JPH0623382B2 - 軟質複合ガスケツト - Google Patents
軟質複合ガスケツトInfo
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- JPH0623382B2 JPH0623382B2 JP63171938A JP17193888A JPH0623382B2 JP H0623382 B2 JPH0623382 B2 JP H0623382B2 JP 63171938 A JP63171938 A JP 63171938A JP 17193888 A JP17193888 A JP 17193888A JP H0623382 B2 JPH0623382 B2 JP H0623382B2
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- Japan
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- sheet
- preferable
- ptfe
- soft
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は軟質複合ガスケットに関するものである。
[従来の技術] 従来、バルブ類、ポンプ類、配管用継手類、各種機器類
などに用いるガスケット材としては、石綿を主成分とす
る石綿ジョイントシートガスケットがもっとも一般に知
られている。しかしながら、近年、石綿は環境汚染の問
題があるとして、使用が制限されつつある。石綿を用い
ないガスケット材としては、ゴムシート、ゴムを結合材
としたバーミキュライトシート、膨張黒鉛シート、ポリ
テトラフルオロエチレン樹脂ディスパージョンを含浸さ
せたガラスクロス、カーボンクロスなどが知られてい
る。
などに用いるガスケット材としては、石綿を主成分とす
る石綿ジョイントシートガスケットがもっとも一般に知
られている。しかしながら、近年、石綿は環境汚染の問
題があるとして、使用が制限されつつある。石綿を用い
ないガスケット材としては、ゴムシート、ゴムを結合材
としたバーミキュライトシート、膨張黒鉛シート、ポリ
テトラフルオロエチレン樹脂ディスパージョンを含浸さ
せたガラスクロス、カーボンクロスなどが知られてい
る。
[発明が解決しようとする課題] 従来のガスケットは、それぞれ次に示す様な問題点があ
った。ゴムシートは、耐熱性が低いため、高温での使用
が困難である。ゴムを結合材としたバーミキュライトシ
ートは、ゴムの熱劣化により焼付きを生じ、またシール
性が悪い。膨張黒鉛シートは強度が低く取扱性が悪く、
また、高価である。ポリテトラフルオロエチレン樹脂デ
ィスパージョンを含浸したガラスクロス、カーボンクロ
スは、応力緩和が大きくシール性が悪く、また、高価で
ある。
った。ゴムシートは、耐熱性が低いため、高温での使用
が困難である。ゴムを結合材としたバーミキュライトシ
ートは、ゴムの熱劣化により焼付きを生じ、またシール
性が悪い。膨張黒鉛シートは強度が低く取扱性が悪く、
また、高価である。ポリテトラフルオロエチレン樹脂デ
ィスパージョンを含浸したガラスクロス、カーボンクロ
スは、応力緩和が大きくシール性が悪く、また、高価で
ある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、前述の問題点を解決すべくなされたものであ
る。すなわち、石綿ジョイントシート代替し得る、優れ
た耐熱性、シール性を有し、かつ、環境汚染の問題がな
く、安価であり、さらに耐油、耐水性に優れたガスケッ
ト材を提供しようとするものであり、ポリテトラフルオ
ロエチレン樹脂5重量%以上および含水珪酸塩鉱物粉末
の無機質充填材50重量%以上を必須成分とし、表面に
凹部を有するシート状基材であって、この凹部の大きさ
が5mm四方以下、シート状開口率40%以下の複数独立
の凹部に軟質有機体が充填されていることを特徴とする
軟質複合ガスケットを提供するものである。
る。すなわち、石綿ジョイントシート代替し得る、優れ
た耐熱性、シール性を有し、かつ、環境汚染の問題がな
く、安価であり、さらに耐油、耐水性に優れたガスケッ
ト材を提供しようとするものであり、ポリテトラフルオ
ロエチレン樹脂5重量%以上および含水珪酸塩鉱物粉末
の無機質充填材50重量%以上を必須成分とし、表面に
凹部を有するシート状基材であって、この凹部の大きさ
が5mm四方以下、シート状開口率40%以下の複数独立
の凹部に軟質有機体が充填されていることを特徴とする
軟質複合ガスケットを提供するものである。
本発明において、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以
下、PTFEという)としては、テトラフルオロエチレンの
単独重合体にとどまらず、熔融流動性を付与するに到ら
ない程度の少量(例えば0.5 モル%程度以下)の他の共
単量体を共重合せしめて変性されたものも含まれる。か
かる共単量体としては、ヘキサフルオロプロピレン、パ
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロ
(アルコキシアルキルビニルエーテル)、トリフルオロ
エチレン、パーフルオロアルキルエチレンなどが例示さ
れる。また、あまりに低分子量のものでは液状あるいは
ゲル状となり好ましくなく、好ましくは、標準比重から
計算される分子量が103以上の固体を50%以上含むもの
である。また、乳化重合により得られたPTFEがフィブリ
ル化し易いため好ましい。
下、PTFEという)としては、テトラフルオロエチレンの
単独重合体にとどまらず、熔融流動性を付与するに到ら
ない程度の少量(例えば0.5 モル%程度以下)の他の共
単量体を共重合せしめて変性されたものも含まれる。か
かる共単量体としては、ヘキサフルオロプロピレン、パ
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロ
(アルコキシアルキルビニルエーテル)、トリフルオロ
エチレン、パーフルオロアルキルエチレンなどが例示さ
れる。また、あまりに低分子量のものでは液状あるいは
ゲル状となり好ましくなく、好ましくは、標準比重から
計算される分子量が103以上の固体を50%以上含むもの
である。また、乳化重合により得られたPTFEがフィブリ
ル化し易いため好ましい。
本発明において、無機質充填材としては、耐熱性、耐薬
品性に優れた無機質粉末、粉末状無機質繊維またはカー
ボン粉末が好ましく採用される。無機質粉末としては、
平均粒径が100 μ程度以下のものが好ましく採用され
る。平均粒径が大きすぎると、シート状基材とした時の
表面平滑性が損なわれ、好ましくない。また、平均粒径
の大きな無機質粉末では、シーノ状基材の緻密性が得ら
れず、気孔率および気孔径が大きいものとなりシール性
が充分でなくなり好ましくない。また、粒径の大きい硬
質の無機質粉末を用いた場合に、成形時に成形装置を損
傷することがあり好ましくない。さらに好ましくは、平
均粒径0.1 〜70μ程度の無機質粉末である。また、無機
質粉末として、粒径の異なる2種以上を混合使用すると
充填効率が向上し、好ましい。かかる無機質粉末として
は、ケイ素およびアルミニウムを主体とし、マグネシウ
ム、鉄、アルカリ土類金属、アルカリ金属などを含む含
水珪酸塩鉱物の粉末である一般に粘土と呼ばれる粉末、
ワラストナイトなどの天然鉱物粉末、シリカ、アルミ
ナ、ガラス、酸化チタン、酸化鉄等の酸化物粉末、硼化
ジルコニウム、窒化アルミ、窒化ケイ素、窒化硼素、炭
化シルコン、炭化ケイ素、炭化タングステンなどのセラ
ミック粉末、硫化ニッケル、硫酸ジルコニウム、二硫化
モリブテンなどの硫化物粉末などが例示される。中でも
天然鉱物粉末が好ましく採用される。特に、カオリナイ
ト、ハロイサイト、加水ハロイサイトなどに代表される
カオリン型の粘土が好ましい。また、粉末状無機質繊維
としては、直径0.1 〜30μ程度、特に好ましくは直径0.
5 〜15μ程度であり、長さ50〜300μ、特に好ましくは7
0〜200 μ程度が好ましく採用される。かかる粉末状無
機質繊維としては、粉末状カーボン繊維、粉末状ガラス
繊維粉末、粉末状アルミナ繊維、各種粉末状天然鉱物繊
維などが例示される。また、カーボン粉末としては、粒
径0.01〜0.1 μ程度のものが好ましく採用される。
品性に優れた無機質粉末、粉末状無機質繊維またはカー
ボン粉末が好ましく採用される。無機質粉末としては、
平均粒径が100 μ程度以下のものが好ましく採用され
る。平均粒径が大きすぎると、シート状基材とした時の
表面平滑性が損なわれ、好ましくない。また、平均粒径
の大きな無機質粉末では、シーノ状基材の緻密性が得ら
れず、気孔率および気孔径が大きいものとなりシール性
が充分でなくなり好ましくない。また、粒径の大きい硬
質の無機質粉末を用いた場合に、成形時に成形装置を損
傷することがあり好ましくない。さらに好ましくは、平
均粒径0.1 〜70μ程度の無機質粉末である。また、無機
質粉末として、粒径の異なる2種以上を混合使用すると
充填効率が向上し、好ましい。かかる無機質粉末として
は、ケイ素およびアルミニウムを主体とし、マグネシウ
ム、鉄、アルカリ土類金属、アルカリ金属などを含む含
水珪酸塩鉱物の粉末である一般に粘土と呼ばれる粉末、
ワラストナイトなどの天然鉱物粉末、シリカ、アルミ
ナ、ガラス、酸化チタン、酸化鉄等の酸化物粉末、硼化
ジルコニウム、窒化アルミ、窒化ケイ素、窒化硼素、炭
化シルコン、炭化ケイ素、炭化タングステンなどのセラ
ミック粉末、硫化ニッケル、硫酸ジルコニウム、二硫化
モリブテンなどの硫化物粉末などが例示される。中でも
天然鉱物粉末が好ましく採用される。特に、カオリナイ
ト、ハロイサイト、加水ハロイサイトなどに代表される
カオリン型の粘土が好ましい。また、粉末状無機質繊維
としては、直径0.1 〜30μ程度、特に好ましくは直径0.
5 〜15μ程度であり、長さ50〜300μ、特に好ましくは7
0〜200 μ程度が好ましく採用される。かかる粉末状無
機質繊維としては、粉末状カーボン繊維、粉末状ガラス
繊維粉末、粉末状アルミナ繊維、各種粉末状天然鉱物繊
維などが例示される。また、カーボン粉末としては、粒
径0.01〜0.1 μ程度のものが好ましく採用される。
また、本発明において、無機質充填材としては、無機質
粉末の単独もしくは無機質粉末と若干量の粉末状無機質
繊維およびまたはカーボン粉末の混合物が好ましく採用
される。無機質粉末を単独でまたは無機質粉末とカーボ
ン粉末の混合物を用いると、シート状基材の低気孔率
化、小気孔径化が容易となるため好ましい。また、粉末
状無機質繊維を混合使用した場合、粉末状無機質繊維を
混合使用しない場合に比べ、低気孔率化、小気孔径化が
若干難しくなるが、圧縮率の大きなシート状基材となる
ため。シール面のなじみ性が優れたものとなる。また、
無機質充填材として、粉末状無機質繊維またはカーボン
粉末を単独で、または粉末状無機質繊維とカーボン粉末
の混合物を用いると、シート状成形が困難になったり、
気孔率や気孔径の小さなシート状基材が得られ難くなっ
たりするため、このような使用状態は好ましいとはいえ
ない。無機質充填材として、無機質粉末と粉末状無機質
繊維およびまたはカーボン粉末の混合物を用いる場合の
混合割合は、無機質粉末100 重量部当り粉末状無機質繊
維およびまたはカーボン粉末が30重量部程度以下とする
ことが好ましい。粉末状無機質繊維およびまたはカーボ
ン粉末の割合が大きすぎると、シート状基材の成形性が
悪くなり、また気孔率および平均気孔径が大きくなるた
めシール性が悪くなったりシート状基材の寿命が小さな
ものになり、好ましくない。
粉末の単独もしくは無機質粉末と若干量の粉末状無機質
繊維およびまたはカーボン粉末の混合物が好ましく採用
される。無機質粉末を単独でまたは無機質粉末とカーボ
ン粉末の混合物を用いると、シート状基材の低気孔率
化、小気孔径化が容易となるため好ましい。また、粉末
状無機質繊維を混合使用した場合、粉末状無機質繊維を
混合使用しない場合に比べ、低気孔率化、小気孔径化が
若干難しくなるが、圧縮率の大きなシート状基材となる
ため。シール面のなじみ性が優れたものとなる。また、
無機質充填材として、粉末状無機質繊維またはカーボン
粉末を単独で、または粉末状無機質繊維とカーボン粉末
の混合物を用いると、シート状成形が困難になったり、
気孔率や気孔径の小さなシート状基材が得られ難くなっ
たりするため、このような使用状態は好ましいとはいえ
ない。無機質充填材として、無機質粉末と粉末状無機質
繊維およびまたはカーボン粉末の混合物を用いる場合の
混合割合は、無機質粉末100 重量部当り粉末状無機質繊
維およびまたはカーボン粉末が30重量部程度以下とする
ことが好ましい。粉末状無機質繊維およびまたはカーボ
ン粉末の割合が大きすぎると、シート状基材の成形性が
悪くなり、また気孔率および平均気孔径が大きくなるた
めシール性が悪くなったりシート状基材の寿命が小さな
ものになり、好ましくない。
本発明におけるシート状基材は、PTFEを5重量%以上、
無機質充填材を50重量%以上含有することが好ましい。
PTFEの量が5重量%よりも小さい場合には、シート状基
材としてのシート成形が難しく、また、成形されたシー
トも圧縮に対する復元率が小さいものとなり、気孔率の
小さなシート状基材が得られ難くなり、ガスケットとし
ての使用に耐え難いものとなるため好ましくない。特に
PTFEが10重量%以上含まれることが好ましい。PTFEの量
の上限は特に限定されないが、あまりに多くなりすぎる
と高価なものになり、汎用ガスケット材としての特徴が
薄れること、ガスケット材の圧縮率が低下することなど
から、50重量%以下、特に40重量%以下とすることが好
ましい。また、無機質充填材の量が50重量%よりも小さ
な場合には、応力緩和率が大きくなり好ましくない。ま
た、高価なものとなるため汎用ガスケットとしての利用
に適さなくなることもある。無機質充填材の量が大きく
なると、応力緩和率が小さくなるが、気孔率および気孔
径の小さく緻密なシート状基材を得難くなる。すなわ
ち、シール性が低下し易くなる傾向がある。好ましい無
機質充填材の含有量は60〜90重量%である。
無機質充填材を50重量%以上含有することが好ましい。
PTFEの量が5重量%よりも小さい場合には、シート状基
材としてのシート成形が難しく、また、成形されたシー
トも圧縮に対する復元率が小さいものとなり、気孔率の
小さなシート状基材が得られ難くなり、ガスケットとし
ての使用に耐え難いものとなるため好ましくない。特に
PTFEが10重量%以上含まれることが好ましい。PTFEの量
の上限は特に限定されないが、あまりに多くなりすぎる
と高価なものになり、汎用ガスケット材としての特徴が
薄れること、ガスケット材の圧縮率が低下することなど
から、50重量%以下、特に40重量%以下とすることが好
ましい。また、無機質充填材の量が50重量%よりも小さ
な場合には、応力緩和率が大きくなり好ましくない。ま
た、高価なものとなるため汎用ガスケットとしての利用
に適さなくなることもある。無機質充填材の量が大きく
なると、応力緩和率が小さくなるが、気孔率および気孔
径の小さく緻密なシート状基材を得難くなる。すなわ
ち、シール性が低下し易くなる傾向がある。好ましい無
機質充填材の含有量は60〜90重量%である。
本発明におけるシート状基材は、上記PTFE、無機質充填
材の他に、合成樹脂、無機質繊維などを含んでいてもよ
い。かかる合成樹脂としては、耐熱性、耐油性等に優れ
たものが好ましく、例えば、パーフルオロアルコキシ樹
脂、パーフルオロエチレンプロピレン樹脂などのフッ素
樹脂や、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリー
ルスルホン樹脂などが例示される。また、無機質繊維と
しては、アルミナ繊維、カーボン繊維、ガラス繊維など
が例示されるが、これらは混合あるいはシート状基材成
形時に砕かれるが、粉末状に砕かれるものは少なく、大
半は比較的長い繊維としてシート状基材中に存在するこ
とになる。この様な繊維が存在する場合には、シート状
基材の強度が向上するが、気孔率および平均気孔径を小
さなものにすることが困難になるため、あまりに多量に
入れることは好ましくない。無機質繊維の添加量は、3
重量%以下であることが好ましい。
材の他に、合成樹脂、無機質繊維などを含んでいてもよ
い。かかる合成樹脂としては、耐熱性、耐油性等に優れ
たものが好ましく、例えば、パーフルオロアルコキシ樹
脂、パーフルオロエチレンプロピレン樹脂などのフッ素
樹脂や、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリー
ルスルホン樹脂などが例示される。また、無機質繊維と
しては、アルミナ繊維、カーボン繊維、ガラス繊維など
が例示されるが、これらは混合あるいはシート状基材成
形時に砕かれるが、粉末状に砕かれるものは少なく、大
半は比較的長い繊維としてシート状基材中に存在するこ
とになる。この様な繊維が存在する場合には、シート状
基材の強度が向上するが、気孔率および平均気孔径を小
さなものにすることが困難になるため、あまりに多量に
入れることは好ましくない。無機質繊維の添加量は、3
重量%以下であることが好ましい。
本発明におけるシート状基材は気孔率、気孔径の小さい
ものが好ましい。
ものが好ましい。
気孔率および気孔径の小さなシート状基材の製造方法と
しては種々あるが、容易な方法を以下に例示する。一つ
目は、合成樹脂、あるいは液状物を含浸あるいは添加す
る方法である。この方法は、シート状物成形前に熱可塑
性樹脂などの合成樹脂を添加しておき、シート状成形時
あるいはシート成形後に合成樹脂の融点以上に加熱する
ことにより、気孔部分に合成樹脂を充填せしめることに
より、気孔率および気孔径を低下せしめることができ、
また、シート状物成形後、オイル、合成樹脂溶融物など
の液状物を含浸せしめることにより気孔率および気孔径
を低下せしめることができる。しかしながら、この様な
方法では、シート状基材内部および表面に合成樹脂等が
存在するため、高温において本発明の軟質複合ガスケッ
トを使用した場合に焼付きなどが生じるおそれがあるた
め、高温で使用するガスケットの製法としては好ましい
とはいえない。二つ目はシート状物を成形後再度加圧す
る方法である。このシート状物成形後あるいは焼成後に
加圧を行う方法である。この加圧方法としては、プレス
型またはロールによる加圧方法が例示される。ここで、
プレス型による加圧よりもロールによる加圧の方が、連
続的な加圧作業が可能であるため、作業性に優れ、好ま
しく採用される。また、加圧圧力としては、通常シート
状物成形時と同等またはそれ以上の圧力であることが好
ましい。この圧力は、シート状物の状態あるいは要求す
るガスケット材の物性等によって適宜選定されるが、あ
まりに高い圧力で加圧してもその改良効果は期待するほ
どに得られない。加圧圧力としては、面圧で1000kgf/cm
2程度以下が好ましく、通常200 〜700kgf/cm2程度が採
用される。また、この加圧する方法は、同時に加熱する
ことが好ましい。加熱することによりPTFEの可塑性が向
上するため、加圧圧力がそれ程大きくなくても、気孔率
および気孔径を容易に低下せしめることができる。加圧
温度としては、あまり低温ではその効果は充分に発揮さ
れず、またあまりに高温ではPTFEが熱分解する可能性が
あるため好ましくない。好ましくは250 〜400 ℃程度、
特に300 〜380 ℃程度とすることが好ましい。三つ目は
無機質充填材として粒径の異なる2種または3種の無機
質微粉末の混合使用または粒径の異なる2種または3種
の無機質微粉末の混合物にカーボンの微粉末を混合使用
して充填効率を向上せしめる方法である。この方法は、
無機質微粉末の大粒径同志の隙間を中・小粒径微粉末で
埋められるので気孔率および気孔径を低下せしめること
ができる。またカーボン粉末は大・中・小無機質微粉末
同志の隙間を埋めると同時に、その低摩擦性によりシー
ト成形時に無機質微粉末同志のすべりを促進して充填材
同志の充填性を高める効果がある。また、この方法は前
記の方法に比べてシート状基材の製造が容易なので、汎
用性に優れた軟質複合ガスケットを得ることができる。
しては種々あるが、容易な方法を以下に例示する。一つ
目は、合成樹脂、あるいは液状物を含浸あるいは添加す
る方法である。この方法は、シート状物成形前に熱可塑
性樹脂などの合成樹脂を添加しておき、シート状成形時
あるいはシート成形後に合成樹脂の融点以上に加熱する
ことにより、気孔部分に合成樹脂を充填せしめることに
より、気孔率および気孔径を低下せしめることができ、
また、シート状物成形後、オイル、合成樹脂溶融物など
の液状物を含浸せしめることにより気孔率および気孔径
を低下せしめることができる。しかしながら、この様な
方法では、シート状基材内部および表面に合成樹脂等が
存在するため、高温において本発明の軟質複合ガスケッ
トを使用した場合に焼付きなどが生じるおそれがあるた
め、高温で使用するガスケットの製法としては好ましい
とはいえない。二つ目はシート状物を成形後再度加圧す
る方法である。このシート状物成形後あるいは焼成後に
加圧を行う方法である。この加圧方法としては、プレス
型またはロールによる加圧方法が例示される。ここで、
プレス型による加圧よりもロールによる加圧の方が、連
続的な加圧作業が可能であるため、作業性に優れ、好ま
しく採用される。また、加圧圧力としては、通常シート
状物成形時と同等またはそれ以上の圧力であることが好
ましい。この圧力は、シート状物の状態あるいは要求す
るガスケット材の物性等によって適宜選定されるが、あ
まりに高い圧力で加圧してもその改良効果は期待するほ
どに得られない。加圧圧力としては、面圧で1000kgf/cm
2程度以下が好ましく、通常200 〜700kgf/cm2程度が採
用される。また、この加圧する方法は、同時に加熱する
ことが好ましい。加熱することによりPTFEの可塑性が向
上するため、加圧圧力がそれ程大きくなくても、気孔率
および気孔径を容易に低下せしめることができる。加圧
温度としては、あまり低温ではその効果は充分に発揮さ
れず、またあまりに高温ではPTFEが熱分解する可能性が
あるため好ましくない。好ましくは250 〜400 ℃程度、
特に300 〜380 ℃程度とすることが好ましい。三つ目は
無機質充填材として粒径の異なる2種または3種の無機
質微粉末の混合使用または粒径の異なる2種または3種
の無機質微粉末の混合物にカーボンの微粉末を混合使用
して充填効率を向上せしめる方法である。この方法は、
無機質微粉末の大粒径同志の隙間を中・小粒径微粉末で
埋められるので気孔率および気孔径を低下せしめること
ができる。またカーボン粉末は大・中・小無機質微粉末
同志の隙間を埋めると同時に、その低摩擦性によりシー
ト成形時に無機質微粉末同志のすべりを促進して充填材
同志の充填性を高める効果がある。また、この方法は前
記の方法に比べてシート状基材の製造が容易なので、汎
用性に優れた軟質複合ガスケットを得ることができる。
本発明におけるシート状基材において、PTFEはフィブリ
ル化されており、無機質充填材がそのフィブリル間に存
在していることが好ましい。PTFEがフィブリル化されて
いない、または無機質充填材がPTFEのフィブリル間に存
在しない場合には、シート状基材は極めて脆いものとな
り、実際の使用には耐えられないものとなることがあ
る。PTFEがフィブリル化されている、すなわち、ミクロ
三次元網目構造を形成しており、無機質充填材がその三
次元網目構造の間に均一に分散して存在している、すな
わち、無機質充填材がPTFEのフィブリルにより強固に保
持されていると、無機質充填材量が極めて多くともガス
ケット材として充分な強度が得られるのである。また、
この様な構造を有するシート状基材は、PTFEが基材全体
にわたって均一に存在するため、少量のPTFE含有量にも
かかわらず、軟質複合ガスケット全体にPTFEの優れた撥
水、撥油性が発揮されるものである。すなわち、軟質複
合ガスケットが耐油性、耐水性に優れたものとなる。PT
FEは、高剪断力をかけることにより容易にフィブリル化
されうるものである。また、PTFEのフィブリル間に均一
に無機質充填材を分散させる方法としては、フィブリル
化されていないPTFEと無機質充填材を添加した後、混合
と同時または均一混合後にPTFEをフィブリル化する方法
などにより容易に達成される。例えば、所定割合のPTFE
粉末の無機質充填材をナフサなどの加工助剤の存在下ま
たは非存在下に例えばミキサーなどにより高速撹拌する
方法など、高剪断力下に撹拌混合することにより達成さ
れる。また、この混合物を、シリンダ断面積とノズル部
断面積の比の大きな押打機で押出するなど、さらに高剪
断力を加えることにより、PTFEをより高度にフィブリル
化することもできる。
ル化されており、無機質充填材がそのフィブリル間に存
在していることが好ましい。PTFEがフィブリル化されて
いない、または無機質充填材がPTFEのフィブリル間に存
在しない場合には、シート状基材は極めて脆いものとな
り、実際の使用には耐えられないものとなることがあ
る。PTFEがフィブリル化されている、すなわち、ミクロ
三次元網目構造を形成しており、無機質充填材がその三
次元網目構造の間に均一に分散して存在している、すな
わち、無機質充填材がPTFEのフィブリルにより強固に保
持されていると、無機質充填材量が極めて多くともガス
ケット材として充分な強度が得られるのである。また、
この様な構造を有するシート状基材は、PTFEが基材全体
にわたって均一に存在するため、少量のPTFE含有量にも
かかわらず、軟質複合ガスケット全体にPTFEの優れた撥
水、撥油性が発揮されるものである。すなわち、軟質複
合ガスケットが耐油性、耐水性に優れたものとなる。PT
FEは、高剪断力をかけることにより容易にフィブリル化
されうるものである。また、PTFEのフィブリル間に均一
に無機質充填材を分散させる方法としては、フィブリル
化されていないPTFEと無機質充填材を添加した後、混合
と同時または均一混合後にPTFEをフィブリル化する方法
などにより容易に達成される。例えば、所定割合のPTFE
粉末の無機質充填材をナフサなどの加工助剤の存在下ま
たは非存在下に例えばミキサーなどにより高速撹拌する
方法など、高剪断力下に撹拌混合することにより達成さ
れる。また、この混合物を、シリンダ断面積とノズル部
断面積の比の大きな押打機で押出するなど、さらに高剪
断力を加えることにより、PTFEをより高度にフィブリル
化することもできる。
本発明におけるシート状基材は、前述したPTFEフィブリ
ル間に無機質充填材を分散させた組成物を、プレス型あ
るいはロールなどにより加圧成形、圧延成形など公知の
シート成形法により製造することができる。特に製造作
業上、連続成形が可能であるロール圧延成形法が好まし
く採用される。
ル間に無機質充填材を分散させた組成物を、プレス型あ
るいはロールなどにより加圧成形、圧延成形など公知の
シート成形法により製造することができる。特に製造作
業上、連続成形が可能であるロール圧延成形法が好まし
く採用される。
本発明におけるシート状基材において、PTFEは焼成され
ていても良く、未焼成であっても良い。PTFEを焼成する
場合、シート成形後に焼成することが好ましい。PTFEを
シート成形前に焼成するとシート成形が困難になる。ま
たPTFEをフィブリル化前に焼成するとフィブリル化が困
難になるという問題がある。
ていても良く、未焼成であっても良い。PTFEを焼成する
場合、シート成形後に焼成することが好ましい。PTFEを
シート成形前に焼成するとシート成形が困難になる。ま
たPTFEをフィブリル化前に焼成するとフィブリル化が困
難になるという問題がある。
本発明の軟質複合ガスケットは、上記シート状基材の表
面に凹部が形成され、この凹部に軟質有機体が充填され
ている。このため、本発明の軟質複合ガスケットは、圧
縮率が高く、シート面のなじみ性がよい。したがって、
シール面においても高いシール性が発揮される。
面に凹部が形成され、この凹部に軟質有機体が充填され
ている。このため、本発明の軟質複合ガスケットは、圧
縮率が高く、シート面のなじみ性がよい。したがって、
シール面においても高いシール性が発揮される。
本発明における軟質有機体としては、合成樹脂、合成ゴ
ム、天然ゴムなどが採用される。好ましくは、JIS K630
1 のスプリング式硬さ試験A形で90゜以下である有機体
が好ましく採用される。上記試験で90゜より大きなもの
では、ガスケットの圧縮率が小さくない。シール面のな
じみ性が悪くなる傾向がある。特に好ましくは、上記試
験で80゜以下のものである。具体的には、天然ゴム、合
成天然ゴム、ブタジエンスチレンゴム、ブタジエンアク
リロニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、多
硫化ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ハイパロ
ン、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコー
ン樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂
などが例示される。
ム、天然ゴムなどが採用される。好ましくは、JIS K630
1 のスプリング式硬さ試験A形で90゜以下である有機体
が好ましく採用される。上記試験で90゜より大きなもの
では、ガスケットの圧縮率が小さくない。シール面のな
じみ性が悪くなる傾向がある。特に好ましくは、上記試
験で80゜以下のものである。具体的には、天然ゴム、合
成天然ゴム、ブタジエンスチレンゴム、ブタジエンアク
リロニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、多
硫化ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ハイパロ
ン、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコー
ン樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂
などが例示される。
また、本発明における凹部は複数独立に形成されている
ことが好ましい。凹部が連続的に形成されている。すな
わち、溝状の凹部が形成されていると、その溝に添って
リークする可能性があり好ましくない。また複数の凹部
はシート状基材表面に均一に分散されているほうが好ま
しい。独立した各凹部の大きさは特に限定されないが、
あまりに大きなものでは、軟質有機体のフローにより、
シール性の低下が生じる恐れがあり、好ましいとはいえ
ない。好ましくは、ガスケットの幅の10分の1程度以下
のものが採用されるが、これに限定されるものではな
く、用途、製法などにより、適宜選択することが望まし
い。通常は、5mm四方程度以下、特に2mm四方程度以下
の凹部が好ましく採用される。また、凹部の深さとし
は、シート状基材の厚さの3分の1程度以下であること
が好ましい凹部の開口部の面積の合計のシート状基材の
凹部が形成される表面の面積に対する割合(以下、開口
率という)が40%程度以下、特に25%以下であることが
好ましい。凹部の大きさ、深さ、開口率が上記割合より
も大きすぎると圧縮率が大きくなりすぎ、汎用の締付力
においてもフローがすすみ、応力緩和率が大きくなり、
シール性が悪くなる。また、複合ガスケット材の強度が
小さくなり、好ましくない。
ことが好ましい。凹部が連続的に形成されている。すな
わち、溝状の凹部が形成されていると、その溝に添って
リークする可能性があり好ましくない。また複数の凹部
はシート状基材表面に均一に分散されているほうが好ま
しい。独立した各凹部の大きさは特に限定されないが、
あまりに大きなものでは、軟質有機体のフローにより、
シール性の低下が生じる恐れがあり、好ましいとはいえ
ない。好ましくは、ガスケットの幅の10分の1程度以下
のものが採用されるが、これに限定されるものではな
く、用途、製法などにより、適宜選択することが望まし
い。通常は、5mm四方程度以下、特に2mm四方程度以下
の凹部が好ましく採用される。また、凹部の深さとし
は、シート状基材の厚さの3分の1程度以下であること
が好ましい凹部の開口部の面積の合計のシート状基材の
凹部が形成される表面の面積に対する割合(以下、開口
率という)が40%程度以下、特に25%以下であることが
好ましい。凹部の大きさ、深さ、開口率が上記割合より
も大きすぎると圧縮率が大きくなりすぎ、汎用の締付力
においてもフローがすすみ、応力緩和率が大きくなり、
シール性が悪くなる。また、複合ガスケット材の強度が
小さくなり、好ましくない。
本発明において、凹部はシート状基材の片面または両面
に形成されていてもよい。特に両面に形成されているこ
とが好ましい。かかる凹部の形成は、エンボス金型でプ
レスする、エンボスロール間を通過させるなどの方法に
より行なうことが可能である。
に形成されていてもよい。特に両面に形成されているこ
とが好ましい。かかる凹部の形成は、エンボス金型でプ
レスする、エンボスロール間を通過させるなどの方法に
より行なうことが可能である。
また、かかる凹部への前記軟質有機体の充填は、軟質有
機体の溶液または融解物に凹部を形成したシート状基材
を浸漬する、あるいは凹部を形成したシート状基材に上
記溶液または溶解物をスプレーなどの方法により塗布す
るなどの方法が例示される。この軟質有機体の充填の
際、凹部のみに充填されていることが最も好ましい。こ
の場合、上記の如き方法で行なうと、凹部以外はマスキ
ングしておく必要が生じ、作業が煩雑になり大量生産に
適さなくなるばかりでなく、製造費用が高くなるため、
実用上この方法はあまり採用されない。通常は、凹部以
外にも軟質有機体の層が形成されている。軟質有機体の
層がシート状基材全面に形成されている場合には、凹部
を除く部分の厚さが15μ以下であることが好ましい。軟
質有機体の層が厚くなると、応力緩和率が大きくなり、
シール性が悪くなるため好ましくない。特にその厚さは
10μ以下とすることが好ましい。
機体の溶液または融解物に凹部を形成したシート状基材
を浸漬する、あるいは凹部を形成したシート状基材に上
記溶液または溶解物をスプレーなどの方法により塗布す
るなどの方法が例示される。この軟質有機体の充填の
際、凹部のみに充填されていることが最も好ましい。こ
の場合、上記の如き方法で行なうと、凹部以外はマスキ
ングしておく必要が生じ、作業が煩雑になり大量生産に
適さなくなるばかりでなく、製造費用が高くなるため、
実用上この方法はあまり採用されない。通常は、凹部以
外にも軟質有機体の層が形成されている。軟質有機体の
層がシート状基材全面に形成されている場合には、凹部
を除く部分の厚さが15μ以下であることが好ましい。軟
質有機体の層が厚くなると、応力緩和率が大きくなり、
シール性が悪くなるため好ましくない。特にその厚さは
10μ以下とすることが好ましい。
[作 用] 本発明の軟質複合ガスケットは、特定のシート状基材を
用いている。すなわち、石綿を含まないため、環境汚染
の問題がない。また、シート状基材表面に凹部が形成さ
れ、そこに軟質有機体が充填されているため、圧縮率が
大きくなじみ性の良いガスケットとなるものである。さ
らに、上記凹部が複数独立に形成されていることによ
り、締付時に軟質有機体のフロー、はみ出しがないた
め、ガスケットの復元力が維持される。すなわち良好な
シール性が長期にわたって保持されるものと考えられ
る。
用いている。すなわち、石綿を含まないため、環境汚染
の問題がない。また、シート状基材表面に凹部が形成さ
れ、そこに軟質有機体が充填されているため、圧縮率が
大きくなじみ性の良いガスケットとなるものである。さ
らに、上記凹部が複数独立に形成されていることによ
り、締付時に軟質有機体のフロー、はみ出しがないた
め、ガスケットの復元力が維持される。すなわち良好な
シール性が長期にわたって保持されるものと考えられ
る。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、かかる実施例により本発明は何ら限定されるもので
はない。
が、かかる実施例により本発明は何ら限定されるもので
はない。
実施例1、比較例1,2 PTFE粉末(旭フロロポリマー製CD−1)40重量部、カ
オリナイトクレー(土屋カオリン工業社製カタルポ(平
均粒径10μ)とエンゲルハルト社製ASP170(平
均粒径0.4μ)の混合物;カタルポ:ASP 170 =9:
1)55重量部、カーボン粉末(三菱化成製MA-100)5重
量部に1,1,1-トリクロロエタン250 重量部を加え、ミキ
サーで20分間撹拌し、ろ過した後、ろ過物を常温で乾燥
させた後、高粘度有機溶剤(エクソン製アイソパーM)
17重量部を加えニーダーで10分間撹拌した。撹拌後約15
時間熟成した。この熟成部を押出部断面寸法105mm で角
度40゜の円錐部、シリンダー断面積とノズル部断面積の
比が15である金型に注入し、常温にて圧力40kgf/cm2、
押出速度120mm/hrで押出して板状物を得た。この板状物
を外径200mm 、長さ400mm の鉄製エンボス仕様二転ロー
ラー(凹部の仕様:高さ0.5mm 、タテ×ヨコ寸1mm×1
mm,ピッチ0.5mm )に圧縮比18、速度1800mm/hr で挿入
し、巾300 mm、厚さ1.5mm、独立した各凹部(図中符号
3)の大きさ1mm×1mm、深さ0.5mm であり、開口率25
%の長尺シートを得た。長尺シートを300 ℃で熱風乾燥
した後、350 ℃で3時間焼成してシート状基材(図中符
号1)を得た。
オリナイトクレー(土屋カオリン工業社製カタルポ(平
均粒径10μ)とエンゲルハルト社製ASP170(平
均粒径0.4μ)の混合物;カタルポ:ASP 170 =9:
1)55重量部、カーボン粉末(三菱化成製MA-100)5重
量部に1,1,1-トリクロロエタン250 重量部を加え、ミキ
サーで20分間撹拌し、ろ過した後、ろ過物を常温で乾燥
させた後、高粘度有機溶剤(エクソン製アイソパーM)
17重量部を加えニーダーで10分間撹拌した。撹拌後約15
時間熟成した。この熟成部を押出部断面寸法105mm で角
度40゜の円錐部、シリンダー断面積とノズル部断面積の
比が15である金型に注入し、常温にて圧力40kgf/cm2、
押出速度120mm/hrで押出して板状物を得た。この板状物
を外径200mm 、長さ400mm の鉄製エンボス仕様二転ロー
ラー(凹部の仕様:高さ0.5mm 、タテ×ヨコ寸1mm×1
mm,ピッチ0.5mm )に圧縮比18、速度1800mm/hr で挿入
し、巾300 mm、厚さ1.5mm、独立した各凹部(図中符号
3)の大きさ1mm×1mm、深さ0.5mm であり、開口率25
%の長尺シートを得た。長尺シートを300 ℃で熱風乾燥
した後、350 ℃で3時間焼成してシート状基材(図中符
号1)を得た。
このシート状基材を、第1表に示す組成の軟質有機体の
組成物をトルエン/酢酸nプロピル=80/20 である混合
溶剤に固形濃度10重量%となるように調整した液に15時
間浸漬させた後、風乾し、 100℃で30分加熱し、軟質複
合ガスケットを得た。この軟質複合ガスケットは、凹部
に軟質有機体(図中符号2)が充填されており、凹部を
除く部分の軟質有機体の被覆厚さは平均約3μであっ
た。またこの軟質有機体のJIS K6301のスプリング式硬
さ試験A形の試験結果は80゜であった。
組成物をトルエン/酢酸nプロピル=80/20 である混合
溶剤に固形濃度10重量%となるように調整した液に15時
間浸漬させた後、風乾し、 100℃で30分加熱し、軟質複
合ガスケットを得た。この軟質複合ガスケットは、凹部
に軟質有機体(図中符号2)が充填されており、凹部を
除く部分の軟質有機体の被覆厚さは平均約3μであっ
た。またこの軟質有機体のJIS K6301のスプリング式硬
さ試験A形の試験結果は80゜であった。
この軟質複合ガスケットを用いて圧縮率、復元率、応力
緩和率、耐油性、耐水性、シール性の試験を行った結果
を第2表に示した。
緩和率、耐油性、耐水性、シール性の試験を行った結果
を第2表に示した。
また、比較例1として、凹部形成および、軟質有機体の
被覆をしない他は実施例1と同様にして得たシート材、
および、比較例2として、凹部形成をしない他は実施例
1と同様にして得たシート材について同様の試験を行な
った結果を第2表に示した。
被覆をしない他は実施例1と同様にして得たシート材、
および、比較例2として、凹部形成をしない他は実施例
1と同様にして得たシート材について同様の試験を行な
った結果を第2表に示した。
比較例3 PTFE粉末40重量部、カオリナイトクレー(カタル
ポ:ASF170=9:1)を20重量部、カーボン粉
末5重量部とする以外は実施例1と同様にして得た複合
ガスケットを試験したところ、圧縮率7%、復元率30
%、応力緩和率70%、耐油性1%、耐水性1%、シー
ル性0.10ml/minであった。
ポ:ASF170=9:1)を20重量部、カーボン粉
末5重量部とする以外は実施例1と同様にして得た複合
ガスケットを試験したところ、圧縮率7%、復元率30
%、応力緩和率70%、耐油性1%、耐水性1%、シー
ル性0.10ml/minであった。
比較例4 PTFE粉末40重量部、カオリナイトクレー(カタル
ポ:ASP170=9:1)を30重量部、カーボン粉
末5重量部とする以外は実施例1と同様にして得た複合
ガスケットを試験したところ、圧縮率12%、復元率3
0%、応力緩和率50%、耐油性1%、耐水性1%、シ
ール性0.10ml/minであった。
ポ:ASP170=9:1)を30重量部、カーボン粉
末5重量部とする以外は実施例1と同様にして得た複合
ガスケットを試験したところ、圧縮率12%、復元率3
0%、応力緩和率50%、耐油性1%、耐水性1%、シ
ール性0.10ml/minであった。
[発明の効果] 本発明の軟質複合ガスケットは、耐油性、耐水性に優
れ、かつ環境汚染の問題がないものである。また、特殊
な構造をしているため、圧縮率が大きく、シール面のな
じみ性が優れており、かつ耐コールドフロー性が良い。
したがって、極めて優れたシール性が発揮され、汎用使
用に極めて有効なものである。また、本発明の軟質複合
ガスケットは応力緩和率が優れているため、耐久性が良
く、長期連続使用が可能である。したがって、メンテナ
ンス費用の大幅削減に効果がある。
れ、かつ環境汚染の問題がないものである。また、特殊
な構造をしているため、圧縮率が大きく、シール面のな
じみ性が優れており、かつ耐コールドフロー性が良い。
したがって、極めて優れたシール性が発揮され、汎用使
用に極めて有効なものである。また、本発明の軟質複合
ガスケットは応力緩和率が優れているため、耐久性が良
く、長期連続使用が可能である。したがって、メンテナ
ンス費用の大幅削減に効果がある。
第1図は実施例1の軟質複合ガスケットを一部切断した
平面図であり、第2図は同断面図である。 1……シート状基材、 2……軟質有機体、 3……凹部
平面図であり、第2図は同断面図である。 1……シート状基材、 2……軟質有機体、 3……凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−30526(JP,A) 実開 昭59−166931(JP,U) 特公 昭47−37979(JP,B1)
Claims (2)
- 【請求項1】ポリテトラフルオロエチレン樹脂5重量%
以上および含水珪酸塩鉱物粉末の無機質充填材50重量
%以上を必須成分とし、表面に凹部を有するシート状基
材であって、この凹部の大きさが5mm四方以下、シート
状開口率40%以下の複数独立の凹部に軟質有機体が充
填されていることを特徴とする軟質複合ガスケット。 - 【請求項2】軟質有機体がJIS K6301のスプリ
ング式硬さ試験A形が90゜以下のものである請求項1
の軟質複合ガスケット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63171938A JPH0623382B2 (ja) | 1988-07-12 | 1988-07-12 | 軟質複合ガスケツト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63171938A JPH0623382B2 (ja) | 1988-07-12 | 1988-07-12 | 軟質複合ガスケツト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0222376A JPH0222376A (ja) | 1990-01-25 |
JPH0623382B2 true JPH0623382B2 (ja) | 1994-03-30 |
Family
ID=15932604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63171938A Expired - Lifetime JPH0623382B2 (ja) | 1988-07-12 | 1988-07-12 | 軟質複合ガスケツト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0623382B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9003417D0 (en) * | 1990-02-15 | 1990-04-11 | Tba Industrial Products Ltd | Sheet sealing materials |
US20180170022A1 (en) * | 2014-03-27 | 2018-06-21 | Lintec Corporation | Sealing sheet, and sealing structure and device |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5530526A (en) * | 1978-08-22 | 1980-03-04 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Sealing rod and preparation |
JPS5794078A (en) * | 1980-12-01 | 1982-06-11 | Daikin Ind Ltd | Sealing material and sliding material |
JPS59166931U (ja) * | 1983-04-25 | 1984-11-08 | 日東電工株式会社 | シ−ト状シ−ル材 |
-
1988
- 1988-07-12 JP JP63171938A patent/JPH0623382B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0222376A (ja) | 1990-01-25 |
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