JP2003531824A - フルプロステノールおよび関連プロスタグランジンF2α類似体の内部1,15−ラクトン、ならびに緑内障および眼高血圧の治療におけるそれらの使用 - Google Patents

フルプロステノールおよび関連プロスタグランジンF2α類似体の内部1,15−ラクトン、ならびに緑内障および眼高血圧の治療におけるそれらの使用

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JP2003531824A JP2001556865A JP2001556865A JP2003531824A JP 2003531824 A JP2003531824 A JP 2003531824A JP 2001556865 A JP2001556865 A JP 2001556865A JP 2001556865 A JP2001556865 A JP 2001556865A JP 2003531824 A JP2003531824 A JP 2003531824A
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Abstract

(57)【要約】 F系列のプロスタグランジン化合物(PGF)の新規な誘導体、特にフルプロステノール、および関連PGF類似体、たとえばクロプロステノール、またはラタノプロストなどの大環状内部1,15−ラクトンである。この新規な類似体は、眼科用液剤に配合することができ、緑内障による眼内圧上昇の治療、眼高血圧の低減のために局所的に適用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は、F系列のプロスタグランジン化合物(PGF)の新規な誘導体に関
し、より詳細には、フルプロステノールおよび関連PGF類似体の内部1,15
−ラクトン、ならびに緑内障によってなど上昇した眼内圧の治療、および眼高血
圧の低減のためにそれらを使用することに関する。
【0002】 プロスタグランジンは、20炭素原子脂肪酸の一群であり、プロスタン酸の構
造誘導体であって、多岐にわたる生体系において有用な活性を示す。したがって
、プロスタグランジンは、多岐にわたる疾病状態の治療および予防において有用
な薬剤である。プロスタグランジン、およびそれらの使用に関するより詳しい解
説は、Oates等、New England J.Med.、Vol.319
、No.11、689〜698頁、およびVol.319、No.12、761
〜768頁(1988)、ならびにその中で引用された参考文献を参照されたい
【0003】 プロスタグランジンF2α(PGF2α)は、天然プロスタグランジンであり
、広く製造され、数ある用法のなかで特に堕胎薬として様々な商標名で販売され
ている。The Merck Index、第12版(1996)、モノグラフ
8065、1354頁を参照されたい。天然プロスタグランジンは、眼内圧を下
げるために局所的に適用できることも、当技術分野でよく知られている。しかし
ながら、天然プロスタグランジンは一般的に、眼の炎症、および表面刺激を引き
起こす。
【0004】 芳香族基および他の置換基をオメガ鎖に含むPGF2α類似体が調製されてお
り、天然化合物に比べて、より効力があり、選択性のある薬剤であることが見出
されている。この種の代表的なPGF2α類似体は、フルプロステノール、16
−(メタ−トリフルオロメチルフェノキシ)−17,18,19,20テトラノ
ルPGF2αであり、その薬理学的プロフィールは、The Merck In
dex、第12版(1996)、モノグラフ4231、711頁に記載されてい
る。残念なことに、既知の合成類似体も、天然化合物と同じ望ましくない副作用
を引き起こす。したがって、眼内圧を低減するための、より炎症性の低い化合物
が当技術分野において求められている。
【0005】 いくつかの単純PGF2α類似体エステルは、眼高血圧の治療に有用な、有効
かつ選択性のある薬剤であることが知られている。たとえば、ラタノプロストは
、13,14−ジヒドロ−17−フェニル−18,19,20−トリノルPGF2α のイソプロピルエステルであり、緑内障の臨床治療のために、Xalata
nの商標名で広く販売されている。The Merck Index、第12版
(1996)、モノグラフ5387、918頁を参照されたい。同様に、フルプ
ロステノールおよび類似のPGF2α類似体、たとえばクロプロステノールなど
のイソプロピルエステルは、米国特許第5665773号において抗高血圧剤と
して特に権利が主張されている。天然PGF2α(構造I)、フルプロステノー
ル(構造II)、およびラタノプロスト(構造III)の構造を以下に示す。こ
れらの薬剤の概説は、LindenおよびAlm、Drugs and Agi
ng、Vol.14、No.5、387〜398頁(1999)を参照されたい
【0006】
【化4】 PGF2αおよびその類似体のエステルは、投与されるエステル形態が内生の
眼エステラーゼ酵素によって加水分解され、有効薬剤としてPGF2α類似体遊
離酸を放出するので、眼においてプロドラッグとして作用すると考えられている
。しかしながら、これも同様にイソプロパノール、またはメタノールなどの毒性
、刺激性の小脂肪族アルコールを眼に放出する。このプロスタグランジンエステ
ルの潜在的な副作用は、これらのエステルを眼に使用することを具体的に述べた
初期の発明の1つにおいて、L.Z.Bitoによって認識されている(米国特
許第4599353号を参照のこと)。この刺激性の副作用は、より最近、虹彩
メラノサイト過形成、および色素過剰の形態でも認められ、Unoprosto
neなどのイソプロピルエステルの眼科用液剤で処置された患者において実証さ
れている(Rescula(商標)Ciba Visionに関するNDA21
〜214の2頁を参照のこと)。
【0007】 前述の事柄に加えて、ラタノプロストおよびフルプロステノールなどのPGF2α 類似体化合物のイソプロピルエステルは、極めて粘性の高いガラス質の油で
あり、取り扱いや、眼科用液剤への配合が困難である。さらに悪いことに、これ
らの化合物は、潜在的に毒性の処理用溶媒を保持している傾向がある。したがっ
て、取り扱いが容易で、加水分解に際して刺激性アルコールを放出しないプロス
タグランジン類似体の形態が求められている。
【0008】 したがって、本発明の目的の1つは、天然化合物および既知の類似体に比べて
炎症性および毒性副作用の少ない、眼内圧の低減に有用な新規のPGF2α類似
体を提供することである。
【0009】 本発明の他の目的は、容易に取り扱うことができ、薬剤として許容される眼科
用液剤に配合することのできる、好ましくは規則的な高融点の結晶を形成する新
規のPGF2α類似体を提供することである。
【0010】 本発明の他の目的は、加水分解に際して眼に毒性刺激物を放出しない新規のP
GF2αエステル類似体を提供することである。
【0011】 (発明の概要) 上述の目的および他の目的は、新規なプロスタグランジン大環状内部1,15
−ラクトン、特にPGF2α類似体、たとえば16−アリールオキシプロスタグ
ランジン類似体など、例示的にはフルプロステノールまたはクロプロステノール
の内部1,15−ラクトンを物質態様の組成物において提供する本発明によって
達成される。
【0012】 本発明者は、C−15のアルコール基とC−1カルボン酸との間に炭素−酸素
結合を作ることによって、PGF2α類似体の内部エステルを形成できることを
発見した。これによって、新規な望ましい特性を有する大環状ラクトンが作られ
る。実際に、この新規な類似体のいくつかは、高結晶性構造を形成し、たとえば
眼科用液剤に容易に配合される。これらのPGF2α類似体1,15−ラクトン
の加水分解は、小脂肪族アルコール副生成物を生成せずに、活性PGF2α類似
体遊離酸のみを放出する。このように、これらの化合物は、ヒトまたは動物の眼
において眼内圧の上昇を引き起こす緑内障および他の障害の治療に理想的な、独
特なプロドラッグである。
【0013】 本明細書において、「プロスタグランジン」という用語は、プロスタン酸誘導
体のいずれか1つを意味することを意図するものであり、環型A、B、C、D、
E、F、G、H、I、J、およびKを含むが、とりわけF型のものである。「誘
導体」という用語は、それらをプロスタノイド、特にプロスタン酸、またはPG
2αと明確に関連させる化学的親和性、類似性、または構造特性を有するすべ
ての化合物を意味することを意図している。「類似体」という用語は、新しい分
子化合物を生ずるように、いくつかの原子、たとえば炭素、水素、酸素など、あ
るいはヘテロ原子、たとえば窒素、硫黄、またはハロゲン化物などが親構造に添
加されているか、あるいは親化合物から除去されている、天然生成物、この場合
にはプロスタグランジンまたは関連合成類似体のいくらか変性された任意の変種
を意味することを意図している。
【0014】 本発明の化合物は、一般式I:
【化5】 (式中、XはO、S、NHまたはCH2であり; R1およびR2は同一であって、かつH、CH3またはFであり; R9はH、またはC1〜C20直鎖、飽和もしくは不飽和もしくは分枝鎖アシルで
あり; R11はH、またはC1〜C20直鎖、飽和もしくは不飽和もしくは分枝鎖アシル
であり; は単結合、またはシスもしくはトランス2重結合の任意の組合せを表しており
; ZはH、Cl、Br、I、CF3、CH3、またはC1〜C10直鎖もしくは分枝
鎖アルキルであり; YはO、S、NHまたはCH2である)を有する。
【0015】 好ましい実施形態において、内部1,15−ラクトンは、PGF2α類似体、
フルプロステノールの類似体である。特に、式Iの構造を有し、式中、R9およ
びR11がHであり;Yが極性置換基O、S、またはNHの1つであり;ZがCH3 であるフルプロステノールの類似体は高結晶性であり、したがって局所に適用
する眼科用液剤に容易に配合される。
【0016】 本発明の特定の好ましい実施形態において、化合物はフルプロステノールの1
,15−ラクトン(構造IV)、クロプロステノールの1−15−ラクトン(構
造V)、およびラタノプロストの1,15−ラクトン(構造VI)である。
【0017】
【化6】 PGF2α類似体の1,15−ラクトンは本発明の好ましい実施形態であるが
、PGF2α類似体の類似1,9ラクトンおよび1,11−ラクトンが、対応す
るメチルまたはイソプロピルエステルに対する同様の利点をいくつか有するであ
ろうことは直観的に明らかであり、したがって、これらの9員および11員環プ
ロスタグランジン、およびプロスタグランジン類似体環状ラクトンは、特に本発
明の範囲内の化合物である。
【0018】 式Iの化合物は、ヒトおよび他の動物において眼内圧を低減するのに有効であ
り、したがって、眼内圧の上昇を引き起こす緑内障、および他の障害の治療に有
用である。したがって、本発明の一使用方法においては、式Iの構造を有する少
なくとも1種の化合物の治療上有効量を、上昇した眼内圧を治療するために、罹
患した眼に投与する。好ましい投与経路は、無菌眼科用液剤を眼に直接、局所適
用することによるものである。
【0019】 局所投与用の組成物の形成する場合、本発明の化合物は一般的に、適切な緩衝
剤を用いてpH4.5から8.0の間、もっとも好ましくは7.0〜7.6の間
に緩衝化された水溶液中の、約0.00003から約3重量%(wt%)溶液と
して配合される。この化合物は、好ましくは約0.0003から約0.3wt%
の間、もっとも好ましくは約0.003から約0.03wt%の間で配合される
【0020】 局所投与の投与量範囲は、1日に1つの眼に対して、約0.1から100マイ
クログラム(μg)の間、もっとも好ましくは1日に1つの眼に対して、1から
10μgの間である。厳密な投薬計画は、その臨床家の自由裁量に委ねられるが
、得られた溶液を1日に1回または2回、それぞれの眼に1滴入れることによっ
て局所適用することが推奨される。
【0021】 本発明による局所眼科用組成物または製剤は概して、薬剤として許容される担
体、および治療上有効量の式Iの化学構造を有する少なくとも1種の化合物を含
む。
【0022】 典型的な製剤において、有効薬剤のための担体は、酸性または塩基性pH調整
剤を用いて、生理的に許容されるpHレベルに緩衝化された水溶液である。当然
ながら、その溶液の容量オスモル濃度は、塩化ナトリウム(NaCl)、または
塩化カリウム(KCl)などの、当技術分野で知られている容量オスモル濃度調
整剤を用いて調整される。本発明の眼科用製剤に用いるのに望ましい可能性のあ
る他の成分には、保存剤、補助溶媒、および粘度上昇剤が含まれる。
【0023】 眼科用生成物は、典型的に複数回投与量形態で容器に入れられ、一般に、使用
中の微生物汚染を防ぐために、保存剤の添加を必要とする。適切な保存剤には、
塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン、プ
ロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、ソルビン
酸、ONAMER M(商標)、または当業者に知られている他の薬剤が含まれ
る。そのような保存剤は、典型的に約0.001重量%から約1.0重量%の間
の濃度で用いられる。
【0024】 プロスタグランジン、特にエステル誘導体は、典型的に、水に対しては限られ
た溶解性しか有さず、したがって、組成物中に界面活性剤、または他の適切な補
助溶媒を必要とする可能性がある。そのような補助溶媒には、Polysorb
ate20、60、および80、Pluronic F−68、F−84、およ
びP−103、Tyloxapol(商標)、Cremophor(商標)EL
、ドデシル硫酸ナトリウム、グリセロール、PEG400、プロピレングリコー
ル、シクロデキストリン、または当業者に知られている他の薬剤が含まれる。そ
のような補助溶媒は典型的に、約0.01重量%から約2重量%の間の濃度で用
いられる。
【0025】 有効な化合物の眼による吸収を高め、製剤の分配のばらつきを低減し、製剤の
懸濁液またはエマルション成分の物理的分離を低減し、かつ/または眼科用製剤
のその他の改善を行うためには、単なる水溶液の粘性よりも高い粘性が望ましい
場合がある。そのような粘度上昇剤には、たとえば、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、または当業者に知られている他の薬剤が含まれる。そのような
薬剤は典型的に、約0.01重量%から約2重量%の間の濃度で用いられる。
【0026】 特定の例示的な実施形態において、上昇した眼内圧を治療するための本発明に
よる局所用製剤は、以下を含む。
【0027】 成分 量(重量%) フルプロステノール1,15−ラクトン 0.002 デキストラン70 0.1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.3 塩化ナトリウム 0.77 塩化カリウム 0.12 EDTA二ナトリウム 0.05 塩化ベンザルコニウム 0.01 HClおよび/またはNaOH pH=7.0〜7.6となる量 精製水 100%となる十分量
【0028】 (発明の詳細な説明) 本発明の化合物は、以下の実施例に記載のように、市販の出発原料から合成す
ることができる。以下の実施例に記載する合成手順は、代表的なもので、限定的
なものではない。一般に、式Iで表されるいずれの化合物も、当業者に知られて
いる類似の技法および手順によって調製することができる。
【0029】 実施例1 フルプロステノール1,15−ラクトンの合成 図1は、フルプロステノール1,15−ラクトン(構造IV)を生成するため
に用いた例示的合成スキームである。
【0030】 4Lの3口丸底フラスコを、オーブンで一晩、110℃で乾燥し、添加漏斗、
オーバーヘッド攪拌機、および乾燥窒素ガス送込管を取り付けた。乾燥粉末の水
素化ナトリウム(NaH、0.617mol、14.8g)を、無水テトラヒド
ロフラン(THF)1.5Lに懸濁した。この混合物を、外部氷浴を用いて0℃
に冷却、m−トリフルオロメチルクレゾール75ml(100g、0.617m
ol)を滴加し、0℃で1時間、22℃で2時間攪拌した。次いで反応混合物を
0℃に冷却、ブロモ酢酸メチル(47.3ml、0.5mol)を滴加した。こ
の混合物を、さらに0℃で2時間、22℃で1時間攪拌した。次いで酢酸エチル
1.5Lを添加し、混合物を6Lの分液漏斗に移した。水2Lを添加、層を分離
した。有機層を、1Lのブラインで2回洗浄、固体無水硫酸ナトリウムで乾燥、
溶媒を蒸発して、黄色油としてトリフルオロメチル化合物ii、150gを得た
【0031】 この生成物は合成の次のステップにそのまま用いてもよく、あるいはより確実
には、フラッシュクロマトグラフィで精製して、より精製された形態で用いるこ
ともできる。トリフルオロメチル化合物ii(86g)を、無水THF1.5L
に溶解し、乾燥窒素下、3口の3L丸底フラスコ上の2L添加漏斗に入れる。ジ
メチルメチルホスホネート(63.3ml)を直接、無水THF1.2Lと共に
3Lのフラスコに添加、機械攪拌機を用いて十分に攪拌しながら、外部ドライア
イス/アセトン浴で−78℃に冷却した。2.5Mのn−ブチルリチウム(21
7.6ml)を滴加した。混合物を−78℃で90分間攪拌、次いで化合物ii
の溶液を30分かけて滴加した。反応をさらに4時間、−78℃で維持し、周囲
温度で一晩攪拌した。反応混合物を、5%の硫酸水素カリウム(KHSO4)2
Lで酸性化し、6Lの分液漏斗に移した。それを酢酸エチル1.5Lで希釈、水
層を1Lの酢酸エチルで1回抽出し、廃棄した。有機層を合わせ、中性までブラ
イン1Lずつで洗浄し、固体硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を蒸発して、黄色油2
37gを得た。この油をケイ酸充填のフラッシュクロマトグラフィで精製、ヘキ
サン:酢酸エチル20:80で溶出した。純粋画分を合わせ、蒸発して、ホスホ
ネート化合物iii、175gを得た。
【0032】 ホスホネート化合物iii(175.2g、537mmol)、Coreyア
ルデヒド(122.6g、447mmol)、および塩化リチウム(22.8g
、537mmol)を、滴下漏斗を取り付けた5Lの丸底フラスコに、窒素雰囲
気下で加えた。両頭針を用いて、無水THF3Lをフラスコに添加した。反応混
合物を、氷および塩化ナトリウムを用いて、−4℃から−10℃に外部から冷却
した。この反応混合物に、トリエチルアミン(75ml、537mmol)を3
時間かけて滴加した。反応混合物を室温に温め、周囲温度で一晩攪拌した。酢酸
エチル1L、および水1Lを添加して、反応混合物を希釈した。5%の硫酸水素
カリウムを添加して、反応混合物のpHを中性にした。反応混合物を、6Lの分
液漏斗に移した。有機相を、水相から分離した。水相を酢酸エチル500mlで
抽出、廃棄した。合わせた有機抽出物を、ブライン200mlで洗浄、硫酸ナト
リウムで乾燥した。減圧下、回転エバポレータで溶媒を除去し、250gの油を
得た。この油を、溶出剤として酢酸エチル:ヘキサン40:60を用いてシリカ
ゲルカラムで精製し、エノン化合物iv、145gを得た。
【0033】 3Lの3口丸底フラスコ中、水素化アルミニウムリチウム(THF1M溶液)
420mlに、窒素雰囲気下、エタノール(THF2M溶液)210mlを滴加
した。次いで、THF300mlに溶解した(S)−ビナフトール120g(4
20mmol)を反応混合物に滴加した。反応混合物を、周囲温度で1時間攪拌
した。次いで反応混合物を、ドライアイスエーテル浴中で、外部から−100℃
に冷却した。続いて、THF300ml中のエノン化合物iv(100g、21
0mmol)を滴加した。反応混合物を、−100℃で4時間、−78℃で48
時間攪拌した。反応混合物にメタノール200mlを−78℃で添加、反応混合
物を室温に温めた。次いで反応混合物を、5%硫酸水素カリウムを用いてpH6
に酸性化した。次いで反応混合物を、酢酸エチル1500ml、および水150
0mlで希釈した。有機相を、水相から分離した。水相を酢酸エチル750ml
で抽出、廃棄した。合わせた有機相を、ブライン1000mlで洗浄、硫酸ナト
リウムで乾燥した。減圧下、回転エバポレータで溶媒を除去し、200gの油を
得た。この油を、溶出剤としてアセトン:ヘキサン10:90を用いてシリカゲ
ルカラムで精製し、ベンゾエートアルコール化合物v、60gを得た。
【0034】 ベンゾエートアルコール化合物v(60g、126mmol)のメタノール9
00ml溶液を、2Lの丸底フラスコに入れた。炭酸カリウム(K2CO3、21
g、159mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度で90分間攪拌した。反
応混合物を0℃に冷却し、5%硫酸水素カリウムを用いてpH6に酸性化した。
反応混合物をブライン1500mlで希釈し、酢酸エチル1Lで2回抽出した。
有機層を合わせ、pHが中性になるまでブラインで洗浄した。有機相を硫酸ナト
リウムで乾燥、減圧下、回転エバポレータで濃縮し、油を得て、それを溶出剤と
して酢酸エチル:ヘキサン90:10を用いてシリカゲルカラムで精製し、所望
のラクトンジオール化合物viを得た。
【0035】 3Lのジャケット付きフラスコに、機械攪拌機、および温度マイクロプロセッ
サを備え付けた。窒素雰囲気下、このフラスコにラクトンジオール化合物vi(
〜148g、0.397mol)、および塩化メチレン約2000mlを投入し
た。この混合物を溶解するまで攪拌した。
【0036】 約7当量のエチルビニルエーテル(266ml、2.779mol)をフラス
コに添加、続いて約0.1当量のトリクロロ酢酸(6.49g、0.0397m
ol)を添加した。薄層クロマトグラフィ(TLC)を用いて反応経過をモニタ
することによって、反応が完了したと判断されるまで、反応混合物を室温で攪拌
した。この場合、反応混合物を出発原料のスポットと並べて、シリカゲルTLC
プレートにスポットした。スポットしたプレートを、80%酢酸エチル、20%
へキサン(v/v)を含有するTLC槽に置いた。展開するために、TLCプレ
ートは、硫酸と水の50:50(v/v)混合物を噴霧し、加熱した。場合によ
っては、反応を完了させるために、反応混合物を30℃±5°に加熱する必要の
ある可能性がある。
【0037】 反応混合物の反応が完了する間、250mlのエルレンマイヤーフラスコ中で
、炭酸水素カリウム約10gと水道水約100mlを合わせ、溶解するまで回転
することによって、10%炭酸水素カリウム溶液を調製した。1Lのエルレンマ
イヤーフラスコ中で、塩化ナトリウム約140gと水道水約500mlを合わせ
、溶解するまで回転することによって、28%塩化ナトリウム溶液も調製した。
【0038】 反応が完了したと判断したときに、10%炭酸水素カリウム溶液約100ml
を反応混合物に添加し、約20分間攪拌した。反応混合物を、6Lの分液漏斗に
注いだ。反応器として用いた3Lのジャケット付きフラスコを塩化メチレン約2
00mlで洗浄、分液漏斗に加えた。分液漏斗を攪拌して相を混合し、底部の有
機層を抜いて、4Lのフラスコに入れた。残存する水性炭酸水素カリウム層を、
塩化メチレン約200mlで洗浄した。有機相を集め、水相を廃棄した。
【0039】 集めた有機相を分液漏斗で水道水約200mlを用いて洗浄し、水相を廃棄し
た。有機相を再び、28%塩化ナトリウム溶液約500mlで洗浄した。水相を
廃棄し、集めた有機相を4Lのフラスコに入れ、硫酸ナトリウム約100gを添
加し、約30分待つことによって乾燥した。
【0040】 乾燥した有機相は、硫酸ナトリウムを4Lのフラスコにデカントした。硫酸ナ
トリウムを塩化メチレン約700mlで洗浄、デカントし、有機溶液と合わせた
。集め乾燥した反応混合物から、真空中、回転エバポレータで2L丸底フラスコ
を用いて少しずつ溶媒を蒸発し、反応混合物を減じて粘性油、ジエトキシエチル
エーテル化合物viiとした。
【0041】 トルエン約2300mlを含む2L丸底フラスコに、二保護ジエトキシエチル
エーテル化合物viiを溶解、洗浄し、6Lのジャケット付き容器に注いだ。攪
拌溶液の温度を−70℃±10℃に維持しながら、両頭針を用いて、約1.5当
量のジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL)のトルエン溶液(1.5
M溶液)を30から60分かけてゆっくりと、6Lの反応器に取り付けた添加漏
斗に移した。TLCによって完了をモニタしながら、反応混合物を−70℃±1
0℃で、約2.5時間攪拌した。完了をモニタするために、反応混合物を出発原
料のスポットと並べて、シリカゲルTLCプレートにスポットした。スポットし
たプレートを、50%酢酸エチル、50%へキサン(v/v)を含有するTLC
槽に置いた。展開するために、TLCプレートは、硫酸と水の50:50(v/
v)混合物を噴霧し、加熱した。反応が完了したと判断したときに、加熱サーキ
ュレータを停止した。
【0042】 1Lのエルレンマイヤーフラスコ中で、約0.31当量の水道水(DIBAL
に対して)、および約700mlのTHFを合わせ、冷却した。6Lの反応器に
取り付けた添加漏斗から攪拌溶液に、水とTHFの冷却混合物を添加することに
よって、過剰のDIBALを分解した。水/THF溶液は、1滴ずつ、ゆっくり
と添加するべきである。特に最初の50〜100mlは、発泡が起こる可能性が
あるので、非常にゆっくりと添加されるべきである。添加中に温度を上昇させた
。添加が完了したら、温度は0℃から45℃の間となるべきである。
【0043】 Fisherサーキュレータを用いて、反応物を約20℃に加熱、次いで約1
時間攪拌した。温度は約28℃±10℃に維持されるべきである。約30分後、
塩が水和しているので、反応物は加熱する傾向がある。1時間かけて、反応混合
物は、鈍い黄色がかった茶色から、チタンホワイトのスラリーとなった。
【0044】 分離フラスコ中でトルエン約990ml、およびTHF約660mlを合わせ
た。2Lのガラス漏斗に約2インチのセライト545を入れ、それを完全に覆う
ように、セライトの上部に十分な混合物を注いだ。反応が完了したら、吸引のた
めに水アスピレータを用い、セライト上でスラリーを濾過した。濾過中、窒素の
気流を濾過用漏斗に向けた。濾過ケーク、および反応器を、トルエン/THFで
洗浄した。濾過ケークを廃棄した。溶媒を蒸発して、粘性黄色油としてラクトー
ル化合物viiiを得て、それを精製することなく、そのまま次のステップに用
いた。
【0045】 4−カルボキシブチルトリフェニルホスフィンブロミド(8.57g、19.
34)をTHF(無水)30mlに懸濁した。カリウムt−ブトキシド(38.
68ml、38.68mmol)を、この懸濁液にゆっくりと添加した。反応混
合物を室温で45分間攪拌し、次いで氷/NaClを用いて、−10℃に冷却し
た。続いて、無水THF20mlに溶解したラクトール化合物viiiを、1滴
ずつ反応混合物に添加した。結果として生じた反応混合物を、−10℃で2時間
攪拌、次いで室温に上げ、5%KHSO4を用いて酸性化し、ブライン200m
lで希釈した。この混合物を、酢酸エチル200mlを用いて2回抽出した。有
機抽出物をブライン200mlで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、蒸
発した。カラムのフラッシュにアセトン/ヘキサン40:60を用い、酸洗浄シ
リカゲルで混合物を精製した。集めた生成物、11,15−ジ−(2−エトキシ
エチル)−フルプロステノール、化合物ixの質量は、5.75gであった(収
率98.0%)。
【0046】 化合物ix(5.75g、9.48mmol)を、無水アセトニトリル40m
lに溶解した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.8g、5.12ml
、29.44mmol)、およびヨードメタン(4.04g、1.77ml、2
8.44mmol)を、この溶液に添加した。反応混合物を0℃で30分間攪拌
し、次いで、室温で一晩攪拌した。反応混合物を、酢酸エチル200mlで希釈
し、水200mlで洗浄、次いでブライン200mlで洗浄した。有機抽出物を
硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、蒸発した。カラムのフラッシュに酢酸エチル/ヘ
キサン40:60を用い、通常のシリカゲルカラムで、油状残渣を精製した。集
めた生成物、11,15−ジ−(2−エトキシエチル)−フルプロステノールメ
チルエステル、化合物xの質量は、5.55gであった(収率94.89%)。
【0047】 化合物x(5.58g、8.99mmol)を、ジメチルホルムアミド(DM
F)50mlに溶解した。t−ブチル−ジメチルシリルクロリド(TBDMSク
ロリド、5.39g)、およびイミダゾール(2.68g)を、この溶液に添加
した。反応混合物を室温で一晩攪拌し、その後、酢酸エチル200mlに取り、
ブライン50mlで洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発した。カラムのフラッ
シュに酢酸エチル/ヘキサン10:90を用い、通常のシリカゲルカラムで、こ
の油状残渣を精製した。集めた生成物、9−TBDMS−11,15−ジ−(2
−エトキシエチル)−フルプロステノールメチルエステル、化合物xiの質量は
、5.99gであった(収率94.65%)。
【0048】 化合物xi(5.99g、8.67mmol)をメタノール40mlに溶解し
、1Mの水酸化ナトリウム26ml(26mmol)を1滴ずつ加えた。反応混
合物を室温で一晩攪拌した。次いで反応混合物を、5%KHSO4で酸性化し、
ブライン200mlで希釈、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機抽出物
をブライン100mlで2回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発した。溶出剤
として酢酸エチル/ヘキサン10:90を用い、酸洗浄シリカゲルカラムで、残
渣を精製した。集めた生成物、9−TBDMS−フルプロステノール11,15
−ジエトキシエチルエーテル、化合物xiiの質量は、5.64であった(収率
95.40%)。
【0049】 500mlの丸底フラスコ中で、THF100mlに、化合物xii(3g)
を溶解し、窒素雰囲気下、室温で攪拌した。0.5Mの塩酸(2.0ml)を添
加した後、反応混合物を周囲温度で2時間攪拌した。次いで反応混合物を酢酸エ
チルで希釈、ブラインで飽和し、酢酸エチルで1回抽出した。合わせた有機溶媒
を、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下で溶媒を除去して、粘性油として、フル
プロステノール9−TBDMSエーテル、化合物xiii、2.57gを得た。
【0050】 化合物xiii(2.57g、5.9mmol)を、無水(無酸素)キシレン
30mlに溶解した。この溶液に、2,2’−ジピリジルジスルフィド(1.5
9g、7.2mmol)、およびトリフェニルホスフィン(1.89g、7.2
mmol)を添加した。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で24時間攪拌した。
上に記載したように、アセトン/ヘキサン40:60で展開したTLCプレート
によって反応経過を確かめた。結果として生じた生成物は、粗チオピリジルエス
テル9−TBDMSフルプロステノール、化合物xivであった。
【0051】 無水o−キシレン(180ml)を、窒素雰囲気下、1000ml丸底フラス
コで還流させた。粗化合物xiv溶液を、還流キシレンにゆっくり添加した。次
いで、混合物を窒素雰囲気下で3時間還流した。反応混合物を室温に冷まし、2
4時間攪拌した。反応経過を、アセトン/ヘキサン/酢酸40:60:1で展開
したTLCプレートで確認した。生じた粗ラクトン混合物を蒸発して、粘性油を
得て、それをシリカゲル(300g)充填クロマトグラフィで精製し、アセトン
:ジクロロメタン1:4で溶出した。
【0052】 所望の9−TBDMSフルプロステノール1,15−ラクトン、化合物xvを
含有する画分を合わせ、蒸発して、無色の粘性油として、所望の化合物370m
gを得た。この油を、50mlの丸底フラスコに移した。アセトニトリル(10
ml)中40%フッ化水素酸(HF)95:5の混合物を油に添加し、混合物を
周囲温度で5時間攪拌した。次いで、混合物を酢酸エチル100mlで希釈し、
ブライン100mlずつで3回洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、
蒸発して、粘性薄膜として、粗フルプロステノール1,15−ラクトン、化合物
xviを得た。粗ラクトンを、ケイ酸充填で精製し、アセトン:ジクロロメタン
15:85で溶出した。純粋画分を合わせ、蒸発して、半固体塊を得た。この塊
を、ジエチルエーテル/ヘキサンから再結晶して、化合物xvi(構造IV)の
微細白色結晶125gを得たが、これは127〜128℃で急激に溶解した。I
Rスペクトルは、1559、1498、1451、1332(C−F)、124
0、1168、1126、1042、979、870、および795cm-1の追
加帯と共に、3452(OH)、2933(CH)、1708(C=O)、16
53および1617(C=C、E、およびZ)に強い吸収帯を示した。
【0053】 化合物xviの質量スペクトルは、APIモードのFinnegan LCQ
質量分析計で行い、分子イオン(440amu)−H2O(18)−トリフルオ
ロメチルクレゾール(161)に対応する261.1amuのベースピークを得
た。さらに、トリフルオロメチルクレゾールの損失後の分子イオンに対応する2
79.1amuに強いピークが認められた。分子イオン自体は認められず、メタ
ノール溶液として機器に注入したとき、ラクトンのメタノリシスに一致する47
2amuでイオンが認められた。同様にエタノール溶液として注入したとき、4
86amuで、エチルエステルの分子量のより大きなイオンが認められた。
【0054】 CDCl3におけるプロトンNMRは以下を示した。複合多重線7.0〜7.
4ppm(4H)、複合多重線5.8〜6.1ppm(2H)、非分解多重線5
.5〜5.7ppm(2H)、非分解多重線5.3〜5.5ppm(1H)、非
分解多重線4.0〜4.3ppm(4H)、非分解多重線1.1〜2.5ppm
(積分不可能、少なくとも12H)。
【0055】 アセトン:ジクロロメタン40:60で溶出した順相、シリカゲルG−60プ
レートによるフルプロステノール1,15−ラクトンのTLC分析は、Rf=0
.5に単一のスポットを与え、この系におけるフルプロステノールの同時スポッ
ト標準のRfは0.0である。0.5%酢酸を展開溶媒に加えたとき、フルプロ
ステノール1,15−ラクトンのRfは変わらず、フルプロステノールのRfは
0.16に増大した。メタノール2mlに溶解し、1MのNaOH2mlで処理
したフルプロステノール1,15−ラクトンのサンプル2mgは、0.5%酢酸
を含有するアセトン:ジクロロメタン40:60においてフルプロステノール標
準と供移動する、より極性の生成物に2時間で転換された。
【0056】 実施例2 ラタノプロスト1,15−ラクトンの合成 図2は、17−フェニル−20,19,18−トリノルPGF2αの1,15
−ラクトン、すなわちラタノプロスト1,15−ラクトン(構造VI)を調製す
るために用いた例示的合成スキームである。
【0057】 出発化合物は、市販のベンゾエートラクトンジオール、化合物xxである(C
ayman Chemicalカタログ番号70039を参照のこと)。化合物
xx、すなわち13,14−ジヒドロ−15(R)−ヒドロキシ−17−フェニ
ルPGラクトン11−ベンゾエート(6.0g、14.69mmol)を、乾燥
した500mlの丸底フラスコ中で、DMF(無水)60mlに溶解した。イミ
ダゾール(3.03g、44.07mmol)、およびTBDMSクロリド(6
.64g、44.07mmol)を、窒素雰囲気下、攪拌しながらゆっくり添加
した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。次いで反応混合物を水200mlで希
釈、酢酸エチル300mlで抽出、5%硫酸水素カリウムで酸性化し、ブライン
200mlで洗浄した。合わせた水性混合物を、酢酸エチル200mlで2回抽
出した。有機抽出物を、ブライン200mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、濾過、蒸発した。混合物を、500gのシリカゲル充填フラッシュク
ロマトグラフィで精製、酢酸エチル/ヘキサン15:85で溶出した。生成物、
一保護15−TBDMSエーテル化合物xxiは、透明、無色の粘性油であった
。集めた生成物の質量は、7.42gであった(収率96.6%)。
【0058】 化合物xxiは、酢酸エチル/ヘキサン15:85で展開し、硫酸/炭化で視
覚化したシリカゲル−G TLCプレートで、Rf=0.20に単一のスポット
を示した。重水素化クロロホルムに溶解した化合物xxiで行ったNMRスキャ
ン(300MHz−Bruker)は、8.05ppmに2重線(2H)、7.
6ppmに多重線(1H)、7.5ppmに3重線(2H)、7.2〜7.4p
pmに多重線(5H)、5.1〜5.2ppmに一対の多重線(2H)、3.7
ppmに多重線(1H)、2.3〜3.0ppmに広い多重線(8H)、1.3
〜1.8ppmに広い多重線(7H)、0.9ppmに単一の鋭い1重線(9H
)、および0.02ppmに別の鋭い1重線(6H)を示し、後者の2つは、そ
れぞれジメチルシリル、およびt−ブチルメチルシリル基であった。
【0059】 電磁攪拌機を備え、窒素注入口、および添加漏斗を取り付けた500mlの丸
底フラスコ中で、無水トルエン50mlに化合物xxi(7.42g、9.48
mmol)を溶解した。このフラスコを−78℃に冷却し、DIBALの1.0
M溶液57mlを、20分かけて滴加した。混合物を−78℃に維持し、2時間
攪拌した。その後、水42ml、およびTHF84mlを、30分かけて添加漏
斗を通して滴加した。反応物を2時間強く攪拌しながら、室温に温めた。次いで
反応溶液を、セライトのパッドを通して濾過し、固体をトルエンで洗浄した。濾
液から溶媒を蒸発させ、透明の粘性油、ラクトール化合物xxiiを得た。
【0060】 化合物xxiiを無水THF30mlに溶解し、添加漏斗に入れた。窒素注入
口、攪拌棒、および化合物xxiiを含有する添加漏斗を備えた、乾燥した10
00ml丸底フラスコ中で、4−カルボキシブチルトリフェニルホスホニウムブ
ロミド(15.6g、35.5mmol)を、無水THF40mlと合わせた。
THF(71ml)中の1.0Mカリウムt−ブトキシドを、シリンジを介して
、そのままトリフェニルホスホニウムブロミドの攪拌スラリーに室温で添加し、
1時間反応させた。反応混合物は、暗いオレンジ色になった。反応混合物を0℃
に冷却し、添加漏斗の内容物を15分かけて滴加し、反応混合物をさらに18時
間攪拌した。次いでこの溶液を、水250ml、酢酸エチル250ml、および
飽和硫酸水素カリウムで、pHが3未満になるまで希釈した。混合物を酢酸エチ
ル200mlで3回抽出した。合わせた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄、無水硫
酸ナトリウムで乾燥、蒸発して、粗黄色油を得て、それを500gの酸洗浄(p
H6.2未満)シリカゲル充填のクロマトグラフにかけ、ジクロロメタン中15
%アセトンで溶出した。生成物含有画分を合わせ、溶媒を蒸発して、13,14
−ジヒドロ−17−フェニル20,19,18−トリノルプロスタグランジンF2α 、15−TBDMSエーテル化合物xxiii6.0g(収率85%)を得
た。
【0061】 同様にラタノプロスト脂肪酸、15−TBDMSエーテルと呼ばれる化合物x
xiiiは、アセトン:ジクロロメタン:酢酸15:85:1で溶出し、硫酸/
炭化で視覚化したシリカゲルGF TLCプレートで、Rf0.25を有する。
化合物xxiiiを重水素化クロロホルムに溶解して、NMR(300MHz−
Bruker)を行ったが、7.2〜7.25ppmに多重線(5H)、5.4
ppmに広い多重線(2H)、この範囲全体に及ぶ明確でない広い吸収帯(1H
)に重なった3.7、3.9、および4.1ppmの明確でない3つの多重線(
3H)、1.3〜2.8ppmに広い多重線(31H)、0.9ppmに単一の
鋭い1重線(9H)、および0.02ppmに別の鋭い1重線(6H)を示し、
後者の2つは、それぞれジメチルシリル、およびt−ブチルメチルシリル基であ
った。
【0062】 化合物xxiii(6.0g、11.9mmol)の無水アセトニトリル50
ml溶液を、500mlの丸底フラスコに入れ、窒素雰囲気下、室温で攪拌した
。この溶液を0℃に冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(6.2ml、35.
7mmol)を添加し、続いてヨードメタン2.2ml(35.7mmol)を
添加した。反応混合物を0℃で1時間、次いで室温で12時間攪拌した。混合物
を酢酸エチルで希釈、水(200ml)で洗浄、次いでブライン(200ml×
3)で洗浄、無水固体硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発し、粗生
成物を、15×5cmのシリカゲル充填カラムでクロマトグラフにかけ、酢酸エ
チル/ヘキサン40:60で溶出した。純粋画分を合わせ、ラタノプロストメチ
ルエステル、15−TBDMSエーテル化合物xxiv5.5gを得た。
【0063】 化合物xxivは、酢酸エチル:ヘキサン40:60で溶出し、硫酸/炭化で
視覚化したシリカゲルGF TLCプレートで、Rf0.35を有する。化合物
xxivを重水素化クロロホルムに溶解して、NMR(300MHz−Bruk
er)を行ったが、7.2〜7.25ppmに多重線(5H)、5.4ppmに
広い多重線(2H)、3.7、3.9、および4.1ppmに明確でない3つの
多重線(3H)、3.65ppmに鋭い1重線(3H)、1.3〜2.8ppm
に広い多重線(31H)、0.9ppmに単一の鋭い1重線(9H)、および0
.02ppmに別の鋭い1重線(6H)を示し、後者の2つは、それぞれジメチ
ルシリル、およびt−ブチルメチルシリル基であった。
【0064】 化合物xxiv(4.5g、8.7mmol)の無水ジクロロメタン100m
l溶液を、250mlの丸底フラスコ中、窒素雰囲気下、室温で攪拌した。エチ
ルビニルエーテル(8.3ml、10当量)を、触媒量(142mg)のトリク
ロロ酢酸と共に、そのフラスコに加えた。反応混合物を室温で3日間攪拌した。
その後、混合物をブラインに注入、酢酸エチルで抽出した。抽出物をブラインで
3回洗浄、固体硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発した。二保護、ジ
エトキシエチルエーテル粗化合物を、95×5cmシリカゲル充填カラムでクロ
マトグラフにかけ、酢酸エチル/ヘキサン10:90で溶出し、二保護化合物x
xv(1.6g)の純粋画分を、一保護化合物(2.9g)から分離した。
【0065】 純粋な二保護化合物xxv、9,11−ジエトキシエチルエーテル、15−T
BDMSエーテルラタノプロストメチルエステルは、酢酸エチル:ヘキサン15
:85で溶出し、硫酸/炭化で視覚化したシリカゲルGF TLCプレートで、
Rf0.35を有する。化合物xxvを重水素化クロロホルムに溶解し、NMR
(300MHz−Bruker)を行ったが、7.2〜7.25ppmに多重線
(5H)、5.4ppmに広い多重線(2H)、アセタールメチンプロトンを表
す4.7ppmの多重線(2H)、この領域全体に及ぶ明確でない広い吸収帯(
1H)に重なった3.7、3.9、および4.1ppmの明確でない3つの多重
線(3H)、3.65ppmに鋭い1重線(3H)、および3.5〜3.6pp
mに多重線(4H)、1.3〜2.8ppmに広い多重線(31H)、0.9p
pmに単一の鋭い1重線(9H)、および0.02ppmに別の鋭い1重線(6
H)を示し、後者の2つは、それぞれジメチルシリル、およびt−ブチルメチル
シリル基であった。
【0066】 化合物xxv(1.3g)の無水THF25ml溶液を、200mlの丸底フ
ラスコで、窒素雰囲気下、室温で攪拌した。THF(25ml)中のフッ化t−
n−ブチルアンモニウムの1.0M溶液を添加、混合物を室温で一晩攪拌した。
次に混合物を、5%硫酸水素カリウムで酸性化し、酢酸エチルで抽出、合わせた
抽出物をブライン100mlで洗浄、その後、固体硫酸ナトリウムで乾燥した。
揮発性溶媒を減圧下で蒸発し、粗生成物を、30×1.5cmシリカゲル充填カ
ラムで精製、酢酸エチル/ヘキサン30:70で溶出した。純粋画分を合わせ、
純粋化合物xxvi、9,11−ジエトキシエチルエーテルラタノプロストメチ
ルエステル350mgを得た。
【0067】 化合物xxviは、酢酸エチル:ヘキサン30:70で溶出し、硫酸/炭化で
視覚化したシリカゲルGF TLCプレートで、Rf0.26を有する。この生
成物を重水素化クロロホルムに溶解し、NMR(300MHz−Bruker)
を行ったが、7.2〜7.25ppmに多重線(5H)、5.4ppmに広い多
重線(2H)、アセタールメチンプロトンを表す4.7ppmに多重線(2H)
、この領域全体に及ぶ明確でない広い吸収帯(1H)に重なった3.7、3.9
、および4.1ppmの明確でない3つの多重線(3H)、3.65ppmに鋭
い1重線(3H)、および3.5〜3.6ppmに多重線(4H)、1.3〜2
.8ppmに広い多重線(31H)を示し、TBDMS基を表すピークは明らか
に不在であった。
【0068】 メタノール5ml、およびTHF1.5ml中の化合物xxvi(350mg
)溶液を、100mlナス型フラスコ中、室温で攪拌した。水酸化カリウムの1
M水溶液(1.5ml)を添加、混合物を室温で一晩攪拌した。その後、5%硫
酸水素カリウム10mlで反応を停止した。混合物を酢酸エチルで抽出、有機抽
出物をブライン50mlで洗浄、固体無水硫酸ナトリウムで乾燥した。揮発性溶
媒を減圧下で蒸発、粗生成物を、酸洗浄(pH=5.0)シリカゲルを充填した
72×2cmシリカゲル充填カラムで精製し、酢酸エチル/ヘキサン30:70
で溶出した。純粋画分を合わせ、純粋な二保護酸、9,11−ジエトキシエチル
エーテルラタノプロスト遊離酸、化合物xxvii320mgを得た。
【0069】 化合物xxviiは、酢酸エチル/ヘキサン/酢酸30:70:1で溶出し、
硫酸/炭化で視覚化したシリカゲルGF TLCプレートで、Rf0.27を有
する。化合物xxviiを重水素化クロロホルムに溶解し、NMR(300MH
z−Bruker)を行ったが、7.2〜7.25ppmに多重線(5H)、5
.4ppmに広い多重線(2H)、アセタールメチンプロトンを表す4.7pp
mに多重線(2H)、この領域全体に及ぶ明確でない広い吸収帯(1H)に重な
った3.7、3.9、および4.1ppmの明確でない3つの多重線(3H)、
3.5〜3.6ppmに多重線(4H)、1.3〜2.8ppmに広い多重線(
31H)を示した。
【0070】 化合物xxvii(200mg)の無水キシレン5ml溶液を、250ml丸
底フラスコ中、窒素雰囲気下、室温で攪拌した。トリフェニルホスフィン(14
7mg)、および2,2’−ジピリジルジスルフィド108mgをこの溶液に添
加、生じた混合物を室温で18時間攪拌した。次いで混合物を、無水キシレン5
0mlで希釈、3時間還流、室温に冷却して、一晩攪拌した。溶媒を高真空下で
蒸発、残存する油を、pH5.0のケイ酸を充填した62×1.5cmシリカゲ
ルカラムでクロマトグラフにかけ、アセトン/ヘキサン10:90で溶出した。
純粋画分を合わせ、蒸発して、純粋な化合物xxviii、9,11−ジエトキ
シエチルラタノプロスト1,15−ラクトン89mgを得た。
【0071】 化合物xxviiiは、アセトン/ヘキサン20:80で溶出し、硫酸/炭化
で視覚化したシリカゲルGF TLCプレートで、Rf0.57を有した。化合
物xxviiiを重水素化クロロホルムに溶解し、NMR(300MHz−Br
uker)を行ったが、7.2〜7.25ppmに多重線(5H)、5.5pp
mに広い多重線(2H)、5.3〜5.4ppm、および5.2ppmに多重線
(1H)、アセタールメチンプロトンを表す4.7ppmに多重線(2H)、3
.7、3.9、および4.1ppmに明確でない3つの多重線(1H)、3.4
〜3.8ppmに明確でない多重線(4H)、および1.3〜2.8ppmに広
い多重線(31H)を示した。
【0072】 化合物xxviii(89mg)の無水THF2ml溶液を、0.5M塩酸1
mlで処理し、50mlナス型フラスコ中、窒素雰囲気下、室温で攪拌した。反
応混合物を室温で2時間攪拌し、次いで酢酸エチル50mlで希釈、ブライン5
0mlで洗浄、固体硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発した。粗生
成物を、46×1cmシリカゲル充填カラムのクロマトグラフィによって精製し
、アセトン/ヘキサン25:75で溶出した。純粋画分を合わせ、無色粘性油と
して、最終生成物、化合物xxvix、ラタノプロスト1,15−ラクトン(構
造VI)39mgを得た。
【0073】 化合物xxvixは、酢酸エチル/ヘキサン/酢酸40:60:1で溶出した
シリカゲルGF TLCプレートでRf0.61を有し、これは酢酸がTLC溶
媒から除去されたとき、変化しなかった。視覚化は、硫酸/炭化で行った。化合
物xxvix2mgを4時間、メタノール1ml、および1Mの水酸化カリウム
1mlで処理したとき、化合物はより極性なラタノプロストの遊離酸形態に転換
し、これは酢酸を含まない溶媒系においてRf0を有し、酢酸エチル/ヘキサン
/酢酸40:60:1においてRfは0.2であり、別の全合成によって調製さ
れたラタノプロストの標準と共移動した。この生成物を重水素化クロロホルムに
溶解し、NMR(300MHz−Bruker)を行ったが、7.2〜7.3p
pmに多重線(5H)、5.1〜5.45ppmに広い多重線(3H)、3.6
〜4.2ppmに多重線(3H)、および0.9〜2.8ppmに広い多重線(
29H)を示した。FinneganLCQ質量分析計で行った質量スペクトル
は、m/e373.0で分子イオンを示し、H2O(355.1)、および2×
2O(337.2)の損失を示した。
【0074】 実験結果 フルプロステノールを含む、PGF2α類似体の抗眼高血圧活性は、科学界に
おいて知られている。しかしながら、PGF2αの16−および17−アリール
置換類似体の新規な1,15−ラクトンに作用する角膜エステラーゼの能力、そ
れによって活性遊離酸が放出されることはこれまで示されていない。したがって
本発明者は、基質としてフルプロステノール1,15−ラクトン(構造IV;実
施例I、化合物xvi)を利用する角膜エステラーゼの能力に関して試験を行い
、実証した。
【0075】 角膜エステラーゼ酵素によるフルプロステノール1,15−ラクトンの酵素加
水分解は、フルプロステノール1,15−ラクトン500μgを、約40mgの
新しく収集したウシ角膜組織を含有するpH7.4リン酸緩衝化食塩水10ml
に懸濁することによって、実証された。この混合物を37℃でインキュベートし
、0.5%酢酸を含有する40:60のアセトン:ジクロロメタンを用い、薄層
クロマトグラフィ(TLC、AnaltechシリカゲルG−60プレート)に
よって、2時間、4時間、および18時間の時間間隔で分析した。プレートは、
メタノールに溶解したバニリン、およびリン酸を噴霧し、続いてホットプレート
上で炭化することによって視覚化した。角膜エステラーゼによって加水分解され
ることが知られているPGF2αメチルエステルを、コントロールと同じ手順に
供した。
【0076】 結果を、それぞれ2時間(図3Aおよび3C)、4時間(図3Bおよび3D)
展開したクロマトグラフィプレートの影像である図3A〜3Dに示す。図3Aお
よび3Bでは、レーン1は、PGF2αメチルエステル標準、レーン2は、PG
2αメチルエステルとウシ角膜組織との混合物、レーン3は、PGF2α遊離
酸標準である。図3Cおよび3Dでは、レーン1は、フルプロステノール1,1
5−ラクトン標準、レーン2は、フルプロステノール1,15−ラクトンとウシ
角膜組織との混合物、レーン3は、フルプロステノール遊離酸標準である。4時
間で、新規なフルプロステノール1,15−ラクトンの加水分解による遊離酸の
放出が明らかに示される(図3Dを参照し、レーン2および3を比較のこと)。
【0077】 フルプロステノール1,15−ラクトン標準(図4A)、および4時間インキ
ュベートした後のフルプロステノール1,15−ラクトンとウシ角膜組織との混
合物(図4B)に関するHPLC分析結果の図式表示である図4Aおよび4Bに
記載の条件で、フルプロステノール1,15−ラクトンとウシ角膜組織との混合
物をさらにHPLCを用いて分析した。図4Bは、フルプロステノール1,15
−ラクトンのフルプロステノール遊離酸への転換が4時間後に50%超完了した
ことを示している。この酵素加水分解の割合は、正のコントロールとして同一の
インキュベーション条件下でプロスタグランジンF2αイソプロピルエステル(
未表示)を用いて得られたものと類似している。
【0078】 本発明を特定の実施形態および適用例に関して述べたが、当業者は、本教示に
かんがみて、本発明の範囲を超えることなく、あるいは精神を逸脱することなく
、付加的な実施形態を創造できる。したがって、本開示の図面および説明は、本
発明の理解を容易にするために提供されるものであって、その範囲を限定するも
のであると解釈されるべきではないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フルプロステノール1,15−ラクトンを製造するための例示的合成スキーム
である。
【図2】 ラタノプロスト1,15−ラクトンを製造するための例示的合成スキームであ
る。
【図3】 角膜エステラーゼ酵素によるPGF2αメチルエステルおよびフルプロステノ
ール1,15−ラクトンの酵素加水分解を示す、それぞれ2時間(図3A、3C
)、および4時間(図3B、3D)展開したクロマトグラフィプレートの影像で
ある。
【図4A】 フルプロステノール1,15−ラクトン標準に関する高圧液体クロマトグラフ
ィ(HPLC)分析結果の図式表示である。
【図4B】 4時間インキュベートした後のフルプロステノール1,15−ラクトンとウシ
角膜組織との混合物に関する高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)分析結果の
図式表示である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 112 A61P 43/00 112 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C062 JJ70 4C076 AA12 BB24 CC10 DD19R DD22Z DD23D DD49Z EE30G EE32G FF14 FF17 FF61 4C086 AA01 AA02 AA03 BA17 DA05 MA03 MA05 MA17 MA58 NA14 ZA33 ZC12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: 【化1】 (式中、XはO、S、NHまたはCH2であり; R1およびR2は同一であって、かつH、CH3またはFであり; R9はH、またはC1〜C20直鎖、飽和もしくは不飽和もしくは分枝鎖アシルで
    あり; R11はH、またはC1〜C20直鎖、飽和もしくは不飽和もしくは分枝鎖アシル
    であり; は単結合、またはシスもしくはトランス2重結合の任意の組合せを表しており; ZはH、Cl、Br、I、CF3、CH3、またはC1〜C10直鎖もしくは分枝
    鎖アルキルであり; YはO、S、NHまたはCH2である)の化合物。
  2. 【請求項2】 R9およびR11がHであり;YがO、S、またはNHであり
    ;かつZがCH3である請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 XがCH2であり;R1、R2がHであり;YがOであり;か
    つZがCF3である請求項1に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 XがCH2であり;R1、R2がHであり;YがOであり;か
    つZがClである請求項1に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 XがCH2であり;R1、R2がHであり;YがCH2であり;
    かつZがHである請求項1に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 ヒトまたは動物の眼において上昇した眼内圧を治療する方法
    であって、一般式: 【化2】 (式中、XはO、S、NHまたはCH2であり; R1およびR2は同一であって、かつH、CH3またはFであり; R9はH、またはC1〜C20直鎖、飽和もしくは不飽和もしくは分枝鎖アシルで
    あり; R11はH、またはC1〜C20直鎖、飽和もしくは不飽和もしくは分枝鎖アシル
    であり; は、単結合、またはシスもしくはトランス2重結合の任意の組合せを表しており
    ; ZはH、Cl、Br、I、CF3、CH3、またはC1〜C10直鎖もしくは分枝
    鎖アルキルであり; YはO、S、NHまたはCH2である)を有する少なくとも1種の化合物の治
    療上有効量を眼に投与するステップを含む治療方法。
  7. 【請求項7】 化合物が、フルプロステノールの1,15−ラクトン、クロ
    プロステノールの1,15−ラクトン、およびラタノプロストの1,15−ラク
    トンからなる群より選ばれたものである請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 製薬上許容される担体および治療上有効量の一般式: 【化3】 (式中、XはO、S、NHまたはCH2であり; R1およびR2は同一であって、かつH、CH3またはFであり; R9はH、またはC1〜C20直鎖、飽和もしくは不飽和もしくは分枝鎖アシルで
    あり; R11はH、またはC1〜C20直鎖、飽和もしくは不飽和もしくは分枝鎖アシル
    であり; は、単結合、あるいはシスまたはトランス2重結合の任意の任意の組合せを表し
    ており; Zは、H、Cl、Br、I、CF3、CH3、あるいはC1〜C10直鎖または分
    枝鎖アルキルであり; YはO、S、NHまたはCH2である)を有する少なくとも1種の化合物を含
    む、上昇した眼内圧を治療するための局所眼科用組成物。
  9. 【請求項9】 化合物が、フルプロステノールの1,15−ラクトン、クロ
    プロステノールの1,15−ラクトン、およびラタノプロストの1,15−ラク
    トンからなる群より選ばれたものである請求項8に記載の局所眼科用組成物。
  10. 【請求項10】 上昇した眼内圧を治療するための局所用製剤であって、重
    量パーセントで以下の各成分: フルプロステノール1,15−ラクトン 0.002 デキストラン70 0.1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.3 塩化ナトリウム 0.77 塩化カリウム 0.12 EDTA二ナトリウム 0.05 塩化ベンザルコニウム 0.01 HClおよび/またはNaOH pH=7.0〜7.6となる量 精製水 100%となる十分量 を含む局所用製剤。
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