JPH062369U - ホログラフィックオーナメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】所望の図形、模様などを自在に、しかも周辺部
分をシャープに、かつ明るく表示することができるホロ
グラフィックオーナメントを提供することを目的とす
る。 【構成】本考案のホログラフィックオーナメントは照明
光を反射するホログラムの一部をマスキングするか、あ
るいはホログラム自体を切り抜いて、文字、図形、模様
等のデザインを表示させるようにしたことを特徴とする
もので、ホログラムは照明光を拡散反射するものが好ま
しい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用の窓ガラスあるいは車体、建築用窓ガラス、建築用壁、間 仕切り、家具、玩具などに、平面的な文字、図形などのデザインを表示する装飾 用ホログラムに関する。

【０００２】

【従来技術とその問題点】

ホログラムを利用したディスプレイは表示しようとする立体像、平面像などが 具体的に記録されるものであるが、図形、模様などが固定され、記録される像以 外の表示を行うことができない。また、周辺部分が表示部分か非表示部分か不明 確となり、ぼんやりとした感じになるのが避けられないものであった。

【０００３】 本考案はこのような点に鑑みてなされたものであり、所望の図形、模様などを 自在に、しかも周辺部分をシャープに表示することができるホログラフィックオ ーナメントを提供することを目的とする。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】

本考案のホログラフィックオーナメントは照明光を反射するホログラムの一部 をマスキングするか、あるいはホログラム自体を切り抜いて、文字、図形、模様 等のデザインを表示させるようにしたことを特徴とするもので、ホログラムは照 明光を拡散反射するものが好ましい。

【０００５】

【作用】

本考案のホログラフィックオーナメントは反射型ホログラムをマスキングする か、あるいは切り抜いて表示させるものであるから、所望の文字、図形、模様な どのデザインを容易に形成することができ、周辺部分がマスキングされているか ら、シャ−プに視認することができる。

【０００６】 また、反射型ホログラムに白色光などの各種の光源を照射することにより、光 源側から、あたかも光源がホログラム表面にあるように明るく、鮮明に表示する ことができる。特にホログラムを拡散反射するようにすると、光源側の広範囲か ら文字などをあたかも表示部分全体が発光しているように、明るく視認すること ができる。

【０００７】 この場合にホログラムの保護膜を不透明にすると、ホログラム部分を通して透 過する光がなく、効率よく表示することができるし、保護膜を透明にするとホロ グラムを通して向こうを透視することもでき、特異な表示を行うことができる。

【０００８】

【実施例】

以下、図面を参照しながら、本考案を詳細に説明する。 図１〜図３はそれぞれ本考案の実施例１におけるホログラフィックオーナメン トの要部側面図、要部平面図、露光時の光学系を示す図、図４と図５は実施例２ のホログラフィックオーナメントを示す要部側面図と要部平面図、図６は実施例 ３におけるホログラフィックオーナメントを示す要部側面図である。

【０００９】 実施例１ 照明光を拡散反射するホログラムの一部をマスキングして板ガラスに装着した オ−ナメントについて例示する。 （反射型ホログラムの作製） ガラス基板上に、例えば重クロム酸ゼラチンを感材として塗布した乾板１１を 図３に示すように各光学機器とともにセッティングした後、例えばアルゴンレー ザー発振器１２から５１４．５ｎｍの波長の光を発振すると、反射鏡１３、顕微 鏡対物レンズ１４、ピンホール１５、凹面鏡１６を介して平行光として乾板１１ に入射され、一部乾板を透過して、表面に銀ペイント１７が塗布されたすりガラ スなどの拡散板１８で拡散反射された光と入射光によって干渉縞が形成される。 その後通常の現像処理をしてホログラムが作製される。 （オーナメント作製） 前述の方法で得られたホログラム１を、図１、図２に示すように、ホログラム １と保護テープ５を接着して周辺部分をトリミングした保護テープ付きホログラ ム１を、黒色などの不透明なマスキングテープ２と透明両面接着テープ３を接着 した状態で、文字、図形などを切り抜いたものにより基板４に接着し、ホログラ フィックオーナメント６を得る。 （再生） このようにして得られたホログラフィックオーナメント６に、図１に示すよう に白色光源、ハロゲンランプなどの再生用光源７から光を照射すると、ホログラ ム１によって光源側に回折されるが、このホログラムは拡散反射するので、光源 側の広い範囲の観察者８からあたかも、光源がホログラム表面にあるように明る く、しかも周辺がシャープに緑色の文字を、図２に示すように視認することがで きた。

【００１０】 実施例２ 照明光を拡散反射するホログラムを切り抜いて板ガラスに装着したオ−ナメン トについて例示する。

【００１１】 実施例１と同じ方法で露光されたホログラム１に保護テープ５を接着したもの を、図４、図５に示すように文字など所望の形状に切り抜いて、透明両面テープ ３により板ガラスなどの基板４に接着してホログラフィックオーナメント６を得 る。

【００１２】 このようにして得られたオーナメント６に、図４に示すように白色光源などの 再生光源７から光を照射すると実施例１と同様に光源側の広い範囲の観察者８か らあたかも、光源がホログラム表面にあるように明るく、しかも周辺がシャープ に緑色の文字を、図５に示すように視認することができた。

【００１３】 実施例３ 照明光を拡散反射するホログラムの一部をマスキングして作製したオ−ナメン トを車両用の窓ガラスなどに用いられる合わせガラスに装着した場合いついて例 示する。

【００１４】 車外側板ガラスとなる基板４’の黒枠と呼ばれる装飾用の幅広の不透明膜９枠 がセラミックペーストをスクリーン印刷により形成されているが、その不透明膜 に対応する位置の車内側板ガラスとなる基板４には、文字、図形などの形状に相 当する部分をブランクにしてセラミックペーストをスクリーン印刷し、車内側の 板ガラスとともに、曲げ加熱するときに同時に焼成して、文字、図形などの部分 には膜がないマスキング部材２を形成する。

【００１５】 次に基板４に実施例１と同様の方法で得られたホログラム１を仮接着した状態 で、２枚の基板４、４’の間にポリビニールブチラールなどの中間膜１０を介挿 し、オートクレーブにより通常の合わせ処理をして図６に示すようなホログラフ ィックオーナメントを得る。

【００１６】 このようにして得られたオーナメント６に図６に示すように太陽などの再生光 源７から光を照射すると実施例１と同様に光源側の広い範囲の観察者８からあた かも光源がホログラム表面にあるように明るく、しかも周辺がシャープに緑色の 文字を視認することができた。

【００１７】 以上、好適な実施例により説明したが、本考案はこれらに限定されるものでは なく、種々の応用が可能である。 ホログラムについて、再生波長は露光時の光源等を変えるこにより緑色以外に も赤色、黄色、青、橙など各種の色を再生でき、多重露光をすればさらに多くの 色で再生することができ、異なる複数色を組み合わせて再生することも可能であ る。また、露光方法については、実施例において説明したデニシュクホログラム を得る方法は露光が簡単であり、優れた方法であるが、その他にも実施例１の銀 ペイントを有しない拡散板に、乾板とは反対側からレーザー光を照射して露光す るシャドウホログラムを露光する方法あるいはイメージホログラムを露光する方 法において物体を拡散板に代えて露光する方法なども採用することができる。さ らに、拡散しない反射型ホログラムを使うこともでき、この場合には再生用光源 そのものを表示するオーナメントとなる。また、感光材については、重クロム酸 ゼラチン以外にも、ハロゲン化銀感光材、各種のフォトポリマー、フォトレジス トなど適宜選択して用いればよい。

【００１８】 基板については、各実施例のように、光源側に基板を配置する場合には、透明 な板ガラスあるいはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの透明樹脂を使用 する必要があるが、例えば実施例１において、基板の光源側表面に、透明両面接 着テープ、ホログラム、マスキング部材、透明保護テープの順に積層したオーナ メントのように光源と反対側に基板を、光源側にホログラムを配置してもよく、 この場合には基板は透明板は勿論不透明な金属、セメント、木材、布、セラミッ クス紙など各種の材料を採用することができ乗り物や建築用の窓以外にも、壁、 天井、床、間仕切り、家具、玩具、道路標識、衣類などにも応用することができ る。

【００１９】 露光時に使用する拡散板については、すりガラス以外にも、梨地模様、編み目 模様など、表示する文字などより小さな模様を有する拡散板を使用すると微細な 模様で形成される文字、図形などを表示することができる。

【００２０】 再生時の光源については、白色光源、太陽以外にも、レーザー光源、蛍光灯、 蛍光表示管、ＣＲＴなど各種の光源を採用することができる。

【００２１】

【考案の効果】

本考案のホログラフィックオーナメントは所望の文字、図形、模様などのデザ インを周辺部分がマスキングされているから、シャ−プに視認することができる とともに、反射型ホログラムに白色光などの各種の光源を照射することにより、 光源側から、あたかも光源がホログラム表面にあるように明るく、鮮明に表示す ることができる。特にホログラムを拡散反射するようにすると、光源側の広範囲 から文字などをあたかも裏表示部分全体が発光しているように明るく視認するこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例１におけるホログラフィックオ
ーナメントを示す要部側面図である。

【図２】実施例１におけるホログラフィックオーナメン
トを示す要部平面図である。

【図３】実施例１におけるホログラム露光時の光学系を
示す図である。

【図４】本考案の実施例２におけるホログラフィックオ
ーナメントを示す要部側面図である。

【図５】実施例２におけるホログラフィックオーナメン
トを示す要部平面図である。

【図６】実施例３におけるホログラフィックオーナメン
トを示す要部側面図である。

【符号の説明】

１ ホログラム ２ マスキング部材 ３ 透明両面接着テープ ４、４’基板 ５ 保護テープ ６ ホログラフィックオーナメント ７ 再生用光源 ８ 観察者

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】照明光を反射するホログラムの一部をマス
   キングするか、あるいはホログラム自体を切り抜いて、
   文字、図形、模様等のデザインを表示させるようにした
   ことを特徴とするホログラフィックオーナメント。
2. 【請求項２】ホログラムは照明光を拡散反射するように
   したことを特徴とする請求項１記載のホログラフィック
   オーナメント。