JPH0622788A - カロチン類の抽出方法 - Google Patents
カロチン類の抽出方法Info
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- JPH0622788A JPH0622788A JP20319492A JP20319492A JPH0622788A JP H0622788 A JPH0622788 A JP H0622788A JP 20319492 A JP20319492 A JP 20319492A JP 20319492 A JP20319492 A JP 20319492A JP H0622788 A JPH0622788 A JP H0622788A
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- carotene
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- methylene chloride
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 微生物から菌体内蓄積物であるカロチン類を
効率的に抽出する。 【構成】 微生物を培養し分離した培養物に、メタノー
ルを加えて超音波破砕処理し、破砕培養物を分離回収し
た後、塩化メチレン−メタノール混合溶媒でカロチン類
を抽出する。 【効果】 微生物を培養して得た培養物から、効率良い
カロチン類の抽出が可能となり、発酵生産法によるカロ
チン類の製造に利用できる。
効率的に抽出する。 【構成】 微生物を培養し分離した培養物に、メタノー
ルを加えて超音波破砕処理し、破砕培養物を分離回収し
た後、塩化メチレン−メタノール混合溶媒でカロチン類
を抽出する。 【効果】 微生物を培養して得た培養物から、効率良い
カロチン類の抽出が可能となり、発酵生産法によるカロ
チン類の製造に利用できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物を培養してカロ
チン類を製造するにおいて、培養物より効率的にカロチ
ン類を抽出する方法に関するものである。
チン類を製造するにおいて、培養物より効率的にカロチ
ン類を抽出する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カロチン類は、α−カロチン,β−カロ
チン,γ−カロチン,リコペン等を含む、天然色素カロ
チノイドに分類される。中でもβ−カロチンは生物界に
広く分布し、食品添加物として着色料に使われており、
ビタミンAの前駆体として栄養的に重要な物質である。
又、栄養素としてや、その発色性から飼料添加物として
も多く利用されている。更に、抗酸化作用等生理活性も
着目され、機能性食品としての他、医薬品、化粧品への
利用も年々増加する傾向にある。
チン,γ−カロチン,リコペン等を含む、天然色素カロ
チノイドに分類される。中でもβ−カロチンは生物界に
広く分布し、食品添加物として着色料に使われており、
ビタミンAの前駆体として栄養的に重要な物質である。
又、栄養素としてや、その発色性から飼料添加物として
も多く利用されている。更に、抗酸化作用等生理活性も
着目され、機能性食品としての他、医薬品、化粧品への
利用も年々増加する傾向にある。
【0003】工業的には、β−イオノン(C30H20O)
を2量化して合成したもの、天然品では、微細藻類ドナ
リエラ(Dunaliella)を培養し、抽出したものがあり、
その他植物からも抽出されている。
を2量化して合成したもの、天然品では、微細藻類ドナ
リエラ(Dunaliella)を培養し、抽出したものがあり、
その他植物からも抽出されている。
【0004】しかしながら、合成品においては安全性の
不安もあり、又天然品を原料としたものは、天候による
価格、品質変動の不安や残留農薬等への懸念もあり、近
年では真核生物を利用した培養法も試みられている。例
えば、有用なカロチノイドであるβ−カロチンの製造
(Microbial Lipids vol.2,(1988) P623〜P624) には、
糸状菌Blakeslea trisporaの培養による方法、酵母Rhod
otorula glutinisの培養による方法がある。そして通
常、菌体を分離回収し、植物油、n−ヘキサン等の溶媒
で抽出してβ−カロチンを得ている。
不安もあり、又天然品を原料としたものは、天候による
価格、品質変動の不安や残留農薬等への懸念もあり、近
年では真核生物を利用した培養法も試みられている。例
えば、有用なカロチノイドであるβ−カロチンの製造
(Microbial Lipids vol.2,(1988) P623〜P624) には、
糸状菌Blakeslea trisporaの培養による方法、酵母Rhod
otorula glutinisの培養による方法がある。そして通
常、菌体を分離回収し、植物油、n−ヘキサン等の溶媒
で抽出してβ−カロチンを得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】微細藻類,糸状菌,酵
母等の微生物を培養するカロチン類の製造で、分離回収
された培養物には多くの水分が含まれている。このた
め、抽出に用いられる溶媒がn−ヘキサン等極性の低い
有機溶媒単独であると、培養物である菌体に溶媒が充分
に浸透せず、カロチン類の抽出には多くの時間と多量の
溶媒を必要としていた。その上、微生物によっては、多
量のカロチノイドを有した場合カロチノイドの働きで細
胞膜が強固になり、その浸透性が一層低下することもあ
る。
母等の微生物を培養するカロチン類の製造で、分離回収
された培養物には多くの水分が含まれている。このた
め、抽出に用いられる溶媒がn−ヘキサン等極性の低い
有機溶媒単独であると、培養物である菌体に溶媒が充分
に浸透せず、カロチン類の抽出には多くの時間と多量の
溶媒を必要としていた。その上、微生物によっては、多
量のカロチノイドを有した場合カロチノイドの働きで細
胞膜が強固になり、その浸透性が一層低下することもあ
る。
【0006】又、水分を除去するため、培養物を乾燥さ
せたり、アセトン、アルコール等の極性溶媒を用いて水
分を除去する等の方法もあるが、乾燥するには余計な工
程、多くの時間を要し、カロチン類を変成させる等の不
安もある。更には、極性溶媒を用いたとしても菌体表面
の水分を除去するに過ぎず、菌体中に含有する水分の除
去は困難である。
せたり、アセトン、アルコール等の極性溶媒を用いて水
分を除去する等の方法もあるが、乾燥するには余計な工
程、多くの時間を要し、カロチン類を変成させる等の不
安もある。更には、極性溶媒を用いたとしても菌体表面
の水分を除去するに過ぎず、菌体中に含有する水分の除
去は困難である。
【0007】そして又、菌体を何等かの方法で破砕した
後抽出する方法も考えられるが、破砕処理に用いる方法
や溶媒、その後の抽出に用いる溶媒が適性でないと、溶
解性が悪かったり、多量に不純物を抱き込む等の問題も
あり、後工程に悪影響を及ぼし収率も思わしくない。
後抽出する方法も考えられるが、破砕処理に用いる方法
や溶媒、その後の抽出に用いる溶媒が適性でないと、溶
解性が悪かったり、多量に不純物を抱き込む等の問題も
あり、後工程に悪影響を及ぼし収率も思わしくない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような実
情に鑑み、微生物から菌体内蓄積物であるカロチン類
を、効率良く抽出するのに適した溶媒及び方法を見出す
べく、鋭意研究した結果、従来になく短時間で且つ抽出
効果に優れた抽出方法を提供するものである。
情に鑑み、微生物から菌体内蓄積物であるカロチン類
を、効率良く抽出するのに適した溶媒及び方法を見出す
べく、鋭意研究した結果、従来になく短時間で且つ抽出
効果に優れた抽出方法を提供するものである。
【0009】即ち、微生物を培養し、培養物を分離回収
後、これにメタノールを加え培養菌体を超音波破砕し、
これを分離後、塩化メチレン−メタノール混合溶媒を用
いて抽出することで効率良いカロチン類の抽出ができ
る。
後、これにメタノールを加え培養菌体を超音波破砕し、
これを分離後、塩化メチレン−メタノール混合溶媒を用
いて抽出することで効率良いカロチン類の抽出ができ
る。
【0010】カロチノイド産生能を有する微生物を培養
し、この培養物よりカロチン類を採取するにはn−ヘキ
サン等有機溶媒を用いて抽出される。しかし、集菌分離
した培養菌体は、液体培養によるため、そのままでは菌
体表面にある水分で溶媒が浸透しにくく、菌体細胞膜へ
の浸透性や更には菌体中の水分により、カロチン類の溶
解性も悪くカロチン類の抽出には多くの時間を要し効率
も悪かった。
し、この培養物よりカロチン類を採取するにはn−ヘキ
サン等有機溶媒を用いて抽出される。しかし、集菌分離
した培養菌体は、液体培養によるため、そのままでは菌
体表面にある水分で溶媒が浸透しにくく、菌体細胞膜へ
の浸透性や更には菌体中の水分により、カロチン類の溶
解性も悪くカロチン類の抽出には多くの時間を要し効率
も悪かった。
【0011】そこで本発明者らは、水分によるこれら阻
害要因や溶媒の菌体に対する浸透性、そして菌体中カロ
チン類の抽出効果について種々検討したところ、極性溶
媒であるメタノールを用いて、菌体を超音波破砕処理
し、その後塩化メチレン−メタノール混合溶媒を用いて
抽出する方法が好適である知見を得た。
害要因や溶媒の菌体に対する浸透性、そして菌体中カロ
チン類の抽出効果について種々検討したところ、極性溶
媒であるメタノールを用いて、菌体を超音波破砕処理
し、その後塩化メチレン−メタノール混合溶媒を用いて
抽出する方法が好適である知見を得た。
【0012】培養された菌体を遠心分離等で固液分離
し、分離した菌体にメタノールを加え懸濁させる。この
時のメタノール添加量は遠沈菌体重量当たりにして、3
〜5倍量添加する。この懸濁液を超音波破砕処理する。
他の破砕方法としては、ガラスビーズ法、酵素溶解法、
圧力破砕法等があるが、菌種を選ばず簡便に破砕するに
は超音波破砕法が適している。また極性溶媒としてメタ
ノールの他にアセトンの使用も考えられるが、メタノー
ルに比べ抽出効果は劣り超音波破砕処理においては揮散
し易い等の問題があるため好ましくはない。
し、分離した菌体にメタノールを加え懸濁させる。この
時のメタノール添加量は遠沈菌体重量当たりにして、3
〜5倍量添加する。この懸濁液を超音波破砕処理する。
他の破砕方法としては、ガラスビーズ法、酵素溶解法、
圧力破砕法等があるが、菌種を選ばず簡便に破砕するに
は超音波破砕法が適している。また極性溶媒としてメタ
ノールの他にアセトンの使用も考えられるが、メタノー
ルに比べ抽出効果は劣り超音波破砕処理においては揮散
し易い等の問題があるため好ましくはない。
【0013】この時の超音波破砕処理は極性溶媒が存在
することで培養物の水分を拡散し、同時に菌体を破壊し
て菌体中の水分をも拡散させる効果があるので、菌体脂
質中に存在しているカロチン類をより回収し易くするこ
とができる。超音波破砕処理は、菌体細胞膜を破壊でき
る程度行えば良い。
することで培養物の水分を拡散し、同時に菌体を破壊し
て菌体中の水分をも拡散させる効果があるので、菌体脂
質中に存在しているカロチン類をより回収し易くするこ
とができる。超音波破砕処理は、菌体細胞膜を破壊でき
る程度行えば良い。
【0014】超音波破砕処理後、これを遠心分離する。
この分離液中にカロチン類は殆ど溶出してこないので廃
棄しても良い。残った破砕菌体に、塩化メチレン−メタ
ノール混合溶媒を破砕菌体重量に対して5〜10倍量加
え、振盪抽出後、遠心分離する。
この分離液中にカロチン類は殆ど溶出してこないので廃
棄しても良い。残った破砕菌体に、塩化メチレン−メタ
ノール混合溶媒を破砕菌体重量に対して5〜10倍量加
え、振盪抽出後、遠心分離する。
【0015】本発明で用いる混合溶媒は、全量100vo
l %とした時、塩化メチレン25vol %〜75vol %に
対し、メタノール75vol %〜25vol %の範囲が好適
である。塩化メチレン及びメタノール量が20vol %以
下であると、水分の影響や菌体中の脂質に対する溶解力
が弱まり抽出効果が低下する。又、抽出処理における振
盪操作の時、菌体が浮遊する等して抽出の妨げになる。
分離後、抽出液を回収する。本発明の方法によれば、1
回目の抽出操作後において、分離残渣物中に残存するカ
ロチン類は殆どなく、従って、抽出操作は1回だけでも
充分である。
l %とした時、塩化メチレン25vol %〜75vol %に
対し、メタノール75vol %〜25vol %の範囲が好適
である。塩化メチレン及びメタノール量が20vol %以
下であると、水分の影響や菌体中の脂質に対する溶解力
が弱まり抽出効果が低下する。又、抽出処理における振
盪操作の時、菌体が浮遊する等して抽出の妨げになる。
分離後、抽出液を回収する。本発明の方法によれば、1
回目の抽出操作後において、分離残渣物中に残存するカ
ロチン類は殆どなく、従って、抽出操作は1回だけでも
充分である。
【0016】抽出液よりカロチン類を得るには、常用の
方法で抽出液から溶媒を除去すれば良い。又、得られた
カロチン類の定量は高速液体クロマトグラフィー(HP
LC法)薄層クロマトグラフィー等によって定量するこ
とができる。
方法で抽出液から溶媒を除去すれば良い。又、得られた
カロチン類の定量は高速液体クロマトグラフィー(HP
LC法)薄層クロマトグラフィー等によって定量するこ
とができる。
【0017】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に示すが、
これは一例であり、本発明はこれに限定されるものでは
ない。本実施例において、カロチン類は、α−カロチン
及びβ−カロチンの合量として定量した。
これは一例であり、本発明はこれに限定されるものでは
ない。本実施例において、カロチン類は、α−カロチン
及びβ−カロチンの合量として定量した。
【0018】本実施例中で使用した培養菌体及び定量条
件を下記に示す。又、試薬はすべて和光純薬社製の特級
を使用した。
件を下記に示す。又、試薬はすべて和光純薬社製の特級
を使用した。
【0019】[培養菌体]ロドトルラ・グルチニス(Rh
odotorula glutinis)IFO−1099株を、YM液体
培地で30℃,4日間、振盪培養し、この培養液100
mlを分取し遠心分離で分離後、培養菌体を少量の水で
洗浄し、−70℃に凍結乾燥して保存した。培養液10
0ml中の菌体量は、0.43g(乾燥菌体重量)であ
る。
odotorula glutinis)IFO−1099株を、YM液体
培地で30℃,4日間、振盪培養し、この培養液100
mlを分取し遠心分離で分離後、培養菌体を少量の水で
洗浄し、−70℃に凍結乾燥して保存した。培養液10
0ml中の菌体量は、0.43g(乾燥菌体重量)であ
る。
【0020】[カロチン(α,β)の定量]抽出残渣物
を少量の塩化メチレンで溶解した後、カラムにTSK
gel ODS- 120A(東ソー社製)4.6×15
0mmを用い、試料10μlを注入し、移動相;メタノ
ール,流速;1.0ml/分,検出;470nmでHP
LC法により評価した。又、α−カロチン(シグマ社
製)及びβ−カロチン(シグマ社製)を標準として用い
た。
を少量の塩化メチレンで溶解した後、カラムにTSK
gel ODS- 120A(東ソー社製)4.6×15
0mmを用い、試料10μlを注入し、移動相;メタノ
ール,流速;1.0ml/分,検出;470nmでHP
LC法により評価した。又、α−カロチン(シグマ社
製)及びβ−カロチン(シグマ社製)を標準として用い
た。
【0021】
【実施例1】メタノールを極性溶媒に選び、一方の有機
溶媒として、塩化メチレンを、比較のため、クロロホル
ム、酢酸エチルを混合し、塩化メチレン−メタノール、
クロロホルム−メタノール、酢酸エチル−メタノールの
混合溶媒とし、これら混合溶媒の混合比率は、50:5
0(vol%)に調製し、それぞれの抽出効果を次の手
順により検討した。
溶媒として、塩化メチレンを、比較のため、クロロホル
ム、酢酸エチルを混合し、塩化メチレン−メタノール、
クロロホルム−メタノール、酢酸エチル−メタノールの
混合溶媒とし、これら混合溶媒の混合比率は、50:5
0(vol%)に調製し、それぞれの抽出効果を次の手
順により検討した。
【0022】凍結保存した培養菌体を用いる混合溶媒の
種類毎に解凍し、30mlの超音波破砕用セルに少量の
水で各々全量移す。15mlのメタノールを加えて培養
菌体を懸濁させ、15分間(出力500ワット)超音波
により破砕処理する。超音波破砕装置には、セイコー電
子社製(モデル7500,ハロゲンホーン,密閉チャン
バー)を使用した。
種類毎に解凍し、30mlの超音波破砕用セルに少量の
水で各々全量移す。15mlのメタノールを加えて培養
菌体を懸濁させ、15分間(出力500ワット)超音波
により破砕処理する。超音波破砕装置には、セイコー電
子社製(モデル7500,ハロゲンホーン,密閉チャン
バー)を使用した。
【0023】破砕処理後、これらを50ml遠心管に破
砕菌体を少量のメタノールで洗い流しながら全量移し、
3000rpm(1700G),15分間遠心分離し
て、上澄み液を棄てる。調製した各混合溶媒30mlを
個々の分離残渣に加え、15分間振盪抽出し、これらを
3000rpm(1700G),15分間遠心分離して
上澄み液を回収する。これを1回目抽出液とした。更
に、各分離残渣について、1回目と同じ混合溶媒を加え
て同様の操作を行ない、各種混合溶媒ごとの2回目抽出
液を得た。
砕菌体を少量のメタノールで洗い流しながら全量移し、
3000rpm(1700G),15分間遠心分離し
て、上澄み液を棄てる。調製した各混合溶媒30mlを
個々の分離残渣に加え、15分間振盪抽出し、これらを
3000rpm(1700G),15分間遠心分離して
上澄み液を回収する。これを1回目抽出液とした。更
に、各分離残渣について、1回目と同じ混合溶媒を加え
て同様の操作を行ない、各種混合溶媒ごとの2回目抽出
液を得た。
【0024】各種混合溶媒ごとの1回目及び2回目抽出
液を合わせて、100ml遠沈管に移し、これらを40
℃の湯浴中で窒素ブローしながら溶媒を除去して抽出残
渣物を得た。各種混合溶媒による抽出で得られた抽出残
渣物は、前記のHPLC法により定量し、カロチン
(α,β)含有量を求めた。
液を合わせて、100ml遠沈管に移し、これらを40
℃の湯浴中で窒素ブローしながら溶媒を除去して抽出残
渣物を得た。各種混合溶媒による抽出で得られた抽出残
渣物は、前記のHPLC法により定量し、カロチン
(α,β)含有量を求めた。
【0025】カロチンの含有量から、塩化メチレン−メ
タノールによる混合溶媒が抽出効果の高いことが明らか
になった。結果を表1に示す。
タノールによる混合溶媒が抽出効果の高いことが明らか
になった。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【比較例1】さらに極性溶媒をアセトンにして、一方の
有機溶媒には塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチ
ル、n−ヘキサン、シクロヘキサンを、それぞれ混合し
て塩化メチレン−アセトン、クロロホルム−アセトン、
酢酸エチル−アセトン、n−ヘキサン−アセトン、シク
ロヘキサン−アセトンの混合溶媒とした時の極性溶媒の
違いによる抽出効果も評価した。この時の菌体破砕処理
には、アセトンを共通に用いて破砕処理した。以下、実
施例1と同様にして行ない、表2に示す結果を得た。
有機溶媒には塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチ
ル、n−ヘキサン、シクロヘキサンを、それぞれ混合し
て塩化メチレン−アセトン、クロロホルム−アセトン、
酢酸エチル−アセトン、n−ヘキサン−アセトン、シク
ロヘキサン−アセトンの混合溶媒とした時の極性溶媒の
違いによる抽出効果も評価した。この時の菌体破砕処理
には、アセトンを共通に用いて破砕処理した。以下、実
施例1と同様にして行ない、表2に示す結果を得た。
【0028】
【表2】
【0029】
【実施例2】次に塩化メチレン−メタノール混合溶媒の
混合比率を75:25vol%,67:33vol%,
50:50vol%,33:67vol%,25:75
vol%に各々調製し、実施例1に記載した同様の操作
を調製した各混合溶媒について行ない、1回目及び2回
目抽出液中のカロチン(α,β)含有量を定量し、これ
らの抽出効果を評価した。
混合比率を75:25vol%,67:33vol%,
50:50vol%,33:67vol%,25:75
vol%に各々調製し、実施例1に記載した同様の操作
を調製した各混合溶媒について行ない、1回目及び2回
目抽出液中のカロチン(α,β)含有量を定量し、これ
らの抽出効果を評価した。
【0030】塩化メチレン、メタノール、共に25〜7
5vol%の混合範囲であれば効果のあることが判明し
た。又、2回目の抽出液中にカロチン(α,β)が検出
されないことから、1回の抽出で充分な効果が得られる
ことが判った。結果を表3に示す。
5vol%の混合範囲であれば効果のあることが判明し
た。又、2回目の抽出液中にカロチン(α,β)が検出
されないことから、1回の抽出で充分な効果が得られる
ことが判った。結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】微生物を培養して、分離した培養物にメ
タノールを加え超音波破砕処理し、これを分離回収後、
塩化メチレン−メタノール混合溶媒を用いて抽出するこ
とにより、効率良いカロチン類の抽出ができる。
タノールを加え超音波破砕処理し、これを分離回収後、
塩化メチレン−メタノール混合溶媒を用いて抽出するこ
とにより、効率良いカロチン類の抽出ができる。
Claims (2)
- 【請求項1】カロチノイド産生能を有する微生物を培養
し、分離した培養物からカロチン類を採取するに際し、
分離した培養物にメタノールを加え超音波破砕処理し、
破砕培養物を分離回収した後、塩化メチレン−メタノー
ル混合溶媒により振盪抽出することを特徴とするカロチ
ン類の抽出方法。 - 【請求項2】塩化メチレン−メタノール混合溶媒の混合
比率が塩化メチレン25vol %〜75vol %及びメタノ
ール75vol %〜25vol %の範囲であることを特徴と
する請求項1記載のカロチン類の抽出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20319492A JPH0622788A (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | カロチン類の抽出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20319492A JPH0622788A (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | カロチン類の抽出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0622788A true JPH0622788A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16470025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20319492A Pending JPH0622788A (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | カロチン類の抽出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0622788A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6363754A (ja) * | 1986-09-03 | 1988-03-22 | Daiichi Eng Kk | カロチンの分離方法 |
-
1992
- 1992-07-08 JP JP20319492A patent/JPH0622788A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6363754A (ja) * | 1986-09-03 | 1988-03-22 | Daiichi Eng Kk | カロチンの分離方法 |
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