JPH06233464A - 電圧変動及び高調波の抑制装置 - Google Patents
電圧変動及び高調波の抑制装置Info
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Abstract
限に有効に活用でき、また電圧変動及び高調波の抑制効
果を改善できる抑制装置を得ることにある。 【構成】電力変動及び高調波電流の大きい負荷に対して
並列に設けられた自励式変換器と、電源系統の電圧、電
流等に基づき、複数の補償電流を演算する補償電流演算
手段21A 〜21C と、21A 〜21C からの補償電流の少なく
とも一つにより各成分の電流指令値が大きくなり過ぎな
いように各補償電流の補償ゲインを決定する補償ゲイン
決定手段22と、22で決定された補償ゲインと21A 〜21C
からの補償電流とから複数の電流指令値を演算する演算
手段23A 〜23C と、23A 〜23C で演算された複数の電流
指令値を合成して総合電流指令値を演算する演算手段24
と、24で演算された総合電流指令値が出力される様に自
励式変換器10を制御する制御手段を備えたもの。
Description
び高調波電流の大きい負荷に電力を供給するシステムに
おいて、負荷の電力変動に起因して発生する電源系統の
電圧変動及び高調波を抑制する電圧変動及び高調波の抑
制装置に関する。
不規則でかつ容量が大きく、また不規則に高調波を発生
する負荷によって生じる電源系統の電圧変動及び高調波
を抑制する場合、負荷の無効電力及び逆相電流及び高調
波電流を補償するための装置を負荷と並列に設置してい
る。その代表例として特願平1−317859号明細書
がある。図4は従来の電圧変動及び高調波の抑制装置の
概略的な回路構成図であるが、ここでは煩雑さを避ける
ため、三相系統を単線結線図として示してある。
送電線3(そのインピーダンスをjxsとする)及び受
電変圧器4(そのインピーダンスをjxT とする)を介
して電力が供給される。電圧変動及び高調波の抑制装置
としての自励式変換器10は負荷1と並列に設置され、
制御回路30によって制御される。高調波フィルタ7
は、負荷1から発生する高調波の抑制及び力率改善を目
的として設置される。自励式変換器10は図5に示すよ
うに交流リアクトル12、ゲートターンオフサイリスタ
(GTO)13、ダイオード14、直流コンデンサ15
によって構成される。
いる。すなわち、変流器5により検出される負荷電流i
L と、電圧検出用変圧器6により検出される系統電圧v
が入力され、電圧変動を抑制するための電流指令値iL
oを求める電流指令演算部31と、変流器8により検出
される電源系統に流れる系統電流iS が入力され、電源
系統に流出する高調波を抑制するための高調波電流指令
値iH oを求める高調波電流指令演算部32と、電流指
令値iL o,iH oを加算する加算回路33とを備え、
この加算回路33で加算された自励式変換器10の電流
指令値iC oと変流器11により検出された自励式変換
器10に流れる電流iC との偏差に応じて誤差アンプ
(ACR)34及びゲート回路35を介して電流iC を
制御する構成となっている。ここで電流指令値iL o
は、負荷無効電力を補償するための信号であるが、必要
に応じて負荷1の逆相電流を補償するための信号を加え
てもよい。次に、図4に示す従来の電圧変動及び高調波
の抑制装置の具体例を図6を参照して説明する。図4と
同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
電流iL は三相回路の線路電流であり、これが3相2相
変換回路31Aにおいて、二相交流に変換される。この
処理は、三相交流の各線路電流をiR ,iS ,iT 、二
相交流をid ,iq とすると(1)式で表される。
器6によって検出され、3相2相変換回路31Bにおい
て二相交流に変換される。この変換は(1)式のiをv
に置換えたものに等しい。
検出回路31Cによってその基本波成分に同期した同期
電圧信号vd o,vq oに変換される。無効電力検出回
路31Dは、同期電圧信号vd o,vq oと二相交流i
d ,iq をそれぞれ入力し、瞬時実電力および瞬時虚電
力を検出するものである。無効電力検出回路31Dは、
電気学会誌論文58−B60,P.41〜48「瞬時無
効電力の一般化理論とその応用」において定義されてい
る、いわゆる瞬時実電力、瞬時虚電力を検出するもの
で、(2)式の演算によって求められる。
相交流において、大きさが1puで、直交する成分であ
り、vd とvd oがほぼ等しく、vq とvq oがほぼ等
しいと考えて差支えない。従って、pは電源2から負荷
1へ供給される瞬時有効電力、qは二相間で循環してい
る瞬時無効電力である。
タ31Eに入力され、ここでろ波することにより負荷無
効電力QL が求められる。この負荷無効電力QL を係数
回路31Fにより補償ゲインKQ (一定値)を乗じて無
効電力指令値QL oを求め、さらにこれを瞬時電流演算
回路31Gに加えて電流指令値iQ oに変換される。電
流指令値iQ oの演算は、(3)式及び(1)式の逆変
換により求められる。すなわち、瞬時実電力指令値をp
o、瞬時虚電流指令値をqoとすると、二相交流におけ
る電流指令値id o,iq o及び3相交流における各線
電流指令値iRo,iS o,iT oは(4),(5)式
で与えられる。
(4)式においてpo=0、qo=QL が代入される。
iL を3相2相変換回路31Hによって(1)式の演算
を行ない二相交流に変換し、逆相電力検出回路31Jに
入力して逆相電力を検出する。この場合、(3)式によ
る瞬時実電力、瞬時虚電力の演算においてvq oを反転
(−1を乗じる)した式により演算が実行される。
検出回路31Cの出力vq oを反転回路31Kによって
極性を反転することで得られる。この逆相電力検出回路
31Jの出力としては、基本波正相電力が基本波周波数
の倍周波数の交流、基本波逆相電力が直流として検出さ
れるので、これをフィルタ31L,31Mによってろ波
することにより基本波逆相電力pN ,qN を得ることが
できる。この基本波逆相電力pN ,qN に係数回路31
N,31Pによって補償ゲインKN (一定値)を乗じて
逆相電力指令値qN o,qN oを求め、これを瞬時電流
演算回路31Qに入力して逆相電流指令値iN oに変換
する。この演算は(4)式及び(5)式を用いて行なわ
れるが、これは前述と同様にvq oに−1を乗じた後に
行なわれる。
ルタ32Aと係数回路32Bからなり、変流器8により
検出された電源系統の電流iS をフィルタ32Aに入力
して高調波電流iH を検出し、これを係数回路32Bに
入力して補償ゲインKH (一定値)を乗じることにより
高調波電流指令値iH oを求める。
iQ o及び逆相電流指令値iN oならびに高調波電流指
令値iH oが加算回路33により合成されて自励式変換
器10の電流指令値iC oが得られる。
oと変流器11によって検出される自励式変換器10の
出力電流iC の偏差を用いて、誤差アンプ34により定
電流制御を行ない、出力電流iC を電流指令値iC oに
追従させる。誤差アンプ34の出力はゲート回路35に
入力され、変換器をPWM制御するためのオン、オフパ
ルスを発生し、図5に示すGTO13のゲートに印加さ
れる。
び高調波の抑制装置の補償対象である負荷1としては、
製鋼用アーク炉がある。このアーク炉の無効電力、逆相
電流、高調波は時間的に不規則に変化し、アーク炉内の
材料の状態によってその大きさが著しく異なる。アーク
炉(進相容量を含む)の無効電力変動とその系統の電圧
変動の一例を図7に示す。この図より材料(スクラッ
プ)の溶け始め(溶解期)と材料が完全に溶けた後(精
錬期)では無効電力の変動幅が異なり、精錬期の無効電
力の変動幅は溶解期の1/2以下になっており、電圧変
動幅もそれに比例していることがわかる。また、逆相電
流、高調波電流についても上記と同様の傾向にあること
が知られている。
波の抑制装置においては、iQ o,iN o,iH oの各
電流指令値を求める際の補償ゲインKQ ,KN ,KH が
固定になっている。負荷変動に伴なう無効電力、逆相電
流、高調波電源を完全に補償するためには、各補償ゲイ
ンを全て1にし、かつ溶解期の変動量に合わせて抑制装
置の容量を決定する必要があり、その容量はかなり大き
なものとなる。ところが、精錬期では変動幅が小さいの
で、抑制装置の出力は定格容量まで出力されることがな
い。これを1ヒートサイクルの期間で見れば、溶解期
(1ヒートサイクルの1/3の程度)には定格容量をフ
ルに利用しているが、残りの精錬期には定格容量の1/
2程度しか利用していないことになるので、経済性が悪
い。
を完全に抑制するケースはなく、ある規制値に収まる様
電圧変動及び高調波の抑制装置の容量を決定する場合が
普通である。この場合には、電圧変動及び高調波の抑制
装置の容量は溶解期における無効電力等の最大変動量よ
りも小さくなる。今、仮に抑制装置の容量を無効電力最
大変動量の1/2にしたとすると、補償ゲインKQ が1
のときには溶解期において抑制装置の電流指令値が定格
値を越えてしまうという問題がある。実際には、抑制装
置の出力は定格値に制限されるので、電圧変動の抑制効
果が悪くなる。これを避けるためには補償ゲインKQ を
1よりも小さく(例えば0.5)しなければならない。
この場合には、前述と同様に精錬期における抑制装置の
利用率が悪くなるという問題がある。以上の問題点は無
効電力に関することであるが、逆相電流及び高調波電流
についても同様である。
する場合において、無効電力、逆相電流、高調波電流の
全てを完全に補償できるだけの容量を抑制装置が持たな
いときには、従来の技術では各補償ゲインが固定である
ため、どれか1つの成分が大きくなって定格容量に達す
ると、他の成分は補償できなくなるという問題がある。
れたもので、その目的は負荷変動の大きさに係わらず、
装置容量を最大限に有効に活用することが可能で、これ
により経済性を向上し、また電圧変動及び高調波の抑制
効果を改善できる電圧変動及び高調波の抑制装置を提供
することにある。
請求項1に対応する発明は、電源系統から電力変動及び
高調波電流の大きい負荷に電力を供給するシステムにお
いて、前記負荷に対して並列に設けられた自励式変換器
と、前記電源系統の電圧、電流等に基づき、複数の補償
電流を演算する補償電流演算手段と、この補償電流演算
手段で演算された補償電流の少なくとも一つにより各成
分の電流指令値が大きくなり過ぎないように各補償電流
の補償ゲインを決定する補償ゲイン決定手段と、この補
償ゲイン決定手段で決定された補償ゲインと前記補償電
流演算手段からの補償電流とから複数の電流指令値を演
算する電流指令値演算手段と、この電流指令値演算手段
で演算された複数の電流指令値を合成して総合電流指令
値を演算する演算手段と、この演算手段で演算された総
合電流指令値が出力される様に前記自励式変換器を制御
する制御手段を備えた電圧変動及び高調波の抑制装置で
ある。
る発明は、電源系統から電力変動及び高調波電流の大き
い負荷に電力を供給するシステムにおいて、前記負荷に
対して並列に設けられた自励式変換器と、前記電源系統
の電圧、電流等に基づき、複数の補償電流を演算する補
償電流演算手段と、この補償電流演算手段で演算された
補償電流の少なくとも一つにより各成分の電流指令値が
大きくなり過ぎないように各補償電流の補償ゲインを決
定する補償ゲイン決定手段と、この補償ゲイン決定手段
で決定された補償ゲインと前記補償電流演算手段からの
補償電流とから複数の電流指令値を演算する電流指令値
演算手段と、この電流指令値演算手段で演算された複数
の電流指令値を合成して総合電流指令値を演算する演算
手段と、この演算手段で演算された総合電流指令値が前
記自励式変換器の定格値を越えないように総合補償ゲイ
ンを決定する総合補償ゲイン決定手段と、この総合補償
ゲイン決定手段で決定された総合補償ゲインと前記演算
手段で演算された総合電流指令値から求めた補正指令値
が出力されるように前記自励式変換器を制御する制御手
段とを備えた電圧変動及び高調波の抑制装置である。
る発明は、請求項1または請求項2に記載の補償ゲイン
決定手段または総合補償ゲイン決定手段は逆相電流の発
生量に応じて決定することを特徴とする電圧変動及び高
調波の抑制装置である。
器の定格電流を越えない様にその電流指令値を求めるの
で、過大な負荷変動に対しても補償機能が失なわれるこ
とがない。
動が小さい場合には、装置容量の範囲内で各補償成分の
補償ゲインを1に近ずけるので装置を有効に活用するこ
とができ抑制性能が向上し、また特定成分の発生量が大
きくなりすぎた場合にはその補償量を制限できるので、
他の成分の補償機能が失なわれることがない。
流の発生量に応じてその補償ゲインを可変にしているの
で、逆相電流が大きくなり過ぎた場合でも無効電力補償
機能および高周波補償機能が失われることがない。
て説明する。はじめに、図1を参照して本発明の概略構
成について説明するが、ここでは図4と同一部分には同
一符号を付しその説明を省略する。
波電流の大きい負荷1に電力を供給するシステムにおい
て、負荷1と並列に設けられた自励式変換器10と、複
数の補償電流検出手段(図ではその一例として3つの補
償電流検出手段21A〜21C)と、それら出力の大き
さi1,i2,i3によって各検出出力の補償ゲインを
決めるゲイン決定手段(1)22と、各検出出力とそれ
に対応する補償ゲインK1,K2,K3 から各々の電流指令
値i1o,i2o,i3oを演算する指令値演算手段
(図1においては23A〜23C)と、電流指令値i1
o,i2o,i3oを加算する加算回路24と、その加
算回路24の出力すなわち総合電流指令値iC oの大き
さによって補償ゲインKC を決定するゲイン決定手段
(2)25と、合成電流指令値iC oと補償ゲインから
電流指令値を補正する指令値補正手段26と、その電流
指令値に応じて自励式変換器10の出力電流を抑制する
手段34,35を備えたものである。また、上記におい
て、合成電流指令値の補正手段26とその補償ゲインを
決定する手段25を省いた構成としてもさしつかえな
い。また、補償ゲインの決定手段22は特定の補償電流
成分によって補償ゲインを決定してもさしつかえない。
数の補償電流検出手段21A,21B,21Cは系統の
電圧、電流等(例えば系統電圧v、受電電流iS 、負荷
電流iL )を用いて補償電流i1 ,i2 ,i3 を演算す
る。ゲイン決定回路(1)22は前記i1 ,i2 ,i3
の大きさに従って各成分の電流指令値i1 o,i2o,
i3 oが大きくなりすぎない様に各補償ゲインK1 ,K
2 ,K3 を決定する。
は、各補償電流i1 ,i2 ,i3 にその補償ゲインK1
,K2 ,K3 を乗じて電流指令値i1 o,i2 o,i3
oを演算し、それらを加算回路24で合成することに
よって総合電流指令値iC oを演算する。ゲイン決定回
路(2)25は総合電流指令値iC oの大きさに従って
自励式変換器10の総合電流指令値iC oがその定格値
を越えない様に総合補償ゲインKC を決定する。指令値
補償回路26は総合電流指令値iC oと総合補償ゲイン
KC を乗じて最終電流指令値iC oeを演算する。誤差
アンプ(ACR)34は変流器11によって検出される
自励式変換器10の出力電流iC と電流指令値iC oが
一致する様にゲート回路35を制御する。
説明する。図2は本発明の第1の実施例の具体的な例を
示す回路図である。従来の技術を表わす図6と系統構成
(主回路)は同一であるのでその記述を省略しており、
その説明もまた省略する。また、制御回路においても図
6と同一部分には同一符号を付してその説明を省略す
る。
いて係数回路31N,31Pを取り除き、以下の構成が
追加されたものである。すなわち、フイルタ31L,3
1Mの出力pN ,qN が逆相電力の絶対値検出回路
(1)22Aに入力され、絶対値検出回路22Aの出力
PN がそのホールド回路(1)22Bに入力され、ホー
ルド回路22Bの出力であるPN max はゲイン決定回路
(1)22Cに入力され、ゲイン決定回路22Cの出力
であるゲイン−KN と瞬時電流演算回路31Qの出力と
が乗算回路23で乗算され、乗算結果が加算回路24に
入力されるようになっている。さらに、加算回路24の
加算結果である総合電流指令値iC oと同期検出回路3
1Cの出力が絶対値検出回路(2)25Aに入力され、
この絶対値検出回路25Aの出力がホールド回路(2)
25Bに入力され、このホールド回路(2)25Bの出
力であるPCmaxはゲイン決定回路(2)25Cに入力さ
れ、ゲイン決定回路25Cの出力であるゲインKC と、
加算回路24の加算結果である総合電流指令値iC oと
が乗算回路26に入力され、ここで得られる最終電流指
令値iC oeが、誤差アンプ34に入力されるようにな
っている。
用効果を説明する。無効電力による電流指令値iQ oと
高調波電流指令値iH oは従来の制御回路と同じ手法に
よって求められる。基本波逆相電力pN ,qN も従来の
制御回路と同じ手法により検出されるが、本実施例では
絶対値検出回路22Aにおいて逆相電力の絶対値PNを
(6)式により求める。 PN =(pN 2 +qN 2 )1/2 …(6)
に伴なって時間的に変化するので、ホールド回路22B
においてその最大値PNmaxを一定時間(数十ms〜1秒
程度)ホールドする。そして、ゲイン決定回路22Cは
その最大値PNmaxに応じて逆相電流指令値の補償ゲイン
−KN を決定するが、PNmaxが小さいときにはKN =
1、PNmaxが大きくなるとPNmaxに反比例する様にKN
を決定する。その様な特性はマイクロコンピュータを組
込み、関数テーブルを参照することで容易に実現でき
る。以上によって求められる逆相電流の補償ゲインKN
を逆相電流検出値iN に乗算回路23によって乗算する
ことで逆相電流指令値iN oが演算される。
指令値iQ oと高調波電流指令値iH o、逆相電流指令
値iN oを加算して総合指令値iC oを求め、自励式変
換器10の定格電流を越えない様にその電流指令値iC
oを決める。これは以下の手法によって具現される。ま
ず、総合指令値iC oの絶対値を絶対値検出回路25A
によって求める。この演算は(1)式及び(3)式にi
C oを代入して瞬時実電力、虚電力pC o,qC oを演
算し、更に(6)式のpN ,qN にpC o,qC oを代
入することで求められる。ホールド回路25Bにより時
間的に変化するpC oの最大値を一定時間ホールドし、
ゲイン決定回路25Cにより総合補償ゲインKC を演算
する。その手法はゲイン決定回路22Cと同様である。
電流指令値iC oは乗算器26によって総合指令値iC
oと総合補償ゲインKC を除算することにより求められ
る。以上述べた第1の実施例は、前述の如く作用するこ
とから以下の効果がある。
ゲインを可変にしているので、逆相電流が大きくなりす
ぎた場合でも無効電力補償機能及び高調波補償機能が失
なわれることがない。 (2)自励式変換器10の定格電流を越えない様にその
電流指令値iC oを求めるので、過大な負荷変動に対し
ても補償機能が失なわれることがない。 次に本発明の第2の実施例を図3を参照して説明する。
図2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略
し、ここでは異なる点について記述する。
路(2)22Eは高調波の絶対値を演算し、その最大値
を一定時間ホールドする手段であり、図2の絶対値検出
回路(2)25A、ホールド回路(2)25Bと同様で
ある。ホールド回路(3)22Fは無効電力検出値QL
の最大値を一定時間ホールドする手段で22Bと同様で
ある。ゲイン決定回路22Gは無効電力最大値QLmax、
逆相電力最大値PNmax、高調波成分最大値PHmaxにより
各電流指令値の補償ゲインKQ ,KN ,KH を決定する
手段であり、例えば以下の手順により成されるものであ
る。ここで自励式変換器10の定格容量をPC とし、説
明のためQLmax>PHmax>PNmaxであるものと仮定す
る。 (1)QLmax,PNmax,PHmaxのうち最大のものの補償
ゲイン、すなわちKQを1以下かつKQ ・QLmax≦PC
なる条件で1に最も近い値に選択する。
目に大きいものの補償ゲイン、すなわちKH を1以下か
つ(KQ ・QLmax+KH ・PHmax)≦PC なる条件で1
に最も近い値に選択する。
のものの補償ゲイン、すなわちKNを1以下かつ(KQ
・QLmax+KH ・PHmax+KN ・PNmax)≦PC なる条
件で1に最も近い値に選択する。
ンを各検出量と乗算器23A,23B,23Cにおいて
乗算することにより各成分の電流指令値が得られる。こ
れらを加算回路24で合成したものが自励式変換器10
の総合指令値iC oとなる。尚、ゲイン決定回路22G
において、目標とするゲインは1でなくともよく、各成
分毎に異なった値でもよい。この第2の実施例によれば
以下の効果が得られる。 (1)複数の補償成分のうち発生量が最も大きいものを
効果的に補償することができ、装置容量の残り容量(余
裕分)で他の成分を補償できる。 (2)自励式変換器の定格電流を越えない様にその電流
指令値を求めるので、過大な負荷変動に対しても補償機
能が失なわれることがない。
の抑制装置によれば、負荷変動の大きさに係わらず、装
置容量を最大限に有効に活用することが可能で、これに
より経済性を向上し、また電圧変動及び高調波の抑制効
果を改善できる電圧変動及び高調波の抑制装置を提供す
ることができる。
概略構成を示す回路図。
成を示す回路図。
自励式変換器の構成示す回路図。
具体例を示す回路図。
示す図。
5,8,11…変流器、6…電圧検出用変圧器、7…高
調波フィルタ、10…自励式変換器、21A,B,C…
補償電流検出手段、22,25…ゲイン決定手段、23
A,B,C…指令値演算手段、24…加算回路、26…
指令値の補正手段、34…ACR回路、35…ゲート回
路、31A,B,H…3相2相変換回路、31C…同期
検出回路、31D…無効電力検出回路、31E,31
L,31M…フィルタ、31F,32B…係数回路、3
1G,Q…瞬時電流演算回路、31J…逆相電力検出回
路、31K…反転回路、32A…フィルタ、22A,2
5A…絶対値検出回路、22B,25B…ホールド回
路、22C,25C…補償ゲイン決定回路。
Claims (3)
- 【請求項1】 電源系統から電力変動及び高調波電流の
大きい負荷に電力を供給するシステムにおいて、 前記負荷に対して並列に設けられた自励式変換器と、 前記電源系統の電圧、電流等に基づき、複数の補償電流
を演算する補償電流演算手段と、 この補償電流演算手段で演算された補償電流の少なくと
も一つにより各成分の電流指令値が大きくなり過ぎない
ように各補償電流の補償ゲインを決定する補償ゲイン決
定手段と、 この補償ゲイン決定手段で決定された補償ゲインと前記
補償電流演算手段からの補償電流とから複数の電流指令
値を演算する電流指令値演算手段と、 この電流指令値演算手段で演算された複数の電流指令値
を合成して総合電流指令値を演算する演算手段と、 この演算手段で演算された総合電流指令値が出力される
様に前記自励式変換器を制御する制御手段と、 を備えた電圧変動及び高調波の抑制装置。 - 【請求項2】 電源系統から電力変動及び高調波電流の
大きい負荷に電力を供給するシステムにおいて、 前記負荷に対して並列に設けられた自励式変換器と、 前記電源系統の電圧、電流等に基づき、複数の補償電流
を演算する補償電流演算手段と、 この補償電流演算手段で演算された補償電流の少なくと
も一つにより各成分の電流指令値が大きくなり過ぎない
ように各補償電流の補償ゲインを決定する補償ゲイン決
定手段と、 この補償ゲイン決定手段で決定された補償ゲインと前記
補償電流演算手段からの補償電流とから複数の電流指令
値を演算する電流指令値演算手段と、 この電流指令値演算手段で演算された複数の電流指令値
を合成して総合電流指令値を演算する演算手段と、 この演算手段で演算された総合電流指令値が前記自励式
変換器の定格値を越えないように総合補償ゲインを決定
する総合補償ゲイン決定手段と、 この総合補償ゲイン決定手段で決定された総合補償ゲイ
ンと前記演算手段で演算された総合電流指令値から求め
た補正指令値が出力されるように前記自励式変換器を制
御する制御手段と、 を備えた電圧変動及び高調波の抑制装置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の補償ゲ
イン決定手段または総合補償ゲイン決定手段は逆相電流
の発生量に応じて決定することを特徴とする電圧変動及
び高調波の抑制装置。
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