JPH06240103A - 高摺動性ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

高摺動性ポリアセタール樹脂組成物

Info

Publication number
JPH06240103A
JPH06240103A JP31297093A JP31297093A JPH06240103A JP H06240103 A JPH06240103 A JP H06240103A JP 31297093 A JP31297093 A JP 31297093A JP 31297093 A JP31297093 A JP 31297093A JP H06240103 A JPH06240103 A JP H06240103A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyacetal resin
silicone oil
copolymer
resin composition
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP31297093A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3149151B2 (ja
Inventor
Hidehiko Santo
秀彦 山藤
Masahiko Niino
雅彦 二井野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP31297093A priority Critical patent/JP3149151B2/ja
Publication of JPH06240103A publication Critical patent/JPH06240103A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3149151B2 publication Critical patent/JP3149151B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)ポリアセタール樹脂ホモポリマーと
(B)ポリアセタール樹脂コポリマー及び(C)シリコ
ーンオイルからなり、(A)、(B)および(C)各成
分の全量に対する重量比(%)をそれぞれX、Yおよび
Zとしたとき、X、YおよびZが、下記の範囲にあるこ
とを特徴とするポリアセタール樹脂組成物である。 記 2.0<X<97.9 2.0<Y<83.0 0.1≦Z≦15 【効果】 本発明の組成物は、点接触往復摺動潤滑性及
び低キシミ音性に於いて優れるため、AV(Audio Visu
al)、OA(Office Automation )機器部品に好適に用
いられる。なかでもカムギア、ギア、軸受け、レバー、
キーステム、カム、ラチェット、ローラに好適である。
特に、VTR(Video Tape Recorder )部品として使
われているカムギア材として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、点接触往復摺動におい
て、初期から長期に渡り対樹脂及び対金属の両方で摩擦
摩耗特性に極めて優れ、かつキシミ音の発生の少ない高
摺動性ポリアセタール樹脂組成物を提供しようとするも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリアセタール樹脂は、その優
れた機械的強度、耐疲労性、電気特性などを有するた
め、エンジニアリング樹脂として歯車、軸受け、その他
の機械部品や自動車、家電部品などに幅広く利用されて
いる。また、ポリアセタール樹脂は自己潤滑性にもかな
り優れており、その特性が生かされた用途も多い。
【0003】しかしながら、ポリアセタール樹脂用途の
高機能化、多様化に対して、ポリアセタール樹脂の本来
有する自己潤滑性およびポリアセタール樹脂に一般的な
潤滑剤を添加しただけの組成物の潤滑性だけでは、更に
要求される用途には必ずしも充分ではなく対応できてい
ない。特に、電気部品等では点接触往復摺動において対
樹脂及び対金属の両方でさらに低摩擦、低摩耗特性を長
期に渡り維持できる材料が望まれている。
【0004】従来技術として特公平3−69378号公
報には、ポリアセタール樹脂にシリコーンオイルとエス
テル系潤滑剤との組成物からなるポリアセタール樹脂の
面接触スラスト摺動における摩擦特性及び摩耗性を改良
することが知られている。しかしながら、この組成物で
は点接触往復摺動性は充分な値を得ることができていな
い。
【0005】特開平4−234450号公報において
は、ポリアセタール樹脂と1×106CST以上の粘度
を有するシリコーンガムとポリテトラフルオロエチレン
樹脂とを含有するポリアセタール樹脂組成物及びその組
成物からなる摺動部材が、高速、高荷重下での面接触ス
ラスト摺動性に於いて耐摩擦摩耗特性が優れ、さらに成
形性が優れることを開示している。しかし、点接触往復
摺動での摺動性は、まだまだ改良の余地が残されてい
る。更に、上記公報には本発明におけるポリアセタール
樹脂ホモポリマーとポリアセタール樹脂コポリマーを併
用し、更にシリコーンオイルを組合せることに関する記
載がなく、示唆もない。
【0006】また、特公昭57−10144号公報で
は、ポリアセタール樹脂にシリコーンオイルとシリコー
ンガムを添加する方法、特開昭63−277263号
〔USP4874807(対応中国特開 '88−026
19参照)〕公報には、ポリアセタール樹脂に150,
000CST以上の粘度を有するシリコーンオイルを添
加する方法などが開示されているが、これらの方法で
も、本発明のようなポリアセタール樹脂ホモポリマーと
ポリアセタール樹脂コポリマーを併用し、更にシリコー
ンオイルを組合せることにより、点接触往復摺動性に優
れるという技術に関する記載はなく、示唆もない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な状況から点接触往復摺動試験において、対樹脂および
対金属の両方で低摩擦低摩耗性能を長期に渡り維持させ
ると共に、高摺動性を付与させたポリアセタール樹脂組
成物に関するものである。更に詳しくいえば、点接触に
よる往復摺動性において、対樹脂及び対金属の両方で、
初期に極めて低い摩擦係数を示し、その低い摩擦係数を
長期に渡り維持し、摩耗特性にも優れ、かつキシミ音発
生の少ない摺動性に優れたポリアセタール樹脂組成物を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を鋭意検討を重ねた結果、ポリアセタール樹脂ホモポリ
マーとポリアセタール樹脂コポリマーを併用することで
シリコーンオイルとポリアセタール樹脂との親和性をコ
ントロールすることができ、上記課題を解決し得ること
を見出し本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、(A)ポリアセタール樹
脂ホモポリマーと(B)ポリアセタール樹脂コポリマー
および(C)シリコーンオイルからなり、(A)(B)
および(C)各成分の全量に対する重量比(%)をそれ
ぞれX、YおよびZとしたとき、X、YおよびZが下記
の範囲にあることを特徴とするポリアセタール樹脂組成
物である。
【0010】2.0<X<97.9 2.0<Y<83.0 0.1≦Z≦15 以下、本発明のポリアセタール樹脂組成物について詳細
に説明する。本発明の組成物に用いられる(A)ポリア
セタール樹脂ホモポリマーとは、ホルムアルデヒドの単
量体、またはその3量体(トリオキサン)もしくは4量
体(テトラオキサン)等の環状オリゴマーを原料とし
て、製造された実質的にオキシメチレン単位の繰り返し
よりなるポリオキシメチレン樹脂である。また、好まし
いポリアセタール樹脂ホモポリマーは、メルトインデッ
クス(ASTM D1238−57TE、以下MIと略
記)が5〜50g/10分で、更に好ましくはMI=3
0〜40g/10分である。
【0011】また、(B)ポリアセタール樹脂コポリマ
ーとは、上記原料とエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラ
ン、グリコールのホルマール、ジグリコールのホルマー
ル等の環状エーテルとから製造された炭素数2〜8個の
オキシアルキレン単位を0.1〜4重量%含有するポリ
オキシメチレン樹脂である。好ましいポリアセタール樹
脂コポリマーは、製造の際に用いられるエチレンオキサ
イドの導入量が1〜4重量%であり、更に好ましくは2
〜3重量%である。また、そのMIとしては、5〜50
g/10分が好ましく、7〜15g/10分がより好ま
しい。
【0012】本発明の組成物において用いられる(A)
ポリアセタール樹脂ホモポリマーと(B)コポリマーの
配合量は、組成物全量に対するホモポリマーの重量比
(X)が2.0重量%を超え97.9重量%未満、同じ
くコポリマーの重量比(Y)が2.0重量%を超え8
3.0重量%未満であるが、それぞれの配合量が2.0
重量%以下の場合は、本発明の点接触往復摺動試験にお
いて優れた長期潤滑性能が得られない。また、ポリアセ
タール樹脂ホモポリマーの配合量が97.9重量%以上
でも、ポリアセタール樹脂コポリマーの配合量が83.
0重量%以上でも長期潤滑性能に劣る。
【0013】更に、ポリアセタール樹脂コポリマーの配
合量は、点接触往復摺動高温試験時のキシミ音の発生等
の点からは、2.0重量%を超え50重量%未満が好ま
しく、さらに2.5〜20重量%が好ましく、特に4〜
10重量%が好ましい。同様に、ポリアセタール樹脂ホ
モポリマーの配合量は、点接触往復摺動高温試験時のキ
シミ音の発生等の点から42.5重量%以上が好まし
い。
【0014】次に、本発明の組成物に用いられる(C)
シリコーンオイルとは、ジメチルポリシロキサン、ない
しはそのメチル基の一部が水素、フェニル基、ハロゲン
化フェニル基、ハロゲン化アルキル基等の一種または二
種以上で置換されたものであり、分子間で架橋構造を有
しないシリコーンである。これらのシリコーンオイル
は、二種以上を併用してもかまわない。また、好ましい
シリコーンオイルは、ジメチルポリシロキサン、あるい
はジメチルシロキサンとメチルフェニルシロキサンとの
共重合物で、ともに好ましい平均重合度は1,000〜
5,000のものである。更に好ましい平均重合度は、
3,000〜5,000である。また、好ましい共重合
物は、メチルフェニルシロキサンユニットが1〜20モ
ル%のものである。
【0015】シリコーンオイルの配合量は、組成物全量
に対するシリコーンオイルの重量比(Z)で0.1〜1
5重量%である。配合量が0.1重量%未満の場合は、
本発明の長期潤滑性能の向上が殆ど見られず、15重量
%を超えると機械物性(特に、曲げ強度または曲げ弾性
率)が低下し、また成形性が悪くなり、更には成形品に
おいて剥離現象が激しくなる。シリコーンオイルの配合
量は、1〜10重量%が好ましく、更には、3〜5重量
%がより好ましい。
【0016】本発明におけるポリアセタール樹脂組成物
は、実質的にはポリアセタール樹脂ホモポリマーとポリ
アセタール樹脂コポリマー、及びシリコーンオイルの三
成分から構成されるものであるが、その用途や目的に応
じて必要な特性を付与する為に、公知の熱安定剤、核
剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードア
ミン化合物などの光安定剤、ヒンダードフェノール化合
物などの酸化防止剤、顔料を本発明の目的を損なわない
範囲で添加することができる。
【0017】次に、本発明のポリアセタール樹脂組成物
は、公知の方法、例えばニーダー、ロールミル、押出機
などの通常樹脂溶融体の混練に用いられる装置を用い
て、ポリアセタール樹脂の融点以上の温度で溶融混練す
ることによって調製することができる。好ましくは、シ
リコーンオイルについては、プランジャーポンプ、ギア
ーポンプ、スネークポンプ等を用いて押出機のホッパー
下あるいはベント口にフィード添加することが好まし
い。更に、ポンプの能力に合わせ粘度を下げる必要があ
る場合は、上記ポンプ及びフィードタンクを予め保温加
熱して使用することが好ましい。
【0018】本発明の組成物は、点接触往復摺動潤滑性
および低キシミ音性に於いて優れる。本発明のポリアセ
タール樹脂油脂組成物は、AV(Audio Visual)、OA
(Office Automation )機器部品に好適に用いられる。
なかでもカムギア、ギア、軸受け、レバー、キーステ
ム、カム、ラチェット、ローラに好適である。
【0019】特に、VTR(Video Tape Recorder )部
品として使われているカムギア材として好適である。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明は、これらの実施例により何ら特許請求の範
囲が限定されるものではない。なお、潤滑性の評価方法
について説明する。 (1)スラスト型面接触摺動性は鈴木式摩擦摩耗試験機
(東洋精機(株)製)を用いて評価した。その測定条件
および評価基準を次に示す。
【0021】(測定条件) 荷重:2kgf/cm2 (接触面積2cm2 )、線速
度:6cm/sec、環境温度:23℃ 相手材 対樹脂:ポリアセタール樹脂(旭化成工業
(株)製、テナック(商標名)C4520)、円筒型ワ
ッパ成形品(3oz成形機:住友重機工業(株)製
ネスタール プロマット165/
75により金型温度70℃で成形した。) 対金属:SUS304(円筒型) 評価用サンプル:円筒型ワッパ成形品(上記3oz成形
機により金型温度70℃で成形した。)で、成形後23
℃、湿度50%の雰囲気下で48時間放置させた後測定
に使用した。
【0022】(評価基準) 摩擦特性 上記条件下において、測定開始直後の摩擦係数(以下、
μと略記)と測定開始後24時間のμを測定した。μの
値が小さいほど摩擦性能が優れる。また、測定開始直後
のμを初期、24時間後のμを長期の摩擦性能として表
す。
【0023】(2)点接触往復摺動性は、往復動摩擦摩
耗試験機(東測精密(株)製、AFT−15MS型)を
用いて評価した。その測定条件および評価基準を次に示
す。 (測定条件) 荷重:2kg、往復速度:10mm/sec、往復距
離:20mm、環境温度:23〜80℃ 相手材 対樹脂:ポリアセタール樹脂(旭化成工業
(株)製、テナック(商標名)C4520)、5φ×先
端R=2.5の成形品(1oz成形機:東洋機械金属
(株)製TI−30Gにより 金
型温度70℃で成形した。) 対金属:鋼球(SUS304)5φ×先端R=2.5 評価用サンプル:70mm×50mm×3mmt平板成
形品(5oz成形機:東芝機械(株)製IS 100E
−3Aにより金型温度 70℃で
成形した。)で、成形後23℃、湿度50%雰
囲気下で48時間放置させた後測定に使
用した。
【0024】(評価基準) 摩擦特性 上記条件下において、往復動回数が1回、1,000
回、30,000回時におけるμを測定した。μの値が
小さいほど摩擦性能が優れる。往復動回数が1回時の評
価結果を初期の摩擦性能と表し、30,000回時の評
価結果を長期の摩擦性能として表す。
【0025】摩耗性 上記条件下において、往復動回数が30,000回時の
成形品の最大摩耗深さ(μm)を表面粗さ計((株)東
京精密 サーフコム570−A−3D)で測定しその値
を摩耗量とした。摩耗量(μm)が少ないほど摩耗性能
が優れる。往復動回数が30,000回時の評価結果を
長期の摩耗性能として表す。
【0026】なお点接触往復摺動製試験は、カム、ギ
ア、レバー等の摺動部品が実際に相手材とこすれる形態
に近く、上記(1)のスラスト型面接触摺動製試験より
も実用より近い評価である。 (3)キシミ音性 前記点接触往復摺動試験機において、温度が23℃ある
いは23〜80℃の条件下で往復作動させた時に、作動
場所より50cm離れた場所でキシミ音(キーキー音)
の発生した温度を人の耳で聴取した。
【0027】
【実施例1〜19】組成物の製造は、両末端アセチル化
されたポリオキシメチレンホモポリマー粉末(米国特許
第2998409号に記された公知の方法で製造したM
I=35g/10分の粉末)およびエチレンオキサイド
2.8%のポリオキシメチレンコポリマー(米国特許第
3027352号に記された公知の方法で製造したMI
=10g/10分のペレット)を表1〜3の組成でブレ
ンドしたもの100部に対し、2,2’−メチレンビス
−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
0.25部添加し調整したペレットを用い、シリコーン
オイルを予め100℃に保温加熱したスネークポンプで
押出機のホッパー下に直接液添フィードする方法にて3
0φ2軸押出機を用いて造粒した。
【0028】使用したシリコーンオイルは、ポリジメチ
ルポリシロキサンで平均重合度が1,000(以下、シ
リコーンオイル(A)と略記)、同じく平均重合度が
2,000(以下、シリコーンオイル(B)と略記)、
3,000(以下、シリコーンオイル(C)と略記)、
4,000(以下、シリコーンオイル(D)と略記)、
5,000(以下、シリコーンオイル(E)と略記)、
あるいはジメチルシロキサンとメチルフェニルシロキサ
ンの共重合物で、メチルフェニルユニットを2.5モル
%有する平均重合度が4,000(以下、シリコーンオ
イル(F)と略記)のものである。
【0029】シリコーンオイル(A)、(B)及び
(C)の構造式を下記に示す。
【0030】
【化1】
【0031】また、シリコーンオイル(D)、(E)及
び(F)の構造式を下記に示す。
【0032】
【化2】
【0033】実験の評価結果を表1、2、3に示す。そ
の結果、スラスト型試験におけるμは、対樹脂及び対金
属で低い値を示していることがわかる。更に、点接触往
復摺動試験においては、対樹脂及び対金属で初期から長
期にかけてのμはさらに極めて低い。また、摩耗量も極
めて少なく、本発明でいう点接触往復摺動において初期
に低いμを示し、そのμを長期に渡り維持させ、かつ摩
耗特性にも優れていた。更に、本組成物の成形性につい
ては何ら問題なく、23℃での潤滑性評価中に、キシミ
音等は全く発生しなかった。
【0034】また、実施例1〜7、14〜19について
は、23〜80℃の条件下で同様にキシミ音の発生を評
価した。例えば、ポリアセタール樹脂コポリマーの配合
量が20重量%を超えた実施例5、6、7では、高温下
での測定時にキシミ音が発生し易い。高温雰囲気下にお
いてもキシミ音等の発生を防止する意味で、更に好まし
いポリアセタール樹脂コポリマーの配合量は、実施例1
〜4で示される様に、2.5〜20重量%であることが
わかる。
【0035】実施例19では、実施例18に用いたシリ
コーンオイル(E)のかわりに同じ平均重合度のシリコ
ーンオイル(F)を配合して潤滑性能を評価したが、点
接触往復摺動試験ではシリコーンオイル(F)はシリコ
ーンオイル(E)よりも優れた性能を示した。
【0036】
【比較例1〜9】組成物に用いたポリアセタール樹脂ホ
モポリマー、コポリマー及びシリコーンオイルは実施例
1に記載したものと同様である。組成物の製造について
も、実施例1と同様の操作で調整した。潤滑性の評価方
法についても、実施例1に記載と同様である。
【0037】評価結果を表4、5に示す。ポリアセター
ル樹脂がホモポリマーあるいはコポリマーのみである比
較例1、2はスラスト型試験及び点接触往復摺動試験
で、対樹脂及び対金属のμは初期から長期で絶対的に高
い値を示しており、点接触往復摺動試験での摩耗量も極
めて多く、また23〜80℃での測定時にキシミ音の発
生がある。また、ポリアセタール樹脂がホモポリマーと
コポリマーとの混合物であるが、両者の割合が本発明の
範囲外である比較例3〜9においては、スラスト試験の
結果では実施例と比較してもその摩擦係数はさほど悪く
はないが、点接触往復摺動試験では、初期から長期に渡
る低摩擦低摩耗性は、まだまだ大きくて不充分であるこ
とがわかる。
【0038】
【比較例10】組成物に用いたポリアセタール樹脂ホモ
ポリマー、コポリマーは、実施例1に記載と同様であ
る。また、組成物の製造についても、実施例と同様の操
作で調整した。曲げ特性の評価については、ASTM
D−790に準じて測定した。実施例12の組成物と曲
げ特性の比較を行い、その評価結果を表6に示す。比較
例10の組成物の曲げ強度、弾性率は、共に著しく低下
していることがわかる。さらに、曲げ測定用の成形品で
ゲート部付近での剥離(表面の粗面化)が激しかった。
(実施例12のものと比較)
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【発明の効果】本発明の組成物は、点接触往復摺動潤滑
性及び低キシミ音性に於いて優れるため、AV(Audio
Visual)、OA(Office Automation )機器部品に好適
に用いられる。なかでもカムギア、ギア、軸受け、レバ
ー、キーステム、カム、ラチェット、ローラに好適であ
る。特に、VTR(Video Tape Recorder )部品として
使われているカムギア材として好適である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリアセタール樹脂ホモポリマー
    と(B)ポリアセタール樹脂コポリマーおよび(C)シ
    リコーンオイルからなり、(A)、(B)および(C)
    各成分の全重量に対する重量比(%)をそれぞれX、Y
    およびZとしたとき、X、YおよびZが、下記の範囲に
    あることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。 2.0<X<97.9 2.0<Y<83.0 0.1≦Z≦15
  2. 【請求項2】 X、YおよびZが、下記の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリアセタール樹脂組成
    物。 42.5≦X<97.9 2.0<Y<50 0.1≦Z≦15
  3. 【請求項3】 (B)ポリアセタール樹脂コポリマーの
    重量比(Y)が、2.5〜20重量(%)である請求項
    1または2記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)ポリアセタール樹脂コポリマーの
    重量比(Y)が、4〜10重量(%)である請求項1ま
    たは2記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)ポリアセタール樹脂ホモポリマー
    が、メルトインデックス(ASTMD1238−57T
    Eによる)30〜40g/10分である特許請求項1ま
    たは2記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (B)ポリアセタール樹脂コポリマー
    が、メルトインデックス7〜15g/10分である請求
    項1または2記載のポリアセタール樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (C)シリコーンオイルが、ジメチルポ
    リシロキサン、あるいはジメチルシロキサンとメチルフ
    ェニルシロキサンとの共重合物である請求項1または2
    記載のポリアセタール樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (C)シリコーンオイルが、平均重合度
    3,000〜5,000であるジメチルポリシロキサ
    ン、あるいはジメチルシロキサンとメチルフェニルシロ
    キサンとの共重合物である請求項1または2記載のポリ
    アセタール樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 (C)シリコーンオイルが、メチルフェ
    ニルシロキサンユニットを1〜20モル%含有するポリ
    ジメチルシロキサンである請求項1または2記載のポリ
    アセタール樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 (C)シリコーンオイルの配合量(重
    量比)が、3〜5重量%である請求項1または2記載の
    ポリアセタール樹脂組成物。
JP31297093A 1992-12-25 1993-12-14 高摺動性ポリアセタール樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3149151B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31297093A JP3149151B2 (ja) 1992-12-25 1993-12-14 高摺動性ポリアセタール樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-346041 1992-12-25
JP34604192 1992-12-25
JP31297093A JP3149151B2 (ja) 1992-12-25 1993-12-14 高摺動性ポリアセタール樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06240103A true JPH06240103A (ja) 1994-08-30
JP3149151B2 JP3149151B2 (ja) 2001-03-26

Family

ID=26567399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31297093A Expired - Fee Related JP3149151B2 (ja) 1992-12-25 1993-12-14 高摺動性ポリアセタール樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3149151B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7851585B2 (en) * 2007-10-19 2010-12-14 E. I. Du Pont De Nemours And Company Polyacetal compositions with improved tribological properties
US20140186562A1 (en) * 2012-12-27 2014-07-03 Ticona Llc Conductive Polyoxymethylene Based on Stainless Steel Fibers

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7851585B2 (en) * 2007-10-19 2010-12-14 E. I. Du Pont De Nemours And Company Polyacetal compositions with improved tribological properties
US20140186562A1 (en) * 2012-12-27 2014-07-03 Ticona Llc Conductive Polyoxymethylene Based on Stainless Steel Fibers
US10181363B2 (en) * 2012-12-27 2019-01-15 Ticona Llc Conductive polyoxymethylene based on stainless steel fibers

Also Published As

Publication number Publication date
JP3149151B2 (ja) 2001-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101380533B1 (ko) 폴리아세탈 수지 조성물과 그 제조 방법, 및 그 수지 조성물을 성형하여 이루어지는 슬라이딩 부재
EP2201065B1 (en) Polyacetal compositions with improved tribological properties
JP2506768B2 (ja) ポリアセタ―ル樹脂組成物
CA2269776A1 (en) Polyacetal resin composition
JPH0254853B2 (ja)
JP2020502345A (ja) 摩耗を低減するためのポリエーテルケトンケトンをベースとしたポリマー材料の使用
JP2007269936A (ja) 乾性潤滑被膜組成物
US5683818A (en) Method for improving the friction and wear properties of a polyamide and polyproyplene blend
JP3149151B2 (ja) 高摺動性ポリアセタール樹脂組成物
JP3315020B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物およびそれらの成形品
JP3835814B2 (ja) ポリアセタール組成物、及びその耐磨耗性を改善し、摩擦を低減するための方法
JP6445226B1 (ja) ポリアセタール樹脂組成物、成形品およびポリアセタール樹脂組成物の製造方法
JPH05320455A (ja) 摺動部品用樹脂組成物
JP3341790B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP4524550B2 (ja) 摺動部材用樹脂組成物および摺動部材
JPH04234450A (ja) ポリアセタール樹脂組成物および摺動部材
JP3074568B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP3766185B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP2961311B1 (ja) ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物及びその成形体
JP2001131372A (ja) 摺動部品用樹脂組成物
JPH05295230A (ja) 摺動部材用ポリアセタール樹脂成形品
JP6873532B2 (ja) 摺動部材用樹脂組成物および滑り軸受
JPH0532989A (ja) 摺動部材用熱硬化性樹脂組成物
JPH11217504A (ja) 導電性摺動部材組成物
JPH08104803A (ja) 樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20000613

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20001226

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080119

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090119

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090119

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110119

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110119

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees