JPH06225778A - 海洋微細藻類によるドコサヘキサエン酸の生産方法 - Google Patents

海洋微細藻類によるドコサヘキサエン酸の生産方法

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JPH06225778A
JPH06225778A JP5034636A JP3463693A JPH06225778A JP H06225778 A JPH06225778 A JP H06225778A JP 5034636 A JP5034636 A JP 5034636A JP 3463693 A JP3463693 A JP 3463693A JP H06225778 A JPH06225778 A JP H06225778A
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JP
Japan
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dha
light intensity
docosahexaenoic acid
light
production
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JP5034636A
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Seishi Nokihara
清史 軒原
Tadashi Matsunaga
是 松永
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ドコサヘキサエン酸(DHA)生産性海洋微細
藻類によるDHAの生産において、培養液内の光強度を
均一に分散させる装置を用い、かつその光強度を一定の
範囲に制御することを特徴とするDHAの生産方法。 【効果】本発明の方法により、Isochrysis
galbanaをはじめとするDHA生産性海洋微細藻
類の培養によるDHAの生産を、高い効率で行うことが
可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は海洋微細藻類によるドコ
サヘキサエン酸の生産方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】DHAは
脳の神経組織やヒトの網膜の構成脂質として、重要な機
能を果たすことが知られている(Drats EA, Deese AJ
(1986), Health Effects of Polyunsaturated Fatty Ac
ids in Seafoods. Academic Press, 319-340、Neuring
er M, Connor WE, van Patten C, Barstad L (1984) J
Clin Invest, 73:272-281)。さらに、DHAなどのω
3系統の高度不飽和脂肪酸(HUFA)は、ヒトの種々
の疾病に対して予防効果があることが報告されている
(Yongmanitchai W, Ward OP(1989) Omega-3 fatty aci
ds:Alternative Sources of Production. ProcessBioc
hemistry 117-125)。現在、これらの高度不飽和脂肪酸
の供給源は魚油であるが、魚油由来のDHAは魚臭が強
く品質が悪い。一方、魚油中のこれらの脂肪酸の起源
は、魚の餌である海洋微生物であることが知られてい
る。
【0003】
【課題を解決するための手段】ある種の海洋微細藻類例
えば、海洋単細胞藻類の一種であるハプト藻(Isoc
hrysis galbana)にはEPAやDHAが
豊富に含まれていることが報告されている(Yongmanitc
hai W, Ward OP (1989) Omega-3 fatty acids:Alternat
ive Sources of Production. Process Biochemistry 1
17-125)。Isochrysis galbanaはω
3系統の高度不飽和脂肪酸源として知られ、餌料藻類と
して水産業に利用されている(Bayne BL (1976) The bi
ology ofthe mussel larvae. In:Bayne BL(eds)Marine
Mussels:Their Ecology and Physiology. Cambridge Un
iversity Press, London, 319-340、Epifanio CE (197
9)Comparison of yeast algal diets for bivalve moll
usucs. Aquaculture, 16:187-192)。これまで、I.g
albanaでは餌料藻類として藻体を利用することを
主目的として研究が行なわれてきたが、DHAに注目し
て行なった研究はほとんどなかった(Molina Grima E,
Sanchez Perez J A; Garcia Sanchez J L; Garcia Cama
cho F, lopez Alonso D (1992) EPA from Isochrysis g
albana. Growth Conditions and Productivity. Proces
s Biochemistry 27:299-305)。本発明者らは、DHAお
よびDHA含有脂質に着目し、微細藻類による高品質D
HAの高効率生産を目的として研究を行い、海洋微細藻
類の培養条件、特に光照明方法及びその強度を制御する
こと等により、DHAの高効率生産を達成できることを
発見し、さらに研究を進めて本発明を完成した。
【0004】すなわち、本発明の要旨は、ドコサヘキサ
エン酸(DHA)生産性海洋微細藻類によるDHAの生
産において、培養液内の光強度を均一に分散させる装置
を用い、かつその光強度を一定の範囲に制御することを
特徴とするDHAの生産方法に関する。好ましくは、そ
の光強度を均一に分散させる装置がフォトバイオリアク
ターであり、そのDHA生産性海洋微細藻類がハプト藻
(Isochrysis galbana)であり、特
に好ましくは、そのDHA生産性海洋微細藻類が、パブ
ロバ・ルテリ(Pavlova lutheri)、ク
リコスファエラ・カルテラエ(Cricosphaer
a carterae)、カエトセロス・カルシトラン
ス(Chaetoceros calcitran
s)、カエトセロス・グラシリス(Chaetocer
os gracilis)、又はクリプトモナス・スピ
ーシーズ(Cryptomonas sp.)であるも
のである。
【0005】微細藻類によるDHA生産をコントロール
する要因として、光、二酸化炭素、温度および培地成分
が考えられる。これらの要因を最適化することによって
微細藻類がもつ光合成能力、DHA生産能力を発揮させ
ることができる。この中でも光の照明の最適化は困難な
問題である。藻体懸濁液に外部から光を照射すると、藻
体懸濁液の光照射側に存在する細胞に光が遮られ、実際
には、懸濁液内部の細胞には光が供給されない。したが
って、微細藻類を効率よく培養するためには、培養液内
において十分に光を供給する必要がある。培養液内の光
強度を均一にし、かつ培養に必要な光を十分に供給する
ことが可能な、フォトバイオリアクターが開発されてい
る(Matsunaga T, Takeyama H, Sudo H, Oyama N, Ariu
ra S, Takano H, Hirano M, BurgessJG, Sode K, Nakam
ura N (1991) Glutamate production from CO2 by mari
necya-nobacterium Synechococcus sp. using a novel
biosolar reactor employing light-diffusing optical
fibers. Appl Biochem Biotechnol 28/29:157-167)。
【0006】本発明に用いられるDHA生産性海洋微細
藻類としては、培養条件を適当に選べばDHAを産生す
ることができる海洋微細藻類であれば特に限定されるこ
とはなく、また遺伝子組換え、突然変異等の手段により
得られるDHA高生産株も含まれる。具体例としては、
ハプト藻に属するイソクリシス・ガルバナ(Isoch
rysis galbana)、ツノケイ藻に属するカ
エトセロス・グラシリス(Chaetoceros g
racilis)、カエトセロス・カルシトランス(C
haetoceros calcitrans)、クリ
プト藻に属するクリプトモナス属菌(Cryptomo
nas sp.)、その他パブロバ属菌(Pavlov
a lutheri)およびクリコスファエラ属菌(C
ricosphaera carterae)などが挙
げられる。
【0007】より具体的には、イソクリシス・ガルバナ
LB2307、イソクリシス・ガルバナ LB980
7、カエトセロス・グラシリス 2375、カエトセロ
ス・カルシトランス CCAL1315、クリプトモナ
ス・スピーシーズ LB2423、パブロバ・ルテリ
LB1293、クリコスファエラ・カルテラエ LB1
014、クリコスファエラ・カルテラエ LB2167
等が挙げられ、これらの菌株はテキサス大の藻類カルチ
ャーコレクション及びprovasoli Gilla
rd藻類カルチャーセンターのいずれかから容易に入手
することができる。
【0008】光強度を培養液内に均一に分散させる装置
としては、均一な光強度を培養液内の藻細胞に均等に照
射させるための装置であれば足り、例えば培養液内に光
源を投入し、かつ効果的な撹拌を行う簡便な装置から、
水中光合成装置(特願平4−56226)そしてフォト
バイオリアクター(Matsunaga ら Appl. Biochem. Biot
echn. 28/29, 157 (1991))などが挙げられる。
【0009】上記フォトバイオリアクターの一例の概要
は次のとおりである。アクリル製カラム(70mm×9
00mm)を培養器とし、そこに外径1mmの側面から
光が分散する処理を施した光ファイバーが1mm間隔で
661本挿入してある。ファイバーの両端は結束してあ
る。光源はキセノンランプ(300W、ラフォーレエン
ジニアリング社製)を用い、結束した光ファイバーの一
端から光を導入する。ファイバーに入射した光は、ファ
イバー表面から光を放ちながらファイバーの中を通って
行く(Matsunaga T, Takeyama H, Sudo H, Oyama N, Ar
iura S, Takano H, Hirano M, BurgessJG, Sode K, Nak
amura N (1991) Glutamate production from CO2 by ma
rinecya-nobacterium Synechococcus sp. usinga novel
biosolar reactor employing light-diffusing optica
l fibers. ApplBiochem Biotechnol 28/29:157-167)。
ファイバー表面の光強度はキセノンランプの光量を変化
させることによって制御することができる。キセノンラ
ンプ光源装置は電圧によって光量を変化させることが可
能である。培養液へのガス供給は、リアクターの底に取
り付けた2つのノズル(φ2mm)を用いて、800m
l/minの速度で行なう。光強度は培養中、一定の範
囲に制御される。一定の範囲とは、偏平フラスコ培養に
おいては、100〜600μEm-2-1の範囲、上記フ
ォトバイオリアクターの場合は、ファイバー表面の光強
度を2〜8μEm-2-1の範囲で制御することを意味す
る。
【0010】本発明に用いられる藻類培養のための培地
としては、目的の藻類の培養に適するものであれば特に
制限されるものではなく、例えば、Eppleyの培地
(Eppley R Wら、J. Exp. Marine Biology and Ecology
1,191 (1967))が挙げられる。Eppleyの培地
は、海水900mlと蒸留水100ml中に50.5m
gKNO3 、8.7mg K2 HPO4 、1mlの微量
金属混液、1mlのビタミン混液から成る。微量金属混
液の組成は、蒸留水1リットルに19.6mgCuSO
4 ・5H2 O、44.0mg ZnSO4 ・7H2 O、
20.0mgCoCl2 ・6H2 O、360mg Mn
Cl2 ・4H2 O、12.6mg Na2 MoO4 ・2
2 O、10mg Fe−EDTAであり、ビタミン混
液の組成は、200mgチアミン、1mgビオチン、
0.2mgビタミンB12である。
【0011】培養は、例えば1.5リットル容の偏平フ
ラスコに1リットルのEppley培地を入れ、300
〜600ml/minのCO2 ガス通気を行いつつ、一
定の光強度の光照射下、20〜30℃で4〜7日間行
う。光強度が通常のフラスコ培養では100〜600μ
Em-2-1の範囲、好ましくは150〜250μEm-2
-1の範囲に制御するのがよい。光強度が100μEm
-2-1未満では、光飽和点に未到達であり、600μE
-2-1を越えると細胞に与えるエネルギーが過剰であ
るので好ましくない。但し、フォトバイオリアクターを
使用する場合、光強度は2〜8μEm-2-1の範囲が好
ましく、3〜5μEm-2-1が特に好ましい。
【0012】フォトバイオリアクターにより培養する場
合は、前培養した培養液を遠心分離し、得られた細胞を
新鮮培地に再懸濁し、光強度、温度等を制御しつつ培養
を行う。
【0013】本発明で得られる藻体中のDHAの含量の
測定は常法に従い以下のように行う。まず対数増殖期の
後期の細胞を6000Gで10分間遠心分離し、pH9
のホウ酸緩衝液で洗浄し、凍結乾燥してDHAの分析に
供する。10mgの乾燥藻体に、2mlの5%塩酸−メ
タノールを加え3時間加熱し、藻体中の脂肪酸を直接メ
チル化する(Hirano M, Miura Y, Matsunaga N, Nakamu
ra N, matsunaga T (1990) Gamma Linole-nic acid pro
duction by microalgae.Appl Biochem Biotechnol 24/2
5:183-191、Kates M (1964) Simplified procedures fo
r hydorolysis or methanolysis of lipids. J Lipid R
es 5:132-135)。メチル化後、n−ヘキサンで脂肪酸メ
チルエステルを抽出し、GC−FIDで脂肪酸分析を行
なう。装置はHitachi−163(日立製作所製)
を用い、カラムはDEGS(φ3mm×2m)を用い、
190℃の定温条件で行なう。脂肪酸含量は、内部標準
法により決定する。DHAの同定は、GC−MS(C
I)で行なう。GCMS−QP1000(島津製作所
製)を用い、カラムはCP−Sil 88(50m×
0.22mmID、df=0.2μm、CHROMPA
CK製)、100℃(2min)→<5min>→24
0℃の昇温条件で行なう。標準物質のリテンションタイ
ムおよびフラグメンテーションとの比較により、DHA
の同定を行なう。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定
されるものではない。 実施例1 DHA生産微細藻類のスクリーニング 海洋微細藻類の脂質、脂肪酸に関しては多くの報告があ
る。しかし、DHAの生産に関する報告はなかった。そ
こで、比較的高度不飽和脂肪酸含量が高く、DHA生成
が確認されている微細藻類を収集し、藻体中のDHA含
有量についてスクリーニングを行なった。これを表1に
示す。スクリーニングを行なった8株のうち、藻体中の
DHA含量はハプト藻Isochrysis galb
ana UTEX LB2307が最も高かった。
【0015】
【表1】
【0016】実施例2 Isochrysis galbana UTEX L
B2307細胞の脂肪酸組成 GC−FID分析の結果、I.galbana UTE
X LB2307の脂肪酸は、C16:0が10〜15%、
18:1が20%、C18:4が15〜20%、C22:6が10
%であり、C20:5が0.5%であった。C22:6のピーク
がDHAであることを確認するために、GC−MS(C
I)分析を行なった。また、I.galbanaの脂肪
酸メチルエステル(図1中の(A))についてトータル
イオンクロマトグラフィー(TIC)を行った結果を図
1に示した。比較として、DHA標準試料(DHAメチ
ルエステル:図1中の(B))のTICを示した。標準
試料のDHAメチルエステルと同じリテンションタイム
のピーク1(図1)が確認された。さらに、ピーク1の
フラグメンテーションと標準試料のフラグメンテーショ
ンとの比較、およびコンピュータデータベースによるラ
イブラリーサーチからピーク1はDHAメチルエステル
であることが確認された。
【0017】実施例3 I.galbanaの生育およびDHA生成に対する照
射光強度の影響について調べた。Eppley培地を用
いた偏平フラスコ培養を行い、照射光強度を10〜30
0μEm-2-1の間で変化させたとき、300μEm-2
-1で生育が最大となり、一方、藻体当たりのDHA含
量は200μEm-2-1で最大となった。次にI.ga
lbanaのDHA生成に対する温度の影響を調べた。
Eppley培地を用いた偏平フラスコ培養において照
射光強度を150μEm-2-1に保ち、培養温度を15
〜30℃の間で変化させたとき、20℃で得られたDH
A含量は最大となった。なお、得られたI.galba
na藻体を暗条件で処理したところ、通常の処理条件下
で得られたDHA含量の1.2倍の含量が観察された。
また藻体処理を15℃の低温で行ったところ、DHA含
量は室温処理の1.1倍であった。これらの事実は、藻
体からのDHAの単離精製には暗条件処理、低温処理が
有利であることを示す。
【0018】実施例4 DHA生産に対する温度の影響 初期藻体濃度0.04g/リットル、光強度100μE
-2-1で、培養温度を10℃から35℃の範囲でEp
pley培地を用いた偏平フラスコ培養を行い、イソク
リシス・ガルバナ(I.galbana)UTEX L
B2307の藻体増殖量(図2)および藻体中のDHA
含量(図3)を比較した。25℃のとき藻体増殖量は最
大となり、4日間の培養で0.9g/リットルの藻体が
得られることが確認された。30℃においても0.7g
/リットルと、比較的高い増殖量を確認した。また、藻
体中のDHA含量は、図3に示すように培養温度17℃
で最大となり、15mg/g乾燥藻体であった。藻体増
殖量が最大となった25℃では、DHA含量は13mg
/g乾燥藻体であった。従って、培養液1リットル当り
のDHA生産量は、10℃で1mg、17℃で3.8m
g、20℃で6.6mg、25℃で11.3mg、30
℃で6.9mg、35℃で1.9mgとなり、20℃か
ら30℃の範囲内がDHAの生産に好ましいことが明ら
かである。
【0019】実施例5 フォトバイオリアクターによるDHA生産 実験に用いたフォトバイオリアクターは、培養液内の光
環境を最適化することが可能である。このフォトバイオ
リアクターを用いることによって、海洋藍藻を10g/
リットル以上の高密度まで培養できることが確認されて
いる(Takano,1992)。このフォトバイオリ
アクターを用いて、I.galbanaによるDHA生
産量の増大を試みた。藻体増殖量に対する光強度の影響
を調べた(図4)。即ち、初期藻体濃度は0.72g/
リットルで、Eppley培地を用いて1日培養を行っ
た。その結果、リアクター内に挿入した661本の光フ
ァイバー表面の光強度が4.5μEm-2-1のとき、1
日あたりの藻体増殖量は0.36g/リットルと最大と
なった。これは今までの培養法によるIsochrys
is galbana Parkeで報告されている値
(Molina Grima E, Sanchez Perez J A; Garcia Sanche
z J L; Garcia Camacho F, Lopez Alonso D (1992) EPA
from Isochrysis galbana. Growth Conditions and Pr
oductivity. Process Biochemistry 27:299-305)の約3
倍である。藻体中のDHA含量は、図5に示すようにフ
ァイバー表面の光強度3.4μEm-2-1のとき15.
7mg/g乾燥藻体と最大になった。DHA含量は3.
4μEm-2-1を超える光強度で、光強度の増大ととも
に減少した。藻体増殖値および藻体中のDHA含量から
1日あたりのDHA生産量を算出した。ファイバー表面
の光強度4.5μEm-2-1のとき、DHA生産量は最
大となり、フォトバイオリアクターでのDHA生産量は
1日あたり4.3mg/リットルであった。この値はこ
れまで報告された値の約2倍である(Molina Grima E,
Sanchez Perez J A; Garcia Sanchez J L; Garcia Cama
cho F, Lopez AlonsoD (1992) EPA from Isochrysis ga
lbana. Growth Conditions and Productivity. Process
Biochemistry 27:299-305)。
【0020】実施例6 実施例1で用いた各種藻類について、実施例4でイソク
リシス・ガルバナについて得られた最適条件下、すなわ
ちファイバー表面の光強度4.6μEm-2-1、培養温
度25℃でDHAの生産を行ったところ表2に示す結果
が得られた。本発明方法によれば、従来までDHAの微
量生産しか知られていなかった藻類についても相当量の
DHA産生が確認された。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明の方法により、Isochrys
is galbanaをはじめとするDHA生産性海洋
微細藻類の培養によるDHAの生産を、高い効率で行う
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、Isochrysis galban
aの脂肪酸メチルエステル(A)およびDHAメチルエ
ステル(B)のトータルイオンクロマトグラフィーであ
る。
【図2】図2は、Isochrysis galban
aの藻体増殖量に対する培養温度の影響を示した図であ
る。
【図3】図3は、Isochrysis galban
a中のDHA含量及び単位培養量当たりの総DHA含量
に対する培養温度の影響を示した図である。
【図4】図4は、Isochrysis galban
aの藻体増殖量に対する光強度の影響を示した図であ
る。
【図5】図5は、Isochrysis galban
a中のDHA含量及び単位培養量当たりの総DHA含量
に対する光強度の影響を示した図である。
フロントページの続き (72)発明者 軒原 清史 京都市右京区太秦多薮町14−5 サンベー ル太秦629 (72)発明者 松永 是 東京都府中市幸町2−41−13 府中第三住 宅2−304

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドコサヘキサエン酸(DHA)生産性海
    洋微細藻類によるDHAの生産において、培養液内の光
    強度を均一に分散させる装置を用い、かつその光強度を
    一定の範囲に制御することを特徴とするDHAの生産方
    法。
JP5034636A 1993-01-30 1993-01-30 海洋微細藻類によるドコサヘキサエン酸の生産方法 Pending JPH06225778A (ja)

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