JPH0622155B2 - 空冷式燃料電池の窒素パ−ジ方法 - Google Patents

空冷式燃料電池の窒素パ−ジ方法

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JPH0622155B2
JPH0622155B2 JP58247824A JP24782483A JPH0622155B2 JP H0622155 B2 JPH0622155 B2 JP H0622155B2 JP 58247824 A JP58247824 A JP 58247824A JP 24782483 A JP24782483 A JP 24782483A JP H0622155 B2 JPH0622155 B2 JP H0622155B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は空冷式燃料電池の停止時における窒素パージ方
法に関するものである。
(ロ)従来技術 燃料電池の停止時、電池の安全性確保と寿命保持のた
め、電池各反応ガスを窒素ガスで置換する窒素パージが
行われる。
この窒素パージは、従来負荷遮断後、燃料の供給停止、
空気循環用ブロワの停止と同時に、燃料供給経路内及び
空気循環経路内に窒素ガスを流し、各経路内及び電池ス
タックに夫々残留する水素ガス及び空気を追出すことに
より行われていた。
しかし、電池停止時、空気経路内には反応生成物である
水蒸気を含んだ多量の高湿度空気がとじこめられた状態
となり、しかも電池停止と同時に電池スタック温度の低
下に伴い経路内の空気も低下して水蒸気は過飽和状態に
ある。したがって、従来の窒素パージ方法ではこのよう
な系内にとじ込められた高湿度の空気を追い出すには相
当の時間を要し、その間に電解液である高濃度リン酸が
これら水分を吸収して電池寿命を著しく劣化するという
問題があった。
更に燃料系について見れば、燃料の供給停止と窒素パー
ジの開始とを同時に行っても、電池のアノード側とカソ
ード側との圧力に差が生ずる恐れがある。この原因は負
荷が遮断されると、電池電圧が上昇してアノード側で水
素消費が若干継続するためと弁開閉の時間的ズレ等によ
り窒素ガスの電池への到達時間に遅れを生ずるためであ
る。
この差圧はいかなる場合においても40〜50mmH
以下に保つ必要があり、これ以上になるとマトリックス
層の弱い部分に穴があき電池作動時ガスがクロスリーク
するという問題があった。
(ハ)発明の目的 本発明の目的は電池停止時経路内にとじ込められた高湿
度の空気を速やかに系外に排出して電解液の吸湿を防止
すると共に、アノード側とカソード側との差圧を低減し
てマトリックス層の破損を阻止する窒素パージ方法を提
供するものである。
(ニ)発明の構成 本発明は、電池スタック内の燃料極に燃料を供給する燃
料供給弁を有する燃料供給路と、電池スタックから排出
された排燃料を排出する燃料排出弁を有する燃料排出路
と、前記燃料供給路の燃料供給弁下流側に接続され、電
池スタックにパージ用窒素ガスを供給する燃料系窒素ガ
ス供給弁を有する燃料系窒素ガス供給路と、前記燃料排
出路の燃料排出弁上流側に接続され、パージ後の排窒素
ガスを排出する燃料系窒素ガス排出弁を有する燃料系窒
素ガス排出路と、電池スタック内の酸化剤極及び冷却プ
レートに空気を供給する空気供給弁を有する空気供給路
と、電池スタックから排出された排空気を排出する空気
排出弁を有する空気排出路と、前記空気供給路の空気供
給弁下流側と空気排出路の空気排出弁上流側とを接続
し、空気排出路を流れる排空気を空気供給路に還流する
空気還流路と、前記空気排出路と空気還流路との接続部
に設けられ、電池スタックから排出される排空気の空気
排出弁への流量及び空気還流路への流量の比率を制御す
る流量制御手段と、前記空気供給路の空気還流路との接
続部よりも下流側に設けられ、空気供給弁を介して供給
される新鮮空気及び/又は空気還流路を介して還流され
る排空気を電池スタックに供給するブロワと、前記空気
供給路のブロワ下流側に接続され、電池スタックにパー
ジ用窒素ガスを供給する空気系窒素ガス供給弁を有する
空気系窒素ガス供給路と、前記空気排出路の流量制御手
段上流側に接続され、パージ後の排窒素ガスを空気排出
路外に排出する空気系窒素ガス排出弁を有する空気系窒
素ガス排出路と、を備えた空冷式燃料電池の窒素パージ
方法において、電池運転中から電池停止に至る際に、負
荷を遮断した後、流量制御手段を制御して空気還流路内
における排空気の流れを遮断すると共に、空気供給弁を
介して供給される新鮮空気をブロワの送風力によって電
池スタックに供給して電池スタック温度を低下させ、且
つ、電池スタック内及び空気給排路内に滞留する排空気
を空気給排路外に排出する第1ステップと、燃料系窒素
ガス供給弁及び排出弁を開弁して、電池スタックに窒素
ガスを供給して燃料のパージを行い、パージ後の排窒素
ガスを前記燃料系窒素ガス排出弁を介して燃料排出路外
に排出すると共に、空気系窒素ガス供給弁及び排出弁を
開弁して、電池スタックに窒素ガスを供給して空気のパ
ージを行い、パージ後の排窒素ガスを前記空気系窒素ガ
ス排出弁を介して空気排出路外に排出する第2ステップ
と、前記第2ステップを開始した後、電池スタック内の
燃料極と酸化剤極との差圧が電池スタック内の電解質マ
トリックスの破損を生じない所定値まで低下すると、燃
料供給弁及び排出弁を閉弁して電池スタックへの燃料の
供給を停止する第3ステップと、前記第3ステップを終
了した後、電池スタック温度が、前記流量制御手段によ
る空気還流路への排空気の還流を遮断する直前の電池ス
タック温度以下で、且つ、排空気に含まれる水蒸気が凝
縮する温度以上の所定温度まで下降すると、空気供給弁
及び排出弁を閉弁すると共に、ブロワの運転を停止して
電池スタックへの空気の供給を遮断し、且つ、前記燃料
系及び空気系の窒素パージを継続して行う第4ステップ
と、から成ることを特徴とする空冷式燃料電池の窒素パ
ージ方法。
また、電池スタック内及び空気給排路内に滞留する空気
のパージを行うステップを、電池スタック内及び燃料給
排路内に滞留する燃料のパージを行うステップよりも後
に行うことを特徴とする。
(ホ)実施例 本発明の実施例を第1図について説明する。
電池作動中、電池の反応と冷却に必要な空気は、吸気バ
ルブ(6)を介して空気供給路(10)に供給された後、ブロ
ワ(BW)の送風力により実線矢印の経路で電池スタッ
ク(S) 内の酸化剤極及び冷却プレート(いずれも図示せ
ず)に供給される。また、電池スタック(S) から排出さ
れた空気は、空気排出路(11)を経て流量制御手段の一例
であるダンパ(D) 領域まで流れ、このダンパ(D) によっ
て排気バルブ(7)を経て外部に排気される空気の流量
と、空気還流路(12)側に還流される空気の流量の比率が
制御される。そして、空気還流路(12)側に還流された空
気は、前記吸気バルブ(6)を介して供給された新鮮空気
と共に、ブロワの(BW)の送風力により空気供給路(1
0)を介して電池スタック(S) に供給される。
一方、水素ガスは供給バルブ(1)を介して電池スタック
(S) に供給され、空気との間で電池反応が行われる。電
池反応後の排燃料は、排出バルブ(2)を介して系外に排
出される。
電池作動中から電池停止に至る際には、前記吸気バルブ
(6)及び排気バルブ(7)を開弁したままダンパ(D) を制御
して空気還流路(12)への空気の還流を遮断し、この状態
でブロワ(BW)を継続運転して電池スタック温度を低
下させる。この場合、空気経路はオープンとなり、吸気
バルブ(6)より吸込まれた新鮮空気はブロワ(BW)の
送風力により電池スタック(S) に供給されるので、電池
スタック(S) 内及び空気給排路(10)(11)内に滞留する多
量の高湿度空気は、ダンパ(D) を経た後、排気バルブ
(7) を介して速やかに系外に排出される。
次に、燃料系窒素ガス導入及び導出弁各(3)(4)を開弁し
て、電池スタック(S) に窒素ガスを供給して燃料のパー
ジを行い、パージ後の排窒素ガスを前記導出弁(4)を介
して系外に排出する。この場合、電池スタック(S) 内の
燃料極(図示せず)には窒素ガスの他に水素ガスも流れ
ているので、酸化剤極(図示せず)を流れる空気流との
間で差圧を生ずるおそれがない。
続いて、前記差圧が電池スタック(S) 内の電解質マトリ
ックス(図示せず)の破損を生じない所定値まで低下す
ると、供給バルブ(1)及び排出バルブ(2)を閉弁して電池
スタック(S) への燃料の供給を停止する。前記所定値
は、40〜50mmHO以下であり、燃料のパージを開
始してから約1〜2分後に前記所定値まで低下するの
で、燃料の供給を停止する。
一方、空気系のパージは、前記燃料のパージと同時に開
始してもよく、また燃料のパージよりも後(例えば、オ
ープン流の停止直前)に開始することも勿論可能であ
る。具体的には、窒素パージ用の導入弁(8)及び導出弁
(9)を開弁して、窒素源(5)より窒素ガスを点線矢印の経
路で電池スタック(S)に供給する。そして、電池スタッ
ク(S) 内及び空気給排路(10)(11)内に滞留する空気を、
前記導出弁(9)を介して空気排出路(11)外に排出する。
やがて、電池スタック温度が所定温度まで下降すると、
吸気バルブ(6)及び排気バルブ(7)を閉弁すると共に、ブ
ロワ(BW)の運転を停止して電池スタック(S) への空
気の供給を遮断する。前記所定温度は前記ダンパ(D) に
よる空気還流路(12)への排空気の還流を遮断する直前の
スタック温度以下で、且つ、排空気に含まれる水蒸気が
凝縮する温度以上であり、好ましくは水蒸気が凝縮しな
い温度以上でスタック保温温度以上であり、より好まし
くは110℃前後である。
電池停止中においては、保温ヒーター(13)を入れて電池
スタック温度を約110℃に維持した状態で、前記燃料
系及び空気系の窒素パージを継続して行う。
(ヘ)発明の効果 以上の本発明によれば、電池停止に際し、空気の吸排バ
ルブを開放したままブロワを継続運転して新鮮空気のオ
ープン流により電池スタック及び空気経路内に留まって
高湿度の空気を速やかに系外に追出すものであるから、
従来のように系内に残存する高湿度の空気が電流スタッ
クに拡散することなく、電解液の吸湿を阻止して電池寿
命の劣化を改善することができる。
更に、燃料経路への窒素パージは、燃料供給停止に先立
って行われるので、従来のように燃料極側が負圧となっ
て酸化剤極側との差圧を生ずるおそれなく、マトリック
スの破損を未然に防止することができる。
また、前記オープン流は系内の水蒸気が凝縮する温度以
上で停止されるので、電解液の変質を起こすことなく直
ちに保温状態に入ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による窒素パージ方法を説明するための
燃料電池経路図である。 S:電池スタック、BW:ブロワ、D:ダンパ、1・
2:燃料の供給及び排出各バルブ、3・4:燃料系の窒
素ガス導入及び導出各弁、5:窒素源、6・7:吸気及
び排気各バルブ、8・9:空気系の窒素導入及び導出各
弁、10:空気供給路、11:空気排出路、12:空気
還流路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電池スタック内の燃料極に燃料を供給する
    燃料供給弁を有する燃料供給路と、 電池スタックから排出された排燃料を排出する燃料排出
    弁を有する燃料排出路と、 前記燃料供給路の燃料供給弁下流側に接続され、電池ス
    タックにパージ用窒素ガスを供給する燃料系窒素ガス供
    給弁を有する燃料系窒素ガス供給路と、 前記燃料排出路の燃料排出弁上流側に接続され、パージ
    後の排窒素ガスを排出する燃料系窒素ガス排出弁を有す
    る燃料系窒素ガス排出路と、 電池スタック内の酸化剤極及び冷却プレートに空気を供
    給する空気供給弁を有する空気供給路と、 電池スタックから排出された排空気を排出する空気排出
    弁を有する空気排出路と、 前記空気供給路の空気供給弁下流側と空気排出路の空気
    排出弁上流側とを接続し、空気排出路を流れる排空気を
    空気供給路に還流する空気還流路と、 前記空気排出路と空気還流路との接続部に設けられ、電
    池スタックから排出される排空気の空気排出弁への流量
    及び空気還流路への流量の比率を制御する流量制御手段
    と、 前記空気供給路の空気還流路との接続部よりも下流側に
    設けられ、空気供給弁を介して供給される新鮮空気及び
    /又は空気還流路を介して還流される排空気を電池スタ
    ックに供給するブロワと、 前記空気供給路のブロワ下流側に接続され、電池スタッ
    クにパージ用窒素ガスを供給する空気系窒素ガス供給弁
    を有する空気系窒素ガス供給路と、 前記空気排出路の流量制御手段上流側に接続され、パー
    ジ後の排窒素ガスを空気排出路外に排出する空気系窒素
    ガス排出弁を有する空気系窒素ガス排出路と、 を備えた空冷式燃料電池の窒素パージ方法において、 電池運転中から電池停止に至る際に、負荷を遮断した
    後、流量制御手段を制御して空気還流路内における排空
    気の流れを遮断すると共に、空気供給弁を介して供給さ
    れる新鮮空気をブロワの送風力によって電池スタックに
    供給して電池スタック温度を低下させ、且つ、電池スタ
    ック内及び空気給排路内に滞留する排空気を空気給排路
    外に排出する第1ステップと、 燃料系窒素ガス供給弁及び排出弁を開弁して、電池スタ
    ックに窒素ガスを供給して燃料のパージを行い、パージ
    後の排窒素ガスを前記燃料系窒素ガス排出弁を介して燃
    料排出路外に排出すると共に、空気系窒素ガス供給弁及
    び排出弁を開弁して、電池スタックに窒素ガスを供給し
    て空気のパージを行い、パージ後の排窒素ガスを前記空
    気系窒素ガス排出弁を介して空気排出路外に排出する第
    2ステップと、 前記第2ステップを開始した後、電池スタック内の燃料
    極と酸化剤極との差圧が電池スタック内の電解質マトリ
    ックスの破損を生じない所定値まで低下すると、燃料供
    給弁及び排出弁を閉弁して電池スタックへの燃料の供給
    を停止する第3ステップと、 前記第3ステップを終了した後、電池スタック温度が、
    前記流量制御手段による空気還流路への排空気の還流を
    遮断する直前の電池スタック温度以下で、且つ、排空気
    に含まれる水蒸気が凝縮する温度以上の所定温度まで下
    降すると、空気供給弁及び排出弁を閉弁すると共に、ブ
    ロワの運転を停止して電池スタックへの空気の供給を遮
    断し、且つ、前記燃料系及び空気系の窒素パージを継続
    して行う第4ステップと、 から成ることを特徴とする空冷式燃料電池の窒素パージ
    方法。
  2. 【請求項2】電池スタック内及び空気給排路内に滞留す
    る空気のパージを行うステップを、電池スタック内及び
    燃料給排路内に滞留する燃料のパージを行うステップよ
    りも後に行うことを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の空冷式燃料電池の窒素パージ方法。
JP58247824A 1983-12-28 1983-12-28 空冷式燃料電池の窒素パ−ジ方法 Expired - Lifetime JPH0622155B2 (ja)

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