JPH06220011A - 13,14−ジヒドロ−9−エピ−プロスタグランジン▲d2▼イソプロピルエステル、その製造方法およびそれを含有する薬剤 - Google Patents

13,14−ジヒドロ−9−エピ−プロスタグランジン▲d2▼イソプロピルエステル、その製造方法およびそれを含有する薬剤

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JPH06220011A
JPH06220011A JP5029794A JP2979493A JPH06220011A JP H06220011 A JPH06220011 A JP H06220011A JP 5029794 A JP5029794 A JP 5029794A JP 2979493 A JP2979493 A JP 2979493A JP H06220011 A JPH06220011 A JP H06220011A
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JP
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compound
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dihydro
epi
isopropyl ester
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JP5029794A
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Toru Miyazaki
徹 宮崎
Masanori Kawamura
雅範 川村
Eiichi Shirasawa
榮一 白澤
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Ono Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Ono Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(I) 【化1】 で示される13,14−ジヒドロ−9−エピ−プロスタ
グランジンDイソプロピルエステル、その製造方法お
よびそのエステルを有効成分として含有する薬剤。 【効果】 式(I) の化合物は眼圧降下作用を有し、緑内
障の予防および/または治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプロスタグランジン(以
下、PGと略記する。)Dイソプロピルエステルに関
する。さらに詳しくは、 1)式(I)
【0002】
【化7】
【0003】で示される13,14−ジヒドロ−9−エ
ピ−PGDイソプロピルエステル、 2)その製造方法、および 3)それを有効成分として含有する緑内障予防剤および
/または治療剤に関する。
【0004】
【発明の背景】PGは、その5員環部分に置換されてい
るオキソ基および水酸基の種類により、PGA、PG
B、PGC、PGD、PGE、PGF等に分類されてい
る。PGにおいては、生体反応を示すのは、天然型だけ
であると考えられていた。そのため、PGを化学的に修
飾し、その誘導体を得る際には、天然型がその基本とな
っている。今回、本発明者らは、非天然型である9β−
PGD誘導体を合成し、その活性を研究した結果、予想
に反して眼圧降下作用という生理活性を有することを見
いだした。
【0005】緑内障は、眼圧が亢進することにより起こ
る疾患であり、病状の進行により視野狭搾を生じ、さら
に進行すると失明を引起こす。眼圧は、主として毛様体
上皮による房水の分泌とシュレム管からの排出のバラン
スにより変化するが、このバランスがくずれると眼圧亢
進が引起こされる。緑内障の治療法としては、現在2つ
の方法、即ち、外科的手術と眼圧低下剤の投与とが行な
われている。眼圧低下剤としては、ピロカルピン、カル
バコール等の縮瞳剤や炭酸脱水酵素阻害剤、またはβ−
ブロッカー等が知られている。最近の研究の成果とし
て、PGの誘導体が眼圧の低下に有用であり、しかも重
篤な副作用を示さないことが見出されている。
【0006】
【従来技術およびそれらとの比較】PGのうち、PGD
およびPGFはその環上に水酸基が置換されている。元
来、体内物質であるPGにおいて、その水酸基は、すべ
てその環平面に対して下側に置換されているα体が天然
型である。非天然型のPG誘導体は、あまり合成されて
おらず、ただその合成中間体が、特にラセミ体の形で公
知であるのみである。
【0007】一方、天然型のPGDおよびその誘導体に
ついて、眼圧の降下作用があることはすでに知られてい
る。例えば、特開昭63-107927 号は、プロスタグランジ
ンD作用物質を有効成分とする高眼圧改善・緑内障処
置剤を開示しており、また、特開平2-108 号は、13,
14−ジヒドロ−15−ケト−プロスタグランジン類を
有効成分として含有する眼圧降下剤を開示している。こ
れらの明細書中で、具体的に開示された化合物として
は、例えば、以下の化合物が挙げられる。特開昭63-107
927 号中、実験例 4で示される化合物:
【0008】
【化8】
【0009】特開平2-108 号中、化合物 (30) で示され
る化合物:
【0010】
【化9】
【0011】本発明者らは、これらの知見をもとに、様
々なPGD誘導体を用いて、実験を繰り返した結果、以
外にも、13,14−ジヒドロ−9−エピ−PGD
ソプロピルエステルが、後述する実験結果でも明らかな
ように、最も眼圧降下作用が強く、また作用の持続時間
が長いことを見出し、本発明を完成した。非天然型のP
G誘導体が生理活性を有していることは、先にも述べた
ようにまったく予期されないことであり、しかも天然型
よりも強い活性を有することは予想だにされないことで
ある。なお、本発明化合物である13,14−ジヒドロ
−9−エピ−PGDイソプロピルエステルは、文献に
記載のない新規化合物である。
【0012】
【発明の開示】本発明は、 1)式 (I)
【0013】
【化10】
【0014】で示される新規な13,14−ジヒドロ−
9−エピ−PGDイソプロピルエステル、 2)その製造方法、および 3)それを有効成分として含有する緑内障予防剤および
/または治療剤に関する。 式(I) で示される本発明化合物は、15位の立体構造に
より、2種の異性体を含む。すなわち、式(I) で示され
る本発明化合物は、15α体である下記式(Ia)で示され
る化合物と15β体である下記式(Ib)で示される化合物
を含む。本発明は、これらの個々の異性体およびこれら
の混合物、特に等量混合物であるラセミ体を包含するも
のである。
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】
【0017】式(I) で示される13,14−ジヒドロ−
9−エピ−PGDイソプロピルエステルは、α−、β
−あるいはγ−シクロデキストリン、あるいはこれらの
混合物を用いて、特公昭50-3363 号、同52-31404号また
は同61-52146号明細書記載の方法を用いることによりシ
クロデキストリン包接化合物に変換することができる。
シクロデキストリン包接化合物に変換することにより、
安定性が増大し、また水溶性が大きくなるため、薬剤と
して使用する際好都合である。
【0018】
【本発明化合物の製造方法】式(I) で示される本発明化
合物は式(II)
【0019】
【化13】
【0020】(式中、THPは2−テトラヒドロピラニ
ル基を表わす。)で示される化合物を酸性条件下、加水
分解反応に付すことにより製造することができる。酸性
条件下での加水分解反応は公知であり、例えば、水と混
和しうる有機溶媒(テトラヒドロフラン、ジオキサン、
メタノール、エタノール等)中、酸(酢酸、トリクロロ
酢酸、塩酸、シュウ酸等)を用いて、0〜90℃の温度
で行なわれる。
【0021】式(II)で示される化合物は以下の反応工程
式(A)に示される反応により製造することができる。
式(Ia)で示される異性体が必要な場合には、相当する立
体構造を有する下記の式(IIa) で示される化合物より製
造することができ、また式(Ib)で示される異性体が必要
な場合には、相当する立体構造を有する下記の式(IIb)
で示される化合物より製造することができる。式(IIa)
および(IIb) で示される化合物は、おのおの反応工程式
(A)に従って、式(III) で示される化合物から、製造
することができる。
【0022】
【化14】
【0023】
【化15】
【0024】これらの異性体の製造は、反応工程式
(A)中の適当な段階、例えば、式(III) で示される化
合物のカラムを使用する分離法等により行なうことがで
きる。またラセミ体が必要な場合は、個々の異性体を分
離せずに反応させることにより製造することができる。
反応工程式中の各記号は、前記と同じ意味を表わすかま
たは以下の意味を表わす。 Ac:アセチル基
【0025】
【化16】
【0026】
【化17】
【0027】
【化18】
【0028】反応工程式(A)中の反応はすべて公知で
あり、当業者ならば容易に実施し得る反応である。式(I
II) で示される化合物は公知の化合物であり、例えば、
特開昭49-5946 号明細書に記載されている。
【0029】
【本発明化合物の薬理活性】式(I) で示される本発明化
合物は、前述したように、眼圧を下げる作用を有してい
る。例えば、実験室の実験では、表1に示される結果を
得た。
【0030】
【表1】
【0031】表中の比較化合物AおよびBは、それぞれ
特開昭63-107927 号中実験例4に示される化合物および
特開平2-108 号中化合物 (30) で示される化合物を表わ
す。なお、PGD誘導体には、正常眼圧またはそれ以下
の眼圧を下げる作用はないという知見があり(特開昭63
-107927 号)、高眼圧ウサギを用いる実験系を用いた
(Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 16 (11) 987 (197
7)) 。
【0032】実験方法 体重4.0 kg前後の雄性日本白色ウサギを用いて、キモト
リプシンにより誘発された左眼のみが高眼圧のウサギモ
デルを作製した。ウサギは軽く保定し、0.4 %塩酸オキ
シブプロカインの点眼により表面麻酔を行ない、アプラ
ネーション・ニューマトノグラフ(Applanation Pneuma
tonogragh )を用いて眼圧を測定した。被験化合物は基
剤(濃グリセリンを2.5 %およびポリソルベート80を
2.0 %含む滅菌精製水)に溶解して、終濃度0.1 %にな
るよう調製し、ウサギの左眼に50μl点眼した。対照
として、基剤のみを同様に左眼に点眼した。下記の式を
用いて被検化合物の眼圧降下効果である△IOP(mmH
g)を求めた。なお、実験は各群3羽で行ない、その平
均値で示した。
【0033】△IOP=(IOPt −IOP0 )−(I
OPvt−IOPv0) IOPt :時間tにおける被検化合物群の眼圧 IOP0 :点眼前の被検化合物群の眼圧 IOPvt:時間tにおける基剤群の眼圧 IOPv0:点眼前の基剤群の眼圧
【0034】結果 表1から明らかなように、本発明化合物の内、実施例1
の化合物は、高眼圧ウサギの眼圧を低下させ、その最大
値は、5.7 mmHgであった。さらに点眼後、24時間
経過後も眼圧を低下させる作用を有していた。これに対
し、比較化合物Aは、点眼1時間後に眼圧を上昇させる
が、点眼6時間後に最大眼圧降下作用を示し、4.0 mm
Hgであった。またその作用は24時間後ではほぼ消失
していた。また比較化合物Bは、ほとんど眼圧を低下さ
せる作用はなかった。一方、本発明化合物の内、実施例
2の化合物は、点眼1時間後から作用を発現し、その効
果は4時間以上持続した。
【0035】結論 本発明化合物(Ia)(実施例1)は強い眼圧降下作用
を有し、しかも持続時間が長いという特徴を有してい
る。また発明化合物(Ib)(実施例2)は、点眼後す
ぐにその作用を発現するという特徴を有していることが
確かめられた。これらの事実より、ラセミ体においても
同様の効果を示すことが示唆される。一方、比較化合物
Aは点眼1時間後に眼圧上昇が見られた。緑内障治療剤
という眼圧を下げるべき薬剤においては一時的でも眼圧
を上昇させることは好ましいものではない。以上のよう
に、本発明化合物は緑内障予防剤および/または治療剤
として有用である。
【0036】
【毒性】本発明化合物の毒性は非常に低いものであり、
医薬として使用するために十分安全であると判断でき
る。
【0037】
【医薬品への適用】ヒトを含めた動物、特にヒトにおい
て眼圧を下げることは、緑内障の予防および/または治
療上有効な手段である。本発明化合物は、in vivo の系
における実験結果でも明らかなように、眼圧降下作用を
有するため、緑内障の予防および/または治療薬として
使用しうるものである。式 (I)で示される化合物を上記
の目的で用いるためには、通常、溶液剤の形で用いら
れ、汎用されている技術を用いて製剤化することができ
る。
【0038】例えば、点眼液であれば、滅菌精製水に塩
化ナトリウム、濃グリセリン等の等張化剤、リン酸ナト
リウム等の緩衝剤、ポリソルベート80等の可溶化剤、
エデト酸ナトリウム等の安定化剤、塩化ベンザルコニウ
ム等の防腐剤等を必要に応じて適宜選択して調製するこ
とができる。本発明化合物を点眼の形で投与するには、
症状、年齢、治療効果、処理時間等により異なるが、通
常、0.0001%〜0.5 %溶液として用いられる。好ましく
は0.001 %〜0.3 %溶液である。
【0039】
【実施例】以下、参考例、実施例および製剤例を挙げて
本発明を詳述するが、本発明はこれらにより限定される
ものではない。クロマトグラフィによる分離の箇所に示
されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または
展開溶媒を示し、割合は体積比を表わす。特別な記載の
ない場合は、NMRは重クロロホルム溶液中で測定して
いる。
【0040】参考例1 (1S,5R,6R,7R)−7−アセチルオキシ−6
−[(3S)−3−ヒドロキシオクチル]−3−オキソ
−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタンの合成
【0041】
【化19】
【0042】エタノール(300ml)に酸化白金(1.
0 g;10%)を加え、水素雰囲気下、10分間撹拌し
た。この反応液に(1S,5R,6R,7R)−7−ア
セチルオキシ−6−[(3S)−3−ヒドロキシオクテ
ニル]−3−オキソ−2−オキサビシクロ[3.3.
0]オクタン(10.0g)のエタノール(200ml)溶
液を加え、水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。反応
終了後、触媒をろ過により除去し、ろ液を減圧濃縮し、
真空乾燥し、下記物性値を有する標題化合物(10.0g)
を得た。 TLC : Rf 0.31 (酢酸エチル:ヘキサン=
4:1)。
【0043】参考例2 (1S,5R,6R,7R)−7−アセチルオキシ−6
−[(3S)−3−(2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)オクチル]−3−オキソ−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタンの合成
【0044】
【化20】
【0045】参考例1で合成した化合物(10.0g)の無
水塩化メチレン(150ml)溶液にジヒドロピラン
(5.84ml)およびdl−カンファースルホン酸(37
4mg)を加えた。反応混合物を室温で、30分間撹拌
した後、トリエチルアミン(0.5 ml)を加え、減圧濃
縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製
し、標題化合物(10.1g)を得た。 TLC : Rf 0.60 (酢酸エチル:ヘキサン=
4:1); 形状 : 淡黄色油状。
【0046】参考例3 (1S,5R,6R,7R)−7−ヒドロキシ−6−
[(3S)−3−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)
オクチル]−3−オキソ−2−オキサビシクロ[3.
3.0]オクタンの合成
【0047】
【化21】
【0048】参考例2で合成した化合物(10.1g)の無
水メタノール(115ml)溶液に無水炭酸カリウム
(3.52g)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で1時間撹
拌した。反応液にベンゼン(50ml)を加えた後、グ
ラスフィルターでろ過した。ろ液を減圧濃縮した。残留
物を真空乾燥し、下記物性値を有する標題化合物(9.0
g)を得た。 TLC : Rf 0.43 (酢酸エチル:ヘキサン=
4:1); 形状 : 淡黄色油状。
【0049】参考例4 (1S,5R,6R,7R)−7−t−ブチルジメチル
シリルオキシ−6−[(3S)−3−(2−テトラヒド
ロピラニルオキシ)オクチル]−3−オキソ−2−オキ
サビシクロ[3.3.0]オクタンの合成
【0050】
【化22】
【0051】参考例3で合成した化合物(9.0 g)のジ
メチルフォルムアミド(64ml)溶液に、イミダゾ−
ル(6.94g)およびt−ブチルジメチルシリルクロライ
ド(11.5g)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で3時間
撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(250ml)で希
釈し、1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩
水で順次洗浄した。反応溶液は、無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で
精製し、下記物性値を有する標題化合物(10.48 g)を
得た。 TLC : Rf 0.61 (酢酸エチル:ヘキサン=
1:1); 形状 : 淡黄色油状。
【0052】参考例5 (1S,5R,6R,7R)−7−t−ブチルジメチル
シリルオキシ−6−[(3S)−3−(2−テトラヒド
ロピラニルオキシ)オクチル]−3−ヒドロキシ−2−
オキサビシクロ[3.3.0]オクタンの合成
【0053】
【化23】
【0054】参考例4で合成した化合物(10.48 g)の
無水トルエン(150ml)溶液を−78℃に冷却し、
DIBAL(1.5 Mトルエン溶液;19.4ml)を滴下し
た。反応混合物を同温度で15分間撹拌した後、メタノ
ールを加えた。反応液を0℃まで昇温し、水(4ml)
を加えた。さらに、反応混合物を室温で1時間撹拌し
た。反応混合物は、グラスフィルターでろ過し、ろ液を
減圧濃縮した。残留物を真空乾燥し、下記物性値を有す
る標題化合物(10.53 g)を得た。 TLC : Rf 0.51 (酢酸エチル:ヘキサン=
1:1); 形状 : 無色油状。
【0055】参考例6 11−O−t−ブチルジメチルシリル−15−O−(2
−テトラヒドロピラニル)−13,14−ジヒドロ−P
GF2αの合成
【0056】
【化24】
【0057】4−カルボキシブチルトリフェニルホスフ
ィンブロマイド(29.3g)を真空下、60℃で5時間乾
燥した。これに無水トルエン(300ml)およびカリ
ウムt−ブトキサイド(14.58 g)を加え、アルゴン雰
囲気下、80℃で1時間撹拌した。反応液を冷却し、こ
れに参考例5で合成した化合物(10.53 g)の無水トル
エン(80ml)溶液を滴下した。反応混合物を0℃で
30分間、室温で30分間撹拌し、氷水(300ml)
に注いだ。反応混合物をシュウ酸でpH4に調整した。
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、減圧濃縮し、下記物性値を有する標題化合物
(23.9g)を得た。 TLC : Rf 0.30 (酢酸エチル:ヘキサン=
1:1)。
【0058】参考例7 11−O−t−ブチルジメチルシリル−15−O−(2
−テトラヒドロピラニル)−13,14−ジヒドロ−P
GF2αイソプロピルエステルの合成
【0059】
【化25】
【0060】参考例6で合成した化合物(23.9g)の無
水テトラヒドロフラン(300ml)溶液に、N−メチ
ル−2−クロロピリジニウムイオジド(22.05 g)、ジ
イソプロピルエチルアミン(30.1ml)、イソプロパノ
ール(33ml)および4−ジメチルアミノピリジン
(2.68g)を加えた。反応混合物をアルゴン雰囲気下、
室温で1時間撹拌した後、酢酸エチル(200ml)で
希釈し、1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食
塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減
圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:8)で精製し、下記
物性値を有する標題化合物(8.95g)を得た。 TLC : Rf 0.20 (酢酸エチル:ヘキサン=
1:8); 形状 : 無色油状。
【0061】参考例8 9−O−ホルミル−11−O−t−ブチルジメチルシリ
ル−15−O−(2−テトラヒドロピラニル)−13,
14−ジヒドロ−9−エピ−PGF2αイソプロピルエ
ステルの合成
【0062】
【化26】
【0063】参考例7で合成した化合物(8.95g)の無
水テトラヒドロフラン(90ml)溶液を0℃に冷却
し、ギ酸(1.0 ml)およびトリフェニルホスフィン
(7.08g)およびジエチルアゾジカルボキシラート(4.
25ml)を順次加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌
した後、酢酸エチル(100ml)で希釈した。希釈液
を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:10)
で精製し、下記物性値を有する標題化合物(7.47g)を
得た。 TLC : Rf 0.25 (酢酸エチル:ヘキサン=
1:6); 形状 : 無色油状。
【0064】参考例9 11−O−t−ブチルジメチルシリル−15−O−(2
−テトラヒドロピラニル)−13,14−ジヒドロ−9
−エピ−PGF2αイソプロピルエステルの合成
【0065】
【化27】
【0066】参考例8で合成した化合物(7.47g)の無
水プロパノール(60ml)溶液に無水炭酸カリウム
(4.98g)を加え、50℃で5時間撹拌した。この反応
混合物を1N塩酸(氷冷;80ml)に注ぎ、酢酸エチ
ル(50ml)で抽出した。有機層を水および飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮
し、下記物性値を有する標題化合物(7.16g)を得た。 TLC : Rf 0.31 (酢酸エチル:ヘキサン=
1:3); 形状 : 無色油状。
【0067】参考例10 9,15−O−ビス(2−テトラヒドロピラニル)−1
1−O−t−ブチルジメチルシリル−13,14−ジヒ
ドロ−9−エピ−PGF2αイソプロピルエステルの合
【0068】
【化28】
【0069】参考例9で合成した化合物(7.16g)の無
水塩化メチレン(50ml)溶液に、ジヒドロピラン
(2.2 ml)およびdl−カンファースルフォン酸(1
39mg)を加え、室温で40分間撹拌した。反応液に
トリエチルアミン(0.2 ml)を加え、減圧濃縮した。
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エ
チル:ヘキサン=1:10)で精製し、下記物性値を有
する標題化合物(8.16g)を得た。 TLC : Rf 0.50 (酢酸エチル:ヘキサン=
1:3); 形状 : 無色油状。
【0070】参考例11 9,15−O−ビス(2−テトラヒドロピラニル)−1
3,14−ジヒドロ−9−エピ−PGF2αイソプロピ
ルエステルの合成
【0071】
【化29】
【0072】参考例10で合成した化合物(8.13g)の
無水テトラヒドロフラン(50ml)溶液に、テトラブ
チルアンモニウムフルオライド(1.0 M;46ml;T
HF溶液)を加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌し
た後、酢酸エチル(100ml)で希釈した。希釈液を
1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水
で順次洗浄した。希釈液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製
し、下記物性値を有する標題化合物(6.07g)を得た。 TLC : Rf 0.09 (酢酸エチル:ヘキサン=
1:3); 形状 : 淡黄色油状。
【0073】参考例12 9,15−O−ビス(2−テトラヒドロピラニル)−1
3,14−ジヒドロ−9−エピ−PGDイソプロピル
エステルの合成
【0074】
【化30】
【0075】参考例11で合成した化合物(2.26g)の
アセトン溶液(24ml)を−24℃に冷却し、ジョー
ンズ試薬(2.67M;3.0 ml)を滴下した。反応混合物
を−20℃で1時間撹拌した後、イソプロパノールを加
えた。反応液を0℃で、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
を用いてアルカリ性に調整した後、ろ過した。ろ液を飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減
圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製し、下記
物性値を有する標題化合物(2.22g)を得た。 TLC : Rf 0.30 (酢酸エチル:ヘキサン=
1:3); 形状 : 無色油状。
【0076】実施例1 13,14−ジヒドロ−9−エピ−PGDイソプロピ
ルエステルの合成
【0077】
【化31】
【0078】参考例12で合成した化合物(2.32g)に
65%酢酸とテトラヒドロフラン(10:1)の混合物
(52ml)を加え、室温で7時間撹拌した。反応液に
氷を加えた後、炭酸水素ナトリウム粉末を少しずつ加え
てpHを8.0 に調整した。反応液を酢酸エチル(400
ml)で抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノー
ル:塩化メチレン=1:40)で精製し、下記物性値を
有する標題化合物(635mg)を得た。
【0079】 TLC : Rf 0.40 (エチルエーテル); IR(液膜法): ν 3431, 2931, 2860, 1733, 145
6, 1375, 1249, 1160, 1106 cm-1 ; NMR(CDCl3):δ 5.62-5.38 (2H, m), 4.98
(1H, m), 4.20-4.00 (1H, m), 3.60-3.40 (1H, m), 2.9
0-1.10 (26H, m), 1.20 (6H, d), 0.85 (3H, t); 形状 : 無色油状。
【0080】実施例2 13,14−ジヒドロ−9−エピ−15−エピ−PGD
イソプロピルエステルの合成
【0081】
【化31】
【0082】出発物質として(1S,5R,6R,7
R)−7−アセチルオキシ−6−[(3R)−3−ヒド
ロキシオクテニル]−3−オキソ−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタンを用い、参考例1から12およ
び実施例1と同様の操作により、下記の物性値を有する
標題化合物を得た。
【0083】TLC : Rf 0.24 (酢酸エチル:
ヘキサン=1:1); IR(液膜法): ν 3431, 2932, 2860, 1733, 145
6, 1375, 1248, 1180, 1110, 1021 cm-1 ; NMR(CDCl3):δ 5.60-5.35 (2H, m), 4.98
(1H, m), 4.20-4.00 & 3.60-3.40 (1H, br), 3.90-3.65
(1H, br), 3.16-3.00 & 2.85 (1H), 2.80-2.60(1H),
2.40-1.15 (30H), 0.86 (3H, t) ; 形状 : 無色油状。
【0084】
【製剤例】滅菌精製水に濃グリセリンおよびポリソルベ
ート80を加えた後、13,14−ジヒドロ−9−エピ
−PGDイソプロピルエステルを加え溶解し、下記処
方の点眼液を得た。
【0085】処方1 13,14−ジヒドロ−9−エピ−PGD イソプロピルエステル …… 0.001 g 濃グリセリン …… 2.5 g ポリソルベート80 …… 0.2 g 滅菌精製水 …… 適量 計 100ml
【0086】処方2 13,14−ジヒドロ−9−エピ−PGD イソプロピルエステル …… 0.02 g 濃グリセリン …… 2.5 g ポリソルベート80 …… 2.0 g 滅菌精製水 …… 適量 計 100ml
【0087】処方3 13,14−ジヒドロ−9−エピ−PGD イソプロピルエステル …… 0.05 g 濃グリセリン …… 2.5 g ポリソルベート80 …… 2.0 g 滅菌精製水 …… 適量 計 100ml
【0088】処方4 13,14−ジヒドロ−9−エピ−PGD イソプロピルエステル …… 0.3 g 濃グリセリン …… 2.5 g ポリソルベート80 …… 2.0 g 滅菌精製水 …… 適量 計 100ml
【化32】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 で示される13,14−ジヒドロ−9−エピ−プロスタ
    グランジンDイソプロピルエステル。
  2. 【請求項2】 式(Ia) 【化2】 で示される13,14−ジヒドロ−9−エピ−プロスタ
    グランジンDイソプロピルエステル。
  3. 【請求項3】 式(Ib) 【化3】 で示される13,14−ジヒドロ−9−エピ−プロスタ
    グランジンDイソプロピルエステル。
  4. 【請求項4】 式(II) 【化4】 (式中、THPは2−テトラヒドロピラニル基を表わ
    す。)で示される化合物を酸性条件下、加水分解反応に
    付すことを特徴とする式(I) 【化5】 で示される13,14−ジヒドロ−9−エピ−プロスタ
    グランジンDイソプロピルエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 式(I) 【化6】 で示される13,14−ジヒドロ−9−エピ−プロスタ
    グランジンDイソプロピルエステルを有効成分として
    含有する緑内障予防剤および/または治療剤。
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