JPH06240236A - 多結晶型立方晶窒化ほう素砥粒 - Google Patents

多結晶型立方晶窒化ほう素砥粒

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JPH06240236A
JPH06240236A JP5025273A JP2527393A JPH06240236A JP H06240236 A JPH06240236 A JP H06240236A JP 5025273 A JP5025273 A JP 5025273A JP 2527393 A JP2527393 A JP 2527393A JP H06240236 A JPH06240236 A JP H06240236A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cbn
abrasive grains
grinding
polycrystalline
boron nitride
Prior art date
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Pending
Application number
JP5025273A
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English (en)
Inventor
Tomoki Nikaido
知己 二階堂
Takeshi Mabuchi
威 馬渕
Masaharu Suzuki
正治 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温下の使用においても酸化による破壊が生
じることの少ない砥粒の提供。 【構成】 窒素に対するほう素のモル比が0.95以上1.00
未満である多結晶型立方晶窒化ほう素からなることを特
徴とする多結晶型立方晶窒化ほう素砥粒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、研削砥石用として好適
に用いられる多結晶型の立方晶窒化ほう素(以下cBN
という)砥粒に関する。本発明の砥粒が応用される研削
砥石としては、例えば重研削、高速研削、クリープフィ
ード研削用のメタルボンド砥石、電着砥石、ビトリファ
イド砥石等をあげることができる。
【0002】
【従来の技術】cBNはダイヤモンドに次ぐ硬度を持
ち、化学的には鉄系金属に対しても反応性が乏しいとい
うダイヤモンドにはない特徴がある。cBN砥粒はこの
特徴を活かし、研削加工に大きな比重を占めている鉄系
金属加工分野で急速に普及し、省力化、高能率化に寄与
している。
【0003】cBN砥粒のうち多結晶型砥粒と呼ばれる
ものは、単結晶型に比較して耐摩耗性と靭性に優れてい
る。これは、単結晶型は砥粒1つが1つの結晶からなっ
ているのに対し、多結晶型は複数のcBN粒子が相互に
強固に結合しているので、単結晶型におけるようなへき
開破壊のような大破壊を起こしにくいためである。従っ
て、多結晶型cBN砥粒は、特に高い靭性と耐摩耗性を
必要とする重研削、クリープフィード研削、高速研削等
の高能率研削加工に多用されている。
【0004】多結晶型cBN砥粒は、多結晶型cBN焼
結体を所望の粒度に粉砕することによって製造される。
多結晶型cBNは、例えば特公昭4-77621 号公報に記載
されているように、六方晶窒化ほう素を原料とし、それ
を超高圧高温処理をすることによって合成することがで
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現在用いられ
ている多結晶型cBN砥粒は、高能率研削加工におい
て、砥粒に高い熱や衝撃の負荷がかかる環境では砥粒破
壊が急速に進み、研削性能が低下するという問題があっ
た。
【0006】本発明者らは、研削環境の違いによる研削
特性の変化に寄与する要因として、多結晶型cBN砥粒
の窒素に対するほう素の比(以下B/Nモル比という)
について検討した。その結果、砥石の研削性能は、特定
B/Nモル比の多結晶型cBN砥粒の場合に、砥石の摩
耗量が少なくなり、初期の研削性能を長期に渡って維持
することを見いだし、本発明を完成させたものである。
【0007】本発明の目的は、より高負荷下においても
強度低下が少なく、初期の研削性能を長期に渡って維持
することができる長寿命の多結晶型cBN砥粒を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、窒
素に対するほう素のモル比が0.95以上1.00未満である多
結晶型cBNからなることを特徴とする多結晶型cBN
砥粒である。
【0009】以下、さらに詳しく本発明を説明すると、
本発明において、多結晶型cBNの窒素分は、多結晶型
cBNをインパルス炉中、不活性ガス雰囲気下で溶融分
解し、発生する窒素ガスをガス分析することによって定
量することができ、また、ほう素分は、多結晶型cBN
をアルカリと混合し、加熱融解したものを塩酸中に溶か
し、メタノール蒸留法で抽出した試料をアルカリ中和滴
定することによって定量することができる。
【0010】本発明において、多結晶型cBNのB/N
モル比を0.95以上1.00未満と限定した理由は、以下のと
おりである。すなわち、cBNにはほう素、窒素以外の
化学成分はほとんど固溶しないことが知られている。し
かし、多結晶型cBNの場合は、単結晶型と異なり、構
成するcBN粒子間にほう素もしくは窒素を含む他の化
合物が存在することにより全体としてB/N比のバラン
スが1からずれることがあり得る。
【0011】さまざまなB/Nモル比を持つ多結晶型c
BN砥粒を微小部分析装置付き透過型電子顕微鏡で詳細
に観察したところ、B/Nモル比が1.00以上又は0.95未
満である砥粒のcBN粒子間には、ほう素、窒素、酸
素、金属不純物からなる化合物が観察された。この砥粒
を用いて砥石を作製し、研削中の砥粒形状の変化を金属
顕微鏡と走査型電子顕微鏡により詳細に観察すると、B
/Nモル比が1以上の砥粒は、研削の進行とともに砥粒
先端において著しい摩耗や大きな破壊を起こし形状が激
しく変化する。さらに詳細に破壊した部分を観察する
と、この破壊は粒内破壊に加えてcBN粒子の脱落も多
数ともなうために、砥粒が大きく破壊していることがわ
かった。一方、B/Nモル比が0.95未満の場合には、同
様に砥粒の摩耗が著しいが、砥粒の破壊は主にcBN粒
子内の破壊であることがわかった。これらに対し、B/
Nモル比が0.95以上1.00未満である多結晶型cBN砥粒
では、cBN粒子間には他の化合物がほとんど認められ
ない上、砥石による加工においてもcBN粒子の摩耗や
脱落も少ないため砥粒の摩耗は著しく少なくなり、良好
な研削性能を示した。
【0012】本発明に係るB/Nモル比を有する多結晶
型cBNは、例えば特公平4-77612号公報に記載されて
いるように、熱分解窒化ほう素を触媒を用いることなく
高温高圧処理し直接cBNに転換させることを基本技術
とし、例えば以下のように原料と反応室を制御すること
によって製造することができる。
【0013】原料となる六方晶窒化ほう素としては、純
度99.9%以上である熱分解窒化ほう素を使用することが
望ましい。さらに、cBN合成時にcBNが分解し、揮
発成分である窒素が散逸することによりほう素分が過剰
になるため、原料となる六方晶窒化ほう素のB/Nモル
比を0.90〜0.97程度に調整しておくのが望ましい。この
原料を窒素雰囲気中、温度200 ℃で6時間程度放置した
後、空気中に出さずに窒素雰囲気下でモリブデン箔中に
封入する。この原料を純度99.9%以上の高純度カーボン
を加熱用ヒーターとする合成セル中にいれ、窒素雰囲気
下、フラットベルト型超高圧高温発生装置で高温高圧処
理が行われてcBN焼結体が合成される。合成に要する
圧力は6GPa以上、温度1500℃以上が望ましい。
【0014】
【作用】本発明の多結晶型cBN砥粒が耐摩耗性、研削
性能に優れる原因は、以下のように考える。すなわち、
多結晶型cBN砥粒の強度は、砥粒を構成するcBN粒
子の強度に加えて粒子間の結合力に左右される。粒子間
に存在するcBN以外の化合物は、窒素もしくはほう素
を含有することが多い。このため、B/Nモル比が本発
明の範囲をはずれると、粒子間に存在する化合物量が増
えるため粒子間結合力が著しく低下し、負荷の大きい研
削時において砥粒摩耗量が大きくなる。特に、窒素成分
はcBNが分解すると散逸しやすいため、B/Nモル比
が1をこえる場合は、ほう素を含有する粒子間化合物が
生成しやすく砥粒強度の低下が顕著である。さらには、
B/Nモル比が1からズレるもう一つの要因としてcB
N粒子内の欠陥が考えられ、それによってcBN粒子自
体の強度が低下する。これに対し、本発明の砥粒は、以
上のような粒子間化合物の生成や欠陥を防止することが
できるので砥粒強度は低下せず、高強度、長寿命とな
る。
【0015】
【実施例】以下、実施例と比較例をあげてさらに具体的
に本発明を説明する。
【0016】比較例1 多結晶型cBN砥粒として唯一市販されているゼネラル
エレクトリック社製「ボラゾンBZ550」を入手し
た。その1.2gをアルカリと混合し加熱融解した。常温で
固結した融解物を塩酸で溶かした後、メタノール蒸留法
を用いて試料を抽出し、抽出液をアルカリ滴定すること
によって砥粒中のほう素の重量分析を行った。一方、別
に砥粒1.2gをインパルス炉中で不活性ガス雰囲気下で溶
融分解し、発生する窒素ガスをガスクロマトグラフを用
いて砥粒中の窒素分析を行った。以上の結果から、多結
晶型cBN砥粒のB/Nモル比を算出した。その結果を
表1に示す。
【0017】次に、粒径1mm程度の砥粒1個を任意に取
り出し、図1に示すように、先端角120 度の円錐状多結
晶型cBN砥粒2に加工し、砥石状リング1の表面に円
錐先端が外向きとなるように支持具3を介して接着固定
した。この砥石状リングを平面研削盤のスピンドル部分
に取り付け、周速1800m /分、切り込み20μm 、送り30
cm/分、ダウンカットの条件で被研削材5〔高速度工具
綱SKH-9 (焼き入れ−焼き戻し処理後、ロックウェル硬
度65)〕を長さ30cmにわたって研削した。
【0018】研削終了後、砥粒の摩耗量を研削開始点及
び終了点における研削溝の深さの差4を、タリサーフ表
面粗さ計(ランクテーラーホブソン社製)を用いて計測
した。また、研削に使用した砥粒先端を走査型電子顕微
鏡で観察し、摩耗量を測定した。以上の結果より、砥粒
の摩耗量を算出した。その結果を表1に示す。
【0019】さらに、砥粒20g を抜き出し、JIS B 4131
に規定される1A1 型メタルボンド砥石〔コンセントレー
ション100 、結合度N 、200(D)×10(T) ×5(X)×50.80
(H)〕を作製した。この砥石を研削開始直後の被研削材
の加工表面粗さ(JIS B 0601に規定される最大高さRma
x)が1μm となるようにドレッシングした後、周速180
0m /分、切り込み20μm 、送り9m/分、ダウンカット
の条件で上記と同様の被研削材を平面研削した。研削除
去量6000mm3 /mmに達したときの、砥石摩耗量と被研削
材の表面粗さ(Rmax)を測定した。それらの結果を表1
に示す。
【0020】実施例1〜2 比較例2〜4 純度99.0%以上、表1に示すB/Nモル比を持つ熱分解
窒化ほう素を窒素雰囲気中、温度200 ℃で60分間放置し
た後、窒素雰囲気にてモリブデン箔に封入して原料とし
た。これを、純度99.9%以上の高純度カーボンを加熱用
ヒーターとする構造の反応セル中に配置して組み立てた
後、フラットベルト型超高圧高温発生装置中で圧力7.3G
Pa、温度2100℃の条件で60分間処理する直接転換法によ
ってcBNを合成した。
【0021】得られた多結晶型cBNはロールクラッシ
ャーを用いて粉砕し砥粒とした後、比較例1と同様に抜
き出して評価試験を行った。それらの結果を表1に示
す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明の多結晶型cBN砥粒は、高温下
においても酸化による破壊の少ないものであるので、従
来に比べて格段に使用寿命が長く、仕上げ面粗さの良好
な研削砥石を製造することができ、良好な高能率研削が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多結晶型cBN砥粒の摩耗特性を測定する説
明図であり、(A)は円錐状多結晶型cBN砥粒を研削
リングに固定した状態、(B)は研削後における被研削
材の状態を示す。なお、(A)中の矢印は回転方向を表
す。
【符号の説明】
1 砥石状リング 2 円錐状多結晶型cBN砥粒 3 支持具 4 研削前後における研削溝の深さの差 5 被研削材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素に対するほう素のモル比が0.95以上
    1.00未満である多結晶型立方晶窒化ほう素からなること
    を特徴とする多結晶型立方晶窒化ほう素砥粒。
JP5025273A 1993-02-15 1993-02-15 多結晶型立方晶窒化ほう素砥粒 Pending JPH06240236A (ja)

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JP5025273A JPH06240236A (ja) 1993-02-15 1993-02-15 多結晶型立方晶窒化ほう素砥粒

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