JPH06219710A - 廃硫酸の再生回収法 - Google Patents

廃硫酸の再生回収法

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JPH06219710A
JPH06219710A JP990893A JP990893A JPH06219710A JP H06219710 A JPH06219710 A JP H06219710A JP 990893 A JP990893 A JP 990893A JP 990893 A JP990893 A JP 990893A JP H06219710 A JPH06219710 A JP H06219710A
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JP
Japan
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sulfuric acid
organic compounds
waste sulfuric
concentration
treated
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JP990893A
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English (en)
Inventor
Kiyoteru Nagahara
長原  清輝
Hiroaki Matsuno
博明 松野
Shinji Takenaka
慎司 竹中
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 難分解性有機化合物を含む廃硫酸を加熱お
よび/または希釈し、炭化、及び析出した有機化合物を
濾別し該濾液を電気分解し、得られた処理液を濃縮する
廃硫酸の再生回収法。 【効果】 予め廃硫酸中に溶解している難分解性有機
物を分離し、電気分解することにより電気量が大巾に低
減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は廃硫酸からの硫酸の回収
方法に関する。更に詳しくは廃硫酸に含まれる難分解性
有機物を硫酸中で電解酸化処理し、硫酸を回収する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】硫酸は化学工業の基礎物質であり、その
用途は広範囲に渡って使用されている。廃硫酸より硫酸
を回収する方法は、化学酸化法、蒸発濃縮法、熱分解炉
法、イオン交換膜法、透析法等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、染料及び染料
中間体製造等などで生じる難分解性有機物化合物を多量
に含む廃硫酸からの硫酸回収においては従来のこれらの
方法では、有機物の分解が不十分であり廃硫酸に残存し
ている有機化合物の高温下での還元作用でSO2への転
換による収率の低下、残留有機物による低品質、処理時
の硫酸希釈等などによるコスト高などの難点があり工業
的な回収方法にはなり得なかった。本発明の課題は染料
及び染料中間体製造等に生じる廃硫酸中に多量に含まれ
る難分性解有機化合物を効果的に処理し廃硫酸から高品
質、高収率で硫酸を工業的に回収できる方法を提供する
ものである。
【0004】本発明者らは、廃硫酸中に含有する難分解
性の有機化合物を電解酸化分解することで、硫酸を回収
できる方法を見いだし先に出願した(特願平4−390
68)。しかし染料及び染料中間体製造時に生じる廃硫
酸は難分解性の有機化合物を多量に含有し、それを分解
し硫酸を回収するには多大な電気量を必要とし、処理コ
ストのエネルギー費用がかかり過ぎる。そのため、経済
的に十分に再利用できるような硫酸の回収には至らなか
った。廃硫酸から硫酸の回収を企業化するためには、経
済的に企業化可能なプロセスにする必要がある。多大な
電気量を削減する為にも廃硫酸から予かじめできるだけ
多くの有機化合物を取り除き電解酸化分解における有機
化合物の負荷を少なくし、電解酸化分解をする必要があ
った。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、染料及び染
料中間体製造時に生ずる難分解性有機化合物を多量に含
む廃硫酸から、高品質の硫酸を高収率で回収し、工業的
に実施可能になり得る方法について鋭意検討を行った結
果、染料及び染料中間体製造時に生ずる難分解性有機化
合物を多量に含有している廃硫酸を加熱、希釈あるいは
加熱後希釈し含有する難分解性有機物を炭化および/ま
たは析出させ、廃硫酸中より炭化、析出した難分解性有
機物を濾別し、前処理で廃硫酸中の難分解性有機物のあ
る程度の量を簡便に除く方法を見いだした。その後、濾
別で除けない濾液中の有機化合物について最少限度の電
気量で酸化分解処理し、その処理液を濃縮することで、
高品質の硫酸を高収率で回収できるプロセスを確立し本
発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は難分解性有機化合物を
含む廃硫酸を加熱および/または希釈し、炭化、及び析
出した有機化合物を濾別し、該濾液を電気分解し、得ら
れた処理液を濃縮する廃硫酸の再生回収法である。
【0007】
【0008】本発明に於いて使用される難分解性有機化
合物を含む廃硫酸とは、染料、及び染料中間体製造時に
生じる有機化合物を多量に含む廃硫酸であり、例えばア
ントラキノン類を用いた各種染料、及びその中間体合成
に際して使用した硫酸である。
【0009】本発明は廃硫酸を加熱および/または希釈
し、不溶物を取り除いた液を電気分解して濃縮するプロ
セスからなる。
【0010】廃硫酸を加熱する条件としては100〜2
00℃、好ましくは125〜170℃で1〜10時間、
好ましくは1〜4時間加熱、保温し、含有している有機
化合物を炭化させる。加熱温度が100℃より低いと、
有機化合物の炭化析出効果が不十分であり、また170
℃を越える温度では有機化合物の急激な分解により発泡
現象が生じて好ましくない。
【0011】本発明方法の希釈とは廃硫酸を水に添加す
る事で、廃硫酸に溶解している有機化合物を析出させる
事を目的としている。。硫酸濃度を下げるにつれて、有
機化合物の溶解度が低下し、有機化合物の析出量は増加
する。しかし最終的には濃縮し95〜98重量%硫酸と
して回収する為、煮詰めの熱量等の関係から希釈濃度範
囲はおのずから決定されるが硫酸濃度は20〜70重量
%、好ましくは40〜60重量%である。
【0012】更に、本発明では電気分解する前に予め難
分解性有機化合物を分離する方法として加熱と希釈を組
み合わせる事も可能であり、難分解性有機化合物の除去
には効果が高い。
【0013】加熱および/または希釈した廃硫酸には炭
化および/または析出した有機物が分離しているので一
般的な固液分離法、例えば減圧濾過、加圧濾過、遠心分
離等の方法で分離する。
【0014】分離した濾液中にはまだ有機化合物が溶解
しているが、最終の濃縮工程で分解出来ない有機化合物
を電気分解にて酸化分解する。
【0015】本発明の電気分解は、陽極に市販の過酸化
鉛電極を直接用いるか、または鉛系電極を用いること
で、電極表面を過酸化鉛としてその陽極での強い酸化力
により廃硫酸中の有機物を分解するものである。市販の
過酸化鉛電極の場合は特に問題はないが、陽極に純鉛を
用いた場合は過酸化鉛の被膜の密着強度が弱く、容易に
剥離するために鉛の消耗が大きく実用上問題がある。
【0016】種々検討の結果、鉛の合金を用いると酸化
力は純鉛と同じで、かつ鉛の消耗が非常に少なく実用上
十分使用出来ることを見出した。鉛合金とすることで、
純鉛より金属としての硬度が増し電極としての消耗が改
善されるためである。
【0017】鉛合金については、その成分組成は多様で
あるが、本発明においては特に、合金の成分に少なくと
も、銀、インジウム、アンチモン、錫の内1種以上混入
したものは消耗の観点より優れていて好ましい。 電気
分解により有機物は陽極にて酸化分解されるが、本発明
の長所として金属イオンも陰極に電着させることも可能
であり、従来廃硫酸中に有機物と共存していて熱分解の
みでは除去出来なかった無機物も処理可能となり廃硫酸
の再利用の幅を広げることができる。
【0018】陰極については、特に限定するものではな
いが、電極を長期間硫酸中で安定に使用するためには耐
蝕性のものが好ましい。
【0019】硫酸濃度と電解の酸化効率について関係は
ないが、高濃度の場合には電極の消耗が促進される傾向
があり不利となる。再利用する際の硫酸濃度、電極の消
耗を考慮して電気分解を行うことが望ましい。即ち、2
0〜80重量%の硫酸濃度が好ましい。
【0020】温度については、高い方が酸化反応速度を
高めることができる。しかし電極の消耗についても高温
の方が大きくこれらを勘案すれば、10〜100℃好ま
しくは20〜70℃である。
【0021】電流密度は高い方が電解の反応速度が向上
するので、電解槽の容積効率上好ましい。しかし、あま
り高いと酸化分解受ける基質の電極面への濃度勾配が低
下するために電流効率が下がる。これらを勘案して0.
01〜1A/cm2、好ましくは0.05〜0.5A/
cm2である。
【0022】本発明の方法は、隔膜を有する分離電解槽
または単一室電解槽を用いて行われる。電気分解された
廃硫酸は20〜70重量%の濃度であり、通常、使用さ
れる95〜98重量%の濃度とする為に320〜336
℃に煮詰め濃縮をする。
【0023】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 染料中間体製造時に生じたアントラキノン化合物等を全
有機物炭素(TOCと略する。)濃度で40,000p
pm含む硫酸分70重量%の廃硫酸1000gを170
℃で1時間加熱保温、冷却後、400gの水に添加し、
炭化または析出した有機物を濾別すると、得られた濾液
中のTOC濃度は14,000ppmであつた。その濾
液を陽・陰極に鉛合金の電極を用いて4Frの電気量で
電解酸化処理を行い、TOC濃度8,000ppmの電
解処理液を得た。その電解処理液の温度が336℃にな
るまで濃縮すると、無色澄明な98重量%硫酸濃度の硫
酸を660g得ることができた。得られた硫酸中のTO
C濃度を測定すると150ppm以下であった。
【0024】実施例2 染料製造等などで生じた縮合多環キノン化合物等をTO
C濃度で25,000ppm含む硫酸分80重量%の廃
硫酸1000gを170℃で4時間加熱保温後、500
gの水に添加し、炭化、または析出した有機物を濾別す
ると、得られた濾液中のTOC濃度は8,000ppm
であった。その濾液を陽・陰極に鉛合金の電極を用いて
4Frの電気量で酸化処理を行い、TOC濃度2,00
0ppmの電解処理液を得た。その電解処理液の温度が
336℃になるまで濃縮すると、無色澄明な98重量%
硫酸を730g得ることができた。得られた硫酸中のT
OC濃度を測定すると50ppm以下であった。
【0025】実施例3 染料中間体製造時に生じたアントラキノン化合物等をT
OC濃度で40,000ppm含む硫酸分70重量%の
廃硫酸1000gを170℃で1時間加熱保温、冷却
後、炭化した有機物を濾別すると、得られた濾液中のT
OC濃度は21,000ppmであつた。その濾液を陽
・陰極に鉛合金の電極を用いて4Frの電気量で電解酸
化処理を行い、TOC濃度12,000ppmの電解処
理液を得た。その電解処理液の温度が336℃になるま
で濃縮すると、無色澄明な98重量%の硫酸を655g
得ることができた。得られた硫酸中のTOC濃度を測定
すると550ppmであった。
【0026】実施例4 染料中間体製造時に生じたアントラキノン化合物等をT
OC濃度で40,000ppm含む硫酸分70重量%の
廃硫酸1000gに水400gを加え、30℃で1時間
撹拌後、析出した有機物を濾別すると、得られた濾液中
のTOC濃度は16,000ppmであつた。その濾液
を陽・陰極に鉛合金の電極を用いて4Frの電気量で電
解酸化処理を行い、TOC濃度10,000ppmの電
解処理液を得た。その電解処理液の温度が336℃にな
るまで濃縮すると、無色澄明な98重量%の硫酸を65
2g得ることができた。得られた硫酸中のTOC濃度を
測定すると500ppmであった。
【0027】比較例1 染料中間体製造等などで生じたアントラキノン化合物等
をTOC濃度で40,000ppmと70重量%の硫酸
分を含む1000gの廃硫酸を170℃で4時間加熱保
温後、400gの水に添加し、炭化または析出した有機
物を濾別すると、得られた濾液中のTOC濃度は14,
000ppmであつた。その濾液の温度がを336℃に
なるまで濃縮すると、97.5重量%の着色した硫酸を
610g得た。得られた硫酸中のTOCを測定すると
5,500ppmであった。
【0028】比較例2 染料中間体製造等などで生じたアントラキノン化合物と
縮合多環キノン系の有機物を40,000ppm(TO
C)含む硫酸分70重量%の廃硫酸1000gを陽・陰
極に鉛合金の電極を用いて4Frの電気量で酸化処理を
行うと、TOC濃度25,000ppmの電解酸化処理
液が得られた。この電解処理液の温度が336℃になる
まで濃縮したら、着色した97.2重量%の硫酸を56
0g得た。得られた硫酸中のTOC濃度を測定すると
7,500ppmであった。
【0029】
【発明の効果】本発明方法は実施例および比較例からも
明らかなように予め廃硫酸中に溶解している難分解性有
機物を分離し、電気分解することにより電気量が大巾に
低減でき工業的に有利な廃硫酸の回収方法である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難分解性有機化合物を含む廃硫酸を加熱
    および/または希釈し、炭化、及び析出した有機化合物
    を濾別し該濾液を電気分解し、得られた処理液を濃縮す
    る廃硫酸の再生回収法。
  2. 【請求項2】 加熱処理する温度が、100〜200℃
    である請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 希釈された硫酸濃度が20〜70重量%
    である請求項1の方法。
JP990893A 1993-01-25 1993-01-25 廃硫酸の再生回収法 Pending JPH06219710A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102826518A (zh) * 2011-06-15 2012-12-19 安徽理工大学 一种浓废酸回收工艺

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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