JP2580515Y2 - 電動式舵角付与装置 - Google Patents

電動式舵角付与装置

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JP2580515Y2
JP2580515Y2 JP8658292U JP8658292U JP2580515Y2 JP 2580515 Y2 JP2580515 Y2 JP 2580515Y2 JP 8658292 U JP8658292 U JP 8658292U JP 8658292 U JP8658292 U JP 8658292U JP 2580515 Y2 JP2580515 Y2 JP 2580515Y2
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信康 安藤
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案に係る電動式舵角付与装
置は、自動車用の四輪操舵装置に組み込み、ステアリン
グホイールの動きに関連して、或はステアリングホイー
ルの動きとは独立して、後輪に舵角付与を行なう為に利
用する。
【0002】
【従来の技術】狭い道での進路変更を容易に行なえる様
に、自動車の回転半径を小さくする為、或は、高速走行
時に於ける進路変更でも車両の安定性が保たれる様にす
る為、ステアリングホイールを操作した場合に、前輪だ
けでなく後輪も動かす四輪操舵装置が、近年使用される
様になって来た。
【0003】この様な四輪操舵装置に組み込み、電動モ
ータを動力源として後輪に舵角付与を行なう、電動式舵
角付与装置として、例えば、特開平4−118377号
公報、実開平4−95566号公報には、図5に示す様
な電動式舵角付与装置が記載されている。
【0004】車両の後部床面に固定されるハウジング1
の内側に出力軸2を、左右方向(車両の幅方向)に亙り
挿通している。この出力軸2は、軸方向(図5の左右方
向)に変位する事により、図示しない後輪に舵角を付与
する。前記出力軸2の中間部で前記ハウジング1の内側
に位置する部分には、ラック3を固設している。又、前
記ハウジング1の中間部内側には伝達軸4を、前記出力
軸2と捻れの位置関係で、回転自在に支持している。こ
の伝達軸4の一端部(図5の上端部)にはピニオン5を
固設し、このピニオン5を、前記ラック3と噛合させて
いる。前記伝達軸4の他端(図5の下端)にはウォーム
ホイール6を固設している。
【0005】前記ハウジング1の外面に固定された電動
モータ7の回転駆動軸(図示せず)により、電磁クラッ
チ8を介して回転駆動される回転軸9にはウォーム10
を固設し、このウォーム10を前記ウォームホイール6
と噛合させる事で、前記回転軸9の回転により、前記出
力軸2を軸方向に亙って変位させる減速機構を構成して
いる。この減速機構は、動力の伝達方向に可逆性を有す
る。即ち、前記回転軸9の回転に伴ない、出力軸2を軸
方向に変位させる他、出力軸2の軸方向の変位に伴なっ
て、前記回転軸9を回転させる。
【0006】前記電動モータ7にはエンコーダ11を付
設して、この電動モータ7の回転量を検出自在とし、そ
の検出値を図示しない制御器に入力している。又、前記
伝達軸4の一端には、エンコーダ、ポテンショ等の変位
センサ12、12を設けて、前記出力軸2の変位量を、
伝達軸4を介して検出自在としている。これら変位セン
サ12、12から送り出される検出信号は、ステアリン
グホイールの操作量並びに操作速度を検出する、図示し
ない舵角センサの検出信号、及び車速を検出する、やは
り図示しない車速センサからの検出信号と共に、前記電
動モータ7への通電を制御する制御器に入力している。
【0007】そして、前記制御器は、前記車速センサに
より検出される車両の走行速度が一定値(例えば40km
/h)以下の場合にのみ、前記電磁クラッチ8を繋ぎ、前
記舵角センサと車速センサとからの信号に基づいて、前
記電動モータ7による後輪への舵角付与を行なう。この
際、エンコーダ11からの信号に基づいて、前記電動モ
ータ7への通電を制御する。又、伝達軸4の端部に設け
られた変位センサ12、12は、実際に後輪に付与され
た舵角を検出して、その検出値を前記制御器に入力す
る。
【0008】前記出力軸2の中間部には、互いに間隔を
あけて1対の座板13、13を、出力軸2の軸方向に亙
る変位を自在として外嵌保持している。そして、両座板
13、13の内側面同士の間に、センタリングばね14
を設けている。このセンタリングばね14は、前記電動
モータ7の故障時にも、前記出力軸2を中立位置に戻せ
るだけの弾力を有する。
【0009】又、前記ハウジング1の内周面には、互い
に間隔をあけて1対の段部15、15を形成している。
そして、前記1対の座板13、13の外側面外周寄り部
分を、それぞれ段部15、15に対向させている。前記
出力軸2の中間部外周面で、前記1対の座板13、13
を挟む位置には、1対のストップリング16、16を止
着して、出力軸2に対する各座板13、13の移動を制
限している。更に、前記1対の座板13、13の外側面
と、前記段部15、15及びストップリング16、16
との間には、皿板ばね17、17を設けている。
【0010】各皿板ばね17、17を完全に押し潰す為
に要する弾力は、前記センタリングばね14が圧縮され
始める際の弾力よりも小さくして、ハウジング1に対し
出力軸2が変位した場合には、先ず皿板ばね17、17
が押し潰され、何れかの皿板ばね17が完全に押し潰さ
れてから、前記センタリングばね14が1対の座板1
3、13の間で圧縮され始める様にしている。
【0011】上述の様に構成される従来の電動式舵角付
与装置に於いては、車両が一定速度(例えば40km/h)
以下で走行する場合には制御器が、舵角センサと車速セ
ンサとからの信号に基づいて、電動モータ7への通電を
制御し、必要に応じて後輪に所望の舵角を付与する。こ
の際、電磁クラッチ8に通電して、この電磁クラッチ8
を繋いだ状態のままとする。即ち、車両が低中速で走行
する場合には、車両の旋回性を向上させる為、後輪に対
して前輪とは逆位相の舵角を付与する。
【0012】後輪に付与する舵角を制御する制御方法
は、前記特開平4−118377号公報に記載されてい
る様なクローズド制御によるか、或は前記実開平4−9
5566号公報に記載されている様に、オープン制御に
より行なう。クローズド制御による場合には、前記変位
センサ12、12の検出値が所定値になる様に、各変位
センサ12、12の検出値を見張りつつ、前記電動モー
タ7への通電を制御する。反対にオープン制御による場
合には、前記皿板ばね17及びセンタリングばね14を
所定量圧縮させるのに要する電流を、前記電動モータ7
に通電する。オープン制御による場合に、前記変位セン
サ12、12の信号は、単にフェイルセーフを図る為に
利用する。
【0013】一方、車両が前記一定速度(40km/h)を
越えて走行する場合には、前記電磁クラッチ8への通電
が停止されて、この電磁クラッチ8の接続が断たれる。
これに伴なって、舵角センサと車速センサとからの信号
に拘らず、制御器が後輪の舵角制御を行なう事はなくな
る。
【0014】更に、特開昭61−146682号公報に
は、図6に示す様な、電動式舵角付与装置が記載されて
いる。電動モータ18の回転は、回転駆動軸19に固定
したウォーム20からウォームホイール21に伝達さ
れ、このウォームホイール21をその一端に固定した伝
達軸22、並びにこの伝達軸22の他端に固定されたピ
ニオン23を回転させる。このピニオン23は、出力軸
2の中間部に固設したラック24と噛合しているので、
結局、上記電動モータ18への通電に伴なって前記出力
軸2が、軸方向に亙って変位する。
【0015】
【考案が解決しようとする課題】本考案の電動式舵角付
与装置は、電動モータ7、18として出力の大きな大型
のものを使用しなくても、横G等の外力によって、後輪
に無用の舵角付与が行なわれるのを防止出来、しかも前
記電動モータが後輪に舵角を付与した状態で故障した場
合に、この舵角を解消出来る構造を得るものである。
【0016】図5に示した構造の場合、ウォーム10と
ウォームホイール6とが可逆的に係合している為、横G
等に基づいて後輪に大きな外力が加わった場合には、出
力軸2が軸方向に変位して、前記後輪に無用な舵角付与
が行なわれる可能性がある。これを防止する為には、前
記出力軸2を中立位置に復帰させる為のセンタリングば
ね14の弾力を大きくする必要がある。ところが、セン
タリングばね14の弾力を大きくした場合、後輪に舵角
を付与する為の電動モータ7の出力を大きくしなければ
ならなくなる。この事は、電動モータ7への通電制御を
クローズド制御で行なった場合でも、オープン制御で行
なった場合でも同様である。
【0017】図6に示した構造の場合、ウォーム20と
ウォームホイール21とが不可逆的に係合している為、
電動モータ18の出力が小さくて済む反面、後輪に舵角
を付与した状態でこの電動モータ18が故障した場合
に、後輪に舵角が付与されたままの状態となる。後輪に
付与される舵角は小さい為、直ちに危険とはならない
が、運転者に不安定感を与える等、違和感がある為、好
ましくない。
【0018】本考案の電動式舵角付与装置は、この様な
事情に鑑みて考案されたものである。
【0019】
【課題を解決する為の手段】本考案の電動式舵角付与装
置は、前述した従来の電動式舵角付与装置と同様に、回
転駆動軸を有する電動モータと、軸方向に変位する事で
車輪に舵角を付与する出力軸と、この出力軸と前記回転
駆動軸との間に設けられた減速機とを備えている。
【0020】本考案の電動式舵角付与装置の場合、前記
減速機は、前記回転駆動軸から出力軸に動きを伝達する
が、出力軸から回転駆動軸へは動きを伝達しないもので
ある。
【0021】特に、本考案の電動式舵角付与装置に於い
ては、前記減速機よりも電動モータの側で回転する軸
と、この軸の回転に伴なって中立位置を中心として変位
する変位部材と、この変位部材を中立位置に向けて押圧
するばねとを設けた事を特徴としている。
【0022】
【作用】上述の様に構成される本考案の電動式舵角付与
装置の作動時、電動モータにより回転駆動軸を回転させ
ると、減速機を介して出力軸が、軸方向に亙って変位す
る。この出力軸の変位に基づいて、車輪に所定の舵角が
付与される。この様に電動モータにより出力軸を軸方向
に変位させる際、軸の回転に伴なって変位部材が中立位
置から変位する。従って、前記電動モータは、ばねの弾
力に抗して回転駆動軸を回転させる。
【0023】前記減速機は、前記回転駆動軸から出力軸
に動きを伝達するが、出力軸から回転駆動軸へは動きを
伝達しないので、車輪側から前記出力軸に、軸方向に亙
る力が加わった場合でも、前記回転駆動軸が回転する事
はない。従って、車輪に横G等の外力が加わった場合で
も、この車輪が変位する事はなく、車両のふらつき防止
が図られる。
【0024】この様に、横G等の外力による車輪の変位
は、ばねの弾力によらず、不可逆的伝達機能を有する減
速機により防止する為、前記ばねの弾力は小さくて済
む。従って、特に出力の大きな電動モータを使用する必
要がなく、電動式舵角付与装置の小型化、省電力化を図
れる。
【0025】後輪に舵角を付与した状態で、前記電動モ
ータが故障した場合には、故障に伴なう回転駆動力の喪
失に伴なって、前記ばねが変位部材を中立位置に戻す。
この結果、電動モータの回転駆動軸、並びに減速機を介
してこの回転駆動軸と連結された出力軸が、中立位置に
復帰する。この結果、後輪の舵角が解消される。
【0026】
【実施例】図1〜2は本考案の第一実施例を示してい
る。両端が開口した管状のハウジング25は、軸方向
(図1の左右方向)を自動車の幅方向に向けて、この自
動車の床下に固定される。このハウジング25の内側に
は出力軸26を挿通している。この出力軸26の両端部
と後輪との間にはタイロッド及びナックルアーム(図示
せず)を設け、前記出力軸26の軸方向に亙る変位に伴
なって、前記後輪に舵角が付与される様にしている。
【0027】前記出力軸26の中間部一端寄り(図1の
左寄り)部分は、スプラインブッシュ27を介して、前
記ハウジング25の内側に支持している。スプラインブ
ッシュ27の外周面とハウジング25の内周面との間に
は、キー係合部(図示せず)を設けている。従って、前
記出力軸26は前記ハウジング25の内側に、回転する
事なく、軸方向に亙る変位のみ自在に支持される。
【0028】一方、前記出力軸26の中間部他端寄り
(図1の右寄り)部分の外周面には、雄螺子部28を、
この出力軸26と一体に形成している。この雄螺子部2
8は、台形螺子、角螺子等、十分な強度を持ち、大きな
トルクを伝達可能な形状の螺子により構成する。
【0029】前記ハウジング25の端部で、この雄螺子
部28の周囲に位置する部分は、大径部29としてい
る。この大径部29の端部開口には、略円筒状の蓋体3
0を螺着固定している。そして、これら大径部29と蓋
体30とにより囲まれる空間31内にナット片32を、
回転のみ自在に支持している。ロックナット33は、前
記蓋体30の緩み止めを図る。
【0030】そして、前記ナット片32の中間部内周面
に形成した雌螺子34と、前記雄螺子部28とを螺合さ
せている。雄螺子部28と雌螺子34とは、比較的ピッ
チを細かくしている。従って、前記ナット片32が回転
した場合には、前記出力軸26が軸方向に変位するが、
この出力軸26に軸方向に亙る力が加わっても、前記ナ
ット片32が回転する事はない。即ち、雄螺子部28と
雌螺子34とは、ナット片32から出力軸26に向けて
のみトルク伝達可能に、不可逆的に係合して、減速機を
構成している。
【0031】前記ナット片32の内周面で、この雌螺子
34から外れた部分は、前記雄螺子部28よりも大径に
して、この雄螺子部28との干渉を防止している。又、
前記ナット片32の中間部外周面には、鍔状のウォーム
ホイール35を、ナット片32と一体に形成している。
【0032】このナット片32を回転のみ自在に支持す
る為の、深溝型の玉軸受36、36は、それぞれの内輪
37、37を、前記ウォームホイール35を挟む位置
で、このナット片32の外周面に外嵌固定している。
又、各玉軸受36、36の外輪38、38は、それぞれ
前記大径部29或は蓋体30の内周面に内嵌固定してい
る。
【0033】又、前記大径部29部分に於いて前記ハウ
ジング25に、ウォーム39が、玉軸受40と滑り軸受
41とにより、回転自在に支持されている。このウォー
ム39は、前記出力軸26に対し捩れの位置関係で配置
されており、前記ウォームホイール35と螺合してい
る。尚、これらウォーム39とウォームホイール35と
の係合状態は、可逆的でも、或は非可逆的でも良い。但
し、本実施例の場合には、前記ウォーム39と次述する
ラック44とを噛合させる関係上、ウォーム39のピッ
チを粗くしている。従って、前記係合状態は必然的に可
逆的になる。又、前記ウォーム39の一端(図2の右
端)は、ジョイント42を介して、電動モータ43の回
転駆動軸に結合している。
【0034】更に、前記ハウジング25の一部で、前記
ウォーム39に対して、前記ウォームホイール35と反
対側位置には、両端が開口したシリンダ孔45を形成し
ている。このシリンダ孔45は、前記出力軸26と平行
である。そして、このシリンダ孔45内に、軸であるウ
ォーム39の回転に伴なって変位する、変位部材である
ラック44を、軸方向(図1の左右方向)に亙る変位の
み自在に挿入し、このラック44と前記ウォーム39と
を噛合させている。
【0035】前記シリンダ孔45の両端開口部には、そ
れぞれ蓋体46、46を螺着固定しており、各蓋体4
6、46の内端面と前記ラック44の両端面との間に、
それぞれ圧縮ばね47、47を設けている。両圧縮ばね
47、47により前記ラック44は、前記ウォーム39
側から力が作用しない限り、中立位置に復帰する。そし
て、前記ラック44が両圧縮ばね47、47の弾力に基
づいて中立位置に復帰した状態で、前記出力軸26も中
立状態となり、後輪に舵角付与が行なわれない様に、構
成各部材の関係を定めている。
【0036】上述の様に構成される本考案の電動式舵角
付与装置により後輪に舵角を付与すべく、電動モータ4
3の回転駆動軸を回転させると、この回転は前記ジョイ
ント42、ウォーム39、ウォームホイール35を介し
て、前記ナット片32に伝達され、このナット片32が
回転する。ナット片32が回転すると、このナット片3
2の内周面に形成した雌螺子34と、前記出力軸26に
形成した雄螺子部28との螺合に基づいて、この出力軸
26が軸方向に亙って変位する。そして、この出力軸2
6の変位に基づいて、後輪に所定の舵角が付与される。
【0037】この様にして後輪に舵角を付与する際、前
記ウォーム39の回転に伴なって前記ラック44が、前
記1対の圧縮ばね47、47の内の何れかの圧縮ばね4
7の弾力に抗して、軸方向に変位する。従って、前記電
動モータ43の回転駆動力は、この圧縮ばね47の弾力
と釣り合うものでなければならない。本考案の場合、前
記各圧縮ばね47、47には、外力に抗して後輪を保持
する役目を持たせない為、各圧縮ばね47、47の弾力
は小さいもので済む。従って、前記回転駆動力もあまり
大きくする必要はなく、前記電動モータ43も小型のも
ので足りる。
【0038】前記ナット片32の雌螺子34と出力軸2
6の雄螺子部28とは、前述の様に、不可逆的に係合し
ているので、後輪側から前記出力軸26に、軸方向に亙
る力が加わった場合でも、この力は前記玉軸受36、3
6により支承されるのみで、前記ナット片32が回転す
る事はない。従って、後輪に横G等の外力が加わった場
合でも、この後輪が変位する事はなく、上述の様に、各
圧縮ばね47、47の弾力が小さくても、車両のふらつ
き防止が確実に図られる。
【0039】後輪に舵角を付与した状態で、前記電動モ
ータ43が故障した場合には、故障に伴なう回転駆動力
の喪失に伴なって、前記1対の圧縮ばね47、47がラ
ック44を中立位置に戻す。この結果、電動モータ43
の回転駆動軸に結合されたウォーム39、ウォームホイ
ール35、並びに前記雄螺子部28とナット片32とが
構成する減速機を介してこのウォーム39と連結された
出力軸26が、中立位置に復帰する。この結果、後輪の
舵角が解消される。
【0040】次に、図3は本考案の第二実施例を示して
いる。本実施例の場合、出力軸26と平行なシリンダ孔
48として、一端(図3の右端)が塞がれたものを使用
している。そしてこのシリンダ孔48内に挿入したロッ
ド49の片半部(図3の右半部)に、ラック50を形成
している。このロッド49の他半部(図3の左半部)に
は、間隔をあけて、1対のストップリング51、51を
設け、両ストップリング51、51の間に1対の座板5
2、52を、それぞれロッド49の軸方向に亙る変位自
在に、外嵌している。そして、両座板52、52の間
に、圧縮ばね53を設けている。
【0041】前記シリンダ孔48の開口部には、有底円
筒状の蓋体54を螺着固定している。そして、前記座板
52、52の外周寄り部分を、この蓋体54の内端縁
と、前記シリンダ孔48の中間部に形成した段部55と
に対向させている。この段部55と前記蓋体54の内端
縁との距離は、前記1対のストップリング51の間隔に
一致させている。
【0042】上述の様に構成される為、ウォーム39の
回転に伴なって前記ラック50が軸方向に変位すると、
何れの方向に変位した場合でも、前記1対の座板52、
52の間隔が狭まり、前記圧縮ばね53が圧縮される。
従って、後輪に舵角を付与すべく、出力軸26を変位さ
せる場合には、前記圧縮ばね53の弾力に抗して前記ウ
ォーム39を回転させる。又、後輪に舵角を付与した状
態で電動モータ43(図2参照)が故障した場合には、
前記圧縮ばね53の弾力に基づき、前記ラック50が中
立位置に復帰し、後輪に付与されていた舵角が解消され
る。その他の構成及び作用は、前述の第一実施例と同じ
である。
【0043】次に、図4は本考案の第三実施例を示して
いる。本実施例の場合、ウォーム39の先端部に、この
ウォーム39と同心のピニオン56を形成している。そ
して、シリンダ孔45(48)に挿入したラック44
(50)とこのピニオン56とを噛合させている。この
様に構成する為、前記ウォーム39のピッチを、前記ラ
ック44(50)との噛合を考慮する事なく、自由に決
められる。その他の構成及び作用は、前述の第一〜第二
実施例の場合と同様である。
【0044】更に、上述の各実施例は、出力軸26と電
動モータ43の回転駆動軸との間に設けられた減速機と
して、雄螺子部28とナット片32とから成る送り螺子
機構を採用しているが、本考案を構成する減速機として
は、動力の伝達方向が不可逆的なものであれば、他の構
造のものも採用出来る。例えば、前記図6に示した従来
構造に本考案を適用する場合には、ウォーム20を固定
した回転駆動軸19の一部にピニオンを設け、このピニ
オンとラックとを噛合させる。そしてこのラックを中立
位置に向けて押圧するばねを設ける。
【0045】尚、上述の説明から明らかな通り、本考案
の電動式舵角付与装置は、オープン制御でもクローズド
制御でも使用出来る。
【0046】
【考案の効果】本考案の電動式舵角付与装置は、以上に
述べた通り構成され作用する為、故障時の安定性を確保
しつつ、電動モータの小型軽量化、並びに電力消費の軽
減化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例を示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本考案の第二実施例を示す、図1と同様の断面
図。
【図4】本考案の第三実施例を示す、図2と同様の断面
図。
【図5】従来の電動式舵角付与装置の第1例を示す断面
図。
【図6】同じく第2例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 出力軸 3 ラック 4 伝達軸 5 ピニオン 6 ウォームホイール 7 電動モータ 8 電磁クラッチ 9 回転軸 10 ウォーム 11 エンコーダ 12 変位センサ 13 座板 14 センタリングばね 15 段部 16 ストップリング 17 皿板ばね 18 電動モータ 19 回転駆動軸 20 ウォーム 21 ウォームホイール 22 伝達軸 23 ピニオン 24 ラック 25 ハウジング 26 出力軸 27 スプラインブッシュ 28 雄螺子部 29 大径部 30 蓋体 31 空間 32 ナット片 33 ロックナット 34 雌螺子 35 ウォームホイール 36 玉軸受 37 内輪 38 外輪 39 ウォーム 40 玉軸受 41 滑り軸受 42 ジョイント 43 電動モータ 44 ラック 45 シリンダ孔 46 蓋体 47 圧縮ばね 48 シリンダ孔 49 ロッド 50 ラック 51 ストップリング 52 座板 53 圧縮ばね 54 蓋体 55 段部 56 ピニオン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 5/04 B62D 7/14

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動軸を有する電動モータと、軸方
    向に変位する事で車輪に舵角を付与する出力軸と、この
    出力軸と前記回転駆動軸との間に設けられた減速機とを
    備え、この減速機は、前記回転駆動軸から出力軸に動き
    を伝達するが、出力軸から回転駆動軸へは動きを伝達し
    ないものである電動式舵角付与装置に於いて、前記減速
    機よりも電動モータの側で回転する軸と、この軸の回転
    に伴なって中立位置を中心として変位する変位部材と、
    この変位部材を中立位置に向けて押圧するばねとを設け
    た事を特徴とする電動式舵角付与装置。
JP8658292U 1992-11-25 1992-11-25 電動式舵角付与装置 Expired - Lifetime JP2580515Y2 (ja)

Priority Applications (2)

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JP8658292U JP2580515Y2 (ja) 1992-11-25 1992-11-25 電動式舵角付与装置
DE19934340203 DE4340203C2 (de) 1992-11-25 1993-11-25 Elektrisch angetriebene Lenkvorrichtung

Applications Claiming Priority (1)

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JP8658292U JP2580515Y2 (ja) 1992-11-25 1992-11-25 電動式舵角付与装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0642527U JPH0642527U (ja) 1994-06-07
JP2580515Y2 true JP2580515Y2 (ja) 1998-09-10

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ID=13891006

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JPH0642527U (ja) 1994-06-07

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