JPH0622594B2 - オストミィ器具及び該オストミィ器具のための圧力リング組立体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 同一平面もしくはくぼんだストーマすなわち小孔(atomd
s)を有するオストミィ(ostomy)患者は、もし囲口部そし
くは口周囲部位に外部圧力が与えられるならば、該小孔
の充分な突出が生じて収集ポーチへの直接の廃物の放出
を助け、それにより面板と囲口部皮膚表面との間での粘
着シールの有効性を延ばすということを知っている。皮
膚への刺激及び患者の不快感も大いに減ぜられ得る。或
る場合においては、かかる圧力はカラヤ(karaya)もしく
は他の柔らかく柔軟な皮膚バリヤ物質で形成される封止
リングによって与えられてきた。しかしながら、かかる
リングの変形可能性及び低温流れの可能性は、充分な小
孔の突出を達成することにおいて、その有効性もしくは
少なくともその有効性の期間を制限する。従って、オス
トミィ器具の製造者の何人かは、皮膚バリヤ・ウエーフ
ァが取り付けられた粘着性の面板の結合リングと共に使
用するための比較的堅固な凸型環状挿入物を導入してき
た。理論的に、かかる挿入物は、器具が着用されたとき
に皮膚バリヤ・ウエーファを変形して囲口部の圧力を増
大するよう意図されるが、実際は、挿入物は通常充分な
凸状が乏しくウエーファの輪郭に相当の変化を生成す
る。より大きい凸形状を有する挿入物は、おそらく、か
かる挿入物を適所に適合させる際に、必要であると思わ
れる過度の力のために、そして面板結合リングがこうむ
る損傷のために利用できなかった。従来の凸型挿入物
は、面板の外部もしくは遠位側（身体の中心から離れた
側）から取り付けを必要とするというさらなる欠点を有
している。結果的に、取り外じ可能な結合リングを有す
る、２ピースの器具、すなわち２つの部分から成る器具
の場合には、挿入物を適所に押し込める際に面板結合リ
ングが変形もしくは損傷するという危険性があり、ま
た、ポーチ及び面板が永久的に接続される、１ピースの
器具、すなわち１つの部分から成る器具の場合には、挿
入物がポーチの排水開口を通して上方に供給され、それ
によりポーチ内から適所に止められなければならないと
いう不便さがある。

発明の概要 従来の凸型挿入物とは異なって、本発明の凸型圧力リン
グ組立体は、その遠位側（患者から離れた側）から面板
に固着されるのではなく、それに代わって面板の近位側
に取り付けられ、それにより従来装置の使用と関連した
主な問題を克服する。本発明の凸型圧力リング組立体
は、使用者もしくは製造者のいずれかによってかかる面
板の近位面に固着され得る。かかる圧力リング組立体の
面板の近位表面への外部からの適用は、該圧力リングが
一層顕著な凸型でもって輪郭形成されるのを許容し、そ
れにより、面板の遠位側からの取り付けを必要とする初
期の構造設計において遭遇した寸法上かつ構造上の制限
無しで、一層大きい小孔の突出を生成し得るという事実
は特に重要である。

本発明の重要な観点は、特に効果的な凸型の圧力リング
組立体が、面板の近位表面に取り付けるために３つの素
子が一緒に結合されるときに達成されるということを発
見したことにある。１つの要素は、好ましくは一体の内
部及び外部壁部分を有する熱可塑性物質から形成された
比較的堅固な支持リングの形態を取る。内部壁部分は中
心開口を有し、近位方向に凸状に湾曲している。第２の
要素は、堅固な支持リングの凸状近位表面に固着される
柔軟かつ弾力的な水分不浸透性の加熱成型可能な物質の
中間リングを含む。第３の要素は、乾式及び湿式の双方
の粘性を有する柔軟かつ変形可能な水分吸収性の皮膚バ
リヤ物質のバリヤ・リングである。バリヤ・リングは中
間リングの近位表面に渡って延び、そして中間リング及
びバリヤ・リングの双方はプラスチック支持リングの周
辺を超えて半径方向外方に延びる縁部分を有している。
加うるに、中間リング及びバリヤ・リングは、堅固な支
持リングの開口と整列しかつ実質的にそれより小さい、
予め形成された開口を有し得る。組立体の使用におい
て、患者の小孔との接触が少しでも生じるならば、その
拙触は、柔軟な中間層及び皮膚バリヤ層によってのみ為
される傾向を有する。なぜならば、これらの層もしくは
リングは堅固な支持リングよりも小さい内径の開口を有
するからである。支持リング及バリヤ・リングの外部縁
部分は粘着的な面板の近位表面に密閉的に固着され、該
面板は、本発明の好適な実施例においては、これも表面
粘性を有する同様のバリヤ物質の層でもって裏付けされ
得る。従って、堅固な支持リングの周辺を超えて突出す
る中間リングの環状縁部分は、凸型の圧力リング組立体
のバリヤ・リングと面板の粘着表面（または、そし該面
板に皮膚バリヤ層が設けられているならば、該バリヤ層
の粘着表面すなわちその面板のライナ）との間に挟まれ
てそれらを封止する。

中間リングは、柔軟かつ圧縮可能な熱可塑性の気泡から
形成されるのが好ましく、圧力リング組立体の皮膚バリ
ヤ・リングと堅固な支持リングとの間にクッションを形
成する。加うるに、かかる気泡リングは、皮膚バリヤ・
リングの低温流れの程度を制御もしくは制限する際に大
いに効果的である。事実、気泡は、表面開口と、バリヤ
物質が流れ込んで重なり合うようになる不均一性とを有
した弾性的かつ弾力的なバッキングすなわち裏張りとし
て働く。皮膚バリヤ・リングの物質を外方もしくは内方
に変位させる傾向の力は弾力性気泡により制限される。
もし、かかる力がバリヤ・リング及びその弾性気泡の裏
張りの双方を内方もしくは外方に変形させるに充分に大
きい場合には、かかる力の減少時には、気泡の回復動作
が、バリヤ・リングを元の形状に回復させる傾向をも有
する。従って、バリヤ室の定温流れが未だ起こり得る
が、かかる流れは、気泡中間リングによって、少なくと
も或る方向には実質的に制限される。

２ピースの器具、すなわち２つの部分から成る器具の場
合は、面板の結合リングは、比較的堅固な支持リングと
一体の伸張部であって良く、それにより縮小された輪郭
の器具を提供する。かかる輪郭は、面板リングの凹部内
に２つのリングのためのラッチ封止手段を配置すること
によってさらに縮小され得る。

本発明の他の長所、特徴、並びに目的は、以下の説明及
び図面から明瞭となるであろう。

好適な実施例の詳細な説明 図を参照して、数字１０は、収集ポーチ(pouch)１１及
び面板１２から成るオストミィ器具(ostomy appliance)
（胃腸管への入口的小孔への器具）を総括的に示してお
り、面板１２には、凸状の圧力リング組立体１３（第５
図）が装備される。第４図に最も明瞭に示されているよ
うに、圧力リング組立体１３は、他の点では完全である
オストミィ器具に対して付加された特徴であり、製造者
または使用者のいずれによって面板１２に固着されるよ
う設計されている。ポーチ１１は、通常のものであり、
熱密閉ボンド１４によってそれらの周辺エッジに沿って
一緒に密閉された、遠位（前部）壁１１ａ及び身体の中
心に近い方の近位（後部）壁１１ｂを含んでいる。良く
知られているように、袋すなわちポーチは、例えば低密
度のポリエチレンのような流体に不浸透性の任意の適切
な熱可塑性フィルムから形成され得る。

器具を装着したとき患者にきわめて接近するので、近位
壁またはパネルとして言及されるポーチ壁１１ｂにはそ
の上部端の近辺に小孔(stoma)−受け開口１５が設けら
れている。小孔用開口の回りのポーチの近位壁に固着さ
れた面板１２は、実際には、ガス及び水蒸気に対して浸
透性である、医学用程度の任意の適切な低−アレルギ−
誘発性の圧力−感応接着剤から成る接着層１９（第４図
及び第５図に点線で概略的に表わされている）でその近
位表面（身体の中心に近い方の表面）上を被覆された微
少多孔性パッチ(patch)１７である。代表的な医学用程
度のアクリル接着剤が効果的であるのが分かっている
が、同様の特性を有する他の接着剤が用いられても良
い。

示された好適な実施例において、皮膚境界層またはリン
グ１６もまた、微少多孔性パッチ１７の近位側に配置さ
れ、そしてプラスチック気泡の柔軟な弾力性層またはリ
ング１８が皮膚境界リング１６及び微少多孔性パッチ間
に挿間されている。

保護皮膚境界リング１６は、乾式及び湿式の双方の粘性
(both dry and wet track)を有する柔らかく、柔軟な、
水分−吸収性物質から形成される。かかる合成物の種々
のものが当該技術分野では知られており、使用され得
る。カラヤ−グリセリンの公式化(Karaya-slycerin for
mulations)、ポリアクリルアミド樹脂と他のポリオルス
(polyols)との混合物、及びエラストマとハイドロコロ
イドとの混合物が用いられ得る。従来の皮膚境界合成物
の説明、及びここでも利用され得る長所を有した別の合
成物の開示に対しては、特許第4,477,325号び第4,496,3
57号明細書を参照し得る。

多孔性パッチ１７は、長所的には、米国特第4,213,458
号明細書に開示された型の不織りのもしくは生成された
ままの微少多孔性シート物質から形成される。ポリエス
テル繊維の不織りの微少多孔性物質が特に適していると
信じられている。微少多孔性物質は、パッチによって覆
われている皮膚の表面上の液体の停滞及び蓄積を避ける
のに充分に高い割合で皮膚から水蒸気及びガスの解放を
可能にするよう、ガス及び水蒸気の充分に高い透過特性
を有するべきである。

中間層またはリング１８は、液体及びガスの双方が不浸
透性の柔軟で、可とう性でかつ弾力性のある熱可塑性気
泡から形成される。かかる特性を有するどのような熱可
塑性気泡も用いられ得るが、約0.3〜10ミリメートル、
好ましくは0.5〜5ミリメートルの範囲内の厚さを有する
閉鎖細胞のポリエチレン気泡(foam)を用いると、特に効
果的が結果が得られている。気泡層は、接着剤被覆１９
によって微少多孔性パッチ１７に、そして皮膚境界（バ
リヤ）物質の接着特性によって皮膚境界層１６に固着さ
れる。それは、皮膚境界層及び微少多孔性パッチ間に柔
軟で、弾力性のあるクッションをもたらし、そして皮膚
境界物質の低温流れを制限する。面板の要素としてこれ
らを包含すれば大いに有利であるが、気泡層１８または
境界層１６のいずれか、もしくは双方は、それらの長所
が不必要と見なされる環境においては除去されても良
い。境界層１６のみが除去される場合には、被覆１９と
して用いられる接着剤のような適当な接着剤の層が気泡
リング１８の近位面に塗布されるであろう。示されたよ
うに、接着剤被覆された微少多孔性パッチ１２だけを面
板の基本要素として残して、柔軟が支膚境界層１６及び
気泡層１８の双方は多くの環境において除去され得る。
そのパッチは、熱可塑性接続リング２０によって、ポー
チの壁１１ｂに固着される。リング２０の、身体から離
れた遠位側は、小孔(stoma)用の開口１５の回りの環状
の熱密閉区域２１に沿って壁１１ａに取付けられ、該リ
ングの周辺は、熱密閉区域２２に沿ってパッチに固着さ
れる。中間リング構成及びその長所の詳細に対しては、
米国特許第4,213,458号明細書を参照され度い。面板１
２は、ポーチ開口１５とほぼ同じ、またはそれよりわず
かに小さい大きさで、該ポーチ開口１５と整列した中心
開口２３を有しているということが分かる。

第１図−第３図は、中高のすなわち凸型の圧力リング組
立体を詳細に示す。該組立体は、比較的堅固な支持リン
グ２４、中間の気泡リング２５、及び近位の境界（バリ
ヤ）リング２６を含んでいる。“比較的堅固な”という
用語は、ここでは、支持リング２４が通常の使用状態下
でその特殊な形状を維持するということを意味するため
に用いられている。種々の物質が支持リングとして用い
られ得るが、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポ
リスチレンのような堅固なまたは、半堅固なプラスチッ
クが特に適していると考えられる。支持リングは、一体
の内部及び外部壁部分２４ａ及び２４ｂを含んでおり、
内部壁部分は、面板及びポーチの小孔用開口と整列した
（または整列可能な）中心開口２７を有している。外部
壁部分２４ｂは概して平面状であるが、内部壁部分２４
ｂは、中心開口２７の回りで近位方向に凸型のわん曲を
面板に与えるよう、内方かつ近位方向に曲がっている。
一体の環状フランジ２８は、リングの内部及び外部壁部
分の区域で支持リングから遠位方向に突出している。第
４図及び第５図に示されるように、フランジ２８の直径
は、面板開口２３の内側直径と同じか、それよりわずか
に小さい。

中間に気泡リング２５は、柔軟で、弾力的で、液体及び
ガス不浸透性の加熱成型物質から構成される。ポリエチ
レン、ポリウレタンもしくは同様の特性を有する他の重
合物質から成る弾力性気泡が、特に適切であると信じら
れている。好適な実施例において、中間リング２５は、
面板の気泡層１８と同じ弾力性のある、熱可塑性気泡か
ら形成される。一般に、リング２５の厚さは、約0.3〜1
0ミリメートル、好ましくは0.5〜5ミリメートルの範囲
内にすべきである。第１図に示されるように、気泡リン
グは、圧力−感応接着剤層２９によって、支持リング２
４の近位面に固着される。かかる接着剤は、任意の医学
用−程度のアクリル接着剤であるか、または他の適切な
感圧もしくは熱溶解接着剤であって良く、そして部品の
組立てに先立って、支持リングの近位面（または気泡リ
ングの遠位面）に吹き付けられるか、さもなければ塗布
され得る。

面板の皮膚境界（バリヤ）層１６と同様に、境界（バリ
ヤ）リング２６は、乾性及び湿性の双方の粘性を有す
る、種々の柔らかく、柔軟な、水分−吸収性皮膚境界
（バリヤ）物質の任意のものから形成され得る。かかる
皮膚バリヤ物質の特性は、変形力に応答して、流出また
は移動する傾向にある。輪郭に合わせて作られた気泡リ
ング２５の重要な働きは、（皮膚バリヤ物質の表面粘性
の理由のために）バリヤリングと接着接触になっている
ことにより、バリヤリングのかかる移動または流出を制
限することにある。変形力が解放されるときの気泡リン
グの回復能力のために、気泡リングはまた変形力が除去
されるかまたは減じられるとき、バリヤリングの形状を
回復する傾向をも有する。これらの長所は、中間気泡リ
ングが、同時に堅固な支持リング２４及び皮膚バリヤリ
ング２６間のクッションとして働くので達成される。結
果は、支持リングが主に組立体の中高の構造を維持する
ように働き、皮膚バリヤリングが着用者の皮膚に柔軟
で、保護的で、非刺激的な密閉剤層を提供し、そして、
弾力性のある気泡リング２５が皮膚バリヤリング２６の
移動の程度を制限するクッション層として働く、という
組立体が得られる。

気泡中間リング２５及び皮膚バリヤリング２６は、図に
示された中高（凸型の）断面輪郭に一緒に加熱成型され
得る。双方の層は、最初、平面状態に一緒に積層され、
次に、示された中高の構造を生成するために適切な鋳型
もしくは形状に対して熱及び圧力（または真空）が加え
られ得る。加熱成型手順は良く知られているので、かか
る動作のさらなる詳細な説明はここでは不必要と思われ
る。

皮膚バリヤリング２６及び中間気泡リング２５は、それ
ぞれ整列した開口２６ａ及び２５ａを有しており、それ
らは、支持リング２４の開口２７と正しく合わされる
が、実質的に該開口２７より小さいということも分か
る。理想的には、開口２５ａ及び２６ａは製造時にあら
かじめ形成されるが、所望ならば、それら開口は、装置
の適用時に使用者によって形成されるか切断され得る。
加得るに、皮膚バリヤリング２６は、支持リング２４よ
り実質的に大きい外側直径を有し得る。特定的には、皮
膚バリヤリングは、支持リング２４の周辺を越えて半径
方向外方に突出している、外側縁部分２６ｂを有し得
る。示された実施例において、気泡リングは、バリヤリ
ング２６と同一の広がりを有し、従って、該気泡リング
も支持リングの周辺を越えて外方に突出する外側縁部分
２５ｂを有している。圧力リング組立体の層のうちの柔
軟な近位置と面板１２との間に密閉係合が生じるよう
に、少なくともバリヤリングには、外方に突出した縁部
分を設けることが重要である。製造手順は、２つの変形
可能なリング２５及び２６が面積において同じ広がりを
有し、かつ各々一様の厚さである場合には容易にされ、
その理由は、かかる層は、１つの積層物として形成さ
れ、同時に形作られるようダイカット(die cut)され、
第１図に示される中高の（凸型の）構造に圧力（もしく
は真空）および／または熱によって形成され、そして堅
固な支持リング２４の近位面に粘着的に固着されるから
である。

第１図〜第３図の幻影線３１で示されるように、皮膚バ
リヤリング２６の接着近位面は、取除き可能な保護解放
フィルムによって覆われる。シリコーン被覆ポリエチレ
ンまたは他の適切なプラスチック物質から形成され得る
該フィルムは、（バリヤリング２６の外側縁を保護する
ために）圧力リング組立体より大きい直径であるのが好
ましく、そして使用者によって解放フィルムの除去を容
易にするよう、タブ３１ａを有し得る。同様に、面板の
皮膚バリヤ層１６に近位面、及び微少多孔性パッチ１７
の接着面もまた適切な解放層（図示せず）によって覆わ
れ得る。

圧力リング組立体１３は、第１図〜第３図に示された形
態で使用者に供給され得、この場合、使用者は、第４図
及び第５図に示された態様で圧力リング組立体をオスト
ミィ器具の面板に簡単に接合するであろう。代替的に
は、かかる操作は、使用者に供給される製品が第５図に
示す組立られた態様を取るように、製造中に行われ得
る。（すでに説明したように、いずれの場合にも、バリ
ヤ層１６および／または気泡層１８は省略され得る）。
保護解放フィルムを取除いた後、組立てられた器具は、
患者の腹壁Ａに対して適所に簡単に駆り立てられるであ
ろう。その凸型の構造のため、リング組立体１３は、第
６図に幾分概略的に示したように、小孔(stoma)Ｓの突
出を生じるよう、直接の囲口部(peristomal)部位におい
て腹部に対して内方に押しつける。面板１２は体の輪郭
に順応する傾向を有するが、圧力リング組立体は支持リ
ング２４の堅固のためその凸形状を維持することが分か
る。バリヤリング２６及び気泡リング２５を通る開口
は、支持リングの開口２７より小さいので、ストーマす
なわち小孔は、堅固な支持リングとの直接接触に対し保
護される。

第１図〜第６図は、一般に、１つの部分から成るオスト
ミィ器具として言及されるものの部分として圧力リング
組立体１３を示している。同様の圧力リング組立体は、
第７図に示すような、２つの部分から成る器具と共にも
用いられ得る。第７図の圧力リング組立体及び面板は、
第１図−第６図に示した部品と、すべての重要な観点に
おいて同じであるが、しかしながら、面板は、収集ポー
チに直接接続される代わりに、環状のプラスチックのウ
ェブ３５によって面板結合リング３６に接合されてい
る。ポーチ１１′には、それ自身のポーチ結合リング３
７が装備されている。可とう性のプラスチック結合リン
グ３６及び３７は、米国特許第4,610,678号明細書に記
載されたものと構造及び操作において同様であり、その
開示内容は、参照によってここに組込まれている。第７
図に示された構造の長所は、２つの部分から成る器具を
着用する使用者が、身体壁に取付けられた面板１２、凸
型の圧力リング組立体１３、及び結合リング３６を残し
たまま、ポーチ１１′を取除き、それを新しいポーチと
取換えることができるということである。第７図は、２
つの部分から成る結合の１つの型を示すが、取外し可能
な他の型の結合リング組立体が、面板及びポーチの取付
け及び取外しを可能にするよう用いられて良いというこ
とが理解されるべきである。

圧力リング組立体がどんな場合にも結合リング３６及び
３７の操作の妨げをしないということは重要なことであ
る。凸型の挿入物が面板の遠位側から適所に適合される
よう要求される従来の構造とは異って、組立体１３は面
板の近位表面に固着される。従って、凸型の圧力リング
組立体の装着が、リング３６の密閉面をゆがめたり、損
傷したりするかも知れないという危険性はない。圧力リ
ング組立体は結合リング３６に直接には取付けられない
ので、そして組立体１３は面板の近位表面に適用される
ので、その構成は、結合リング３６、３７の構造及び操
作によって妥協される必要はない。

圧力リング組立体が面板の近位側に適用されるという事
実は、また、圧力リング組立体１３が１つの部分から成
る器具（第１図〜第６図）と共に用いられるときにも重
要な長所である。従来の凸型の挿入物とは違って、組立
体１３は、第４図及び第５図に示されるように、面板の
近位表面に簡単に固着されるものであり、低部の排液開
口を通してポーチ内に上方に挿入された後、面板の遠位
側でポーチの内側に固着されるということはない。

第８図及び第９図もまた、２つの部分から成る器具を示
すが、第７図の実施例とは異って、面板結合リング１３
６は、堅固な支持リング１２４の一体の伸長部として形
成される。環状の伸長部１３６は、身体とは離れた方向
に向かう遠位方向に延び、そしてポーチ結合リング１３
７は環状のカラー部分１３８を含み、該カラー部分１３
８は、第９図に示されるように一緒にラッチされると
き、環状の伸長部１３６を受ける。結果として、支持リ
ング１２４が、ストーマすなわち小孔用の突出部を生じ
るための凸型の圧力リングを提供すると共に、ポーチに
面板を取外し可能に結合するためのラッチ手段を提供す
るという複式作用を行う構造が得られる。先の実施例の
ように、第８図及び第９図の構造は、バリヤリング２
６、中間気泡リング２５及び微少多孔質パッチ１７を含
んでいる。所望ならば、気泡層１８及び皮膚バリヤ層１
６が、凸型の圧力リング組立体及び面板間に挿間され得
るが、前述したように、かかる素子は省略しても良い。

第１０図及び第１１図は、堅固な支持リング２２４の凹
面２６０内にラッチ素子２３６及び２３８を配置するこ
とによって、２つの部分から成る器具の輪郭を縮小する
方法を示す。第８図及び第９図におけるように、面板の
ラッチもしくは結合リング２３６は、堅固な支持リング
２２４の一体の伸長部であるが、しかしながら、先の実
施例とは対照的に、伸張部２３６は、支持リングの遠位
方向に面する空洞内に配置される。ポーチ２１１の結合
リング２３７が、合リング部分２３６との係合関係にも
たらされたとき、それら部品は、着用者の身体にきわめ
て接近して平坦な輪郭の器具を提供するよう一緒にぴっ
たりと重ねられる。他の点においては、第１０図及び第
１１図の実施例は、先の実施例のものと同様である。

以上、本発明の実施例を説明の目的のためにかなり詳細
に開示してきたけれども、これら詳細の多くは本発明の
精神並びに範囲を逸脱すること無く変更され得ることが
当業者には理解されるであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明を実施した凸型の圧力リング組立体を
示す拡大断面図、第２図は、遠位側から凸型の圧力リン
グ組立体を示す斜視図、第３図は、近位側から凸型の圧
力リング組立体を示す斜視図、第４図は、面板に装備さ
れたポーチ及び凸型の圧力リング組立体を別々の状態で
示す垂直断面図、第５図は、第４図の面板に装備された
ポーチ及び凸型の圧力リング組立体を結合した状態で示
す垂直断面図、第６図は、同一平面もしくは引っ込んだ
小孔の突出を生じさせる際の凸型圧力リング組立体の効
果を示す、第５図と同様の垂直断面図、第７図は、粘着
性面板及び収集ポーチが一対の可撓性結合リングによっ
て取り外し可能に接続される２ピース器具と称されるも
のと組合わせて本発明の凸型圧力リング組立体を用いた
場合の第２の実施例を示す垂直部分断面図、第８図は、
２ピース器具の要素を有する第３の実施例を分離した状
態で示す垂直部分断面図、第９図は、第８図の要素を組
立状態で示す断面図、第１０図は、２ピース器具の要素
を有する第４の実施例を分離した状態で示す垂直部分断
面図、第１１図は、第１０図の要素を組立状態で示す断
面図である。図において、１０はオストミィ器具、１１
は収集ポーチ、１１ａは遠位壁、１１ｂは近位壁、１２
は面板、１３は圧力リング組立体、１５は開口、１６は
皮膚境界リング、１７は微少多孔性パッチ、１８は気泡
中間リング、２０は熱可塑性接続リング、２３は中心開
口、２４は支持リング、２４ａは内部壁部分、２４ｂは
外部壁部分、２５は中間の気泡リング、２６は近位のバ
リヤ・リング、２７は中心開口、２８は一体の環状フラ
ンジである。

Claims (23)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】小孔用開口が設けられた壁を有するプラス
   チック性フィルムから形成された収集ポーチと、近位表
   面及び遠位表面を有しかつ前記ポーチの前記小孔用開口
   と整列して貫通した開口を有する可撓性かつ概して平面
   状の面板と、該面板を着用者の囲口部皮膚表面に粘着的
   に固着するための前記近位表面に沿った接着手段と、前
   記面板の前記遠位表面を前記小孔用開口の回りで前記ポ
   ーチの前記壁に接続する接続手段と、を備えたオストミ
   ィ器具において、 圧力リング組立体を含むように改良されており、該圧力
   リング組立体は、 内部及び外部壁部分を持った環状壁を有する比較的堅固
   な支持リングであって、前記内部壁部分が、前記面板及
   びポーチの前記開口と整列する中心開口を有すると共に
   近位方向に向かう凸型の湾曲を有している前記支持リン
   グと、 前記支持リングの外部壁部分を前記面板開口の回りで前
   記面板の近位表面に固着する手段と、 前記支持リングの凸型の近位表面に固着されると共にそ
   れを超えて延びる弾性で、水分不浸透性、かつ加熱成型
   可能な物質の中間リングと、 該中間リングの近位表面に固着されかつそれを覆う、柔
   軟、変形可能、水分吸収性の乾式かつ湿式の粘性の皮膚
   バリヤ物質から構成されたバリヤ・リングと、 を備えているオストミィ器具。
2. 【請求項２】前記中間及びバリヤ・リングは、前記支持
   リングの前記開口と整列して貫通すると共にそれよりも
   実質的に小さい開口を有する特許請求の範囲第１項記載
   のオストミィ器具。
3. 【請求項３】前記中間リング及び前記バリヤ・リングの
   各々は実質的に均一の厚さである特許請求の範囲第１項
   または第２項記載のオストミィ器具。
4. 【請求項４】前記中間リングは、柔軟かつ弾性的な熱可
   塑性気泡から形成された特許請求の範囲第１項または第
   ２項記載のオストミィ器具。
5. 【請求項５】前記気泡リング及びバリヤ・リングの各々
   は、前記支持リングの周辺を半径方向外方に超えて延び
   る外側縁境界部分と、該縁部分を前記面板の前記近位表
   面に接着的に固着する手段とを有している特許請求の範
   囲第４項記載のオストミィ器具。
6. 【請求項６】前記縁部分を前記面板に接着的に固着する
   前記手段は、前記面板の近位表面に渡って延びる乾式及
   び湿式粘性の皮膚バリヤ物質の層を含む特許請求の範囲
   第５項記載のオストミィ器具。
7. 【請求項７】前記気泡リングは、前記支持リングの近位
   表面の輪郭に順応する加熱成型の凸型湾曲を有する特許
   請求の範囲第４項記載のオストミィ器具。
8. 【請求項８】前記面板は、薄い微少多孔性シート物質の
   層と、該微少多孔性の層の近位表面の少なくとも一部分
   に渡って延びる乾式かつ湿式粘性を有する、柔軟で変形
   可能で水分吸収性の皮膚バリヤ物質の層とを含む特許請
   求の範囲第１項または第２項記載のオストミィ器具。
9. 【請求項９】柔軟かつ弾性的で流体不浸透性のプラスチ
   ック気泡の層が、前記微少多孔性層及び前記皮膚バリヤ
   層間に挿間されてそれら双方に固着される特許請求の範
   囲第８項記載のオストミィ器具。
10. 【請求項１０】前記支持リングは、前記面板の前記開口
    内に遠位方向に突出する一体の環状フランジを含む特許
    請求の範囲第１項または第２項記載のオストミィ器具。
11. 【請求項１１】前記接続手段は、結合リング組立体を備
    え、該結合リング組立体は、前記面板に固着される面板
    結合リング及び前記ポーチ取り付けられるポーチ結合リ
    ングを含み、これら結合リングの各々は、これらを選択
    的に取り外しかつ取り付けるのを許容するラッチ部分を
    有した特許請求の範囲第１項または第２項記載のオスト
    ミィ器具。
12. 【請求項１２】前記面板結合リングの前記ラッチ部分
    は、前記支持リングと一体に形成された特許請求の範囲
    第１１項記載のオストミィ器具。
13. 【請求項１３】前記支持リングは、空洞を区画する遠位
    表面に面した凹型の方向を有し、前記面板結合リングの
    前記ラッチ部分は前記空洞内に配置される特許請求の範
    囲第１２項記載のオストミィ器具。
14. 【請求項１４】小孔用開口を有する収集ポーチを含むと
    共に、該ポーチの小孔用開口を整列した開口を有しかつ
    着用者に囲口部での取り付けを行うための粘着的な近位
    表面を有する可撓性の面板が装備されたオストミィ器具
    のための圧力リング組立体であって、 内部及び外部壁部分を持った環状壁を有する比較的堅固
    な支持リングであって、前記内部壁部分は面板及びポー
    チの開口と整列可能な中心開口を有すると共に近位方向
    に突出する凸型の湾曲を有し、前記外部壁部分は面板の
    開口の回りで面板の近位表面に取り付けるようにされた
    前記支持リングと、 前記支持リングの凸型の近位表面に固着されると共にそ
    れを超えて延びる柔軟で、弾性、かつ水分不浸透性の熱
    可塑性物質の中間リングと、 該中間リングの近位表面に固着されかつそれを覆う、柔
    軟、変形可能、水分吸収性の乾式かつ湿式粘性の皮膚バ
    リヤ物質から構成されたバリヤ・リングと、 を備えているオストミィ器具のための圧力リング組立
    体。
15. 【請求項１５】前記中間リング及びバリヤ・リングは、
    前記支持リングの前記開口と整列して貫通し実質的にそ
    れよりも小さい開口を有する特許請求の範囲第１４項記
    載の圧力リング組立体。
16. 【請求項１６】前記中間リングは、柔軟かつ熱可塑性の
    気泡から形成される特許請求の範囲第１４項記載の圧力
    リング組立体。
17. 【請求項１７】前記気泡中間リングは、前記支持リング
    の凸型の近位表面輪郭と順応する加熱成型される湾曲断
    面形状を有する特許請求の範囲第１６項記載の圧力リン
    グ組立体。
18. 【請求項１８】前記気泡リング及びバリヤ・リングの各
    々は、実質的に均一の厚さである特許請求の範囲第１６
    項記載の圧力リング組立体。
19. 【請求項１９】前記中間リング及びバリヤ・リングの各
    々は、前記支持リングの周辺を半径方向外方に超えて延
    びる外側縁部分を有した特許請求の範囲第１４項記載の
    圧力リング組立体。
20. 【請求項２０】前記支持リングは、前記内部及び外部壁
    部分の合併部(merger)において、そこから遠位方向に突
    出する一体の環状フランジを含む特許請求の範囲第１４
    項記載の圧力リング組立体。
21. 【請求項２１】当該圧力リング組立体の一素子として面
    板が含まれ、該面板の近位表面に前記支持リングの外部
    壁部分を固着する手段が設けられ、前記面板は、収集ポ
    ーチのかみ合う結合リングに取り外し可能に接続するよ
    うに適合された面板結合リングに接続される遠位表面を
    有する特許請求の範囲第１４項または第１５項記載の圧
    力リング組立体。
22. 【請求項２２】前記堅固な支持リングの前記壁は、収集
    ポーチをそれに取り外し可能に結合するための遠位方向
    の突出した一体のラッチ手段を含む特許請求の範囲第１
    ４項または第１５項記載の圧力リング組立体。
23. 【請求項２３】前記支持リングは、空洞を区画する遠位
    方向に面する凹型表面を有し、前記ラッチ手段は前記空
    洞内に位置する特許請求の範囲第２２項記載の圧力リン
    グ組立体。