JPH06240502A - 布状複合補強部材とその製造方法 - Google Patents

布状複合補強部材とその製造方法

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JPH06240502A
JPH06240502A JP5025590A JP2559093A JPH06240502A JP H06240502 A JPH06240502 A JP H06240502A JP 5025590 A JP5025590 A JP 5025590A JP 2559093 A JP2559093 A JP 2559093A JP H06240502 A JPH06240502 A JP H06240502A
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豊治 池田
Michio Arai
通雄 荒井
Toshiji Ikeda
利治 池田
Fumiyo Mimura
文代 三村
Yuzuru Omori
譲 大森
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    • A41WEARING APPAREL
    • A41DOUTERWEAR; PROTECTIVE GARMENTS; ACCESSORIES
    • A41D27/00Details of garments or of their making
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2201/00Properties
    • C08L2201/12Shape memory

Abstract

(57)【要約】 【目的】 形状記憶合金の機械的特性を活かし、保形性
を良好としつつ、装着感、美観および意匠性を向上させ
る。 【構成】 NiTi系、Ti系、銅系または鉄系の形状
記憶合金を単独で、またはステンレス鋼、チタン、チタ
ン合金、アルミニウム、アルミニウム合金あるいはアモ
ルファス合金の1種以上と組み合わせ、所望の形状に形
状記憶熱処理したワイヤー1を、布2と接着一体化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、布状複合補強部材と
その製造方法に関するものである。さらに詳しくは、こ
の発明は、形状記憶合金の機械的特性を活かしつつ、装
着感、美観および意匠性を向上させることのできる、形
状記憶合金を用いた新しい布状複合補強部材とその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、衣料品の一つとして、着用者
の体型を補整する整体用の下着が知られており、ブラジ
ャー、ガードル、ボディスーツ、ボディシャイパー、ウ
ェストニッパー等が広く用いられている。これらの整体
用下着については、布のたるみを防止し、整体機能を向
上させるために、たとえばアンダーワイヤー、ボーン等
の補強部材が使用されており、最近、この補強部材に各
種の形状記憶合金を使用することが提案されてもいる。
たとえばNiTi系形状記憶合金線を単独または他の金
属線と組み合わせてワイヤー状に成形し、所望の形状に
形状記憶熱処理を施した後に、これを上記の下着に取り
付ける。この下着を着用すると、着用温度でオーステナ
イト相が発現する。オーステナイト相は超弾性状態にあ
り、鋼などの他の金属に比べると低弾性率を有し、しか
も弾性を保つ変形の範囲が広く、しなやかであるという
特性がある。この機械的特性によって、整体用下着の保
形性が確保されるのである。形状記憶合金によるワイヤ
ーを下着に取り付ける際には、布製袋状のループ内にワ
イヤーを挿入し、下着の装着部位に縫い付けている。
【0003】このような形状記憶合金の衣料品への応用
は、下着の他、上着などにも広げられつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、形状記
憶合金については、上記の優れた機械的特性を有するも
のの、その表面には酸化物が形成しているため黒色を呈
しており、また、その酸化物を取り除いても金属色であ
るため、白色やピンク、肌色などの多い下着や淡い色の
上着に使用すると、形状記憶合金の色が透けて見え、違
和感が生じ、美観が損なわれるという問題があった。こ
のため、使用に際しては、白色のナイロン樹脂等をコー
ティングなどしなければならないという制約がある。
【0005】また、形状記憶合金を用いたワイヤーを挿
入する袋状のループが厚くなり、突出するため、着用時
に身体を圧迫し違和感を感じさせてしまう。また、美観
も損なわれることとなり、意匠性が低下する。さらに
は、形状記憶合金を用いたワイヤーがループ内で動きや
すく、そこから外側へ突き抜けたり、摩擦により布が摩
耗したり損傷することがあった。
【0006】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、従来の形状記憶合金をボーン等の補
強部材に用いた衣料品等における欠点を解消し、形状記
憶合金の機械的特性を活かしつつ、装着感、美観および
意匠性を向上させることのできる布状複合補強部材とそ
の製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、NiTi系、Ti系、銅系また
は鉄系の形状記憶合金を単独で、またはステンレス鋼、
チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金
あるいはアモルファス合金の1種以上と組み合わせ、所
望の形状に形状記憶熱処理したワイヤーを、布と接着一
体化してなることを特徴とする布状複合補強部材を提供
する。
【0008】またこの発明は、NiTi系、Ti系、銅
系または鉄系の形状記憶合金を単独で、またはステンレ
ス鋼、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウ
ム合金あるいはアモルファス合金の1種以上と組み合わ
せてワイヤーを作製し、所望の形状に形状記憶熱処理し
た後に、布と接着一体化することを特徴とする布状複合
補強部材の製造方法を提供するものでもある。
【0009】この発明においては、たとえば図1に示し
たように、NiTi系、Ti系、銅系または鉄系の形状
記憶合金を単独で、またはステンレス鋼、チタン、チタ
ン合金、アルミニウム、アルミニウム合金あるいはアモ
ルファス合金の1種以上と組み合わせて成形し、使用す
る製品等の形状に対応させて形状記憶熱処理してワイヤ
ー(1)を作製する。ワイヤー(1)の径の大きさや形
状については特に制限はなく、適宜なものとすることが
できる。たとえばその形状として、丸線、平線、コイル
ボーン、細い線を編みあるいは織って紐状にしたものが
例示される。この形状記憶合金を用いたワイヤー(1)
を布(2)に接着により一体化する。この場合、たとえ
ば図1に示したように、2枚の布(2)の間にワイヤー
(1)を接着し一体とすることもできる。布(2)に接
着するワイヤーの本数は使用する製品の形状、構造、特
性等に応じて適宜なものとする。布(2)の材質につい
ても特に制限はなく、天然繊維や合成繊維、または不繊
布を適宜に選択して使用することができる。天然繊維と
してはたとえば植物繊維である綿や麻、また、動物繊維
としての絹、羊毛等が例示される。一方、合成繊維とし
ては、たとえばナイロン、ポリエステル、アクリル、ポ
リウレタン、レーヨン、アセテート等とすることができ
る。
【0010】形状記憶合金を用いたワイヤー(1)と布
(2)を接着するための接着剤としては、たとえば、エ
ポキシ、ポリウレタン、アクリル、エチレン酢酸ビニ
ル、ポリアミド、ポリエステル、ゴム系、シリコーン、
2液反応型シアノアクリレート系等の液状の接着剤や、
エポキシ、ポリウレタン、アクリル、エチレン酢酸ビニ
ル、ポリアミド、ポリエステル、ゴム系、その他の粉末
またはシート状の固形接着剤を使用することができる。
【0011】たとえば液状接着剤を用いる場合には、2
液反応型シアノアクリレート系を除く上記の液状接着剤
については、布(2)の接着面に接着剤を塗布または吹
き付け、形状記憶合金を用いたワイヤー(1)をホット
プレート、蒸気プレスまたはアイロン等により両面を押
さえつけた状態で100 〜150 ℃で数分間(たとえば1〜
3分間程度)保持する。布(2)を両面に設ける場合に
は、形状記憶合金を用いたワイヤー(1)を布(2)で
サンドウィッチ状に挟み、両面よりホットプレート、蒸
気プレスまたはアイロン等で押さえつけることができ
る。すると、接着剤が硬化し、接着が完了して、ワイヤ
ー(1)と布(2)とが一体となる。一方、2液反応型
シアノアクリレート系の液状接着剤を用いる場合には、
布(2)の接着面に接着剤を塗布または吹き付け、形状
記憶合金によるワイヤー(1)を押さえつけることによ
って、接着剤が常温で硬化する。
【0012】また、固形接着剤を用いる場合には、粉末
状の接着剤については、布(2)の接着面上に、形状記
憶合金を用いたワイヤー(1)を重ねて置き、その上か
ら粉末状の接着剤を均一に振りかける。形状記憶合金を
用いたワイヤー(1)を2枚の布(2)で包むように設
ける場合には、さらにその上にもう1枚の布(2)をか
ぶせる。次いで、ホットプレート、蒸気プレスまたはア
イロン等により両面を押さえつけた状態で100 〜150 ℃
で数分間(たとえば1〜3分間程度)保持すると、高温
で接着剤が硬化し、ワイヤー(1)と布(2)とが一体
となる。
【0013】さらに、シート状の接着剤の場合には、形
状記憶合金によるワイヤー(1)と布(2)との間に薄
いシート状の接着剤を挟み、このまま、またはもう1枚
の布(2)をかぶせ、ホットプレート、蒸気プレスまた
はアイロン等で両面を押さえつけた状態で100 〜150 ℃
で数分間(たとえば1〜3分間程度)保持すると、高温
で接着剤が硬化する。
【0014】
【作 用】この発明の布状複合補強部材とその製造方法
においては、NiTi系、Ti系、銅系または鉄系の形
状記憶合金を単独で、またはステンレス鋼、チタン、チ
タン合金、アルミニウム、アルミニウム合金あるいはア
モルファス合金の1種以上と組み合わせてワイヤーを作
製し、所望の形状に形状記憶熱処理した後に、布と接着
一体化するため、形状記憶合金を用いたワイヤーと布と
が一体となった布状の補強部材となる。ボーン等の部位
を薄くすることができ、装着時の違和感や圧迫感が軽減
される。任意の色の布との組合せも可能となり、白色を
はじめとする様々な色の部材を作製することができ、美
観とともに意匠性が向上する。衣料品ばかりでなく、運
動靴、帽子、カバン等の型崩れしやすい製品への幅広い
応用が可能となる。
【0015】またこの発明の布状複合補強部材において
は、形状記憶合金を用いたワイヤーが移動することはな
く、布との摩擦が防止され、布を保護することができ
る。また、ボーン等のワイヤーが外側に突き抜けること
もない。さらに、布と一体化するため、従来のような挿
入作業も不要となり、取付に際しては衣料品等へ縫い付
けるだけで済む。
【0016】
【実施例】以下実施例を示し、この発明の布状複合補強
部材とその製造方法についてさらに詳しく説明する。実施例1 NiTi系、Ti系、銅系または鉄系の形状記憶合金に
よるワイヤーを作製した。このワイヤーをブラジャーの
アンダーワイヤーとして、また、ガードル、ボディスー
ツ、ボディシェイパーおよびウェストニッパーのボーン
として加工、形状記憶熱処理を行った後、布と接着一体
化した。この布状の複合補強部材を使用し、上記の下着
を作製した。
【0017】このようにして作製した下着を種々の体型
の30人の女性に装着させ、その着心地についてのモニ
ター試験を行った。被験者の着用前後および従来の下着
との比較試験の結果、この発明による下着は、身体への
圧迫感が少なく、着心地が良好であることが確認され
た。また、身体の線がきれいになるという効果も認めら
れた。実施例2 実施例1と同様の形状記憶合金と、ステンレス鋼、チタ
ン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金また
はアモルファス合金の1種以上とを組み合わせワイヤー
を作製し、形状記憶熱処理を行った後に、布と接着一体
化した。この補強部材を用いて、実施例1と同様の下着
を作製した。モニター試験の結果、身体への圧迫感が少
なく、着心地が良好であることが確認され、また、身体
の線がきれいになるという効果も認められた。実施例3 実施例1と同様の形状記憶合金によるワイヤーを作製
し、形状記憶熱処理を行った後に、これを用いて運動
靴、帽子およびカバンを作製した。布状複合補強部材の
運動靴、帽子およびカバンへの使用は容易であった。ま
た、モニター試験の結果、型崩れが発生せず、しかも使
用感が良好であることが認められた。
【0018】もちろんこの発明は以上の例により限定さ
れることはない。細部については様々な態様が可能であ
ることはいうまでもない。
【0019】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、保形性に優れ、しかも装着感、美観および意匠性
を向上させることのできる布状の複合補強部材が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の布状複合補強部材の構成を例示した
分解斜視図である。
【符号の説明】
1 形状記憶合金線を用いたワイヤー 2 布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 19/03 A D03D 15/00 Z 7199−3B D07B 1/06 Z (72)発明者 三村 文代 奈良県橿原市南八木町3丁目5番20号 マ ルコ株式会社内 (72)発明者 大森 譲 三重県桑名市大字東方1601の18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NiTi系、Ti系、銅系または鉄系の
    形状記憶合金を単独で、またはステンレス鋼、チタン、
    チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金あるいは
    アモルファス合金の1種以上と組み合わせ、所望の形状
    に形状記憶熱処理したワイヤーを、布と接着一体化して
    なることを特徴とする布状複合補強部材。
  2. 【請求項2】 2枚の布の間に形状記憶合金を用いたワ
    イヤーを接着一体化してなる請求項1の布状複合補強部
    材。
  3. 【請求項3】 NiTi系、Ti系、銅系または鉄系の
    形状記憶合金を単独で、またはステンレス鋼、チタン、
    チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金あるいは
    アモルファス合金の1種以上と組み合わせてワイヤーを
    作製し、所望の形状に形状記憶熱処理した後に、布と接
    着一体化することを特徴とする布状複合補強部材の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 2枚の布の間に形状記憶合金を用いたワ
    イヤーを接着一体化する請求項3の製造方法。
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