JPH06220247A - 変色性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

変色性樹脂組成物及びその製造方法

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JPH06220247A
JPH06220247A JP3129993A JP3129993A JPH06220247A JP H06220247 A JPH06220247 A JP H06220247A JP 3129993 A JP3129993 A JP 3129993A JP 3129993 A JP3129993 A JP 3129993A JP H06220247 A JPH06220247 A JP H06220247A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビニル系樹脂中にフォトクロミック物質を分
散させて作った変色性樹脂組成物において、少量のフォ
トクロミック物質で顕著な色変化が生じるように、樹脂
を改良することを目的とする。 【構成】 ガラス転移点が100℃以上の重合体を形成
する単量体と、ガラス転移点が25℃以下の重合体を形
成する単量体とを共重合させ、後者の単量体が共重合体
中で30重量%以上を占めるようにした共重合体を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、変色性樹脂組成物及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】疎水性ビニル系樹脂中にフォトクロミッ
ク物質が均一に分散されてなる変色性樹脂組成物は既に
知られている。それは、例えば特開昭64−20288
号公報に記載されている。また、この公報は、フォトク
ロミック物質と疎水性ビニル系単量体中に添加してこれ
を水性媒体中に分散させ、ベンゼン環もカルボキシル基
も含まないアゾニトリル系、パーオキシケタール系又は
アルキルパーオキサイド系のラジカル重合開始剤の存在
下で上記単量体を懸濁重合させて、上記変色性樹脂組成
物を製造する方法を記載している。
【0003】上記公報は、疎水性ビニル系単量体とし
て、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、
ジビニルベンゼン等のスチレン系単量体、アクリル酸低
級アルキルエステル及びメタクリル酸低級アルキルエス
テル等のアクリル系単量体を用いることができると記載
している。また、この公報は、それらの単量体を混合し
て使用することもできると記載しているが、実施例では
メタクリル酸メチルを単独で用いた場合を掲げているだ
けで、単量体を混合して用いた場合の事例を全く記載し
ていない。
【0004】また、1988年112月発行のPoly
file(ポリファイル)第26−29頁は、フォトク
ロミック物質を包含する疎水性ビニル系樹脂に、ポリ塩
化ビニル、エチレン−塩化ビニルコポリマーを用いるの
は好ましくないと記載し、好ましい樹脂としてポリメタ
クリレート、セルロース誘導体、ポリスチレン、スチレ
ン共重合体、フェノキシ樹脂、ポリウレタン等を挙げて
いる。さらに発消色の速度について、フェノール樹脂や
フェノキシ樹脂のように水酸基が残存している樹脂で
は、熱戻り反応が遅くなる傾向があると記載している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明者は、特開昭
64−20288号公報の教示に従って作った変色性の
ポリメタクリル酸メチル粒子について,その変色の模様
を検討した。その結果、この公報に従って作られたポリ
メタクリル酸メチル粒子は、日光や紫外線を照射すると
着色するが、その着色は淡く、従って充分な着色を得る
には、フォトクロミック物質を多量に添加する必要のあ
ることを知った。フォトクロミック物質は高価であるか
ら、これを多量に用いなければならないのでは、どのよ
うな用途に向けるにしても、用途の開拓を図る上で大き
な障害となる。そこで、少量のフォトクロミック物質を
用いただけで、さらに顕著に着色するように改良する必
要があることに気付いた。この発明は、このような必要
を動機として生まれたものである。
【0006】
【課題解決のための手段】この発明者は、上記課題解決
のために色々な実験を繰り返した結果、変色性樹脂組成
物の母体となっている樹脂の組成を変えることにより、
上記課題の解決できることを見出した。すなわち、これ
までは、疎水性ビニル系単量体の単独重合体をもって上
記の母体となる樹脂を作って来たが、これを改めて疎水
性ビニル系単量体の共重合体をもって母体となる疎水性
ビニル系樹脂を構成することとした。しかも、この樹脂
をガラス転移点が100℃以上の疎水性ビニル系重合体
を形成する単量体と、ガラス転移点が25℃以下の疎水
性ビニル系重合体を形成する単量体との共重合体で構成
することとした。さらに、この場合に、後者のガラス転
移点の低い方の単量体を全共重合体中で30重量%以上
占めるようにすると、ここにフォトクロミック物質によ
る着色の顕著な樹脂組成物の得られることを見出した。
この発明は、このような知見に基づいて完成されたもの
である。
【0007】この発明は、疎水性ビニル系樹脂中にフォ
トクロミック物質が分散されてなる変色性樹脂組成物に
おいて、ガラス転移点が100℃以上の疎水性ビニル系
重合体を形成する単量体と、ガラス転移点が25℃以下
の疎水性ビニル系重合体を形成する単量体との共重合体
で、後者の単量体が共重合体中で30重量%以上を占め
ている共重合体を上記疎水性ビニル系樹脂として用いた
ことを特徴とする、変色性樹脂組成物を要旨とするもの
である。
【0008】また、この発明は、上記変色性樹脂組成物
の製造方法をも含んでいる。その製造方法は、ガラス転
移点が100℃以上の疎水性ビニル系重合体を形成する
単量体と、ガラス転移点が25℃以下の疎水性ビニル系
重合体を形成する単量体とを混合し、後者の単量体が単
量体混合物の中で30重量%を占めるようにし、ベンゼ
ン環もカルボキシル基も含まないアゾニトリル系、パー
オキシケタール系又はアルキルパーオキサイド系のラジ
カル重合開始剤と、フォトクロミック物質とを上記単量
体混合物に加え、得られた混合物を水性媒体中に分散さ
せて単量体混合物を懸濁重合させることを特徴とするも
のである。
【0009】この発明は、重合体のガラス転移点を基準
にして、ガラス転移点が100℃以上の重合体を形成す
る単量体(以下、これを高転移単量体という)と、ガラ
ス転移点が25℃以下の重合体を形成する単量体(以
下、これを低転移単量体という)との、少なくとも2種
類の単量体を用いることを最大の特徴としている。
【0010】高転移単量体としては色々なものを用いる
ことができる。例を挙げると、スチレン、α−メチルス
チレン、クロロスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族
ビニル単量体,メタクリル酸メチル、さらに架橋剤とし
て働くエチレングリコールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレートなどのメタクリル酸
系単量体を用いることができる。これらは単独でも混合
してでも用いることができる。
【0011】低転移単量体としては色々なものを用いる
ことができる。例えば、アクリル酸メチルはガラス転移
点が8℃の重合体を形成するので、低転移単量体であ
る。また、アクリル酸エチルはガラス転移点が−22℃
の重合体を形成し、アクリル酸2−エチルヘキシルは転
移点が−85℃の重合体を形成し、メタクリル酸ノルマ
ルブチルは転移点が20℃の重合体を形成するので、何
れも低転移単量体である。そのほか、低転移単量体とし
ては、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ノルマルブ
チル、アクリル酸イソブチル等のアクリル酸エテスル
類、及びメタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸ノルマルデシル、メタクリル酸ノルマルドデシル等の
メタクリル酸エステル類を使用することができる。これ
らは単独でもまた混合してでも使用することができる。
【0012】高転移単量体と低転移単量体とは、後者が
単量体混合物中で30重量%以上を占めるように混合し
て用いる。そのうちでは、後者が50重量%以上を占め
るように混合して用いることが好ましい。その理由は、
後者が30重量%未満では色の変化を顕著にする効果が
認められないからである。また後者の上限は、色の変化
の上では存在しないが、別の用途面から存在することが
ある。
【0013】この発明で用いることのできるフォトクロ
ミック物質としては、公知のものを用いる。ここで用い
るものは、光の照射時に異性化、互変異性化、イオン解
離、ラジカル解離、酸化還元、励起状態変化など、何れ
によって色調変化(可視光吸収特性の変化)を生じるも
のであってもよい。色変化の迅速性の点では有機物を用
いるのが好ましい。これらの具体例としては、ジメチル
アミノアゾベンゼン類、サリチリデンアニリン類、ニト
ロベンジルピリジン類、スピロピラン類、スピロオキサ
ジン類、テトラクロル−α−ケトジヒドロナフタリン
類、ビス(トリフェニルイミダゾリル)類、トリフェニ
ルメタンリューロニトリル類、テトラフェニルヒドラジ
ン類、ビアンスロン類、ピリジルシドノン類の各化合物
を用いることができる。これらは置換基の種類により色
調変化範囲の変わるものもあるため、適宜選択して用い
られる。とりわけ、スピロピラン類は発光色の効率が高
く、色が鮮明で色の種類も多いので、好適である。ま
た、スピロオキサジン類は、繰り返し発色させる場合の
耐久性が高いので好適である。
【0014】フォトクロミック物質は、通常樹脂を形成
する単量体中に溶解して用いられる。その添加量は、目
的とする発色の程度によって異なり、発色特性と単量体
への溶解可能範囲を考慮し、また重合や懸濁状態を阻害
しない範囲で適当に決定される。その添加量は、通常単
量体に対し0.005−1重量%の範囲である。溶解可
能な範囲を越えてフォトクロミック物質を添加しても、
過剰分は樹脂の着色には殆ど寄与しない。
【0015】フォトクロミック物質による発色を促進す
るために、公知の助剤を添加してもよい。助剤として
は、ベンゾフェノン、4、4′−ジメトキシベンゾフェ
ノン、アセトフェノン、ジベンゾイルメタン、ベンゾイ
ルトリフルオロアセトン、ベンゾイルアセトン、トリフ
ェニルなどの増感効果を持ったものや、消色が熱によっ
て起こるサーマル(T)型フォトクロミック物質では、
熱戻り反応を遅らせることにより濃い発色を与えるビス
フェノール誘導体、ヒドロキシ安息香酸誘導体、ヒンダ
ートフェノール類のようなフェノール化合物を添加する
ことができる。但し、これらの助剤は、懸濁重合を阻害
しない範囲で用いる必要がある。
【0016】この発明に係る変色性樹脂組成物を作るに
は、高転移単量体と低転移単量体とを混合し、後者の単
量体が全単量体の30重量%以上を占めるようにし、こ
れにラジカル重合開始剤とフォトクロミック物質とを加
えて、この混合物を懸濁重合させ、得られた共重合体を
もって変色性樹脂組成物とする。
【0017】ラジカル重合開始剤は、ベンゼン環もカル
ボキシル基も含まないアゾニトリル系、パーオキシ系又
はアルキルパーオキサイド系のものの中から選択して用
いる。そのような重合開始剤には次のようなものがあ
る。例えば、2、2′−アゾビスイソブチロニトリル、
2、2′−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリ
ル)、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3、
3、5−トリメチルシクロヘキサン、2、2−ビス(t
−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4、4−
ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2、2−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド等である。この重合開始剤は単量体に対
し、通常0.05−1重量%の範囲内で用いられる。
【0018】上述の単量体混合物を懸濁重合させるに
は、単量体混合物を水性媒体中に分散させる必要があ
る。このためには分散剤と界面活性剤が必要とされる。
その分散剤としては、例えばポリビニルアルコール、第
三燐酸カルシウム、複分解ピロ燐酸マグネシウム等を用
いるのが適しており、界面活性剤としては例えばアルキ
ル硫酸ナトリウム等が適している。
【0019】また、上述の単量体混合物を懸濁重合させ
るには、単量体混合物と水性媒体とからなる重合系を撹
拌する必要がある。撹拌は目的とする重合体粒子の直径
に応じて適度に行う必要がある。例えば、平均粒子径が
数拾μm程度の微粒子を得ようとする場合には、撹拌翼
先端の周速度を数m/秒程の高速とする必要がある。こ
のような場合には、撹拌翼で撹拌するだけでなく、ホモ
ジナイザーなどの乳化装置で分散させるのが好都合であ
る。
【0020】上述の懸濁重合を行うには、初め重合系を
加熱する必要がある。加熱は、重合開始剤が分解を開始
する温度以上にする必要がある。その温度は、通常40
〜100℃の範囲内である。重合反応は発熱反応である
から、重合が開始されると重合系は次第に高温となる。
そこで、重合系の温度が上がり過ぎた場合には、重合系
を冷却するようにして重合系の温度を調節する。こうし
て数時間経過する間に重合が完結する。
【0021】重合が終わったあとは、過剰の単量体を除
き、共重合粒子を水性媒体から分離する。次いで、得ら
れた共重合体粒子を水洗し、乾燥する。こうして得られ
た共重合体粒子は、その中にフォトクロミック物質を分
散状態で含んでいる。これが目的とする変色性樹脂組成
物である。
【0022】以上は高転移単量体と低転移単量体とだけ
について説明したが、この発明ではそれ以外にその何れ
にも属さないような他の単量体を本発明で意図するフォ
トクロミック物質の共重合体中で光による構造変化の機
能を損なわない範囲で、少量使用することも可能であ
る。
【0023】
【発明の効果】この発明によると、高転移単量体と低転
移単量体とを混合して共重合体とした樹脂を用い、しか
も共重合体中では低転移単量体が共重合体中で30重量
%以上を占めるようにしたので、フォトクロミック物質
は共重合体中で光による構造変化が容易となり、従って
強く発色することとなる。その結果、この変色性樹脂組
成物は光の照射により顕著に着色するものとなり、従っ
て高価なフォトクロミック組成物の添加量を減らすこと
ができることとなる。この点で、この発明の効果は大き
い。
【0024】以下に実施例と比較例とを挙げて、この発
明のすぐれている所以を具体的に説明する。以下の実施
例と比較例とにおいて、単に部というのは重量部の意味
である。
【0025】
【実施例1】この実施例では、高転移単量体としてスチ
レンとジビニルベンゼンとを用い、低転移単量体として
アクリル酸エチルを用いた。スチレンはガラス転移点が
100℃の重合体を形成するものであり、アクリル酸エ
チルはガラス転移点が−22℃の重合体を形成するもの
である。
【0026】スチレン65部とジビニルベンゼン5部と
を混合して高転移単量体とし、これにアクリル酸エチル
30部を混合して単量体混合物を作った。この単量体混
合物600gに、重合開始剤として2、2′−アゾビス
イソブチロニトリル1.2gと、スピロオキサジン系フ
ォトクロミック物質(日本ケミックス社製、 商品名フ
ォトローム #12 発色赤紫)1.8gを添加して混
合物とした。
【0027】別に、5リットル容量のステンレス製オー
トクレーブは第三燐酸カルシウム150gと、ラウリル
硫酸ナトリウム0.05gと、水3Kgとを入れた。こ
のオートクレーブ内に上記フォトクロミック物質含有の
単量体混合物600gを入れた。その後オートクレーブ
内を窒素ガスで置換し、撹拌翼先端の周速度を4m/秒
として撹拌しながら、70℃で10時間重合を行った。
こうして得られた重合体粒子をオートクレーブから取り
出し、水性媒体から分離し、水洗乾燥して、平均粒径が
約10μmの変色性樹脂組成物を得た。
【0028】得られた微粒状の変色性樹脂組成物は、こ
れに日光や紫外線ランプからの光を照射すると、すぐに
発色し始めるのが認められた。発色の程度については、
ポリスチレンだけからなる樹脂又はポリメタクリル酸メ
チルだけからなる樹脂に、上記のフォトローム #12
を1.8g(A)、3.6g(B)、5.4g(C)、
7.2g(D)を添加して上と同様にして作った指標サ
ンプルと比較した。具体的には紫外線ランプ(ブラック
ライト型20W、365nm)から5cmのところで1
5分間照射した直後の発色で比較し、上記A、B、C、
Dの何れに相当するかのランク付けで評価した。従っ
て、この評価ではAが最も弱い発色でDが最も強い発色
であることになる。この実施例で得られた樹脂組成物の
発色性は指標サンプルのBないしCに相当し、従ってフ
ォトクロミック物質の使用量を基準とすれば約2.5倍
の発色性を示したことになる。
【0029】
【実施例2】この実施例では、単量体を変えた以外は実
施例1と全く同様に実施した。この実施例で用いた単量
体は、高転移単量体としてスチレン55部とジビニルベ
ンゼン5部との混合物を用い、これに低転移単量体とし
てアクリル酸ノルマルブチル40部を添加した混合物で
あった。なお、アクリル酸ノルマルブチルは、ガラス転
移点が−54℃の重合体を形成するものであるから明ら
かに低転移単量体に該当する。
【0030】実施例1と全く同様に処理して変色性樹脂
組成物を得た。この組成物について実施例1と全く同様
にして紫外線ランプで照射後の発色性を調べたところ、
発色性は指標サンプルのCに相当し、従ってフォトクロ
ミック物質の使用量を基準とすれば、約3倍の発色性を
示したことになる。
【0031】
【実施例3】この実施例では、単量体を変えた以外は、
実施例1と全く同様に実施した。この実施例で用いた単
量体は、高転移単量体としてスチレン35部とジビニル
ベンゼン15部との混合物を用い、これに低転移単量体
としてアクリル酸ノルマルブチル50部を混合して作ら
れた。
【0032】実施例1と全く同様に処理して変色性樹脂
組成物を得た。この組成物について実施例1と全く同様
にして紫外線ランプ照射後の発色性を調べたところ、発
色性は指標サンプルのCないしDに相当し、従ってフォ
トクロミック物質の使用量を基準とすれば、約3.5倍
の発色性を示した。
【0033】
【実施例4】この実施例では、単量体を変えた以外は実
施例1と全く同様に実施した。この実施例で用いた単量
体は、高転移単量体としてスチレン25部と、ジビニル
ベンゼン25部との混合物を用い、これに低転移単量体
としてアクリル酸ノルマルブチル50部を添加して作っ
たものである。
【0034】実施例1と全く同様に処理して変色性樹脂
組成物の粒子を得た。この粒子について、実施例1と全
く同様にして紫外線照射後の発色を調べたところ、発色
性は指標サンプルのCないしDに相当し、従ってフォト
クロミック物質の使用量を基準とすれば、約3.5倍の
発色性を示したことになる。
【0035】
【実施例5】この実施例では、単量体を変えた以外は実
施例1と全く同様に実施した。この実施例で用いた単量
体は、高転移単量体としてスチレン15部とジビニルベ
ンゼン35部との混合物を用い、これに低転移単量体と
してアクリル酸ノルマルブチル50部を加えたものであ
る。
【0036】実施例1と全く同様に処理して変色性樹脂
組成物の粒子を得た。この粒子について、実施例1と全
く同様に発色性を調べたところ、発色性は指標サンプル
のBないしCに相当し、従ってフォトクロミック物質の
使用量を基準とすれば、約2.5倍の発色性を示したこ
とになる。
【0037】
【実施例6】この実施例では、単量体を変えた以外は、
実施例1と全く同様に実施した。この実施例で用いた単
量体は、高転移単量体としてエチレングリコールジメタ
クリレート15部を用い、これに低転移単量体としてア
クリル酸ノルマルブチル85部を加えたものである。
【0038】実施例1と全く同様に処理して変色性樹脂
組成物の粒子を得た。この粒子について、実施例1と全
く同様にして発色性を調べたところ、発色性は指標サン
プルのDに相当し、従ってフォトクロミック物質の使用
量を基準とすれば、約4倍の発色を示したことになる。
【0039】
【実施例7】この実施例では、単量体を変えた以外は、
実施例1と全く同様に実施した。この実施例で用いた単
量体は、高転移単量体としてメタクリル酸メチル65部
と、エチレングリコールジメタクリレート5部との混合
物を用い、これに低転移単量体としてアクリル酸ノルマ
ルブチル30部を加えたものである。メタクリル酸メチ
ルは、ガラス転移点が105℃の重合体を形成するもの
であるから、明らかに高転移単量体に該当している。
【0040】実施例1と全く同様に実施して変色性樹脂
組成物の粒子を得た。この粒子について、実施例1と全
く同様にして発色性を調べたところ、発色性は指標サン
プルのCに相当し、フォトクロミック物質の使用量を基
準とすれば、約3倍の発色を示したことになる。
【0041】
【実施例8】この実施例では、単量体を変えた以外は、
実施例1と全く同様に実施した。この実施例で用いた単
量体は、高転移単量体としてスチレン65部とジビニル
ベンゼン5部との混合物を用い、これに低転移単量体と
してアクリル酸2−エチルヘキシル30部を加えたもの
である。アクリル酸2−エチルヘキシルは、ガラス転移
点が−85℃の重合体を形成するものであるから明らか
に低転移単量体に該当している。
【0042】実施例1と全く同様に実施して変色性樹脂
粒子を得て、この粒子について発色性を調べたところ、
発色性は指標サンプルのCに相当し、フォトクロミック
物質の使用量を基準とすれば約3倍の発色を示した。
【0043】
【実施例9】この実施例では単量体を変えた以外は実施
例1と全く同様に実施した。この実施例で用いた単量体
は、高転移単量体としてスチレン35部とジビニルベン
ゼン5部との混合物を用い、これに低転移単量体として
メタクリル酸ノルマルブチル60部を加えたものであ
る。メタクリル酸ノルマルブチルは、ガラス転移点が2
0℃の重合体を形成するものであるから、明らかに低転
移単量体に該当している。
【0044】実施例1と全く同様に実施して変色性樹脂
粒子を得て、この粒子について発色性を調べたところ、
発色性は指標サンプルのCに相当し、フォトクロミック
物質の使用量を基準とすれば、約3倍の発色を示したこ
とになる。
【0045】
【実施例10】この実施例では、単量体を変え、また余
分に助剤を加えた以外は、実施例1と全く同様に実施し
た。この実施例で用いた単量体は、実施例9と同じく、
高転移単量体としてスチレン35部とジビニルベンゼン
5部との混合物を用い、これに低転移単量体としてメタ
クリル酸ノルマルブチル60部を加えたものである。ま
た、助剤としては、熱戻り遅延による発色増進剤とし
て、ヒンダードフェノール類に属するイルガノックス1
010(チバガイギー社製)0.3gを添加した。
【0046】それ以外は実施例1と全く同様に実施して
変色性樹脂組成物の粒子を得た。この粒子について発色
性を調べたところ、発色性は指標サンプルのCないしD
に相当し、フォトクロミック物質の使用量を基準とすれ
ば、約3.5倍の発色性を示したことになる。
【0047】この発色性を実施例9の発色性と比較する
と、助剤効果が明確に認められた。
【0048】
【比較例1】この比較例では、単量体を変えた以外は実
施例1と全く同様に実施した。この比較例では低転移単
量体の使用量を単量体混合物中で30重量%以下とした
が、そこで用いた単量体は、高転移単量体としてスチレ
ン75部とジビニルベンゼン5部との混合物を用い、こ
れに低転移単量体としてアクリル酸ノルマルブチル20
部を加えたものである。
【0049】実施例1と全く同様に処理して変色性樹脂
組成物の粒子を得た。この粒子について、実施例1と全
く同様にして紫外線照射後の発色を調べたところ、発色
性は指標サンプルのAに相当し、従ってフォトクロミッ
ク物質の使用量を基準とすれば、特開昭64−2028
8号公報に記載のものと同程度で、全く改良されていな
いことになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 9/02 B 7188−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性ビニル系樹脂中にフォトクロミッ
    ク物質が分散されてなる変色性樹脂組成物において、ガ
    ラス転移点が100℃以上の疎水性ビニル系重合体を形
    成する単量体と、ガラス転移点が25℃以下の疎水性ビ
    ニル系重合体を形成する単量体との共重合体で、後者の
    単量体が共重合体中で30重量%以上を占めている共重
    合体を上記疎水性ビニル系樹脂として用いたことを特徴
    とする、変色性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ガラス転移点が100℃以上の疎水性ビ
    ニル系重合体を形成する単量体と、ガラス転移点が25
    ℃以下の疎水性ビニル系重合体を形成する単量体とを混
    合し、後者の単量体が単量体混合物の中で30重量%以
    上を占めるようにし、ベンゼン環もカルボキシル基も含
    まないアゾニトリル系、パーオキシケタール系又はアル
    キルパーオキサイド系のラジカル重合開始剤と、フォト
    クロミック物質とを上記単量体混合物に加え、得られた
    混合物を水性媒体中に分散させて単量体混合物を懸濁重
    合させることを特徴とする、変色性樹脂組成物の製造方
    法。
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