JPH06233869A - テレビゲーム用の音像定位制御装置 - Google Patents

テレビゲーム用の音像定位制御装置

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JPH06233869A
JPH06233869A JP5292715A JP29271593A JPH06233869A JP H06233869 A JPH06233869 A JP H06233869A JP 5292715 A JP5292715 A JP 5292715A JP 29271593 A JP29271593 A JP 29271593A JP H06233869 A JPH06233869 A JP H06233869A
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Yoshiaki Tanaka
美昭 田中
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像に同期して所望の位置に音像が定位して
いるように感じさせるテレビゲ−ム用の音像定位装置を
得る。 【構成】 ゲ−ム用CD−ROM53等を使用して楽し
むテレビゲ−ム機に用いる装置であり、コントロ−ラ5
5の操作に応じてサブ中央処理ユニット61から音像定
位情報を発生し、この情報を第三中央処理ユニット67
に供給して、その情報に応じた係数をROM68から取
り出し、この係数をサブ中央処理ユニット61の制御の
もとに垂直同期ブランキング期間内に一対のコンボルバ
71,72に供給し、ここで、MIDI音源66或いは
PCM音源62から供給されるモノラル音声信号に演算
処理を施す構成にする。これにより、一対のスピ−カか
ら180度以上に亘って移動する音像を、画像と同期し
て再生できるようにすると共に、回路規模を小さくして
安価な装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビゲ−ム用の音像
定位制御装置に関し、特に、再生画像に応じて、再生の
ための一対のトランスジューサ(スピーカ)を用いて聴
取者が前記トランスジューサの位置とは異なる所望の任
意の位置に音像が定位しているように感じさせるテレビ
ゲ−ム用の音像定位制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、両耳における信号のレベル差
と位相差(時間差)によって特定な位置(方向)に音源
を感じさせる、バイノーラル技術を利用した音像定位方
法がある。アナログ回路を用いた音像定位方法として
は、例えば本出願人に係る特開昭53-140001 号(特公昭
58-3638号)公報記載の音像定位方式などがある。これ
は、アナログフィルタにより特定の周波数帯域のレベル
を強調・減衰させて(振幅制御して)音源の前後感を出
し、アナログディレイにより左右の音に時間差を生じさ
せて(位相制御して)音源の左右感を出すようにしたも
のであった。
【0003】さらに、最近のデジタル処理技術の進展に
伴って、デジタル回路により実現した音像定位方法があ
り、例えば、特開平2-298200号公報記載の「音像形成方
法及びその装置」がある。このデジタル回路を用いた音
像定位方法は、音源からの信号をFFT(Fast Fourier
Transform)変換して、周波数軸上で処理し、左右の両
チャンネル信号に周波数に依存したレベル差と位相差と
を与えて音像の定位をデジタル的に制御するものであ
る。この方法の各音像定位位置における、周波数に依存
したレベル差と位相差とは、実際の聴取者を利用した実
験的なデータとして収集されたものである。しかし、こ
のような回路を用いた音像定位方法では、正確・精密に
音像を定位させようとすると、回路規模が極めて大きく
なるという難点があり、特殊な業務用のレコーディング
システムとして利用されるにすぎなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では、
バーチャルリアリティ(仮想現実感)を利用したアミュ
ーズメントゲーム機やコンピュータ端末機が出現してい
る。これらゲーム機や端末機においても、画面に応じた
現実感のある音像定位が要求され始めている。しかも、
例えば、ゲーム機(や端末機)においては、操作者の操
作に応じて、飛行機の飛ぶコース(位置)も異なり、操
作に応じてリアルタイムで操作者の操作に合わせて音像
の移動処理をして、それを再生する必要が生じる。この
点が、前述したレコード用の音像定位処理と大幅に異な
る。
【0005】そこで、本発明はかかる従来の上記問題点
に鑑みてなされたもので、回路規模が小さく、低価格で
あると共に、画像に応じた 180度の範囲を越える広範囲
な空間に定位させることが可能なテレビゲ−ム用の音像
定位制御装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、以下の1)〜7)より成る構成のテレビゲ
−ム用の音像定位制御装置を提供しようというものであ
る。即ち、 1)入来するビデオ・ディスプレイ・デ−タに基づいて
所定の画像が再生されると共に、離間した一対のトラン
スジュ−サから、モノラル音源が供給された音像定位処
理手段で音像処理をした信号を再生し、聴取者に前記一
対のトランスジューサとは異なる任意の位置に音像を定
位させるように感じさせるテレビゲ−ム用の音像定位制
御装置において、前記音像定位処理手段を一対のコンボ
ルバで構成すると共に、ゲ−ム・コントロ−ラの操作に
基づいて音像の定位情報を発生させるための制御手段
と、前記定位情報の発生に続くフレ−ム画像から、この
フレ−ム画像に同期して前記音像定位処理手段を制御す
る同期制御手段と、を設けたことを特徴とするテレビゲ
ーム用の音像定位制御装置。
【0007】2)ビデオ・ディスプレイ・デ−タとオ−
ディオ・デ−タと音像定位情報とが供給され、所定の画
像及び音声を再生するテレビゲ−ム・システムに用いら
れ、モノラル音源から供給される音声を一対のコンボル
バに供給して、聴取者に画像と同期して、一対のトラン
スジュ−サからこれらトランスジュ−サの位置とは異な
る位置に音像が位置しているように感じさせるためのテ
レビゲーム用の音像定位制御装置であって、前記音像の
定位位置を変化させるために用意された係数を保持する
係数保持手段と、前記音像定位情報を供給されて、これ
に対応した係数を前記係数保持手段から取り出すための
係数取出手段と、この係数取出手段に、前記画像の垂直
同期ブランキング期間中に前記音像定位情報を供給する
ための同期手段と、前記係数取出手段により取り出され
た係数を前記一対のコンボルバに供給するための係数供
給手段と、を設けたことを特徴とするテレビゲーム用の
音像定位制御装置。
【0008】3)ビデオ・ディスプレイ・デ−タとオ−
ディオ・デ−タと音像定位情報とが供給され、所定の画
像及び音声を再生するテレビゲ−ム・システムに用いら
れ、モノラル音源から供給される音声を一対のコンボル
バに供給して、聴取者に画像と同期して、一対のトラン
スジュ−サからこれらトランスジュ−サの位置とは異な
る位置に音像が位置しているように感じさせるためのテ
レビゲーム用の音像定位制御装置であって、前記音像の
定位位置を変化させるために用意された係数を保持する
係数保持手段と、前記音像定位情報に応答し、これに対
応した係数を前記係数保持手段から取り出すための係数
取出手段と、前記係数取出手段により取り出された係数
を前記一対のコンボルバに供給するための係数供給手段
と、この係数供給手段に対し、前記係数を前記画像の垂
直同期ブランキング期間中に前記一対のコンボルバに供
給を開始するよう指示する同期手段と、を設けたことを
特徴とするテレビゲーム用の音像定位制御装置。
【0009】4)ビデオ・ディスプレイ・デ−タとオ−
ディオ・デ−タと音像定位情報とが供給され、所定の画
像及び音声を再生するテレビゲ−ム・システムに用いら
れ、モノラル音源から供給される音声を一対のコンボル
バに供給して、聴取者に画像と同期して、一対のトラン
スジュ−サからこれらトランスジュ−サの位置とは異な
る位置に音像が位置しているように感じさせるためのテ
レビゲーム用の音像定位制御装置であって、前記音像の
定位位置を変化させるために用意された係数を保持する
係数保持手段と、前記音像定位情報に応答し、これに対
応した係数を選択的に切り換えて取り出すための係数選
択制御手段と、この係数選択制御手段の出力を、前記画
像の垂直同期ブランキング期間中に、前記係数保持手段
に出力させるための同期手段と、を設けたことを特徴と
するテレビゲーム用の音像定位制御装置。
【0010】5)請求項1,2,3又は4記載のテレビ
ゲーム用の音像定位制御装置において、一対のコンボル
バを複数組設けたことを特徴とするテレビゲーム用の音
像定位制御装置。
【0011】6)請求項5のテレビゲーム用の音像定位
制御装置において、複数組のコンボルバの入力又は出力
側にクロスフェード処理する手段をそれぞれ設けたこと
を特徴とするテレビゲーム用の音像定位制御装置。
【0012】7)請求項2,3又は4項記載のテレビゲ
ーム用の音像定位制御装置において、係数供給手段又は
係数選択制御手段と実質的に同期して一対のコンボルバ
の音声入力を切り換える切り換え制御手段を設けたこと
を特徴とするテレビゲーム用の音像定位制御装置。
【0013】
【実施例】本発明になるテレビゲ−ム用の音像定位制御
装置の実施例について、以下図面と共に説明する。まず
最初に、本ゲ−ム用音像定位制御装置が採用する音像定
位制御方法の基本原理について説明する。これは、離間
して配設された一対のトランスジューサ(以下、スピー
カを例として説明する)を使用し、空間の任意の位置に
音像を定位させる技術である。
【0014】図10は音像定位の原理図である。sp
1,sp2は受聴者(実施例の中では、聴取者と称する
こともある)の前方左右に配置されるスピーカであり、
sp1から聴取者左耳までの頭部伝達特性(インパルス
応答)をh1L、右耳までの頭部伝達特性をh1R、s
p2から左右耳までの頭部伝達特性をh2L,h2Rと
する。また、目的とする定位位置xに実際のスピーカを
配置したときの受聴者左右耳までの頭部伝達特性をpL
x,pRxとする。ここで各伝達特性は音響空間にスピ
ーカと、ダミーヘッド(または人頭)の両耳位置にマイ
クを配置して実際に測定したものに、適切な波形処理な
どを施したものである。
【0015】次に、定位させたい音源ソースXを信号変
換装置cfLx,cfRx(コンボルバなどによる伝達
特性)に通して得られる信号を、それぞれsp1,sp
2で再生することを考える。このとき受聴者左右耳に得
られる信号をeL,eRとすると、 eL=h1L・cfLx・X+h2L・cfRx・X (式1) eR=h1R・cfLx・X+h2R・cfRx・X (〃 )
【0016】一方、ソースXを目的の定位位置から再生
したときに受聴者左右耳に得られる信号をdL,dRと
すると、 dL=pLx・X (式2) dR=pRx・X (〃 )
【0017】ここで、sp1,sp2の再生により受聴
者左右耳に得られる信号が、目的位置からソースを再生
したときの信号に一致すれば、受聴者はあたかも目的位
置にスピーカが存在するように音像を認識することとな
る。この条件eL=dL,eR=dRと(式1),(式
2)より、Xを消去して h1L・cfLx+h2L・cfRx=pLx (式3) h1R・cfLx+h2R・cfRx=pRx (〃 ) (式3)からcfLx,cfRxを求めると cfLx=(h2R・pLx−h2L・pRx)/H (式4a) cfRx=(−h1R・pLx+h1L・pRx)/H (〃 ) ただし、 H=h1L・h2R−h2L・h1R (式4b)
【0018】したがって、(式4a),(式4b)によ
り算出した伝達特性cfLx,cfRxを用いてコンボ
ルバ(畳み込み演算処理回路)等により定位させたい信
号を処理すれば、目的の位置xに音像を定位させること
ができる。具体的な信号変換装置の実現方法は様々考え
られるが、非対称なFIRデジタルフィルタ(コンボル
バ)を用いて実現すれば良い。なお、FIRデジタルフ
ィルタで用いる場合の最終の伝達特性は、時間応答関数
である。
【0019】つまり、必要な定位位置xにおける伝達特
性cfLx,cfRxとして、(式4a),(式4b)
で求めたものを、1回のFIRフィルタ処理により実現
するための係数として、cfLx,cfRxの係数をあ
らかじめ作成し、ROMのデータとして準備しておく。
ROMから必要な音像定位置の係数をFIRデジタルフ
ィルタに転送し、音源からの信号を畳み込み演算処理し
て一対のスピーカから再生すれば、所望の任意の位置に
音像が定位されることになる。
【0020】次に、このような原理に基づく本音像定位
制御の方法について図11を参照して詳述する。図11
は音像定位制御の方法のステップを示すものである。 頭部伝達関数(Head Related Transfer Function;以
下、HRTFと称する)の測定(ステップ101)
【0021】これを図12及び図14をもって説明す
る。図12は、HRTFの測定システムを示すものであ
る。ダミーヘッド(または人頭)DMの両耳に一対マイ
クロホンML,MRを設置し、スピーカSPからの測定
音を受け、録音器DATにソース音(リファレンスデー
タ)refL,refRと被測定音(測定データ)L,
Rを同期して記録する。
【0022】ソース音XHとしては、インパルス音,ホ
ワイトノイズ,その他のノイズ等を用いることができ
る。特に、統計処理の観点からは、ホワイトノイズは、
連続音でかつオーディオ帯域にわたってエネルギー分布
が一定なので、ホワイトノイズを用いることによりSN
比が向上する。上記スピーカSPの位置を、正面を0度
(°)として取決めた空間内の複数の角度θ(例えば、
図14に示すように、30度ごとに12ポイント)に設
置し、それぞれ所定の時間だけ、連続的に記録する。
【0023】HRTFのインパルス応答(Impulse Re
sponse;以下、IRと称する)の算出(ステップ10
2)ステップ101で、同期して記録されたソース音
(リファレンスデータ)refL,refRと被測定音
(測定データ)L,Rとを、ワークステーション(図示
せず)上で処理する。
【0024】ソース音(リファレンスデータ)の周波数
応答をX(S)、被測定音(測定データ)の周波数応答
をY(S)、測定位置におけるHRTFの周波数応答を
IR(S)とすると、(式5)に示す、入出力の関係が
ある。 Y(S)=IR(S)・X(S) (式5) したがって、HRTFの周波数応答をIR(S)は、 IR(S)=Y(S)/X(S) (式6) である。よって、リファレンスの周波数応答X(S)、
測定データの周波数応答Y(S)は、前記ステップ10
1で求めたデータを時間同期した窓で切り出し、それぞ
れFFT変換により有限のフーリエ級数展開して離散周
波数として計算し、(式6)より、HRTFの周波数応
答IR(S)が、周知の計算方法で求められる。
【0025】この場合、IR(S)の精度をあげる(S
N比の向上)ために時間的に異なる数百個の窓に対して
それぞれIR(S)を計算し、それらを平均化すると良
い。そして、計算したHRTFの周波数応答IR(S)
を逆FFT変換して、HRTFの時間軸応答(インパル
ス応答)IR(第1のIR)とする。
【0026】IR(インパルス応答)の整形処理(ス
テップ103) ここで、ステップ102で求めたIRを整形する。まず
例えばFFT変換により、ステップ102で求めた第1
のIRをオーディオスペクトラムにわたる離散周波数で
展開し、不要な帯域(高域には大きなディップが生じる
が、これは音像定位にあまり影響しない不要なものであ
る)を、BPF(バンドパスフィルタ)で除去する。こ
のように帯域制限すると、周波数軸上での不要なピーク
やディップが除去されて、キャンセルフィルタに不要な
係数が生じなくなるので、収束性がよくなり、係数を短
くすることができる。
【0027】そして、帯域制限されたIR(S)を逆F
FT変換して、IR(インパルス応答)を時間軸上で切
り出し窓(例えば、コサイン関数の窓)を掛けて、ウィ
ンド処理する(第2のIRとなる)。ウィンド処理する
ことにより、IRの有効長が長くなくなり、キャンセル
フィルタの収束性が向上して、音質の劣化が生じないよ
うになる。
【0028】キャンセルフィルタcfLx、cfRx
の算出(ステップ104) コンボルバ(たたみ込み積分回路)であるキャンセルフ
ィルタcfLx、cfRxは、前述した(式4a)及び
(式4b)に示したように、 cfLx=(h2R・pLx−h2L・pRx)/H (式4a) cfRx=(−h1R・pLx+h1L・pRx)/H (〃 ) ただし、H=h1L・h2R−h2L・h1R (式4b) である。
【0029】ここで、配置されるスピーカsp1,sp
2による頭部伝達特性h1L,h1R,h2L,h2R
及び、目的とする定位位置xに実際のスピーカを配置し
たときの頭部伝達特性pLx,pRxとして、上記ステ
ップ101〜103によって求められた、各角度θごと
の整形処理された第2のIR(インパルス応答)を代入
する。
【0030】頭部伝達特性h1L,h1Rは、図15の
Lチャンネルスピーカの位置に対応するもので、正面か
ら左に例えば30度(θ=330度)に設置されるとす
れば、θ=330度のIRを用いる。頭部伝達特性h2
R,h2Lは、同図のRチャンネルスピーカの位置に対
応するもので、正面から右に例えば30度(θ=30
度)に設置されるとすれば、θ=30度のIRを用いる
(すなわち、実際の音像再生時のシステム(例えば図1
3に示す)に近いものを選ぶ)。
【0031】そして、頭部伝達特性pLx、pRxとし
ては、目的とする音源定位位置である正面から左右90
度の180度の範囲はもちろんのこと、それを越える広
範囲な空間(全空間)における、30度ごとのIRを代
入することにより、それに対応した全空間のcfLx、
cfRx、すなわち30度ごとに12組のキャンセルフ
ィルタcfLx、cfRx群が求められる(図15で
は、240度の位置を例としている)。キャンセルフィ
ルタcfLx、cfRx群は、最終的には、時間軸上の
応答であるIR(インパルス応答)として求められる。
なお、(式4a)によるキャンセルフィルタcfLx、
cfRxの計算は、次のようである。まず(式4b)の
Hに対する一種の逆フィルタであるH-1を最小2乗法に
より求め、これを逆FFT変換して時間関数h(t) とす
る。また(式4a)の各項h1L,h1R,h2L,p
Rx,pLx,h2Rをそれぞれ時間関数で表すことに
より、次式が成り立つ。
【0032】 cfLx(t) =(h2R・pLx−h2L・pRx)・h(t) (式7) cfRx(t) =(−h1R・pLx+h1L・pRx)・h(t) (〃 )
【0033】したがって、これらの(式7)からキャン
セルフィルタcfLx、cfRxの係数が求められるこ
とになる。(式7)から明らかなように、キャンセルフ
ィルタcfLx、cfRxの係数を短くするには、各頭
部伝達特性h1L,h1R,h2L,pRx,pLx,
h2Rをそれぞれ短くすることが極めて大切である。こ
のため、前述したように、ステップ101〜103でウ
ィンド処理,整形処理などの各種の処理をして、各頭部
伝達特性h1L,h1R,h2L,pRx,pLx,h
2Rを短くしている。
【0034】各定位ポイントxのキャンセルフィルタ
のスケーリング(ステップ105)また、実際にコンボ
ルバ(キャンセルフィルタ)で音像処理される音源(ソ
ース音)のスペクトラム分布は、統計的にみるとピンク
ノイズのように分布するもの、あるいは高域でなだらか
に下がるものなどがあり、いずれにしても音源は単一音
とは異なるために、畳み込み演算(積分)を行ったとき
オーバーフローして、歪が発生する危険がある。そこ
で、オーバーフローを防止するため、キャンセルフィル
タcfLx、cfRxの係数の中で最大のゲイン(例え
ば、キャンセルフィルタcfLx、cfRxの各サンプ
ル値の2乗和)のものを見つけ、その係数と0dbのホ
ワイトノイズを畳込んだときに、オーバーフローが生じ
ないように、全係数をスケーリングする。
【0035】このようにしてスケーリング処理されて、
最終的にコンボルバに係数として供給されるデータ群
(この例では、30度ごとに音像定位が可能な12組の
コンボルバの係数群)cfLx、cfRxが求まる。 音源からの信号を畳み込み演算して再生(ステップ1
06)
【0036】例えば、ゲーム機の音響再生装置の基本構
成として、図13に示すように、ゲーム操作者(聴取
者)Mを中心として左右30度ずつ離間して一対のスピ
ーカsp1,sp2を配設し、これら一対のスピーカs
p1,sp2には、一対のコンボルバ(畳み込み演算処
理回路)で処理された音響信号が再生されるように構成
する。
【0037】一対のコンボルバには、同一の音源X(例
えば、ゲーム用シンセサイザからの飛行音などのモノラ
ル音)からの信号が供給されると共に、前記ステップ1
05で作成されたIRの係数cfLx、cfRx(例え
ば、飛行音を左後方120度(θ=240度)の位置に
音像定位させたい時は、θ=240度の係数)が、選択
されてコンボルバに設定される。例えば、ゲーム機など
のメインCPU(中央演算装置)からの音像定位命令に
もとづいてコントロール用サブCPUが係数ROMか
ら、所望の定位位置の係数を一対のコンボルバに転送す
る。
【0038】このようにして、一対のコンボルバにより
音源Xからの信号は時間軸上で畳み込み演算処理がなさ
れて、離間して配設された一対のスピーカsp1,sp
2から再生される。一対のスピーカsp1,sp2から
再生された音は、両耳へのクロストークがキャンセルさ
れて、所望の位置に音源があるように音像定位して、ゲ
ーム操作者(聴取者)Mに聞かれ、極めて現実感に満ち
た音として再生される。 コンボルバの係数は、操作者
の操作に応じた飛行機の動きの推移と共に、最適な音像
位置が順次選択され、切換えられる。また、飛行音か
ら、例えばミサイル音に変更する時は、音源Xからのソ
ース音が飛行音からミサイル音に変更される。 このよ
うにして、任意の位置を音像を自由に定位させることが
できる。
【0039】次に、このような基本原理構成に基づいて
成された本願発明の第1実施例につき説明する。図1
は,その第1実施例係るテレビゲ−ム用の音像定位制御
装置の概略ブロック図である。51は中央処理ユニット
(CPU)で、この中央処理ユニット51には、これを
コントロ−ルするためのコントロ−ラ55と、ゲ−ム用
カセット50とがデ−タバスを通じて接続されるように
なっている。このゲ−ム用カセット50には、ビデオ・
ディスプレイ・デ−タ、オーディオ・デ−タ及び音像位
置情報が互いに所定の関係を有して記録されている。ま
た、この中央処理ユニット51には、デ−タバスを通じ
てインタ−フェ−ス(IF)52、所望のグラフィック
映像を表現するためのグラフィック・システム・プロセ
ッサ(GSP)54、及びシンセサイザ57が夫々接続
され、前記インターフェース52にはCD−ROM53
が接続されるようになっている。同様に、このCD−R
OM53にもビデオ・ディスプレイ・デ−タ、オーディ
オ・デ−タ及び音像位置情報が互いに所定の関係を有し
て記録されている。また、前記グラフィック・システム
・プロセッサ54にはビデオ出力用の端子56を介して
テレビモニタ60が接続されている。58,59はシン
セサイザ57の左右音声信号を夫々出力するための端子
である。
【0040】そして、前記インタ−フェ−ス52及びグ
ラフィック・システム・プロセッサ54の夫々はデ−タ
バスを通じてサブ中央処理ユニット(SUB CPU)
61にも接続されている。このサブ中央処理ユニット6
1にはデ−タバスを通じてPCM音源62が接続され、
更に、このPCM音源62には音源RAM63が接続さ
れている。この音源RAM63は、CD−ROM53か
ら供給されるデ−タ量が多いために、一旦、ここで、記
憶させるために用意されたもので、PCM音源62によ
り制御される。
【0041】64はCD−ROM53から供給されるオ
−ディオ・デ−タを所定のMIDI(Musical
Instrument Digital Interf
ace)するためのMIDI変換手段で、次段のMID
I音源66に接続され、このMIDI音源66は、スイ
ッチ(SW)69のa端子側に接続される。 また、こ
のスイッチ69のb端子側には前記PCM音源69から
の出力が接続される。このスイッチ69は前述のサブ中
央処理ユニット61により制御される。
【0042】67は係数取出手段67a及び係数供給手
段67bを具備した第三中央処理ユニットで、前記係数
取出手段67aはMIDI音源66を介してサブ中央処
理ユニット61から供給される音像定位情報により制御
される構成となっている。68は記憶手段(ROM)
で、例えば、前記したステップ〜により算出される
30度ごとの12組のコンボルバの係数群cfLx,c
fRxが予め記憶されている。尚、この場合、定位のた
めの係数を左右対称とみなし、左右いずれか一方の係数
のみを用意しても良い。そして、係数取出手段67aの
出力は、係数供給手段67bを介して左用のコンボルバ
71及び右用のコンボルバ72に夫々並列に接続され、
これらの出力側はアナログ/デジタル変換器(D/A)
73,74に夫々接続され、それらの出力が出力端子7
6,77に接続される構成になっている。
【0043】次に、以上の構成による動作の説明を行
う。今、ここで、ゲ−ム用のCD−ROM53が装着さ
れ、コントロ−ラ55が操作されると、CD−ROM5
3から相互に関連づけられて記録されているビデオ・デ
ィスプレイ・デ−タ、オ−ディオ・デ−タ及び音像位置
情報が、そして、コントロ−ラ55から操作信号が中央
処理ユニット51に夫々供給される。この結果、グラフ
ィック・システム・プロセッサ54には画像作成のため
の指示信号が供給され、ここで、例えば、複数の部分画
像より成るモザイク状の画像を形成するような画像信号
が生成されて、出力端子56よりテレビモニタ60に出
力される。また、このタイミング時、グラフィック・シ
ステム・プロセッサ54では、前記画像信号に合わせて
図2(A)に示すようなフィ−ルド又はフレ−ム同期信
号が発生され、この信号がデータバスを通じてサブ中央
処理ユニット61に供給される。
【0044】また、一方、サブ中央処理ユニット61に
は、中央処理ユニット51を介して、コントロ−ラ55
から例えば図2(B)に示す操作信号が供給されてい
る。この操作信号は前記フィ−ルド又はフレ−ム同期信
号とは時間的に非同期である。このサブ中央処理ユニッ
ト61では、この操作信号とCD−ROM53から入来
する音像位置情報とに基づき図2(C)に示すタイミン
グ期間で音像定位が決定され、この決定に基づき音像定
位情報が図2(D)に示すフィ−ルド又はフレ−ム同期
信号のブランキング期間内に、MIDI変換手段64及
びMIDI音源66を順次経て(すなわちスル−で経
て)第三中央処理ユニット67に供給される。係数取出
手段67aでは、このタイミングに応じて、前記音像定
位情報に基づき記憶手段68から所定の係数をブロック
毎に取り出し、これらの係数を図2(E)に示すタイミ
ングで係数供給手段67bから各コンボルバ71,72
内の図示しないRAMに交互に供給して、順次係数を書
き変える.
【0045】一方、このタイミング時に、スイッチ69
がサブ中央処理ユニット61の制御信号に基づき端子a
側に切り換えられる。サブ中央処理ユニット61ではオ
−ディオ・デ−タから音源情報とオ−ディオ変換情報と
が検出され、これらの情報がMIDI変換手段64によ
ってMIDI信号に変換され、そのMIDI信号に基づ
きMIDI音源66から所定の音源が選ばれて、その音
源に応じたモノラルの音声信号が端子aを通じて各コン
ボルバ71,72に夫々供給される。各コンボルバ7
1,72では、この音声信号が係数供給手段67bから
供給される係数によって、時間軸上で畳み込み演算処理
され、その出力がデジタル/アナログ変換器73,74
でアナログ信号に変換された後、各出力端子76,77
からスピ−カに出力される。これにより、聴取者には一
対のスピ−カから、コントロ−ラ55の操作に応じた動
画像の動きに同期し、スピ−カの位置とは異なる所望の
位置に音源があるように音像定位が行われ、極めて現実
感に満ちた音が聴取されることになる。
【0046】また、ゲ−ム用CD−ROM53の代わり
に、ゲ−ム用カセット50が装着されて、コントロ−ラ
55が操作された場合には、前記と同様にして中央処理
ユニット51に操作信号、ビデオ・ディスプレイ・デー
タ、オーディオ・データ及び音像位置情報がそれぞれ供
給される。グラフィック・システム・プロセッサ54で
は、前記ビデオ・ディスプレイ・データに基づいてモザ
イク画像を形成するような画像信号を生成してテレビモ
ニタ60に出力する。又、シンセサイザ57では前記オ
ーディオ・データに基づき、例えば、効果音となる音源
が選ばれる。この選ばれた音声信号は、出力端子76,
77からの音像定位された音声信号と図示しない加算器
において加算された後、出力される。又、グラフィック
・システム・プロセッサ54では、前述したと同様に、
画像信号に合わせて同期信号が生成されてサブ中央処理
ユニット61に供給される。
【0047】一方、オーディオ・データと音像位置情報
も、このサブ中央処理ユニット61に供給されており、
その内、オーディオ・データがPCM音源62に供給さ
れる。このPCM音源62では、このデータに基づき音
源を選び、この信号を、一旦、次段の音源RAM63の
所定位置に記憶させ、再びこれを読み出し、モノラル音
声信号としてスイッチ69に供給する。この場合には、
スイッチ69は、端子b側に切り換えられる。また一
方、音像定位情報は、前述の場合と同様のタイミング
(図2(D)で示すタイミング)で、第三中央処理ユニ
ット67に供給され、この情報に基づき所定の係数がR
OM68から取り出されて、図2(E)に示すタイミン
グでコンボルバ71,72に供給されることになる。そ
して、ここで、この音声信号に畳み込み演算処理が施さ
れる。
【0048】図3は、第2実施例に係るゲ−ム用音像定
位制御装置の概略ブロック図で、これにつき説明する。
尚、これ以降の説明において前記第1実施例と同一構成
要素には同一符号を付して説明を省略し、相違点のみ説
明する。この実施例の場合には、サブ中央処理ユニット
61から第三中央処理ユニット67に直接音像定位情報
が供給され、これに基づいて係数取出手段67aにより
記憶手段68から所定の係数が取り出される。そして、
これら係数は係数供給手段67bにおいて、MIDI音
源66からの同期信号により一斉に各コンンボルバ7
1,72に転送が開始される。この場合、音像定位決定
情報は必ずしもビデオ画像のフレ−ム同期あるいは垂直
同期等の関係になくとも良く、例えば、図2(F)に示
す様なタイミングの同期信号によって係数の供給が開始
されれば良い。
【0049】この実施例によれば、各係数を係数供給手
段67bから一斉に転送するようにしているので、前記
第1の実施例に比べ、各係数の転送にそれほどの時間差
が生じない。また、この一斉転送に際しては、短い時間
ながらコンボルバ71,72への転送が徐々に行われる
ので、全係数の転送が完了するまでに特性が徐々に変化
し、ノイズ等が発生しにくいという利点がある。また、
コンボルバ71,72にはゲイン設定部を設け、ゲイン
を調整するようにしても良い。
【0050】図4は、第3実施例に係るゲ−ム用音像定
位制御装置の概略ブロック図である。 この実施例にあ
っては、第2実施例(図3)における係数供給手段67
bを取り除き、係数取出手段67aの代わりに係数選択
制御手段91を設けると共に、必要数分の係数がROM
内に用意された係数バンク92をコンボルバ71,72
と一体に設け、各係数を前記係数選択制御手段91によ
り切り換え可能に構成したものである。この実施例によ
れば、係数供給手段67bが不要となり、回路規模を小
さくでき、装置を低価格に抑えることができる。また、
前述の実施例では、係数をROM58からブロック毎に
取り出して各コンボルバ内のRAMに供給して順次書き
換えるようにしているので、係数変更に時間を要し、時
間遅れが生じてしまうが、本実施例の場合には係数バン
ク内の係数を単に切り換えるだけで良く、このような遅
れはなく、画像の動きにあった音が得られる。
【0051】図5は、第4実施例に係るゲ−ム用音像定
位制御装置の概略ブロック図である。 前述のいずれの
実施例も音像を一つの場合として想定し、左右一対のコ
ンボルバを一組設けているのに対し、この実施例の場合
には、もう一対のコンボルバを追加して二つの音像を想
定したものである.この実施例は第2実施例(図3)に
対応した構成となっている。すなわち、MIDI音源6
6及びPCM音源62からスイッチ69に至る接続を二
系統にして、追加した音像用に第二のコンボルバ93,
94を夫々対応して設けたものである。このように構成
することで、二つの音像をスピ−カの位置とは異ならせ
て、180度以上に亘って夫々の音像に合わせて定位さ
せることができ、例えば、ゲ−ム中で二機の戦闘機によ
る戦闘シ−ンがあるような場合には、夫々の戦闘機の音
像を映像シ−ンに同期して定位させることができる。
【0052】図6は、第5実施例に係るゲ−ム用音像定
位制御装置の概略ブロック図である。 この実施例も前
述の第3実施例と同様に二つの音像を想定したもので、
MIDI音源66及びPCM音源62からスイッチ69
に至る接続を二系統にして、追加した音像用に第二のコ
ンボルバ93,94を夫々対応させて設けた構成として
いるもので、第3実施例(図4)に対応した構成のもの
である。この実施例によれば、二つの音像をスピ−カの
位置とは異ならせて、180度以上に亘って夫々定位さ
せることができることは勿論、係数バンク92を設け
て、係数供給手段を取り除いた構成にしているために、
その分、回路規模を小さくできると共に、低価格にでき
る。また、係数バンク92における係数を一斉に切り換
える構成にしているため、係数切り換えに時間遅れが生
じることなく、ビデオ画像の動きにあった音像定位を提
供できる。尚、これら第4及び第5実施例において、二
つの音像を想定したが、これ以上の場合であっても当然
に適用できるものである。
【0053】図7は、第6実施例に係るゲーム用音像定
位制御装置の概要各ブロック図である。この実施例にあ
たっては、第1実施例(図1)における一対のコンボル
バ71, 72に加えて、コンボルバ82, 83が並列に
接続されている。また、これらの出力側にフェード手段
80, 81及び加算器84, 85が夫々接続された構成
となっているものである。図8は、クロスフェード処理
のタイミング波形図で、(A)〜(E)のタイミング波
形は、図2の(A)〜(E)と同一タイミング波形であ
る。例えば、今、60度の位置に音像定位処理をしてい
る状態から90度の位置に音像処理している状態へと移
動する場合とする。その場合、第1のコンボルバ71,
72は60度用の係数が供給されて動作中であり、他方
のコンボルバ82,83は非動作中である。この状態
で、第三中央処理ユニット67に60度から90度位置
への音像定情報が入来すると、係数取出手段67aによ
りROM68から対応する係数が読み出されて、係数供
給手段67bから第2のコンボルバ82, 83に供給さ
れると共に、図8(F)、(G)に示すクロスフェード
制御信号がフェード手段80,81に供給される。そし
て、クロスフェード制御信号に応じて、フェード手段8
0, 81が同図(F)、(G)のように動作して、第1
のコンボルバ71, 72の出力がフェードアウトされ、
第2のコンボルバ82, 83への出力がフェードインさ
れて、第1のコンボルバ71, 72から第2のコンボル
バ82, 83へTX時間かけてクロスフェードしながら
切り換えられる。この実施例よれば、コンボルバ71,
72, 82, 83への係数の転送と無関係に比較的長い
時間でクロスフェードさせることができ、ノイズ等が発
生しにくいという利点がある。また、係数供給手段67
bからフェード手段80, 81に供給されるクロスフェ
ード制御信号は開始を指示するようにしても良い。
【0054】図9は、第7実施例に係るゲーム用音像定
位制御装置の概略ブロック図である。この実施例にあた
っては、第3実施例(図4)における一対のコンボルバ
71, 72に加え、更に複数対の各コンボルバ821
831 が夫々並列に接続され、それらの出力側には、フ
ェード手段80,81及び加算器84,85が夫々接続
された構成となっているものである。このような構成に
おいても前記実施例と同様にクロスフェードさせること
ができる。尚、これらの実施例は、フェード手段80,
81を各コンボルバの出力側に設けているが、入力側に
設けても良い。
【0055】また、前述の各実施例において、係数の転
送をフィ−ルド又はフレ−ム同期信号のブランキング期
間内に完了する場合で説明したが、転送に時間がかか
り、例えば、図2(G)に示すように、数msブランキ
ング期間をオ−バしたような場合でも、実質的には同期
関係が保たれ、支障を来すものではなく、要するに実質
的に同期していれば良い。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明になるテレ
ビゲーム用の音像定位装置によれば、画像と音像とが同
期して切り換える得るためにいわゆる(仮想実現感)バ
ーチャルリアリテイが楽しめる。また、単一チャンネル
のオーデイオ・データを用いて音像定位をきめ細かく行
い得るため2チャンネルのオーデイオ・データは不用で
あるのはもちろん音の移動の場合、音像定位毎のオーデ
イオ・データは不用となり、少ないデータでそれが可能
となる。
【0057】更に、画像処理と切り離し音像定位情報間
を制御することにより同期が確実でずれがないためゲー
ムの操作の妨げとならない。
【0058】また更に、コンボルバにより音源からの信
号を時間軸上で処理して音像を定位させるようにしたの
で、実際に音像処理をする回路としては、時間軸上での
畳み込み演算処理回路が必要となるだけであり、回路規
模が非常に小さく安価なものとなる。
【0059】更にまた、請求項2〜5記載のテレビゲー
ム用の音像定位装置によれば、同期手段による係数の切
り換えを垂直ブランキング期間のいわゆる空き時間に行
なうようにしたため速やかに安定して切り換えることが
できる。
【0060】特に、請求項3記載のテレビゲーム用の音
像定位装置によれば、係数をコンボルバに転送するよう
にしたので、全係数の転送が完了するまでに特性が徐々
に変化し、ノイズ等が発生しにくいという利点が得られ
る。
【0061】また特に、請求項4記載のテレビゲーム用
の音像定位装置によれば、係数供給手段が不要となり、
回路規模を小さくでき、装置を低価格に抑えると共に、
係数選択制御手段により係数を選択的に切り換える構成
にしているので、係数をコンボルバに供給する遅れがな
く、画像の動きにあった音が得られる。
【0062】更に、請求項5記載のテレビゲーム用の音
像定位装置によれば、複数の音像を画像と同期して切り
換える得ることができ、より一層のバーチャルリアリテ
イが楽しめる。
【0063】更に又、請求6記載のテレビゲーム用の音
像定位装置によれば、一対のコンボルバが複数組設けら
れて、それらを所定時間かけてクロスフェードさせなが
ら切り換えられるので、ノイズが発生しにくいという利
点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテレビゲ−ム用の音像定位制御装
置の第1の実施例を示す概略ブロック図である。
【図2】同期タイミングを説明するための波形図であ
る。
【図3】第2の実施例を示す概略ブロック図である。
【図4】第3の実施例を示す概略ブロック図である。
【図5】第4の実施例を示す概略ブロック図である。
【図6】第5の実施例を示す概略ブロック図である。
【図7】第6の実施例を示す概略ブロック図である。
【図8】第7の実施例を示す概略ブロック図である。
【図9】クロスフェード処理を説明するための波形図で
ある。
【図10】音像定位制御の原理を説明するための構成図
である。
【図11】本発明のテレビゲーム用の音像定位制御装置
の音像定位制御の方法のステップを示すチャートであ
る。
【図12】HRTF(頭部伝達関数)の測定システムを
示す構成図である。
【図13】音像定位制御装置の基本構成図である。
【図14】HRTF測定のポイントを説明するための図
である。
【図15】キャンセルフィルタの算出例を説明するため
の図である。
【符号の説明】 50 ゲ−ム用カセット 51 中央処理ユニット(CPU) 52 インタ−フェ−ス(IF) 53 CD−ROM 54 グラフィック・システム・プロセッサ(GS
P) 55 コントロ−ラ 57 シンセサイザ 60 テレビモニタ 61 サブ中央処理ユニット(SUB CPU) 62 PCM音源 63 音源RAM 64 MIDI変換手段 66 MIDI音源 67 第三中央処理ユニット 67a 係数取出手段 67b 係数供給手段 68 記憶手段(ROM) 69 スイッチ(SW) 71,72 コンボルバ 73,74 アナログ/デジタル変換器(D/A) 80,81 フェード手段 91 係数選択制御手段 92 係数バンク 101 頭部伝達関数(HRTF)を測定するステッ
プ 102 HRTFのインパルス応答を算出するステッ
プ 103 IR(インパルス応答)を整形処理するステ
ップ 104 キャンセルフィルタcfLx、cfRxを算
出するステップ 105 キャンセルフィルタのスケーリングをするス
テップ 106 音源からの信号を畳み込み演算して再生する
ステップ sp1,sp2 スピーカ h1L,h1R スピーカsp1から受聴者左右耳ま
での頭部伝達特性 h2L,h2R スピーカsp2から受聴者左右耳ま
での頭部伝達特性 pLx,pRx 目的とする定位位置xに実際のスピ
ーカを配置したときの受聴者左右耳までの頭部伝達特性 cfLx,cfRx キャンセルフィルタ(コンボル
バ)及びその係数 DM ダミーヘッド(または人頭) M 聴取者(ゲーム操作者、受聴者) X 音源 x 目的とする音像定位位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04S 5/00 8421−5H 7/00 F 8421−5H

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入来するビデオ・ディスプレイ・デ−タに
    基づいて所定の画像が再生されると共に、離間した一対
    のトランスジュ−サから、モノラル音源が供給された音
    像定位処理手段で音像処理をした信号を再生し、聴取者
    に前記一対のトランスジューサとは異なる任意の位置に
    音像を定位させるように感じさせるテレビゲ−ム用の音
    像定位制御装置において、 前記音像定位処理手段を一対のコンボルバで構成すると
    共に、ゲ−ム・コントロ−ラの操作に基づいて音像の定
    位情報を発生させるための制御手段と、 前記定位情報の発生に続くフレ−ム画像から、このフレ
    −ム画像に同期して前記音像定位処理手段を制御する同
    期制御手段と、を設けたことを特徴とするテレビゲーム
    用の音像定位制御装置。
  2. 【請求項2】 ビデオ・ディスプレイ・デ−タとオ−デ
    ィオ・デ−タと音像定位情報とが供給され、所定の画像
    及び音声を再生するテレビゲ−ム・システムに用いら
    れ、モノラル音源から供給される音声を一対のコンボル
    バに供給して、聴取者に画像と同期して、一対のトラン
    スジュ−サからこれらトランスジュ−サの位置とは異な
    る位置に音像が位置しているように感じさせるためのテ
    レビゲーム用の音像定位制御装置であって、 前記音像の定位位置を変化させるために用意された係数
    を保持する係数保持手段と、 前記音像定位情報を供給されて、これに対応した係数を
    前記係数保持手段から取り出すための係数取出手段と、 この係数取出手段に、前記画像の垂直同期ブランキング
    期間中に前記音像定位情報を供給するための同期手段
    と、 前記係数取出手段により取り出された係数を前記一対の
    コンボルバに供給するための係数供給手段と、を設けた
    ことを特徴とするテレビゲーム用の音像定位制御装置。
  3. 【請求項3】 ビデオ・ディスプレイ・デ−タとオ−デ
    ィオ・デ−タと音像定位情報とが供給され、所定の画像
    及び音声を再生するテレビゲ−ム・システムに用いら
    れ、モノラル音源から供給される音声を一対のコンボル
    バに供給して、聴取者に画像と同期して、一対のトラン
    スジュ−サからこれらトランスジュ−サの位置とは異な
    る位置に音像が位置しているように感じさせるためのテ
    レビゲーム用の音像定位制御装置であって、 前記音像の定位位置を変化させるために用意された係数
    を保持する係数保持手段と、 前記音像定位情報に応答し、これに対応した係数を前記
    係数保持手段から取り出すための係数取出手段と、 前記係数取出手段により取り出された係数を前記一対の
    コンボルバに供給するための係数供給手段と、 この係数供給手段に対し、前記係数を前記画像の垂直同
    期ブランキング期間中に前記一対のコンボルバに供給を
    開始するよう指示する同期手段と、を設けたことを特徴
    とするテレビゲーム用の音像定位制御装置。
  4. 【請求項4】 ビデオ・ディスプレイ・デ−タとオ−デ
    ィオ・デ−タと音像定位情報とが供給され、所定の画像
    及び音声を再生するテレビゲ−ム・システムに用いら
    れ、モノラル音源から供給される音声を一対のコンボル
    バに供給して、聴取者に画像と同期して、一対のトラン
    スジュ−サからこれらトランスジュ−サの位置とは異な
    る位置に音像が位置しているように感じさせるためのテ
    レビゲーム用の音像定位制御装置であって、 前記音像の定位位置を変化させるために用意された係数
    を保持する係数保持手段と、 前記音像定位情報に応答し、これに対応した係数を選択
    的に切り換えて取り出すための係数選択制御手段と、 この係数選択制御手段の出力を、前記画像の垂直同期ブ
    ランキング期間中に、前記係数保持手段に出力させるた
    めの同期手段と、を設けたことを特徴とするテレビゲー
    ム用の音像定位制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4記載のテレビゲ
    ーム用の音像定位制御装置において、一対のコンボルバ
    を複数組設けたことを特徴とするテレビゲーム用の音像
    定位制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5のテレビゲーム用の音像定位制
    御装置において、複数組のコンボルバの入力又は出力側
    にクロスフェード処理する手段をそれぞれ設けたことを
    特徴とするテレビゲーム用の音像定位制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項2,3又は4項記載のテレビゲー
    ム用の音像定位制御装置において、係数供給手段又は係
    数選択制御手段と実質的に同期して一対のコンボルバの
    音声入力を切り換える切り換え制御手段を設けたことを
    特徴とするテレビゲーム用の音像定位制御装置。
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