)53 728に従って決
定された。
【0090】残留触媒含量は、X線蛍光分光分析(X−r
ay fluorescence spectroscopy)によりアルミニウム含
量として決定された。
【0091】シクロオレフィン共重合体の中のノルボル
ネン含量は定量13C−NMR分光分析により決定され
た。
【0092】(実施例1)75dm3容の反応器にエチレ
ンを充填し、15dm3のノルボルネンと15dm3のデカリ
ンを添加した。エチレン(6バール)で何回も加圧して溶
液をエチレンで飽和した。圧力を2.5バール(ゲージ
圧)にセットし、500cm3のメチルアルミノキサンのト
ルエン溶液(凝固点降下法で測定した分子量が1300g
/モルのメチルアルミノキサン10.1重量パーセント含
む)を反応器に導入し、混合物を70℃で15分間攪拌
した。メチルアルミノキサンのトルエン溶液500cm3
の中に150mgのイソプロピレン(9−フルオレニル)
(1−(3−メチル)シクロペンタジエニル)ジルコニウム
・ジクロリドを含む溶液を15分間の予備活性化の後に
添加した(分子量調節の為に、触媒の添加前に水素を計
量添加することが出来る)。
【0093】重合は攪拌(750rpm)しながら70℃で
行なった。その間、エチレン圧力の不足分を絶えず補給
しながら2.5バールに維持した。
【0094】第二の攪拌機付きの反応器(150dm3)の
中に50リットルのデカリンを入れ、その中に500g
の珪藻土(Celite、登録商標名)を懸濁させた。
【0095】混合物の中に200mlの水を分散させると
水は珪藻土によって吸収された。0.5gの酸化防止剤
(Hostanox SE 10)と0.5gの過酸化物分解剤(Hos
tanox03)を懸濁液に添加し、混合物の温度を90℃に
調節した。
【0096】60分間の反応時間が終わったら、反応溶
液を急いで第二の攪拌機付きの反応器の中に流出させ
た。混合物を攪拌しながら170℃に加熱すると圧力は
約2バールに達した。
【0097】120リットルの加圧式フィルターの濾布
(Seitzfilter T 5500)の上にフィルターケーキは
500gのCeliteを築き上げた。フィルターケーキを1
0リットルの水素化したディーゼル油の留分の中に懸濁
し、その後フィルターを160℃に加熱した。
【0098】ポリマー溶液を加圧フィルターを通して濾
過した。濾過の手順は、最初の15分だけ濾液をフィル
ターに戻す(即ち、リサイクル)ようにした。溶液の上に
窒素で2.8バールの圧力を形成した。
【0099】次にポリマー溶液を500リットルのアセ
トンの中に流し込み、高速ミキサー(Ultraturrax、登
録商標名)を用いて攪拌し、その侭沈澱させた。アセト
ンの懸濁液を680リットルの攪拌した加圧フィルター
のボトムバルブを開けて加圧フィルターに再循環した。
ボトムバルブを閉めた後、混合物を濾過した。固体のポ
リマーをアセトンで3回洗浄した。最後の洗浄液に50
gの安定剤(Irganox 1010の1g)を添加した。
【0100】次いで、フィルターケーキからアセトンを
完全に搾り出し、生成物を100℃で3時間予備乾燥し
た。最終の乾燥は、乾燥室の中のケーキを窒素で緩やか
に覆うようにして10ミリバールの圧力と160℃の温
度で10時間行なった。
【0101】2100gの無色で粉末になり易いポリマ
ーが得られた。ガラス転移温度Tgは126℃で、融点
Tm は284℃であった。粘度数は180℃で1時間の
溶解の後135℃で測定して59ml/g であった。残留
触媒含量は18ppmであった。
【0102】(実施例2) (比較実施例) 1.5dm3容の反応器にエチレンを充填し、トルエン中の
85重量パーセントのノルボルネンのトルエン溶液60
0cm3を添加した。エチレン(圧力8バール)で何回も加
圧して溶液にエチレンを飽和させた。圧力を0.5バー
ル(ゲージ圧)にセットし、5cm3のメチルアルミノキサ
ンのトルエン溶液(凝固点降下法で測定した分子量が1
300g/モルのメチルアルミノキサンが10.1モル%)
を反応器に導入し、混合物を70℃で15分間攪拌し
た。5cm3のメチルアルミノキサンのトルエン溶液に溶
かした5mgのイソプロピレン(9−フルオレニル)(1−
(3−メチル)シクロペンタジエニル)ジルコニウム・ジ
クロリドの溶液を、15分間の予備活性化した後に添加
した。(分子量の調節の為に触媒を添加する前に水素を
添加することが出来る)。
【0103】エチレンを時々補給しながらエチレンの圧
力を2バールに保ち、攪拌しながら40℃で1時間重合
した。
【0104】反応溶液を別の容器に流出させ、急いで5
dm3のアセトンを滴下し、10分間攪拌し、その後に濾
過した。
【0105】得られた固体を10%濃度の塩酸とアセト
ンを交互に使って何回も洗浄した。固体をpHで中性に
なる迄洗浄し、再びアセトンと一緒に攪拌した。再び濾
別したポリマーを80℃の温度と0.2バールの圧力で
15時間乾燥した。
【0106】無色のポリマー54gを得た。測定の結
果、粘度数VNは131cm3/gで、ガラス転移温度Tgは
133℃であった。NMRスペクトルによればノルボル
ネン/組み込まれたエチレンの比は、ノルボルネン50
モル%、エチレン50モル%である。残留触媒の含有量
は315ppmであった。
【0107】(実施例3〜8)重合は実施例1の場合と
同じようにして行なった。エチレンのゲージ圧、触媒の
量、反応時間は表Aに従って変化させた。
【0108】 表 A 実 触媒量 エチレンの 反応 収量 VN Tg Tm ノルホ゛ルネン トルエン 施 ゲージ圧 時間 含量 膨潤度*例 g (バール) (分) kg cm3/g ℃ ℃ (モル%) (重量増%) 3 0.5 0.3 100 2.1 35 141 239 54 54 4 0.5 0.5 80 1.9 43 137 260 53 39 5 0.25 1.0 90 1.7 47 133 275 52 0.2 6 0.15 2.0 60 1.1 53 129 279 51 0.2 1 0.15 2.5 60 1.4 59 126 284 50 0.1 7 0.15 3.5 60 1.7 74 119 267 48 328 0.1 6.0 40 1.9 93 105 232 46 40 注. * 膨潤度=トルエン中に室温で14日保存した後の%重量増 (実施例9)1.5dm3容の反応器に600mlの5−メチ
ルノルボルネンを入れた。5cm3のメチルアルミノキサ
ンのトルエン溶液( 凝固点降下法で測定した分子量が1
300g/モルのメチルアルミノキサン10モル%を含
む)を反応器に導入し、エチレン(圧力が6バール)で何
回も加圧して混合物をエチレンで飽和させてから混合物
を15分間攪拌した。温度を70℃に、圧力を2バール
(ゲージ圧)にセットした。
【0109】5cm3のメチルアルミノキサンのトルエン
溶液に溶かした2mgのイソプロピレン(9−フルオレニ
ル)(1−(3−メチル)シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウム・ジクロリドの溶液を反応器に導入した。
【0110】重合は攪拌しながら70℃で1時間行なっ
た。時々エチレンを補給してエチレンの圧力を2バール
の一定圧に保った。
【0111】反応溶液を別の容器の中に流出させた。
【0112】200mlのトルエンに懸濁し、5mlの水で
湿らせた珪藻土10gを溶液に添加し混合した。
【0113】混合物を20分間攪拌し、3dm3の加圧フ
ィルターで濾過した。透明な溶液を5dm3のアセトンの
中に導入した。沈澱した生成物を濾別し、アセトンで3
回洗浄した。その後、洗浄した生成物を温度100℃、
圧力0.2バールで15時間乾燥した。
【0114】26gの無色のポリマーが得られた。粘度
数は64cm3/gで、ガラス転移温度は149℃であっ
た。融点も結晶点もDSCでは検出されなかった。13
NMRによる測定ではポリマーは49モル%の5−メ
チルノルボルネンを含んでいた。
【0115】(実施例10) (テストピースの製作) 実施例1に従って調製したポリマーを300℃、圧力1
0バールでプレスで加圧してテストピース用の板を作っ
た。その後、板を20K/分の速度と10バールの圧力
で100℃に冷却し、次いで板をフィルムプレスから取
り出した。そのようにして得た円形の板は、直径が60
mmで厚さが1mmであった。
【0116】(実施例11) (耐溶剤性の試験) 実施例10から得たプレスした板を秤量し、重さをM1
とした。その後、プレスした板を、トルエン、シクロヘ
キサン、ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタンの中
で室温で24時間貯蔵した。貯蔵が終わったら、板をペ
ンタンの中に短時間浸漬して洗浄した。吸着されている
溶剤は数分以内に蒸発した。ペンタンの洗浄が終わって
から3分以内に板の重さを再秤量して重量M2を得た。
差(M1ーM2)を計算して物質の重量変化Mのパーセンテ
ージで表示した。
【0117】[(M2/M1−1)×100=M%]。結果は
表Bに示される。
【0118】表 B 溶剤 M[%] トルエン +0.1 シクロヘキサン +0.1 ヘキサン ± <0.1、即ち、0(ゼロ) ジクロロメタン +0.8 クロロホルム +1.1 (実施例12)実施例3〜8から得たポリマーを実施例
10の場合と同じようにプレスした板にした。トルエン
中の耐溶剤性を実施例11の場合と同様に試験した。ト
ルエン中の貯蔵時間は14日とした。テストピースの重
量変化を表Aに示す。
【0119】若しも部分的に結晶性のシクロオレフィン
共重合体の融点が267℃以上で、ノルボルネン含量が
約50モル%ならば特別に低い膨潤度が得られることが
見出だされる。
【0120】(実施例13)実施例10のプレスした板
の比重を測定した。比重の測定は浮力法によって行なっ
た。比重は1.032g/cm3であった。
【0121】実施例10と同じようにして製作したプレ
ス板を300℃で溶融した後に氷/水の中で急冷した。
比重は1.018g/cm3であった。
【0122】(実施例14〜17)実施例1のポリマー
を真空中で280℃で棒(ロッド)にプレス成形した。こ
の棒を単軸ピストン押出機の中に置き、加熱したグリッ
ド(T1、表1)に押し当ててポリマーを溶融した。金属
製のフィルター(焼結金属、細かさ5μm)を通して溶融
押出し(T2、表1)、その後シングルホール(穴が一つ
の)の紡糸口金に通した(毛管の寸法: 直径50μm、長
さ70μm)。メルト(溶融体)の温度はT3(表1)であっ
た。流れ(表1)はピストンの送り速度を変えることによ
って変化させた。更に、紡糸口金からのメルト(溶融紡
糸)の引き取り速度(表1)も変化させた。
【0123】紡糸した繊維に就いて応力/歪みの線図を
記録した(Instron万能引っ張り試験機を用いて)。弾性
率、引っ張り強さ、破断点の伸び率を測定した。
【0124】繊維の線密度は、一定長さの繊維(フィラ
メント)の重量を精確に秤量することによって決定し
た。
【0125】(実施例18〜20)実施例15と17に
従って調製されたフィラメント(ストランド、表3)を二
段階の延伸装置を用いて引っ張り、延伸した。
【0126】フィラメントを繊維ボビン(スプール1、
表3)に引き取り、より高速で走る二番目のスプール(ス
プール2、表3)に巻き取った。途中で繊維は加熱ゾー
ン(表面が凸に湾曲したホットプレート、温度140℃)
を走り抜け、ゾーンの中でも引っ張られる。スプール2
から、繊維は二番目の加熱ゾーン(約190℃)を通っ
て、そこで繊維は硬化される。その後、繊維は再びボビ
ン(スプール3、表3)に巻き取られ、そこでも再び僅か
に引っ張られる。
【0127】前と同様に、応力−歪みの曲線を測定した
(表4)。
【0128】 表 1 実施例 T123 引き取り速度 紡糸口金からの流量 ℃ ℃ ℃ m/分 g/分 14 300 284 289 750 0.3 15 300 284 289 75 0.4 16 291 280 279 600 0.1317 291 280 279 25 0.14 表 2 実施例 線密度 引っ張り強さ 破断点での伸び 弾性率 g/km MPa % GPa 14 0.39 118 74 3.2 15 5.5 64 2.3 2.9 16 0.22 136 91 3.317 5.6 64 2.3 2.9 表 3 実施例 生繊維の出所 スプール1 スプール2 スプール3 延伸比 (実施例No.) m/分 m/分 m/分 スプール3/1 18 15 5 18.3 20.6 4.1 19 16 5 19.4 21.6 4.320 17 5 19.4 25.1 5.0 表 4 実施例 線密度 引っ張り強さ 破断点での伸び 弾性率 g/km MPa % GPa 18 1.4 310 18 6.5 19 1.4 300 25 6.120 1.1 360 9 7.2 (実施例21) (懸濁重合) 1.5dm3容の反応器にエチレンを充填した。500cm3
のノルボルネンのメルト、500cm3のヘキサン、5cm3
のメチルアルミノキサンのトルエン溶液を導入し、混合
物を50℃で15分間攪拌した。エチレン圧力を2.3
バールに、温度を70℃にセットした。10mgのイソプ
ロピレン(9−フルオレニル)(1−(3−メチル)シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウム・ジクロリドを5cm3のメ
チルアルミノキサンのトルエン溶液に溶解し、同じく反
応器に導入した。
【0129】重合は70℃で60分間行ない、その間、
エチレン圧力を一定に保った。その後、懸濁液を別の容
器に流出させ、それ以上処理すること無くガラスの吸引
フィルターで濾過した。固体をヘキサンで洗浄し、乾燥
した。
【0130】固体を500cm3のデカリンに懸濁し、5g
のCeliteと2cm3の水を一緒に加え混合し、攪拌しなが
ら170℃に加熱した。懸濁液を3dm3の加圧フィルタ
ー(濾布: Seitzfilter T5500)で170℃で濾過
した。得られた溶液を直ちに強力に攪拌した5dm3のア
セトン中に分散した。固体を濾別し、2dm3のアセトン
の中に分散し何回も洗浄した。ポリマー生成物を100
℃、0.2バールの圧力で15時間予備乾燥し、160
℃の温度と0.1バールの圧力で2時間最終乾燥した。
78gのポリマーが得られた。ガラス転移温度は128
℃で、融点は284℃であった。
【0131】中を空にした重合反応器の壁には何の沈着
物も無かった。
【0132】(実施例22) (実施例14〜17に対
する比較実施例) 実施例2で調製したポリマーを実施例14〜17に記述
したのと同じようにして紡糸装置に導入した。しかしな
がら、紡糸試験はフィラメントが切れた為に成功しなか
った。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 残留触媒量が100ppm以下の少なくと
    も一つの部分的に結晶性のシクロオレフィン共重合体を
    含む繊維。
  2. 【請求項2】 全モノマー量を基準として30〜99.
    9重量%の、式I、II、III、IV、V又はVIの少なくとも
    一つの対称構造の多環式オレフィン: 【化1】 但し、上記の式に於いて、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R
    7及びR8は同一か又は異なり、夫れぞれに水素原子、C
    6〜C16のアリール又はC1〜C6のアルキルラジカルで
    あり、種々の式の中で同じラジカルは異なる意味を持つ
    ことができる;全モノマー量を基準として0〜50重量
    %の式VIIのシクロオレフィン: 【化2】 但し、上の式で、n は2〜10の数である;全モノマー
    量を基準として70〜0.1重量%の式VIIIの少なくと
    も一つの非環式のオレフィン: 【化3】 但し、上記の式で、R9,R10,R11及びR12は同一か又
    は異なり、夫れぞれに水素原子またはC1〜C8のアルキ
    ルラジカルである;以上の三つのオレフィンを−78℃
    〜150℃の温度と0.01〜64バールの圧力に於い
    て、線状タイプの場合は式IXのアルミノキサン、 【化4】 および/または環式のタイプの場合は式Xのアルミノキサ
    ン、 【化5】 但し、上記の式IXとXに於いて、ラジカルR13は同一か
    又は異なり、夫れぞれにC1〜C6のアルキル基またはフ
    ェニル基またはベンジル基であり、nは0〜50の整数
    である;及び式XIのメタロセン、 【化6】 但し、上の式で、M1は、チタン、ジルコニウム、ハフ
    ニウム、バナジウム、ニオビウム又はタンタルであり、
    14とR15は、同一か又は異なり、夫れぞれに水素原
    子、ハロゲン原子、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10
    のアルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10
    アリールオキシ基、C2〜C10のアルケニル基、C7〜C
    40のアリールアルキル基、C7〜C40のアルキルアリー
    ル基またはC8〜C40のアリールアルケニル基であり、
    16とR17は、同一か又は異なり、夫れぞれに中心原子
    1とサンドイッチ構造を形成することの出来る単環式
    または多環式の炭化水素ラジカルであり、R18は、 【化7】 =BR19 =AIR19, −Ge−, −Sn−, −O−, −
    S−,=SO, =SO2,=NR19, =CO, =PR19
    又は=P(O)R19であり、この場合、R19,R20及びR
    21は同一か又は異なり、夫れぞれに水素原 子、ハロゲ
    ン原子、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のフルオロ
    アルキル基、C6〜C10のフルオロアリール基、C6〜C
    10のアリール基、C1〜C10のアルコキシ基、C2〜C10
    のアルケニル基、C7〜C40の アリールアルキル基、C
    8〜C40のアリールアルケニル基またはC7〜C40のアル
    キルアリール基、又はR19とR20、又はR19とR21は各
    場合にそれらと結合する原子と環を形成し、そしてM2
    は、珪素、ゲルマニウム又は錫である;を含む触媒の存在
    下で重合することによって調製できる、残留触媒量が1
    00ppm以下である少なくとも一つのシクロオレフィン
    共重合体から成る請求項1記載の繊維。
  3. 【請求項3】 シクロオレフィン共重合体が液体のシク
    ロオレフィンのモノマー、シクロオレフィンのモノマー
    混合物又はそれらの高濃度溶液の中で調製される請求項
    1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 シクロオレフィン共重合体を調製する為
    の式Xのメタロセンが、イソプロピレン(9−フルオレ
    ニル)(1−(3−エチル)シクロペンタジエニル)ジルコ
    ニウムジクロリド、イソプロピレン(9−フルオレニル)
    (1−(3−イソプロピル)シクロペンタジエニル)ジルコ
    ニウムジクロリド、イソプロピレン(9−フルオレニル)
    (1−(3−メチル)シクロペンタジエニル)ジルコニウム
    ジクロリド、ジフェニルメチレン(9−フルオレニル)
    (1−(3−メチル)シクロペンタジエニル)ジルコニウム
    ジクロリド、メチルフェニルメチレン(9−フルオレニ
    ル)(1−(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
    ムジクロリド、ジメチルシリル(9−フルオレニル)(1
    −(3−イソプロピル)シクロペンタジエニル)ジルコニ
    ウムジクロリド、ジメチルシリル(9−フルオレニル)
    (1−(3−メチル)シクロペンタジエニル)ジルコニウム
    ジクロリド、ジフェニルシリル(9−フルオレニル)(1
    −(3−メチル)シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
    クロリド、ジフェニルメチレン(9−フルオレニル)(1
    −(3−第三ブチル)−シクロペンタジエニル)ジルコニ
    ウムジクロリド、イソプロペニル(2,3,4,5−テトラ
    メチルシクロペンタジエニル)(1−3−メチル)シクロ
    ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピ
    レン(9−フルオレニル)(1−(3−第三ブチル)シクロ
    ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド又は対応する
    ハフニウムジクロリドである請求項2又は3に記載の繊
    維。
  5. 【請求項5】 シクロオレフィン共重合体がノルボルネ
    ン又は多環式のオレフィンとしてテトラシクロドデセン
    である請求項1乃至5のいずれか一つ又は一つ以上に記
    載の繊維。
  6. 【請求項6】 シクロオレフィン共重合体がノルボルネ
    ンとエチレンの共重合体である請求項1乃至5のいずれ
    か一つ又は一つ以上に記載の繊維。
  7. 【請求項7】 シクロオレフィン共重合体が対称構造の
    多環式オレフィンと非環式のオレフィンを1:1のモル
    比で含む請求項1乃至6のいずれか一つ又は一つ以上に
    記載の繊維。
  8. 【請求項8】 重合がシクロオレフィン共重合体に対す
    る貧溶媒の中で粒子形成を伴なって行なわれることから
    成るシクロオレフィン共重合体の調製方法。
  9. 【請求項9】 使用される溶媒がアルカンである請求項
    8記載の方法。
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