JPH06219754A - 光学素子成形用型 - Google Patents

光学素子成形用型

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JPH06219754A
JPH06219754A JP2744493A JP2744493A JPH06219754A JP H06219754 A JPH06219754 A JP H06219754A JP 2744493 A JP2744493 A JP 2744493A JP 2744493 A JP2744493 A JP 2744493A JP H06219754 A JPH06219754 A JP H06219754A
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JP
Japan
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thermal conductivity
aln
molding die
glass
molding
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JP2744493A
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Toshiaki Hayashi
俊明 林
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • C03B11/084Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03B2215/02Press-mould materials
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    • C03B2215/02Press-mould materials
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレス成形時に光学ガラスの中心部と外周部
との温度差をなくするように冷却する。 【構成】 主成分のAlN粉末に焼結剤としてYF3
末を添加し、成形面5の中心部の円柱形状2を形成す
る。また、主成分のAlN粉末に焼結助剤としてY2
3 粉末を添加し、円柱形状2の外周部に成形面5の外周
部となる円筒形状3をを形成する。円柱形状2はYF3
の添加により円筒形状3をに比べ熱伝導率が大きくな
る。これにより、成形面5の中心部の冷却速度が速くな
り、成形ガラスの肉厚が大きい中心部の冷却を速め、肉
厚の小さい外周部との温度差をなくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱軟化した光学ガラ
ス素材をプレス成形した後、研磨工程を必要としない高
精度光学ガラス素子の製造を行う際に用いる光学素子成
形用型に関する。
【0002】
【従来の技術】光学ガラス素子の設計において、レンズ
部の簡略化のため非球面を用いる方向にあるが、非球面
光学ガラス素子を製造する際、従来の研磨による方法で
は量産化が困難であった。そこで、近年、光学ガラスを
成形可能に加熱軟化し、高精度の非球面形状を持つ成形
型にてプレス成形する方法が開発されている。ところ
が、このプレス成形方法では、高温状態で軟化した光学
ガラス素材と成形型とが接触した後、光学ガラス素子と
成形型の径方向に熱分布が生じ、成形型で加圧冷却する
際、中心部と外周部で冷却速度が異なる問題があった。
そのため、例えば、凸レンズの成形では、中心部の肉厚
が大きいため中心部の冷却速度が外周部より遅くなり、
ヒケが発生する不具合があった。そのため、例えば、特
開平1−270529号公報で開示されるように、成形
型の外周部に断熱材を設けて熱分布の発生を防止する提
案がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平1−2
70529号公報の成形型により径の大きい凸形状の光
学素子や中心肉厚の大きい凸形状の光学素子を成形する
際、中心部と外周部との温度差は小さくなるが、成形型
からの熱の発散が妨げられるため成形型の表面(成形
面)温度が全体的に高くなり、成形型と光学ガラスとが
反応しやすくなって、成形型と光学ガラスとの融着が生
じやすくなる問題があった。また、凹形状の光学素子を
成形する場合では、外周部の肉厚が中心部より大きいた
め外周部のガラス温度を積極的に下げる必要があるが、
成形型の外周部の冷却を防止しているため、逆に光学ガ
ラスの冷却を阻止する結果となって成形型の表面温度が
高くなり、凸形状の光学阻止と同様に成形型と光学ガラ
スとが融着しやすくなる問題点があった。
【0004】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、成形型の熱伝導性を中心部と外周部と
を変化させることにより、光学素子の形状において成形
中の冷却速度を成形型の熱伝導にて制御して光学ガラス
の冷却速度をコントロールし、熱分布の発生を防止して
高精度の光学素子を形成することができる光学素子成形
用型を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の光学素子成形用型は、AlNを主成分とし
かつ中心部と外周部とに異なる焼結助剤を添加して得た
焼結材により中心部と外周部とで熱伝導率が異なるよう
に、少なくとも成形面を成形し、プレス成形の際の冷却
時に光学ガラスの中心部と外周部の温度差をなくすこと
にした。
【0006】
【作用】成形型の主成分であるAlNは、セラミックス
のなかでは熱伝導率が極めて高い特性を有する材料であ
るが、その高熱伝導率を得るためにはAlNに添加する
焼結助剤が重要な役割を果たす。例えば、AlNに助剤
2 3 を3〜4重量%添加し焼結すると、熱伝導率は
100〜140W/mKが得られる。また、AlNに助
剤YF3 を2〜3重量%添加し焼結すると220W/m
Kの熱伝導率が得られる。このように、高熱伝導率が得
られるのは以下の要因による。
【0007】AlN粉末は、表面に多くの酸化物層を生
成しており、焼結の際、添加した焼結助剤は、液体状態
になりAlN粒子表面の酸化物層と反応し粒界にAlと
Yとの複合酸化物層を形成する。よって、組織はAlN
粒子とその粒界に存在する複合酸化物層とで構成され、
AlNは高純度化し、高熱伝導性が得られる。ここで助
剤YF3 は助剤Y2 3 より酸素含有量が少なく、かつ
Yの特性上酸化物の方が安定であるため、YF3 が酸化
物になりやすい。よって、焼結の際、酸化反応がY2
3 よりしやすいため、AlN粉末の表面に生成している
酸化物層の多くを複合酸化物層とすることができる。し
かし、Y2 3 はYF3 よりAlN粉末の表面に生成し
ている酸化物層を複合酸化物層とする量が少ないため、
熱伝導率はYF3 を添加したときより低くなる。
【0008】また、上記生成した複合酸化物は、AlN
粒子の三重点にトラップされる性質がある。一方、Al
Nを焼結する際、炭素が混入する場合が多い。そのた
め、混入した炭素は、上記複合酸化物と共に三重点にト
ラップされる問題がある。炭素は、AlNの熱伝導率を
低下させる原因の1つであるが、YF3 に関してはY2
3 より炭素を三重点にトラップしにくい特性があるた
め、焼結の際に炭素は酸素と反応しガスとなって揮発
し、よって不純物炭素の含有量が減少するため、熱伝導
率はYF3 添加の方がY2 3 より高くなる。
【0009】つぎに、添加する焼結助剤を成形面の中心
部と外周部とで変化させたときの作用を説明する。凸レ
ンズを成形する場合、外周部はガラス量が少ないため中
心部より早く冷却されるため、中心部に熱が溜まりヒケ
が生じやすくなる。そこで、助剤YF3 を添加した熱伝
導率の高いAlN焼結材を中心部に配置し、外周部には
中心部より熱伝導率の低いY2 3 を助剤としたAlN
焼結材を配置する。これにより、成形面の中心部は、熱
伝導率が高いため冷却速度が速くなり積極的に熱を奪い
早く冷却されるが、外周部は中心部より熱伝導率が低く
冷却速度が遅くなる。よって、中心部と外周部とで冷却
速度を変化させることにより温度差なく冷却でき、ヒケ
を生じさせることなく高精度の光学素子が成形可能とな
る。
【0010】また、凹レンズを成形する場合、外周部は
ガラス量が多いため中心部が早く冷却するため、中心部
が早く固まり熱応力により割れが生じやすくなる。そこ
で、助剤Y2 3 を添加した熱伝導率の低いAlN焼結
材を中心部に配置し、外周部には中心部より熱伝導率の
高いYF3 を助剤としたAlN焼結材を配置する。これ
により、成形面の外周部は、熱伝導率が高いため冷却速
度が速くなり積極的に熱を奪い早く冷却されるが、中心
部は外周部より熱伝導率が低く冷却速度が遅くなる。よ
って、中心部と外周部とで冷却速度を変化させることに
より温度差なく冷却でき、割れを生じさせることなく高
精度の光学素子が成形可能となる。
【0011】
【実施例1】図1は、本発明に係る光学素子成形用型の
実施例1を示す断面図である。本実施例の成形用型1
は、凸レンズを成形するためのもので、中心部に熱伝導
率の高い円柱形状2の焼結材を配置し、円柱形状2の外
周部に熱伝導率の低い円筒形状3の焼結材を一体的に形
成して構成されている。
【0012】次に、この成形用型1の製造方法を説明す
る。まず、高純度AlN粉末(純度99.9%以上)と
YF3 粉末とを重量比97:3の割合で5時間混合し、
分散媒として蒸留水を加え100℃、3時間乾燥する。
その後、成形圧力1.5トンで図2(A)に示すような
円柱形状2に成形する。
【0013】次に、高純度でAlN粉末(純度99.9
%以上)とY2 3 粉末とを重量比97:3の割合で4
時間混合し、分散媒として蒸留水を加え100℃、3時
間乾燥する。そして、その混合粉末により上記円柱形状
2の外周部に円筒形状3を一体的に圧縮形成し、図2
(B)に示すブランク4を製造する。
【0014】その後、ブランク4を窒素雰囲気中で65
0〜700℃の範囲で加熱し脱脂を行う。この脱脂を3
時間行った後、1850℃まで10℃/分の昇温速度で
上昇させ、5時間その温度で保持しブランク4を本焼結
する。そして、加熱保持後10時間かけて徐冷する。こ
の焼結により、密度が約3.3g/cm3 の材料が得ら
れた。
【0015】次に、焼結したブランク4の外形をダイヤ
モンド砥石で研削して所望の形状に仕上げる。また、ガ
ラスレンズ成形面5をダイヤモンド砥石にて成形するレ
ンズ形状と近似した形状に研削加工した後、ダイヤモン
ドパウダーにて研磨加工し、その表面をRmax=0.
08μm以下に仕上げ、図1に示す成形型1を得る。こ
の成形型1の中心部を構成する円柱形状2の型材の熱伝
導率は220W/mKで、外周部を構成する円筒形状3
の熱伝導率は140W/mKであった。
【0016】この光学素子成形用型1(下型1a、上型
1b)を使用し、レンズ形状がφ28mm、中心厚さ6
mm、外周厚さ1.5mmの凸レンズをSK8の硝材を
用いて成形した。図3は、成形装置を示す概略図であ
る。まず、光学ガラスをルツボ6にて1250℃に加熱
溶融し、溶融ガラス7をノズル8から排出してシャー9
により所定量に切断し、図示を省略したヒータによりガ
ラス粘度で1012〜1014ポアズに相当する温度に保持
した下型1aの成形面上に供給する。その後、下型1a
を移動しヒータ10にて溶融ガラス7の上面を再加熱し
て表面のシワを除去し、かつガラス粘度で102 〜10
4 ポアズに相当する温度に保持する。
【0017】次に、下型1aを、図示を省略したヒータ
によりガラス粘度で1012〜1014ポアズに相当する温
度に保持した上型1bと同軸上まで移動し、上型1bを
下降してプレス時間5秒、プレス圧力5kgf/cm2
にてガラス7を成形する。そして、プレス開始3秒後に
下型1a、上型1bの外周部に、ガラス粘度で107
109 ポアズに相当する温度の不活性ガスを5秒間吹き
付けて、成形型1の外周部の温度を上昇させた後、さら
にプレス圧80kgf/cm2 に加圧し、プレス時間2
0秒で凸レンズを成形した。
【0018】本実施例によれば、光学素子成形用型1の
中心部の熱伝導率を高くして冷却速度を速くし、外周部
の熱伝導率を低くして冷却速度を遅くしたので、加圧冷
却するガラス7の温度分布を均一にすることができる。
したがって、凸レンズを成形する際、成形型1の中心部
は熱伝導性が高いため熱を早く奪い、外周部は熱伝導性
が低いため熱を奪いにくく、全体的にガラス7を均一状
態で冷却が可能となり、高精度のガラス成形レンズを得
ることができた。さらに、従来技術のように成形型1の
外周部に断熱材を設ける必要がないため、冷却速度が速
くなり成形のタクトが向上した。しかし、従来技術のよ
うに外周部に断熱材を設けた成形型で成形すると、ガラ
スの冷却速度が遅く中心部にて焼付が生じた。なお、ガ
ラス素材として溶融ガラスを用いた場合について説明し
たが、ガラス素材に所望のレンズ形状と近似した形状の
ガラスプリフォームを加熱軟化した後、プレス成形して
も同様な効果が得られた。
【0019】
【実施例2】図4は、本発明に係る光学素子成形用型の
実施例2を示す断面図である。本実施例の成形用型21
は、凹レンズを成形するためのもので、中心部に熱伝導
率の低い円柱形状22の焼結材を配置し、円柱形状22
の外周部に熱伝導率の高い円筒形状33の焼結材を一体
的に形成して構成されている。
【0020】次に、この成形用型21の製造方法を説明
する。まず、高純度AlN粉末(純度99.9%以上)
とY2 3 粉末とを重量比97:3の割合で6時間混合
し、分散媒として蒸留水を加え100℃、3時間乾燥す
る。その後、成形圧力1.5トンで図5(A)に示すよ
うな円柱形状22に成形する。
【0021】次に、高純度AlN粉末(純度99.9%
以上)とYF3 粉末とを重量比97:3の割合で4時間
混合し、分散媒として蒸留水を加え100℃、3時間乾
燥する。そして、その混合粉末により上記円柱形状22
の外周部に円筒形状33を一体的に圧縮形成し、図5
(B)に示すブランク24を製造する。
【0022】その後、ブランク24を窒素雰囲気中で6
50〜700℃の範囲で加熱し脱脂を行う。この脱脂を
3時間行った後、1850℃まで10℃/分の昇温速度
で上昇させ、5時間その温度で保持しブランク24を本
焼結合する。そして、加熱保持後10時間かけて徐冷す
る。この焼結により、密度が約3.3g/cm3 の材料
が得られた。
【0023】次に、焼結したブランク24の外形をダイ
ヤモンド砥石で研削して所望の形状に仕上げる。また、
ガラスレンズ成形面25をダイヤモンド砥石にて成形す
るレンズ形状と近似した形状に研削加工した後、ダイヤ
モンドパウダーにて研磨加工し、その表面をRmax=
0.08μm以下に仕上げ、図4に示す成形型21を得
る。この成形型21の中心部を構成する円柱形状22の
型材の熱伝導率は130W/mKで、外周部を構成する
円筒形状23の熱伝導率は220W/mKであった。
【0024】この光学素子成形用型21(下型21a、
上型21b)を使用し、図6の成形装置により、高軟化
点の硝材BK7からなるガラスプリフォーム26を用い
て凹レンズを成形した。まず、両面を♯500の砥石で
平面研削したガラスプリフォーム26を胴型27に保持
し、胴型27を搬送アーム28に載置する。そして、搬
送アーム28によりガラスプリフォーム26と胴型27
をヒータ29に搬送し、ガラスプリフォーム26をガラ
ス粘度で105 〜107 ポアズに相当する温度まで加熱
軟化する。
【0025】次に、搬送アーム28を移動し、図示を省
略したヒータによりガラス粘度1012〜1014ポアズに
相当する温度に加熱保持した下型21aと上型21bと
の間にガラスプリフォーム26を搬送する。そして、ガ
ラスプリフォーム26を上下両型21b,21aにより
プレス圧250kgf/cm2 にて成形した後、プレス
を25秒間行い、凹レンズ30を得た。
【0026】本実施例によれば、光学素子成形用型21
の中心部の熱伝導率を低くして冷却速度を遅くし、外周
部の熱伝導率を高くして冷却速度を速くしたので、加圧
冷却するガラスプリフォーム26の温度分布を均一にす
ることができる。したがって、凹レンズを成形する際、
成形型21の温度分布を均一にすることができる。した
がって、凹レンズを成形する際、成形型21の外周部は
熱伝導性が高いため熱を早く奪い、中心部は熱伝導性が
低いため熱を奪いにくく、全体的にガラスプリフォーム
26を均一状態で冷却が可能となり、高精度のガラス成
形レンズを得ることができた。
【0027】しかし、従来技術のように型外周部に断熱
材を設けた成形型で成形すると、外周部のガラス量が多
く冷却しにくいうえ、さらに型外周部に断熱材を設けて
いるため冷却速度が遅くなりガラスの中心部にて焼付が
生じた。なお、ガラス素材としてガラスプリフォーム2
6を用いた場合について説明したが、ガラス素材に実施
例1と同様に溶融ガラスをプレス成形しても同様な効果
が得られた。
【0028】
【実施例3】図7は、本発明に係る光学素子成形用型の
実施例3を示す断面図である。本実施例の成形用型31
は、凸レンズを成形するためのもので、中心部に熱伝導
率の高い円柱形状32の焼結材を配置し、円柱形状32
の外周部に円柱形状32より熱伝導率の低い円筒形状3
3の焼結材を配置し、さらに円筒形状33の外周部に円
筒形状33より熱伝導率の低い円筒形状34の焼結材を
一体的に形成して構成されている。
【0029】次に、この成形用型31の製造方法を説明
する。まず、高純度AlN粉末(純度99.9%以上)
とYF3 粉末とを重量比97:3の割合で5時間混合
し、分散媒として蒸留水を加え100℃、3時間乾燥す
る。その後、成形圧力1.5トンで図8(A)に示すよ
うな円柱形状32に成形する。
【0030】次に、高純度AlN粉末(純度99.9%
以上)とYF3 粉末とY2 3 粉末とを重量比96:
2:2の割合で6時間混合し、分散媒として蒸留水を加
え100℃、3時間乾燥する。そして、その混合粉末に
より上記円柱形状32の外周部に円筒形状33を一体的
に圧縮形成し、図8(B)に示す形状に製造する。さら
に、高純度AlN粉末(純度99.9%以上)とY2
3 粉末とを重量比97:3の割合で4時間混合し、分散
媒として蒸留水を加え100℃、3時間乾燥する。そし
て、その混合粉末により上記円筒形状33の外周部に円
筒形状34を一体的に圧縮形成し、図8(C)に示すブ
ランク35を製造する。
【0031】その後、ブランク35を窒素雰囲気中で6
50〜700℃の範囲で加熱し脱脂を行う。この脱脂を
3時間行った後、1850℃まで10℃/分の昇温速度
で上昇させ、5時間その温度で保持しブランク35を本
焼結合する。そして、加熱保持後10時間かけて徐冷す
る。この焼結により、密度が約3.3g/cm3 の材料
が得られた。
【0032】次に、焼結したブランク35の外形をダイ
ヤモンド砥石で研削加工して所望の形状に仕上げる。ま
た、ガラスレンズ成形面36をダイヤモンド砥石にて成
形するレンズ形状と近似した形状に研削加工した後、ダ
イヤモンドパウダーにて研磨加工し、その表面をRma
x=0.08μm以下に仕上げ、図7に示す成形型31
を得る。この成形型31の中心部を構成する円柱形状3
2の型材の熱伝導率は220W/mKで、中間部を構成
する円筒形状33の熱伝導率は170W/mK,外周部
を構成する円筒形状34の熱伝導率は140W/mKで
あった。この光学素子成形用型31を使用し、SK8の
硝材を用いて実施例1と同様な方法にて凹レンズを成形
した。
【0033】本実施例によれば、成形用型31の中心部
32と外周部34との間に中間部33を設けたので、熱
伝導率の分布がなめらかになるため、上記実施例1より
もプレス成形するガラスをさらに均一に冷却することが
できる。なお、ガラス素材として溶融ガラスを用いた場
合について説明したが、実施例2と同様に、ガラス素材
に所望のレンズ形状と近似した形状のガラスプリフォー
ムを加熱軟化した後、プレス成形しても同様な効果が得
られた。また、本実施例では、3段階に熱伝導率を変化
させた場合を示したが、さらに変化させる段階を多くす
ることにより効果は向上する。
【0034】
【実施例4】図9は本発明に係る光学素子成形用型の実
施例4を示す断面図である。本実施例の成形用型41
は、凹レンズを成形するためのもので、中心部に熱伝導
率の低い円柱形状42の焼結材を配置し、円柱形状42
の外周部に円柱形状42より熱伝導率の高い円筒形状4
3の焼結材を配置し、さら円筒形状43の外周部に円筒
形状43の熱伝導率の高い円筒形状44を一体的に形成
して構成されている。
【0035】次に、この成形用型41の製造方法を説明
する。まず、高純度AlN粉末(純度99.9%以上)
とY2 3 粉末とを重量比97:3の割合で6時間混合
し、分散媒として蒸留水を加え100℃、3時間乾燥す
る。その後、成形圧力1.5トンで図10(A)に示す
ような円柱形状42に成形する。
【0036】次に、高純度AlN粉末(純度99.9%
以上)とYF3 粉末とY2 3 粉末とを重量比96:
2:2の割合で6時間混合し、分散媒として蒸留水を加
え100℃、3時間乾燥する。そして、その混合粉末に
より上記円柱形状42の外周部に円筒形状43を一体的
に圧縮形成し、図10(B)に示す形状に製造する。
【0037】さらに、高純度AlN粉末(純度99.9
%以上)とYF3 粉末とを重量比97:3の割合で5時
間混合し、分散媒として蒸留水を加え100℃、3時間
乾燥する。そして、その混合粉末により上記円筒形状4
3の外周部に円筒形状44を一体的に圧縮形成し、図1
0(C)に示すブランク45を製造する。
【0038】その後、ブランク45を窒素雰囲気中で6
50〜700℃の範囲で加熱し脱脂を行う。この脱脂を
3時間行った後、1850℃まで10℃/分の昇温速度
で上昇させ、5時間その温度で保持しブランク45を本
焼結合する。そして、加熱保持後10時間かけて徐冷す
る。この焼結により、密度が約3.3g/cm3 の材料
が得られた。
【0039】次に、焼結したブランク45の外形をダイ
ヤモンド砥石で研削加工して所望の形状に仕上げる。ま
た、ガラスレンズ成形面46をダイヤモンド砥石にて成
形するレンズ形状と近似した形状に研削加工した後、ダ
イヤモンドパウダーにて研磨加工し、その表面をRma
x=0.08μm以下に仕上げ、図9に示す成形型41
を得る。この成形型41の中心部を構成する円柱形状4
2の型材の熱伝導率は130W/mKで、中間部を構成
する円筒形状43の熱伝導率は165W/mK,外周部
を構成する円筒形状44の熱伝導率は220W/mKで
あった。この光学素子成形用型41を使用し、高軟化点
の硝材SK7を用いて実施例2と同様な方法にて凹レン
ズを成形した。
【0040】本実施例によれば、成形用型41の中心部
42と外周部44との間に中間部43を設けたので、熱
伝導率の分布がなめらかになるため、上記実施例2より
もプレス成形するガラスをさらに均一に冷却することが
できる。なお、ガラス素材としガラスプリフォーム26
を用いた場合について説明したが、ガラス素材に実施例
3と同様に、溶融ガラスをプレス成形しても同様な効果
が得られた。また、本実施例では、3段階に熱伝導率を
変化させた場合を示したが、さらに変化させる段階を多
くすることにより効果は向上する。
【0041】
【実施例5】本実施例の光学素子成形用型は、実施例1
〜4にて用いた助剤Y2 3 およびYF3 に替えて、他
の助剤を用いて構成した。表1は本実施例で用いた助剤
を示すもので、その熱伝導率は、AlNに助剤を3重量
%を添加し、上記実施例と同様に1800℃で焼結した
ときのものを表している。
【0042】
【表1】
【0043】次に、表1の助剤を4種類組み合わせた凹
レンズ用の成形型を製造する方法を説明する。まず、高
純度AlN粉末(純度99.9%以上)とCaCO3
末とを重量比97:3の割合で6時間混合し、分散媒と
して蒸留水を加え100℃、3時間乾燥する。その後、
成形圧力1.5トンで図5(A)に示すような円柱形状
に成形する。
【0044】次に、高純度AlN粉末(純度99.9%
以上)とCeO3 粉末とを重量比97:3の割合で6時
間混合し、分散媒として蒸留水を加え100℃、3時間
乾燥する。そして、その混合粉末により上記円柱形状の
外周部に円筒形状を一体的に圧縮成形し2重とする。
【0045】さらに、高純度AlN粉末(純度99.9
%以上)とGd2 3 粉末とを重量比97:3の割合で
5時間混合し、分散媒として蒸留水を加え100℃、3
時間乾燥する。その後、その混合粉末により上記円筒形
状の外周部に円筒形状を一体的に圧縮成形し3重とす
る。
【0046】そして、高純度AlN粉末(純度99.9
%以上)とTiO2 粉末とを重量比97:3の割合で5
時間混合し、分散媒として蒸留水を加え100℃、3時
間乾燥する。その後、その混合粉末により上記円筒形状
の外周部に円筒形状を一体的に圧縮成形して4重のブラ
ンクを製造する。
【0047】その後、ブランクを窒素雰囲気中で650
〜700℃の範囲で加熱し脱脂を行う。この脱脂を3時
間行った後、1800℃まで10℃/分の昇温速度で上
昇させ、3時間その温度で保持したブランクを本焼結す
る。そして、加熱保持後10時間かけて徐冷する。この
焼結により、密度が約3.23g/cm3 の材料が得ら
れた。
【0048】次に、焼結したブランクの外形をダイヤモ
ンド砥石で研削加工して所望の形状に仕上げる。また、
ガラスレンズ成形面をダイヤモンド砥石にて成形するレ
ンズ形状と近似した形状に研削加工した後、ダイヤモン
ドパウダーにて研磨加工し、その表面をRmax=0.
08μm以下の凸形状に仕上げ、凹レンズの成形用型を
製造した。なお、本実施例では、凸形状の成形用型につ
いて説明したが、熱伝導率の変化の方向を逆にすること
により凹形状の成形用型を構成することができる。ま
た、助剤を4種類以上を添加しても良い。さらに、上記
実施例2、4の用に助剤を混合することにより、熱伝導
率を変化させて成形用型を製造することもできる。
【0049】本実施例によれば、1つの成形用型に4種
類の助剤を添加して焼結した材料を用いたが、主成分が
AlNのため線膨張率等の特性は同じであるため、継ぎ
目の段差が生じなく高精度の光学素子を成形することが
できる。また、熱伝導率の変化をさらに細かくできるた
め、大口径レンズの成形用型として用いることができ
る。なお、本実施例では、助剤としてCaCO3 、Ce
3 、Gd2 CO3 、TiO2 を用いた場合を例示した
が、これに限らず、例えば、成形用型の成形面が凸形状
のときは成形面の外側ほど熱伝導率が高くなるように、
また、成形用型の成形面が凹形状のときは成形面の外側
ほど低くなるように、表1で示した助剤を添加して成形
用型を製造することにより、本実施例と同様な効果を得
ることができる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、主成分
のAlNに異なる焼結助剤を添加して、少なくとも成形
面をその径方向に熱伝導率を異なるように形成したの
で、プレス成形時に光学ガラス素材の中心部と外周部と
の温度差をなくすことができ、ヒケ、割れを生じさせる
ことなく高精度の光学素子を簡単に成形することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す断面図である。
【図2】実施例1の成形用型の製造工程を示す断面図で
ある。
【図3】実施例1、3の成形用型を用いた光学素子の製
造工程図である。
【図4】本発明の実施例2を示す断面図である。
【図5】実施例2の成形用型の製造工程を示す断面図で
ある。
【図6】実施例2、4の成形用型を用いた光学素子の製
造工程図である。
【図7】本発明の実施例3を示す断面図である。
【図8】実施例3の成形用型の製造工程を示す断面図で
ある。
【図9】本発明の実施例4を示す断面図である。
【図10】実施例4の成形用型の製造工程を示す断面図
である。
【符号の説明】
1,21,31,41 光学素子成形用型

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlNを主成分としかつ中心部と外周部
    とに異なる焼結助剤を添加して得た焼結材により中心部
    と外周部とで熱伝導率が異なるように、少なくとも成形
    面を形成したことを特徴とする光学素子成形用型。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008207973A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Hoya Corp レンズブランク及びレンズの製造方法

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