JPH0622705A - 甲殻類、魚類用飼料、及び魚類用飼料の給餌方法 - Google Patents
甲殻類、魚類用飼料、及び魚類用飼料の給餌方法Info
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- JPH0622705A JPH0622705A JP5063361A JP6336193A JPH0622705A JP H0622705 A JPH0622705 A JP H0622705A JP 5063361 A JP5063361 A JP 5063361A JP 6336193 A JP6336193 A JP 6336193A JP H0622705 A JPH0622705 A JP H0622705A
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Abstract
びに免疫機能を増強すると共に、体重増加を図ること。 【構成】 飼料中に増加したグラム陽性菌,酵母類,真
菌類由来のペプチドグリカンが甲殻類及び魚類の生体防
御機能並びに免疫機能を増強すると共に、増体効果を奏
する。
Description
類に投与する甲殻類及び魚類用飼料に関する。ここでエ
ビ類とはクルマエビ(Penaeus japonicus) ,ウシエビ(P
enaeus monodon) ,コウライエビ(Penaeus chinensis)
,及びバナナエビ(Penaeus morguiensis) 等のクルマ
エビ属やその他の海水性,淡水性エビ類を含み、カニ類
とは海水性,淡水性のすべてのカニ類を包含し、かつ魚
類とは海水性,淡水性魚類を包含する。
甲殻類及び魚類の養殖が盛んに行われているが、感染症
の発生が多いために、死亡または発育遅延等による経済
的損失が極めて大きく、養殖産業上問題となっている。
前記感染症にはビブリオ属やその他の細菌による感染
症,及びバキュロウイルスやその他のウイルスによる感
染症がある。
抗生物質,サルファ剤等の抗菌剤が使用されているが、
その効果は必ずしも十分とは云えず、しかも近年抗生物
質等の抗菌剤は生体内への残留や薬剤耐性菌の出現など
により人体への影響が問題視され極力制限される方向に
ある。
のであり、その目的は給餌によって甲殻類及び魚類の生
体防御機能を賦活し、生体機能並びに免疫機能を増強す
ると共に増体効果を奏する甲殻類,魚類用飼料,及び魚
類用飼料の給飼方法を提供するにある。
飼料は前記した目的を達成するため、飼料中にグラム陽
性菌,酵母類,真菌類由来のペプチドグリカンを添加し
たことを特徴としている。また、本発明の魚類用飼料の
給飼方法は、魚類に対するペプチドグリカンの一日当り
の投与量とその適正投与期間の関係を予備試験により設
定し、ペプチドグリカン含有飼料を前記投与量に相当す
る割合で前記適正投与期間連日投与することを特徴とし
ている。
生体内に採り込まれて、血球の貪食活性を高めるなど、
生体防御機能を増強させ、これによって免疫増強及び体
重増加をもたらす。また、PGは魚類に対する投与量と
その適正投与期間の関係を有しており、過剰に投与し続
けても効果が軽減する。
に説明する。試験例 1 試験方法: 平均体重25gのクルマエビを30尾ずつ
の4群に分け、本発明区1,2,3区には飼料中にPG
をエビの体重1Kgあたり1日量として、それぞれ0.
05,0.2,1.0mgとなるように添加して1日お
きに与えた。本発明区のPG無投与の日と対照区にはP
G無添加の同一飼料を与えた。このような方法で7日間
飼育したのち、8日後にエビの心臓から採血して、ME
M培地中で血液1mlあたり107 個のラテックスビー
ズ(直径0.81ミクロン)を混合し、45分後に血球
100細胞中のビーズ取込み細胞数および血球100細
胞中に取込まれたビーズ総数を調べた。
ビにおける血球100細胞あたりのラテックスビーズを
取込んだ血球細胞数を図1に示した。対照区では平均3
8.2個の血球がラテックスビーズを取込んでいたのに
対し、0.05mg区は平均59.0細胞,0.2mg
区は平均62.5細胞,1.0mg区は平均53.0細
胞であり、いずれのPG投与区においても対照区にくら
べてより多くの血球細胞がラテックスビーズを貪食して
いた。
ラテックスビーズの総数を図2に示した。対照区では平
均134個のビーズが取込まれていたのに対し、0.0
5mg区では平均372個,0.2mg区が平均450
個,1.0mg区が313個であり、いずれの本発明区
においても対照区にくらべてより多くのビーズが血球内
に取込まれていた。以上のことからクルマエビにPGを
投与することにより血球の貪食活性が高まることが明ら
かになった。また、図1,図2からPGを投与する際に
最適投与量が存在することが示唆された。
0.01g)を流水式の500リットル水槽2槽に20
0尾ずつ収容し、試験開始後60日に各々を5トン水槽
に移し、計95日間飼育した。本発明区にはPGをエビ
の体重1Kgあたり1日量として0.2mgとなるよう
に添加した飼料を1週間与え、次の1週間はPG無添加
飼料を与える方法を試験終了時まで反復した。対照区に
は常時PG無添加飼料を与えた。そして、PGの効果を
確認するために、以下の項目について調べた。 (1) 試験開始後60日,75日,95日目のエビの生残
率 (2) 試験開始後60日,75日,95日目のエビの体重 (3) 試験開始後60日,75日,95日目のエビにおけ
る実験感染に対する防御効果 尚、試験項目(3) の実験感染については、クルマエビの
ビブリオ病原因菌Vibrio sp.を1.7〜2.
7×107 細胞/ml,懸濁した海水中にPG投与開始
後67日目および95日目のエビを30尾ずつ1時間浸
漬し、その後10日間の生残率を調べた。
対照区のクルマエビの生残率を表1に示した。
明区が58.5%であったのに対し、対照区が30.5
%であり、前者の生残率がすぐれていた。また、斃死し
たエビについて細菌検査を行ったところ、本発明区の一
部と対照区のほとんどのエビからビブリオ属細菌が分離
された。したがって、本発明区の生残率が対照区のそれ
より高かった原因についてはPGによって生体防御機能
が促進され、ビブリオなどによる細菌感染を防御したも
のと考えられる。
クルマエビの平均体重を表2に示した。
58gであったのに対し、対照区が2.00gであり、
前者の成長がすぐれていた。
おける実験感染後の生残率の推移を図3及び図4に示し
た。すなわち、試験開始後67日目のクルマエビをVi
brio sp.の菌液に1時間浸漬後の生残率は本発
明区が1日後に86.7%,2日後に76.7%とな
り、それ以後の斃死はみられなかった。対照区は感染1
日後に56.7%,2日後に30%,3日後に26.7
%となり、最終生残率は26.7%であった(図3参
照)。
rio sp.の菌液に1時間浸漬後の生残率は、本発
明区が3日後に86.7%,4日後に80%となり、最
終生残率は80%であった。対照区は感染1日後に7
3.3%,2日後に56.7%,3日後に33.3%と
なり、最終生残率は33.3%であった。(図4参
照)。このように、本発明区はいずれも実験感染後の生
残率が有意(p<0.01)に高かった。この原因につ
いては、PGによってクルマエビの血球の貪食活性を中
心とする生体防御機能が高まったことが考えられる。
料)をウシエビのゾエア期,ミシス期およびポストラー
バ(PL15)期の幼生に毎日投与して、生残率を調べ
ると共にゾエア期からミシス期への変態率を調べた。
尚、微細飼料の投与量は幼生1尾あたり、ゾエア期で
0.16mg/日,ミシス期では0.2mg/日,ポス
トラーバ期では0.24mg/日とした。飼料の投与量
から換算したPGの幼生1尾あたり1日の投与量は、ゾ
エア期で5×10-7mg,ミシス期で6.25×10-7
mg,ポストラーバ期で7.5×10-7mgであった。
この投与量は幼生の体重1KgあたりのPG1日量とし
て、およそ0.1〜0.2mgとなる。
のゾエア期からミシス期への変態率とゾエア期からポス
トラーバ期(PL15)までの生残率を表3に示した。
幼生期の生残率が著しく低く、通常20%前後であると
いわれている。しかし、表3に示すように、PGを投与
することによって生残率が高まるとともに、変態率が向
上することが明らかになった。
区分に従い、各区400尾づつを2つの池に分けて試験
に供試した。供試魚は2×1×1mのコンクリート池で
1カ月間飼育した。飼育期間中の水温は約20〜23℃
であった。本発明区には基礎飼料にPGを外割りで添加
し、ペレットクランブルに成型したのち、PGの投与量
が1日に魚体重1Kg当たり0.01〜1.0mgにな
るように試験飼料を給与した。尚、対照区にはPG無添
加の飼料を給与した。
後、各区10尾づつのアユの尾部血管より採血し、分離
して得た血漿が2×107 cells/mlのウサギ赤
血球を20℃で90分間に溶血する割合を求めたのち、
その半量を溶血させる血漿量の逆数をACH50値として
求めた。その結果を表4及び図5に示した。尚、ACH
50値は平均値±標準誤差で示した。
意差あり。
明区のACH50値は対照区に比べ高い傾向がみられ、P
G添加飼料の投与によりアユの血漿のACH50値が上昇
することを確認した。ただし、PGを0.1mg投与し
たときの値が最も高く、1.0mg投与した区では0.
1mg投与した区よりむしろ低い傾向がみられたことか
ら、PGを投与する際には最適投与量が存在することが
示唆された。尚、ACH50値は補体代替経路による抗原
への攻撃能力を表すが、近年貪食細胞や末梢血リンパ球
に補体のひとつであるC3のレセプターが存在する可能
性が報告(松山等、平成3年度日本魚病学会春季大会講
演要旨集、西村等、日水誌、57(12)、2219(199
1))されていることから、補体は貪食細胞や末梢血リン
パ球を活性化させる能力をも有し、魚類の生態防御機能
として重要な役割を果たしていると思われる。また、魚
類のACH50値は哺乳類に比べ著しく高いことから、魚
類の場合、古典経路よりも系統発生学的に古いと言われ
ている代替経路に依存する率が高いとも考えられている
(矢野等、日水誌、54(6)、1049(1988))。本
試験において、PGの投与により魚類の生体防御能力が
向上することを確認した。
稚魚を表5に示す試験区分に従い、各区800尾づつを
4つの水槽に分けて試験に供試した。供試魚は60リッ
トル容のガラス水槽にて4週間飼育した。飼育期間中の
水温は15〜16℃であった。本発明区には基礎飼料に
PGを外割で添加したものと、0.3〜0.5mm径に
成型したのち、PGの投与量が1日に魚体重1kg当た
り0.01〜0.1mgになるように給与した。尚、対
照区にはPG無添加飼料を給与した。
後、各区40尾づつのニジマスを取り上げ、2.5×1
05 〜2.5×106 CFU/mlのVibrio anguillar
umを懸濁させた生理食塩水に30分間浸漬して、21日
間の生残率を測定した。尚、非感染区は細菌フリーの生
理食塩水に30分間浸漬した。その結果を表5,図6
(2.5×105 CFU/mlの結果)、及び図7
(2.5×106 CFU/mlの結果)に示した。
す。
×105 CFU/ml攻撃及び2.5×106 CFU/ml 攻撃の
場合ともに、対照区の生残率に比べて、すべての本発明
区の生残率が有意に優れていた。PGの投与により、ニ
ジマス稚魚の免疫機能が活性化された結果、Vibrio ang
uillarumに対する抗病性を獲得したものと思われる。本
試験において、PGの投与により魚類の生体防御能力が
向上することを確認した。尚、非感染区の生存または生
残率が100%であったことから、感染試験中における
魚の斃死原因は攻撃に用いたVibrio anguillarumによる
感染症であると考えられる。
験区分に従い、各区30尾ずつを試験に供試した。供試
魚は2×1×1mのコンクリート池で1カ月間飼育し
た。本発明区には基礎飼料にPGを外割で添加し、2日
に1回、PGの投与量が1日に魚体重1kg当たり0.
2〜1.0mgになるように試験飼料を給与した。尚、
対照区にはPG無添加飼料を給与した。
後、ウナギ1尾当たり1×105 CFU のEdwardsiella t
ardaを腹腔内に接種し、20日間の生残率を調べた。そ
の結果を表6及び図8に示した。
す。
率が53.3%であったのに対し、本発明区のPGを
0.2mg投与した区は90.0%と有意に高かった。
PGの投与により、ウナギの免疫機能が活性化された結
果、Edwardsilella tarda に対する抗病性を獲得したも
のと思われる。しかし、PGを1.0mg投与した区の
生残率は73.3%であり、対照区との間に有為な差が
なかったことから、PGを投与する際には最適投与量が
存在することが示唆された。本試験において、PGの投
与により魚類の生体防御能力が向上することを確認し
た。尚、細菌検査ならびに病理組織学的検査の結果から
ウナギが斃死した原因はすべてEdwardsilella tarda の
感染によるものであると判断された。
試験区分に従い、各区80尾ずつを2つの池に分けて試
験に供試した。供試魚は紫外線殺菌装置のある循環式の
1.5tのFRP水槽にて24週間飼育した。飼育期間
中水温は17℃に調節した。本発明区は、基礎飼料にP
Gを外割りで添加し、3.2mm径のペレットに成型し
たのち、PGの投与量が1日に魚体重1kg当り0.0
04mg〜4mgになるように試験飼料を給与した。な
お、対照区には、PG無添加の飼料を給与した。
に各区10尾ずつのニジマスの尾部血管より採血し、分
離して得た血漿が、2×107 cells/mlのウサギ赤血球
を20℃で90分間に溶血する割合を求め、その半量を
溶血させる血漿量の逆数をACH50値として求めた。そ
の結果を表7に示す。
差)である。 注)縦のラインにおける異符号間にDANCANの検定
による5%水準の有意差あり。
4mg投与区が、また、8週目においては0.004m
g、0.04mg、及び4mg投与区が対照区のACH
50値より高い値を示した。しかしながら、0.4mgと
4mg投与区は12週目において、また、0.004m
gは16週目、0.04mg投与区は20週目におい
て、それぞれ対照区よりむしろ活性が低くなった。この
ことは、PGには適正な投与量もしくは投与期間があ
り、過剰に投与し続けても効果が軽減することを示して
いる。以上の試験結果から、PGの投与によりニジマス
血漿のACH50値が上昇すること、およびPGには適正
な投与量と投与期間があり、1日に0.4mg投与する
場合は4週間、また、0.004mg〜0.04mg投
与する場合には8週間あるいは12週間が適当であるこ
とが判明した。この傾向は同じような生体防御機構をも
つ養殖対象魚種(マダイ,ブリ,ウナギ,アユ,コイ
等)においても同様に現れると考えられる。
ョン加工の影響) 試験方法: 平均体重約20gのニジマスを表8に示す
試験区分に従い、各区80尾ずつを2つの水槽に分けて
試験に供試した。供試魚は紫外線殺菌装置のある循環式
の1.5tのFRP水槽にて4週間飼育した。飼育期間
中の水温は17℃に調節した。本発明区には基礎飼料に
PGを外割りで添加し、3.2mm径のペレットおよび
約4mm径のエクスパンジョンペレットにそれぞれ成型
したのち、PGの投与量が1日に魚体重1kg当たり
0.04mgになるように試験飼料を給与した。なお、
対照区には、PG無添加飼料を給与した。
各区10尾ずつのニジマス尾部血管より採血し、分離し
て得た血漿が、2×107 cells/mlのウサギ赤
血球を20℃で90分間に溶血する割合を求め、その半
量を溶血させる血漿量の逆数をACH50値として求め
た。その結果を表8に示す。
ットにおいても、通常のペレットと遜色ないPG添加に
よるACH50値の上昇が確認された。エクスパンジョン
ペレットは、飼料原料中のでんぷん質をα化させること
により、通常のペレットよりエネルギーの利用性が高め
られることから、発育が優れることが知られている。ま
た、飼料の粉化が少なく、飼料が水に溶けにくいことか
ら、養殖用水の汚染が著しく低減される。また、従来、
ペレットを食さないとされていた、ブリ等の海水魚やウ
ナギなどに給与することも可能である。以上の理由か
ら、近年普及しつつある新しい形態の飼料と言われてい
る。しかしながら、一般に、飼料をエクストルージョン
加工する際、10気圧程度の高い圧力と100℃以上の
高い温度等の過酷な物理的条件が加わるため、原料の変
成が問題となる。本試験により、PGがこのようなエク
ストルージョン加工の過酷な物理的条件の影響を受け
ず、魚類の生態防御機能を向上させ得ることを明らかに
した。このことは、PGが通常のペレットやマッシュ飼
料のみでなく、エクスパンジョンペレットにも使用が可
能であり、したがって、対象生物により様々な飼料形態
が要求される甲殻類および魚類用飼料において、PGが
より幅広く利用可能であることを示している。
の甲殻類及び魚類に給餌して甲殻類及び魚類の生体機能
並びに免疫機能を増強すると共に、増体効果を奏する。
体機能並びに免疫機能を適確な目安によって達成するこ
とができると共に、その経済的効果も高いとする実操業
上のメリットをも奏する。
である。
である。
すグラフである。
すグラフである。
ACH50値を示すグラフである。
ml)で攻撃した後のPG投与ニジマスの生残率を示す
グラフである。
ml)で攻撃した後のPG投与ニジマスの生残率を示す
グラフである。
l)で攻撃した後のPG投与ウナギの生残率を示すグラ
フである。
の給餌方法
のであり、その目的は給餌によって甲殻類及び魚類の生
体防御機能を賦活し、生体機能並びに免疫機能を増強す
ると共に増体効果を奏する甲殻類,魚類用飼料,及び魚
類用飼料の給餌方法を提供するにある。
飼料は前記した目的を達成するため、飼料中にグラム陽
性菌,酵母類,真菌類由来のペプチドグリカンを添加し
たことを特徴としている。また、本発明の魚類用飼料の
給餌方法は、魚類に対するペプチドグリカンの一日当り
の投与量とその適正投与期間の関係を予備試験により設
定し、ペプチドグリカン含有飼料を前記投与量に相当す
る割合で前記適正投与期間連日投与することを特徴とし
ている。
区分に従い、各区400尾ずつを2つの池に分けて試験
に供試した。供試魚は2×1×1mのコンクリート池で
1カ月間飼育した。飼育期間中の水温は約20〜23℃
であった。本発明区には基礎飼料にPGを外割りで添加
し、ペレットクランブルに成型したのち、PGの投与量
が1日に魚体重1Kg当たり0.01〜1.0mgにな
るように試験飼料を給与した。尚、対照区にはPG無添
加の飼料を給与した。
後、各区10尾ずつのアユの尾部血管より採血し、分雛
して得た血漿が2×107cells/mlのウサギ赤
血球を20℃で90分間に溶血する割合を求めたのち、
その半量を溶血させる血漿量の逆数をACH50値とし
て求めた。その結果を表4及び図5に示した。尚、AC
H50値は平均値±標準誤差で示した。
明区のACH50値は対照区に比べ高い傾向がみられ、
PG添加飼料の投与によりアユの血漿のACH50値が
上昇することを確認した。ただし、PGを0.1mg投
与したときの値が最も高く、1.0mg投与した区では
0.1mg投与した区よりむしろ低い傾向がみられたこ
とから、PGを投与する際には最適投与量が存在するこ
とが示唆された。尚、ACH50値は補体代替経路によ
る抗原への攻撃能力を表すが、近年貧食細胞や末梢血リ
ンパ球に補体のひとつであるC3のレセプターが存在す
る可能性が報告(松山等、平成3年度日本魚病学会春季
大会講演要旨集、西村等、日水誌、57(12)、22
19(1991))されていることから、補体は貧食細
胞や末梢血リンパ球を活性化させる能力をも有し、魚類
の生体防御機能として重要な役割を果たしていると思わ
れる。また、魚類のACH50値は哺乳類に比べ著しく
高いことから、魚類の場合、古典経路よりも系統発生学
的に古いと言われている代替経路に依存する率が高いと
も考えられている(矢野等、日水誌、54(6)、10
49(1988))。本試験において、PGの投与によ
り魚類の生体防御能力が向上することを確認した。
稚魚を表5に示す試験区分に従い、各区800尾ずつを
4つの水槽に分けて試験に供試した。供試魚は60リッ
トル容のガラス水槽にて4週間飼育した。飼育期間中の
水温は15〜16℃であった。本発明区には基礎飼料に
PGを外割で添加したものを、0.3〜0.5mm径に
成型したのち、PGの投与量が1日に魚体重1kg当た
り0.01〜0.1mgになるように給与した。尚、対
照区にはPG無添加飼科を給与した。
後、各区40尾ずつのニジマスを取り上げ、2.5×1
05〜2.5×106CFU/mlのVibrio a
nguillaremを懸濁させた生理食塩水に30分
間浸漬して、21日間の生残率を測定した。尚、非感染
区は細菌フリーの生理食塩水に30分間浸漬した。その
結果を表5,図6(2.5×105CFU/mlの結
果)、及び図7(2.5×106CFU/mlの結果)
に示した。
×105GFU/ml攻撃及び2.5×106CFU/
ml攻撃の場合ともに、対照区の生残率に比べて、すべ
ての本発明区の生残率が有意に優れていた。PGの投与
により、ニジマス稚魚の免疫機能が活性化された結果、
Vibrio anguillarumに対する抗病性
を獲得したものと思われる。本試験において、PGの投
与により魚類の生体防御能力が向上することを確認し
た。尚、非感染区の生残率が100%であったことか
ら、感染試験中における魚の斃死原因は攻撃に用いたV
ibrio anguillarumによる感染症であ
ると考えられる。
率が53.3%であったのに対し、本発明区のPGを
0.2mg投与した区は90.0%と有意に高かった。
PGの投与により、ウナギの免疫機能が活性化された結
果、Edwardsilella tardaに対する
抗病性を獲得したものと思われる。しかし、PGを1.
0mg投与した区の生残率は73.3%であり、対照区
との間に有意な差がなかったことから、PGを投与する
際には最適投与量が存在することが示唆された。本試験
において、PGの投与により魚類の生体防御能力が向上
することを確認した。尚、細菌検査ならびに病理組織学
的検査の結果からウナギが斃死した原因はすべてEdw
ardsilella tardaの感染によるもので
あると判断された。
試験区分に従い、各区160尾ずつを2つの池に分けて
試験に供試した。供試魚は紫外線殺菌装置のある循環式
の1.5tのFRP水槽にて24週間飼育した。飼育期
間中水温は17℃に調節した。本発明区は、基礎飼料に
PGを外割りで添加し、3.2mm径のペレットに成型
したのち、PGの投与量が1日に魚体重1kg当り0.
004mg〜4mgになるように試験飼料を給与した。
なお、対照区には、PG無添加の飼料を給与した。
ョン加工の影響) 試験方法: 平均体重約20gのニジマスを表8に示す
試験区分に従い、各区160尾ずつを2つの水槽に分け
て試験に供試した。供試魚は紫外線殺菌装置のある循環
式の1.5tのFRP水槽にて4週間飼育した。飼育期
間中の水温は17℃に調節した。本発明区には基礎飼料
にPGを外割りで添加し、3.2mm径のペレットおよ
び約4mm径のエクスパンジョンペレットにそれぞれ成
型したのち、PGの投写量が1日に魚体重1kg当たり
0.04mgになるように試験飼料を給与した。なお、
対照区には、PG無添加飼料を給与した。
ットにおいても、通常のペレットと遜色ないPG添加に
よるACH50値の上昇が確認された。エクスパンジョ
ンペレットは、飼料原料中のでんぷん質をα化させるこ
とにより、通常のペレットよりエネルギーの利用性が高
められることから、発育が優れることが知られている。
また、飼料の粉化が少なく、飼料が水に溶けにくいこと
から、養殖用水の汚染が著しく低減される。また、従
来、ペレットを食さないとされていた、ブリ等の海水魚
やウナギなどに給与することも可能である。以上の理由
から、近年普及しつつある新しい形態の飼料と言われて
いる。しかしながら、一般に、飼料をエクストルージョ
ン加工する際、10気圧程度の高い圧力と100℃以上
の高い温度等の過酷な物理的条件が加わるため、原料の
変成が問題となる。本試験により、PGがこのようなエ
クストルージョン加工の過酷な物理的条件の影響を受け
ず、魚類の生体防御機能を向上させ得ることを明らかに
した。このことは、PGが通常のペレットやマッシュ飼
料のみでなく、エクスパンジョンペレットにも使用が可
能であり、したがって、対象生物により様々な飼料形態
が要求される甲殻類および魚類用料科において、PGが
より幅広く利用可能であることを示している。
体機能並びに免疫機能を適確な目安によって達成するこ
とができると共に、その経済的効果も高いとする実操業
上のメリットをも奏する。
Claims (2)
- 【請求項1】 グラム陽性菌,酵母類,真菌類由来のペ
プチドグリカンを添加したことを特徴とする甲殻類,魚
類用飼料。 - 【請求項2】 魚類に対するペプチドグリカンの一日当
りの投与量とその適正投与期間の関係を予備試験により
設定し、ペプチドグリカン含有飼料を前記投与量に相当
する割合で前記適正投与期間連日投与することを特徴と
する魚類用飼料の給飼方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5063361A JP2547371B2 (ja) | 1992-03-03 | 1993-02-26 | 甲殻類、魚類用飼料、及び魚類用飼料の給餌方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-82625 | 1992-03-03 | ||
JP8262592 | 1992-03-03 | ||
JP5063361A JP2547371B2 (ja) | 1992-03-03 | 1993-02-26 | 甲殻類、魚類用飼料、及び魚類用飼料の給餌方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0622705A true JPH0622705A (ja) | 1994-02-01 |
JP2547371B2 JP2547371B2 (ja) | 1996-10-23 |
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Family Applications (1)
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JP5063361A Expired - Lifetime JP2547371B2 (ja) | 1992-03-03 | 1993-02-26 | 甲殻類、魚類用飼料、及び魚類用飼料の給餌方法 |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5997064A (en) * | 1996-12-06 | 1999-12-07 | Tsubakimoto Chain Co. | Article gripping apparatus |
JP2011518559A (ja) * | 2008-04-24 | 2011-06-30 | エウォス、イノベーション、アクティーゼルスカブ | 機能性飼料組成物 |
-
1993
- 1993-02-26 JP JP5063361A patent/JP2547371B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5997064A (en) * | 1996-12-06 | 1999-12-07 | Tsubakimoto Chain Co. | Article gripping apparatus |
JP2011518559A (ja) * | 2008-04-24 | 2011-06-30 | エウォス、イノベーション、アクティーゼルスカブ | 機能性飼料組成物 |
JP2015027299A (ja) * | 2008-04-24 | 2015-02-12 | エウォス、イノベーション、アクティーゼルスカブEwos Innovation As | 機能性飼料組成物 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2547371B2 (ja) | 1996-10-23 |
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