JPH06235157A - 自動フックドラグ織機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 断線等のトラブルのないフックドラグ機を提
供する。 【構成】 フック機(８)を基枠に張設された基布の上方
に配置した自動フックドラグ織機において、フック機
(８)を固定している作業台(７)にフック機旋回駆動用モ
ータ(12)とフツク機作動用モータ(19)とをそれぞれ１台
づつ配置する。フツク機(８)と旋回駆動用モータ(12)と
の間に中間回転伝動軸(13)を配置し、中間回転伝動軸(1
3)とフック機(８)とを昇降移動可能な状態で連動連結す
る。中間回転伝動軸(13)とフック機旋回駆動モータ(12)
とを連動連結する。フツク機(８)の入力軸(21)とフツク
機作動用モータ(19)とを連動連結する。フック機(８)の
入力軸芯の延長線上に糸道パイプ(25)を回転可能に配置
し、糸道パイプ(25)と中間回転伝動軸(13)とをベルト伝
動機構(28)で連動連結する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、基枠に張設した基布の
上側を作業台上に針を中心としてフック機でカーペット
を形成する自動フックドラグ織機に関する。

【０００２】

【従来技術】従来、水平に張設した基布の上方に、複数
のフック機を移動自在に配置し、この複数のフック機を
同期作動させることにより、一枚の大きな基布に複数の
同じ模様を織り込んで、一枚の大きな基布で小寸法のカ
ーペットを同時に複数形成する自動織機が提案されてい
る(特開平４−５７９５６号公報)。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この従来の自動フック
ドラグ織機は、作業台に適当間隔へだてて配置した複数
のフック機を１台のフック機旋回駆動用モータで駆動す
るようにしていたが、それぞれのフック機作動用モータ
は個々のフック機にそれぞれ固定してあった。このた
め、フック機の数だけフック機作動用モータを必要とし
製作コストが高くなるうえ、旋回作動及び昇降移動する
フック機としての重量が重くなり、支持構造も強固に作
らなければならず、より製品コストが高くなるという問
題があった。

【０００４】さらに、各フック機作動用モータには電力
線や制御線が接続されているが、フック機自体が旋回す
るものであることから、フック機での作業に伴い電力線
や制御線がねじれ、これら電力線や制御線が断線する虞
れがあった。本発明はこのような点に着目してなされた
もので、断線等のトラブルのないフックドラグ織機を安
価に提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明は、作業台にフック機旋回駆動用モータとフ
ツク機作動用モータとをそれぞれ１台づつ配置し、フツ
ク機と旋回駆動用モータとの間にそれぞれ中間回転伝動
軸を配置し、中間回転伝動軸に固定した旋回駆動歯車と
フック機に固定した従動歯車とを昇降移動可能に噛み合
わせ、中間回転伝動軸の入力部とフック機旋回駆動モー
タの出力部とをベルト伝動機構で連動連結し、フツク機
の入力軸に摺動式旋回伝動機構を介して固定した入力プ
ーリとフツク機作動用モータの出力部とをベルト伝動機
構を介して連動連結し、フック機の針に供給する植設糸
をガイドする糸道パイプをフック機の入力軸芯の延長線
上に配置し、この糸道パイプと中間伝動軸の先端部に固
定した出力プーリとをベルト伝動機構で連動連結したこ
とを特徴としている。

【０００６】

【作用】本発明では、作業台にフック機旋回駆動用モー
タとフツク機作動用モータとをそれぞれ１台づつ配置
し、フツク機と旋回駆動用モータとの間に中間回転伝動
軸を配置し、中間回転伝動軸に固定した旋回駆動歯車と
各フック機に固定した従動歯車とを昇降移動可能に噛み
合わせ、中間回転伝動軸の入力部とフック機旋回駆動モ
ータの出力部とをベルト伝動機構で連動連結し、フツク
機の入力軸に摺動式旋回伝動機構を介して固定した入力
プーリとフツク機作動用モータの出力部とをベルト伝動
機構を介して連動連結し、フック機の針に供給する植設
糸をガイドする糸道パイプをフック機の入力軸芯の延長
線上に配置し、この糸道パイプと中間伝動軸の先端部に
固定した出力プーリとをベルト伝動機構で連動連結して
いるので、両モータはそれぞれ作業台に固定されている
から、各モータへの電力線や制御線がフック機の作動に
ともなってねじれることがなくなり、断線等のトラブル
を抑制できる。また、糸道パイプが中間回転伝動軸と同
期して回動するから、フック機と糸道パイプとの相対姿
勢を一定に保持することができるようになり、植設糸が
フック機やフック機への動力伝達系に絡み付くこともな
い。さらに、多頭型フック機の場合であっても、フック
機旋回モータもフック機作動用モータも配置したフック
機の数にかかわらずそれぞれ１台づつでよく、部品点数
が減少して安価に実施できることになる。

【０００７】

【実施例】図面は本発明の実施例を示し、図１は動力伝
達系の概略斜視図、図２は多頭型自動フックドラグ織機
の要部取出正面図、図３は平面図である。この自動フッ
ク織機は、長方形に枠組みした基台(１)に基布(２)を張
設する枠体(３)を長手方向(Ｘ軸方向)の軸芯回りに旋回
揺動可能な状態で支持し、基台(１)の前後側枠(４)(５)
間に架設した台枠(６)をＸ軸方向に移動可能に搭載し、
この台枠(６)に作業台(７)を基台(１)の短辺方向(Ｙ軸
方向)に移動可能な状態に搭載し、作業台(７)に二基の
フック機(８)をＹ軸方向に並ぶ状態に搭載することによ
り構成してある。

【０００８】台枠(６)の駆動機構は、基台(１)に配置し
たサーボモータ(図示略)とＸ軸に沿う状態で基台(１)に
配置したボールネジとで構成してあり、作業台(７)の駆
動機構は、台枠(６)に配置したサーボモータ(図示略)と
Ｙ軸に沿う状態で台枠(６)に配置したボールネジとで構
成してある。

【０００９】作業台(７)に搭載した二基のフック機(８)
はそれぞれ入力歯車(10)に固定することにより、その先
端に固定した針(11)を中心として旋回可能に構成してあ
る。また、各フック機(８)を旋回駆動する旋回駆動モー
タ(12)はサーボモータで構成してあり、この旋回駆動モ
ータ(12)は両フック機(８)(８)同士間で作業台(７)に固
定してある。また、各フック機(８)と旋回駆動モータ(1
2)との間に中間回転伝動軸(13)が回転自在な状態で作業
台(７)に固定してある。

【００１０】そして、フック機(８)への旋回動力伝達機
構(14)は、旋回駆動モータ(12)の出力軸に上下に固定し
た各出力プーリ(15)と、中間回転伝動軸(13)に固定した
駆動歯車(16)と、中間回転伝動軸(13)に固定した従動プ
ーリ(17)、及び出力プーリ(15)と従動プーリ(17)間にそ
れぞれ架け渡したタイミングベルト(18)とで構成してあ
り、駆動歯車(16)に前記入力歯車(10)を噛み合わせるこ
とにより、駆動モータ(12)の作動で両フック機(８)(８)
を同方向に同量旋回させるようにしてある。なお、駆動
歯車(16)はその歯幅を入力歯車(８)の歯幅よりも長く形
成してあり、フック機(８)が昇降移動しても回転を伝達
できるように構成してある。

【００１１】一方、作業台(７)の旋回駆動モータ(12)の
上側部分にフック機作動用モータ(19)が固定してあり、
このフック機作動用モータ(19)の出力軸に上下に固定し
た各出力プーリ(20)とフック機(８)の入力軸(21)にボー
ルスプラインを介して装着した入力プーリ(22)との間に
タイミングベルト(23)を架け渡すことにより、フック機
駆動機構(24)を構成している。

【００１２】また、フック機(８)の入力軸(21)の軸芯の
延長線上に基布(２)に植設する植設糸をガイドする糸道
パイプ(25)が配置してある。この糸道パイプ(25)は、フ
ック機(８)の入力軸(21)の軸芯の延長線上に該入力軸芯
(21)と同心状に配置した回転プーリ(26)の回転中心軸に
上半部を挿入固着し、下半部をプーリ半径方向に張り出
させた略クランク状に形成してある。そして、この回転
プーリ(26)と中間回転伝動軸(13)の上端部に固定した出
力回転プーリ(27)との間にタイミングベルト(28)を架け
渡して、糸道パイプ(25)がフック機(８)の旋回駆動に同
期して回転するように構成してある。

【００１３】そして、台枠駆動用モータ、作業台駆動用
モータ、フック機旋回駆動モータ(12)、フック機作動用
モータ(19)はＮＣ制御装置(29)からの指令信号に基づい
て回転駆動されるようになっている。したがって、制御
装置(29)にあらかじめ記憶されている図形データに基づ
く指令で４つのモータが作動することにより、フック機
(８)は基布(２)上を水平面内で移動するとともに、旋回
及び昇降移動して基布(２)に所定の模様を２つ同時に織
り込むことになる。

【００１４】また、上記実施例では、作業台(７)に２基
のフック機(８)を配置するものについて説明したが、フ
ック機(８)は１基のものでもよく、また、３基以上配設
するようにしてもよい。

【００１５】

【発明の効果】本発明では、作業台にフック機旋回駆動
用モータとフツク機作動用モータとを１台づつ配置し、
フツク機と旋回駆動用モータとの間に中間回転伝動軸を
配置し、中間回転伝動軸に固定した旋回駆動歯車と各フ
ック機に固定した従動歯車とを昇降移動可能に噛み合わ
せ、中間回転伝動軸の入力部とフック機旋回駆動モータ
の出力部とをベルト伝動機構で連動連結し、フツク機の
入力軸に摺動式旋回伝動機構を介して固定した入力プー
リとフツク機作動用モータの出力部とをベルト伝動機構
を介して連動連結しているので、フック機作動用モータ
も旋回駆動用モータもそれぞれ作業台に固定されること
になるから、各モータへの電力線や制御線がフック機の
作動にともなってねじれることがなく、断線等のトラブ
ルを抑制できる。

【００１６】また、フック機の針に供給する植設糸をガ
イドする糸道パイプを、フック機の入力軸芯の延長線上
に配置し、この糸道パイプと中間回転伝動軸の先端部に
固定した出力プーリとをベルト伝動機構で連動連結して
あるので、糸道パイプが中間回転伝動軸と同期して回動
することになり、フック機と糸道パイプとの相対姿勢を
一定に保持することができるようになるから、植設糸が
フック機やフック機への動力伝達系に絡み付いて糸切断
等のトラブルが発生することを防止して、円滑にカーペ
ットの織成を行うことができる。

【００１７】さらに、作業機にフック機を複数台配置し
た場合には、フック機旋回モータ及びフック機作動用モ
ータは配置したフック機の数にかかわらずそれぞれ１台
づつでよいから、部品点数が減少することになり、多頭
型の自動フックドラグ機を安価に製造することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】動力伝達系の概略斜視図である。

【図２】自動フックドラグ織機の要部取出正面図であ
る。

【図３】自動フックドラグ織機の平面図である。

【符号の説明】

２…基布、 ３…基枠、
７…作業台、 ８…フック
機、10…入力歯車、 11…
針、12…フック機旋回駆動用モータ、 13…中
間回転伝動軸、14…ベルト伝動機構、
16…旋回駆動歯車、19…フツク機作動用モータ、
21…フック機の入力軸、22…入力プーリ、
23…ベルト伝動機構、25…糸
道パイプ、 27…出力回転プー
リ、28…ベルト伝動機構。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基枠(３)に張設された基布(２)の上方に
   Ｘ−Ｙ方向で移動可能に配置した作業台(７)にフック機
   (８)をその針(11)を中心として旋回可能に取り付けてな
   る自動フックドラグ織機において、 作業台(７)にフック機旋回駆動用モータ(12)とフツク機
   作動用モータ(19)とを１台づつ配置し、フツク機(８)と
   旋回駆動用モータ(12)との間に中間回転伝動軸(13)を配
   置し、中間回転伝動軸(13)に固定した旋回駆動歯車(16)
   とフック機(８)に固定した入力歯車(10)とを昇降移動可
   能に噛み合わせ、中間回転伝動軸(13)の入力部とフック
   機旋回駆動モータ(12)の出力部とをベルト伝動機構(14)
   で連動連結し、フツク機(８)の入力軸(21)に摺動式旋回
   伝動機構を介して固定した入力プーリ(22)とフツク機作
   動用モータ(19)の出力部とをベルト伝動機構(23)を介し
   て連動連結し、フック機(８)の針(11)に供給する植設糸
   をガイドする糸道パイプ(25)をフック機(８)の入力軸芯
   の延長線上に配置し、この糸道パイプ(25)と中間回転伝
   動軸(13)の先端部に固定した出力回転プーリ(27)とをベ
   ルト伝動機構(28)で連動連結したことを特徴とする自動
   フックドラグ織機。
2. 【請求項２】 作業台(７)に複数のフック機(８)をその
   針(11)を中心として先回可能に配置し、作業台(７)に複
   数のフック機(８)に対してフック機旋回駆動用モータ(1
   2)とフツク機作動用モータ(19)とを各１台づつ配置した
   請求項１に記載の自動フックドラグ織機。
3. 【請求項３】 各ベルト伝動機構(14)(23)(28)をタイミ
   ングベルトで構成した請求項１又は２に記載の自動フッ
   クドラグ織機。