JPH0623870U - コラムカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組付工数を削減し、衝突事故に際し、膝がコ
ラムカバーに当接した際、ロワーがアッパーに対して押
し上げられ、衝撃を緩和し、人体に損傷を与えないコラ
ムカバーを提供することである。 【構成】 周縁部が係止爪４と係止部５とにより固定さ
れるコラムカバー１の一方の分割体に、複数の雄型中空
ボス３を突設し、他方の分割体の内側より上記雄型中空
ボス３に対応する複数の雌型中空ボス２を突設し、上記
雌型中空ボス２の先端内側に環状係止部２ａを備え、ま
た上記雄型中空ボス３に軸方向のスリット３ａにより分
割された先端部より外方に突出する環状係止爪３ｂを備
え、上記分割体１ａ、１ｂの結合に際し、上記環状係止
爪３ｂを上記環状係止部２ａに係着したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両用ステアリングコラムのカバーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図６は例えば実公昭６０−３１９６２号公報に開示された従来のコラムカバー を示すものである。すなわち、アッパー１ａとロワー１ｂとに２分割され、分割 体周縁部を係止爪４と係止部５とで固定したコラムカバー１であって、ロワー１ ｂに突設した雌型中空ボス２の上部に対し、アッパー１ａの内側に突設した雄型 中空ボス３の下部を当接させ，雌型中空ボス２を挿通するタッピングネジＳによ り下方より固着したものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のコラムカバー１は以上のように構成されていて、車体へ分割体を装着す るに際し、上記の如く下方からタッピングネジＳにより固着するため、多数の組 付工数を必要とし、衝突事故に際し、中空ボス２，３が突張って、膝がロワー１ ｂに当接しても、衝撃が吸収されないから、人体に損傷を与えるという問題があ った。

【０００４】 本考案は、上記の問題に鑑みなされたもので、組付工数を削減し衝突事故に際 し、膝がコラムカバーのロワーに当接した際ロワーがアッパーに対して押し上げ られ、衝撃を緩和し、人体に損傷を与えないコラムカバーを提供することを目的 とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、分割体のアッパーとロワーのいずれか 一方の周縁内側部に係止爪を、他方の周縁内側部に係止部をそれぞれ備えたコラ ムカバーにおいて、一方の分割体の内側より複数の雄型中空ボスを突設し、他方 の分割体の内側より上記雄型中空ボスに対応する複数の雌型中空ボスを突設し、 上記雌型中空ボスの先端内側に環状係止部を備え、また上記雄型中空ボスに、軸 方向のスリットにより分割された先端部より外方に突出する環状係止爪を備え、 上記分割体の結合に際し、上記環状係止爪を上記環状係止部に係着した構成にし てある。

【０００６】

【作用】

本考案におけるコラムカバーは、以上のように構成されていることにより、コ ラムカバーの分割体のアッパーとロワーを合わせる際に、雄型中空ボスの先端部 を、これに対向する雌型中空ボスの先端係止部に押し当て、更に強く押し込むと 、上記雄型中空ボスの先端部の環状係止爪が弾性的に収縮し、上記雌型中空ボス の環状係止部を越えて拡張し係着するに至る。このときコラムカバーの分割体の 係止爪と係止部とは係着し、コラムカバーの締結が完了する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図について説明する。図１は全体の斜視図、図２は Ａ−Ａ線断面図、図３は衝突に際し外力が加わったときの状態図、図４は要部の 斜視図である。

【０００８】 図において、１はコラムカバーで、上側の分割体であるアッパー１ａと下側の 分割体であるロワー１ｂとに２分割されている。２はロワー１ｂから内側に突設 された２本の雌型中空ボスであり、その先端内側に環状係止部２ａが備えられて いる。３はアッパー１ａから上記雌型中空ボス２に対応して突設された雄型中空 ボスであり、その軸方向のスリット３ａにより分割された先端部外方に環状係止 爪３ｂが形成されている。上記ロワー１ｂの外周縁部内側には係止爪４が立設さ れ、上記アッパー１ａの外周縁部内側には上記係止爪４を案内する一対のガイド リブ６が立設され、このガイドリブ６と６の間には係止部５が突設されている。

【０００９】 上記のような構成であるので、組立てる際には、アッパー１ａとロワー１ｂと を合わせ、雄型中空ボス３の先端部に雌型中空ボス２の環状係止部２ａを当接さ せ、同時にロワー１ｂの周縁部の係止爪４をアッパー１ａの周縁部のガイドリブ ６と６の間に誘導し、アッパー１ａとロワー１ｂとを更に接近させると、上記雄 型中空ボス３の先端部の環状係止爪３ｂが弾性的に収縮し、上記雌型中空ボス２ の先端に備えた環状係止部２ａを乗り越え、拡張することによって係着状態とな る。このとき上記ロワー１ｂの周縁部の係止爪４はアッパー１ａの係止部５を乗 り越え、係着状態となる。このように環状係止爪３ｂと環状係止部２ａとの係着 、および係止爪４と係止部５との係着によりアッパー１ａとロワー１ｂとの結合 関係は強化される。

【００１０】 車両の運行中万一衝突事故が発生し、二次衝突として膝がコラムカバー１のロ ワー１ｂに当接したときは図３に示すようにロワー１ｂは押し上げられ、雌型中 空ボス２が雄型中空ボス３に対し移動し、弾性がかなり吸収される。このときコ ラムカバー１の周縁部は外方に膨れるが、係着状態は継続され破片等の飛散は抑 制される。

【００１１】 図５は環状係止爪３ｂの上方にスットパー３ｃを設けたもので、衝突以外の軽 度の外力が付加されたときにコラムカバー１の圧縮変形を抑制することができる が、二次衝突により膝が当接し、ロワー１ｂを押し上げると環状係止部２ａは上 記スットパー３ｃを乗り越えて上方に移動する。

【００１２】 上記説明では、ロワー１ｂ側に雌型中空ボス２を、アッパー１ａ側に雄型中空 ボス３をそれぞれ備えたが、ロワー１ｂ側に雄型中空ボス３を、アッパー１ａ側 に雌型中空ボス２を備えても同様の効果が期待できる。これは、本考案ではコラ ムカバー１の組付けに際し、タッピングネジが一切不必要なためである。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば、周縁部が係止爪と係止部とにより固定される コラムカバーの一方の分割体に、複数の雄型中空ボスを突設し、他方の分割体の 内側より上記雄型中空ボスに対応する複数の雌型中空ボスを突設し、上記雌型中 空ボスの先端内側に環状係止部を備え、また、上記雄型中空ボスに、軸方向のス リットにより分割された先端部より外方に突出する環状係止爪を備え、上記分割 体の結合に際し、上記環状係止爪を上記環状係止部に係着したことにより、タッ ピングネジ等を用いることなくワンタッチで組付けられるから、狭い車内におけ る組付作業性がよくなり、組付工数を大巾に削減できる。また二次衝突に際し、 膝がコラムカバーのロワーに当接し、上方への外力がはたらいたとしても雄型中 空ボスと雌型中空ボスが相対的に摺動することによりアッパーに対するロワーの 上昇動作を許容するので、衝撃が吸収され、人体に対する損傷が最小限に抑制さ れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のコラムカバーの一実施例による全体の
斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】衝突に際し、コラムカバーに外力が加わったと
きの状態を示す説明図である。

【図４】要部の斜視図である。

【図５】本考案の他の実施例を示す要部の断面図であ
る。

【図６】従来技術によるコラムカバーの断面図である。

【符号の説明】

１ コラムカバー １ａ アッパー（上側の分割体） １ｂ ロワー（下側の分割体） ２ 雌型中空ボス ２ａ 環状係止部 ３ 雄型中空ボス ３ａ スリット ３ｂ 環状係止部 ４ 係止爪 ５ 係止部 ６ ガイドリブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 分割体のアッパーとロワーのいずれか一
   方の周縁内側部に係止爪を、他方の周縁内側部に係止部
   をそれぞれ備えたコラムカバーにおいて、一方の分割体
   の内側より複数の雄型中空ボスを突設し、他方の分割体
   の内側より上記雄型中空ボスに対応する複数の雌型中空
   ボスを突設し、上記雌型中空ボスの先端内側に環状係止
   部を備え、また上記雄型中空ボスに、軸方向のスリット
   により分割された先端部より外方に突出する環状係止爪
   を備え、上記分割体の結合に際し、上記環状係止爪を上
   記環状係止部に係着したことを特徴とするコラムカバ
   ー。