JPH0623093U

JPH0623093U - ソプラノサクソフォン

Info

Publication number: JPH0623093U
Application number: JP5972992U
Authority: JP
Inventors: 英樹野中
Original assignee: 野中貿易株式会社
Priority date: 1992-08-25
Filing date: 1992-08-25
Publication date: 1994-03-25

Abstract

(57)【要約】【目的】吹き易く、音色の変更も容易なソプラノサク
ソフォンを提供すること。【構成】ソプラノサクソフォンにおいて、吹込管を本
体と別体に構成し、この吹込管を本体に対して差込交換
可能にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、サクソフォンの種類のうち、高い音域を持つソプラノサクソフォンの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ソプラノサクソフォンは、最高音域のソプラニーノサクソフォンより低音域であるが、ソプラニーノサクソフォンより演奏しやすく、音程も安定していることから中編成以上の吹奏楽に使用されている。

【０００３】ソプラノサクソフォンは、一端がベル状に拡開された金属製の円錐管に複数の音孔が開けられ、キーを操作することにより音孔を開閉する本体と、この本体の他端に一体に形成された吹込管と、この吹込管に着脱自在に取り付けられるマウスピースとにより構成されている。本体は、一般に直管であるが、吹込管部分が曲管で形成されているものもある。また、マウスピースは、これにリードが取り付けられ、このマウスピースに息を吹き込むことによって、リードに振動を与えて音を発する発音源となるものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のソプラノサクソフォンは、既述のように直管の本体と吹込管とが一体成形されており、マウスピースだけが吹込管に対して着脱可能になっているので、奏者によっては演奏しにくく、また、マウスピースあるいはリードの取付け状態によりある程度の音律調整はできても、楽器の音色を所望のものに変えることができなかった。

【０００５】本考案は、上記の課題に鑑みてなされたもので、演奏し易く、音色の変更も容易なソプラノサクソフォンを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決する本考案は、一端がベル状に拡開された金属製の円錐管に複数の音孔が開設され、キーを操作することにより前記音孔をパッドによって開閉するようにした本体と、本体の他端に形成された吹込管と、この吹込管に着脱自在に取付られたマウスピースとを有するソプラノサクソフォンにおいて、前記吹込管を前記本体とは別体に構成し、該本体に対して抜差交換可能としたことを特徴とするソプラノサクソフォンである。

【０００７】

【作用】

本体とは別体に吹込管を構成すると、吹込管の形状や取付け状態を変更し、奏者の好みに応じて吹込管を適宜交換したり、場合によっては取付状態を調節すれば、奏者はソプラノサクソフォンの大きさや形状を変更でき、常に好ましい状態で演奏を行うことができることになる。また、吹込管の材質あるいはメッキの状態を変更すれば、材質等に応じた所望の音色を実現することもできる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。

【０００９】図１は本考案によるソプラノサクスフォンを示す正面図、図２は本考案によるソプラノサクスフォンを構成する吹込管と、本体およびマウスピースとの接続関係を示す斜視図、図３は図２の断面図である。ソプラノサクソフォンは、図１に示すように、一端がベル状に拡開された金属製の円錐管に複数の音孔が開設され、これら各音孔をパッドにより開閉するようにした本体１と、この本体１の吹込口２に繋がれた吹込管３と、この吹込管３に抜差可能に連結されたマウスピース４とから構成されている。

【００１０】前記本体１には、Ｂ^ь音からＦ^＃音までの音を出すための音孔が、１８ないし２３個開設され、これら各音孔には、吹込口２に近い方から順に、Ｃ音用の音孔を開閉するパッドＣ、Ｂ音用の音孔を開閉するパッドＢ、Ａ音用の音孔を開閉するパッドＡ、Ｇ音用の音孔を開閉するパッドＧ、Ｆ^＃音用の音孔を開閉するパッドＦ^＃、Ｅ音用の音孔を開閉するパッドＥおよびＤ音用の音孔を開閉するパッドＤがそれぞれ開閉可能に配設されている。これら各パッドは、常時音孔を開放する方向に付勢されたものや、閉塞する方向に付勢されたものがあるが、いずれにしても図示しないキーに連結され、このキーを奏者の左右いずれかの指で操作することで、対応する音孔の閉塞または開放を行ない、所望の音を出すようになっている。また、吹込管３には、上記の音域の１オクターブ上の音を出すオクターブパッドＯが配設されている。このオクターブパッドＯは、オクターブキー６により操作する。

【００１１】特に、本実施例では、前記吹込管３は、本体１とは別体に成形され、図２に示すように、本体１の吹き込み側の端部に設けられた締付部１０により固着されている。この締付部１０は、蝶ねじ１１を備えた締付環１２を有し、前記吹込管３の一端に形成された嵌入部１３を本体１の吹き込み側端部に挿入した後に、締付部１０により締付け固定するようになっている。また、吹込管３の他端には差込部１４が形成されている。差込部１４には、周囲にコルクが取り付けられ、これによりマウスピース４の差込を容易とするとともにマウスピース４の損傷も防止している。しかも、この差込部１４への差込み加減により、音律調整が可能となる。マウスピース４には、図示しないが、リードが設けられ、マウスピース４に息を吹き込むことによって、リードに振動を与えて音を発するようになっている。また、吹込管３には、上記の音域の１オクターブ上の音を出すオクターブパッドＯが配設されている。このオクターブパッドＯは、オクターブキー６により操作する。

【００１２】前記吹込管３の形状、寸法等は、使用者である奏者の好みに応じて選択できるように直管または曲管で成形されており、吹込管３の表面には、金メッキ、銀メッキ、クリアラッカー、ゴールドラッカー等が施されている。なお、この吹込管３の表面塗装の種類により、本体１の音色に微妙な違いが生じることが経験上明らかである。

【００１３】吹込管３の本体１への取付けを行うには、蝶ねじ１１を緩めた状態にして、吹込管３の嵌入部１３を本体１の吹き込み側端部にしっかりと嵌め入れ、蝶ねじ１１により締付環１２により締め付け固定すればよい。そして、この吹込管３の差込部１４にマウスピース４を取付ける。

【００１４】このように吹込管３は、本体１と別体であるので、奏者に合った形状のものを選べば、吹き易さを実現することができ、吹込管３を別の種類の表面塗装のものに交換すれば、音色をも容易に変更することができる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のソプラノサクスフォンによれば、吹込管を本体とは別体に構成し、吹込管の形状や取付け状態を変更できるようにしたので、吹込管の形状や材質を奏者の好みに応じて適宜変更でき、常に好ましい状態で演奏を行うことができることになり、また、吹込管の材質あるいはメッキの状態を変更すれば、材質等に応じた所望の音色を実現することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】は、本考案によるソプラノサクスフォンを示す
正面図、

【図２】は、本考案によるソプラノサクスフォンを構成
する吹込管と、本体およびマウスピースとの接続関係で
示す斜視図、

【図３】は、図２の断面図である。

【符号の説明】

１…本体、３…吹込管、４…マウスピース、１１…蝶ねじ、１２…締付環、１３…嵌入部、１４…差込部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一端がベル状に拡開された金属製の円錐
管に複数の音孔が開設され、キーを操作することにより
前記音孔をパッドによって開閉するようにした本体と、
本体の他端に形成された吹込管と、この吹込管に着脱自
在に取付られたマウスピースとを有するソプラノサクソ
フォンにおいて、前記吹込管を前記本体とは別体に構成
し、該本体に対して抜差交換可能としたことを特徴とす
るソプラノサクソフォン。