JPH05205650A - カラー受像管用シャドウマスク - Google Patents
カラー受像管用シャドウマスクInfo
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- JPH05205650A JPH05205650A JP1261392A JP1261392A JPH05205650A JP H05205650 A JPH05205650 A JP H05205650A JP 1261392 A JP1261392 A JP 1261392A JP 1261392 A JP1261392 A JP 1261392A JP H05205650 A JPH05205650 A JP H05205650A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 シャドウマスク素材に一方の面の開口面積が
他方の面の開口面積より大きい多数の電子ビーム通過孔
23が所定の配列で形成されてなるカラー受像管用シャド
ウマスクにおいて、シャドウマスク素材がエッチング速
度の異なる金属層の2層構造からなり、相対的にエッチ
ング速度の速い金属層20を一方の面側として、この一方
の面の開口面積が他方の面の開口面積より大きい電子ビ
ーム通過孔を形成した。 【効果】 実質的にビームスポットの形状を規制する小
径部が他方の面の内側にあるために生ずるワイトユニフ
ォーミティの劣化を防止でき、かつシャドウマスクの強
度の低下を防止できる。
他方の面の開口面積より大きい多数の電子ビーム通過孔
23が所定の配列で形成されてなるカラー受像管用シャド
ウマスクにおいて、シャドウマスク素材がエッチング速
度の異なる金属層の2層構造からなり、相対的にエッチ
ング速度の速い金属層20を一方の面側として、この一方
の面の開口面積が他方の面の開口面積より大きい電子ビ
ーム通過孔を形成した。 【効果】 実質的にビームスポットの形状を規制する小
径部が他方の面の内側にあるために生ずるワイトユニフ
ォーミティの劣化を防止でき、かつシャドウマスクの強
度の低下を防止できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管用シャ
ドウマスクに関する。
ドウマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にシャドウマスク形カラー受像管
は、図3に示すように、パネル1 およびファンネル2 か
らなる外囲器を有し、そのパネル1 の内面に、青、緑、
赤に発光するドット状またはストライプ状の3色蛍光体
層からなる蛍光体スクリーン3 が形成され、この蛍光体
スクリーン3 に対向して、その内側に多数の円形または
ほぼ矩形状の電子ビーム通過孔4 が所定の配列で形成さ
れたシャドウマスク5 が配置されている。そしてファン
ネル2 のネック6 内に配設されている電子銃7 から放出
される3電子ビーム8B、8G、8Rをファンネル2 の外側に
装着された偏向ヨーク9 により偏向して蛍光体スクリー
ン3 を水平、垂直走査することにより、カラー画像を表
示する構造に形成されている。
は、図3に示すように、パネル1 およびファンネル2 か
らなる外囲器を有し、そのパネル1 の内面に、青、緑、
赤に発光するドット状またはストライプ状の3色蛍光体
層からなる蛍光体スクリーン3 が形成され、この蛍光体
スクリーン3 に対向して、その内側に多数の円形または
ほぼ矩形状の電子ビーム通過孔4 が所定の配列で形成さ
れたシャドウマスク5 が配置されている。そしてファン
ネル2 のネック6 内に配設されている電子銃7 から放出
される3電子ビーム8B、8G、8Rをファンネル2 の外側に
装着された偏向ヨーク9 により偏向して蛍光体スクリー
ン3 を水平、垂直走査することにより、カラー画像を表
示する構造に形成されている。
【0003】上記シャドウマスク5 は、電子銃6 から放
出される3電子ビーム8B、8G、8Rを選別して、3色蛍光
体層に正しく射突させるための電極であり、蛍光体スク
リーン3 上に描かれるカラー画像の品質を良好にするた
めには、高精度に電子ビーム通過孔4 が所定の形状、大
きさに形成され、かつ正しく所定の配列に配置されてい
ることが必要である。通常このシャドウマスク5 の電子
ビーム通過孔4 は、図4に示すように、偏向ヨーク9 に
より偏向されて斜めに横切る各電子ビーム8B、8G、8Rの
通過を妨げないように、かつ電子ビーム通過孔4 の内壁
に衝突した電子ビーム8B、8G、8Rが蛍光体スクリーン3
方向に反射しないように、蛍光体スクリーン側の開口面
積が電子銃側の開口面積よりも大きい形状に形成され、
かつ電子銃側の開口に近い板厚方向の内側の位置に、実
質的に電子ビームのビームスポット形状を規制する小径
部11をもつ形状に形成されている。
出される3電子ビーム8B、8G、8Rを選別して、3色蛍光
体層に正しく射突させるための電極であり、蛍光体スク
リーン3 上に描かれるカラー画像の品質を良好にするた
めには、高精度に電子ビーム通過孔4 が所定の形状、大
きさに形成され、かつ正しく所定の配列に配置されてい
ることが必要である。通常このシャドウマスク5 の電子
ビーム通過孔4 は、図4に示すように、偏向ヨーク9 に
より偏向されて斜めに横切る各電子ビーム8B、8G、8Rの
通過を妨げないように、かつ電子ビーム通過孔4 の内壁
に衝突した電子ビーム8B、8G、8Rが蛍光体スクリーン3
方向に反射しないように、蛍光体スクリーン側の開口面
積が電子銃側の開口面積よりも大きい形状に形成され、
かつ電子銃側の開口に近い板厚方向の内側の位置に、実
質的に電子ビームのビームスポット形状を規制する小径
部11をもつ形状に形成されている。
【0004】従来このシャドウマスク5 の電子ビーム通
過孔4 は、フォトエッチング法により、つぎのように製
造されている。
過孔4 は、フォトエッチング法により、つぎのように製
造されている。
【0005】すなわち、図5(a)に示すように、単一
の低炭素鋼板や鉄・ニッケル合金(アンバー)板などか
らなる板厚Tのシャドウマスク素材13の両面に感光膜1
4,14を形成する。つぎに同(b)に示すように、その
両面に感光膜14,14にシャドウマスクの電子ビーム通過
孔のパターンに対応するパターンの形成された一対のネ
ガ原版15a ,15b を密着して露光し、ネガ原版15a ,15
b のパターンを焼付ける。ついでこのパターンの焼付け
られた感光膜14,14を現像して未感光部を除去し、同
(c)に示すように、シャドウマスク素材13の両面に上
記ネガ原版15a ,15b のパターンに対応して、電子ビー
ム通過孔を形成しようとする部分の素材面が露出したレ
ジスト膜16a ,16b を形成する。その後、同(d)に示
すように、このレジスト膜16a ,16b の形成されたシャ
ドウマスク素材13の一方の面(蛍光体スクリーン側の
面)にエッチング液をスプレーして凹孔17a を形成し、
ついで同(e)に示すように、他方の面(電子銃側の
面)にエッチング液をスプレーして、上記凹孔17a に連
通する凹孔17b を形成して、凹孔17a ,17b からなる電
子ビーム通過孔4 を形成する。その後、両面のレジスト
膜16a ,16b を除去する。
の低炭素鋼板や鉄・ニッケル合金(アンバー)板などか
らなる板厚Tのシャドウマスク素材13の両面に感光膜1
4,14を形成する。つぎに同(b)に示すように、その
両面に感光膜14,14にシャドウマスクの電子ビーム通過
孔のパターンに対応するパターンの形成された一対のネ
ガ原版15a ,15b を密着して露光し、ネガ原版15a ,15
b のパターンを焼付ける。ついでこのパターンの焼付け
られた感光膜14,14を現像して未感光部を除去し、同
(c)に示すように、シャドウマスク素材13の両面に上
記ネガ原版15a ,15b のパターンに対応して、電子ビー
ム通過孔を形成しようとする部分の素材面が露出したレ
ジスト膜16a ,16b を形成する。その後、同(d)に示
すように、このレジスト膜16a ,16b の形成されたシャ
ドウマスク素材13の一方の面(蛍光体スクリーン側の
面)にエッチング液をスプレーして凹孔17a を形成し、
ついで同(e)に示すように、他方の面(電子銃側の
面)にエッチング液をスプレーして、上記凹孔17a に連
通する凹孔17b を形成して、凹孔17a ,17b からなる電
子ビーム通過孔4 を形成する。その後、両面のレジスト
膜16a ,16b を除去する。
【0006】他の方法として、シャドウマスク素材の両
面に上記レジスト膜と同様のレジスト膜を形成したの
ち、このレジスト膜の形成された両面を同時にエッチン
グする方法もある。
面に上記レジスト膜と同様のレジスト膜を形成したの
ち、このレジスト膜の形成された両面を同時にエッチン
グする方法もある。
【0007】ところで、上記のようにエッチング液をス
プレーして電子ビーム通過孔4 を形成すると、一般にエ
ッチング液による板厚方向の腐蝕と板面方向の腐蝕(サ
イドエッチング)とは、同等か若干板厚方向の腐蝕が板
面方向の腐蝕よりも大きい程度であるため、一方の面の
開口面積(凹孔17a の開口面積)が大きくなりすぎ、高
精細カラー受像管などに使用される電子ビーム通過孔4
およびその配列ピッチの小さいシャドウマスク5 では、
隣接電子ビーム通過孔4 に接近しすぎて、シャドウマス
ク5 の強度を低下させる。またこのシャドウマスク5 の
強度低下を防止するために、シャドウマスク素材13の板
厚を薄くすると、隣接電子ビーム通過孔4 との接近は軽
減できるが、板厚の減少によるシャドウマスク5 の強度
の低下がおこるという問題がある。
プレーして電子ビーム通過孔4 を形成すると、一般にエ
ッチング液による板厚方向の腐蝕と板面方向の腐蝕(サ
イドエッチング)とは、同等か若干板厚方向の腐蝕が板
面方向の腐蝕よりも大きい程度であるため、一方の面の
開口面積(凹孔17a の開口面積)が大きくなりすぎ、高
精細カラー受像管などに使用される電子ビーム通過孔4
およびその配列ピッチの小さいシャドウマスク5 では、
隣接電子ビーム通過孔4 に接近しすぎて、シャドウマス
ク5 の強度を低下させる。またこのシャドウマスク5 の
強度低下を防止するために、シャドウマスク素材13の板
厚を薄くすると、隣接電子ビーム通過孔4 との接近は軽
減できるが、板厚の減少によるシャドウマスク5 の強度
の低下がおこるという問題がある。
【0008】また、上記方法により高精細カラー受像管
などに必要な小さな電子ビーム通過孔4 を形成するため
には、他方の面側の凹孔17b に対して、一方の面側の凹
孔17a を大きく形成する必要があるが、上記方法により
このような電子ビーム通過孔4 を形成しようとすると、
一方の面側の板面方向の腐蝕が進行して、隣接電子ビー
ム通過孔4 に接近しすぎ、同様にシャドウマスク5 の強
度を低下させる。
などに必要な小さな電子ビーム通過孔4 を形成するため
には、他方の面側の凹孔17b に対して、一方の面側の凹
孔17a を大きく形成する必要があるが、上記方法により
このような電子ビーム通過孔4 を形成しようとすると、
一方の面側の板面方向の腐蝕が進行して、隣接電子ビー
ム通過孔4 に接近しすぎ、同様にシャドウマスク5 の強
度を低下させる。
【0009】さらに、上記両面からエッチングして凹孔
17a ,17b からなる電子ビーム通過孔4 を形成する方法
では、他方の面の開口に近い板厚方向の内側に小径部11
ができるため、図4に示したように、他方の面から小径
部11までの深さhによるホワイトユニフォーミティの劣
化がおこる。
17a ,17b からなる電子ビーム通過孔4 を形成する方法
では、他方の面の開口に近い板厚方向の内側に小径部11
ができるため、図4に示したように、他方の面から小径
部11までの深さhによるホワイトユニフォーミティの劣
化がおこる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来よ
りカラー受像管用シャドウマスクの電子ビーム通過孔
は、フォトエッチング法により、マスク素材の両面にシ
ャドウマスクの電子ビーム通過孔のパターンに対応する
パターンのレジスト膜を形成したのち、両面からエッチ
ングして形成されている。その電子ビーム通過孔は、蛍
光体スクリーン側の開口面積が電子銃側の開口面積より
も大きく、かつ電子銃側の開口に近い位置に実質的に電
子ビームのビームスポットを規制する小径部をもつ形状
に形成される。
りカラー受像管用シャドウマスクの電子ビーム通過孔
は、フォトエッチング法により、マスク素材の両面にシ
ャドウマスクの電子ビーム通過孔のパターンに対応する
パターンのレジスト膜を形成したのち、両面からエッチ
ングして形成されている。その電子ビーム通過孔は、蛍
光体スクリーン側の開口面積が電子銃側の開口面積より
も大きく、かつ電子銃側の開口に近い位置に実質的に電
子ビームのビームスポットを規制する小径部をもつ形状
に形成される。
【0011】そのため、従来のシャドウマスクについて
は、エッチング時の板面方向の腐蝕により、蛍光体スク
リーン側の面の開口面積が大きくなりすぎ、高精細カラ
ー受像管などに使用される電子ビーム通過孔およびその
配列ピッチの小さいシャドウマスクでは、隣接電子ビー
ム通過孔に接近しすぎ、シャドウマスクの強度が低下す
る。またこのシャドウマスクの強度の低下を軽減するた
めに、シャドウマスク素材の板厚を薄くすると、板厚減
少によるシャドウマスクの強度の低下がおこる。さらに
高精細カラー受像管などに必要な小さな電子ビーム通過
孔を両面からのエッチングにより形成すると、蛍光体ス
クリーン側の面からの凹孔が板面方向の腐蝕の進行によ
り大きくなり、隣接電子ビーム通過孔に接近しすぎて、
同様にシャドウマスクの強度が低下する。さらにまた、
従来のシャドウマスクの電子ビーム通過孔は、電子銃側
の面の開口に近い板厚方向の内側に小径部ができるた
め、その電子銃側の面から小径部までの深さによるホワ
イトユニフォーミティの劣化がおこるなどの問題があ
る。
は、エッチング時の板面方向の腐蝕により、蛍光体スク
リーン側の面の開口面積が大きくなりすぎ、高精細カラ
ー受像管などに使用される電子ビーム通過孔およびその
配列ピッチの小さいシャドウマスクでは、隣接電子ビー
ム通過孔に接近しすぎ、シャドウマスクの強度が低下す
る。またこのシャドウマスクの強度の低下を軽減するた
めに、シャドウマスク素材の板厚を薄くすると、板厚減
少によるシャドウマスクの強度の低下がおこる。さらに
高精細カラー受像管などに必要な小さな電子ビーム通過
孔を両面からのエッチングにより形成すると、蛍光体ス
クリーン側の面からの凹孔が板面方向の腐蝕の進行によ
り大きくなり、隣接電子ビーム通過孔に接近しすぎて、
同様にシャドウマスクの強度が低下する。さらにまた、
従来のシャドウマスクの電子ビーム通過孔は、電子銃側
の面の開口に近い板厚方向の内側に小径部ができるた
め、その電子銃側の面から小径部までの深さによるホワ
イトユニフォーミティの劣化がおこるなどの問題があ
る。
【0012】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、電子ビーム通過孔の孔形状に基づ
くホワイトユニフォーミティの劣化をなくし、かつ高精
細カラー受像管などのシャドウマスクにおこりやすい強
度の低下を防止することを目的とする。
なされたものであり、電子ビーム通過孔の孔形状に基づ
くホワイトユニフォーミティの劣化をなくし、かつ高精
細カラー受像管などのシャドウマスクにおこりやすい強
度の低下を防止することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】シャドウマスク素材に一
方の面の開口面積が他方の面の開口面積より大きい多数
の電子ビーム通過孔が所定の配列で形成されてなるカラ
ー受像管用シャドウマスクにおいて、シャドウマスク素
材をエッチング速度の異なる金属の2層構造とし、相対
的にエッチング速度の速い金属層を一方の面側とし、相
対的にエッチング速度の遅い金属層を他方の面側とし
て、このシャドウマスク素材に一方の面の開口面積が他
方の面の開口面積より大きい電子ビーム通過孔を形成し
た。
方の面の開口面積が他方の面の開口面積より大きい多数
の電子ビーム通過孔が所定の配列で形成されてなるカラ
ー受像管用シャドウマスクにおいて、シャドウマスク素
材をエッチング速度の異なる金属の2層構造とし、相対
的にエッチング速度の速い金属層を一方の面側とし、相
対的にエッチング速度の遅い金属層を他方の面側とし
て、このシャドウマスク素材に一方の面の開口面積が他
方の面の開口面積より大きい電子ビーム通過孔を形成し
た。
【0014】
【作用】上記のように、シャドウマスク素材をエッチン
グ速度の異なる金属の2層構造とし、相対的にエッチン
グ速度の速い金属層を一方の面側とし、相対的にエッチ
ング速度の遅い金属層を他方の面側として、一方の面の
開口面積が他方の面の開口面積より大きい電子ビーム通
過孔を形成すると、相対的にエッチング速度の速い金属
層からなる方の面側からのみエッチングして、相対的に
エッチング速度の遅い金属層からなる他方の面の開口形
状、面積を容易に所要の形状、面積にすることができ、
かつこの他方の面の開口を小径部とすることができる。
その結果、従来小径部が他方の面の開口に近い板厚方向
の内側にあるために生じたワイトユニフォーミティの劣
化を防止できる。またシャドウマスク素材の板厚を薄く
しないでも、高精細カラー受像管などに使用される電子
ビーム通過孔およびその配列ピッチの小さいシャドウマ
スクが得られ、シャドウマスクの強度の低下を防止でき
る。
グ速度の異なる金属の2層構造とし、相対的にエッチン
グ速度の速い金属層を一方の面側とし、相対的にエッチ
ング速度の遅い金属層を他方の面側として、一方の面の
開口面積が他方の面の開口面積より大きい電子ビーム通
過孔を形成すると、相対的にエッチング速度の速い金属
層からなる方の面側からのみエッチングして、相対的に
エッチング速度の遅い金属層からなる他方の面の開口形
状、面積を容易に所要の形状、面積にすることができ、
かつこの他方の面の開口を小径部とすることができる。
その結果、従来小径部が他方の面の開口に近い板厚方向
の内側にあるために生じたワイトユニフォーミティの劣
化を防止できる。またシャドウマスク素材の板厚を薄く
しないでも、高精細カラー受像管などに使用される電子
ビーム通過孔およびその配列ピッチの小さいシャドウマ
スクが得られ、シャドウマスクの強度の低下を防止でき
る。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
づいて説明する。
【0016】図1にその一実施例であるカラー受像管用
シャドウマスクを示す。このシャドウマスクは、カラー
受像管の蛍光体スクリーン側となる一方の面側が低炭素
鋼層20、電子銃側となる他方の面側が鉄・ニッケル合金
層21からなる2層構造の複合金属板22から形成され、こ
の複合金属板22に円形またはほぼ矩形状などの所定形
状、大きさの電子ビーム通過孔23を所定の配列で多数形
成されている。その各電子ビーム通過孔23は、上記一方
の面での開口面積が他方の面の開口面積よりも大きく、
かつ他方の面の開口を実質的に電子ビームのビームスポ
ット形状を規制する小径部24とするほぼテーパ状孔に形
成されている。
シャドウマスクを示す。このシャドウマスクは、カラー
受像管の蛍光体スクリーン側となる一方の面側が低炭素
鋼層20、電子銃側となる他方の面側が鉄・ニッケル合金
層21からなる2層構造の複合金属板22から形成され、こ
の複合金属板22に円形またはほぼ矩形状などの所定形
状、大きさの電子ビーム通過孔23を所定の配列で多数形
成されている。その各電子ビーム通過孔23は、上記一方
の面での開口面積が他方の面の開口面積よりも大きく、
かつ他方の面の開口を実質的に電子ビームのビームスポ
ット形状を規制する小径部24とするほぼテーパ状孔に形
成されている。
【0017】このような電子ビーム通過孔23を備えるシ
ャドウマスクは、つぎのように製造される。
ャドウマスクは、つぎのように製造される。
【0018】図2(a)に示すように、まず、従来のシ
ャドウマスクの板厚をTとするとき、板厚0.8Tの低
炭素鋼板と板厚0.2Tの鉄・ニッケル合金板をプレス
温間加工などの方法により圧接して、表面平滑な低炭素
鋼層20と鉄・ニッケル合金層21とからなる板厚0.99
Tの2層構造の複合金属板からなるシャドウマスク素材
25を製造する。
ャドウマスクの板厚をTとするとき、板厚0.8Tの低
炭素鋼板と板厚0.2Tの鉄・ニッケル合金板をプレス
温間加工などの方法により圧接して、表面平滑な低炭素
鋼層20と鉄・ニッケル合金層21とからなる板厚0.99
Tの2層構造の複合金属板からなるシャドウマスク素材
25を製造する。
【0019】つぎに、同(b)に示すように、上記シャ
ドウマスク素材25の両面に、たとえば牛乳カゼイン酸ア
ルカリと重クロム酸アンモニウムを主成分とする感光剤
を塗布して、感光膜26,26を形成する。つぎに同(c)
に示すように、その一方の面の感光膜26に、形成しよう
とするシャドウマスクの電子ビーム通過孔のパターンに
対応するパターンの形成されたネガ原版27を密着して露
光し、ネガ原版31のパターンを焼付けるとともに、他方
の面の感光膜26については、ネガ原版を介することなく
全面を露光する。ついで上記露光焼付け終了した両面の
感光膜26,26を現像して未感光部を除去し、同(d)に
示すように、シャドウマスク素材25の一方の面にネガ原
版27のパターンに対応して、電子ビーム通過孔を形成し
ようとする部分の素材面が露出したレジスト膜28a を形
成するとともに、他方の面の全面をレジスト膜28b で覆
う。その後、同(e)に示すように、上記レジスト膜28
aの形成されたシャドウマスク素材25の一方の面に塩化
第2鉄からなるエッチング溶液をスプレーして、最初一
方の面側の低炭素鋼層20を、ついで鉄・ニッケル合金層
21を腐蝕し、両面間を貫通して他方の面のレジスト膜28
b に達する電子ビーム通過孔23を穿設する。なお、シャ
ドウマスク素材28の両面のレジスト膜28a ,28b は、そ
の後苛性アルカリにより剥離除去される。
ドウマスク素材25の両面に、たとえば牛乳カゼイン酸ア
ルカリと重クロム酸アンモニウムを主成分とする感光剤
を塗布して、感光膜26,26を形成する。つぎに同(c)
に示すように、その一方の面の感光膜26に、形成しよう
とするシャドウマスクの電子ビーム通過孔のパターンに
対応するパターンの形成されたネガ原版27を密着して露
光し、ネガ原版31のパターンを焼付けるとともに、他方
の面の感光膜26については、ネガ原版を介することなく
全面を露光する。ついで上記露光焼付け終了した両面の
感光膜26,26を現像して未感光部を除去し、同(d)に
示すように、シャドウマスク素材25の一方の面にネガ原
版27のパターンに対応して、電子ビーム通過孔を形成し
ようとする部分の素材面が露出したレジスト膜28a を形
成するとともに、他方の面の全面をレジスト膜28b で覆
う。その後、同(e)に示すように、上記レジスト膜28
aの形成されたシャドウマスク素材25の一方の面に塩化
第2鉄からなるエッチング溶液をスプレーして、最初一
方の面側の低炭素鋼層20を、ついで鉄・ニッケル合金層
21を腐蝕し、両面間を貫通して他方の面のレジスト膜28
b に達する電子ビーム通過孔23を穿設する。なお、シャ
ドウマスク素材28の両面のレジスト膜28a ,28b は、そ
の後苛性アルカリにより剥離除去される。
【0020】ところで、上記のように板厚0.8Tの低
炭素鋼板と板厚0.2Tの鉄・ニッケル合金板を圧接し
た低炭素鋼層20と鉄・ニッケル合金層21とからなる2層
構造の複合金属板をシャドウマスク素材25とし、その低
炭素鋼層20からなる一方の面側からエッチングして、両
面間を貫通する電子ビーム通過孔23を形成すると、低炭
素鋼にくらべて鉄・ニッケル合金のエッチング速度は遅
いが、相対的にエッチング速度の速い低炭素鋼層20がシ
ャドウマスク素材28の板厚の大部分を占めるので、従来
の単一な低炭素鋼板からなるシャドウマスク素材をエッ
チングする場合とほぼ同じ時間で電子ビーム通過孔23を
穿設することができる。この場合、一方の面の開口面積
は、板厚方向の腐蝕によりある程度大きくなるが、この
シャドウマスク素材28は、板厚が従来のシャドウマスク
素材の板厚とほぼ同じであり、かつ低炭素鋼よりも機械
的強度の高い鉄・ニッケル合金で裏打ちされた状態とな
っているので、所要の機械的強度を保持するシャドウマ
スクとすることができる。
炭素鋼板と板厚0.2Tの鉄・ニッケル合金板を圧接し
た低炭素鋼層20と鉄・ニッケル合金層21とからなる2層
構造の複合金属板をシャドウマスク素材25とし、その低
炭素鋼層20からなる一方の面側からエッチングして、両
面間を貫通する電子ビーム通過孔23を形成すると、低炭
素鋼にくらべて鉄・ニッケル合金のエッチング速度は遅
いが、相対的にエッチング速度の速い低炭素鋼層20がシ
ャドウマスク素材28の板厚の大部分を占めるので、従来
の単一な低炭素鋼板からなるシャドウマスク素材をエッ
チングする場合とほぼ同じ時間で電子ビーム通過孔23を
穿設することができる。この場合、一方の面の開口面積
は、板厚方向の腐蝕によりある程度大きくなるが、この
シャドウマスク素材28は、板厚が従来のシャドウマスク
素材の板厚とほぼ同じであり、かつ低炭素鋼よりも機械
的強度の高い鉄・ニッケル合金で裏打ちされた状態とな
っているので、所要の機械的強度を保持するシャドウマ
スクとすることができる。
【0021】しかも形成される電子ビーム通過孔23は、
一方の面からのみおこなわれるエッチングにより、他方
の面での開口が実質的に電子ビームのビームスポット形
状を規制する小径部24となる。しかもこの他方の面側
は、鉄・ニッケル合金からなり、エッチング速度が遅い
ので、その開口を正確な所要の形状、大きさにすること
ができる。したがって従来のシャドウマスクのように小
径部が他方の面の開口の板厚方向の内側に位置するため
に生じたホワイトユニフォーミティの劣化を防止でき
る。
一方の面からのみおこなわれるエッチングにより、他方
の面での開口が実質的に電子ビームのビームスポット形
状を規制する小径部24となる。しかもこの他方の面側
は、鉄・ニッケル合金からなり、エッチング速度が遅い
ので、その開口を正確な所要の形状、大きさにすること
ができる。したがって従来のシャドウマスクのように小
径部が他方の面の開口の板厚方向の内側に位置するため
に生じたホワイトユニフォーミティの劣化を防止でき
る。
【0022】つまり、この複合金属板からなるシャドウ
マスクによれば、小径部が他方の面の内側に形成される
ために生じた従来のシャドウマスクのホワイトユニフォ
ーミティの劣化を防止でき、かつ必要とする十分な機械
的強度を保持して、通常のカラー受像管は勿論、高精細
カラー受像管に適用して、きわめて有効なシャドウマス
クとすることができる。
マスクによれば、小径部が他方の面の内側に形成される
ために生じた従来のシャドウマスクのホワイトユニフォ
ーミティの劣化を防止でき、かつ必要とする十分な機械
的強度を保持して、通常のカラー受像管は勿論、高精細
カラー受像管に適用して、きわめて有効なシャドウマス
クとすることができる。
【0023】
【発明の効果】シャドウマスク素材をエッチング速度の
異なる金属の2層構造とし、その相対的にエッチング速
度の速い金属層を一方の面側とし、相対的にエッチング
速度の遅い金属層を他方の面側として、一方の面の開口
面積が他方の面の開口面積より大きい電子ビーム通過孔
を形成すると、相対的にエッチング速度の速い金属層か
らなる一方の面側からのエッチングにより、相対的にエ
ッチング速度の遅い金属層からなる他方の面の開口形
状、大きさを容易に所要の形状、大きさとすることがで
き、かつ他方の面の開口を実質的に電子ビームのビーム
スポット形状を規制する小径部とすることができ、従来
小径部が他方の面の開口の内側に位置するために生じた
ワイトユニフォーミティの劣化を防止できる。またシャ
ドウマスク素材の板厚を薄くする必要がなく、また機械
的強度を補強された複合金属板から構成されるため、シ
ャドウマスクの強度の低下が防止され、通常のカラー受
像管は勿論、電子ビーム通過孔およびその配列ピッチの
小さい高精細カラー受像管用シャドウマスクに適用し
て、有効なシャドウマスクとすることができる。
異なる金属の2層構造とし、その相対的にエッチング速
度の速い金属層を一方の面側とし、相対的にエッチング
速度の遅い金属層を他方の面側として、一方の面の開口
面積が他方の面の開口面積より大きい電子ビーム通過孔
を形成すると、相対的にエッチング速度の速い金属層か
らなる一方の面側からのエッチングにより、相対的にエ
ッチング速度の遅い金属層からなる他方の面の開口形
状、大きさを容易に所要の形状、大きさとすることがで
き、かつ他方の面の開口を実質的に電子ビームのビーム
スポット形状を規制する小径部とすることができ、従来
小径部が他方の面の開口の内側に位置するために生じた
ワイトユニフォーミティの劣化を防止できる。またシャ
ドウマスク素材の板厚を薄くする必要がなく、また機械
的強度を補強された複合金属板から構成されるため、シ
ャドウマスクの強度の低下が防止され、通常のカラー受
像管は勿論、電子ビーム通過孔およびその配列ピッチの
小さい高精細カラー受像管用シャドウマスクに適用し
て、有効なシャドウマスクとすることができる。
【図1】この発明の一実施例であるカラー受像管用シャ
ドウマスクの構成を説明するための図である。
ドウマスクの構成を説明するための図である。
【図2】図2(a)乃至(e)はそれぞれそのシャドウ
マスクの製造方法を説明するための図である。
マスクの製造方法を説明するための図である。
【図3】シャドウマスク形カラー受像管の構成を示す図
である。
である。
【図4】従来のカラー受像管用シャドウマスクの構成を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図5】図2(a)乃至(e)はそれぞれ従来のカラー
受像管用シャドウマスクの製造方法を説明するための図
である。
受像管用シャドウマスクの製造方法を説明するための図
である。
20…低炭素鋼層 21…鉄・ニッケル合金層 22…複合金属板 23…電子ビーム通過孔 24…小径部 25…シャドウマスク素材
Claims (1)
- 【請求項1】シャドウマスク素材に一方の面の開口面積
が他方の面の開口面積より大きい多数の電子ビーム通過
孔が所定の配列で形成されてなるカラー受像管用シャド
ウマスクにおいて、 上記シャドウマスク素材はエッチング速度の異なる金属
の2層構造からなり、相対的にエッチング速度の速い金
属層を一方の面側とし、相対的にエッチング速度の遅い
金属層を他方の面側として、このシャドウマスク素材に
一方の面の開口面積が他方の面の開口面積より大きい電
子ビーム通過孔が形成されていることを特徴とするカラ
ー受像管用シャドウマスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1261392A JPH05205650A (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | カラー受像管用シャドウマスク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1261392A JPH05205650A (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | カラー受像管用シャドウマスク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05205650A true JPH05205650A (ja) | 1993-08-13 |
Family
ID=11810227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1261392A Pending JPH05205650A (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | カラー受像管用シャドウマスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05205650A (ja) |
-
1992
- 1992-01-28 JP JP1261392A patent/JPH05205650A/ja active Pending
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