JPH06236978A - 固体撮像装置およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学フィルターの接着強度を向上させ、光学
フィルターと固体撮像素子との間の位置ずれを解消し、
接着剤が固体撮像素子の画素部又はボンディングパット
部に流れ込まないようにする。 【構成】 パッケージ１の中央には収納凹部１が形成さ
れ、該収納凹部１ａの対向する側壁には切欠段部１ｂが
形成されている。パッケージ１の収納凹部１ａの底面に
は固体撮像素子５が設置されており、固体撮像素子５と
リードフレーム２とは金属ワイヤー４によって接続され
ている。パッケージ１の切欠段部１ｂの上面には光学フ
ィルター６が載置されており、該光学フィルター６は切
欠段部１ｂの上面に接着剤９によって固着されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、固体撮像装置及びその
製造方法に関し、特に、中央に収納凹部を有するパッケ
ージと、上記収納凹部の底面に設置された固体撮像素子
と、該固体撮像素子と所定距離をおいて設けられ該固体
撮像素子の有効エリアを覆う光学フィルターとを備えた
固体撮像装置及びその製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】固体撮像素子によって発生する偽信号を
除去し画質を安定させるために、固体撮像装置を使用し
たビデオカメラ等においては、通常、その光路系に光学
フィルターが用いられている。以前のビデオカメラ等に
おいては、一般的に水晶を用いた光学式ローパスフィル
ターが用いられ、この光学式ローパスフィルターは固体
撮像装置の外部、すなわち固体撮像装置とカメラレンズ
との中間部に設置されていた。

【０００３】ところが、近年、ビデオカメラの小型軽量
化に伴い、光学フィルターを固体撮像装置の内部に装着
してなる固体撮像装置が提案されている。この固体撮像
装置は、概略次のようにして製造される。すなわち、同
一粒径を有する無機質球体が混入された熱硬化型接着剤
を固体撮像素子の周縁部に塗布した後、上記熱硬化型接
着剤の上に固体撮像素子の有効エリアを覆う光学フィル
ターを装着し、その後、上記熱硬化型接着剤を加熱して
硬化する方法である。

【０００４】以下、従来の固体撮像装置及び固体撮像装
置を含む光路系について説明する。図６は従来の固体撮
像装置の断面図であって、同図において、１はセラミッ
ク製のパッケージ、２はリードフレーム、３は接着剤付
き封止ガラス、４は金属ワイヤー、５は固体撮像素子、
６は光学フィルター、７は同一粒径を有する無機質球体
が混入された熱硬化型接着剤、８は光学レンズである。

【０００５】以下、上記の固体撮像装置の製造方法につ
いて説明する。

【０００６】まず、固体撮像素子５の上の周縁部に、同
一粒径を有する無機質球体が混入された熱硬化型接着剤
７を固体撮像素子５の有効エリア及びダイパット部に流
出しないように塗布した後、熱硬化型接着剤７の上に固
体撮像素子の有効エリアを覆う光学フィルター６を設置
する。次に、熱硬化型接着剤７を加熱して硬化させるこ
とによって光学フィルター６を固定する。

【０００７】被写体からの光は光学レンズ８によって収
束し、固体撮像素子５の上に結像する。このとき、被写
体からの光は、固体撮像装置の内部に設けられた光学フ
ィルター６によって光学的特性が補正される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
構成では、固体撮像素子５及び光学フィルター６は熱硬
化型接着剤７の無機質球体によって支えられている構造
となり、無機質球体と固体撮像素子５との接触面積及び
無機質球体と光学フィルター６との接触面積は共に小さ
いため、光学フィルターの接着強度が低下するという問
題がある。

【０００９】また、位置制御の点においては、光学フィ
ルター６は無機質球体によって支えられているため動き
やすく、位置制御後に行われる加熱硬化の操作時に光学
フィルター６が制御された位置からずれるという問題も
ある。光学フィルター６に印刷されている位相格子パタ
ーンは固体撮像素子の有効エリア内の画素パターンと対
応しているため、光学フィルター６の位相格子パターン
と固体撮像素子５の画素パターンとが位置ずれを起こし
た場合、光学フィルター６の光学特性が著しく低下する
可能性がある。

【００１０】さらに、無機質球体が混入された接着剤は
液体のため、固体撮像素子５の周縁部に接着剤を塗布す
る際に接着剤が固体撮像素子５の画素部又はボンディン
グパット部に流れ込むという問題もある。接着剤の画素
部又はボンディングパット部への流れ込みを防ぐために
は、混入する無機質球体に対する接着剤の割合を少なく
することが必要であるが、このようにすると、接着剤の
不足によって接着強度が低下するという虞れがある。

【００１１】本発明は、上記従来の問題点を一挙に解決
するものであって、光学フィルターの接着強度を向上さ
せ、光学フィルターと固体撮像素子との間の位置ずれを
解消し、接着剤が固体撮像素子の画素部又はボンディン
グパット部に流れ込まないようにすることを目的とす
る。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項１の発明に係る固体撮像装置は、パッケージ
の収納凹部の側壁に段部を設け、該段部の上面に光学フ
ィルターを接着するものである。

【００１３】具体的に請求項１の発明が講じた解決手段
は、中央に収納凹部を有するパッケージと、上記収納凹
部の底面に設置された固体撮像素子と、該固体撮像素子
と所定距離をおいて設けられ該固体撮像素子の有効エリ
アを覆う光学フィルターとを備えた固体撮像装置を前提
とし、上記収納凹部の側壁には上面において上記光学フ
ィルターを載置支持する段部が形成されており、上記光
学フィルターは上記段部の上面に載置された状態で該段
部の上面に接着剤によって固着されている構成とするも
のである。

【００１４】請求項２の発明は、光学フィルターと固体
撮像素子との位置ずれをいっそう低減するため、請求項
１の構成に、上記固体撮像素子に位置決めの基準となる
基準パターンが形成されていると共に、上記光学フィル
ターにおける上記固体撮像素子の基準パターンと対応す
る部位に位置制御用の調整パターンが形成されており、
上記光学フィルターは上記パッケージの段部の上面に、
上記光学フィルターの調整パターンと上記固体撮像素子
の基準パターンとが互いに対向した状態で固着されてい
るという構成を付加するものである。

【００１５】請求項３の発明は、請求項２の発明に係る
固体撮像装置を製造する方法であって、具体的には、中
央に収納凹部を有するパッケージと、上記収納凹部の底
面に設置される固体撮像素子と、該固体撮像素子と所定
距離をおいて設けられ該固体撮像素子の有効エリアを覆
う光学フィルターとを備えた固体撮像装置の製造方法を
対象とし、上記収納凹部の側壁に上面において上記光学
フィルターを載置支持する段部を形成すると共に、固体
撮像素子に位置決めの基準となる基準パターンを、上記
光学フィルターにおける上記固体撮像素子の基準パター
ンと対応する部位に位置制御用の調整パターンをそれぞ
れ形成する工程と、上記収納凹部の底面の所定位置に上
記固体撮像素子を設置する工程と、上記光学フィルター
を上記パッケージの段部の上面に、上記光学フィルター
の調整パターンと上記固体撮像素子の基準パターンとが
互いに対向した状態で載置する工程と、上記光学フィル
ターを上記パッケージの段部の上面に接着剤によって固
着する工程とを含む構成とするものである。

【００１６】

【作用】請求項１の構成により、光学フィルターはパッ
ケージの段部の上面に接着剤により固着されているた
め、光学フィルターとパッケージとの間の接着面積が確
保できるので、光学フィルターの接着強度が向上する。

【００１７】光学フィルターはパッケージの段部の上面
に載置された状態で固着されているため、光学フィルタ
ーは動き難いので、位置制御後に接着剤を硬化させる際
に光学フィルターが制御された位置からずれるという虞
れがない。

【００１８】光学フィルターはパッケージの段部の上面
に接着剤により固着されているため、接着剤を固体撮像
素子の周縁部に塗布する必要がないので、接着剤が固体
撮像素子の画素部又はボンディングパッド部に流れ込む
虞れがない。

【００１９】請求項２の構成により、光学フィルターは
パッケージの段部の上面に、光学フィルターの調整パタ
ーンと固体撮像素子の基準パターンとが互いに対向した
状態で固着されているため、光学フィルターと固体撮像
素子との間の位置決め精度はいっそう向上している。

【００２０】請求項３の構成により、光学フィルターを
パッケージの段部の上面に光学フィルターの調整パター
ンと固体撮像素子の基準パターンとが互いに対向した状
態で載置する工程と、光学フィルターをパッケージの段
部の上面に接着剤によって固着する工程とを含むため、
光学フィルターはパッケージの段部の上面に載置された
状態で該段部の上面に接着剤によって固着される。

【００２１】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。

【００２２】図１は本発明の一実施例に係る固体撮像装
置の斜視図、図２は図１におけるII−II線の断面図、図
３は図１におけるIII −III 線の断面図である。図１〜
図３において、１はセラミック製の平面視方形状のパッ
ケージであって、該パッケージ１の中央には直方体状の
収納凹部１ａが形成され、収納凹部１ａの対向する壁面
にはそれぞれ切欠段部１ｂが形成されている。また、同
図において、２はパッケージ１の外壁面に設けられたリ
ードフレーム、３はパッケージ１の上面に固定された接
着剤付き封止ガラス、４は金属ワイヤー、５はパッケー
ジ１の収納凹部１ａの底面に設置された固体撮像素子、
６は両端がパッケージ１の切欠段部１ｂにそれぞれ載置
された光学フィルター、９は光学フィルター６をパッケ
ージ１の切欠段部１ｂの上面に固着する接着剤である。

【００２３】以下、上記の固体撮像装置の製造方法につ
いて説明する。

【００２４】まず、セラミック製のパッケージ１の形成
工程において、パッケージ１の収納凹部１ａの側壁に、
上面において光学フィルター６を載置支持する切欠段部
１ｂを形成しておく。具体的には、収納凹部１ａの底面
に設置される固体撮像素子５の上面から切欠段部１ｂの
上面までの距離が、固体撮像素子５と光学フィルター６
とのギャップ長になるような収納凹部１ａおよび切欠段
部１ｂを有するパッケージ１をセラミックにより成形す
る。

【００２５】次に、固体撮像素子５の両側部に図４
（ａ）に示す形状の基準パターン１０を形成しておくと
共に、光学フィルター６の両側部における固体撮像素子
５の基準パターン１０と対応する部位に図４（ｂ）に示
す形状の調整パターン１１を形成しておく。

【００２６】次に、パッケージ１の収納凹部１ａの底面
における所定位置に固体撮像素子５をダイボンディング
した後、金属ワイヤー４によって固体撮像素子５とリー
ドフレーム２とを接続する。

【００２７】次に、パッケージ１の切欠段部１ｂの上面
に接着剤９を塗布した後、該切欠段部１ｂの上面に光学
フィルター６を載置する。この場合、光学フィルター６
の調整パターン１１と固体撮像素子５の基準パターン１
１とが、図５に示すように、互いに対向した状態で一致
するように光学フィルター６と固体撮像素子５との位置
合わせをする。

【００２８】次に、接着剤９を硬化させて、光学フィル
ター６をパッケージ１の収納凹部１ａの切欠段部１ｂの
上面に固着する。

【００２９】尚、パッケージ１の切欠段部１ｂの上面に
接着剤９を塗布した後、該切欠段部１ｂの上面に光学フ
ィルター６を載置する代わりに、光学フィルター６に予
め接着剤を印刷塗布しておき、光学フィルター６をパッ
ケージ１の切欠段部１ｂの上面に設置した後に、加圧し
ながら加熱又は紫外線の照射を行なうことにより、光学
フィルター６をパッケージ１の切欠段部１ｂの上面に固
着してもよい。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明に
係る固体撮像装置によると、光学フィルターはパッケー
ジの段部の上面に載置された状態で該段部の上面に接着
剤によって固着されているため、光学フィルターとパッ
ケージとの間の接着面積が確保できるので光学フィルタ
ーの接着強度が向上し、光学フィルターは動き難いので
位置制御後に光学フィルターが位置ずれを起こす虞れが
なく、接着剤を固体撮像素子の周縁部に塗布する必要が
ないので接着剤が固体撮像素子の画素部又はボンディン
グパッド部に流れ込む虞れがない。

【００３１】このため、請求項１の発明によると、高い
取り付け位置精度によって光学フィルターを実装するこ
とができる優れた固体撮像装置を実現できる。

【００３２】また、請求項２の発明に係る固体撮像装置
によると、光学フィルターはパッケージの段部に光学フ
ィルターの調整パターンと固体撮像素子の基準パターン
とが互いに対向した状態で固着されているため、光学フ
ィルターと固体撮像素子との間の位置決め精度はいっそ
う向上している。

【００３３】さらに、請求項３の発明に係る固体撮像装
置の製造方法によると、光学フィルターをパッケージの
段部の上面に光学フィルターの調整パターンと固体撮像
素子の基準パターンとが互いに対向した状態で載置する
工程と、光学フィルターをパッケージの段部の上面に接
着剤によって固着する工程とを有するため、光学フィル
ターはパッケージの段部の上面に載置された状態で該段
部の上面に接着剤によって固着されるので、請求項１の
発明に係る固体撮像装置を簡易且つ確実に製造すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る固体撮像装置の斜視図
である。

【図２】上記一実施例に係る固体撮像装置を示し、図１
におけるII−II線の断面図である。

【図３】上記一実施例に係る固体撮像装置を示し、図１
におけるIII −III 線の断面図である。

【図４】本発明の一実施例に係る固体撮像装置に用いら
れる基準パターン及び調整パターンの形状を示す図であ
る。

【図５】上記基準パターンと調整パターンとが対向した
状態を示す図である。

【図６】従来の固体撮像装置の断面構造及び光路を示す
図である。

【符号の説明】

１ パッケージ １ａ 収納凹部 １ｂ 切欠段部（段部） ２ リードフレーム ３ 接着剤付き封止ガラス ４ 金属ワイヤー ５ 固体撮像素子 ６ 光学フィルター ７ 無機質球体が混入された熱硬化型接着剤 ８ 光学レンズ ９ 接着剤 １０ 固体撮像素子の基準パターン １１ 光学フィルターの調整パターン

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央に収納凹部を有するパッケージと、
   上記収納凹部の底面に設置された固体撮像素子と、該固
   体撮像素子と所定距離をおいて設けられ該固体撮像素子
   の有効エリアを覆う光学フィルターとを備えた固体撮像
   装置において、上記収納凹部の側壁には上面において上
   記光学フィルターを載置支持する段部が形成されてお
   り、上記光学フィルターは上記段部の上面に載置された
   状態で該段部の上面に接着剤によって固着されているこ
   とを特徴とする固体撮像装置。
2. 【請求項２】 上記固体撮像素子に位置決めの基準とな
   る基準パターンが形成されていると共に、上記光学フィ
   ルターにおける上記固体撮像素子の基準パターンと対応
   する部位に位置制御用の調整パターンが形成されてお
   り、上記光学フィルターは上記パッケージの段部の上面
   に、上記光学フィルターの調整パターンと上記固体撮像
   素子の基準パターンとが互いに対向した状態で固着され
   ていることを特徴とする請求項１に記載の固体撮像装
   置。
3. 【請求項３】 中央に収納凹部を有するパッケージと、
   上記収納凹部の底面に設置される固体撮像素子と、該固
   体撮像素子と所定距離をおいて設けられ該固体撮像素子
   の有効エリアを覆う光学フィルターとを備えた固体撮像
   装置の製造方法であって、 上記収納凹部の側壁に上面において上記光学フィルター
   を載置支持する段部を形成すると共に、固体撮像素子に
   位置決めの基準となる基準パターンを、上記光学フィル
   ターにおける上記固体撮像素子の基準パターンと対応す
   る部位に位置制御用の調整パターンをそれぞれ形成する
   工程と、 上記収納凹部の底面の所定位置に上記固体撮像素子を設
   置する工程と、 上記光学フィルターを上記パッケージの段部の上面に、
   上記光学フィルターの調整パターンと上記固体撮像素子
   の基準パターンとが互いに対向した状態で載置する工程
   と、 上記光学フィルターを上記パッケージの段部の上面に接
   着剤によって固着する工程とを含むことを特徴とする固
   体撮像装置の製造方法。