JPH06226984A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法および液体噴射記録ヘッド - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法および液体噴射記録ヘッド

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JPH06226984A
JPH06226984A JP1617093A JP1617093A JPH06226984A JP H06226984 A JPH06226984 A JP H06226984A JP 1617093 A JP1617093 A JP 1617093A JP 1617093 A JP1617093 A JP 1617093A JP H06226984 A JPH06226984 A JP H06226984A
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liquid
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jet recording
resist
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JP1617093A
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Shoji Shiba
昭二 芝
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロセスが簡略化され、廉価で信頼性の高い
液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供する。 【構成】 液体噴射記録ヘッドの製造方法は、液体吐出
エネルギー発生部を有する被処理基板上にポジ型フォト
レジストからなる感光層を形成する工程と、感光層を露
光し、現像処理して、レジストパターン形成する工程
と、レジストパターンのフィルター形成予定部位に、エ
キシマレーザー光を照射する工程と、レジストパターン
上に光硬化性材料もしくは熱硬化性材料を被覆し、硬化
させる工程と、ポジ型レジストを溶解除去する工程とを
含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体噴射記録ヘッドの製
造方法に関し、特にインクジェット記録方式に用いる記
録液滴吐出するための液体噴射記録ヘッドの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式(液体噴射記録
方式)に適用される液体噴射記録ヘッドは、一般に微細
な記録液吐出口(オリフィス)、液流路および液流路の
一部に設けられる液体吐出エネルギー発生部を備えてい
る。従来このような液体噴射記録ヘッドを作成する方法
としては、例えば特開昭61−154947号公報、お
よび特開昭62−253457号公報に記載の次のよう
な工程が知られている。
【0003】従来の液体噴射記録ヘッドの製造方法を図
1に示す。
【0004】まず、被処理基板1上に感光性樹脂層(ポ
ジ型フォトレジスト2)を形成し(図1(a))、これ
をマスク3を介して露光(図1(b))、現像処理を施
して感光性樹脂層をパターニングし、被処理基板上に固
体層を形成する(図1(c))。次に、パターニングさ
れた固体層上に活性エネルギー線硬化型あるいは熱硬化
型の液流路形成用材料5を被覆し(図1(d))、活性
エネルギー線照射、あるいは加熱により上記活性エネル
ギー線硬化型あるいは熱硬化型の液流路形成用材料を硬
化させる(図1(e))。さらに、上記パターニングさ
れた固体層を、含ハロゲン炭化水素,ケトン,エステ
ル,エーテル,アルコール等の有機溶剤あるいは水酸化
ナトリウム,水酸化カリウム等のアルカリ水溶液を用い
て溶解除去し、液流路6を形成する(図1(f))。
【0005】このようにして製造された液体噴射記録ヘ
ッドが、ヘッド中にフィルターを有していない場合種々
の問題を生じる。特に、インク中に不純物粒子等のゴミ
が存在している場合、そのゴミが液流路に入り込みイン
クの正常な供給を阻害したり、また最悪の場合には吐出
口を詰まらせることになり、それによってインクの吐出
方向がヨレたり、ムラ(吐出量が変化する)を生じ、場
合によっては完全に吐出口を詰まらせて、インクの不吐
出を生じる等の重大な問題を引き起こすことになる。
【0006】その他、フィルターがないことで、インク
ジェット記録装置に強い振動が加わるとインクの漏れ,
あるいはインクの逆流が生じる危険性がある。これらの
場合にも、正常な吐出ができない等の問題を引き起こす
ことになる。
【0007】上述の諸問題を解決するために従来から知
られている方法でフィルターやダレ防止の機能を設けよ
うとすると、プロセスが複雑になったり、部品点数が多
くなり、製造コストが大幅にアップすることになる。ま
た、新たに部品を設けることがゴミの発生につながるこ
とが考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、プロセスが簡略化され、廉価で信頼性の高い液体噴
射記録ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、
液体吐出エネルギー発生部を有する被処理基板上にポジ
型フォトレジストからなる感光層を形成する工程と、前
記感光層を露光し、現像処理して、レジストパターン形
成する工程と、該レジストパターンのフィルター形成予
定部位に、エキシマレーザー光を照射する工程と、前記
レジストパターン上に光硬化性材料もしくは熱硬化性材
料を被覆し、硬化させる工程と、前記ポジ型レジストを
溶解除去する工程とを含むことを特徴とする。
【0010】実施形態としては、次のものを挙げること
ができる。すなわち、液体吐出エネルギー発生部を有す
る被処理基板上にポジ型フォトレジストから成る感光層
を形成し、所要の露光,現像処理を行ってレジストをパ
ターニングした後、レジストパターン上の所望の部位に
エキシマレーザー光を照射し、レジストパターンの穴空
け,あるいは溝切り加工を行う。次に、レジストパター
ン上に光硬化型もしくは熱硬化型の流路形成用材料を被
覆し全面露光もしくは熱処理を行って液流路形成用材料
を硬化させた後、パターニングされたポジ型フォトレジ
ストを溶解除去する。この操作によって、エキシマレー
ザー光によって穴空け,溝切り等の加工がなされた部位
に液流路形成用材料が侵入したままの形状で硬化され、
ポジ型レジストの溶解除去後にはフィルターとしての役
割を果すことになる。
【0011】また、これに類似した実施形態としては、
ポジ型フォトレジストをパターニングする際に、あらか
じめフィルターとなる部位を設けた形状にパターニング
し、レジストパターン上に光硬化型もしくは熱硬化型の
流路形成用材料を被覆し全面露光もしくは熱処理を行っ
て液流路形成用材料を硬化させた後、パターニングされ
たポジ型レジストを溶解除去することによりフィルター
を形成する方法が考えられる。
【0012】しかしながらこの方法を用いた場合、現存
のポジ型フォトレジストの解像性が膜厚に対して1対1
程度であり、特に高解像性のレジストを用いた場合にお
いても、その限界解像度が膜厚に対して2対1程度であ
るため高アスペクト比のレジストパターンを形成できな
いことから、通常20μm以上の厚膜でレジストのパタ
ーニングを行う液流路形成のプロセスにおいては、フィ
ルターとして十分に機能するような微細なパターンを形
成することは困難である。
【0013】本発明において用いられるレーザー光とし
ては遠紫外域で高出力なエキシマレーザーが好ましく用
いられる。
【0014】エキシマレーザーは従来の一般的な加工用
レーザー(YAGレーザーやCO2レーザーなど)と比
較して次のような特徴を有している。
【0015】1)きわめて短波長である。光子エネルギ
ーが大きい(例えば波長193nmのArFレーザー光
では6.4eV、波長248nmのKrFレーザー光で
4.9eVの量子エネルギーを有する)ので、電子遷移
を利用した光化学反応を効果的に誘起でき、これにより
加工プロセスの低温化が図れる。
【0016】2)高分解能である。発振波長が短いので
回折広がりが小さく、従って高分解能(<1μm)の加
工も可能となる。
【0017】3)大面積照射が可能である。通常のレー
ザー光と異なり、エキシマレーザーはきわめて高次の多
重横モード(モード数〜105 )で発振するため、レー
ザー光の干渉により生じるスペクトルのコントラストを
低く抑えることができ、マスクを介してのパターン転写
などを行った場合において鮮明な像を得ることができ
る。
【0018】このエキシマレーザー光を発振可能なレー
ザーであり、高強度である、単色性が良い、指向性があ
る、短パルス発振できる、レンズで集光することでエネ
ルギー密度を非常に大きくできるなどの利点を有する。
【0019】エキシマレーザー発振器は希ガスとハロゲ
ンの混合気体を放電励起することで、短パルス(15〜
35ns)の紫外光を発振できる装置であり、Kr−
F,Xe−Cl,Ar−Fレーザーがよく用いられる。
これらの発振エネルギーは数100mJ/パルス,パル
ス繰返し周波数は30〜1000Hzである。
【0020】このエキシマレーザー光のような高輝度の
短パルス紫外光を樹脂表面に照射すると、照射部分が瞬
間的にプラズマ発光と衝撃音を伴って分解,飛散するA
blative Photodecompositio
n(APD)過程が生じ、この過程によって樹脂の加工
が可能となる。
【0021】このようにエキシマレーザーによる加工精
度と他のレーザーによるそれとを比較した場合、例えば
ポリイミド(PI)フィルムにエキシマレーザーとして
のレーザーと、他のYAGレーザーおよびCO2 レーザ
ーを照射すると、光を吸収する波長がUV領域であるた
めKrレーザーによってきれいな穴が開くが、UV領域
にないYAGレーザーでは穴が開くもののエッジ面が荒
れ、赤外線であるCO2 レーザーでは穴の周囲にクレー
タを生じてしまう。
【0022】また、SUSの金属,不透明なセラミック
ス,Si等は大気の雰囲気において、エキシマレーザー
光の照射によって影響を受けないため、エキシマレーザ
ーによる加工におけるマスク材として用いることができ
る。
【0023】本発明において使用されるエキシマレーザ
ーの波長としては、被加工物であるポジ型フォトレジス
トが吸収を有しているものであれば特に制限はないが、
通常のポジ型フォトレジストがノボラック系樹脂をベー
スレジンとしているため、240nm付近に芳香環の吸
収極大を有していることを考慮した場合、線源としてK
rFを用いることが好ましい。
【0024】
【作用】本発明によれば、エキシマレーザー光によって
穴開けし、溝切り等の加工がなされた部位にインク路用
溝形成用材料が侵入したままの形状で硬化され、ポジ型
レジストの溶解除去後にはフィルターとしての役割を果
すので、インク路用溝中にゴミの進入はなくなる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0026】(実施例1)液体エネルギー発生素子とし
ての電気熱変換体を形成したガラス被処理基板上にポジ
型フォトレジスト(AZ−4903(登録商標):ヘキ
スト社製)を膜厚20μmとなるようスピンコートし、
オーブン中90℃で20分間のプリベークを行ってレジ
スト層を形成した。このレジスト層上にノズルパターン
のマスクを介してマスクアライナーPLA−501(キ
ャノン製)により、200mJ/cm2 の露光量でパタ
ーン露光した後、0.75wt%の水酸化ナトリウム水
溶液を用いて現像し、ついでイオン交換水でリンス処理
を施し、オーブン中70℃で30分間のポストベークを
行ってレジストパターンを得た。
【0027】次に、このレジストパターンのフィルター
形成部位に、248nmのエキシマレーザー光を選択照
射し、基板まで達する直径5μmのホールを5μm間隔
で多数形成した後、レジストパターン上に、日本ユニオ
ンカーバイト社製エポキシ樹脂 Cyracure UVR−6110(登録商標) 40重量部 Cyracure UVR−6200(登録商標) 20重量部 Cyracure UVR−6351(登録商標) 40重量部 および トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロ アンチモネート 1重量部 から成る光硬化型の液流路形成用材料を被覆し、8.5
J/cm2 の露光量で全面露光を行って液流路形成用材
料を硬化させた。ついで被処理基板を3.0wt%の水
酸化ムナトリウム水溶液中に浸漬し、レジストパターン
を溶解除去した。
【0028】このようにして作成された1000個の液
体噴射記録ヘッドを光学顕微鏡により観察したところい
ずれも流路中に残渣は全く観察されなかった。さらに、
このようにして作成された液体噴射記録ヘッドを記録装
置に装着し、イオン交換水/グリセリン誘導体/水溶性
黒色染料(ダイレクトプラック154:登録商標)から
成るインクジェットインクを用いて記録を行ったとこ
ろ、印字のヨレ,ムラ,不吐出等の障害は全く発生しな
かった。
【0029】(実施例2)液体エネルギー発生素子とし
ての電気熱変換体を形成したガラス被処理基板上にポジ
型フォトレジストPMER−PG7900(登録商標:
東京応化製)を膜厚30μmとなるようスピンコート
し、オーブン中90℃で40分間のプリベークを行って
レジスト層を形成した。このレジスト層上にノズルパタ
ーンのマスクを介してマスクアライナーPLA−501
(キヤノン製)により、800mJ/cm2 の露光量で
パターン露光した後、1.25wt%の水酸化ナトリウ
ム水溶液を用いて現像し、ついでイオン交換水でリンス
処理を施し、オーブン中70℃で30分間のポストベー
クを行ってレジストパターンを得た。
【0030】次に、このレジストパターンのフィルター
形成部位に、248nmのエキシマレーザー光を選択照
射し、基板まで達する直径5μmのホールを5μm間隔
で多数形成した後、レジストパターン上に、日本ユニオ
ンカーバイト社製エポキシ樹脂 Cyracure UVR−6110 40重量部 Cyracure UVR−6200 20重量部 Cyracure UVR−6351 40重量部 および トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロ アンチモネート 1重量部 から成る光硬化型の液流路形成用材料を被覆し、8.5
J/cm2 の露光量で全面露光を行って液流路形成用材
料を硬化させた。ついで被処理基板を3.0wt%の水
酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、レジストパターンを
溶解除去した。
【0031】このようにして作成された1000個の液
体噴射記録ヘッドを光学顕微鏡により観察したところい
ずれも流路中に残渣は全く観察されなかった。さらに、
このようにして作成された液体噴射記録ヘッドを記録装
置に装着し、イオン交換水/グリセリン誘導体/水溶性
黒色染料(ダイレクトブラック154)から成るインク
ジェットインクを用いて記録を行ったところ、印字のヨ
レ,ムラ,不吐出等の障害は全く発生しなかった。
【0032】(実施例3)液体エネルギー発生素子とし
ての電気熱変換体を形成したガラス被処理基板上にポジ
型ドライフィルムレジストOZATEC−R225(登
録商標:ヘキスト社製)を膜厚50μmとなるようラミ
ネートし、オーブン中100℃で20分間のプレベーク
を行ってレジスト層を形成した。このレジスト層上にノ
ズルパターンのマスクを介してマスクアライナーPLA
−501(キヤノン製)により、300mJ/cm2
露光量でパターン露光した後、1.00wt%の水酸化
ナトリウム水溶液を用いて現像し、ついでイオン交換水
でリンス処理を施し、オーブン中70℃で30分間のポ
ストベークを行ってレジストパターンを得た。
【0033】次に、このレジストパターンのフィルター
形成部位に、248nmのエキシマレーザー光を選択照
射し、基板まで達する直径10μmのホールを10μm
間隔で多数形成した後、レジストパターン上に、日本ユ
ニオンカーバイト社製エポキシ樹脂 Cyracure UVR−6110 40重量部 Cyracure UVR−6200 20重量部 Cyracure UVR−6351 40重量部 および トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロ アンチモネート 1重量部 から成る光硬化型の液流路形成用材料を被覆し、8.5
J/cm2 の露光量で全面露光を行って液流路形成用材
料を硬化させた。ついで被処理基板を3.0wt%の水
酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、レジストパターンを
溶解除去した。
【0034】このようにして作成された1000個の液
体噴射記録ヘッドを光学顕微鏡により観察したところい
ずれも流路中に残渣は全く観察されなかった。さらに、
このようにして作成された液体噴射記録ヘッドを記録装
置に装着し、イオン交換水/グリセリン誘導体/水溶性
黒色染料(ダイレクトブラック154)から成るインク
ジェットインクを用いて記録を行ったところ、印字のヨ
レ,ムラ,不吐出等の障害は全く発生しなかった。
【0035】(比較例1)液体エネルギー発生素子とし
ての電気熱変換体を形成したガラス被処理基板上にポジ
型レジストAZ−4903(登録商標:ヘキスト社製)
を膜厚20μmとなるようスピンコートし、オーブン中
90℃で20分間のプレベークを行ってレジスト層を形
成した。このレジスト層上にノズルパターンのマスクを
介してマスクアライナーPLA−501(キヤノン製)
により、200mJ/cm2 の露光量でパターン露光し
た後、0.75wt%の水酸化ナトリウム水溶液を用い
て現像し、ついでイオン交換水でリンス処理を施し、オ
ーブン中70℃で30分間のポストベークを行ってレジ
ストパターンを得た。
【0036】次に、レジストパターン上に、日本ユニオ
ンカーバイト社製エポキシ樹脂 Cyracure UVR−6110 40重量部 Cyracure UVR−6200 20重量部 Cyracure UVR−6351 40重量部 および トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロ アンチモネート 1重量部 から成る光硬化型の液流路形成用材料を被覆し、8.5
J/cm2 の露光量で全面露光を行って液流路形成用材
料を硬化させた。ついで被処理基板を3.0wt%の水
酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、レジストパターンを
溶解除去した。
【0037】このようにして作成された1000個の液
体噴射記録ヘッドを光学顕微鏡により観察したところい
ずれも流路中に残渣は全く観察されなかった。しかし、
このようにして作成された液体噴射記録ヘッドを記録装
置に装着し、イオン交換水/グリセリン誘導体/水溶性
黒色染料(ダイレクトブラック154)から成るインク
ジェットインクを用いて記録を行ったところ、印字のム
ラ180個,不吐出65個の障害が発生した。
【0038】(実施例4)液体エネルギー発生素子とし
ての電気熱変換体を形成したガラス被処理基板上にポジ
型フォトレジスト(AZ−4903(登録商標):ヘキ
スト社製)を膜厚20μmとなるようにスピンコート
し、オーブン中90℃で20分間のプリベークを行って
レジスト層を形成した。このレジスト層上にノズルパタ
ーンのマスクを介してマスクアライナーPLA−501
(キヤノン製)により、200mJ/cm2 の露光量で
パターン露光した後、0.75wt%の水酸化ナトリウ
ム水溶液を用いて現像し、ついでイオン交換水でリンス
処理を施し、オーブン中70℃で30分間のポストベー
クを行ってレジストパターンを得た。
【0039】次に、このレジストパターンのフィルター
形成部位に、248nmのエキシマレーザー光を選択照
射し、基板まで達する直径5μmのホールを5μm間隔
で多数形成した後、レジストパターン上に、住友ベーク
ライト社製エポキシ樹脂EME−700(登録商標)か
ら成る熱硬化型の液流路形成用材料をトランスファーモ
ールド法により被覆し、120℃で10時間の熱処理を
施して液流路形成用材料を硬化させた。ついで被処理基
板を3.0wt%の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬
し、レジストパターンを溶解除去した。
【0040】このようにして作成された1000個の液
体噴射記録ヘッドを光学顕微鏡により観察したところい
ずれも流路中に残渣は全く観察されなかった。さらに、
このようにして作成された液体噴射記録ヘッドを記録装
置に装着し、イオン交換水/グリセリン誘導体/水溶性
黒色染料(ダイレクトブラック154:登録商標)から
成るインクジェットインクを用いて記録を行ったとこ
ろ、印字のムラ.ムラ,不吐出等の障害は全く発生しな
かった。
【0041】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0042】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0043】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0044】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0045】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0046】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0047】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0048】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0049】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、エキシマレーザー
光によって穴開けし、溝切り等の加工がなされた部位に
インク路用溝形成用材料が侵入したままの形状で硬化さ
れ、ポジ型レジストの溶解除去後にはフィルターとして
の役割を果すので、インク路用溝中にゴミの進入はなく
なる。
【0051】従って、本発明によれば、インク吐出によ
る記録のヨレ,ムラ,不吐出等の障害は発生しなくな
る。
【0052】さらに、本発明によれば、信頼性の高い微
細ノズルを有する液体噴射記録ヘッドを製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の液体噴射記録ヘッドの製造工程を示す模
式的断面図である。
【符号の説明】
1 被処理基板 2 ポジ型フォトレジスト 3 マスク 4 リジストパターン 5 液流路形成用材料 6 液流路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体吐出エネルギー発生部を有する被処
    理基板上にポジ型フォトレジストからなる感光層を形成
    する工程と、 前記感光層を露光し、現像処理して、レジストパターン
    形成する工程と、 該レジストパターンのフィルター形成予定部位に、エキ
    シマレーザー光を照射する工程と、 前記レジストパターン上に光硬化性材料もしくは熱硬化
    性材料を被覆し、硬化させる工程と、 前記ポジ型レジストを溶解除去する工程とを含むことを
    特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法によって製造
    される液体噴射記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記液体吐出エネルギー発生部は、熱エ
    ネルギーを利用して、記録液に気泡を発生させ、該気泡
    の生成に基づいて記録液を吐出させることを特徴とする
    請求項2に記載の液体噴射記録ヘッド。
JP1617093A 1993-02-03 1993-02-03 液体噴射記録ヘッドの製造方法および液体噴射記録ヘッド Pending JPH06226984A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6895668B2 (en) * 1999-03-15 2005-05-24 Canon Kabushiki Kaisha Method of manufacturing an ink jet recording head

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US6895668B2 (en) * 1999-03-15 2005-05-24 Canon Kabushiki Kaisha Method of manufacturing an ink jet recording head

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