JPH06223735A - シャドウマスクとその製造方法 - Google Patents

シャドウマスクとその製造方法

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JPH06223735A
JPH06223735A JP1323593A JP1323593A JPH06223735A JP H06223735 A JPH06223735 A JP H06223735A JP 1323593 A JP1323593 A JP 1323593A JP 1323593 A JP1323593 A JP 1323593A JP H06223735 A JPH06223735 A JP H06223735A
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JP
Japan
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metal plate
opening
shadow mask
front metal
rear metal
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JP1323593A
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English (en)
Inventor
Hiroki Watanabe
弘樹 渡邊
Tatsuhiro Okano
達広 岡野
Toshio Ofusa
俊雄 大房
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境問題等を引起こすことなく所定の板厚を
維持しながら開口寸法を小さく設定できるシャドウマス
クとその製造方法を提供すること。 【構成】 このシャドウマスク100は、その開口寸法
が小さく設定された複数の第一開口10を有する前面金
属板1と、この前面金属板1に接着剤とスポット溶接に
より張り合わされその開口寸法が第一開口より大きく設
定されていると共に第一開口に位置整合された複数の第
二開口20を有する後面金属板2とでその主要部が構成
され、かつ、前面金属板よりその板厚が大きい金属板に
より後面金属板が構成されている。そして、上記第一開
口は板厚の小さい前面金属板に設けられているためその
板厚が小さい分ウエットエッチング処理の際のサイドエ
ッチも小さくなり開口寸法を小さく設定することが可能
となる。他方、開口寸法が大きい第二開口は板厚の大き
い後面金属板に設けられるため上記サイドエッチが大き
くなっても問題を生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の開口を備え例え
ばカラーテレビのブラウン管に使用されるシャドウマス
クに係り、特に、所定の板厚を維持しながら上記開口寸
法を小さく設定できるシャドウマスクとその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のシャドウマスクとしては図11
に示されたドットマスク型のシャドウマスクaと、図1
2に示されたスロットマスク型のシャドウマスクaが知
られている。
【0003】以下、前者のドットマスク型シャドウマス
クが組込まれたブラウン管を例に挙げて説明すると、こ
のブラウン管は、図11に示すように電子銃b、シャド
ウマスクa、及び、赤、緑、青から成る三色のドット蛍
光面cとでその主要部が構成されており、かつ、上記シ
ャドウマスクaは蛍光面cの手前側に所定の距離を介し
て配置された薄い鉄系金属板にて構成されていると共
に、この金属板には電子ビームを通過させる多数の開口
a1が規則正しく配列されている。
【0004】そして、一つの開口a1が赤、緑、青の蛍光
体ドットの一組三個に対応しており、シャドウマスクa
は電子銃bから放出された三本の電子ビームαをそれぞ
れの蛍光体ドットへ導く役目を果たしている。
【0005】このシャドウマスクaにおける開口a1の孔
径については、高精細度と呼ばれるもので0.10mm
〜0.15mm(ピッチ0.3mm)であり、更に、超
高精細度のものでは0.07mm〜0.09mm(ピッ
チ0.2mm)に設定されている。
【0006】これに対し上記金属板の板厚は、シャドウ
マスクの機械的強度を維持するためと熱膨張を押さえる
ため0.1mm〜0.2mm程度に設定されている。
【0007】ところで、このシャドウマスクを製造する
場合、上述したようにシャドウマスクを構成する金属板
の板厚に較べて開口の孔径が小さいため、従来法におい
ては図13(A)〜(D)に示すような工程を経て製造
されている。すなわち、図13(A)に示すように金属
板a2の両面にレジストパターンrを形成し、この両面側
からエッチング液fを用いウエットエッチング処理して
開口a1を形成した(図13B〜C参照)後、レジストパ
ターンrを除去してシャドウマスクaを製造している
(図13D参照)。
【0008】しかし、この従来法におけるウエットエッ
チングでは等方向的、すなわち、垂直方向と同程度に水
平方向にもエッチングが進行する(サイドエッチと称す
る)ため、先に述べた超高精細度のシャドウマスクのよ
うに小さい孔径の開口を形成することが困難となる問題
があった。
【0009】そこで、これを改善する方法として以下の
ような製造方法が提案されている。すなわち、図14
(A)に示すように金属板a2の両面にレジストパターン
rを形成し、この両面側からエッチング液fを吹付け又
はエッチング液fに浸漬してエッチングを行い(図14
B参照)、かつ、その途中でエッチング処理を一旦中止
しその一面側へ耐蝕材が溶解された塗布液r”をスプレ
ー等によりコーティングして片面に耐蝕材層r’を形成
する(図14C参照)。乾燥後、再度エッチング処理を
再開して図14(D)に示すように開口a1を形成し、か
つ、レジストパターンrと耐蝕材層r’を除去して図1
4(E)に示すようにシャドウマスクaを製造する。
【0010】そして、この製造方法によれば上記耐蝕材
層r’の作用により片面側のサイドエッチを防止できる
ため、上述した超高精細度のシャドウマスクのような小
さい孔径の開口をも形成可能にする方法であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この製造方
法において上記耐蝕材を溶解させる溶媒として、脱泡を
目的とする乾燥性を備えかつ引火性を有さない1,1,
1,−トリクロロエタンを主成分とする溶剤が適用され
ているが、この1,1,1,−トリクロロエタンはオゾ
ン層を破壊すると共に毒性を有することから環境問題を
引起こす問題点を有していた。
【0012】また、耐蝕材が溶解された塗布液r”をス
プレーコーティング又はローラコーティングした際に、
図15(A)に示すように塗布液r”とエッチング処理
により形成された凹部pとの間に気泡qが残った場合、
脱泡する前に上記塗布液r”が硬化してしまうことがあ
る。このような状況で下側からエッチング処理を再開し
た場合、開口a1の貫通時にエッチング液が上記気泡qの
空間で広がってしまい、図15(B)に示すように所定
の孔径より大きな開口a1になってしまう問題点があっ
た。
【0013】また、上記耐蝕材を構成する材料は一般に
耐熱性を有していないため、エッチング処理を速めるた
めにエッチング液を60℃以上に昇温した場合、上記耐
蝕材層r’は変色しついには剥離してしまうことがあ
り、エッチング速度が遅くなる問題点を有していた。
【0014】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、上記環境問題等
を引起こすことなく所定の板厚を維持しながら上記開口
寸法を小さく設定できるシャドウマスクとその製造方法
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、多数の開口を有する金属板により構成され電
子銃から放出された電子ビームを蛍光面へ導くシャドウ
マスクを前提とし、その開口寸法が小さく設定された複
数の第一開口を有する前面金属板と、この前面金属板に
張り合されその開口寸法が上記第一開口より大きく設定
されていると共に第一開口に位置整合された複数の第二
開口を有する後面金属板とで構成され、かつ、上記前面
金属板よりその板厚が大きい金属板により後面金属板が
構成されていることを特徴とするものである。
【0016】この請求項1に係るシャドウマスクにおい
ては上記第二開口よりその開口寸法が小さい第一開口の
大きさにより開口の寸法が決定される。そして、この第
一開口は板厚の小さい前面金属板に設けられているた
め、その板厚が小さい分ウエットエッチング処理の際の
サイドエッチも小さくなり開口寸法を小さく設定するこ
とが可能となる。他方、開口寸法が大きい第二開口は板
厚の大きい後面金属板に設けられるため、ウエットエッ
チング処理の際のサイドエッチが大きくなっても特に問
題を生じない。
【0017】ここで、請求項1に係るシャドウマスクに
おいては前面金属板の第一開口と後面金属板の第二開口
との位置合わせを高い精度で行うことを要する。請求項
2〜4に係る発明はこの位置合わせ手段を特定したもの
である。
【0018】すなわち、請求項2〜4に係る発明は請求
項1に係るシャドウマスクを前提とし、請求項2に係る
発明は、前面金属板又は後面金属板の一方の外周縁部に
切欠き部が形成され、かつ、この切欠き部に嵌合する凸
部が他方の外周縁部に形成されて第一開口と第二開口と
の位置整合がなされていることを特徴とし、他方、請求
項3に係る発明は、後面金属板の中央にその外縁部との
間で段差を形成する平坦状の凹面部が形成され、かつ、
この凹面部に第二開口が形成されていると共に前面金属
板が嵌合配置されて第一開口と第二開口との位置整合が
なされていることを特徴としまた、請求項4に係る発明
は、前面金属板の中央にその外縁部との間で段差を形成
する平坦状の凹面部が形成され、かつ、この凹面部に第
一開口が形成されていると共に上記後面金属板が嵌合配
置されて上記第一開口と第二開口との位置整合がなされ
ていることを特徴とするものである。
【0019】また、請求項5に係る発明は前面金属板と
後面金属板との張り合わせ手段を特定したものである。
【0020】すなわち、請求項5に係る発明は請求項1
に係るシャドウマスクを前提とし、前面金属板と後面金
属板との張り合せが接着剤及び/又は溶接によりなされ
ていることをことを特徴とするものである。尚、上記溶
接では、スポット溶接あるいはレーザ溶接を適用するこ
とが望ましい。
【0021】次に、請求項6〜7に係る発明は前面金属
板と後面金属板との密着力を増大させた発明に関するも
のである。
【0022】すなわち、請求項6〜7に係る発明は請求
項1に係るシャドウマスクを前提とし、請求項6に係る
発明は、前面金属板と後面金属板の張り合せ面の少なく
とも一方が粗面化処理されていることを特徴とし、他
方、請求項7に係る発明は、前面金属板よりその熱膨張
係数が大きい金属材料により後面金属板が構成されてい
ることを特徴とするものである。
【0023】ここで、上記前面金属板と後面金属板とを
接着剤を介して張り合わせを行う際、第一開口と第二開
口を除く各金属板の張り合わせ面にのみ接着剤層を選択
的に形成することは通常困難である。請求項8に係る発
明はこのことを可能にするシャドウマスクの製造方法に
関するものである。
【0024】すなわち、請求項8に係る発明は請求項1
に係るシャドウマスクの製造方法を前提とし、金属板の
一面にレジストパターンを形成しその両面側からウエッ
トエッチング処理してハーフエッチング部を有する前面
金属板を製造する工程と、金属板の両面にレジストパタ
ーンを形成しその両面側からウエットエッチング処理し
て後面金属板を製造する工程と、ポジ型の感光性接着剤
を介し上記前面金属板と後面金属板とを張り合わせかつ
金属板全体に対して一様に光照射すると共に現像処理を
施して開口部位から露出する接着剤を除去する工程、を
具備することを特徴とするものである。
【0025】
【作用】請求項1〜7に係る発明によれば、その開口寸
法が小さく設定された複数の第一開口を有する前面金属
板と、この前面金属板に張り合されその開口寸法が上記
第一開口より大きく設定されていると共に第一開口に位
置整合された複数の第二開口を有する後面金属板とで構
成され、かつ、上記前面金属板よりその板厚が大きい金
属板により後面金属板が構成されている。
【0026】そして、これ等請求項に係るシャドウマス
クにおいては上記後面金属板に設けられた第二開口より
その開口寸法が小さい第一開口の大きさにより開口の寸
法が決定される。また、この第一開口は板厚の小さい前
面金属板に設けられているため、その板厚が小さい分ウ
エットエッチング処理の際のサイドエッチも小さくなり
開口寸法を小さく設定することが可能となる。他方、開
口寸法が大きい第二開口は板厚の大きい後面金属板に設
けられるためウエットエッチング処理の際のサイドエッ
チが大きくなっても特に問題が生じない。
【0027】また、請求項8に係る発明によれば、金属
板の一面にレジストパターンを形成しその両面側からウ
エットエッチング処理してハーフエッチング部を有する
前面金属板を製造する工程と、金属板の両面にレジスト
パターンを形成しその両面側からウエットエッチング処
理して後面金属板を製造する工程と、ポジ型の感光性接
着剤を介し上記前面金属板と後面金属板とを張り合わせ
かつ金属板全体に対して一様に光照射すると共に現像処
理を施して開口部位から露出する接着剤を除去する工
程、を具備しているため、第一開口と第二開口を除く各
金属板の張り合わせ面にのみ接着剤層を選択的に形成す
ることが可能となる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0029】[実施例1]この実施例に係るシャドウマ
スク100は、図1に示すようにその開口寸法が小さく
設定された複数の第一開口10を有するアルミキルド材
から成る前面金属板1と、この前面金属板1に接着剤と
スポット溶接により張り合わされその開口寸法が上記第
一開口10より大きく設定されていると共に第一開口1
0に位置整合された複数の第二開口20を有するアルミ
キルド材から成る後面金属板2とでその主要部が構成さ
れ、かつ、上記前面金属板1よりその板厚が大きいアル
ミキルド材により後面金属板2が構成されている。
【0030】このシャドウマスク100においては、第
二開口20よりその開口寸法が小さい第一開口10の大
きさによりシャドウマスク100の開口寸法が決定さ
れ、かつ、前面金属板1の板厚と後面金属板2の板厚と
でシャドウマスク100全体の板厚が設定されているも
のである。
【0031】そして、この実施例に係るシャドウマスク
100は以下のような工程を経て製造されている。
【0032】まず、図2(A)に示すようにアルミキル
ド材より成る金属板1’の一面側にレジストパターンr
を形成し、その両面側から塩化第二鉄より成るエッチン
グ剤3を用いウエットエッチング処理を行って第一開口
10を形成すると共に裏面側をハーフエッチングして所
定の板厚に設定する(図2B参照)。次いで、上記レジ
ストパターンrを除去して図2(C)に示すように裏面
側にハーフエッチング部を有する前面金属板1を製造し
た。尚、上記ウエットエッチング処理の際、上記金属板
1’の外周縁部に図5(A)〜(C)に示すような切欠
き部15を形成している。
【0033】一方、図3(A)〜(B)に示すようにア
ルミキルド材より成る金属板2’の両面にレジストパタ
ーンrを形成し、その両面側から塩化第二鉄より成るエ
ッチング剤3を用いウエットエッチング処理を行って第
二開口20を形成した(図3C参照)後、レジストパタ
ーンrを除去して図3(D)に示すように後面金属板2
を製造した。尚、上記ウエットエッチング処理の際、上
記金属板2’の外周縁部に図6(A)〜(C)に示すよ
うな上記前面金属板1の切欠き部15に嵌合する凸部2
5を形成している。
【0034】次に、上記前面金属板1の切欠き部15に
後面金属板2の凸部25を嵌合させながら前面金属板1
のハーフエッチング部を後面金属板2に対向させて張り
合わせを行った(図4A参照)。このとき、上記前面金
属板1の切欠き部15と後面金属板2の凸部25の作用
により第一開口10と第二開口20の位置整合が高精度
でなされている。また、上記前面金属板1と後面金属板
2との張り合わせ面にはポジ型の感光性接着剤[東京応
化工業(株)製 商品名OFPR−800]が塗布形成
されており、かつ、上記前面金属板1におけるハーフエ
ッチング部の粗面作用により接着剤と張り合わせ面との
密着性が良好になっている。
【0035】そして、上記ポジ型の感光性接着剤をプリ
ベークした後、前面金属板1と後面金属板2の全体に対
し一様に光照射を行って(図4B参照)第一開口10と
第二開口20から露出する接着剤層4を露光し、かつ、
現像剤5により現像処理を行って(図4C参照)第一開
口10と第二開口20から露出する接着剤層4を除去し
た。次いで、ポストベークすることにより第一開口10
と第二開口20を除く前面金属板1と後面金属板2の張
り合わせ面に介在する接着剤層4を完全に硬化させ張り
合わせ処理を完了させて図4(D)に示すような前面金
属板1と後面金属板2とで構成されるシャドウマスク1
00を製造した。
【0036】このとき、接着剤を用いた張り合わせ処理
だけでは剥離等の問題が生ずることがあるためスポット
溶接を併用してその確実性を向上させた。
【0037】このような製造方法によれば、従来法にお
いて適用されていた1,1,1,−トリクロロエタン等
の溶剤を使用しないため環境問題を引起こすことなく超
高精細度と呼ばれるシャドウマスクを容易に製造できる
利点を有している。
【0038】尚、この実施例においてはポジ型の上記感
光性接着剤として上述したように東京応化工業(株)製
のOFPR−800が適用されているが、これに代え
て、例えば[東京応化工業(株)製 商品名ONPR−
830]、[ツプレーファーイースト(株)製 商品名
マイクロポジェットシリーズ]、[ヘキスト・ジャパン
(株)製 商品名AZシリーズ]等の適用も可能であ
る。
【0039】[実施例2]この実施例に係るシャドウマ
スク200は、図7に示すようにその開口寸法が小さく
設定された複数の第一開口10を有するアルミキルド材
から成る前面金属板1と、外縁部との間で段差を形成す
る平坦状の凹面部27を中央に備えこの凹面部27に上
記第一開口10よりその開口寸法が大きく設定された複
数の第二開口20を有するアルミキルド材から成る後面
金属板2とでその主要部が構成され、かつ、後面金属板
2の凹面部27内に上記前面金属板1が接着剤を介し嵌
合配置されて第一開口10と第二開口20の位置整合が
なされていると共に、上記前面金属板1よりその板厚が
大きいアルミキルド材により後面金属板2が構成されて
いる。
【0040】このシャドウマスク200においても、第
二開口20よりその開口寸法が小さい第一開口10の大
きさによりシャドウマスク200の開口寸法が決定さ
れ、かつ、前面金属板1の板厚と後面金属板2の板厚と
でシャドウマスク200全体の板厚が設定されているも
のである。
【0041】そして、この実施例に係るシャドウマスク
200は以下のような工程を経て製造されている。
【0042】まず、図8(A)に示すようにアルミキル
ド材より成る金属板1’の一面側にレジストパターンr
を形成し、その両面側から塩化第二鉄より成るエッチン
グ剤3を用いウエットエッチング処理を行って第一開口
10を形成すると共に裏面側をハーフエッチングして所
定の板厚に設定する(図8B〜C参照)。次いで、上記
レジストパターンrを除去して図8(D)に示すように
裏面側にハーフエッチング部を有する前面金属板1を製
造した。
【0043】一方、図9(A)に示すようにアルミキル
ド材から成る金属板2’の前面側にその中央を除いてレ
ジストパターンrを形成し、かつ、後面側全体をレジス
トrで一様に覆った後、その両面側から塩化第二鉄より
成るエッチング剤3を用いウエットエッチング処理を行
って図9(B)に示すように金属板2’の中央に外縁部
との間で段差を形成する平坦状の凹面部27を形成し
た。次に、各レジストrを除去した(図9C参照)後、
上記凹面部27が形成された金属板2’の両面にレジス
トパターンrを形成し(図9D参照)、かつ、その両面
側から塩化第二鉄より成るエッチング剤3を用い再度ウ
エットエッチング処理を行って図9(E)に示すような
第二開口20を形成した。そして、上記レジストパター
ンrを除去して図9(F)に示すように第一開口10よ
りその開口寸法が大きい第二開口20を有しその前面側
にハーフエッチング部を有する後面金属板2を製造し
た。
【0044】次に、この後面金属板2の凹面部27内に
上記前面金属板1のハーフエッチング部を対向させなが
ら嵌合配置してその張り合わせを行った(図10A参
照)。このとき、上記後面金属板2に設けられた凹面部
27の作用により第一開口10と第二開口20の位置整
合が高精度でなされている。また、上記前面金属板1と
後面金属板2との張り合わせ面にはポジ型の感光性接着
剤が塗布形成されており、かつ、上記前面金属板1と後
面金属板2におけるハーフエッチング部の粗面作用によ
り接着剤と張り合わせ面との密着性が良好になってい
る。
【0045】そして、上記ポジ型の感光性接着剤(商品
名OFPR−800)をプリベークした後、前面金属板
1と後面金属板2の全体に対し一様に光照射を行って
(図10B参照)第一開口10と第二開口20から露出
する接着剤層4を露光し、かつ、現像剤5により現像処
理を行って(図10C参照)第一開口10と第二開口2
0から露出する接着剤層4を除去した。次いで、ポスト
ベークすることにより第一開口10と第二開口20を除
く前面金属板1と後面金属板2の張り合わせ面に介在す
る接着剤層4を完全に硬化させ張り合わせ処理を完了さ
せて図10(D)に示すような前面金属板1と後面金属
板2とで構成されるシャドウマスク200を製造した。
【0046】このとき、接着剤を用いた張り合わせ処理
だけでは剥離等の問題が生ずることがあるためスポット
溶接を併用してその確実性を向上させた。
【0047】この実施例に係る製造方法においても従来
法において適用されていた1,1,1,−トリクロロエ
タン等の溶剤を使用しないため環境問題を引起こすこと
なく超高精細度と呼ばれるシャドウマスクを容易に製造
できる利点を有している。
【0048】
【発明の効果】請求項1〜7に係る発明によれば、第一
開口が板厚の小さい前面金属板に設けられているため、
その板厚が小さい分ウエットエッチング処理の際のサイ
ドエッチも小さくなり開口寸法を小さく設定することが
可能となる。他方、開口寸法が大きい第二開口は板厚の
大きい後面金属板に設けられるためウエットエッチング
処理の際のサイドエッチが大きくなっても特に問題が生
じない。
【0049】従って、所定の板厚を維持しながら開口寸
法を小さく設定できるため超高精細度と呼ばれるシャド
ウマスクの提供が可能となる効果を有している。
【0050】他方、請求項8に係る発明によれば、従来
法において適用されていた1,1,1,−トリクロロエ
タン等の溶剤を使用することなく超高精細度と呼ばれる
シャドウマスクの製造が可能に成るため、環境問題や設
備上の問題を引起こすことなく超高精細度と呼ばれるシ
ャドウマスクを簡便に製造できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係るシャドウマスクの部分断面図。
【図2】図2(A)〜(C)は実施例1に係る前面金属
板の製造工程を示す説明図。
【図3】図3(A)〜(D)は実施例1に係る後面金属
板の製造工程を示す説明図。
【図4】図4(A)〜(D)は実施例1に係る前面金属
板と後面金属板の張り合わせ工程を示す説明図。
【図5】図5(A)は実施例1に係る前面金属板の正面
図、図5(B)はその一部拡大図、図5(C)は図5
(B)のB−B断面図。
【図6】図6(A)は実施例1に係る後面金属板の正面
図、図6(B)はその一部拡大図、図6(C)は図6
(B)のB−B断面図。
【図7】実施例2に係るシャドウマスクの一部切欠き断
面図。
【図8】図8(A)〜(D)は実施例2に係る前面金属
板の製造工程を示す説明図。
【図9】図9(A)〜(F)は実施例2に係る後面金属
板の製造工程を示す説明図。
【図10】図10(A)〜(D)は実施例2に係る前面
金属板と後面金属板の張り合わせ工程を示す説明図。
【図11】ドットマスク型シャドウマスクの斜視図。
【図12】スロットマスク型シャドウマスクの斜視図。
【図13】図13(A)〜(D)はシャドウマスクの従
来法の製造工程を示す説明図。
【図14】図14(A)〜(E)はシャドウマスクの改
良型従来法の製造工程を示す説明図。
【図15】図15(A)〜(B)は改良型従来法の欠点
を示す説明図。
【符号の説明】
1 前面金属板 2 後面金属板 4 接着剤層 10 第一開口 15 切欠き部 20 第二開口 25 凸部 27 凹面部 100 シャドウマスク 200 シャドウマスク

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の開口を有する金属板により構成され
    電子銃から放出された電子ビームを蛍光面へ導くシャド
    ウマスクにおいて、 その開口寸法が小さく設定された複数の第一開口を有す
    る前面金属板と、この前面金属板に張り合されその開口
    寸法が上記第一開口より大きく設定されていると共に第
    一開口に位置整合された複数の第二開口を有する後面金
    属板とで構成され、かつ、上記前面金属板よりその板厚
    が大きい金属板により後面金属板が構成されていること
    を特徴とするシャドウマスク。
  2. 【請求項2】上記前面金属板又は後面金属板の一方の外
    周縁部に切欠き部が形成され、かつ、この切欠き部に嵌
    合する凸部が他方の外周縁部に形成されて上記第一開口
    と第二開口との位置整合がなされていることを特徴とす
    る請求項1記載のシャドウマスク。
  3. 【請求項3】上記後面金属板の中央にその外縁部との間
    で段差を形成する平坦状の凹面部が形成され、かつ、こ
    の凹面部に第二開口が形成されていると共に上記前面金
    属板が嵌合配置されて上記第一開口と第二開口との位置
    整合がなされていることを特徴とする請求項1記載のシ
    ャドウマスク。
  4. 【請求項4】上記前面金属板の中央にその外縁部との間
    で段差を形成する平坦状の凹面部が形成され、かつ、こ
    の凹面部に第一開口が形成されていると共に上記後面金
    属板が嵌合配置されて上記第一開口と第二開口との位置
    整合がなされていることを特徴とする請求項1記載のシ
    ャドウマスク。
  5. 【請求項5】上記前面金属板と後面金属板との張り合せ
    が接着剤及び/又は溶接によりなされていることをこと
    を特徴とする請求項1記載のシャドウマスク。
  6. 【請求項6】上記前面金属板と後面金属板の張り合せ面
    の少なくとも一方が粗面化処理されていることを特徴と
    する請求項1記載のシャドウマスク。
  7. 【請求項7】上記前面金属板よりその熱膨張係数が大き
    い金属材料により後面金属板が構成されていることを特
    徴とする請求項1記載のシャドウマスク。
  8. 【請求項8】請求項1記載のシャドウマスクの製造方法
    において、 金属板の一面にレジストパターンを形成しその両面側か
    らウエットエッチング処理してハーフエッチング部を有
    する前面金属板を製造する工程と、 金属板の両面にレジストパターンを形成しその両面側か
    らウエットエッチング処理して後面金属板を製造する工
    程と、 ポジ型の感光性接着剤を介し上記前面金属板と後面金属
    板とを張り合わせかつ金属板全体に対して一様に光照射
    すると共に現像処理を施して開口部位から露出する接着
    剤を除去する工程、を具備することを特徴とするシャド
    ウマスクの製造方法。
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