JPH0621834U - 工具ヘッド用角度位置決め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】板材の縁部の加工にあたり、縁部輪郭の曲率が
変動しても、工具を確実に追従させる。 【構成】フィーラとして、小間隔で２個のローラ１０を
有するトレーサユニット１を設ける。ローラ１０の動き
は、フォークを介し変換器１５に作用する。変換器１５
はＤＣモータ２０を制御し、アーム４に対し支持部材３
を回動する。支持部材３に直結した工具ホルダーヘッド
６に設けた工具３０は常に正確に位置決めされる。

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】 本考案は薄板材又は板材の縁部を加工する工具ヘッドの角度位置決めを行うた めの角度位置決め装置に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】 ガラス薄板、大理石、スラブ等の一定曲率の縁部に、面取り、輪郭切削等の加 工を行う自動機械が市販されていることは知られている。然し、長円形の薄板材 や各種の形状の縁部等の曲率の変動する縁部を有する薄板材に関しては、加工さ れる点における特定の曲率半径に合わせて工具を正しい角度位置に設定すること が不可能なため、現在、自動機械を使用することは実現していない。従って、現 在、満足な結果が得られるかどうかは、全く作業者の熟練と注意に依存する、純 粋な手作業に頼っている。 【０００３】 【考案が解決しようとする課題】 本考案は上記従来の欠点に鑑みてなされたものであって、ワークの縁部の輪郭 の曲率が変動する場合にも、確実に工具が適当な加工位置にあるように、自動的 に工具ヘッドの正確な角度位置決めを行うために、薄板材又は板材の縁部を加工 する工具ヘッドの角度位置決めを行う角度位置決め装置を提供することをその第 １の目的とするものである。 【０００４】 更に、本考案は、作業者自身の熟練が不要となるように、縁部を自動加工する 装置を提供することをその目的とするものである。 【０００５】 又、本考案は、操作の信頼性と安全性の高い、構造の簡単な装置を提供するこ とをもその目的とするものである。 【０００６】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため、本考案にかかる、薄板材又は板材の縁部を加工する 工具ヘッドの角度位置決めを行う角度位置決め装置はフィーラを備え、該フィー ラは、板又は薄板の縁部輪郭を追従し、且つ、互いに間隔を置いて配設した２個 の縁部接触部材を有すると共に、モータが工具の加工位置における上記縁部の曲 率に合わせて工具ヘッドを位置決めするように、モータを制御するように構成さ れている。 【０００７】 【実施例】 以下に、本考案の構成を、一実施例について、添付した図面に従って説明する 。 【０００８】 本考案にかかる、薄板材又は板材の縁部を加工する工具ヘッドの角度位置決め を行うための角度位置決め装置は、加工される板２等の縁部を追従する機能を有 するフィーラ即ちトレーサユニット１を備えている。以下に詳述するトレーサユ ニット１は、角度位置決め装置の固定支持フレーム(不図示)に連結されたアーム ４と回転自在に協働する支持部材３上に受承されている。支持部材３にブラケッ ト５が堅固に固着されており、ブラケット５に工具ホルダヘッド６が連結されて いる。工具ホルダヘッド６は、図２を参照して後述する歯車３１、３２、３２' 及び３２"を収納する歯車箱を備える。図５に示すように、トレーサユニット１ は、ガラス板２の縁部と係合せしめられる２個の小型のローラ１０で形成される ２個のトレーサ点を有する２個の縁部接触部材を備えている。ローラ１０は、本 体１１で形成される可動部材上に支承されている。本体１１は、板２に大略垂直 に延在する軸心１１'の回りで回転するように、小型の板部材１２上で受承され ており、板部材１２は支持部材３に堅固に固着されている。 【０００９】 ローラ１０は、板２が示すどんな曲率も連続的に追従するように、互いに近接 して間隔を置いた２個の位置で板２の縁部と接触する機能を有する。即ち、本体 １１を軸心１１'の回りで回転することにより、２個のローラ１０の中心を結ぶ 幾何学的直線は、２個のローラ１０が板２の縁部と接触する、板２の縁部上の２ 点を通る割線に平行な角度位置を常に占める。ローラ１０間の距離は比較的小さ いので、上記割線は、上記２個の接点の間の板２の縁部の中間点における接線に 通常平行である。本体１１から、作動部材としてのロッド１３が延在し、ロッド １３の自由端は、フォーク１４(図４)の脚部の間に配置されている。フォーク１ ４は、工具ホルダヘッド６を位置決めするための駆動手段としてのＤＣモータ２ ０を制御する制御手段たる変換器１５に作用する。 【００１０】 更に詳述すると、ＤＣモータ２０(図３)は、アーム４に固着された箱状のケー ス２２内に回動自在に受承されている小型の軸２１を回転駆動し、軸２１に、は すば歯車２４と噛合する歯車２３がキー止めされており、はすば歯車２４は、加 工される板２を含む平面に対して大略垂直に延在する軸心の回りで支持部材３を 回転するように、支持部材３に堅固に連結されている。 【００１１】 ブラケット５が支持部材３に堅固に固着されていることにより、支持部材３が 回転すると、工具ホルダヘッド６が回転し、それに対応して、工具ホルダヘッド ６に対して少なくとも一時的に固定位置決めされた加工中の工具３０が回転する ので、工具３０を、工具３０の作用点における板２の縁部の曲率に合わせて角度 位置決めすることが可能となる。事実、変換器１５は、フォーク１４に作用する ロッド１３の運動によって付与される入力信号を適当に変換して、出力信号をＤ Ｃモータ２０に印加する。この出力信号は、工具ホルダヘッド６とそれに固着さ れた工具３０が板２の縁部の曲率に応じて正確な角度位置を占める角度だけ、支 持部材３を回転する精度を有する。工具ホルダヘッド６には、円周上で間隔を置 いた３個の工具３０、３０'及び３０"(図６)を配設することが望ましく、工具３ ０、３０'及び３０"は、個々の条件に応じて、単独で使用することも可能である 。図１では工具３０のみが示されている。切削技術の分野ではよく知られている ように、輪郭切削を行う輪郭切削工具及び／又は条件に応じて、異なる面取り角 度の面取り面を得るために異なる面取り角度を有し得る面取り工具等を、これら の工具３０、３０'及び３０"として使用できる。 【００１２】 図１及び図２に示すように、中心歯車３１によって板２の縁部に位置決めされ た工具３０を回転即ち駆動するために、モータ４１が設けられている。中心歯車 ３１は、対応する位置に配置された夫々の工具軸３３、３３'又は３３"にキー止 めされた歯車３２、３２'又は３２"と選択的に噛合する。工具ホルダ組立物を回 転することにより、３個の工具３０、３０'及び３０"の内のいずれかを、図４及 び図６の点線で示すように使用することができる。 【００１３】 本考案にかかる装置の操作は、上記説明により容易に理解される。実際、ガラ ス薄板の曲率の変動に対応する、加工される板２の輪郭の変動が起こると、ロー ラ１０が、本体１１を、従って軸１３を、曲率の変動方向に応じて、いずれかの 方向に、即ち、２個のローラ１０が板２の縁部と係合する２点を通る割線の方向 に回転させる。 【００１４】 ロッド１３は、回転すると、フォーク１４を介して、変換器１５に作用し、該 作用により、次に、ＤＣモータ２０が制御運転され、ＤＣモータ２０の軸は、ロ ッド１３が動かされた方向に応じて、更に、それ自身公知の変換器１５の制御作 用によりいずれかの方向に回転する。 【００１５】 上記構成により、ＤＣモータ２０は、工具ホルダヘッド６を回転し、従って、 工具と工具ホルダヘッド６の間の少なくとも一時的に固定された相対位置と、Ｄ Ｃモータ２０によってもたらされる工具ホルダヘッド６の正確な角度変位とによ り、工具を、加工される板２の縁部に対して適当な角度位置に設定する。 【００１６】 図６は、工具ホルダヘッド６に付与される方位を理解し易くするために、起こ り得る多くの曲率変動を略図的に示している。 【００１７】 更に、縁部輪郭が直線の場合には、曲率変動は無く、ロッド１３の揺動も起こ らず、従って、ロッド１３はフォーク１４の脚部に接触しないので、位置決めモ ータが作動せず、縁部の対応する点上で加工中の工具の姿勢は一定しているとい う事実に注目すべきである。 【００１８】 【考案の効果】 本考案は、以上説明したように構成されているので、ワークの縁部の輪郭の曲 率が変動する場合にも、確実に工具が適当な加工位置にあるように、自動的に工 具ヘッドが正確に角度位置決めされるという顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】 【図１】 工具ホルダヘッドに組込まれた、本考案にか
かる角度位置決め装置の概略の部分切取図である。 【図２】 図１の角度位置決め装置の工具作動手段の図
１のII−II線における断面図である。 【図３】 図１の工具ホルダヘッドを位置決めするため
の駆動組立物の図１のIII−III線における断面図であ
る。 【図４】 板の縁部に作用させた、図１の角度位置決め
装置を、略図的に示す。 【図５】 図４のV−V線における断面図である。 【図６】 工具が、加工される板の縁部の曲率の変動に
応じて位置決めされる状態を示す線図である。 １ トレーサユニット ２ 板 ３ 支持部材 ４ アーム ５ ブラケット ６ 工具ホルダヘッド １０ ローラ １１ 本体 １２ 板部材 １３ ロッド １４ フォーク １５ 変換器 ２０ ＤＣモータ ２３ 歯車 ２４ はすば歯車 ３０ 工具 ４１ モータ

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １．薄板材や板材のワークの縁部を加工する工具ヘッド
   の角度位置決めを行うための角度位置決め装置におい
   て、 ワークの平面と交差している延在する第１軸心の回りで
   回転自在に工具ヘッドを支持する支持手段と、工具ヘッ
   ドに角度運動を制御自在に付与する駆動手段と、ワーク
   の平面と交差して延在する回転軸心を有すると共に該回
   転軸心の回りでスイベル運動を行うトレーサ部材と、作
   動部材と、駆動手段を制御する制御手段とを備え、更
   に、トレーサ部材は、加工されるワークの縁部に移動自
   在に同時に係合する２個の離隔したトレーサ点を有し、
   又、トレーサ点をトレーサ部材上の固定位置に配置する
   ことにより、トレーサ点が係合するワークの縁部の輪郭
   の曲率に応じて、トレーサ点とトレーサ部材が一体的に
   角度変位し、又、作動部材はトレーサ部材の角度変位に
   応答する一方、トレーサ点が係合するワークの縁部の輪
   郭の曲率に応じて、駆動手段が工具ヘッドに制御自在の
   角度変位を付与するように、制御手段が駆動手段を制御
   自在に作動する角度位置決め装置。 ２．トレーサ点をローラによって形成し、又、作動部材
   を、フォーク状の端部を有するロッドによって形成する
   一方、制御手段を変換器で形成し、且つ、少なくとも変
   換器の一部をフォーク状の端部が形成する間隙内に配置
   し、更に、駆動手段を、変換器により制御されるＤＣモ
   ータで形成した実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   角度位置決め装置。 ３．薄板材や板材のワークの縁部を加工する工具ヘッド
   の角度位置決めを行うための角度位置決め装置におい
   て、 ワークの平面と交差して延在する第１軸心の回りで回転
   自在に工具ヘッドを支持する支持手段と、工具ヘッドに
   第１軸心の回りでの角度運動を制御自在に付与するＤＣ
   モータと、トレーサ部材と、フォーク状の自由端を有す
   るロッドと、変換器とを備え、又、支持手段は、第１軸
   心と同軸の軸とブラケットを備え、ブラケットの一端は
   上記軸で軸受けされる一方、ブラケットの上記一端に対
   して偏倚させたブラケットの他端が工具ヘッドを支承
   し、且つ、ブラケットの上記一端は第１軸心と同軸の歯
   車を備え、更に、上記歯車と噛合するピニオンをＤＣモ
   ータに設け、又、トレーサ部材は、ワークの平面と交差
   して延在する回転軸心を有して、該回転軸心の回りをト
   レーサ部材が自由にスイベル運動をし、且つ、トレーサ
   部材は、加工するワークの縁部に移動自在に同時に係合
   する２個の離隔したトレーサ点としてのローラを備え、
   該ローラをトレーサ部材上の固定位置に配置することに
   より、ローラが係合するワークの縁部の輪郭の曲率に応
   じて、トレーサ部材とローラが一体的に角度変位し、更
   に、ロッドは、トレーサ部材の回転軸心と交差して延在
   すると共にトレーサ部材の角度変位に応答し、又、変換
   器を、少なくとも部分的にロッドのフォーク状の自由端
   の歯の間に配置し、更に、ローラが係合するワークの縁
   部の輪郭の曲率に応じて、ＤＣモータが工具ヘッドに制
   御自在の角度変位を付与するように、変換器がＤＣモー
   タを制御する角度位置決め装置。