JPH0623388B2 - 湿式摩擦部材 - Google Patents

湿式摩擦部材

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JPH0623388B2
JPH0623388B2 JP61145544A JP14554486A JPH0623388B2 JP H0623388 B2 JPH0623388 B2 JP H0623388B2 JP 61145544 A JP61145544 A JP 61145544A JP 14554486 A JP14554486 A JP 14554486A JP H0623388 B2 JPH0623388 B2 JP H0623388B2
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alumina
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賢明 安井
英二 浜田
浩之 水越
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Aisin Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は自動車などの車両で用いられる湿式摩擦部材に
関する。本発明はたとえば、車両のトランスミッション
内で油中に浸した状態で用いられる動力伝達用の湿式摩
擦クラッチなどに利用することができる。
[従来の技術] 従来この種の湿式摩擦部材は、繊維と充填材と摩擦調整
剤とを水中で混合し、抄紙して基材とした後、結合剤を
含浸して硬化させることで製造されている。
この充填材および摩擦調整材は摩擦性能の良否を決定す
る重要な成分であり、抄紙した時に繊維に一体的に定着
されている必要がある。そこで従来、この充填材および
摩擦調整剤を繊維に定着させるには、例えばアスベスト
を定着材料として用い、繊維とのからみを利用して定着
するもの、あるいは硫酸バンドなどを配合し、充填材お
よび摩擦調整剤を凝集させることにより繊維間に定着さ
せるもの、またはカチオン型ポリマーなどのカチオン化
剤を配合し微細繊維の表面電位を下げることにより定着
させるもの、などが知られている。
[発明が解決しようとする問題点] 上記した種々の定着方法において、アスベストを使用し
た場合には、公害面での不具合があり、硫酸バンドを用
いたときには酸性抄紙のため変色などの経時変化が生ず
る。またカチオン化剤を用いる場合には定着強度が小さ
いという不具合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、アスベ
ストを使用せず、新規な定着材料を使用した湿式摩擦部
材を提供するものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明の湿式摩擦部材は、繊維と、粉状充填材と、摩擦
調整剤と、からなる基材と、 該基材の該繊維、該充填材および該摩擦調整剤を結合す
る結合剤と、からなる湿式摩擦部材において、 該基材にはpH5.5の水中におけるζ電位がプラス電
位のアルミナ繊維が含有されていることを特徴とする。
本発明の湿式摩擦部材の基体をなす繊維としては、従来
と同様、有機繊維および無機繊維のいずれも用いること
ができる。有機繊維としては、リンタパルプ、木材パル
プ、合成パルプ、ポリエステル系繊維、アクリル系繊
維、脂肪族ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール変性
繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリプロピレン繊維、芳香
族ポリアミド繊維、カーボン繊維、などを一種または複
数種類混合して用いることができる。また無機繊維とし
ては、チタン酸カルウム繊維、ガラス繊維、カオリン繊
維、シリカ繊維、ボーキサイト繊維、カヤナイト繊維、
ホウ素繊維、マグネシア繊維、ロックウール繊維、金属
繊維などを一種または複数種類用いることができる。な
お有機繊維は摩擦部材中に10〜70重量%とするのが
望ましく、無機繊維は2〜50重量%含有するように用
いるのがよい。
充填材は従来と同様、有機充填材および無機充填材のい
ずれも用いることができる。例えばシリカ、タルク、酸
化マグネシウム、カオリン、硫酸バリウム、生石灰、リ
ン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケイソウ土、などを
用いることができる。なお、この充填材は紙中に5〜5
0重量%含有されるように構成するのが望ましい。
摩擦調整剤は摩擦係数を向上したり安定化するためのも
ので、たとえばアルミニウム粉、銅粉、鉄粉などの金属
粉、ゴム粉、カシューダスト、グラファイト粉などであ
る。この摩擦調整剤は従来と同様5〜30重量%配合す
ることができる。
本発明の最大の特徴は繊維中にζ電位がプラス電位のア
ルミナ繊維が含有されているとことにある。なおこのζ
電位はpH5.5の水中における条件下で測定されるも
のであり、+20mV以上の電位を有することが望まし
い。
従来、たとえば特開昭57−85876号公報に、繊維
の一部にアルミナ繊維を用いた摩擦部材が開示されてい
る。しかしながらこの種の摩擦部材ではアルミナ繊維は
耐熱性繊維として用いられており、抄紙時の充填材、摩
擦調整剤の歩留り向上の目的には用いられていない。
従来用いられている繊維および充填剤のpH5.5の水
中におけるζ電位は一般にマイナスである。たとえばガ
ラス繊維は−59mVであり、アルミナシリカ繊維は−
4mVである。
そこで本発明では、プラス電位のアルミナ繊維を使用す
ることにより繊維、充填材および摩擦調整剤とアルミナ
繊維とを電気的に結合させ、以て定着するようにしたも
のである。この意味においてアルミナ繊維のζ電位が+
20mVより小さい場合には定着作用が小さくなり好ま
しくない。なお従来用いられているアスベストは+27
mVのζ電位を有しており、これが定着作用に寄与して
いるものと推察される。しかしながらアスベストは公害
面で不具合があり、本発明者らは鋭意研究の結果、ζ電
位がプラスのアルミナ繊維が定着に良好な結果をあたえ
ることを見出して本発明を完成したものである。
アルミナ繊維は直径1〜5μm、長さ0.3〜2mmのも
のが望ましい。そしてこのアルミナ繊維は摩擦部材中に
0.5〜15重量%配合することが好ましい。15重量
%を越えると相手材に対する攻撃性が顕著になるので望
ましくない。
また、本発明の摩擦部材には、抄紙時の強度を増すため
にアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリルアミ
ド樹脂、メラミン樹脂などの紙力剤を0.1〜5重量%
用いることも好ましい。
結合剤は抄紙された繊維、充填材、摩擦調整剤などから
なる基材を一体的に結合するものであり、従来同様にフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹
脂、ポリイミド樹脂などを、抄紙された基材に対して一
般に20〜40重量%の量用いることができる。また場
合によってはコロイダルシリカなどの無機結合剤を用い
ることもできる。
本発明の摩擦部材を製造するには、まず水中に繊維を投
入し、圧縮と回復を反復して叩解する。次にアルミナ繊
維を加え、次いで充填材および摩擦調整剤を投入する。
このとき繊維、充填材および摩擦調整剤は一般にζ電位
がマイナスであり、アルミナ繊維はプラスであるために
繊維と充填材と摩擦調整剤はアルミナ繊維に引付けられ
て定着する。そしてこの分散液を抄紙機を用いて抄紙
し、乾燥する。そして液状の結合剤を含浸させた後、そ
の結合愛剤を硬化させることにより本発明の摩擦部材を
製造することができる。
[発明の作用および効果] 本発明の摩擦部材では、繊維中にζ電位がプラス電位の
アルミナ繊維を用いている。そして抄紙前の懸濁状態の
時に、ζ電位がマイナスの繊維と充填材と摩擦調整剤と
はアルミナ繊維に引きつけられる。これにより充填材お
よび摩擦調整剤が定着され、抄紙時の充填材および摩擦
調整剤の歩留りが向上する。従って従来のようにアスベ
ストを使う必要がないので、充填材などの歩留りは従来
と同等に維持しつつ、かつ無公害の摩擦部材を製造する
ことができる。また硫酸バンドを使う必要がないので変
色など経時変化を少なくすることもできる。
[実施例] 以下実施例により具体的に説明する。
(実施例1) リンタパルプ50重量部とアラミド繊維10重量部を6
000重量部の水に投入し、ビータにて叩解した。次に
アルミナ繊維Saffill(eta、ICI社製、p
H5.5の水中におけるζ電位+48mV)を0.5重
量部加え、均一に混合した後カシューダスト15重量
部、チタン酸カリウム5重量部、およびケイソウ±25
重量部、さらにアクリル系樹脂からなる紙力剤2重量部
を加えて均一に混合するまでビータを運転した。そして
この懸濁液を丸網抄紙機にて抄紙し、乾燥して坪量20
0g/m、厚さ0.6mmの摩擦部材基材を得た。そし
てこの基材にレゾール型フェノール樹脂を30重量%含
浸させ、180℃で20分加熱して実施例1の摩擦部材
を得た。
得られた摩擦部材について歩留り率、動的摩擦係数およ
び耐剥離性を測定し表および図に示す。
なお歩留り率は、マッフル炉にて600℃で1時間加熱
した後の残量と抄紙前の懸濁液中の配合物の中の無機物
の割合との比により算出されるものである。また動的摩
擦係数はSEE#2試験機によりATF油中で回転数3
600rpm、加重7.2kg/cm、イナーシャ
2.5kg・cm・sec、温度120℃の条件で行
なった。また耐剥離性試験は、動的摩擦係数におけるイ
ナーシャを3.5kg・cm・secとすること以外
は動的摩擦係数の測定と同様に行ない、スポット剥離が
生じた時点の回転数を測定した。
(実施例2) アルミナ繊維を2重量部とすること以外は実施例1と同
様の配合で同様に叩解、抄紙し、結合剤を含浸固化させ
て実施例2の摩擦部材を得た。そして得られた摩擦部材
について実施例1と同様に歩留り率、動的摩擦係数およ
び耐剥離性試験を測定し結果を表および図に示す。
(実施例3) アルミナ繊維を10重量部とすること以外は実 施例1と同様の配合で同様に叩解、抄紙し、結合剤を含
浸固化させて実施例3の摩擦部材を得た。そして得られ
た摩擦部材について実施例1と同様に歩留り率、動的摩
擦係数および耐剥離性試験を測定し結果を表および図に
示す。
(比較例1) アルミナ繊維を用いずカチオン化定着剤(アラフィック
ス100、荒川化学工業株式会社製)を2重量部配合す
ること以外は実施例1と同様の配合で同様に叩解、抄紙
し結合剤を含浸固化させて比較例1の摩擦部材を得た。
そして得られた摩擦部材について実施例1と同様に歩留
り率、動的摩擦係数および耐剥離性試験を測定し結果を
表および図に示す。
(比較例2) アルミナ繊維を0.2重量部とすること以外は実施例1
と同様の配合で同様に叩解、抄紙し、結合剤を含浸固化
させて比較例2の摩擦部材を得た。そして得られた摩擦
部材について実施例1と同様に歩留り率、動的摩擦係数
および耐剥離性試験を測定し結果を表および図に示す。
(比較例3) アルミナ繊維を20重量部とすること以外は実施例1と
同様の配合で同様に叩解、抄紙し、結合剤を含浸固化さ
せて比較例3の摩擦部材を得た。そして得られた摩擦部
材について実施例1と同様に歩留り率、動的摩擦係数お
よび耐剥離性試験を測定し結果を表および図に示す。
(比較例4) アルミナ繊維として、pH5.5の水中におけるζ電位
が−23.7mvのアルミナ繊維(ICI社製)を0.
5重量部用いたこと以外は実施例1と同様の配合で同様
に叩解、抄紙し、結合剤を含浸固化させて比較例4の摩
擦部材を得た。そして実施例1と同様に歩留り率を測定
し、結果を表に示す。
(比較例5) アルミナ繊維として、pH5.5の水中におけるζ電位
が−23.7mvのアルミナ繊維(ICI社製)を2重
量用いたこと以外は実施例1と同様の配合で同様に叩
解、抄紙し、結合剤を含浸固化させて比較例5の摩擦部
材を得た。そして実施例1と同様に歩留り率を測定し、
結果を表に示す。
(比較例6) アルミナ繊維として、pH5.5の水中におけるζ電位
が−23.7mvのアルミナ繊維(ICI社製)を10
重量部用いたこと以外は実施例1と同様の配合で同様に
叩解、抄紙し、結合剤を含浸固化させて比較例6の摩擦
部材を得た。そして実施例1と同様に歩留り率を測定
し、結果を表に示す。
(評価) 表より明らかに、ζ電位がプラス電位のアルミナ繊維を
用いた実施例の摩擦部材は、ζ電位がマイナス電位のア
ルミナ繊維を用いた比較例4〜6の摩擦部材に比べて高
い歩留り率を示し、比較例1〜3とほぼ同等の歩留り率
となっている。
即ち、アスベストや硫酸バンドを用いなくとも従来と同
等の定着性能を有している。また図より明らかに、動的
摩擦係数は実施例の摩擦部材と比較例の摩擦部材とはほ
とんど同等であり、かつ剥離は比較例の摩擦部材の方が
少ない回転数で発生している。なお、比較例2ではアル
ミナ繊維が少ないので歩留り率が低く、かつ耐剥離性が
劣っており、比較例3では相手材料が摩耗したために耐
剥離性の測定ができなかった。
すなわち本実施例の摩擦部材は、定着性能および動的摩
擦係数を従来と同等に維持するとともに、公害面の不具
合が無く、さらに長期にわたって剥離の発生を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は動的摩擦係数の測定結果を示す線図であり、第
2図は耐剥離性試験の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−85439(JP,A) 特開 昭62−283228(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維と、粉状充填材と、摩擦調整剤と、か
    らなる基材と、 該基材の該繊維、該充填材および該摩擦調整剤を結合す
    る結合剤と、からなる湿式摩擦部材において、 該基材にはpH5.5の水中におけるζ電位がプラス電
    位のアルミナ繊維が含有されていることを特徴とする湿
    式摩擦部材。
  2. 【請求項2】アルミナ繊維はpH5.5の水中において
    +20mV以上のζ電位を有する特許請求の範囲第1項
    記載の湿式摩擦部材。
  3. 【請求項3】アルミナ繊維は基材中に0.5〜15重量
    %含有されている特許請求の範囲第1項記載の湿式摩擦
    部材。
  4. 【請求項4】アルミナ繊維は直径1〜5μm、長さ0.
    3〜2mmである特許請求の範囲第1項記載の湿式摩擦部
    材。
JP61145544A 1986-06-21 1986-06-21 湿式摩擦部材 Expired - Lifetime JPH0623388B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB1445975A (en) * 1972-08-30 1976-08-11 Ici Ltd Friction material
JPS62283228A (ja) * 1986-05-29 1987-12-09 Toyota Motor Corp 車両用湿式摩擦材

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