JPH0622152U - 電動式四輪操舵装置 - Google Patents

電動式四輪操舵装置

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JPH0622152U
JPH0622152U JP6509492U JP6509492U JPH0622152U JP H0622152 U JPH0622152 U JP H0622152U JP 6509492 U JP6509492 U JP 6509492U JP 6509492 U JP6509492 U JP 6509492U JP H0622152 U JPH0622152 U JP H0622152U
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output shaft
rear wheel
electric motor
wheel output
electric
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JP6509492U
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勇 竹間
広 恵田
敏行 岩野
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】後輪用出力軸11が直進時に、外乱に基づいて
不用意に変位する事を防止する。 【構成】後輪用出力軸11の軸方向の変位に伴なって、
後輪に舵角付与を行なう。第一、第二の電動モータ37
a、37bと前記後輪用出力軸11との間に、第一、第
二の減速機46a、46bを設ける。各減速機46a、
46bは、各電動モータ37a、37bから後輪用出力
軸11への動力伝達は効率良く行なう。但し、後輪用出
力軸11から各電動モータ37a、37bへの動力伝達
の効率は低い。第一、第二のステッピングモータ53
a、53bを各電動モータ37a、37bと同軸に設け
る。直進時には各ステッピングモータ53a、53bに
より、後輪用出力軸11の変位を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案に係る電動式四輪操舵装置は、自動車の操舵装置として利用し、自動 車の進路を変更する場合に、前輪だけでなく後輪の向きも変える事で、回転半径 を小さくしたり、或は車両の走行安定性を保てる様にするものである。
【0002】
【従来の技術】
狭い道での進路変更を容易に行なえる様に、自動車の回転半径を小さくする為 、或は、高速走行時に於ける進路変更でも車両の走行安定性が保たれる様にする 為、ステアリングホイールを操作した場合に、前輪だけでなく後輪も動かす四輪 操舵装置が、近年使用される様になって来た。
【0003】 又、後輪の操舵を単に前輪の操舵に関連して行なうだけでなく、車速等、旋回 性能に影響を及ぼす各種条件に応じて後輪に適正な舵角を付与する為に、電動モ ータにより後輪への舵角付与を行なう、電動式の四輪操舵装置も従来から研究さ れている。
【0004】 例えば、特開平4−118377号公報には、図2〜3に示す様な電動式四輪 操舵装置が記載されている。この従来の電動式四輪操舵装置は、車両の走行速度 が比較的低い場合にのみ、後輪への舵角付与を電動モータにより行ない、高速走 行時に於ける進路変更の際には、遠心力に基づいて後輪に舵角を付与する、所謂 コンプライアンスステア機構により後輪への舵角付与を行なうものである。
【0005】 この従来の電動式四輪操舵装置に於いては、運転席に設けられたステアリング ホイール1の動きは、ステアリングシャフト2によりステアリングギヤ3に伝え られて、前輪用出力軸4を軸方向(図2の左右方向)に亙って変位させ、この前 輪用出力軸4の両端部にそれぞれ連結された左右1対のナックルアーム5、5を 介して、前輪6、6に所望の舵角を付与する。
【0006】 前記ステアリングシャフト2を挿通したステアリングコラム7には、舵角セン サ8、8が支持されており、この舵角センサ8、8が検出するステアリングシャ フト2の回転角から、前輪6、6に付与される舵角を検出自在としている。尚、 舵角センサ8、8を2個設けるのは、一方の舵角センサ8が故障した場合にも所 望の制御を行なえる様にする、フェイルセーフを図る為である。
【0007】 又、車両の後部床面には、後輪9、9への舵角付与機構を納める為のハウジン グ10が、車両の幅方向(図2〜3の左右方向)に亙る変位を不能として、支持 されている。そして、このハウジング10の内側に後輪用出力軸11が、左右方 向(車両の幅方向)に亙り挿通されている。この後輪用出力軸11は、軸方向( 図2〜3の左右方向)に変位する事により、前記後輪9、9に舵角を付与するも ので、後輪用出力軸11の左右両端部と各後輪9、9とは、ナックルアーム13 、13により結合されている。
【0008】 そして、前記後輪用出力軸11が軸方向に変位する事に伴なって、各後輪9、 9が操舵中心14、14を中心として揺動し、前記後輪用出力軸11の変位量に 見合う舵角が、前記各後輪9、9に付与される様にしている。又、各後輪9、9 の操舵中心14、14は、各後輪9、9の着力点12、12(タイヤ下面と地面 との接触面の中心)よりも距離lだけ、車両の前進方向(図2の上方向)後方( 同図下方)に位置させている。
【0009】 一方、前記後輪用出力軸11の中間部で、前記ハウジング10の内側に位置す る部分には、ラック歯15を固設している。又、前記ハウジング10の中間部内 側に前記後輪用出力軸11と捻れの位置関係で回転自在に支持された、伝達軸1 6の一端部(図2〜3の上端部)にはピニオン歯17を固設し、このピニオン歯 17を、前記ラック歯15と噛合させている。又、前記伝達軸16の他端(図2 〜3の下端)にはウォームホイール18を固設している。
【0010】 又、前記ハウジング10の外面に固定された電動モータ19の回転駆動軸(図 示せず)により、電磁クラッチ31を介して回転駆動される出力軸20にはウォ ーム21を固設し、このウォーム21を前記ウォームホイール18と噛合させる 事で、前記出力軸20の回転により、前記後輪用出力軸11を軸方向に亙って変 位させる減速機構を構成している。
【0011】 この減速機構は、動力の伝達方向に可逆性を有するものとし、前記出力軸20 の回転に伴ない、後輪用出力軸11を軸方向に変位させる他、後輪用出力軸11 の軸方向の変位に伴なって、前記出力軸20を回転させる様にしている。但し、 前記減速機構の逆効率は低く抑える事により、前記各後輪9、9に付与した舵角 をそのまま保持する際に、後述するセンタリングスプリング25の圧縮による荷 重が、そのまま前記電動モータ19に加わらない様にしている。又、電動モータ 19にはエンコーダ32を付設して、この電動モータ19の回転量を検出自在と し、その検出値を次述する制御器24に入力している。
【0012】 前記伝達軸16の一端には、エンコーダ、ポテンショ等の変位センサ22、2 2を2個設けて、前記後輪用出力軸11の変位量を、伝達軸16を介して検出自 在としている。これら2個の変位センサ22、22から送り出される検出信号は 、前記舵角センサ8、8の検出信号、及び車速を検出する車速センサ23からの 検出信号と共に、前記電動モータ19への通電を制御する制御器24に入力して いる。尚、前記変位センサ22、22を2個設けるのも、やはりフェイルセーフ を図る為である。
【0013】 そして、前記制御器24は、前記車速センサ23により検出される車両の走行 速度が一定値(例えば40km/h)以下の場合にのみ、前記電磁クラッチ31を繋 ぎ、前記舵角センサ8、8と車速センサ23とからの信号に基づいて、前記電動 モータ19による後輪9、9への舵角付与を行なう。この際、エンコーダ32か らの信号に基づいて、前記電動モータ19への通電を制御する。又、伝達軸16 の端部に設けられた変位センサ22、22は、実際に後輪9、9に付与された舵 角を検出して、その検出値を前記制御器24に入力する。
【0014】 又、前記後輪用出力軸11を車体に固定のハウジング10に対して、軸方向( 図2〜3の左右方向)に亙る若干の変位自在に、且つ弾性的に支持している。即 ち、前記後輪用出力軸11の中間部に、互いに間隔をあけて1対の座板26、2 6を、後輪用出力軸11の軸方向に亙る変位を自在として外嵌保持すると共に、 両座板26、26の内側面同士の間に、前記電動モータ19の故障時にも、前記 後輪用出力軸11を中立位置に戻せるだけの弾力を有するセンタリングスプリン グ25を設けている。
【0015】 又、前記ハウジング10の内周面には、互いに間隔をあけて1対の段部27、 27を形成しており、前記1対の座板26、26の外側面外周寄り部分を、それ ぞれ段部27、27に対向させている。又、前記後輪用出力軸11の中間部外周 面で、前記1対の座板26、26を挟む位置には、1対のストップリング28、 28を止着して、後輪用出力軸11に対する各座板26、26の移動を制限して いる。更に、前記1対の座板26、26の外側面と、前記段部27、27及びス トップリング28、28との間には、皿板ばね29、29を設けている。
【0016】 各皿板ばね29、29を完全に押し潰す為に要する弾力は、前記センタリング スプリング25が圧縮され始める際の弾力よりも小さくして、ハウジング10に 対し後輪用出力軸11が変位した場合には、図4に直線aで示す様に、先ず皿板 ばね29、29が変位し(押し潰され)、何れか(変位方向先端側)の皿板ばね 29が完全に押し潰されてから、前記センタリングスプリング25が、同図に直 線bで示す様に、1対の座板26、26の間で圧縮され始める様にしている。但 し、各皿板ばね29、29が完全に圧縮された場合に於けるばね荷重は、予想さ れる運転状態に於いて発生する遠心力に基づき、後輪用出力軸11に加わると予 想される最大横荷重FMAX よりも少し大きくしている。
【0017】 上述の様に構成される従来の電動式四輪操舵装置に於いては、車両が一定速度 (例えば40km/h)以下で走行する場合には制御器24が、舵角センサ8、8と 車速センサ23とからの信号に基づいて、電動モータ19への通電を制御し、必 要に応じて後輪9、9に所望の舵角を付与する。この際、電磁クラッチ31に通 電して、この電磁クラッチ31を繋いだ状態のままとする。
【0018】 即ち、車両が低中速で走行する場合には、車両の旋回性を向上させる為、後輪 9、9に対して前輪6、6とは逆位相の舵角を付与するが、後輪9、9に付与す る舵角は、図5に実線cで示す様に、車速が速くなる程小さくする。この場合に 於いて、後輪9、9に付与される舵角は、伝達軸16の一端に設けた変位センサ 22、22によって検出し、その検出値を制御器24に入力して、フェイルセー フを図る。
【0019】 尚、図5の縦軸に表わされた舵角比とは、後輪に付与される舵角θR と前輪に 付与される舵角θF との比(θR /θF )で、絶対値が大きい程、後輪に付与さ れる舵角が大きい事を表わす。又、横軸よりも上の領域では、前後輪の舵角が同 位相となり、下の領域では逆位相となる。
【0020】 一方、車両が前記一定速度(40km/h)を越えて走行する場合には、前記電磁 クラッチ31への通電が停止されて、この電磁クラッチ31の接続が断たれる。 これに伴なって、舵角センサ8、8と車速センサ23とからの信号に拘らず、制 御器24が後輪9、9の舵角制御を行なう事はなくなる。又、必要に応じて、電 動モータ19への通電も停止する。
【0021】 この様に、車両が一定速度を越えて走行する場合に於いて進路変更が行なわれ ると、遠心力に基づいて後輪9、9に、前輪6、6と同じ位相で舵角が付与され 、進路変更時に於ける車両の安定性が保持される。
【0022】 例えば、ステアリングホイール1の操作に基づき、前輪6、6を図2の矢印α 方向に変位させた場合、車両の進路変更に伴なう遠心力によって、後輪9、9が 図2の右方に振られ、各後輪9、9と路面との摩擦により各後輪9、9に、同図 に矢印βで示す様に、横方向の力Fが加わる。この力Fは、後輪9、9と路面と の接触面、即ち、各後輪9、9の着力点12、12を含む鉛直面上に加わる。一 方、各後輪9、9の操舵中心14、14は、前記着力点12、12よりも距離l だけ車両の前進方向後方に位置している為、各後輪9、9は、F・lなるモーメ ントで、図2の矢印γ方向に操舵される。
【0023】 この様にして各後輪9、9が矢印γ方向に操舵されるのに伴ない、後輪用出力 軸11が軸方向に変位して、一方(図2〜3の左方)の皿板ばね29が圧縮され る。従って、各後輪9、9に付与される舵角は、前記横方向の力Fに基づき後輪 用出力軸11の軸方向に加わる力と、前記皿板ばね29の圧縮に基づいて後輪用 出力軸11に加わる力とが釣り合った状態で保持される。
【0024】 この為、車速が一定値を越えた場合には、後輪9、9に付与される舵角は、図 5に破線dで示す様に、常に前輪6、6と同じ位相となる。又、この場合に於い て後輪9、9に付与される舵角の大きさは、車両の進路変更に伴なう遠心力によ り後輪9、9に加わる横方向の力Fの大きさによってのみ定まり、車速や前輪6 、6に付与される舵角の大きさとは(間接的には大きく関係するが)直接は関係 しない。
【0025】 又、皿板ばね29、29の圧縮代は限定されたものである為、後輪9、9に過 大な舵角が付与される事はない。この様に、高速走行時に於いては電動モータ1 9による後輪9、9への舵角付与は一切行なわず、物理的な力によってのみ、後 輪9、9への舵角付与を行なうが、車両の走行速度が一定値を越えた場合に電磁 クラッチ31や電動モータ19への通電を停止する為の機構は、簡単なもので済 む為、当該機構の信頼性は十分に確保出来、更にこの機構部分に付加するフェイ ルセーフ機構も、簡単でしかも信頼性の高いものとする事が出来る。
【0026】
【本考案に至る背景】 ところで、例えば上述の様に構成され作用する従来の電動式四輪操舵装置を含 む、電動モータにより後輪に舵角付与を行なう電動式四輪操舵装置を、実際に自 動車に組み込む場合に於いては、次に述べる様な点を改良する事が望まれる。
【0027】 先ず、第一の改良点として、センタリングスプリング25を省略する事が望ま れる。即ち、フェイルセーフ用として組み込まれるこのセンタリングスプリング 25は、電動モータ19が故障して動かなくなった場合に於いても、後輪用出力 軸11を中立位置に戻せる様な、大きな弾力を有する。この為、通常時に前記電 動モータ19により前記後輪用出力軸11を変位させるのに要する力が大きくな り、電動モータ19の大型化と消費電流の増大とを招いてしまう。
【0028】 この様な問題を解決する為、前記センタリングスプリング25を省略しても、 電動モータ故障時に前記後輪用出力軸11を中立位置に戻す、フェイルセーフを 図れる構造の実現が望まれる。
【0029】 次に、第二の改良点として、電動モータ19故障時に前記後輪用出力軸11が 不用意に変位する事の防止が望まれる。即ち、配線のショート等、何らかの原因 によって前記電動モータ19が暴走(不用意に回転)した場合、前記後輪用出力 軸11は前記センタリングスプリング25を圧縮しつつ変位し、後輪9、9への 舵角付与が行なわれる。実際の場合には、前記変位センサ22、22が異常変位 を検出して、制御器24が前記電動モータ19への通電を基から遮断する為、前 記後輪9、9に危険な程の舵角付与が行なわれる事はないと考えられるが、電動 モータ19が停止する迄の短時間の間に、僅かとは言え、後輪9、9に好ましく ない舵角付与が行なわれる可能性がある。
【0030】 この様な問題を解決する為、電動モータが暴走した場合でも、後輪用出力軸1 1が変位しない様な構造の実現が望まれる。
【0031】 この様な事情に鑑みて本考案者は先に、図6に示す様な電動式四輪操舵装置を 考案した(特願平3−185874号)。この先考案に係る電動式四輪操舵装置 は、自動車の床下に支持された円管状のケース33に後輪用出力軸11を、滑り 軸受34を介して、軸方向(図1の左右方向)に亙る変位自在に挿通している。 この後輪用出力軸11の両端部には、それぞれ自在継手35、35を介して、連 結ロッド36、36の一端を結合している。そして、各連結ロッド36、36の 他端を、後輪操舵用ナックルの先端に結合する事により、前記後輪用出力軸11 の変位に伴なって、左右の後輪に、変位量に応じた舵角を付与する様にしている 。
【0032】 前記ケース33の両側には、第一の電動モータ37aと第二の電動モータ37 bとを、各電動モータ37a、37bの出力軸38a、38bと前記ケース33 の中心軸とを平行にして、支持固定している。前記各出力軸38a、38bの先 端部には、それぞれ伝達軸39a、39bを、電磁クラッチ40a、40bを介 して結合し、各電磁クラッチ40a、40bの接続時には各伝達軸39a、39 bが、前記各出力軸38a、38bと共に回転する様にしている。
【0033】 前記各伝達軸39a、39bは、それぞれが1対の軸受41、41によって回 転自在に支持されている。そして、各伝達軸39a、39bの一端を、上述の様 に前記各電磁クラッチ40a、40bを介して、前記各出力軸38a、38bに 接続し、他端にはエンコーダ42a、42bを設けて、前記各伝達軸39a、3 9bの回転角度の検出を自在としている。
【0034】 又、前記各伝達軸39a、39bの中間部には、それぞれ電磁クラッチ40a 、40bの側から順に、ブレーキ43a、43bとウォーム44a、44bとを 、互いに直列に設けている。この内のウォーム44a、44bは、それぞれ後述 するウォームホイール45a、45bと噛合する事で、第一、第二の減速機46 a、46bを構成する。
【0035】 一方、前記後輪用出力軸11の中間部外周面には、ラック歯15を一体形成し ている。又、前記後輪用出力軸11の近傍には第一、第二の回転軸47a、47 bを、この後輪用出力軸11に対し捩りの位置関係で、それぞれ軸受48、49 により、回転自在に支持している。そして、第一、第二の回転軸47a、47b の先端部外周面に形成したピニオン歯50a、50bを、それぞれ前記ラック歯 15と噛合させている。
【0036】 又、第一、第二の回転軸47a、47bの基端部に固定したウォームホイール 45a、45bを、前記ウォーム44a、44bに噛合させる事で、第一、第二 の減速機46a、46bを構成している。又、第一、第二の回転軸47a、47 bの基端にはエンコーダ52a、52bを、第二の回転軸47bの先端にはエン コーダ62を、それぞれ設けて、前記第一、第二の回転軸47a、47bの回転 角度を介して、前記後輪用出力軸11の変位量を検出自在としている。
【0037】 上述の様に、それぞれがウォーム44a、44bとウォームホイール45a、 45bとを組み込んで成る、これら第一、第二の減速機46a、46bは、前記 第一、第二の電動モータ37a、37bの動きを前記後輪用出力軸11に伝達す る正方向の効率に比べて、後輪用出力軸11の動きを第一、第二の電動モータ3 7a、37bに伝達する逆方向の効率が低い。
【0038】 更に、図示しない制御器が、前記第一、第二の電動モータ37a、37bと電 磁クラッチ40a、40b、並びにブレーキ43a、43bとを制御して、両電 動モータ37a、37bにより前記後輪用出力軸11を、同方向に変位させる様 にしている。
【0039】 上述の様に構成される先考案の電動式四輪操舵装置により、後輪に舵角を付与 する場合、制御器が、各電磁クラッチ40a、40bを繋ぐと共に各ブレーキ4 3a、43bを解除して(非制動の状態として)、第一、第二の電動モータ37 a、37bに通電する。尚、前記各電磁クラッチ40a、40bの接続が断たれ ている場合には、後輪支持部に加わる遠心力に基づき、各後輪に適当な舵角付与 が行なわれる、所謂コンプライアンスステアが行なわれる。
【0040】 前記各電磁クラッチ40a、40bの接続時には、第一、第二の電動モータ3 7a、37bに通電される結果、出力軸38a、38b、伝達軸39a、39b 、ウォーム44a、44b、第一、第二の回転軸47a、47b、ピニオン歯5 0a、50b、ラック歯15を介して後輪用出力軸11が、軸方向に亙って変位 させられる。そして、この後輪用出力軸11の変位に伴なって前記連結ロッド3 6、36が押し引きされ、後輪に舵角が付与される。
【0041】 後輪に舵角を付与した状態で、何れかの電動モータ37a(又は37b)が故 障した場合には、制御器が、もう一方の電動モータ37b(又は37a)により 前記後輪用出力軸11を中立位置に戻し、後輪に付与していた舵角を解消する。 この際、必要に応じて前記何れかの電動モータ37a(又は37b)側の電磁ク ラッチ40a(又は40b)の接続を断ち、前記もう一方の電動モータ37b( 又は37a)の回転が円滑に行なわれる様に(故障した電動モータ37a(又は 37b)が、回転の妨げとならない様に)する。
【0042】 前記第一、第二の減速機46a、46bの逆効率は低い為、前記何れかの電動 モータ37a(又は37b)の故障に伴なって回転駆動されなくなった、一方の 回転軸47a(又は47b)の存在に基づいて、前記もう一方の電動モータ37 b(又は37a)により後輪用出力軸11を中立位置に戻すのには若干力を要す るが、前記電動モータ37a(又は37b)が焼き付き等により回転不能となら ない限り、電磁クラッチ40a(又は40b)を繋いだままでも、十分に前記後 輪用出力軸11を中立位置に戻す事が出来る。又、仮に前記電動モータ37a( 又は37b)が焼き付き等により回転不能となった場合でも、電磁クラッチ40 a(又は40b)の接続を断つ事により、前記後輪用出力軸11を中立位置に戻 す事が出来る。
【0043】 この為、先考案の電動式四輪操舵装置を構成する前記後輪用出力軸11には、 前述した従来構造の場合の様なセンタリングスプリング25(図2〜3)を設け る必要がなくなるか、設けるとしても弾力の弱いもので済む。この為、通常状態 に於いて後輪に舵角を付与すべく、後輪用出力軸11を変位させる為には、セン タリングスプリング25の大きな弾力に打ち勝つ様な大きな力を要しない。この 為、後輪操舵用の第一、第二の電動モータ37a、37bの出力はそれ程大きい ものである必要がなくなる。直進時等、前記後輪用出力軸11を中立位置に保持 する必要がある場合には、前記ブレーキ43a、43bにより、前記各伝達軸3 9a、39bの回転を阻止する。
【0044】 又、前述の様に、第一、第二の減速機46a、46bの逆効率が低く抑えられ ている為、前記第一、第二の電動モータ37a、37bが同じ動き(後輪用出力 軸11を同じ方向に同じ量だけ変位させる回転運動)をした場合に限り、前記後 輪用出力軸11が軸方向に亙って変位する。従って、何れかの電動モータ37a (又は37b)が暴走した場合でも、前記後輪用出力軸11が不用意に変位する 事はなくなる。
【0045】 即ち、何れか一方の電動モータ37a(又は37b)が暴走した場合でも、他 方の電動モータ37b(又は37a)が正常に作動している限り、逆効率の低い 減速機46b(又は46a)の存在により、前記他方の電動モータ37b(又は 37a)側のウォーム44b(又は44a)が回転する事はない。この為、前記 後輪用出力軸11が動く事はなく、この後輪用出力軸11により後輪に、不用意 に舵角が付与される事がなくなる。
【0046】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述の様に構成される先考案に係る電動式四輪操舵装置を運転する 場合に於いて、急激なステアリングホイールの操作、或は急な横風等の外乱に対 して、後輪に対する適切な舵角付与を迅速に行なわせる為には、車両の走行中、 前記各伝達軸39a、39bの途中に設けたブレーキ43a、43bを解除して おく事が好ましい。これは、機械的なブレーキの場合、解除信号を送ってから実 際に解除される迄に、僅かとは言え時間的な遅れが生じる為である。
【0047】 ところが、各ブレーキ43a、43bを解除したままにした場合、轍等に起因 する路面のうねりによって、後輪に対し不要な舵角付与が行なわれる恐れがある 。この様に後輪に対し不要な舵角付与が行なわれると、車両の直進安定性が損な われる為、好ましくない。
【0048】 本考案の電動式四輪操舵装置は、上述の様な事情に鑑みて考案されたものであ る。
【0049】
【課題を解決する為の手段】
本考案の電動式四輪操舵装置は、軸方向に亙る変位によって、変位量に応じた 舵角を後輪に付与する後輪用出力軸と、第一の電動モータと、この第一の電動モ ータと前記後輪用出力軸との間に設けられて、前記第一の電動モータへの通電時 に、前記後輪用出力軸を軸方向に亙って変位させる第一の減速機と、第二の電動 モータと、この第二の電動モータと前記後輪用出力軸との間に設けられて、前記 第二の電動モータへの通電時に、前記後輪用出力軸を軸方向に亙って変位させる 第二の減速機と、前記第一、第二の電動モータを制御して、両電動モータにより 前記後輪用出力軸を同方向に変位させる制御器と、前記第一の電動モータの回転 軸を共用する第一のステッピングモータと、前記第二の電動モータの回転軸を共 用する第二のステッピングモータとを備える。
【0050】 そして、前記第一、第二の減速機は、第一、第二の電動モータの動きを後輪用 出力軸に伝達する正方向の効率に比べて、後輪用出力軸の動きを第一、第二の電 動モータに伝達する逆方向の効率が低いものである。又、前記第一、第二のステ ッピングモータは、前記第一、第二の電動モータへの非通電時にのみ、前記各回 転軸に制止トルクを付与するものである。
【0051】
【作用】 上述の様に構成される本考案の電動式四輪操舵装置の場合、第一、第二の電動 モータに通電されず、従って各電動モータに基づく舵角付与が行なわれない場合 には、後輪用出力軸が変位する事はなく、路面のうねり等の外乱に起因して、後 輪に対し不要な舵角付与が行なわれる事がなくなる。
【0052】
【実施例】
図1は本考案の実施例を示している。尚、本考案の特徴は、第一、第二の電動 モータへの非通電時に、ステッピングモータにより回転軸に制止トルクを付与す る部分の構造に特徴があり、その他の部分の構造及び作用は、前述した先考案に 係る四輪操舵装置と同様である為、同等部分には同一符合を付して重複する説明 を省略し、以下、本考案の特徴部分に就いて説明する。
【0053】 第一の電動モータ37aの回転軸である出力軸38aは、この第一の電動モー タ37aの背面側(図1の右側)に迄突出して、第一のステッピングモータ53 aの回転軸となっている。又、第二の電動モータ37bの回転軸である出力軸3 8bも、この第二の電動モータ37bの背面側(図1の右側)に迄突出して、第 二のステッピングモータ53bの回転軸となっている。
【0054】 図示しない制御器は、第一、第二の電動モータ37a、37bへの通電、電磁 クラッチ40a、40bの断接、ブレーキ43a、43bの作動の他、前記第一 、第二のステッピングモータ53a、53bへの通電も制御する。そしてこの制 御器は、通常時には前記各電磁クラッチ40a、40bを接続しておき、前記各 ブレーキ43a、43bを非作動状態としておく。
【0055】 電磁クラッチ40a、40bは、後輪に舵角を付与した状態のまま、一方の電 動モータ37a(又は37b)が故障した際、他方の電動モータ37b(又は3 7a)により後輪用出力軸11を中立位置に戻す為に、上記一方の電動モータ3 7a(又は37b)に対応する電磁クラッチ40a(又は40b)の接続を切る 。又、ブレーキ43a、43bは、故障時等、四輪操舵装置の機能を停止し、通 常の二輪操舵の状態に固定する場合に作動させる。
【0056】 更に、制御器は、前記第一、第二の電動モータ37a、37bへの非通電時に のみ、前記第一、第二のステッピングモータ53a、53bにより、各電動モー タ37a、37bの出力軸38a、38bに制止トルクを付与する。この様に、 各ステッピングモータ53a、53bにより各出力軸38a、38bに制止トル クを付与するには、各ステッピングモータ53a、53bのディテントトルク( 保留トルク)を利用する場合と、保持トルクを利用する場合とが考えられる。
【0057】 ディテントトルクを利用する場合には、前記第一、第二の電動モータ37a、 37bへの非通電時に、前記第一、第二のステッピングモータ53a、53bに も通電せず、第一、第二の電動モータ37a、37bを回転させる場合には、第 一、第二のステッピングモータ53a、53bを、各電動モータ37a、37b と同方向に同速で回転させる。
【0058】 一方、保持トルクを利用する場合には、前記第一、第二の電動モータ37a、 37bへの非通電時にのみ、前記第一、第二のステッピングモータ53a、53 bに保持電流を流し、第一、第二の電動モータ37a、37bを回転させる場合 には、第一、第二のステッピングモータ53a、53bへの通電を停止する。
【0059】 上述の様に構成される本考案の電動式四輪操舵装置の場合、第一、第二の電動 モータ37a、37bに通電されず、従って各電動モータ37a、37bに基づ く舵角付与が行なわれない場合には、後輪用出力軸11が変位する事はなく、路 面のうねり等の外乱に起因して、後輪に対し不要な舵角付与が行なわれる事がな くなる。
【0060】 後輪への舵角付与が必要となった場合で、第一、第二の電動モータ37a、3 7bにより後輪用出力軸11を変位させる場合には、前記各ステッピングモータ 53a、53bによる出力軸38a、38bへの制止トルク付与を停止する。又 、遠心力に基づき前記後輪用出力軸11を変位させる場合には、前記電磁クラッ チ40a、40bを切る。
【0061】 前記各第一、第二のステッピングモータ53a、53bによる制止トルク付与 並びにその解除、前記各電磁クラッチ40a、40bの断接は瞬間的に行なえる ので、車両の安定性を確保すべく、後輪に舵角を付与する作業を適切に行なえる 。
【0062】 尚、本考案の電動式四輪操舵装置は、電動モータへの通電に基づいて後輪用出 力軸を軸方向に亙って変位させ、後輪に舵角を付与する構造のものであれば適用 出来る。即ち、本考案が適用される電動式四輪操舵装置は、前述した従来の電動 式四輪操舵装置の様に、コンプライアンスステア機構を組み込んだものである必 要はない。又、後輪用出力軸や第一、第二の減速機の配置も、図示の例に限定さ れず、先考案の図面及び明細書に記載した如く、各種変形例を採用出来る。更に 、各電動モータ37a、37bとステッピングモータ53a、53bとは、互い に独立して設けなくとも、第一の電動モータ37aと第一のステッピングモータ 53aとを、第二の電動モータ37bと第二のステッピングモータ53bとを、 それぞれ単一のハウジング内に組み込む事も出来る。
【0063】
【考案の効果】
本考案の電動式四輪操舵装置は、以上に述べた通り構成され作用する為、製作 費の低廉化、電動式四輪操舵装置の設計の容易化、並びに高度の安全性の確保と 言った先考案の効果に加え、外乱による不要な舵角付与を防止して車両の直進安 定性が損なわれるのを防止出来、より安全性の高い電動式四輪操舵装置を得られ る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す要部平面図。
【図2】従来の電動式四輪操舵装置を示す部分横断平面
図。
【図3】図2のA部拡大図。
【図4】後輪用出力軸の軸方向に亙る変位量と後輪用出
力軸の軸方向に加わるばね荷重との関係を示す線図。
【図5】車速と舵角比との関係を示す線図。
【図6】先考案に係る四輪操舵装置を示す要部平面図。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト 3 ステアリングギア 4 前輪用出力軸 5 ナックルアーム 6 前輪 7 ステアリングコラム 8 舵角センサ 9 後輪 10 ハウジング 11 後輪用出力軸 12 着力点 13 ナックルアーム 14 操蛇中心 15 ラック歯 16 伝達軸 17 ピニオン歯 18 ウォームホイール 19 電動モータ 20 出力軸 21 ウォーム 22 変位センサ 23 車速センサ 24 制御器 25 センタリングスプリング 26 座板 27 段部 28 ストップリング 29 皿板ばね 31 電磁クラッチ 32 エンコーダ 33 ケース 34 滑り軸受 35 自在継手 36 連結ロッド 37a 第一の電動モータ 37b 第二の電動モータ 38a、38b 出力軸 39a、39b 伝達軸 40a、40b 電磁クラッチ 41 軸受 42a、42b エンコーダ 43a、43b ブレーキ 44a、44b ウォーム 45a、45b ウォームホイール 46a 第一の減速機 46b 第二の減速機 47a 第一の回転軸 47b 第二の回転軸 48、49 軸受 50a、50b ピニオン歯 52a、52b エンコーダ 53a 第一のステッピングモータ 53b 第二のステッピングモータ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に亙る変位によって、変位量に応
    じた舵角を後輪に付与する後輪用出力軸と、第一の電動
    モータと、この第一の電動モータと前記後輪用出力軸と
    の間に設けられて、前記第一の電動モータへの通電時
    に、前記後輪用出力軸を軸方向に亙って変位させる第一
    の減速機と、第二の電動モータと、この第二の電動モー
    タと前記後輪用出力軸との間に設けられて、前記第二の
    電動モータへの通電時に、前記後輪用出力軸を軸方向に
    亙って変位させる第二の減速機と、前記第一、第二の電
    動モータを制御して、両電動モータにより前記後輪用出
    力軸を同方向に変位させる制御器と、前記第一の電動モ
    ータの回転軸を共用する第一のステッピングモータと、
    前記第二の電動モータの回転軸を共用する第二のステッ
    ピングモータとを備え、前記第一、第二の減速機は、第
    一、第二の電動モータの動きを後輪用出力軸に伝達する
    正方向の効率に比べて、後輪用出力軸の動きを第一、第
    二の電動モータに伝達する逆方向の効率が低いものであ
    り、且つ、前記第一、第二のステッピングモータは、前
    記第一、第二の電動モータへの非通電時にのみ、前記各
    回転軸に制止トルクを付与するものである電動式四輪操
    舵装置。
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