JPH06222340A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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Publication number
JPH06222340A
JPH06222340A JP5026266A JP2626693A JPH06222340A JP H06222340 A JPH06222340 A JP H06222340A JP 5026266 A JP5026266 A JP 5026266A JP 2626693 A JP2626693 A JP 2626693A JP H06222340 A JPH06222340 A JP H06222340A
Authority
JP
Japan
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liquid crystal
light
dispersion medium
crystal layer
pair
Prior art date
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Pending
Application number
JP5026266A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihei Chin
国平 陳
Ichiro Morishita
一郎 森下
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP5026266A priority Critical patent/JPH06222340A/ja
Publication of JPH06222340A publication Critical patent/JPH06222340A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 斜方からの表示品位が良く、十分なコントラ
ストが得られ、細かな階調表現が可能で、表示の切り替
えが速い逐時表示が可能な液晶素子を実現する。 【構成】 内側に電極1,2が形成された対向する一組
の基材対3,4の間に液晶層5が配置された液晶素子で
あり、液晶層5は、第一の低分子液晶材料7をマイクロ
カプセル8化し、マイクロカプセル8を、分散媒9であ
る第二の低分子液晶材料10の中に分散添加した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶層に電界を印加し
て表示をするための液晶素子に関わり、更に詳しくは、
散乱モードを利用した液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より液晶素子の表示モードとして
は、複屈折モードを利用したもの・偏光モードを利用し
たもの・散乱モードを利用したもの等が知られている。
これらの内で、散乱モードを利用したものは、構成が単
純なため広く用いられようとしている。
【0003】散乱モードを利用した液晶素子としては、
分散型・強誘電液晶型・動的散乱型等が知られており、
偏光板を用いる必要がなく安価で実現できるため、活発
に研究が行なわれている。
【0004】液晶表示に利用されている散乱モードを、
分散型を例として詳細に説明する。分散型の表示素子で
は、下記の四種類の構成が知られている。
【0005】第一の型は、図4に示したように、低分子
液晶材料21をマイクロカプセル化し、このマイクロカ
プセル8を高分子材料22中に添加して液晶層5を形成
し、この液晶層5を内側に電極1,2が形成された対向
する一組の基材対3,4の間に配置して液晶素子6とす
るものである。
【0006】この型では、マイクロカプセル8中の低分
子液晶材料21を電圧印加方向に通過する光が感じる屈
折率(no )と、分散媒9である高分子材料22中を通
過する光が感じる高分子材料22に固有の屈折率
(np )とがほぼ等しくなるように構成されている(n
o =np )。このため、図4(a)に示したように、電
圧印加時に液晶層6を電圧印加方向にそって通過する光
Aは、液晶層5中でマイクロカプセル8中の低分子液晶
材料21中と、分散媒9である高分子材料22中とで等
しい屈折率を感じることになり、液晶層5は透明にな
る。
【0007】電圧が印加されていない時には、図4
(b)に示したように、マイクロカプセル8中の低分子
液晶材料21は、マイクロカプセル8の壁面からのわず
かな配向規制力だけを受けることになり、低分子液晶分
子はそれぞれランダムな方向に向き、マイクロカプセル
8中を通過する光は散乱され、液晶層5は白濁状態とな
る。
【0008】この第一の従来型の代表的な液晶素子6と
しては、マイクロカプセル8の粒径は0.5μm〜3μ
m,分散媒9中へのマイクロカプセル8の充填率は約5
0体積%,マイクロカプセル8の壁材はゼラチンとアラ
ビアゴムとの混合物,この壁材の膜厚は約0.1μm,
分散媒9である高分子材料22の層の厚さ(液晶層5の
厚さ)は約5μmである。また、マイクロカプセル8中
の低分子液晶材料21には例えばメルク社製のE7を、
分散媒9である高分子材料22としては、UV硬化のア
クリル樹脂や、熱硬化形エポキシ樹脂が用いられてい
る。
【0009】第二の型は、図5に示したように、低分子
液晶材料21を高分子材料22中に添加分散して液晶層
5を形成し、この液晶層5を内側に電極1,2が形成さ
れた対向する一組の基材対3,4の間に配置して液晶素
子6とするものである。
【0010】この型でも、前記第一の型と同様、図5
(a)に示したように、分散された低分子液晶材料21
を電圧印加方向に通過する光が感じる屈折率(no
と、分散媒である高分子材料22中を通過する光が感じ
る屈折率(np )とが等しくなるように構成されている
(no =np )。このため、電圧印加時に液晶層5を電
圧印加方向にそって通過する光Aは、液晶層5中で分散
された低分子液晶材料21中と、分散媒である高分子材
料22中とで等しい屈折率を感じることになり、液晶層
5は透明になる。
【0011】電圧が印加されていない時には、図5
(b)に示したように、分散された低分子液晶材料21
は、分散媒である高分子材料22との界面からのわずか
な配向規制力だけを受けることになり、低分子液晶分子
はそれぞれランダムな方向に向き、低分子液晶材料21
中を通過する光は散乱され、液晶層5は白濁状態とな
る。
【0012】この第二の従来型の代表的な液晶素子6と
しては、高分子材料22中への低分子液晶材料21の混
合率は約50体積%,分散媒9である高分子材料22の
層の厚さ(液晶層5の厚さ)は約5μmである。また、
低分子液晶材料21には例えばメルク社製のE7を、分
散媒9である高分子材料22としては、UV硬化のアク
リル樹脂が用いられている。
【0013】第三の型は、図6に示したように、低分子
液晶材料23を分散媒とし、この分散媒中に等方性材料
粒24を分散添加して液晶層5を形成し、この液晶層5
を内側に電極1,2が形成された対向する一組の基材対
3,4の間に配置して液晶素子6とするものである。
【0014】この型では、分散媒である低分子液晶材料
23を電圧印加方向に通過する光が感じる屈折率
(no )と、分散粒である等方性材料粒24中を通過す
る光が感じる屈折率(np )とが等しくなるように構成
されている(no =np )。このため、図6(a)に示
したように、電圧印加時に液晶層5を電圧印加方向にそ
って通過する光Aは、液晶層5中で分散媒である低分子
液晶材料23中と、分散粒である等方性材料粒24中と
で等しい屈折率を感じることになり、液晶層5は透明に
なる。
【0015】電圧が印加されていない時には、図6
(b)に示したように、分散媒である低分子液晶材料2
3は、両側にある基材3,4との界面や分散粒である等
方性材料粒24との界面からのわずかな配向規制力だけ
を受けることになり、低分子液晶分子はそれぞれランダ
ムな方向に向き、低分子液晶材料23中を通過する光は
散乱され、液晶層5は白濁状態となる。
【0016】第四の型は、低分子液晶材料を、側鎖に液
晶基を持った高分子液晶材料中に添加分散して液晶層を
形成し、この液晶層を内側に電極が形成された対向する
一組の基材対の間に配置して液晶素子とするものであ
る。
【0017】この型では、液晶層をレーザー光等で局部
的に加熱し、高分子液晶材料の液晶基を自由に回転等可
能な状態にしておき、同時に電圧を印加して、高分子液
晶材料の液晶基を電圧により規則的に配列させた後冷却
する。この結果、この液晶基にならって、分散されてい
る低分子液晶材料が配向される。この時、配向している
低分子液晶材料を、基材に対して垂直に通過する光が感
じる屈折率(no )と、分散媒である高分子液晶材料中
を通過する光が感じる屈折率(np )とが等しくなるよ
うに構成されている(no =np )。このため、液晶層
を基材に対して垂直に通過する光は、液晶層中で分散さ
れた低分子液晶材料中と、分散媒である高分子液晶材料
中とで等しい屈折率を感じることになり、液晶層は透明
になる。
【0018】つぎに、液晶層をレーザー光等で局部的に
加熱し、高分子液晶材料の液晶基を自由に回転等可能な
状態にしておき、電圧を印加せずに急冷する。こうする
と、高分子液晶材料の液晶基は規則的に配列されること
なく固定され、分散されている低分子液晶材料も配向し
なくなる。この時、分散された低分子液晶材料は、分散
媒である高分子液晶材料との界面からのわずかな配向規
制力だけを受けることになり、低分子液晶分子はそれぞ
れランダムな方向に向き、低分子液晶中を通過する光は
散乱され、液晶層は白濁状態となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構成にあっては、それぞれ下記の問題点があ
る。
【0020】前記第一,第二および第三の型は、電圧印
加時に本来透明表示となるべきところ、視角の増加に従
い、分散媒の屈折率と被分散物の屈折率とに差を生じ曇
りが発生する。このことを第一の型を例に用いて詳細に
説明する。電圧印加時には図4(a)に示したように、
電圧印加時に液晶層5を電圧印加方向にそって通過する
光Aは、液晶層5中でマイクロカプセル8中の低分子液
晶材料21中と、分散媒9である高分子材料22中とで
等しい屈折率を感じることになり、液晶層5は透明にな
る。
【0021】ところが、液晶層5を電圧印加方向に対し
て斜めに通過する光Bは、分散媒9である高分子材料2
2中を通過するときには屈折率np を感じるが、マイク
ロカプセル8中の低分子液晶材料21中を通過するとき
には異方性材料である低分子液晶材料21の二つの屈折
率、no とne とのベクトル和の屈折率nLCを感じるこ
とになる。この時、no とne とは異なるために、nLC
≠no (≠ne )となり、先に示したようにno =np
であるため、nLC≠np となり、光Bはマイクロカプセ
ル8と分散媒9との界面とで屈折し、直進できなくな
り、曇りを生じることになる。先に示した第一の従来型
の代表的な表示素子に5V印加した際の、この透過光量
と視角との関係を、図7に破線で示した。図7で分かる
ように、視角の増加に従い、透過光量は著しく減少す
る。
【0022】この問題点は、上記したように前記第一,
第二および第三の型に共通したものであり、斜方からの
表示品位が著しく悪く、分散型の表示素子の普及を阻ん
でいる原因の一つになっている。
【0023】また、従来の前記第一,第二および第三の
型は、コントラストに寄与しない等方性材料が、光路の
半分近くを占めているため、高コントラストが得られな
い。このことを第一の型を例に用いて詳細に説明する。
この型では、図4(a)に示したように、電圧印加時に
マイクロカプセル8中の低分子液晶材料21中と、分散
媒9である高分子材料22中とで等しい屈折率を感じる
ことになり、液晶層5は透明になる。
【0024】これに対して、電圧が印加されていない時
には、図4(b)に示したように、マイクロカプセル8
中の低分子液晶分子はそれぞれランダムな方向に向き、
マイクロカプセル8中を通過する光は散乱され、液晶層
5は白濁状態となる。このとき、分散媒9である高分子
材料22は等方的であり、光の散乱には寄与しない。先
に示した第一の従来型の代表的な液晶素子では、分散媒
9中へのマイクロカプセル8の充填率は約50%であ
り、残りの50%は、コントラストに寄与しない高分子
材料分散媒で占められている。先に示した第一の従来型
の代表的な液晶素子の5V印加時と電圧無印加時との光
量比であるコントラストと視角との関係を、図8に破線
で示した。図8で分かるように、液晶素子として40以
上は必要なコントラストが、20程度しか得られていな
い。
【0025】この問題点も、上記したように前記第一,
第二および第三の型に共通したものであり、細かな階調
表現ができず、分散型の液晶素子の普及を阻んでいる原
因の一つになっている。
【0026】前記第二の型は上記問題点に加えて、分散
媒が完全に高分子化せず、未反応の低分子成分が残留
し、分散添加されている低分子液晶材料と反応するた
め、駆動電圧とコントラストとの関係にヒステリシスが
発生する。
【0027】先に示した第二の従来型の代表的な液晶素
子6の、駆動電圧と透過光量との関係を、図9に破線お
よび一点破線で示した。ここで、破線は立ち上がり特
性、一点破線は立ち下がり特性を示している。この様
に、ヒステリシス特性が著しいため、前記問題点と同様
に階調表現ができない。
【0028】前記第四の型は、高分子液晶の液晶基部分
の電位による配向のスピードが非常に遅く、表示の切り
替えには数秒程度を要しており、逐時表示用液晶素子と
しては全く利用できない。
【0029】また散乱モードを用いた液晶素子では、図
15に示したように、基材対3,4の一方の外面側に、
照射光33を発生する光源(図示せず)を設けているだ
けの簡単な構造であるため、明確な透過/不透過表示を
することができない。このことを以下で詳細に説明す
る。
【0030】電圧印加時に照射光が透過し、電圧無印加
時に照射光が散乱される散乱モードを用いた液晶素子を
例に説明する。電圧印加時には、図15(a)に示した
ように、基材対3,4の一方から照射された照射光33
は、そのまま散乱モード液晶層44を通り抜け透過光3
4となるため、透明表示となる。
【0031】これに対して電圧無印加時には、図15
(b)に示したように、基材対3,4の一方から照射さ
れた照射光33は散乱モード液晶層44で散乱される。
この散乱された光は光源側である下基材4側に散乱され
るものもあるが、観察面側である上基材3側に散乱され
る散乱光35もある。このため、電圧無印加時であって
も完全な不透過表示とはならず、白濁状態の表示となる
だけである。このように、散乱モードを用いた液晶素子
では、電圧印加有無により透明状態と白濁状態との切り
替えは可能であるが、いわゆる透過/不透過状態の切り
替えはできない。このため、明確な透過/不透過表示を
必要とする用途には用いられていない。
【0032】したがって、本発明の目的は、上記課題を
解決し、視角に関わらず高コントラストが得られ、階調
表示が可能な液晶素子を、高価な偏光板を用いる事なく
実現することにある。本発明のもう一つの目的は、単純
な構成である散乱モードを利用した液晶素子を用いて、
明確な透過/不透過表示が可能な液晶素子を、高価な偏
光板や配向膜を用いる事なく実現することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
内側に電極が形成された対向する一組の基材対の間に液
晶層が配置されており、前記液晶層の光の透過・散乱状
態を前記電極に印加する電界により制御し表示を行う液
晶素子において、前記液晶層が分散媒と前記分散媒中に
分散されているマイクロカプセルとより成っており、前
記マイクロカプセルには第一の低分子液晶材料が充填さ
れており、前記分散媒は第二の低分子液晶材料により構
成されていることを特徴とする液晶素子である。
【0034】請求項2記載の発明は、前記マイクロカプ
セル中の第一の低分子液晶材料と分散媒である第二の低
分子液晶材料とが、同一の液晶材料であることを特徴と
する請求項1記載の液晶素子である。
【0035】請求項3記載の発明は、前記分散媒である
第二の低分子液晶材料が配向処理されていることを特徴
とする請求項1または請求項2記載の液晶素子である。
【0036】請求項4記載の発明は、前記マイクロカプ
セル中の第一の低分子液晶材料と分散媒である第二の低
分子液晶材料の少なくとも一方に二色性色素が添加され
ていることを特徴とする請求項1,請求項2または請求
項3記載の液晶素子である。
【0037】請求項5記載の発明は、内側に電極が形成
された対向する一組の基材対の間に液晶層が配置されて
おり、前記液晶層の光の透過・散乱状態を前記電極に印
加する電界により制御し表示を行う液晶素子において、
前記基材対の一方の外面側に、前記基材対に対してほぼ
法線方向からほぼ平行な光を照射する光源が設けられて
おり、前記基材対の他の外面側に集光マイクロレンズが
設けられており、前記集光マイクロレンズの前記基材対
と面していない側で、前記集光マイクロレンズのそれぞ
れの焦点位置にピンホールを有する遮光板が設けられて
いることを特徴とする液晶素子である。
【0038】請求項6記載の発明は、前記遮光板の、前
記集光マイクロレンズと面していない方の外面側に光拡
散板が設けられていることを特徴とする請求項5記載の
液晶素子である。
【0039】請求項7記載の発明は、内側に電極が形成
された対向する一組の基材対の間に液晶層が配置されて
おり、前記液晶層の光の透過・散乱状態を前記電極に印
加する電界により制御し表示を行う液晶素子において、
前記基材対の一方の外面側に、前記基材対に対してほぼ
法線方向からほぼ平行な光を照射する光源が設けられて
おり、前記基材対の他の外面側に前記基材対に対してほ
ぼ法線方向に出射されるほぼ平行な光線のみを透過する
平行光束板が設けられていることを特徴とする液晶素子
である。
【0040】請求項8記載の発明は、前記平行光束板
の、前記基板対と面していない方の面側に光拡散板が設
けられていることを特徴とする請求項7記載の液晶素子
である。
【0041】
【作用】上記技術的手段は次のように作用する。請求項
1記載の発明では、図1に示したように、マイクロカプ
セル8中の液晶材料およびこのマイクロカプセル8を分
散添加する分散媒9が、それぞれ第一の低分子液晶材料
7および第二の低分子液晶材料10により形成されてい
るため、電圧印加時には、視角に関わらず良好な透明表
示となる。このことを以下で詳細に説明する。
【0042】電圧印加時には、電圧印加時に液晶層5を
電圧印加方向にそって通過する光は、液晶層5中でマイ
クロカプセル8中と、分散媒9中とで等しい屈折率を感
じることになり、液晶層5は透明になる。また、液晶層
5を電圧印加方向に対して斜めに通過する光は、分散媒
9中を通過するときと、マイクロカプセル8中を通過す
るときとで、ともに異方性材料である低分子液晶材料の
二つの屈折率、no とne とのベクトル和の屈折率nLC
を感じることになる。このため屈折率に差がなくなり、
曇りを生じることが無くなる。
【0043】また、マイクロカプセル8中の液晶材料お
よびこのマイクロカプセル8を分散添加する分散媒9
が、それぞれ第一の低分子液晶材料7および第二の低分
子液晶材料10により形成されているため、液晶層5の
全体がコントラストに寄与するため、高コントラストが
得られる。このことを以下で詳細に説明する。
【0044】電圧が印加されていない時には、マイクロ
カプセル8中の第一の低分子液晶材料7はそれぞれラン
ダムな方向に向き、マイクロカプセル8中を通過する光
は散乱され、液晶層5は白濁状態となる。この時、分散
媒9中の第二の低分子液晶材料10もドメインを多数含
むことになり、光を散乱する。このため、液晶層5全体
で照射光33を散乱することができる。
【0045】請求項2記載の発明では、マイクロカプセ
ル8中の第一の低分子液晶材料7と分散媒9である第二
の低分子液晶材料10とが、同一の液晶材料であるた
め、各屈折率の整合が確実に得られる。
【0046】請求項3記載の発明では、図2に示したよ
うに、分散媒9である第二の低分子液晶材料10が配向
処理されているため、電圧印加有無の切り替え時に、分
散媒9である第二の低分子液晶材料10は、配向状態を
変える必要がなくなる。
【0047】請求項4記載の発明では、図3に示したよ
うに、マイクロカプセル8中の第一の低分子液晶材料7
と分散媒9である第二の低分子液晶材料10の少なくと
も一方に二色性色素11が添加されているため、電圧無
印加時に、より完全に照射光33を散乱することが可能
とな。
【0048】請求項5記載の発明では、図10に示した
ように、基材対3,4の一方の外面側に、この基材対
3,4に対してほぼ法線方向からほぼ平行な照射光33
を発生する光源(図示せず)が設けられており、基材対
3,4の他の外面側に集光マイクロレンズ41が設けら
れており、この集光マイクロレンズ41の基材対と面し
ていない側で、前記集光マイクロレンズ41のそれぞれ
の焦点位置にピンホール42を有する遮光板43が設け
られているため、明確な透過/不透過表示をすることが
可能となる。このことを以下で詳細に説明する。
【0049】電圧印加時に照射光が透過し、電圧無印加
時に照射光が散乱される散乱モードを用いた液晶素子を
例に説明する。電圧印加時には、図10(a)に示した
ように、基材対3,4の一方から照射されたほぼ平行な
照射光33はそのまま散乱モード液晶層44を通過し、
集光マイクロレンズ41で集光されて遮光板43に開け
られたピンホール42を通り抜け透過光34となる。
【0050】これに対して電圧無印加時には、図10
(b)に示したように、基材対3,4の一方から照射さ
れたほぼ平行な照射光33は散乱モード液晶層44で散
乱される。この散乱された光は光源側である下基材4側
に散乱されるものもあるが、観察面側である上基材3側
に散乱されるものもある。この上基材側に散乱された光
は、上基板3の外側には集光マイクロレンズ41があ
り、このマイクロレンズ41の光学軸に平行に入射した
光しか通過しないように、集光マイクロレンズ41の焦
点位置にピンホール42を有する遮光板43が設けられ
ているため、このピンホール42を通過することができ
ず、遮光板43で遮光される。このため電圧無印加時に
は、ほとんど完全な不透過状態とすることができる。
【0051】請求項6記載の発明では、図11に示した
ように、遮光板43の集光マイクロレンズ41と面して
いない方の外面側に拡散板47が設けられていることに
より、視角依存性が改善される。
【0052】請求項7記載の発明では、図13に示した
ように、内側に電極1,2が形成された対向する一組の
基材対3,4の間に散乱モード液晶層44が配置されて
おり、基材対3,4の一方の外面側に、基材対に対して
ほぼ法線方向からほぼ平行な光を照射する光源(図示せ
ず)が設けられており、基材対3,4の他の外面側にほ
ぼ平行な光線を透過する平行光束板46が設けられてい
るため、請求項5記載の発明と同様に、明確な透過/不
透過表示をすることが可能となる。このことを以下で詳
細に説明する。
【0053】電圧印加時に照射光が透過し、電圧無印加
時に照射光が散乱される散乱モードを用いた液晶素子を
例に説明する。電圧印加時には、図13(a)に示した
ように、基材対3,4の一方から照射された平行な照射
光33はそのまま散乱モード液晶層44を通過し、平行
光束板46を通り抜け透過光34となる。
【0054】これに対して電圧無印加時には、図13
(b)に示したように、基材対3,4の一方から照射さ
れた平行な照射光33は散乱モード液晶層44で散乱さ
れる。この散乱された光は光源側である下基材4側に散
乱されるものもあるが、観察面側である上基材3側に散
乱されるものもある。この上基材側に散乱された光は、
上基材3の外側には平行光束板46があり、これが平行
光束板の法線方向から入射した光束しか透過しないた
め、通ることができず遮光される。このため電圧無印加
時には、ほとんど完全な不透過状態とすることができ
る。
【0055】請求項8記載の発明では、図14に示した
ように、前記平行光束板46の、基材対3,4と面して
いない方の面側に光拡散板47が設けられているため、
視角依存性が改善される。
【0056】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明す
る。 (実施例1)本発明の一実施例を図1を用いて説明す
る。本実施例1の液晶素子6は、内側に透明導電膜から
なる電極1,2が形成された対向する一組のガラス製の
基材対3,4の間に液晶層5が配置されており、この液
晶層5は、第一の低分子液晶材料7をマイクロカプセル
化し、このマイクロカプセル8を、分散媒9である第二
の低分子液晶材料10の中に分散添加したものである。
また、図中上側の電極1と下側の電極2とは、周波数1
00Hzの電源31とスイッチ32とを介して接続され
ている。
【0057】ここで、マイクロカプセル8の粒径は0.
5μm〜3μm、分散媒9中へのマイクロカプセル8の
充填率は約50体積%、マイクロカプセル8の壁材はゼ
ラチンとアラビアゴムとの混合物、この壁材の膜厚は約
0.1μm、液晶層5の厚さは約5μm、マイクロカプ
セル8中の第一の低分子液晶材料7にはno が1.5
0、ne が1.59であるメルク社製のZLI−284
7を、分散媒9である第二の低分子液晶材料10にはn
o が1.50、ne が1.62であるメルク社製のZL
I−2788を用いた。また、マイクロカプセルの製造
は、近藤保,小石真純 著「マイクロカプセル」(三共
出版株式会社)p53 図3.7「ゼラチン−アラビア
ゴム系のマイクロカプセルの調整例」によった。
【0058】この液晶素子に5V印加した際の、透過光
量と視角との関係を、図7に実線で示した。図7で分か
るように、視角の増加によっても、透過光量の減少は殆
ど認められなかった。また、この液晶素子の5V印加時
と電圧無印加時との光量比であるコントラストと視角と
の関係を、図8に実線で示した。図8で分かるように、
液晶素子として十分なコントラストである45以上の特
性が得られた。
【0059】この液晶素子の、駆動電圧と透過光量との
関係を、図9に実線で示した。図9で分かるように、ヒ
ステリシスが全く認められなかった。
【0060】本実施例では、第一の低分子液晶材料7の
屈折率(第一の低分子液晶材料7のno とne との平均
値)と第二の低分子液晶材料10の屈折率(第二の低分
子液晶材料10のno とne との平均値)との差が0.
015である系を用いたが、本発明の効果を得るために
は、この差は0.1以下であることが必要であり、望ま
しくは0.05以下である。
【0061】マイクロカプセル8の充填率は、30〜9
0体積%であれば、本発明の効果を損なうことはない。
【0062】(実施例2)本実施例が前記実施例1と異
なる点は、第二の低分子液晶材料として第一の低分子液
晶材料と同じメルク社製のZLI−2847を用いたこ
とである。本構成とすることにより、マイクロカプセル
8と分散媒9とを成す材質が等しいため、屈折率の差が
皆無となり、高視角でのコントラストが、前記実施例1
より更に5%程度改善された。
【0063】なお、第一の低分子液晶材料7と第二の低
分子液晶材料10として用いることができる低分子液晶
材料は、本実施例に示したものに限られるものでないこ
とは勿論である。
【0064】(実施例3)本発明の他の実施例を図2に
示した。本実施例が前記実施例1と異なる点は、対向す
る一組のガラス製の基材対3,4の表面に垂直配向剤
SE7511L(日産化学)を塗布し、分散媒である第
二の低分子液晶材料10が垂直配向処理されていること
である。本構成としたために、電圧印加有無の切り替え
時に、分散媒9である第二の低分子液晶材料10は、配
向状態を変えることがなくなり、前記実施例1より駆動
速度および表示切り替えの急峻性が、それぞれ10%程
度向上した。
【0065】なお、第二の低分子液晶材料10を垂直配
向させるために用いることができる垂直配向剤は、本実
施例に示したものに限られるものでないことは勿論であ
る。
【0066】(実施例4)本発明の一実施例を図3を用
いて説明する。本実施例が前記実施例1と異なる点は、
分散媒9である第二の低分子液晶材料10中に、二色性
色素11を添加したことである。二色性色素11とし
て、LSY−116(三菱化成)を用い、分散媒9に約
3%添加した。本構成とすることにより、電圧無印加時
の透過光量が二分の一以下に半減し、電圧印加時の透過
光量との比であるコントラストが倍増した。
【0067】なお、本構成にて効果を奏する事ができる
二色性色素11は、本実施例に示したものに限られるも
のでないことは勿論である。また、二色性色素の添加率
も本実施例に限られるものではなく、0.01〜10重
量%であれば、本発明の効果が得られる。
【0068】(実施例5)本実施例が前記実施例1と異
なる点は、マイクロカプセル8の第一の低分子液晶材料
7中に、二色性色素11を添加したことである。二色性
色素11として、前記実施例4と同様に、LSY−11
6(三菱化成)を用い、第一の低分子液晶材料7に5%
添加した。本構成とすることにより、電圧無印加時の透
過光量が二分の一程度に半減し、電圧印加時の透過光量
との比であるコントラストが倍増した。
【0069】なお、本構成にて効果を奏する事ができる
二色性色素11は、本実施例に示したものに限られるも
のでないことは勿論である。また、二色性色素の添加率
も本実施例に限られるものではなく、0.01〜10重
量%であれば、本発明の効果が得られる。また、二色性
色素はマイクロカプセルの第一の低分子液晶材料中と分
散媒である第二の低分子液晶材料中の、両方に添加して
ももちろんかまわない。
【0070】(実施例6)本発明の他の実施例を図10
および図16を用いて説明する。なお図16では分かり
やすいように光路を一部省略して図示している。内面側
に透明電極が形成されたガラス製の基材対3,4の間
に、図4に示した液晶層5を散乱モード液晶層44とし
て配置してある。この散乱モード液晶層44は、マイク
ロカプセル8の粒径は0.5μm〜3μm,分散媒9中
へのマイクロカプセル8の充填率は約50体積%,マイ
クロカプセル8の壁材はゼラチンとアラビアゴムとの混
合物,この壁材の膜厚は約0.1μm,分散媒9である
高分子材料22の層の厚さ(液晶層5の厚さ)は約5μ
mである。また、マイクロカプセル8中の低分子液晶材
料21にはメルク社製のE7を、分散媒9である高分子
材料22としては、UV硬化のアクリル樹脂を用いた。
前記基材対3,4の一方の外面側には、この基材対3,
4の法線方向に対してほぼ平行な照射光33を発生する
光源(図示せず)が設けられている。基材対3,4の他
の外面側には曲率が0.486mmのポリメチルメタク
リレート(以下PMMAと記す)製の外径0.4mmの
凸レンズからなる集光マイクロレンズ41が多数設けら
れている。このとき、このマイクロレンズの焦点距離は
1.5mmである。この集光マイクロレンズ41の基材
対と面していない側(観察側)で、前記集光マイクロレ
ンズ41のそれぞれの焦点位置に口径0.015mmの
ピンホール42を有する遮光板43が設けられている。
【0071】集光マイクロレンズ41とピンホール42
を有する遮光板43とは、別々に精密加工し製作するこ
とも可能であるが、ピンホール42が正確に集光マイク
ロレンズ41の焦点位置に設置される必要がある。この
ため、本実施例では図16に示したような片面に集光マ
イクロレンズ41が多数形成されたレンズアレー48の
他の面側に、焦点位置にレンズの特性を利用し、いわゆ
るリフトオフ法を用いて、直接ピンホール42を有する
遮光板43を形成した。この形成手順を図17を用いて
説明する。
【0072】まず、図17(a)に示したように、PM
MA樹脂基材の片面に、型押しにより曲率が0.486
mmである凸面状の集光マイクロレンズ41を形成し、
レンズアレー48を作成した。
【0073】次いで、図17(b)に示したように、レ
ンズアレー48の集光マイクロレンズ41が形成されて
いない面側へネガレジスト50を形成した。
【0074】次いで、図17(c)に示したように、平
行光を集光マイクロレンズ41を通してネガレジスト5
0へ照射し、集光マイクロレンズ41の焦点に相当する
部分のネガレジストを露光硬化した後、ネガレジスト5
0を現像して、露光硬化部51を残した。
【0075】次いで、図17(d)に示したように、露
光硬化部51上を含むレンズアレー48の集光マイクロ
レンズ41が形成されていない面側の表面に遮光膜52
であるクロム酸化物を蒸着により形成した。
【0076】次いで、図17(e)に示したように、ネ
ガレジストの露光硬化部51上の遮光膜を、露光硬化部
51とともに除去し、集光マイクロレンズの焦点位置に
ピンホール42を形成した。
【0077】この様に集光マイクロレンズ41とピンホ
ール42とを、集光マイクロレンズ41の光学特性を利
用して一体で形成したため、焦点位置とピンホール位置
とのずれの無い、理想的な光学系部材を作成することが
できた。
【0078】上記の構成で、電圧10V印加時には、図
10(a)に示したように、基材対3,4の一方から照
射された平行な照射光33はそのまま散乱モード液晶層
44を通過し、集光マイクロレンズ41で集光されて遮
光板43に開けられたピンホール42を通り抜け透過光
34となる。
【0079】これに対して電圧無印加時には、図10
(b)に示したように、基材対3,4の一方から照射さ
れた平行な照射光33は散乱モード液晶層44で散乱さ
れる。この散乱された光は光源側である下基材4側に散
乱されるものもあるが、観察面側である上基材3側に散
乱されるものもある。この上基材3側に散乱された光
は、上基材3の外側には集光マイクロレンズ41があ
り、このマイクロレンズ41の光学軸に平行に入射した
光しか通過しないように、集光マイクロレンズ41の焦
点位置にピンホール42を有する遮光板43が設けられ
ているため、このピンホール42を通過することができ
ず、遮光板43で遮光される。このため電圧無印加時に
は、ほとんど完全な不透過状態となる。本構成で基材対
の法線方向の電圧10V印加時の透過光量を100とす
ると、電圧無印加時の漏れ光量は約1となり、コントラ
ストで約100が得られた。
【0080】(実施例7)本発明の一実施例を図11を
用いて説明する。本実施例が前記実施例6と異なる点
は、遮光板43の多数の集光マイクロレンズ41と面し
ていない方の外面側(観察面側)に拡散板47が設けら
れている点である。拡散板47としては、辻本電機製作
所製MTN−W7を用いた。この構成としたことによ
り、視角依存性が著しく改善され、コントラストが約1
00である明確な透過/不透過表示が可能となった。
【0081】(実施例8)本発明の一実施例を図12を
用いて説明する。本実施例が前記実施例6と異なる点
は、図12に示したように、基材対3,4の一方から平
行な照射光33を照射する光源(図示せず)と集光マイ
クロレンズ41との間にカラーフィルタ45が設けられ
ている点である。カラーフィルタとして、凸版印刷製顔
料分散型カラーフィルタを用いた。本構成とすることに
より、集光マイクロレンズ41に入射する光の波長範囲
が、例えば緑フィルターであれば500nm〜600n
mと狭くなり、集光レンズの色収差に起因する焦点の広
がりを減らすことが可能となり、ピンホール42の径を
3割程度狭くしても、有効透過光量は変化しなかった。
このため電圧無印加時の遮光がより完全になり、より完
全な透過/不透過表示をすることが可能となる。
【0082】(実施例9)本発明の一実施例を図13を
用いて説明する。本実施例が前記実施例6と異なる点
は、図13に示したように、基材対3,4の外面側に、
集光マイクロレンズ41およびピンホール42を有する
遮光板43の代わりに、ほぼ平行な光線のみを透過する
平行光束板46が設けられている点である。平行光束板
としては、ガラスファイバーを多数束ねたもの(浜松ホ
トニクス製FOP)を用いた。
【0083】本構成としたことにより、前記実施例6と
同様に、電圧印加時には照射光が透過し、電圧無印加時
には、ほとんど完全な不透過状態とすることができ、コ
ントラストとして、やはり100以上の特性が得られ
た。
【0084】(実施例10)本発明の一実施例を図14
を用いて説明する。本実施例が前記実施例9と異なる点
は、平行光束板46の、基材対3,4と面していない方
の面側(観察面側)に拡散板47が設けられている点で
ある。拡散板47としては、前記実施例7と同様に、辻
本電機製作所製MTN−W7を用いた。この構成とした
ことにより、視角依存性が著しく改善され、コントラス
トが約100である明確な透過/不透過表示が可能とな
った。
【0085】(実施例11)本発明の一実施例を図18
を用いて説明する。本実施例と前記実施例6とは、集光
マイクロレンズ41とピンホール42を有する遮光板4
3との形成方法が異なる。
【0086】集光マイクロレンズ41とピンホール42
を有する遮光板43とは、実施例6にて述べたように、
ピンホール42が正確に集光マイクロレンズ41の焦点
位置に設置される必要がある。このため、本実施例では
図18に示したように、集光マイクロレンズ41とピン
ホール42を有する遮光板43とを、ピンホールを利用
した等方性エッチングを利用して一体に形成した。この
形成手順を図18を用いて説明する。
【0087】まず、図18(a)に示したように、観察
面側となるガラス製の上基材3を用意し、図18(b)
に示したように、上基材3の表面にクロム酸化物からな
る遮光膜52を蒸着により形成した。
【0088】次いで、図18(c)に示したように、フ
ォトリソ技術によりピンホール42を遮光膜52に形成
し、遮光板43を形成した。
【0089】次いで、図18(d)に示したように、上
基材3をピンホール42を通して等方性ドライエッチン
グ法を用いて等方性エッチングし、略半球状の凹部を形
成した。
【0090】次いで、図18(e)に示したように、前
記略半球状凹部に高屈折率樹脂であるポリスチレン樹脂
を充填して集光マイクロレンズ41を形成した。
【0091】この様に集光マイクロレンズ41とピンホ
ール42とを、ピンホール42を利用して一体で形成し
たため、焦点位置とピンホール位置とのずれの無い、理
想的な光学系部材を作成することができた。
【0092】本実施例においては、前記実施例6と同様
の作用効果が得られるとともに、基材対の一方である上
基材3に直接集光マイクロレンズ41とピンホール42
とを形成することができ、より薄型の液晶素子を実現で
きた。
【0093】(実施例12)本発明の一実施例を図19
を用いて説明する。本実施例と前記実施例6とは、集光
マイクロレンズ41とピンホール42を有する遮光板4
3との形成方法が異なる。
【0094】本実施例では、集光マイクロレンズ41と
ピンホール42を有する遮光板43とを、ピンホールを
利用した露光硬化作用を利用して一体に形成した。この
形成手順を図19を用いて説明する。
【0095】まず、図19(a)に示したように、透明
な導光基材53を用意し、図19(b)に示したよう
に、導光基材53の表面にクロム酸化物からなる遮光膜
52を蒸着により形成した。
【0096】次いで、図19(c)に示したように、フ
ォトリソ技術によりピンホール42を遮光膜52に形成
し、遮光板43を導光基材53表面に形成した。
【0097】次いで、図19(d)に示したように、導
光基材53の遮光板43が形成されていない面側に透明
で紫外線硬化性の感光性樹脂54を形成した。
【0098】次いで、図19(e)に示したように、導
光基材53の遮光板43形成面側からピンホールを通し
て紫外線を照射し、感光性樹脂54を露光硬化し表面が
球面状である集光マイクロレンズ41を形成した。
【0099】この様に集光マイクロレンズ41とピンホ
ール42とを、ピンホール42を利用して一体で形成し
たため、焦点位置とピンホール位置とのずれの無い、理
想的な光学系部材を作成することができた。本実施例に
おいても、前記実施例6と同様の作用効果が得られた。
【0100】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1記載
の発明によれば、マイクロカプセル中およびこのマイク
ロカプセルを分散添加する分散媒が、それぞれ低分子液
晶材料により形成されているため、電圧印加時には、視
角に関わらず良好な透明表示となり、高コントラストが
得られる。また、分散媒として高分子材料を用いていな
いため、重合未反応物であるイオン化した低分子成分に
付いての危惧は全く不必要になる。さらに、低分子液晶
のみを駆動すれば良いため、TN型液晶素子と同等ある
いはより高速での表示切り替えが可能となる。
【0101】この結果、斜方からの表示品位が良く、十
分なコントラストが得られ、細かな階調表現が可能とな
り、表示の切り替えが速い逐時表示が可能な液晶素子
を、高価な偏光板や配向膜を用いる事なく実現できる。
【0102】請求項2記載の発明によれば、前記マイク
ロカプセル中の第一の低分子液晶材料と分散媒である第
二の低分子液晶材料とが、同一の液晶材料であるため、
上記請求項1記載の発明の効果で述べた、高視角化,高
コントラスト化が一層効果的に得られる。
【0103】請求項3記載の発明によれば、前記分散媒
である第二の低分子液晶材料が配向処理されているた
め、電圧印加有無の切り替え時に、分散媒である第二の
低分子液晶材料は、配向状態を変える必要がなく、より
高速での駆動及び急峻な駆動が可能となる。
【0104】請求項4記載の発明によれば、前記マイク
ロカプセル中の第一の低分子液晶材料と分散媒である第
二の低分子液晶材料の少なくとも一方に二色性色素が添
加されているため、電圧無印加時に、より完全に照射光
を吸収することが可能となり、更なる高コントラスト化
が、高価な偏光板を用いる事なく可能となる。
【0105】請求項5記載の発明によれば、基材対の一
方の外面側に、この基材対に対してほぼ法線方向からほ
ぼ平行な照射光を発生する光源が設けられており、基材
対の他の外面側に集光マイクロレンズが設けられてお
り、この集光マイクロレンズの基材対と面していない側
で、前記集光マイクロレンズのそれぞれの焦点位置にピ
ンホールを有する遮光板が設けられているため、明確な
透過/不透過表示を、高価な偏光板や配向膜を用いる事
なく実現することが可能となる。
【0106】請求項6記載の発明によれば、遮光板の集
光マイクロレンズと面していない方の外面側に拡散板が
設けられていることにより、視角依存性の少ない、明確
な透過/不透過表示を、高価な偏光板や配向膜を用いる
事なく実現することが可能となる。
【0107】請求項7記載の発明によれば、内側に電極
が形成された対向する一組の基材対の間に散乱モード液
晶層が配置されており、基材対の一方の外面側に、基材
対に対してほぼ法線方向からほぼ平行な光を照射する光
源が設けられており、基材対の他の外面側にほぼ平行な
光線のみを透過する平行光束板が設けられているため、
請求項5記載の発明と同様に、明確な透過/不透過表示
をすることが可能となる。
【0108】請求項8記載の発明によれば、前記平行光
束板の基材対と面していない方の面側に光拡散板が設け
られているため、視角依存性の少ない明確な透過/不透
過表示を、高価な偏光板や配向膜を用いる事なく実現す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1および2を示す断面略図
【図2】本発明の実施例3を示す断面略図
【図3】本発明の実施例4を示す断面略図
【図4】従来の第一の型の表示素子を示す断面略図
【図5】従来の第二の型の表示素子を示す断面略図
【図6】従来の第三の型の表示素子を示す断面略図
【図7】透過光量と視角との関係を示す図
【図8】コントラストと視角との関係を示す図
【図9】透過光量と印加電圧との関係を示す図
【図10】本発明の実施例5を示す断面略図
【図11】本発明の実施例6を示す断面略図
【図12】本発明の実施例7を示す断面略図
【図13】本発明の実施例8を示す断面略図
【図14】本発明の実施例9を示す断面略図
【図15】従来の散乱モードを用いた液晶素子を示す断
面略図
【図16】本発明の実施例5を示す断面略図
【図17】実施例6のピンホールを形成する工程を示す
断面略図
【図18】実施例11のピンホールを形成する工程を示
す断面略図
【図19】実施例12のピンホールを形成する工程を示
す断面略図
【符号の説明】
1 上電極 2 下電極 3 上基材 4 下基材 5 液晶層 6 液晶素子 7 第一の低分子液晶材料 8 マイクロカプセル 9 分散媒 10 第二の低分子液晶材料 11 二色性色素 21 低分子液晶材料 22 高分子材料 23 分散媒である低分子液晶材料 24 等方性材料粒 31 電源 32 スイッチ 33 照射光 34 透過光 35 散乱光 41 集光マイクロレンズ 42 ピンホール 43 遮光板 44 散乱モード液晶層 45 カラーフィルタ 46 平行光束板 47 拡散板 48 レンズアレー 50 ネガレジスト 51 露光硬化部 52 遮光膜 53 導光基材 54 感光性樹脂 A 液晶層を電圧印加方向にそって通過する光 B 液晶層を電圧印加方向に対して斜めに通過する光

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側に電極が形成された対向する一組の
    基材対の間に液晶層が配置されており、前記液晶層の光
    の透過・散乱状態を前記電極に印加する電界により制御
    し表示を行う液晶素子において、前記液晶層が分散媒と
    前記分散媒中に分散されているマイクロカプセルとより
    成っており、前記マイクロカプセルには第一の低分子液
    晶材料が充填されており、前記分散媒は第二の低分子液
    晶材料により構成されていることを特徴とする液晶素
    子。
  2. 【請求項2】 前記マイクロカプセル中の第一の低分子
    液晶材料と分散媒である第二の低分子液晶材料とが、同
    一の液晶材料であることを特徴とする請求項1記載の液
    晶素子。
  3. 【請求項3】 前記分散媒である第二の低分子液晶材料
    が配向処理されていることを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記マイクロカプセル中の第一の低分子
    液晶材料と分散媒である第二の低分子液晶材料の少なく
    とも一方に二色性色素が添加されていることを特徴とす
    る請求項1,請求項2または請求項3記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 内側に電極が形成された対向する一組の
    基材対の間に液晶層が配置されており、前記液晶層の光
    の透過・散乱状態を前記電極に印加する電界により制御
    し表示を行う液晶素子において、前記基材対の一方の外
    面側に、前記基材対に対してほぼ法線方向からほぼ平行
    な光を照射する光源が設けられており、前記基材対の他
    の外面側には集光マイクロレンズが設けられており、前
    記集光マイクロレンズの前記基材対と面していない側
    で、前記集光マイクロレンズのそれぞれの焦点位置にピ
    ンホールを有する遮光板が設けられていることを特徴と
    する液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記遮光板の、前記集光マイクロレンズ
    と面していない方の外面側に光拡散板が設けられたこと
    を特徴とする請求項5記載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 内側に電極が形成された対向する一組の
    基材対の間に液晶層が配置されており、前記液晶層の光
    の透過・散乱状態を前記電極に印加する電界により制御
    し表示を行う液晶素子において、前記基材対の一方の外
    面側に、前記基材対に対してほぼ法線方向からほぼ平行
    な光を照射する光源が設けられており、前記基材対の他
    の外面側に前記基材対に対してほぼ法線方向に出射され
    るほぼ平行な光線のみを透過する平行光束板が設けられ
    ていることを特徴とする液晶素子。
  8. 【請求項8】 前記平行光束板の、前記基材対と面して
    いない方の面側に光拡散板が設けられていることを特徴
    とする請求項7記載の液晶素子。
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