JP2017222934A - 環状ポリオレフィン系樹脂を含む繊維および不織布 - Google Patents

環状ポリオレフィン系樹脂を含む繊維および不織布 Download PDF

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Abstract

【課題】 低薬剤吸収性および高純粋性に加え、ドレープ性を兼ね備える不織布を提供する。【解決手段】 ガラス転移温度が70℃以上150℃未満の環状ポリオレフィン系樹脂を含む、繊度が2dtex以下の繊維。また、前記環状ポリオレフィン系樹脂は環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物であってもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、環状ポリオレフィン系樹脂を含む繊維および不織布に関する。
経皮吸収剤などの貼付材は、一般に、プラスチックフィルム、織布、不織布、編布、紙などからなる支持体層と、皮膚へ粘着するための粘着剤層とが設けられた層構造を有している。さらに、前記粘着剤層の粘着剤には、経皮吸収させるため薬剤が含まれている。先行文献1には、ポリエチレンテレフタラート(PET)からなる不織布とPETからなるフィルムとの積層体を貼付材の支持体として適用する旨が記載されている。
しかし、特許文献1のように貼付材の支持体としてPETなどの汎用樹脂を用いた場合、薬剤の種類によっては長時間にわたり貼付材を肌に貼りつけている必要があるため、支持体自体が薬剤を吸収してしまい、実際に経皮吸収されるべき薬剤量が減ってしまう問題があった。また、金属アレルギー等のリスクを考慮して、不織布やフィルムを形成する樹脂中に残存する含有金属量が実質的にゼロであることが求められている。さらに、先行文献1のように、貼付材の支持体にフィルムを用いた場合は、貼付材に保水性や通気性を付与することができない問題があることに加えて、ドレープ性などの肌追従性も不十分である問題があった。
そのため、医療用途に用いられる貼付材には、通気性および保水性、ドレープ性などの肌追従性を有する不織布を用いることに加えて、該不織布は、低含有金属量および低薬品吸収性を同時に兼ね備えている必要があった。
含有金属量が少なく、低薬剤吸収性に優れる樹脂としては、環状ポリオレフィン系樹脂が知られており、その成形品の透明性が高いことから、薬品包装材などの用途として利用されている。繊維成形品としては、特許文献2に環状オレフィン系樹脂を主成分とする芯鞘複合繊維が開示されており、この複合繊維からなる不織布は低発生ガス・低溶出金であり、またタンパク質を吸着しにくいことから、クリーンルーム用のフィルターや、生体関連物質(タンパク質)の分離・精製に使用されるフィルター材料として好適に用いられる旨が記載されている。
しかし、特許文献2記載の複合繊維では紡糸工程中で繊維が膠着する問題があった。また前記複合繊維からなる不織布においても、繊維同士の膠着により地合いが悪くなると共に、ドレープ性などの肌追従性が不十分であるなどの問題があった。
特開2014−024764号公報 国際公開公報パンフレットWO2011/158644
本発明は、上述の課題を解決するものであり、紡糸工程中で繊維が膠着することのない繊維を提供するものである。さらに、本発明は、含有金属量が少なく、低薬剤吸収性、通気性および保水性、地合いが良好で、ドレープ性などの肌追従性を兼ね備える不織布および該不織布からなる貼付材を提供するものである。
本発明者らは、含有金属量が少なく、低薬剤吸収性、通気性および保水性、地合いが良好で、ドレープ性などの肌追従性に優れる不織布について鋭意検討した結果、特定範囲のガラス転移温度を有する樹脂を特定の繊度に紡糸した繊維を含む不織布であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明はガラス転移温度が70℃以上150℃未満の環状ポリオレフィン系樹脂を含む、繊度が2dtex以下の繊維である。
また、前記環状ポリオレフィン系樹脂が下記一般式(I)で示される環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物であってもよい。
Figure 2017222934

(式中、R1〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、R9とR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R9又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。また、nは、0又は正の整数を示し、nが2以上の場合には、R5〜R8は、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
また、本発明は上記繊維を含む不織布であってもよい。
さらに、本発明は上記不織布を備える、貼付材であってもよい。
本発明から得られる繊維は、特定範囲のガラス転移温度を有する環状オレフィン系樹脂を含むため、繊維同士の膠着なく、紡糸することができる。また、特定の繊度以下の該繊維を含む不織布は、通気性および保水性、地合いが良好で、ドレープ性などの肌追従性を有する不織布を提供することができる。さらに、本発明から得られる繊維は環状オレフィン系樹脂を含むため、低薬剤吸収性かつ含有金属量の少ない不織布を提供することができる。
(環状ポリオレフィン系樹脂)
本発明の環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィン成分を共重合成分として含むものであり、かつ環状オレフィン成分を主鎖に含むポリオレフィン系樹脂であれば、特に限定されるものではない。例えば、環状オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物等を挙げることができる。
環状オレフィン系樹脂としては、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、環状オレフィンに由来する構造単位を主鎖に含むポリオレフィン系樹脂においてさらに極性基を有する不飽和化合物をグラフト及び/又は共重合したものを含む。
極性基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基等を挙げることができ、極性基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ) アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等を挙げることができる。
本発明に係る環状オレフィン系樹脂としては、市販の樹脂を用いることも可能である。市販されている環状オレフィン系樹脂としては、例えば、TOPAS(登録商標)(TOPAS−Advanced−Polymers社製)、アペル(登録商標)(三井化学社製)、さらに環状オレフィン成分を出発原料にしてメタセシス触媒で開環重合し、水素添加して製造され市販されている環状オレフィン系ポリマーとしては、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン社製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン社製)、アートン(登録商標)(JSR社製)等を挙げることができる。本発明に係る環状オレフィン系樹脂は、特に環状オレフィン系共重合体が好ましく用いられる。
本発明に係る環状オレフィン系樹脂としては環状オレフィン系共重合体が挙げられ、具体的にはエチレンおよび/またはα−オレフィンと、一般式(I)で示される環状オレフィンに由来する構造単位と、を含む共重合体を挙げることができる。
前記環状オレフィン系共重合体のα−オレフィンとしては、特に制限はないが炭素数2〜20のα−オレフィンが好ましい。例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−へキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−へキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等を挙げることができる。また、これらのα−オレフィン成分は、1種単独でも2種以上を同時に使用してもよい。エチレンおよび/またはα−オレフィンの中では、エチレンを単独で使用することが好ましい。
また、前記環状オレフィン系共重合体の一般式(I)で示される環状オレフィンとしては、一般式(I)で示される環状オレフィンを1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、一般式(I)で示される環状オレフィンの中では、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)を単独で使用することが好ましい。
さらに、前記環状オレフィン系共重合体を得るために、α − オレフィンと一般式(I)で示される環状オレフィンとの重合方法及び得られた重合体の水素添加方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って行うことができる。ランダム共重合であっても、ブロック共重合であってもよいが、ランダム共重合であることが好ましい。
前記環状オレフィン系共重合体を得るために用いられる重合触媒についても特に限定されるものではなく、チーグラー・ナッタ系、メタセシス系、メタロセン系触媒等の従来周知の触媒を用いて周知の方法により得ることができる。本発明に好ましく用いられる環状オレフィン系共重合体は、メタロセン系触媒を用いて環状オレフィンとα−オレフィンを共重合させることによって製造されることが好ましい。
本発明の環状オレフィン系共重合体としては、エチレンおよびノルボルネンからなる環状オレフィン系共重合体を用いることが最も好ましい。
(ガラス転移温度)
本発明においては、ガラス転移温度が70℃以上150℃未満の環状ポリオレフィン系樹脂を用いることが重要である。環状ポリオレフィン系樹脂は好ましくは70℃以上140℃未満であっても良く、さらに好ましくは70℃以上100℃未満であっても良い。ガラス転移温度を上記の範囲とすることで、紡糸工程中に繊維の膠着を起こすことなく、細繊度の繊維を得る事が可能となる。さらに、ガラス転移温度が100℃未満の樹脂を紡糸することで、延伸時において温水浴での湿熱延伸を行うことが可能となり、熱風炉での乾熱延伸に比べ熱伝導性に優れるために、より均一に延伸された繊維を得ることができる。
上述のガラス転移温度を有する環状ポリオレフィン系樹脂を得るためには、例えば、エチレンとノルボルネンからなる環状オレフィン共重合体においては、ノルボルネン含有量を変更することによって、様々なガラス転移温度の環状オレフィン系共重合体を合成することができる。ノルボルネン含有量を減少させ、エチレンを増加すると、それに応じてガラス転移温度を低下させた環状オレフィン系重合体を得ることができる。
より具体的には、エチレンとノルボルネンからなる環状オレフィン共重合体においては、ノルボルネンの含有量とエチレンの含有量の質量比を、ノルボルネン/エチレン=63/37〜78/22の範囲にすることで、ガラス転移点が70℃以上150℃未満の環状オレフィン系共重合体樹脂を得ることができる。
さらに、上述のガラス転移温度を有するポリマーを得るためには、上述のノルボルネン含有量を制御する方法によっても得ることができるが、市販の樹脂を溶融混錬することによっても得ることができる。一般に、異なる樹脂を溶融混錬することで相容する系においては、混錬比率によってガラス転移温度の加成性が成り立つ。本発明に係る環状オレフィン樹脂を得るに当たり、上述の重合による方法に加え、押出し機により市販の樹脂を溶融混錬することでも準備可能である。
(溶融粘度)
本発明の樹脂の溶融粘度は、メルトフローレート(MFR)が3〜100の範囲であっても良く、繊維化工程性および繊維強度の観点からMFR5〜80の範囲が好ましく、10〜50の範囲がより好ましい。
(紡糸)
本発明の紡糸方法としては、乾式紡糸法、湿式紡糸法、溶融紡糸法などが挙げられるが、特に溶融紡糸法が適している。本発明に記載の樹脂のガラス転移温度以上で且つ分解温度未満の温度で溶融したものをノズルから押出した後、冷却しながら捲取る方法で繊維を得ることができる。また、本発明の繊維を得る際に、紡糸で得た繊維を、後工程で延伸してもよい。
(繊度)
本発明の繊維は、繊度が2dtex以下であることが重要である。繊度は好ましくは0.1dtex以上2dtex以下であっても良く、さらに好ましくは0.3dtex以上2dtex以下であってもよい。繊度を上記の範囲とすることで、貼付材などの医療用途で用いた場合に、良好なドレープ性を達成することができる。
通気性および保水性、ドレープ性などの肌追従性に優れた不織布を得るためには、本発明の不織布の目付け、及び厚さは均一なものであることが望ましい。平均繊度が小さいほど、不織布を構成する環状オレフィン系繊維の本数が多くなり、目付及び厚さが均一な不織布を得ることができるとともに、繊維と繊維との間に空隙が生まれるため、通気性の良い不織布を得ることができる。更に、不織布を構成する繊維の面積も大きくなることから、保水性を向上することができる。但し、平均繊度が0.1dtexより小さいと、不織布製造工程において絡まったりして、解繊不良となり、目付及び厚さが均一な不織布を得られない。平均繊度が2dtexより大きいと、繊維構成本数が少なくなるため、不織布の地合いがわるくなり好ましくない。
(平均繊維長)
本発明で用いる環状オレフィン系繊維を湿式不織布または湿式水絡不織布、エアレイド製法の乾式不織布として使用する場合は、単繊維の平均繊維長は、1〜20mmであることが好ましい。より好ましくは2〜10mmである。平均繊維長が1mmより小さい場合、不織布製造過程で繊維の脱落によるネット目詰まりが発生や、繊維の絡みが弱くなることによるウェブの断布の発生等により、工程通過性を大幅に悪化させる可能性があるので好ましくない。平均繊維長が20mmより大きい場合、不織布製造工程において環状オレフィン系繊維が絡まり分散性が悪くなるので、得られる不織布の地合いが悪くなり好ましくない。
本発明で用いる環状オレフィン系繊維をカード式の乾式不織布として使用する場合は、単繊維の平均繊維長は、10〜200mmであることが好ましい。より好ましくは20〜100mmである。平均繊維長が10mmより小さい場合、カード機中で繊維の脱落の発生や、繊維の絡みが弱くなることによるウェブの断布の発生等により、工程通過性を大幅に悪化させる可能性がある。平均繊維長が200mmより大きい場合、不織布製造工程において環状オレフィン系繊維が解繊できず、糸の絡まり(ネップ)が発生し得られる不織布の地合いが悪くなり好ましくない。
(繊維形状)
本発明で用いる環状オレフィン系繊維の断面形状に関しても特に制限はなく、円形断面、中空断面、扁平断面、あるいは星型等の異型断面であってもかまわない。さらに、ここで用いられる繊維は、例えば、ショートカットファイバー、ステープルファイバー等の形態で用いてよく、不織布製造において適当な繊維形態を自由に選択することができる。
(不織布)
本発明の不織布の製造方法は、公知の不織布製造方法であれば特に限定されないが、例えばカード法、エアレイド法、湿式法などであってもよい。
(厚さ)
本発明の不織布の厚さは、0.01〜3mmの範囲であっても良く、ドレープ性の観点からは0.1〜2mmの範囲が好ましく、0.5〜1mmの範囲がより好ましい。
(目付)
本発明の不織布の目付は、3〜200g/mの範囲であっても良く、地合いとドレープ性の両立の観点からは10〜150g/mの範囲が好ましく、20〜100g/mの範囲がより好ましい。
(保水率)
本発明の不織布の保水率は、1〜2000%の範囲であっても良く、充分な粘着剤を保持するためには、5〜1500%の範囲が好ましく、10〜1000%の範囲がより好ましい。
(通気度)
本発明の不織布の通気度は、0.01〜1000cc/cm/秒の範囲であっても良く、粘着剤などの含浸性の観点からは0.05〜800cc/cm/秒の範囲が好ましく、0.1〜500cc/cm/秒の範囲がより好ましい。
(貼付材)
本発明の不織布からなる貼付材は、不織布の片側面に薬剤を含浸させた粘着材を積層したり、或は含浸したりすることによって、不織布に薬剤を担持させたものである。貼付材の厚さとしては、ドレープ性を損なわない範囲であれば特に限定しないが、0.01〜3mmの範囲であっても良く、好ましくは0.1〜2mmの範囲がよく、より好ましくは0.5〜1mmの範囲がよい。
(粘着剤)
粘着剤としては、特に限定しないが、酢酸ビニル系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルエステル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤などが挙げられる。
(薬剤)
粘着剤に担持させる薬剤としては、特に限定しないが、 経皮吸収可能な薬剤が望ましい。例えば、鎮痛剤、麻酔薬、禁煙補助薬、気管支拡張剤、創傷治癒剤、抗炎症剤、抗菌薬、抗真菌剤、抗ウィルス薬、抗アレルギー薬、抗炎症剤、保湿剤、美白剤、制汗剤、栄養剤、抗うつ薬、止血薬などである。
[ガラス転移温度]
ガラス転移温度の測定は、JIS K7121に準拠して測定した。
[MFR]
MFRの測定は、JIS K 7210に準じ、シリンダー温度260℃、荷重2.16kgにて測定した。
[繊維化工程性]
繊維化工程性の評価は 、以下の基準に従って行った。
○:樹脂1トンを紡糸するにあたり、紡糸時の断糸が1回未満であり、かつ巻取糸を解舒する際に、繊維に毛羽・ループが発生していない状況。
×:樹脂1トンを紡糸するにあたり、紡糸時の断糸が1回以上、または巻取糸を解舒する際に、繊維に毛羽・ループが発生する状況。
[繊維繊度]
JIS L1015「化学繊維ステープル試験方法(8.5.1)」に準じて評価した。
[繊維強度]
JIS L1015「化学繊維ステープル試験方法(8.7.1)」に準じて評価した。
[不織布の地合い]
20cm角のサンプルを屋内で蛍光灯にかざし、目視観察した時にピンホールが1個以上あった場合には×、0個の場合には○として評価した。
[不織布の厚さ]
JIS P 8118「紙及び板紙の厚さと密度の試験方法」に準じて測定した。
[不織布の目付]
JIS P 8124「紙のメートル坪量測定方法」に準じて測定した。
[不織布の保水率]
JIS L1907「吸水率」に準じて測定した。5cm×5cm角サイズに切り出し、質量(成形体質量)を測定する。このサンプルを水中に30秒間沈めておき、その後引き上げて、空気中に1つの角を上にした状態で1分間吊して表面の水を切った後、質量(吸水後質量)を測定し、以下の式に基づいて算出した。
保水率=(保水後質量−成形体質量)/成形体質量×100 (%)
[不織布の通気度]
JIS L 1096−1996「一般織物試験方法」の通気度測定方法に準じて、フラジール型通気度試験機(東洋精機製作所社製)を使用して測定した。
[不織布のドレープ性]
以下の手順で測定した。25g/m、5cm角のサンプルを作成し、保水率の測定と同様の方法で水に沈めた後に、手の甲にサンプルを密着させ、浮きが発生するかどうかを目視にて官能評価した。
○:肌とサンプルが密着している面積が75%以上
△:肌とサンプルが密着している面積が50%以上75%未満
×:肌とサンプルが密着している面積が50%未満
[含有金属量評価]
不織布の含有金属量は、以下の手順で測定した。超純水で洗浄した不織布サンプル1gを白金ルツボに量り取り、電器コンロで炭化した後、600℃の電気炉で1時間焼成した。灰化したサンプルを、3.5%塩酸水溶液5mlで溶解させて回収し、その溶液を超純水にて25mlに定容した。この溶液を分析資料とし、ICP分析にて金属の分析を行った。
[実施例1]
ガラス転移温度が138℃であり、MFRが14である環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製 TOPAS6013S−04)を、押出機温度及び配管温度270℃で溶融押出しし、孔径0.12mmのノズルより吐出して、速度1500m/分で捲き取り、環状オレフィン系共重合体からなる未延伸の原糸を得た。
次いで、得られた原糸の水分率が20重量%となるように搾液後、5mmに切断を行って、無捲縮繊維を得た。
得られた環状オレフィン系共重合体繊維を水中で攪拌混合して分散させた後、金網上に抄き上げ、150℃のドラム式ドライヤーで乾燥させて湿式不織布を得た。次いで、250℃のカレンダーロールを用いて熱プレス加工を行い、厚さ0.15mm、目付25g/mの不織布を得た。
得られた不織布は、地合いが良く、保水性、通気性、ドレープ性の良好なものであった。また、不織布からは含有金属は検出されなかった。
[実施例2]
ガラス転移温度が78℃であり、MFRが32である環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製 TOPAS8007S−04)を、押出機温度及び配管温度270℃で溶融押出しし、孔径0.12mmのノズルより吐出して、速度1500m/分で捲き取り、環状オレフィン系共重合体からなる未延伸の原糸を得た。
次いで、得られた原糸の水分率が20重量%となるように搾液後、5mmに切断を行って、無捲縮繊維を得た。
得られた環状オレフィン系共重合体繊維を水中で攪拌混合して分散させた後、金網上に抄き上げ、100℃のドラム式ドライヤーで乾燥させて湿式不織布を得た。次いで、200℃のカレンダーロールを用いて熱プレス加工を行い、厚さ0.15mm、目付25g/mの不織布を得た。
得られた不織布は、地合いが良く、保水性、通気性、ドレープ性の良好なものであった。また、不織布からは含有金属は検出されなかった。
[実施例3]
ガラス転移温度が134℃であり、MFRが48である環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製 TOPAS5013S−04)を用いる以外は、実施例1と同じ方法で湿式不織布を得た。
得られた不織布は、地合いが良く、保水性、通気性、ドレープ性の良好なものであった。また、不織布からは含有金属は検出されなかった。
[実施例4]
ガラス転移温度が78℃であり、MFRが32である環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製 TOPAS8007S−04)を、押出機温度及び配管温度270℃で溶融押出しし、孔径0.12mmのノズルより吐出して、速度1500m/分で捲き取り、環状オレフィン系共重合体からなる未延伸の原糸を得た。
次いで、得られた原糸を水浴温度75℃で延伸し、水分率が20重量%となるように搾液後、5mmに切断を行って、無捲縮繊維を得た。
得られた環状オレフィン系共重合体繊維を水中で攪拌混合して分散させた後、金網上に抄き上げ、100℃のドラム式ドライヤーで乾燥させて湿式不織布を得た。次いで、200℃のカレンダーロールを用いて熱プレス加工を行い、厚さ0.15mm、目付25g/mの不織布を得た。
得られた不織布は、地合いが良く、保水性、通気性、ドレープ性の良好なものであった。また、不織布からは含有金属は検出されなかった。
[実施例5]
ガラス転移温度が138℃であり、MFRが14である環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製 TOPAS6013S−04)を、押出機温度及び配管温度270℃で溶融押出しし、孔径0.12mmのノズルより吐出して、速度1500m/分で捲き取り、環状オレフィン系共重合体からなる未延伸の原糸を得た。
次いで、得られた原糸を160℃の熱風中で延伸し、水分率が20重量%となるように搾液後、5mmに切断を行って、無捲縮繊維を得た。
得られた環状オレフィン系共重合体繊維を水中で攪拌混合して分散させた後、金網上に抄き上げ、150℃のドラム式ドライヤーで乾燥させて湿式不織布を得た。次いで、250℃のカレンダーロールを用いて熱プレス加工を行い、厚さ0.15mm、目付25g/mの不織布を得た。
得られた不織布は、地合いが良く、保水性、通気性、ドレープ性の良好なものであった。また、不織布からは含有金属は検出されなかった。
[実施例6]
実施例1で得られた湿式不織布をコンベアネットにて移動させ、孔(口径2mm、2mmピッチ)のあいた多孔板ドラムから1MPaの水流を吐出し、不織布の繊維の交絡を強めた湿式水絡不織布を得た。
得られた不織布は、地合いが良く、保水性、通気性、ドレープ性の良好なものであった。また、不織布からは含有金属は検出されなかった。
[実施例7]
ガラス転移温度が138℃であり、MFRが14である環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製 TOPAS6013S−04)を、押出機温度及び配管温度270℃で溶融押出しし、孔径0.12mmのノズルより吐出して、速度1500m/分で捲き取り、環状オレフィン系共重合体からなる原糸を得た。
次いで、得られた原糸に機械捲縮を付与後切断し、51mmの捲縮繊維を得た。
得られた捲縮繊維で目付25g/mのカードウェブを作成した。次いで、該カードウェブをコンベアネットにて移動させ、孔(口径2mm、2mmピッチ)のあいた多孔板ドラムから1MPaの水流を吐出し、繊維を交絡させた後、カレンダーロールにてプレスし、厚さ0.15mmの乾式不織布を得た。
得られた不織布は、地合いが良く、保水性、通気性、ドレープ性の良好なものであった。また、不織布からは含有金属は検出されなかった。
[比較例1]
ガラス転移温度が138℃であり、MFRが14である環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製 TOPAS6013S−04)を、押出機温度及び配管温度270℃で溶融押出しし、孔径0.12mmのノズルより吐出して、速度800m/分で捲き取り、環状オレフィン系共重合体からなる未延伸の原糸を得た。
次いで、得られた原糸の水分率が20重量%となるように搾液後、5mmに切断を行って、無捲縮繊維を得た。
得られた環状オレフィン系共重合体繊維を水中で攪拌混合して分散させた後、金網上に抄き上げ、150℃のドラム式ドライヤーで乾燥させて湿式不織布を得た。次いで、250℃のカレンダーロールを用いて熱プレス加工を行い、厚さ0.15mm、目付25g/mの不織布を得た。
得られた不織布は、保水性、通気性は良好なものの、繊度が2dtexより大きいため繊維構成本数が少ないことが原因で、地合いがやや悪く、ドレープ性もやや悪いものとなった。また、不織布からは含有金属は検出されなかった。
[比較例2]
ガラス転移温度が178℃であり、MFRが1.5である環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製 TOPAS6017S−04)を、押出機温度及び配管温度270℃で溶融押出しし、孔径0.12mmのノズルより吐出して、速度1500m/分で捲き取りするも、ガラス転移温度が150℃より高く、環状オレフィン系共重合体樹脂に流動性がないため、曳糸性なく断糸して繊維化できなかった。
[比較例3]
ガラス転移温度が33℃であり、MFRが8である環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製 TOPAS9506)を、押出機温度及び配管温度240℃で溶融押出しし、孔径0.12mmのノズルより吐出して、速度1500m/分で捲き取りするも、ガラス転移温度が70℃より低いため、ボビン捲取中に繊維どうしが膠着し、ボビンからの解舒が不能であった。
[比較例4]
ポリエステル樹脂を、押出機温度及び配管温度270℃で溶融押出しし、孔径0.12mmのノズルより吐出して、速度1500m/分で捲き取り、ポリプエステルからなる未延伸の原糸を得た。
次いで、得られた原糸の水分率が20重量%となるように搾液後、5mmに切断を行って、無捲縮繊維を得た。
得られたポリエステル繊維を水中で攪拌混合して分散させた後、金網上に抄き上げ、100℃のドラム式ドライヤーで乾燥させて湿式不織布を得た。次いで、180℃のカレンダーロールを用いて熱プレス加工を行い、目付25g/mの不織布を得た。
得られた不織布は、地合いが良く、保水性、通気性、ドレープ性は良好なものの、含有金属量の多い繊維となった。
[比較例5]
ガラス転移温度が78℃であり、MFRが32である環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製 TOPAS8007S−04)を鞘成分、ガラス転移温度が138℃であり、MFRが14である環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製 TOPAS6013S−04)を芯成分とした、芯/鞘の重量比率が1/1の芯鞘複合繊維を270℃で溶融押出し、孔径0.3mmのノズルより吐出して、速度1500m/分で捲き取りするも、ボビン捲取中に繊維どうしが膠着するため、ボビンからの解舒が不能であった。
[比較例6]
ガラス転移温度が78℃であり、MFRが32である環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製 TOPAS8007S−04)を鞘成分、ガラス転移温度が138℃であり、MFRが14である環状オレフィン系共重合体(ポリプラスチックス社製 TOPAS6013S−04)を芯成分とした、芯/鞘の重量比率が1/1の芯鞘複合繊維を240℃で溶融押出し、孔径0.3mmのノズルより吐出して、速度800m/分で捲き取る以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得た。
得られた不織布は、保水性、通気性は良好なものの、繊度が2dtexより大きいため繊維構成本数が少ないことが原因で、地合いがやや悪く、ドレープ性もやや悪いものとなった。 また、不織布からは含有金属は検出されなかった。
得られた結果を表1に示す。表1に記載のCOCは環状オレフィン系共重合体であり、PETはポリエステルである。
Figure 2017222934
表1からも明らかなように、本発明の繊維からなる不織布は、ドレープ性に優れるだけでなく、保水性および通気性にも優れ、含有金属量の少ない貼付剤用途に好適な不織布である。

Claims (4)

  1. ガラス転移温度が70℃以上150℃未満の環状ポリオレフィン系樹脂を含む、繊度が2dtex以下の繊維。
  2. 環状ポリオレフィン系樹脂が下記一般式(I)で示される環状オレフィンとα−オレフィンの共重合体又はその水素添加物である請求項1に記載の繊維。
    Figure 2017222934

    (式中、R1〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、R9とR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R9又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。また、nは、0又は正の整数を示し、nが2以上の場合には、R5〜R8は、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
  3. 請求項1および2記載の繊維を含む不織布。
  4. 請求項3記載の不織布を備える、貼付材。
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