JPH06219250A - 自動変速機のパーキング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】パーキングポールの先端部の位置を正確に維持
しつつ、非パーキング時の車両の走行状態の変動に対し
て、ロッド先端部がポールによって損傷せしめることの
ないパーキング装置を提供する。 【構成】パーキングポール２を係止する手段として非作
動時にポールを係止せしめてロッド６の損傷を防ぐ第１
の突起部５ａと、作動時にカム面との当接部により、ポ
ールを作動せしめる第２の突起部５ｂを設け非作動時に
は第２の突起部とポール面との間には隙間を保持してロ
ッドのシャフト６ｃが係止せしめられる構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機のパ
ーキング装置に関わり、特にパーキングロッドの係止手
段の改良に関わる。

【０００２】

【従来技術】従来、車両用自動変速機のパーキング装置
において、図２に示すように、パーキングロッド２０
は、ケースに形成された突起２１と、スプリングにより
付勢されたパーキングポール２２の間に狭持されてい
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、車両の走行
状態の変動が生じた場合、又は、高速走行中にパーキン
グレンジに操作した場合には、パーキングポールが強く
ロッドに衝突するため、ロッドに凹状の打痕が発生した
り曲がったりする場合が生ずる。

【０００４】しかし、打痕等を防止せしめる為、ロッド
をパーキングポールと突起部の間から外に配設すると、
パーキング時にカムが適正にポールを付勢せしめるべく
突起部とポールの間に挿入することが困難であるという
問題点がある。

【０００５】そこで、本発明は、あらかじめ突起とポー
ルの間にロッド先端部を挿入せしめておくと共に、更に
別の突起部を設けて、この突起部によりポールをトーシ
ョンスプリングに対抗せしめて係止せしめ、ポールと突
起部の間に挿入せしめられるロッド先端部に隙間を設け
てロッド先端部の打痕等を防止せしめる構造を提供する
ことを目的とする。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】上述の問題点を解決す
るために本発明は、トランスミッションケース１と、爪
２ａ，カム当接部２ｂを有するパーキングポール２と、
該パーキングポールを前記ケースに回動自在に支持せし
める支持手段３と、前記ケースに配設せしめられ前記パ
ーキングポールの爪側からカム当接部側に向かって付勢
せしめる付勢手段４と、前記付勢手段の付勢力に対抗し
て前記ポールを係止せしめる前記ケースに形成された第
１の係止手段５ａと、前記パーキングポールをカム当接
部２ｂに当接せしめられるカム６ａ及びシャフト６ｃか
らなるロッド６と、該ロッド先端部を挿入せしめ、パー
キング時にカム面により前記パーキングポールをスプリ
ング力に対抗して付勢せしめ前記カム当接部２ｂ近傍に
前記ケースを配設せしめた第２の係止手段５ｂとを備
え、前記第１の係止手段５ａは非パーキング時に、前記
ロッド先端部６ｅと前記カム当接部２ｂ及び第２係止部
５ｂとの間に間隔を形成すべく配設せしめた構造を有す
る。

【０００７】

【作用及び発明の効果】本発明は、第１の係止手段をパ
ーキングポールのカム当接部と第２の係止手段との間の
間隔がロッド先端部の径よりも大なるように配設してな
るのでカム当接部によってロッド先端部が打痕等を発生
させる恐れを防止することができる。又、ロッド先端部
は当初からカム当接部及び第２の係止部の間に投入せし
められているので、位置決めは正確になされる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１を参照しながら
説明する。トランスミッションケース１は、パーキング
装置を覆って形成されている。パーキングポール２は、
爪２ａ、カム当接部２ｂ、ピン穴２ｃ、ピン係止部２ｄ
を有している。支持手段３は、ケース１の肉盛部１ａに
設けられケースの穴１ｂ、溝１ｃを有する。付勢手段４
は第１のトーションスプリング４ａ、ピン４ｂ、ボルト
４ｃ、第２のトーションスプリング４ｄよりなる。

【０００９】第１のトーションスプリング４ａはピン４
ｂに４〜５回巻回せしめられ、一端をケース１の内面で
係止せしめ、他端をパーキングポールの下面２ｅで係止
せしめて、第２のトーションスプリング４ｄはパーキン
グポール２の先端部でケースにボルト４ｃにより固定せ
しめ、一端をポール先端の下面に係止せしめ、いずれも
ポール２を図示上方に付勢せしめ爪２ａがパーキングギ
ヤから離れる方向に付勢せしめている。

【００１０】係止手段５は第１の係止手段５ａと第２の
係止手段５ｂからなり、第１の係止手段５ａはケース１
に設けられた第１の突起部であり、ほぼポールの爪部２
ｂの反対側の面に当接すべく配設された第２の係止手段
５ｂは、ポール２のカム当接部２ｂ近傍に配設されたケ
ースに形成された第２の突起部であり、第１の係止手段
である第１の突起部５ａは、第２の突起部５ｂとカム当
接部２ｂとの間にシャフト６ａの先端が挿入されるが、
その間に隙間が形成される程度にポール２を係止してい
る。

【００１１】ロッド６はシャフト６ａ、スプリング６
ｂ、カム６ｃ、スリーブ６ｄからなり、シャフト先端部
に配設されたスリーブ６ｄは、非パーキング時には図示
の如くカム５ｃと離れてカム当接部及び第２の係止手段
５ｂを介して反対方向に位置する。

【００１２】以下本発明の作動状況について説明する。
図１に示す如く、パーキングポール２は、第１の突起部
５ａによってスプリング力に対抗して図示上方に付勢さ
れるのを係止せしめているので、例えば高速走行中に、
パーキング状態に誤操作したとしてもロッド６の先端部
６ｅとポールのカム当接部２ｂが衝突して打痕がついた
り、あるいはロッド６が曲折されるようなことは生じな
い。

【００１３】又、ロッドの先端部６ｅはスリーブ６ｄを
設けているので、パーキング時にはロッド６が図示左方
向に移動せしめられて、確実に位置決めがなされ、突起
部５ｂとカム当接部２ｂとの間からロッド先端部６ｅが
離れて作動される恐れはなく、カム６ｃの第１のテーパ
面６ ｃ₁がカム当接部２ｂ上に位置した際、スプリング
力と第２の突起部５ｂとの対抗により一旦カム６ｃは図
示右方に位置するが、第１のテーパ面６ｃ₂が第２の突
起部５ｂ上を図示右方向に移動して、更に、ポール２を
図示下方に付勢せしめ、爪２ａをパーキングギヤ１０の
凹部１０ａに嵌入せしめてパーキング状態となるのであ
る。

【００１４】尚、本実施例では、支持手段３は第２のト
ーションスプリング４ｄを有しているが、これは、第１
のトーションスプリング４ａが折損等した場合の予備的
なもので、スプリング自体も弾性力の弱いものが用いら
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のパーキング装置を示す正面図である。

【図２】本発明の課題を説明する為の図である。

【符号の説明】

１ トランスミッションケース ２ パーキングポール ２ａ 爪 ２ｂ カム当接部 ３ 支持手段 ４ 付勢手段 ５ａ 第１の係止手段 ５ｂ 第２の係止手段 ６ ロッド ６ａ カム ６ｃ シャフト ６ｄ スリーブ ６ｅ 先端部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 和久 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社 (72)発明者 横山 文友 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トランスミッションケースと、爪，カム当
   接部を有するパーキングポールと、該パーキングポール
   を前記ケースに回動自在に支持せしめる支持手段と、前
   記ケースに配設せしめられ前記パーキングポールの爪側
   からカム当接部側に向かって付勢せしめる付勢手段と、
   前記付勢手段の付勢力に対抗して前記ポールを係止せし
   める前記ケースに形成された第１の係止手段と、前記パ
   ーキングポールをカム当接部に当接せしめられるカム及
   びシャフトからなるロッドと、該ロッド先端部を挿入せ
   しめ、パーキング時にカム面により前記パーキングポー
   ルをスプリング力に対抗して付勢せしめ前記カム当接部
   近傍に前記ケースを配設せしめた第２の係止手段とを備
   え、前記第１の係止手段は非パーキング時に、前記ロッ
   ド先端部と前記カム当接部及び第２係止部との間に間隔
   を形成すべく配設せしめたことを特徴とする自動変速機
   のパーキング装置。