JPH0622773A - ポリエステル共重合体及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル共重合体及びその製造方法

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JPH0622773A
JPH0622773A JP4181248A JP18124892A JPH0622773A JP H0622773 A JPH0622773 A JP H0622773A JP 4181248 A JP4181248 A JP 4181248A JP 18124892 A JP18124892 A JP 18124892A JP H0622773 A JPH0622773 A JP H0622773A
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JP
Japan
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culture
copolymer
nitrogen
polyester copolymer
microorganism
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JP4181248A
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English (en)
Inventor
Masaichirou Nishie
雅一朗 西江
Morio Mimura
精男 三村
Yoshimasa Takahara
義昌 高原
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリ−3−ヒドロキシブチレート生産能を有
する微生物を、レブリン酸(Levulinic acid)及び/ま
たはその塩を含有する培地で燐及び窒素の制限下に培養
し、その細胞を採取した後下記繰返し単位a,b,cを
有するポリエステル共重合体を得る。 −OCH(C25 )CH2 CO− …a −OCH(C511)CH2 CO− …b −OCH(C715)CH2 CO− …c 【効果】 3−ヒドロキシバリレート,3−ヒドロキシ
オクタノエート及び3−ヒドロキシデカノエートを繰返
し単位として有するポリエステル共重合体を安価で効率
よく製造する方法を提供できる。このポリエステル共重
合体は生分解性で熱可塑性であり、各種生体適合性材料
等に幅広く用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性及び熱可塑性
を有するポリエステル共重合体及びその製造方法に関す
るものであり、そのポリエステル共重合体は、漁網,各
種フィルム等の一般汎用プラスチックや医用高分子,イ
ンプラント材等の特殊用途プラスチックとして幅広い分
野で利用することができる。
【0002】
【従来の技術】3−ヒドロキシブチレート(以下3HB
と略記する)を構成単位とするポリ(3−ヒドロキシブ
チレート)(以下P(3HB)と略記する)が、微生物
内に蓄積されていることが1925年に発見されて以
来、微生物の発酵合成によるポリエステルに関して数多
くの研究がなされてきた。これらのポリエステルは熱可
塑性ポリマーであるので、溶融加工して繊維やフィルム
等の各種製品を作ることができる。またエネルギー貯蔵
物質として微生物内に蓄えられて生分解性を示すもので
あるため、自然界で微生物によって完全に資化されると
いう利点があり、現在汎用されている多くの合成高分子
化合物の様に自然環境に残留して悪影響を生じることが
ない。また生体適合性にも優れているので、手術糸やイ
ンプラント部材として、更には医薬等を徐々に放出した
り、或は患部に直接放出するドラッグデリバリーシステ
ム基材等の医用材料への適用が期待されている。
【0003】しかし、P(3HB)は結晶性が高いため
に堅くて脆く、耐衝撃性に欠けるという物性上の欠陥を
有しており、実用化が見送られていた。そこでこの物性
の改良が試みられ、また優れた物性を有する共重合体を
効率よく製造する方法の研究が進められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の様な状
況に鑑みてなされたものであって、その目的は、生分解
性及び熱可塑性を有するポリエステル共重合体を安価で
効率よく製造する方法及びそのポリエステル共重合体を
提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明は、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)
生産能を有する微生物を、レブリン酸(Levulinic aci
d )及び/またはその塩を含有する培地で燐及び窒素の
制限下に培養し、その細胞を採取した後下記繰返し単位
a,b,cを有するポリエステル共重合体を得ることに
第1の要旨を有し、 −OCH(C25 )CH2 CO− …a −OCH(C511)CH2 CO− …b −OCH(C715)CH2 CO− …c 前記の方法で製造されたポリエステル共重合体に第2の
要旨を有する。
【0006】
【作用】本発明者らはポリエステル共重合体の製造方法
について種々検討した結果、P(3HB)生産能を有す
る微生物をレブリン酸及び/またはその塩の存在下で培
養することによって、上記繰返し単位a,b,cを含有
するポリエステル共重合体を効率よく製造し得ることを
見出したものである。
【0007】微生物は活性汚泥から分離した。本発明に
係る微生物の菌学的諸性質は次の例の通りである。 1.分離番号MHF−3菌株(工業技術院微生物工業技
術研究所、微生物受託番号、微工研菌寄第12972
号) (a)形態的性質 寒天平板培地上で30℃、2日間培養するときは桿菌で
直状。運動性あり。胞子の形成は見られない。グラム陰
性。 (b)培養的性質 (1) L(Luria) 寒天平板培養:良好に生育して不透明の
平滑なコロニーを形成する。コロニーは円形。 (2) L寒天斜面培養:L寒天平板培養に同じ。 (3) L培地液体培養:良好に生育。
【0008】(c)生理的性質 硝酸塩の還元:陰性 エスクリンの加水分解:陰性 インドール生成:陰性 尿素の加水分解:陰性 ゼラチン液化:陽性 V−Pテスト:陰性 硫化水素の生成:陰性 β−ガラクトシダーゼ活性:陰性 リジンデカルボキシラーゼ活性:陽性 アルギニンジヒドロラーゼ活性:陽性 オルニチンデカルボキシラーゼ活性:陽性 ウレアーゼ活性:陰性 フェニルピルビン酸生成:陰性 マロン酸の利用:陽性 クエン酸の利用:陽性 ポリヒドロキシアルカノエート生産性:陽性 O−Fテスト(Hugh Leifson法による):陰性 酸素に対する態度:好気性 炭素源の資化性:表1に示す(資化性があるもの、ない
もの、不明瞭なものを、それぞれ+,−,±で示す)。
【0009】
【表1】
【0010】次に本発明の具体的方法について述べる。
本発明で使用される微生物は、P(3HB)生成能を有
する例えば分離番号MHF−3菌などである。これらの
微生物を培養するにあたっては、従来の方法と同様に、
主として微生物菌体を増殖させる前培養(増殖培養)
と、窒素もしくは燐を制限して菌体内にポリエステル共
重合体を生成、蓄積させる後培養(ポリエステル生産培
養)との2段階で培養することが好ましい。
【0011】増殖培養は、単に微生物を増やすために実
施するものであり、通常の培養方法を適用することがで
きる。即ち使用する微生物が増殖できる培地及び培養条
件に応じて適宜設定すればよい。
【0012】培地成分は、使用する微生物が資化できる
物質であれば特に制限はなく、炭素源としては、例ばメ
タノール、エタノール、酢酸、グルコン酸等の合成炭素
源、糖蜜、穀類のデンプン質、繊維素繊維等の天然物、
グルコース、フラクトース等の糖類、窒素源としては、
例ばアンモニア、アンモニウム塩、硝酸塩等の無機窒素
化合物または、尿素、ペプトン、トリプトン、酵母エキ
ス、肉エキス等の有機窒素化合物、無機成分としては、
例ばカルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナト
リウム塩、リン酸塩等、更に必要に応じてビタミン等の
発育素を使用することができる。
【0013】培養条件は、使用する微生物の種類に応じ
て適宜決定されるが一般に次の条件で培養することが好
ましい。温度は微生物の生育する温度、即ち20〜40
℃程度好ましくは30℃前後であり、またpHは微生物の
生育するpH、即ち6〜10程度好ましくは 6.5〜8.5 程
度である。このような培養条件で好気的に培養すること
が好ましい。培養方法は回分培養、連続培養のいずれで
あってもよい。
【0014】増殖培養によって得られた菌体は、さらに
窒素あるいは燐制限下でポリエステル生産培養に供す
る。即ち増殖培養で得られた培養液から微生物の菌体を
濾過および遠心分離のような通常の固液分離方法により
分離回収し、該菌体をポリエステル生産培養に供する
か、または実質的に窒素あるいは燐を枯渇させて、菌体
を回収することなしにポリエステル生産培養に移行させ
る。
【0015】該ポリエステル生産培養において、使用さ
れる培地または培養液は、窒素あるいは燐を実質的に含
有せず、且つレブリン酸および/またはその塩を共重合
体構成前駆体として含有させる以外には、増殖培養に準
じて実施する。
【0016】尚レブリン酸の塩としては、ナトリウム、
カリウム、マグネシウム、カルシウム等の塩類を挙げる
ことができる。これらの化合物が添加されるのは、増殖
培養時に添加してもよいし、ポリエステル生産培養時に
添加してもよい。後者の場合には、培養の初期および終
期のどの時点でもよいが、初期の方がよい。
【0017】レブリン酸及び/またはその塩の添加量
は、用いる微生物の種類や目的とするポリエステル共重
合体の組成等に応じて適宜決定すればよいが、好ましく
は培養液1リットル当たりレブリン酸として0.1 〜10
%(wt/vol)の範囲である。
【0018】このようにして培養して得られた培養液か
ら、濾過あるいは遠心分離等の固液分離方法によって菌
体を回収し、洗浄する。その後得られた菌体を常法によ
り処理して、ポリエステル共重合体を回収する。菌体か
ら生産されたポリエステル共重合体を例えばクロロホル
ムのような有機溶媒で抽出し、この抽出液を例えばn−
ヘキサンのような溶媒に加えることにより、共重合体を
沈殿回収する。
【0019】尚、本発明によって得られるポリエステル
共重合体は、上記構成単位以外の繰返し単位として3−
ヒドロキシアルカノエート、4−ヒドロキシアルカノエ
ート、5−ヒドロキシアルカノエート等が物性を阻害し
ない程度に含有されてもよい。
【0020】以下実施例によって本発明を更に詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
【0021】
【実施例】
実施例1 〈増殖培養及び生産培養〉MHF−3菌(微工研菌寄第
12972号)を用いてポリエステル共重合体を製造し
た。
【0022】増殖培養から連続してポリエステル生産培
養を行った。下記の組成を有する培地200mlを500
mlの三角フラスコに入れ、滅菌後、前記微生物を植菌
し、30℃で6日間振とう培養した。得られた培養液か
ら遠心分離により菌体を回収した。
【0023】
【0024】<菌体の処理>上記ポリエステル生産培養
で得られた菌を蒸留水で洗浄した後、凍結乾燥によって
菌体(0.953 g/リットル)を得た。 <共重合体の回収>上記のようにして得られた乾燥菌体
から熱クロロホルムでポリエステル共重合体を抽出し、
この抽出液を約10〜20倍溶液のn−ヘキサンに加え
てポリエステル共重合体を沈殿させ、この沈殿物を回収
乾燥してポリエステル共重合体を得た。
【0025】かくして得られたポリエステル共重合体の
組成をガスクロマトグラフィーで、構造を核磁気共鳴法
(NMR)で測定した。その結果、ポリエステル共重合
体の組成は3−ヒドロキシバリレート:40.7モル%,3
−ヒドロキシオクタノエート:18.0モル%,3−ヒドロ
キシデカノエート:41.3モル%であった。ガスクロマト
グラフィーの結果を図1に、NMRの結果を図2及び図
3に示す。
【0026】
【発明の効果】3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロ
キシオクタノエート及び3−ヒドロキシデカノエートを
繰返し単位として有するポリエステル共重合体を効率よ
く製造する方法を提供することができるようになった。
更に、本発明で得られた共重合体は生分解性を有し、ま
たP(3HB)に比べ優れた物理的特性を有しており、
各種分野への応用が考えられる。またP(3HB)と類
似する化合物であるので、生体適合材料として期待さ
れ、手術用糸及び骨折固定材等の医用材料の原料、更に
はドラッグデリバリーシステム用材等への応用が期待さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で得られたポリエステル共重合体のガス
クロマトグラフィーによる組成分析結果であり、それぞ
れのピークに組成を示している。
【図2】本発明で得られた共重合体の75MHz ,13
−NMRスペクトルであり、図中の構造式に記した数字
は、それぞれのピークの数字に対応したものである。
【図3】本発明で得られた共重合体の300MHz , 1
H−NMRスペクトルであり、図中の構造式に記した数
字は、それぞれのピークの数字に対応したものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ(3−ヒドロキシブチレート)生産
    能を有する微生物を、レブリン酸(Levulinic acid )
    及び/またはその塩を含有する培地で燐及び窒素の制限
    下に培養し、その細胞を採取した後下記繰返し単位a,
    b,cを有するポリエステル共重合体を得ることを特徴
    とするポリエステル共重合体の製造方法。 −OCH(C25 )CH2 CO− …a −OCH(C511)CH2 CO− …b −OCH(C715)CH2 CO− …c
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法で製造されたもの
    であるポリエステル共重合体。
JP4181248A 1992-07-08 1992-07-08 ポリエステル共重合体及びその製造方法 Withdrawn JPH0622773A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19624270A1 (de) * 1995-12-30 1997-07-10 Lg Semicon Co Ltd Komplementärtaktgenerator und Verfahren zum Erzeugen von Komplementärtakten
JP2014533500A (ja) * 2011-11-17 2014-12-15 ビオ オン エッセエルレエルレ スクロース含有原料からの微生物コポリエステルの製造方法

Cited By (3)

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