JPH06224525A - プリント配線板用絶縁基板 - Google Patents

プリント配線板用絶縁基板

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JPH06224525A
JPH06224525A JP945593A JP945593A JPH06224525A JP H06224525 A JPH06224525 A JP H06224525A JP 945593 A JP945593 A JP 945593A JP 945593 A JP945593 A JP 945593A JP H06224525 A JPH06224525 A JP H06224525A
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一成 那和
Haruyuki Kano
治之 狩野
Yoshihisa Sone
嘉久 曽根
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱硬化性樹脂のフィルムからなるフレキシブ
ル基板または熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させたプ
リプレグを積層成形して得られるリジッド基板のいずれ
かの形態のプリント配線板用絶縁基板の性能の改善。 【構成】 熱硬化性樹脂として、縮合多環芳香族化合物
または縮合多環芳香族化合物と単環芳香族化合物との混
合物からなる原料物質と、少なくとも2個のヒドロキシ
メチル基またはハロメチル基を有する芳香族化合物から
なる架橋剤とを、酸触媒の存在下で反応させて得た縮合
多環系芳香族樹脂を使用する。 【効果】 従来のポリイミド系耐熱樹脂を使用した場合
より長期耐熱性がよく、誘電率、吸水性などの他の性能
面でも優れ、より安価に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高耐熱性、低誘電率を
特徴とする高性能を示し、比較的安価に製造可能なプリ
ント配線板用の絶縁基板に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁基板の表面に導体パターンをプリン
トにより形成したプリント配線板は、電子部品の実装基
板として広く利用されている。絶縁基板として最初に用
いられたのは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱
硬化性樹脂をそのまま、或いは強化用繊維に含浸させて
プリプレグの状態で成形することにより得られる、硬質
のリジッド基板であった。電子部品の小型化の要求に応
じて、フレキシブル基板と呼ばれる柔軟な絶縁基板が開
発され、フレキシブル基板の材料としてポリエステル系
樹脂が主に使用されてきた。
【0003】近年の配線の高密度化に伴い、絶縁基板に
耐熱性と低誘電特性が要求されるようになり、これらの
要求を満たす材料としてポリイミド系樹脂が登場した。
一般的なポリイミド系樹脂は、長期耐熱温度が約 200℃
と高く (エポキシ樹脂では約150 ℃以下) 、誘電率 (1
MHz での値、以下同じ) が単味では 3.5〜3.7 と比較的
低いという特徴を持ち、電子部品用の絶縁材料として非
常に優れている。この特徴を活かして、ポリイミド系樹
脂は、単味で板に成形したフレキシブル基板と、ガラス
繊維に含浸させたプリプレグを積層成形したリジッド基
板のいずれの形態でも、絶縁基板に使用されている。ポ
リイミド系樹脂を用いたリジッド基板の誘電率は、ガラ
ス繊維の充填率によっても異なるが、 4.5〜4.7 とフレ
キシブル基板に比べて高くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、ポリ
イミド系樹脂は電子部品用の絶縁材料として好適である
が、高価な樹脂であるため、使用が制限されることがあ
る。また、ポリイミド系樹脂は、吸水率が3%程度と比
較的高い。プリント配線板の一層の性能向上、特に、信
号処理速度の増大と高密度化を図るには、ポリイミド系
樹脂と同程度の耐熱性を有し、誘電率、特にリジッド基
板とした時の誘電率がより低く、吸水率も低い樹脂材料
を使用した絶縁基板が求められている。
【0005】本発明は、この要請に応えて、ポリイミド
系樹脂より安価に製造でき、ポリイミド系樹脂と同等以
上の性能を示す樹脂を使用した、プリント配線板用のリ
ジッド絶縁基板およびフレキシブル絶縁基板を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、ポリイミド系樹脂に代わる樹脂
材料として、縮合多環芳香族化合物または縮合多環芳香
族化合物と単環芳香族化合物との混合物からなる原料物
質と、少なくとも2個のヒドロキシメチル基またはハロ
メチル基を有する芳香族化合物からなる架橋剤とを、酸
触媒の存在下で反応させて得た、縮合多環系芳香族樹脂
(以下、SKレジンと呼ぶこともある)を絶縁基板材と
して用いる。
【0007】本発明で用いる縮合多環系芳香族樹脂は、
例えば、長期耐熱温度が約260 ℃とポリイミド系樹脂よ
りも高い。短期 (一次) 耐熱温度では、ポリイミド系樹
脂は300 ℃を超える非常に高い耐熱性を示すが、絶縁基
板としては長期耐熱性を有していなければならない。し
かし、ポリイミド系樹脂の長期耐熱温度は約200 ℃程度
と短期耐熱温度に比べて非常に低くなる。これに対し
て、縮合多環系芳香族樹脂は、短期耐熱温度は約 260℃
とポリイミドと同等でしかも耐熱性が持続し、長期的に
はポリイミド系樹脂より優れた耐熱性を示す。しかも、
この樹脂は誘電率が3.1 と低く、吸水率もポリイミド系
樹脂より低いといった、プリント配線板用の絶縁基板材
料として非常に適した特性を有することが判明した。
【0008】この縮合多環系芳香族樹脂は、ポリイミド
系樹脂と同様に、単味で板状に成形してフレキシブル基
板タイプの絶縁基板を構成してもよく、或いは適当な補
強用繊維に樹脂を含浸させてプリプレグを形成し、この
プリプレグを積層成形してリジット基板タイプの絶縁基
板を構成することもできる。
【0009】即ち、本発明により、上記の縮合多環系
芳香族樹脂からなることを特徴とするプリント配線板用
の絶縁基板と、この縮合多環系芳香族樹脂を補強用繊
維に含浸させた繊維強化樹脂からなることを特徴とする
プリント配線板用絶縁基板とが提供される。は主にフ
レキシブル基板となるが、硬化を進めて硬質体とするこ
とによりリジッド基板とすることもできる。はリジッ
ド基板である。
【0010】
【作用】縮合多環系芳香族樹脂は、縮合多環芳香族化合
物または縮合多環芳香族化合物と単環芳香族化合物との
混合物からなる原料物質を、少なくとも2個のヒドロキ
シメチル基またはハロメチル基を有する芳香族化合物か
らなる架橋剤と、酸触媒の存在下で反応させることによ
り得られる、熱硬化性樹脂である。
【0011】原料物質の縮合多環芳香族化合物として
は、ナフタレン、アセナフテン、フェナントレン、アン
トラセン、ピレンなどの縮合多環炭化水素類、ならびに
ナフトールおよびそのアルキル置換体等のヒドロキシ含
有誘導体が挙げられる。この縮合多環芳香族化合物に混
合して原料物質として使用しうる単環芳香族化合物とし
ては、フェノール、アルキルフェノール、レゾルシン等
のフェノール類やジフェニル、ジフェニルエーテル、ア
ルキルベンゼン等が挙げられる。
【0012】また、以上のような縮合多環または単環芳
香族化合物から誘導された2以上の芳香族単位がメチレ
ン基、フェニレン基またはキシリレン基等で連結されて
なる多核構造の芳香族化合物も多環または単環の原料物
質として使用できる。さらには、上記のような芳香族化
合物を主成分とする石炭系または石油系の重質油類、ピ
ッチ類も原料物質として使用可能である。
【0013】この原料物質と反応させる架橋剤は、少な
くとも2個のヒドロキシメチル基またはハロメチル基を
有する芳香族化合物、即ち、ベンゼン、キシレン、ナフ
タレン、アントラセン等の単環もしくは縮合多環芳香族
化合物またはそれらのアルキル誘導体等の炭化水素化合
物のヒドロキシメチルまたはハロメチル置換誘導体であ
る。ジヒドロキシメチルベンゼン (キシリレングリコー
ル)、ジヒドロキシメチルキシレン、トリヒドロキシメ
チルベンゼン、ジヒドロキシメチルナフタレン等のヒド
ロキシメチル化合物の使用が好ましい。
【0014】上記の原料物質と架橋剤とを酸触媒の存在
下に反応させる。好ましい酸触媒は、原料物質または架
橋剤の少なくとも一方と反応性であるか、または水不溶
性の、スルホン酸基含有触媒である。
【0015】反応性のスルホン酸基含有酸触媒として
は、架橋剤のヒドロキシメチル基またはハロメチル基と
反応し易い有機芳香族スルホン酸〔例、縮合多環芳香族
核 (ナフタレン核など) またはフェノール核を有する有
機スルホン酸、またはカルボキシル基、アミノ基、エポ
キシ基、不飽和炭化水素基等を有する有機芳香族スルホ
ン酸〕、ならびに原料芳香族化合物と反応するヒドロキ
シメチル基、ハロメチル基またはホルミル基を有する有
機芳香族スルホン酸〔例、ヒドロキシメチルベンゼンス
ルホン酸、クロロメチルベンゼンスルホン酸、ホルミル
ベンゼンスルホン酸、これらのナフタレン誘導体等〕が
使用できる。
【0016】水不溶性の有機スルホン酸基含有酸触媒と
しては、スチレン重合体をジビニルベンゼンで架橋させ
てからスルホン化したポリスチレンスルホン酸樹脂、フ
ェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等をアルデ
ヒドか少なくとも2個のヒドロキシメチル基もしくはハ
ロメチル基を有する芳香族化合物からなる架橋剤と縮合
させたフェノールスルホン酸樹脂、或いは縮合多環系芳
香族樹脂のスルホン化物等を挙げることができる。ま
た、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジドデシルベンゼ
ンスルホン酸などの疎水基を有する水不溶性の有機スル
ホン酸化合物も酸触媒として使用できる。
【0017】スルホン酸基含有酸触媒の使用量は、原料
物質の反応性、反応温度などにより異なるが、一般的に
は原料物質と架橋剤との混合物に対し0.2 重量%以上必
要で、好ましくは1〜20重量%である。架橋剤と被架橋
原料 (原料物質+酸触媒) の配合比は、モル比で0.7 〜
6、特に1〜3の範囲内が好ましい。反応温度は約50〜
200 ℃、好ましくは80〜180 ℃である。反応圧力は、通
常常圧ないし若干の加圧であるが、反応の結果生成する
縮合水を反応系から除去して反応効率を高めるために
は、減圧下で反応させることもできる。反応は、溶融状
態で行なうのが簡単であるが、適当な溶媒または分散媒
を用いて実施することもできる。
【0018】前記の反応の進行に伴って反応物の粘度が
上昇し、熱硬化性樹脂 (Bステージ樹脂) が得られる。
これをさらに加熱して反応を進めると、不溶不融性の硬
化体が生成する。従って、リジッド基板およびフレキシ
ブル基板のいずれの形態の場合も、溶融および溶液成形
が可能なBステージ状態の縮合多環系芳香族樹脂を使用
する。
【0019】この縮合多環系芳香族樹脂からプリント配
線板用の絶縁基板を製造する方法は、リジッド基板とフ
レキシブル基板のいずれについても、ポリイミド系樹脂
に対して従来より用いられてきた方法と同様でよい。
【0020】フレキシブル基板は、例えば、縮合多環系
芳香族樹脂をテトラヒドロフランなどの適当な揮発性の
有機溶媒に溶解し、得られた溶液からキャスト法により
フィルム状に成形することにより製造される。成形法は
押出成形法や射出成形法などの別の方法を利用すること
もできる。フィルムの厚みは10μm〜1mmの範囲内が普
通である。フィルム中には、必要に応じて、1種もしく
は2種以上の公知の各種の添加剤を含有させることがで
きる。このような添加剤としては、脂肪酸エステル系可
塑剤やノニオン系分散剤などがある。
【0021】必要であれば、得られたフィルムを、例え
ば 190〜230 ℃で10分〜1時間加熱することによって後
硬化させてもよい。この後硬化により、フィルム (即
ち、フレキシブル基板) の可撓性を調整することができ
る。この後硬化を進めると、最終的にフィルムが可撓性
を失い、硬質フィルムとなる。その場合には、実質的に
樹脂単味であっても、リジッド基板となる。このように
してリジッド基板とする時には、厚みを約2mm程度まで
厚くして、シート状としてもよい。
【0022】プリント配線用の絶縁基板としては、この
フィルムまたはシートの両面に接着剤 (例、SKレジン
系接着剤) を塗布し、2枚の銅箔の間に挟んでプレスし
て、銅張り基板として出荷される場合もある。この銅張
り基板にフォトレジストを塗布し、配線のパターンマス
クを通して露光した後、フォトレジストの現像および銅
箔のエッチングを行うと、プリント配線板が得られる。
必要に応じて、さらにスルーホールの形成などの加工を
施す。
【0023】補強用繊維を樹脂に含浸させてなるリジッ
ド基板は、慣用のプリプレグ法により製造することがで
きる。プリプレグの製造は、溶剤法とホットメルト法の
いずれの方法でも実施できる。溶剤法は、樹脂を適当な
有機溶媒に溶解した樹脂溶液(ワニス)を補強用繊維に
含浸させ、加熱により脱溶媒してプリプレグを得る方法
である。ホットメルト法は、少なくとも一方に加熱溶融
した樹脂を塗工した2枚の離型紙の間に補強用繊維を挟
み、これを加熱ロールの間に通して樹脂を溶融させ、繊
維に含浸させる方法である。
【0024】補強用繊維としては、従来よりリジッド基
板の製造に用いられている任意の絶縁性繊維が使用でき
るが、通常はガラス繊維である。特に、低誘電率のガラ
ス繊維を使用することが好ましい。補強用繊維の形態
は、クロス、マット、テープなどが可能である。プリプ
レグ中の樹脂含有率は20〜50重量%の範囲内が適当であ
る。プリプレグ中には、縮合多環系芳香族樹脂と補強用
繊維のほかに、難燃剤、カップリング処理剤などの公知
の各種の添加剤の1種もしくは2種以上を含有させるこ
ともできる。
【0025】このプリプレグを適当な枚数積層して、熱
プレス法により積層体を熱圧着させると同時に樹脂を所
望の程度まで硬化させると、リジッド基板が得られる。
適当な熱プレス条件は、温度 120〜230 ℃、加圧力25〜
100 kgf/cm2 、保持時間10〜120 分間である。この熱プ
レスを、積層体を2枚の銅箔の間に挟み込んでから行
い、銅張り絶縁基板を直接製造することも可能であり、
工業的にはこの方法を採用するのが普通である。この場
合には、銅張りのために接着剤を使用する必要はない。
こうして得た銅張り絶縁基板は、上記と同様にプリント
配線板の製造に使用される。
【0026】本発明の絶縁基板は、以上に説明した1層
型のプリント配線板のほかに、多層型のプリント配線板
(多層プリント基板) の絶縁基板としても使用できる。
【0027】縮合多環系芳香族樹脂は、短期耐熱性はポ
リイミド系樹脂に比べて劣るが、長期耐熱性 (1000時間
エージング後の重量減少率2wt%以内) は、前述したよ
うにポリイミド系樹脂が約200 ℃程度であるのに対し、
約260 ℃と高く、優れている。しかも、縮合多環系芳香
族樹脂からなる絶縁基板は、フレキシブル基板の場合で
誘電率が約3.0 であり、ポリイミド系樹脂を使用した基
板より誘電率がさらに低くなる。ポリイミド系樹脂で
は、樹脂含浸リジッド基板とすると誘電率が4.7と高く
なるのに対し、本発明のリジッド基板の誘電率は約3.0
であって、フレキシブル基板の場合と同じ低誘電率が維
持される。さらに、縮合多環系芳香族樹脂はポリイミド
樹脂に比べて吸水率が低い。このような特性により、本
発明のフレキシブルおよびリジッド絶縁基板は、従来の
ポリイミド系樹脂を使用した絶縁基板より一層向上した
性能を示すものと期待される。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。実施例において、部および%は、特に指定の
ない限り、重量部および重量%である。
【0029】実施例1 本実施例は、本発明にかかるフレキシブル絶縁基板の製
造を例示する。縮合多環芳香族化合物としてナフタレン
(NAP) を100 部、架橋剤としてパラキシレングリコール
(PXG) を173 部(PXG/NAPモル比 1.6) 、酸触媒として架
橋剤のヒドロキシメチル基と反応性のあるβ−ナフタレ
ンスルホン酸 8.3部からなる混合物を、110 ℃で3時間
加熱・攪拌することにより付加縮合反応させて、Bステ
ージ状態の縮合多環系芳香族樹脂を得た。この樹脂は外
観が褐色透明であり、70℃における溶融粘度が16,500 c
ps、数平均分子量が580 であった。
【0030】この縮合多環系芳香族樹脂をテトラヒドロ
フランに溶解して、樹脂固形分の濃度が50%の樹脂溶液
を調製した。得られた樹脂溶液をキャスト法によりフィ
ルム状に成形し、190 ℃に加熱して脱媒を除去すること
により、厚み25μmの柔軟なフィルムからなる絶縁基板
を得た。このフィルムの両面にSKレジン系接着剤を塗
布し、2枚の電解銅箔 (各35μm厚) の間に挟んでプレ
スすることによって、銅張りフレキシブル基板を得た。
【0031】得られたフレキシブル基板の誘電率および
吸水率を、JIS C 6471に規定された方法に基づいて測定
すると共に、長期耐熱性も測定した。比較のために、ビ
スマレイミド型のポリイミド樹脂 (東レデュポン社製
「カプトン」) を使用して、同様の方法で銅張りフレキ
シブル絶縁基板を作製し、上記特性を測定した。以上の
測定結果を次の表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】このように、縮合多環系芳香族樹脂を使用
した本発明のフレキシブル基板は、耐熱性樹脂として従
来より使用されてきたポリイミド樹脂製のフレキシブル
基板を凌ぐ非常に優れた長期耐熱性を示し、誘電率や吸
水率もポリイミド樹脂製基板より優れていることが認め
られた。
【0034】実施例2 本実施例は、縮合多環系芳香族樹脂をマトリックス樹脂
とするプリプレグからリジッド絶縁基板を製造する例を
示す。実施例1で調製した縮合多環系芳香族樹脂をテト
ラヒドロフランに溶解して、樹脂固形分50%、常温粘度
が50cps の樹脂ワニスを調製した。この樹脂ワニスにT
ガラスクロス (平織り、厚み0.1 mm、嵩密度104.5 g/
m2) を通過させることにより、ガラス繊維に樹脂を含浸
させた。その後、ガラスクロスを60℃で1時間乾燥して
溶媒を除去し、樹脂含有量約30%のガラスクロスプリプ
レグを作製した。
【0035】このガラスクロスプリプレグを、1.6 mm厚
の成形体が得られる枚数だけ重ね合わせ、2枚の電解銅
箔 (各35μm厚) の間に挟み込んだ状態で、100 kgf/cm
2 の圧力下、230 ℃で60分間熱プレスして積層成形する
ことにより、厚さ約1.6 mmの銅張りリジッド基板を得
た。
【0036】このリジッド基板の特性を、JIS C 6481に
規定された方法に基づいて測定した結果を次の表2に示
す。比較のために、実施例1と同じビスマレイミド型の
ポリイミド樹脂を使用して、上と同じガラス繊維を用
い、同じ方法で銅張りリジッド基板を作製した結果も併
せて示す。
【0037】
【表2】
【0038】実施例1と同様、長期耐熱性および誘電率
のいずれも本発明のリジッド基板の方が従来のポリイミ
ド樹脂製リジッド基板より優れていた。特に、ポリイミ
ド樹脂では、リジッド基板にすると誘電率がフレキシブ
ル基板に比べて著しく高くなったが、縮合多環系芳香族
樹脂では、リジッド基板の誘電率はフレキシブル基板の
誘電率よりやや高めの値に保持された。その理由は明ら
かではないが、ポリイミド系の場合、樹脂とガラスクロ
スとの相溶性が劣るため、複合材化した際電気特性が劣
化するのではないかと推測される。
【0039】
【発明の効果】本発明の縮合多環系芳香族樹脂を用いた
フレキシブル型およびリジッド型のプリント配線板用絶
縁基板は、従来の代表的な耐熱樹脂であるポリイミド系
樹脂を用いた絶縁基板に比べて、低誘電率で吸水性も低
く、しかも絶縁基板に必要な長期耐熱性で比較すると、
耐熱性でもポリイミド系樹脂を凌ぐという、非常に優れ
た性能を示す。しかも、本発明で用いる縮合多環系芳香
族樹脂は、原料が安価であるので、量産されればポリイ
ミド系樹脂より相当に安価に供給できる。従って、本発
明の絶縁基板を用いることにより、従来より高性能なプ
リント配線板をより安価に製造することが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮合多環芳香族化合物または縮合多環芳
    香族化合物と単環芳香族化合物との混合物からなる原料
    物質と、少なくとも2個のヒドロキシメチル基またはハ
    ロメチル基を有する芳香族化合物からなる架橋剤とを、
    酸触媒の存在下で反応させて得た、縮合多環系芳香族樹
    脂からなることを特徴とする、プリント配線板用絶縁基
    板。
  2. 【請求項2】 縮合多環芳香族化合物または縮合多環芳
    香族化合物と単環芳香族化合物との混合物からなる原料
    物質と、少なくとも2個のヒドロキシメチル基またはハ
    ロメチル基を有する芳香族化合物からなる架橋剤とを、
    酸触媒の存在下で反応させて得た、縮合多環系芳香族樹
    脂を補強用繊維に含浸させた繊維強化樹脂からなること
    を特徴とする、プリント配線板用絶縁基板。
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